JP2005021502A - 吸入粉末製剤用ブリスタカプセル - Google Patents
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Abstract
【課題】吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを飲むことができない大きさとすることにより、信頼性を向上する。
【解決手段】吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1を構成する底板部2と蓋板部4とは、円板状に形成し、その直径寸法D1は患者が飲むことが困難な大きさとなる25mm以上に設定している。従って、患者がブリスタカプセル1を飲もうとしても、底板部2と蓋板部4により飲むことができないから、間違えて飲込むような事態を未然に防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1を構成する底板部2と蓋板部4とは、円板状に形成し、その直径寸法D1は患者が飲むことが困難な大きさとなる25mm以上に設定している。従って、患者がブリスタカプセル1を飲もうとしても、底板部2と蓋板部4により飲むことができないから、間違えて飲込むような事態を未然に防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば息の吸込みにより気管、肺、気管支等に投与される粉末製剤を収容するのに用いて好適な吸入粉末製剤用ブリスタカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今では、粉末製剤を吸入して気管、肺等に投与することが行なわれており、例えば喘息、インフルエンザ、扁桃腺等の治療薬、睡眠導入剤、医療用麻薬等を投与する場合に適用することが考えられている。この粉末製剤は、湿気、雑菌等を嫌うために気密性の高いブリスタパックに収容されている。
【0003】
このブリスタパックは、膨出部が形成された底板部と、該底板部の膨出部を閉塞する蓋板部とにより構成されている。また、ブリスタパックは、飲むものではないためプラスチック、アルミニウム等の材料を用いて形成されている。しかし、患者がブリスタパックを誤まって飲んでしまうことは考えられる。
【0004】
そこで、ブリスタパックには、底板部と蓋板部の角隅部を円弧状に形成することにより、のど等が傷付くのを防止したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−15031号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるブリスタパックは、患者が誤まって飲んでしまった場合に、底板部と蓋板部の角隅部によりのどを傷付けないように、この角隅部を丸めている。即ち、このブリスタパックは、飲むことができる大きさを前提としているため、患者がブリスタパックを誤まって飲むという事態を防止することはできないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、飲むことができない大きさとすることにより、信頼性を向上することができるようにした吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、粉末製剤を収容する膨出部が形成された底板部と該膨出部を閉塞する蓋板部とのうち、少なくとも一方側の部材を患者が飲むことが困難な大きさに形成している。
【0009】
このように構成したことにより、患者が吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを飲もうとしても、底板部と蓋板部の少なくとも一方側は飲むことが困難な大きさに形成されているから、間違えて飲込むような事態を未然に防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
【0010】
また、請求項2の発明は、底板部と蓋板部とのうち、少なくとも一方側の部材は、最も小さい部分の長さ寸法を25mm以上に設定している。
【0011】
これにより、25mm以上の大きさを有する底板部、蓋板部は、飲むことができないから、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの誤飲を防止することができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、底板部と蓋板部は、アルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロースの中から選択される材料を用いて形成している。これにより、底板部と蓋板部を色々な材料から形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルについて、吸入式投薬器を用いて患者に粉末製剤を投与する場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0014】
まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は第1の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセル(以下、ブリスタカプセル1という)で、該ブリスタカプセル1は、後述の粉末製剤6を収容するもので、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル1は、後述する底板部2と蓋板部4とにより大略構成されている。
【0015】
2はブリスタカプセル1のベースとなる底板部で、該底板部2は、後述する吸入式投薬器11の穴あけ具22を用いて穴あけ可能な材料、例えばアルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等の材料を用いて形成されている。また、底板部2は、図1、図2に示すように、薄肉な円板状に形成され、その中央部には膨出部3が一体に形成されている。そして、膨出部3は、底板部2の直径方向に長円形状に延びた膨らみとして形成されている。
【0016】
ここで、円板状の底板部2は、その直径寸法D1が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には、局方で定められたカプセルの最大寸法よりも大きな25mm以上の大きさに設定されている。これにより、患者がブリスタカプセル1を飲もうとした場合でも、25mm以上の直径寸法D1を有する底板部2が飲むのを確実に阻止することができる。
【0017】
また、底板部2の直径寸法D1は25mm以上とすればよいが、好ましくは、ブリスタカプセル1を取扱うときの便宜性を考えて、25〜80mmの範囲に設定するのが適正である。
【0018】
4は底板部2の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部4は、底板部2の膨出部3を閉塞することにより、該膨出部3との間に収容空間5を画成している。また、蓋板部4は、底板部2とほぼ同様に、穴あけ可能な材料、例えばアルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等の材料を用い、薄肉な円板状に形成されている。
【0019】
さらに、円板状の蓋板部4は、底板部2と同様の直径寸法D1、即ち、25mm以上の寸法に設定されている。これにより、蓋板部4によってもブリスタカプセル1の誤飲を阻止することができる。
【0020】
一方、6はブリスタカプセル1に収容される粉末製剤で、該粉末製剤6は、口から吸入することにより気管、肺、気管支等に投与されるものである。そして、粉末製剤は、例えば1回の投薬に必要な規定量が、底板部2の膨出部3と蓋板部4との間に画成された収容空間5内に収容されている。
【0021】
次に、ブリスタカプセル1を用いて患者に粉末製剤6を投与する吸入式投薬器11について、図3ないし図7を参照しつつ説明する。
【0022】
図3において、11は吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1を用いて患者に粉末製剤6を投与する吸入式投薬器で、該吸入式投薬器11は、後述のボディ12、マウスピース14、カプセルホルダ16、穴あけ具22等により大略構成されている。
【0023】
12は吸入式投薬器11の一側に位置して該吸入式投薬器11の外形をなすボディで、該ボディ12は、略円筒状に形成された筒状体12Aと、該筒状体12Aの外周から図3中の上向きに突設され、後述する穴あけ具22の支持部22Aを可動に支持する長円筒状の穴あけ具ガイド12Bとから構成されている。また、筒状体12Aの内周側には後述のホルダ収容部13が形成されている。
【0024】
13はボディ12の筒状体12A内周側に形成されたホルダ収容部で、該ホルダ収容部13は、図4に示す如く、縦長なほぼ長方形状の角穴部13Aと、該角穴部13Aの上縁に位置して左,右方向に広幅なスリット穴部13Bとにより軸方向に延びる略T字形状の穴として形成されている。そして、角穴部13Aには、図3に示すように、後述するカプセルホルダ16の引出し部16Aが出入れ可能に収容される。また、スリット穴部13Bには、前記引出し部16Aに保持された状態でブリスタカプセル1の底板部2と蓋板部4とが出し入れ可能に収容される。
【0025】
14はボディ12の他側に螺着されたマウスピースで、該マウスピース14は、軸方向に延びる円筒体として形成され、その内部は粉末製剤6を吸入する吸入口14Aとなっている。また、マウスピース14の一側は、その周面が患者がくわえ易いように他側に向けて漸次縮径している。また、マウスピース14の奥部には、粉末製剤6を拡散したり、ブリスタカプセル1の破片等を捕らえるためのメッシュ部材15が設けられている。
【0026】
16はボディ12のホルダ収容部13に出入れ可能に設けられたカプセルホルダで、該カプセルホルダ16は、ブリスタカプセル1を保持した状態で吸入式投薬器11に装着したり、取出したりするものである。
【0027】
そして、カプセルホルダ16は、図5、図6に示す如く、ホルダ収容部13の角穴部13A内に嵌るように軸方向に延びて形成された引出し部16Aと、該引出し部16Aの上面側に軸方向に延びる断面半円弧状の凹溝として形成さた膨出部嵌合凹部16Bと、前記引出し部16Aから下側に突出したガイド部16Cと、前記引出し部16Aの一端部を取囲む円環状に形成されたキャップ16Dと、該キャップ16Dと引出し部16Aとを連結するために放射状に形成された複数本、例えば4本の脚部16Eと、該各脚部16E間に設けられた空気取入れ口16Fとにより大略構成されている。
