JP2005021704A - 吸水性樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】 水可溶分量の少ない吸水性樹脂及び吸水性樹脂を生産性よく製造する方法を提供する。
【構成】 不飽和カルボン酸及びその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)、1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)、及び1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)を含む水溶液(D)を重合するに際して、以下の(イ)〜(ハ)の条件を同時に満たすようにして重合を行うことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
(イ) (B)/(C)〔モル比〕が、2×10-3〜300の範囲内であること
(ロ) レドックス重合開始剤によって重合を開始すること
(ハ) 最大反応温度が60〜100℃の範囲内であること
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸水性樹脂の製造方法に関する。詳しくは、吸収特性に優れ水可溶分が低減された吸水性樹脂の製造方法に関する。
本発明は、吸水性樹脂にも関する。詳しくは、水可溶分が低減され、耐塩性が高く、加圧下の吸収特性が優れた吸水性樹脂に関する。
更に本発明は、吸水性物品にも関する。詳しくは、水可溶分が低減され、耐塩性が高く、加圧下の吸収特性が優れた吸水性樹脂を含む吸水性物品にも関する。
吸水性樹脂は、各種吸収材料に利用されている。例えば、おむつ、生理用品、土壌保水材、鮮度保持材、結露防止材、シール材等の吸水性材料が挙げられる。
吸水性樹脂及びその製法はよく知られている。先行技術で公知の吸水性樹脂は、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物(特許文献1:特公昭49−43,395号公報)、澱粉−アクリル酸のグラフト共重合体の部分中和物(特許文献2:特公昭53−46,199号公報)、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体のケン化物(特許文献3:特公昭53−13,495号公報)、部分中和アクリル酸の架橋物(特許文献4:特公昭58−35,605号公報)、架橋ポリビニルアルコール変成物(特許文献5:特開昭54−20,093号公報)等である。
上記した従来の吸水性樹脂は、いくらかの水可溶分を含んでいる。この水可溶分の存在は、吸水性樹脂の性能・安全性の両面で好ましくない場合がある。例えば、吸水性樹脂が被吸収液体と接触しヒドロゲル構造を形成した際に、そこから水可溶分が被吸収液体に抽出されると、抽出された水可溶分の割合だけ吸収特性が低下するばかりでなく吸水性樹脂の劣化をも促進する。また、多くの水可溶分が人体等に接触する場合には、ヌルつきにより不快感を与える等、安全性の観点から好ましくない場合がある。
水可溶分の少ない吸水性樹脂の製法は、既に提案されている。例えば、遊離酸形の不飽和重合性酸基含有単量体を重合し中和する製法(特許文献6:特開昭62−54,751号公報)、低中和モノマーを重合し中和する製法(特許文献7:特開平1−144,404号公報)、吸水性樹脂にラジカル捕捉剤の存在下紫外線を照射する製法(特許文献8:特開平4−120,112号公報)、吸水性樹脂に還元性物質とラジカル捕捉剤を添加する製法(特許文献9:特開平4−120,111号公報)等である。
上記例示の製法は、生産工程上必要となる新たな単位操作を含んでいる。例えば特許文献10(特開昭62−54,751号公報)、特許文献11(特開平1−144,404号公報)では重合後の中和工程が必要である。また特許文献12(特開平4−120,112号公報)、特許文献13(特開平4−120,111号公報)では吸水性樹脂に添加剤を混合したり紫外線を照射する等の工程が必要である。重合後の中和工程や重合後の吸水性樹脂への添加物の混合工程では、均一な中和や混合が難しく、生産性が低下する場合がある。
一般に、水可溶分を減らす手法として架橋剤の増量がある。しかし、架橋剤の増量の結果、吸水性樹脂の吸収特性が低下する。
一方、水可溶分の少ない吸水性樹脂も公知である。例えば、断熱重合による吸水性樹脂の製造法(特許文献14:特公平1−31,531号公報)では重合体ゲルを水及びメタ
ノールの溶液中で処理している。この製法では、水/メタノール処理が必要であるため生産性が低下する。また、メタノールが残存する可能性もあり、安全性の観点から好ましくない。
吸水性樹脂は、耐塩性が問題となる場合がある。例えば、吸収させる溶液の種類によって吸収特性が異なる、吸収特性が経時的に変化する等である。
例えば、上記した部分中和アクリル酸等の電解質構造を有する吸水性樹脂は、一般的に耐塩性が低く、おむつに使用した場合には、尿中の電解質による塩濃度の変化や時間の経過により、吸収特性が変化して品質のフレにつながる場合がある。
一方、ノニオン性吸水性樹脂やスルホン酸基含有吸水性樹脂は電解質溶液に対する吸収特性が優れていることが知られている。例えば、水膨潤性止水材に含まれる吸水性樹脂(特許文献15:特開昭62−259846号公報)、ケーブル止水剤に含まれる吸水性樹脂(特許文献16:特開平4−363383号公報)、及び光・電力ケーブル用止水剤(特許文献17:特公平5−4764号公報)等である。しかし、これらの吸水性樹脂はゲル強度が弱く、加圧下の吸収特性が低くなる。
加圧下の吸収特性の高い吸水性樹脂は公知である。例えば、加圧下での膨潤能力の高いヒドロゲルを含む吸収性物品(特許文献18:US5147343)では、加圧下の吸収特性の高い吸水性樹脂を吸収性物品中で使用している。また、加圧下での吸収特性の高い吸水性樹脂の製法も公知である。例えば、界面活性剤の選択による粉末状ポリマーの製造方法(特許文献19:FR8611742)、高濃度重合による吸水性樹脂の製造法(特許文献20:特開昭63−275607号公報)、強制加熱による吸水性樹脂の製造法(特許文献21:特開昭63−275608号公報)、第二架橋剤と混合し、加熱処理する吸水性樹脂の製法(特許文献22:特開平6−184320号公報)等である。しかしながら、これら加圧下での吸収特性の高い吸水性樹脂は、耐塩性が高い物ではない。
特公昭49−43,395号公報 特公昭53−46,199号公報 特公昭53−13,495号公報 特公昭58−35,605号公報 特開昭54−20,093号公報 特開昭62−54,751号公報 特開平1−144,404号公報 特開平4−120,112号公報 特開平4−120,111号公報 特開昭62−54,751号公報 特開平1−144,404号公報 特開平4−120,112号公報 特開平4−120,111号公報 特公平1−31,531号公報 特開昭62−259846号公報 特開平4−363383号公報 特公平5−4764号公報 米国特許第5147343号明細書 仏国特許第8611742号明細書 特開昭63−275607号公報 特開昭63−275608号公報 特開平6−184320号公報
本発明は、上記問題点を解決するものである。本発明の目的は、十分な吸収特性を有し、水可溶分の少ない吸水性樹脂の製造方法を提供することである。また、水可溶分が著しく少なく安全性の高い吸水性樹脂の製造方法を提供することである。更に、十分な吸収特性を有し、水可溶分の少ない吸水性樹脂の簡便で高い生産性を持つ製造方法を提供するものである。
更に本発明の別の目的は、水可溶分が低減され、耐塩性が高く、加圧下の吸収特性が優れた吸水性樹脂を提供することである。
更に本発明の別の目的は、水可溶分が低減され、耐塩性が高く、加圧下の吸収特性が優れた吸水性樹脂を含む吸水性物品を提供することである。また、従来の吸水性樹脂を含む吸水性物品が有していた吸液後の吸収特性の変化が低減された吸水性物品を提供することである。
上記の本発明の諸目的は、不飽和カルボン酸及びその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)、1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)、及び1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)を含む水溶液(D)を重合するに際して、以下の(イ)〜(ハ)の条件を同時に満たすようにして重合を行うことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法によって達成される。
(イ) (B)/(C)〔モル比〕が、2×10-3〜300の範囲内であること
(ロ) レドックス系開始剤によって重合を開始すること
(ハ) 最大反応温度が60〜100℃の範囲内であること
本発明の製造方法により得られた吸水性樹脂は、十分な吸収能力を有し、水可溶分の少ない吸水性樹脂である。また、水可溶分が著しく少なく安全性の高い吸水性樹脂である。本発明の吸水性樹脂を、例えばおむつや生理用品などの吸水性物品中の吸収剤に用いた場合には、良好な吸収性を有する製品を提供できる。本発明の吸水性樹脂は、水可溶分が低減され、耐塩性が高く、加圧下の吸収特性が優れた吸水性樹脂である。本発明の吸収倍率低下度が低く加圧下吸収倍率の高い吸水性樹脂は、吸収した電解質溶液を保持し、その吸収は加圧下でも行えるため有用である。例えば上記した使い捨ておむつや土壌改質材、海水のシール材等は電解質溶液を加圧下で吸収・保持することが必要であり、吸収倍率低下度が低く加圧下吸収倍率の高い吸水性樹脂を用いることの利点がある。本発明の吸水性物品は、電解質溶液の吸収特性が優れた吸水性物品である。また、本発明の吸水性物品は、従来の吸水性物品が有していた吸液後の吸収特性の変化が低減された吸水性物品である。本発明の吸水性物品がおむつの場合、電解質溶液である尿等を吸液した後の吸収特性の変化が少なく、使用感の良いおむつである。
本発明の製造方法においては、(ニ)〜(ヘ)の条件を同時に満たすようにして重合を行うことが好ましい。