【0028】
このように形成されたカプセルホルダ16は、キャップ16Dの外周側を把持し、ホルダ収容部13の角穴部13Aから引出し部16Aを引出す。これにより、膨出部嵌合凹部16Bにブリスタカプセル1(膨出部3)を嵌合させたり、使用済みのブリスタカプセル1を取出したりすることができる。
【0029】
また、膨出部嵌合凹部16Bにブリスタカプセル1を嵌合させた状態で、引出し部16Aをホルダ収容部13の角穴部13A内に押込む。これにより、ブリスタカプセル1は、図3、図7に示す如く、底板部2と蓋板部4をスリット穴部13Bに挿入することができ、カプセルホルダ16と一緒に所定の位置に保持することができる。
【0030】
次に、17はボディ12の一側寄りに位置して設けられた流入側のピン挿入穴で、該ピン挿入穴17は、ボディ12に形成されたボディ側挿入穴17Aと、カプセルホルダ16に形成されたホルダ側挿入穴17Bとにより構成されている。
【0031】
また、18はボディ12の他側寄りに位置して設けられた流出側のピン挿入穴で、該ピン挿入穴18は、流入側のピン挿入穴17と平行に延びたボディ側挿入穴18Aとホルダ側挿入穴18Bとにより構成されている。
【0032】
19はブリスタカプセル1に空気を流入する流入側通路で、該流入側通路19は、流入側のピン挿入穴17に連通したボディ側通路19Aと、該ボディ側通路19Aとは別にホルダ収容部13の角穴部13Aとカプセルホルダ16の引出し部16Aとの間に設けられたホルダ側通路19Bとにより構成されている。そして、流入側通路19は、カプセルホルダ16の空気取入れ口16Fを介して大気側に連通可能となっている。
【0033】
20はブリスタカプセル1から粉末製剤6を含んだ空気をマウスピース14の吸入口14A側に流出する流出側通路で、該流出側通路20は、流出側のピン挿入穴18に連通したボディ側通路20Aと、該ボディ側通路20Aとは別に角穴部13Aと引出し部16Aとの間に設けられたホルダ側通路20Bとにより構成されている。
【0034】
一方、21は各通路19,20と90度ずらした位置でボディ12の筒状体12Aを軸方向に貫通するように穿設された2本の補助通気路(図4中に図示)で、該各補助通気路21は、息を吸込むときに流通する空気の流量を増やすことで、このときの息苦しさを解消している。
【0035】
22はボディ12に設けられた穴あけ具で(図3、図7参照)、該穴あけ具22は、カプセルホルダ16に収容されたブリスタカプセル1に穴あけを施すものである。また、穴あけ具22は、ボディ12の穴あけ具ガイド12B内に可動に支持された支持部22Aと、該支持部22Aからピン挿入穴17,18に向けて延び、先端が鋭利に形成されたピン22B,22Bと、前記支持部22Aと筒状体12Aとの間に設けられ、支持部22A等を初期位置に戻す戻しばね22Cとにより大略構成されている。
【0036】
そして、穴あけ具22は、支持部22Aを戻しばね22Cに抗して穴あけ具ガイド12B内に押込み、ピン22B,22Bをピン挿入穴17,18に挿入することにより、図7に示す如く、各ピン22Bの先端をブリスタカプセル1に突き刺し、該ブリスタカプセル1の底板部2(膨出部3)と蓋板部4に収容空間5を上,下方向に貫通する合計4個の穴Hをあけるものである。
【0037】
本実施の形態による吸入式投薬器11は上述の如き構成を有するもので、次に、患者がブリスタカプセル1に収容した粉末製剤6を吸入するときの動作について説明する。
【0038】
まず、カプセルホルダ16をホルダ収容部13から引出し、引出し部16Aの膨出部嵌合凹部16Bに膨出部3を嵌合するようにブリスタカプセル1を取付ける。この状態で、引出し部16Aをホルダ収容部13の角穴部13Aに押込み、ブリスタカプセル1の底板部2と蓋板部4とをスリット穴部13Bに押込んで該ブリスタカプセル1をセットする。次に、穴あけ具22の支持部22Aをボディ12の穴あけ具ガイド12Bに沿って押込むことにより、各ピン22Bによりブリスタカプセル1の底板部2(膨出部3)と蓋板部4に4個の穴Hを形成する。
【0039】
このようにブリスタカプセル1に各穴Hをあけたら、患者はマウスピース14を口にくわえて息を吸込むことにより、気管、肺、気管支等に粉末製剤6を投与することができる。
【0040】
かくして、第1の実施の形態によれば、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1の底板部2と蓋板部4とを円板状に形成し、その直径寸法D1は患者が飲むことが困難な大きさとなる25mm以上に設定している。従って、患者がブリスタカプセル1を飲もうとしても、底板部2と蓋板部4により飲むことができないから、間違えて飲込むような事態を未然に防ぐことができ、信頼性を向上することができる。また、底板部2の直径寸法D1を25〜80mmの範囲に設定することにより、ブリスタカプセル1の取扱いを容易に行なうことができる。
【0041】
また、底板部2と蓋板部4は、アルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等を用いて形成しているから、色々な材料から形成することができる。