(ニ) (B)/(C)〔モル比〕が、0.01〜30の範囲内であること
(ホ) (B)/(A)〔モル比〕が、1×10-4〜3×10-3の範囲内であること
(ヘ) (C)/(A)〔モル比〕が、1×10-4〜1×10-2の範囲内であること
本発明の製造方法においては、(D)の重合を行った後、さらに乾燥を行うことも好ましい。
上記の本発明の諸目的は、吸収倍率低下度が1以上16以下、及び加圧下の吸収倍率が20以上40以下である吸水性樹脂によっても達成される。
本発明における「吸収倍率低下度」は以下に示す方法によって測定したものをいう。
不織布性のティーバッグ式袋(40×150mm)に吸水性樹脂Eg(約0.2g)を均一に入れ、液温25℃の人工尿I(尿素1.9%、塩化ナトリウム0.8%、硫酸マグネシウム0.1%、塩化カルシウム0.1%からなる水溶液)に浸漬する。所定時間後にティーバッグ式袋を引き上げ、空気中で5秒間自然に水切りし、更に5.0cm×5.7cmの長方形のトイレットペーパー24枚上で10秒間水切りを行い、ティーバッグ式袋の重量Fgを測定する。同様な操作を吸水性樹脂を用いないで行い、ティーバッグ式袋の重量Ggを測定する。所定時間での吸収倍率を次式より求める。
吸収倍率(g/g)=(F(g)−G(g))/E(g)
吸収倍率低下度を次式より求める。
吸収倍率低下度(g/g)=10分後の吸収倍率(g/g)−3時間後の吸収倍率(g/g)
本発明における「加圧下吸収倍率」は図1に示す装置を用いて以下に示す方法によって測定したものをいう。
天秤1上に載置した外気吸入パイプ2を備える容器4に、液温25℃の人工尿II3(塩化カリウム2.0%、硫酸ナトリウム(無水)2.0%、リン酸二水素アンモニウム0.85%、リン酸水素二アンモニウム0.15%、塩化カルシウム(二水塩)0.25%、塩化マグネシウム六水和物0.5%からなる水溶液)を収容する。人工尿II収容部は、導管5により逆ロート6に連通する。この逆ロート6の頂部にグラスフィルター7を固定する。このグラスフィルター7と外気吸入パイプ2の下端8を等高位にセットする。次におもり10(加圧0.70psi)と吸水性樹脂11(0.9g)を収容した、底部がステンレス金網12の筒13(内径6.0cm)を載せる。その後60分間に吸水性樹脂11が吸収した人工尿II3の質量を0.9で除した価を加圧下吸収倍率(単位:g/g)とする。
本発明の諸目的は上記の本発明の吸水性樹脂または上記の本発明の製造方法によって製造される吸水性樹脂を含む吸水性物品によっても達成される。
本発明は吸水性樹脂の製造方法に関する。
本発明に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等を挙げることができ、これらの中から1種または2種以上を用いることができる。アクリル酸を用いるのが最も好ましい。
本発明に用いられる不飽和カルボン酸の塩としては、上記不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩等を挙げることができ、これらの中から1種または2種以上を用いることができる。不飽和カルボン酸の塩としてアクリル酸のアルカリ金属塩を用いるのが好ましい。不飽和カルボン酸の塩としてアクリル酸のナトリウム塩を用いるのが最も好ましい。
本発明に用いられる単量体成分(A)の不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸の塩の量的関係には特に制限はないが、中和率として30〜90mol%、特に好ましくは60〜80mol%の範囲とするのがよい。
本発明に用いられる1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)としては、1分子中に不飽和基を2個以上有していれば特に制限はなく、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリルエーテル、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、グリセロールプロポキシトリアクリレート等が挙げられ、これらの1種または2種以上を、溶解性および反応性を考慮した上で適宜選んで用いることができる。好ましくは、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを化合物(B)として用いるのがよい。
本発明に用いられる1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)の使用量は、(B)/(A)〔モル比〕が1×10-4〜3×10-3の範囲内で用いることが好ましい。
吸水性樹脂を高い生産性で製造する方法に、含水ゲル状重合体を細分化しながら重合する方法がある(特公平2−19122号公報)。(B)/(A)〔モル比〕が、1×10-4よりも小さいと、(C)と共に用いても重合初期、詳しくは最大反応温度に達するまでの含水ゲル状重合体の強度が細分化するのに充分でない場合がある。