【0042】
次に、図8および図9は本発明の第2の実施の形態を示している。この第2の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの底板部と蓋板部とを正方形に形成し、底板部の膨出部を円形状に形成する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0043】
図8において、31は第2の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル31は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル31は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部32と蓋板部34とにより大略構成されている。
【0044】
32はブリスタカプセル31の底板部で、該底板部32は、第1の実施の形態による底板部2と同様に、例えばアルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等の材料を用いて形成されている。また、底板部32は、図8、図9に示すように、正方形状に形成され、その中央部には膨出部33が一体に形成されている。そして、膨出部33は、短尺な有底円筒形状の膨らみとして形成されている。
【0045】
ここで、正方形状の底板部32は、その1辺の長さ寸法L1が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。これにより、患者がブリスタカプセル31を飲もうとした場合でも、大きな1辺の長さ寸法L1を有する底板部32により飲むのを阻止することができる。
【0046】
また、底板部32の1辺の長さ寸法L1は25mm以上とすればよいが、第1の実施の形態と同様に、好ましくは、ブリスタカプセル31を取扱うときの便宜性を考えて、25〜80mmの範囲に設定するのが適正である。
【0047】
34は底板部32の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部34は、底板部32の膨出部33を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間35を画成している。また、蓋板部34は、底板部32とほぼ同様の材料を用い、該底板部32と同様に1辺の長さ寸法L1となる正方形状に形成されている。
【0048】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、底板部32と蓋板部34を正方形状に形成しているから、1辺の長さ寸法L1を25mm以上とすることで、ブリスタカプセル31の誤飲を防止することができる。
【0049】
次に、図10および図11は本発明の第3の実施の形態を示している。この第3の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの蓋板部だけを大きな円板状に形成したことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】
図10において、41は第3の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル41は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル41は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部42と蓋板部44とにより大略構成されている。
【0051】
42はブリスタカプセル41の底板部で、該底板部42は、第1の実施の形態による底板部2と同様の材料を用いて形成されている。また、底板部42は、図10、図11に示すように、長円形状に形成され、その大部分は膨出部43となっている。そして、底板部42は全体が25mm以下の寸法で形成されている。
【0052】
44は底板部42の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部44は、底板部42の膨出部43を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間45を画成している。また、蓋板部44は、底板部42とほぼ同様の材料を用いて大きな円板状に形成されている。
【0053】
ここで、円板状の蓋板部44は、その直径寸法D2が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。これにより、患者がブリスタカプセル41を飲もうとした場合でも、大きな直径寸法D2を有する蓋板部44により飲むのを阻止することができる。
【0054】
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、底板部42を小さく形成し、蓋板部44だけを25mm以上の大きな円板状に形成しているから、底板部42に要する材料費を削減することができ、製造コストを低減することができる。
【0055】
次に、図12および図13は本発明の第4の実施の形態を示している。この第4の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの底板部だけを大きな円板状に形成したことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0056】
図12において、51は第4の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル51は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル51は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部52と蓋板部54とにより大略構成されている。
【0057】
52はブリスタカプセル51の底板部で、該底板部52は、第1の実施の形態による底板部2と同様の材料を用いて形成されている。また、底板部52は、図12、図13に示すように、円板状に形成され、その中央部には直径方向に長円形状に延びた膨出部53が形成されている。ここで、円板状の底板部52は、その直径寸法D3が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。
【0058】
54は底板部52の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部54は、底板部52の膨出部53を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間55を画成している。また、蓋板部54は、底板部52とほぼ同様の材料を用い、膨出部53よりも僅かに大きな長円形状に形成されている。
【0059】
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態によれば、蓋板部54を小さく形成した分だけ材料費を削減し、製造コストを低減することができる。
【0060】
次に、図14および図15は本発明の第5の実施の形態を示している。この第5の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの底板部と蓋板部とを長方形状に形成したことにある。なお、第5の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0061】
図14において、61は第5の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル61は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル61は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部62と蓋板部64とにより大略構成されている。
【0062】
62はブリスタカプセル61の底板部で、該底板部62は、図14、図15に示すように、第1の実施の形態による底板部2と同様の材料を用いて長方形状に形成されている。また、底板部62の中央部には、長さ方向に長円形状に延びた膨出部63が形成されている。
【0063】
ここで、長方形状の底板部62は、最も小さい部分となる短辺部62Aの長さ寸法L2が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。
【0064】
64は底板部62の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部64は、底板部62の膨出部63を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間65を画成している。また、蓋板部64は、底板部62とほぼ同様の材料を用い、該底板部62と同様の長方形状に形成されている。
【0065】
かくして、このように構成された第5の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0066】
なお、第1の実施の形態では、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1を円板状に形成し、第2の実施の形態では、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル31を正方形状に形成し、第5の実施の形態では、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル61を長方形状に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを長円形状、楕円形状、六角形状等の他の形状に形成する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図2】図1に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルが装着された吸入式投薬器を示す縦断面図である。
【図4】カプセルホルダを取外した吸入式投薬器の右側面図である。
【図5】カプセルホルダを単体で拡大して示す拡大縦断面図である。
【図6】図5に示すカプセルホルダの右側面図である。