また、(B)/(A)〔モル比〕が、3×10-3よりも大きいと、吸収特性が必要以上に低下してしまう場合がある。
より好ましくは、(B)/(A)〔モル比〕は、5×10-4〜2.5×10-3の範囲内である。
本発明に用いられる1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物;エピクロロヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等の1分子中にハロゲン基及びエポキシ基を合計2個以上有する化合物;2,4−トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等の1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物;トリメチロールプロパントリ〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕、ジフェニルメタン−ビス−4,4′−N,N′−ジエチレンウレア等の1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合物;ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン付加物等の1分子中にアジチジニウム塩を2個以上有する化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を、溶解性及び反応性を考慮した上で用いることができるが、化合物(C)として1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物を用いるのが最も好ましい。
本発明に用いられる1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)の使用量は、(C)/(A)〔モル比〕が、5×10-5〜1×10-2の範囲内が好ましい。
(C)/(A)〔モル比〕が、5×10-5よりも小さいと、化合物(B)と共に用いても効果が小さい場合がある。また、1×10-2よりも大きいと、製造される吸水性樹脂の吸収特性が低くなり産業上の利用に適さない場合がある。
より好ましくは1×10-4〜1×10-2の範囲で用いられる。
本発明に用いられる化合物(B)の化合物(C)に対するモル比、(B)/(C)は、2×10-3〜300の範囲である必要がある。
2×10-3より小さい場合は、重合初期、詳しくは最大反応温度に達するまでの含水ゲル状重合体の強度が細分化するのに充分でない場合がある。
また、300よりも大きい場合は、化合物(C)を化合物(B)と併用する効果が発現しない場合がある。化合物(B)の化合物(C)に対するモル比、(B)/(C)は、0.01〜100の範囲であることがより好ましい。
化合物(B)の化合物(C)に対するモル比、(B)/(C)は、0.01〜30の範囲で用いることが最も好ましい。
本発明においては、レドックス重合開始剤を用いることが必要である。レドックス開始剤系を用いないと、重合反応の制御が困難になるため最大反応温度が高くなり、得られる吸水性樹脂の水可溶分が多くなる。また、反応開始までの誘導時間が長くなり生産性が低下する場合がある。
本発明に用いられるレドックス重合開始剤の酸化剤としては、水溶性酸化剤が用いられる。水溶性酸化剤としては、例えば過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等のアルカリ金属過硫酸塩;過硫酸アンモニウム、アルキルハイドロパーオキサイド類等を挙げることができ、これらの1種、または2種以上を用いることができる。
この酸化剤は、単量体成分(A)1モルに対して、0.000001〜3g、好ましくは0.00001〜1g、より好ましくは0.0001〜0.5gの範囲で用いるのがよい。
本発明に用いられるレドックス重合開始剤の還元剤としては、アルカリ金属の亜硫酸塩、アルカリ金属の重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸、エリトルビン酸等を挙げることができ、これらの1種、または2種以上を用いることができる。特に好ましい還元剤は、酸化剤との組合せで0℃〜30℃の範囲での重合開始が可能なアスコルビン酸とエリトルビン酸である。
この還元剤は、単量体成分(A)1モルに対して、0.000001〜1g、好ましくは0.00001〜0.1g、より好ましくは0.0001〜0.01gの範囲で用いるのがよい。
本発明においては、反応温度の選択及び単量体成分(A)の選択した種類に依存して、熱重合開始剤を用いることができる。熱重合開始剤は、水あるいは単量体成分(A)、化合物(B)、化合物(C)を含む水溶液(D)に溶解するものが好ましい。熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩、4,4′−ブチルアゾ−シアノバレリック酸、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ系開始剤等を挙げることができ、これらの1種、または2種以上をレドックス開始剤系と共に、必要により用いることができる。好適な熱重合開始剤は、2,2′−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩である。
本発明に用いられる熱重合開始剤は、単量体成分(A)1モルに対して、0.0001〜10g、好ましくは0.001〜1gの範囲で、必要により用いるのがよい。
これらのレドックス重合開始剤系と熱重合開始剤は、適宜反応性などを考慮して組み合わせて使用することも可能である。最も好適な組み合わせは、低温での重合開始能や重合
性が良く水可溶分の少ない吸水性樹脂を得ることができる、過酸化水素、アスコルビン酸、過硫酸ナトリウム、2,2′−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩の組み合わせである。
これら重合開始剤の総量は、単量体成分(A)1モルに対して、0.000001〜10g、好ましくは0.00001〜5g、より好ましくは0.001〜1gの範囲で用いるのがよい。
本発明の製造方法は、レドックス重合開始剤によって重合を開始する限りは、従来から知られているいかなる方法を併用しても良く、例えば放射線、電子線、紫外線等を照射する方法等の併用が挙げられる。
本発明の製造方法において重合開始温度は用いる開始剤の種類により異なるが、0〜30℃、好ましくは0〜20℃の範囲で開始するのがよい。0℃未満では重合開始に長時間を要する場合がある。30℃よりも高いと吸水性樹脂の基本分子量が小さくなり水可溶分が増加する傾向がある。
本発明の製造方法において、最大反応温度は60〜100℃の範囲である。最大反応温度とは、重合熱によって反応系が発熱して到達する系の最高温度である。最大反応温度が60℃よりも低いと、未反応単量体が多量に発生する。最大反応温度が100℃よりも高いと、反応中に沸騰し反応が制御できず、得られる吸水性樹脂の水可溶分が増加する。
本発明の製造方法において水溶液(D)を重合する際に用いられる重合容器は特に制限されないが、複数の回転攪拌軸を有する容器で、水溶液(D)を重合する時に、重合の結果生成する含水ゲル状重合体を回転攪拌軸の回転により細分化できる剪断力を与えることのできる容器であることが、除熱によって最大反応温度を制御しやすい点から好ましい。この様な容器として、双腕型ニーダーが特に好ましい。双腕型ニーダーの回転攪拌軸はシグマ型、S型、バンバリー型、魚尾型、マスチケーター型等が使用できる。
本発明の製造方法において、単量体成分(A)と化合物(B)と化合物(C)とを含む水溶液(D)に対する単量体成分(A)の濃度は特に制限されないが、重合反応の制御の容易さ・経済性を考慮すれば15〜70重量%が好ましく、特に好ましくは20〜50重量%の範囲とするのがよい。
本発明に用いられる水溶液(D)には、上記単量体成分(A)以外に、必要に応じて他の単量体が含まれていてもよい。これらは特に限定されないが水溶性および/または不飽和カルボン酸に溶解性の物が好ましい。
他の単量体としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビニルトルエンスルホン酸等の不飽和スルホン酸およびそれらの塩;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミン化合物およびそれらの塩;(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等
の不飽和アミド;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレンまたはその誘導体、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル等を挙げることができ、これらの1種、または2種以上を単量体成分(A)の50重量%未満、好ましくは40重量%未満の範囲で、必要であれば、用いることができる。
本発明の製造方法において重合形態としては種々の形態を採用でき、逆相懸濁重合法、水溶液重合法、噴霧重合法等の吸水性樹脂を得るための公知の方法を採用できる。また、繊維状基材にモノマー水溶液を担持させた状態で重合することも可能である。好ましい方法は水溶液重合法であり、なかでも剪断力により含水ゲルを細分化しながら重合する方法が除熱の点からも好ましい。
本発明に用いられる重合溶媒としては水だけを用いるのが好ましいが、必要によりメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の親水性有機溶媒を水に添加して用いてもよい。また、水にキレート剤等を添加しても良い。
本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂は含水ゲル状重合体のままで吸収剤、保水剤等として用いてもよいが、乾燥して水分を除いた方が取り扱い上好ましい場合には、適宜乾燥して使用してもよい。そのときの含水量は70%以下、好ましくは10%以下が好ましい。乾燥温度としては90〜250℃、好ましくは100〜180℃の範囲がよく、一般の乾燥機、例えば熱風乾燥機、減圧乾燥機等が使用できる。90℃以下では生産性を上げるために減圧の程度を高くする等の必要が生じ、経済的でない場合がある。250℃以上では吸水性樹脂が劣化し変色等を起こす場合がある。