【図7】吸入口から空気を吸入している状態の吸入式投薬器を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図9】図8に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図11】図10に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図13】図12に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図15】図14に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【符号の説明】
1,31,41,51,61 吸入粉末製剤用ブリスタカプセル
2,32,42,52,62 底板部
3,33,43,53,63 膨出部
4,34,44,54,64 蓋板部
5,35,45,55,65 収容空間
6 粉末製剤
11 吸入式投薬器
D1,D2,D3 直径寸法
L1,L2 1辺の長さ寸法
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば息の吸込みにより気管、肺、気管支等に投与される粉末製剤を収容するのに用いて好適な吸入粉末製剤用ブリスタカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今では、粉末製剤を吸入して気管、肺等に投与することが行なわれており、例えば喘息、インフルエンザ、扁桃腺等の治療薬、睡眠導入剤、医療用麻薬等を投与する場合に適用することが考えられている。この粉末製剤は、湿気、雑菌等を嫌うために気密性の高いブリスタパックに収容されている。
【0003】
このブリスタパックは、膨出部が形成された底板部と、該底板部の膨出部を閉塞する蓋板部とにより構成されている。また、ブリスタパックは、飲むものではないためプラスチック、アルミニウム等の材料を用いて形成されている。しかし、患者がブリスタパックを誤まって飲んでしまうことは考えられる。
【0004】
そこで、ブリスタパックには、底板部と蓋板部の角隅部を円弧状に形成することにより、のど等が傷付くのを防止したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−15031号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるブリスタパックは、患者が誤まって飲んでしまった場合に、底板部と蓋板部の角隅部によりのどを傷付けないように、この角隅部を丸めている。即ち、このブリスタパックは、飲むことができる大きさを前提としているため、患者がブリスタパックを誤まって飲むという事態を防止することはできないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、飲むことができない大きさとすることにより、信頼性を向上することができるようにした吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、粉末製剤を収容する膨出部が形成された底板部と該膨出部を閉塞する蓋板部とのうち、少なくとも一方側の部材を患者が飲むことが困難な大きさに形成している。
【0009】
このように構成したことにより、患者が吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを飲もうとしても、底板部と蓋板部の少なくとも一方側は飲むことが困難な大きさに形成されているから、間違えて飲込むような事態を未然に防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
【0010】
また、請求項2の発明は、底板部と蓋板部とのうち、少なくとも一方側の部材は、最も小さい部分の長さ寸法を25mm以上に設定している。
【0011】
これにより、25mm以上の大きさを有する底板部、蓋板部は、飲むことができないから、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの誤飲を防止することができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、底板部と蓋板部は、アルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロースの中から選択される材料を用いて形成している。これにより、底板部と蓋板部を色々な材料から形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルについて、吸入式投薬器を用いて患者に粉末製剤を投与する場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0014】
まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は第1の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセル(以下、ブリスタカプセル1という)で、該ブリスタカプセル1は、後述の粉末製剤6を収容するもので、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル1は、後述する底板部2と蓋板部4とにより大略構成されている。