このように乾燥して得られた吸水性樹脂はそのまま粗粒状として、あるいは粉砕して粉末状として用いられる。
本発明の製造方法で得られた吸水性樹脂は、必要に応じて多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価グリシジル化合物、多価アジリジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化合物、グリオキサール、多価金属塩、シランカップリング剤、アルキレンカーボネイト等でその表面を2次架橋をされてもよい。2次架橋は乾燥前および/または乾燥と同時におよび/または乾燥後に行われてよい。
本発明の製造方法で得られた吸水性樹脂は酸化チタン、酸化ケイ素、活性炭等の無機微粒子;ポリメタアクリル酸メチル等の有機微粒子;パルプ等の親水性繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維等をその製造工程の途中であるいは製造後に添加含有してもよい。
本発明は吸水性樹脂にも関する。
本発明の吸水性樹脂は吸収倍率低下度が1以上16以下である。更に、加圧下の吸収倍率が20以上40以下である。
吸収倍率低下度が16よりも大きい吸水性樹脂は、1度吸収した電解質溶液を時間の経過により排出するので、耐塩性を必要とする実使用において不都合を生じ好ましくない。例えば、使い捨ておむつに吸収倍率低下度が大きい吸水性樹脂を使用した場合、1度吸収した尿を時間の経過と共に排出することになり、使用者に尿が戻り不快感を与えたり、次の尿を吸収できずに漏れを起こし好ましくない。
吸収倍率低下度が1未満の吸水性樹脂、中でも3時間後の吸収倍率が10分後の吸収倍率よりも高い吸水性樹脂は、飽和吸収量に至る時間が長いことを示し、吸収速度が遅いので好ましくない。
本発明の吸水性樹脂は吸収倍率低下度が1以上12以下であることがより好ましい。
加圧下吸収倍率が20未満の吸水性樹脂は、加圧下で使用することの多い実使用に適用した場合に吸水性樹脂の吸収特性が低いので好ましくない。例えば、使い捨ておむつに加圧下の吸収倍率が低い吸水性樹脂を使用した場合、使用者の体重により加圧され吸水性樹脂が吸収特性を発揮できず、すなわち被吸収液を充分に吸収することができず好ましくない。
本発明の吸水性樹脂は加圧下吸水倍率が23以上40以下であることがより好ましい。
本発明の吸水性樹脂は、吸収倍率低下度と加圧下吸収倍率を満たせば、その製造方法は特に限定されず従来から知られているいかなる方法を使用してもよいが、例えば本発明の吸水性樹脂の製造方法によって製造される。
本発明は吸水性物品にも関する。
本発明の吸水性物品は、吸収倍率低下度が1以上16以下、及び加圧下の吸収倍率が20以上40以下の吸水性樹脂を含む吸水性物品である。
本発明の吸水性物品の形態は特に制限されず、例えばシート状、塊状等が挙げられる。
本発明の吸水性物品は、前記吸水性樹脂を含む限りにおいて、他の構成物質を制限せず、例えば水透過性シート材料、水不透過性シート材料、粉砕パルプ、ティッシュペーパー、ゴム等が挙げられる。例えば本発明の吸水性物品は、前記の吸水性樹脂を、少なくとも片面側を水透過性シートによって形成した袋体の内部に収納した吸水性物品等である。
本発明の吸水性物品は、尿、経血のような体液をはじめ、肉、魚あるいは果物、野菜等の食品の汁、さらに、地下水、海水、雨露等の多くの液体を吸収するのに好適であり、おむつ、生理用品、鮮度保持材、土壌保水材、シール材、結露防止材等の製品に適用可能である。
本発明の吸水性物品を使い捨ておむつに適用した場合は、電解質溶液である尿による吸収倍率の低下が少なく、人の重さによる加圧下での吸収特性にも優れているので特に好適である。
以下に、本発明の具体的な実施例及び比較例を示すが、本発明は下記の実施例に限定されない。なお、実施例に記載の吸収能力、水可溶分量、吸収倍率低下度及び加圧下吸収倍率は下記の試験方法に従って測定した値で示す。
(1)吸収能力直径9.5cmの円形をした底面を持つ容器に7.5cm×5.7cmの長方形のトイレットペーパー16枚を底面と平行に配置し、液温25℃の人工尿I(尿素1.9%、塩化ナトリウム0.8%、硫酸マグネシウム0.1%、塩化カルシウム0.1%からなる水溶液)を20g注ぐ。次いで、吸水性樹脂Ag(約1g)をトイレットペーパーの中央に配置し、10分間吸収膨潤させる。この吸収膨潤した吸水性樹脂の重量(Bg)を測定する。吸収能力を次式より求める。
吸収能力(g/g)=B(g)/A(g)
(2)水可溶分量吸水性樹脂Cg(約0.5g)を1000gの脱イオン水中に分散し、16時間攪拌後、濾紙で濾過し、濾液中の固形分重量を測定する(Dg)、水可溶分量を次式により求める。
水可溶分量(重量%)=(D(g)/C(g))×100
(3)吸収倍率低下度不織布性のティーバッグ式袋(40×150mm)に吸水性樹脂Eg(約0.2g)を均一に入れ、液温25℃の前記人工尿I中に浸漬する。所定時間後に
ティーバッグ式袋を引き上げ、空気中で5秒間自然に水切りし、更に5.0×5.7cmの長方形のトイレットペーパー24枚上で10秒間水切りを行い、ティーバッグ式袋の重量Fgを測定する。同様な操作を吸水性樹脂を用いないで行い、ティーバッグ式袋の重量Ggを測定する。所定時間での吸収倍率を次式より求める。
吸収倍率(g/g)=(F(g)−G(g))/E(g)
吸収倍率低下度を次式より求める。
吸収倍率低下度(g/g)=10分後の吸収倍率(g/g)−3時間後の吸収倍率(g/g)
(4)加圧下吸収倍率図1は、吸水性樹脂の加圧下吸収倍率測定装置の断面図である。 図1に示す装置を用いて加圧下吸収倍率を測定する。天秤1上に載置した外気吸入パイプ2を備える容器4に、液温25℃の人工尿II3(塩化カリウム2.0%、硫酸ナトリウム(無水)2.0%、リン酸二水素アンモニウム0.85%、リン酸水素二アンモニウム0.15%、塩化カルシウム(二水塩)0.25%、塩化マグネシウム六水和物0.5%からなる水溶液)を収容する。人工尿II収容部は、導管5により逆ロート6に連通する。この逆ロート6の頂部にグラスフィルター7を固定した。このグラスフィルター7と外気吸入パイプ2の下端8を等高位にセットする。次におもり10(加圧0.70psi)と吸水性樹脂11(0.9g)を収容した、底部がステンレス金網12の筒13(内径6.0cm)を載せる。その後60分間に吸水性樹脂11が吸収した人工尿II3の質量を0.9で除した価を加圧下吸収倍率(単位;g/g)とする。
(実施例1)
回転径120mmのシグマ型羽根を2本有した内容量13リットルのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに、アクリル酸35mol%及びアクリル酸ナトリウム65mol%からなる単量体成分(A)2168g及び化合物(B)としてポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量478)24.5g及び化合物(C)としてエチレングリコールジグリシジルエーテル13.1g及び脱イオン水を含む水溶液(D)6538gを入れ、窒素ガスにより水溶液(D)を脱気し、反応系中を窒素置換した。次いで、ジャケットに20℃の水を通して温度を制御し、開始剤として2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩の10重量%水溶液12.56g及びL−アスコルビン酸1重量%水溶液0.88g及び過硫酸ナトリウムの10重量%水溶液12.56g及び過酸化水素の0.35重量%水溶液5.6gを添加した。重合開始温度は20℃に制御した。重合反応開始後更に35分間反応を続行させた。この時、適宜回転軸を回転させ細分化された含水ゲル状重合体を得た。最大反応温度は75℃であった。この含水ゲル状重合体を金網上で150℃の温度条件下90分間熱風乾燥した。この乾燥物をハンマーミルを用いて粉砕し、850μmの金網を通過する吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルを21.8gとする以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルを4.4gとする以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、ポリエチレングリコールジアクリレートを12.3g及びエチレン
グリコールジグリシジルエーテルを21.8gとする以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルを2.2gとする以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、ポリエチレングリコールジアクリレートを12.3g及びエチレングリコールジグリシジルエーテルを4.4gとする以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、ポリエチレングリコールジアクリレートを61.2gとすること及びエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いないこと以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、ポリエチレングリコールジアクリレートを用いないこと及びエチレングリコールジグリシジルエーテルを21.8gとすること以外は、実施例1と同様な操作を行ったが、重合開始後のゲルの細分化が進行せず、含水ゲル状重合体が突沸した。最大反応温度は110℃であった。