【0015】
2はブリスタカプセル1のベースとなる底板部で、該底板部2は、後述する吸入式投薬器11の穴あけ具22を用いて穴あけ可能な材料、例えばアルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等の材料を用いて形成されている。また、底板部2は、図1、図2に示すように、薄肉な円板状に形成され、その中央部には膨出部3が一体に形成されている。そして、膨出部3は、底板部2の直径方向に長円形状に延びた膨らみとして形成されている。
【0016】
ここで、円板状の底板部2は、その直径寸法D1が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には、局方で定められたカプセルの最大寸法よりも大きな25mm以上の大きさに設定されている。これにより、患者がブリスタカプセル1を飲もうとした場合でも、25mm以上の直径寸法D1を有する底板部2が飲むのを確実に阻止することができる。
【0017】
また、底板部2の直径寸法D1は25mm以上とすればよいが、好ましくは、ブリスタカプセル1を取扱うときの便宜性を考えて、25〜80mmの範囲に設定するのが適正である。
【0018】
4は底板部2の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部4は、底板部2の膨出部3を閉塞することにより、該膨出部3との間に収容空間5を画成している。また、蓋板部4は、底板部2とほぼ同様に、穴あけ可能な材料、例えばアルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等の材料を用い、薄肉な円板状に形成されている。
【0019】
さらに、円板状の蓋板部4は、底板部2と同様の直径寸法D1、即ち、25mm以上の寸法に設定されている。これにより、蓋板部4によってもブリスタカプセル1の誤飲を阻止することができる。
【0020】
一方、6はブリスタカプセル1に収容される粉末製剤で、該粉末製剤6は、口から吸入することにより気管、肺、気管支等に投与されるものである。そして、粉末製剤は、例えば1回の投薬に必要な規定量が、底板部2の膨出部3と蓋板部4との間に画成された収容空間5内に収容されている。
【0021】
次に、ブリスタカプセル1を用いて患者に粉末製剤6を投与する吸入式投薬器11について、図3ないし図7を参照しつつ説明する。
【0022】
図3において、11は吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1を用いて患者に粉末製剤6を投与する吸入式投薬器で、該吸入式投薬器11は、後述のボディ12、マウスピース14、カプセルホルダ16、穴あけ具22等により大略構成されている。
【0023】
12は吸入式投薬器11の一側に位置して該吸入式投薬器11の外形をなすボディで、該ボディ12は、略円筒状に形成された筒状体12Aと、該筒状体12Aの外周から図3中の上向きに突設され、後述する穴あけ具22の支持部22Aを可動に支持する長円筒状の穴あけ具ガイド12Bとから構成されている。また、筒状体12Aの内周側には後述のホルダ収容部13が形成されている。
【0024】
13はボディ12の筒状体12A内周側に形成されたホルダ収容部で、該ホルダ収容部13は、図4に示す如く、縦長なほぼ長方形状の角穴部13Aと、該角穴部13Aの上縁に位置して左,右方向に広幅なスリット穴部13Bとにより軸方向に延びる略T字形状の穴として形成されている。そして、角穴部13Aには、図3に示すように、後述するカプセルホルダ16の引出し部16Aが出入れ可能に収容される。また、スリット穴部13Bには、前記引出し部16Aに保持された状態でブリスタカプセル1の底板部2と蓋板部4とが出し入れ可能に収容される。
【0025】
14はボディ12の他側に螺着されたマウスピースで、該マウスピース14は、軸方向に延びる円筒体として形成され、その内部は粉末製剤6を吸入する吸入口14Aとなっている。また、マウスピース14の一側は、その周面が患者がくわえ易いように他側に向けて漸次縮径している。また、マウスピース14の奥部には、粉末製剤6を拡散したり、ブリスタカプセル1の破片等を捕らえるためのメッシュ部材15が設けられている。
【0026】
16はボディ12のホルダ収容部13に出入れ可能に設けられたカプセルホルダで、該カプセルホルダ16は、ブリスタカプセル1を保持した状態で吸入式投薬器11に装着したり、取出したりするものである。
【0027】
そして、カプセルホルダ16は、図5、図6に示す如く、ホルダ収容部13の角穴部13A内に嵌るように軸方向に延びて形成された引出し部16Aと、該引出し部16Aの上面側に軸方向に延びる断面半円弧状の凹溝として形成さた膨出部嵌合凹部16Bと、前記引出し部16Aから下側に突出したガイド部16Cと、前記引出し部16Aの一端部を取囲む円環状に形成されたキャップ16Dと、該キャップ16Dと引出し部16Aとを連結するために放射状に形成された複数本、例えば4本の脚部16Eと、該各脚部16E間に設けられた空気取入れ口16Fとにより大略構成されている。
【0028】