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、エチレングリコールジグリシジルエーテルを用いないこと以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、L−アスコルビン酸、過酸化水素を用いないこと及び2,2′アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩の10%水溶液を25gとすること以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、重合は開始しなかった。ジャケットを昇温し50℃とした。反応が開始し反応開始温度は46℃であった。最大反応温度は115℃であった。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、重合開始後にジャケットに0℃の水を流したこと以外は、実施例1と同様な操作を行い吸水性樹脂を得た。最大反応温度が51℃となった。得られた吸水性樹脂の性能を表1に示す。
Figure 2005021704
(実施例7)
実施例1において製造された吸水性樹脂を吸水性樹脂1、実施例2において製造された吸水性樹脂を吸水性樹脂2、及び実施例3において製造された吸水性樹脂を吸水性樹脂3とする。これらの吸水性樹脂の吸収倍率低下度及び加圧下吸収倍率を測定し表2に示す。
(比較例6)
市場で入手できる使い捨ておむつから吸水性樹脂を取り出した。キンバリークラーク社製ハギーズウルトラトリムステップ3(Huggies Ultratrim Step3)から取り出した吸水性樹脂を吸水性樹脂4、P&G社製パンパースフェイジースウォーカー2(Pampers Phases Walker2)から取り出した吸水性樹脂を吸水性樹脂5とする。これらの吸水性樹脂の吸収倍率低下度及び加圧下吸収倍率を測定し表2に示す。
(比較例7)
特開平4−363,383(ケーブル止水剤)の実施例1に開示の方法で吸水性樹脂6を製造する。500ml円筒型セパラブルフラスコにアクリル酸ナトリウム31.3g、アクリルアミド55.2g、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.12gおよび水1
64.9gを仕込み均一に溶解させた。
フラスコ内を窒素置換した後、湯浴上で25℃に加熱し、20%過硫酸ナトリウム水溶液1.94gおよび2%L−アスコルビン酸水溶液1.94gを添加し、攪拌を停止して重合させた。重合開始後発熱し、40分後に90℃まで昇温した。液温の上昇が停止した時点でバス温を90℃まで昇温し、40分間熟成を行った。得られた重合物を細分化した後、160℃で3時間熱風乾燥し、粉砕して吸水性樹脂6を得た。
吸水性樹脂6の吸収倍率低下度及び加圧下吸収倍率を測定し表2に示す。
Figure 2005021704
(実施例8)
吸水性樹脂1から吸水性樹脂3の3種の吸水性樹脂を用いて吸水性物品を作製し、人工尿を注ぎ、所定時間加圧後の吸水性物品の手触り感について評価した。吸水性物品の作成方法を示す。吸水性樹脂(300/(10分後の吸収倍率))gおよび粉砕パルプ10gを、ミキサー中で乾式混合し、ついでバッチ型空気抄造装置を用いてワイヤースクリーン上に空気抄造して、寸法10cm×30cmのウエブとした。得られたウエブの上下面を秤量0.0013g/cm2 のティッシュペーパーで挟持し、その後プレスをして、本発明の吸水性物品を得た。
手触り感の評価法を示す。吸水性物品の中央部に液温25℃の人工尿I100gを注ぎ、0.3psiの荷重を吸水性物品上に載せ、所定時間後に荷重を除き、吸水性物品の手触り感を10人のモニターにより評価した。評価は○:乾いた状態、△:湿っぽい状態、×:濡れた状態で評価し、10人の多数決で決定した。
吸水性樹脂1から3を用いた吸水性物品の10分後と3時間後の手触り感を表3に示す。
(比較例8)
吸水性樹脂4から6を用いた吸水性物品の10分後と3時間後の手触り感を表3に示す。
Figure 2005021704
吸水性樹脂の加圧下吸収倍率測定装置の断面図である。
符号の説明
1 天秤
2 外気吸入パイプ
3 人工尿II
4 容器
5 導管
6 逆ロート
7 グラスフィルター
8 外気吸入パイプの下端
10 おもり
11 吸水性樹脂
12 ステンレス金網(400メッシュ)
13 筒

Claims (3)

  1. 不飽和カルボン酸及びその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)から導かれる繰り返し単位を有し、25℃での吸収倍率低下度が1〜12(g/g)、及び、0.70psi(約4.83kPa)で25℃/60分間の加圧下吸収倍率が23〜40(g/g)である吸水性樹脂を含む、吸水性物品。
    但し、吸収倍率低下度(g/g)=10分後の吸収倍率(g/g)−3時間後の吸収倍率(g/g)
  2. 前記吸水性物品が使い捨ておむつであることを特徴とする請求項1に記載の吸水性物品。
  3. 請求項1又は2の吸水性物品に用いられる吸水性樹脂であって、前記不飽和カルボン酸がアクリル酸であることを特徴とする吸水性樹脂。
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