このように形成されたカプセルホルダ16は、キャップ16Dの外周側を把持し、ホルダ収容部13の角穴部13Aから引出し部16Aを引出す。これにより、膨出部嵌合凹部16Bにブリスタカプセル1(膨出部3)を嵌合させたり、使用済みのブリスタカプセル1を取出したりすることができる。
【0029】
また、膨出部嵌合凹部16Bにブリスタカプセル1を嵌合させた状態で、引出し部16Aをホルダ収容部13の角穴部13A内に押込む。これにより、ブリスタカプセル1は、図3、図7に示す如く、底板部2と蓋板部4をスリット穴部13Bに挿入することができ、カプセルホルダ16と一緒に所定の位置に保持することができる。
【0030】
次に、17はボディ12の一側寄りに位置して設けられた流入側のピン挿入穴で、該ピン挿入穴17は、ボディ12に形成されたボディ側挿入穴17Aと、カプセルホルダ16に形成されたホルダ側挿入穴17Bとにより構成されている。
【0031】
また、18はボディ12の他側寄りに位置して設けられた流出側のピン挿入穴で、該ピン挿入穴18は、流入側のピン挿入穴17と平行に延びたボディ側挿入穴18Aとホルダ側挿入穴18Bとにより構成されている。
【0032】
19はブリスタカプセル1に空気を流入する流入側通路で、該流入側通路19は、流入側のピン挿入穴17に連通したボディ側通路19Aと、該ボディ側通路19Aとは別にホルダ収容部13の角穴部13Aとカプセルホルダ16の引出し部16Aとの間に設けられたホルダ側通路19Bとにより構成されている。そして、流入側通路19は、カプセルホルダ16の空気取入れ口16Fを介して大気側に連通可能となっている。
【0033】
20はブリスタカプセル1から粉末製剤6を含んだ空気をマウスピース14の吸入口14A側に流出する流出側通路で、該流出側通路20は、流出側のピン挿入穴18に連通したボディ側通路20Aと、該ボディ側通路20Aとは別に角穴部13Aと引出し部16Aとの間に設けられたホルダ側通路20Bとにより構成されている。
【0034】
一方、21は各通路19,20と90度ずらした位置でボディ12の筒状体12Aを軸方向に貫通するように穿設された2本の補助通気路(図4中に図示)で、該各補助通気路21は、息を吸込むときに流通する空気の流量を増やすことで、このときの息苦しさを解消している。
【0035】
22はボディ12に設けられた穴あけ具で(図3、図7参照)、該穴あけ具22は、カプセルホルダ16に収容されたブリスタカプセル1に穴あけを施すものである。また、穴あけ具22は、ボディ12の穴あけ具ガイド12B内に可動に支持された支持部22Aと、該支持部22Aからピン挿入穴17,18に向けて延び、先端が鋭利に形成されたピン22B,22Bと、前記支持部22Aと筒状体12Aとの間に設けられ、支持部22A等を初期位置に戻す戻しばね22Cとにより大略構成されている。
【0036】
そして、穴あけ具22は、支持部22Aを戻しばね22Cに抗して穴あけ具ガイド12B内に押込み、ピン22B,22Bをピン挿入穴17,18に挿入することにより、図7に示す如く、各ピン22Bの先端をブリスタカプセル1に突き刺し、該ブリスタカプセル1の底板部2(膨出部3)と蓋板部4に収容空間5を上,下方向に貫通する合計4個の穴Hをあけるものである。
【0037】
本実施の形態による吸入式投薬器11は上述の如き構成を有するもので、次に、患者がブリスタカプセル1に収容した粉末製剤6を吸入するときの動作について説明する。
【0038】
まず、カプセルホルダ16をホルダ収容部13から引出し、引出し部16Aの膨出部嵌合凹部16Bに膨出部3を嵌合するようにブリスタカプセル1を取付ける。この状態で、引出し部16Aをホルダ収容部13の角穴部13Aに押込み、ブリスタカプセル1の底板部2と蓋板部4とをスリット穴部13Bに押込んで該ブリスタカプセル1をセットする。次に、穴あけ具22の支持部22Aをボディ12の穴あけ具ガイド12Bに沿って押込むことにより、各ピン22Bによりブリスタカプセル1の底板部2(膨出部3)と蓋板部4に4個の穴Hを形成する。
【0039】
このようにブリスタカプセル1に各穴Hをあけたら、患者はマウスピース14を口にくわえて息を吸込むことにより、気管、肺、気管支等に粉末製剤6を投与することができる。
【0040】
かくして、第1の実施の形態によれば、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1の底板部2と蓋板部4とを円板状に形成し、その直径寸法D1は患者が飲むことが困難な大きさとなる25mm以上に設定している。従って、患者がブリスタカプセル1を飲もうとしても、底板部2と蓋板部4により飲むことができないから、間違えて飲込むような事態を未然に防ぐことができ、信頼性を向上することができる。また、底板部2の直径寸法D1を25〜80mmの範囲に設定することにより、ブリスタカプセル1の取扱いを容易に行なうことができる。
【0041】
また、底板部2と蓋板部4は、アルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等を用いて形成しているから、色々な材料から形成することができる。
【0042】
次に、図8および図9は本発明の第2の実施の形態を示している。この第2の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの底板部と蓋板部とを正方形に形成し、底板部の膨出部を円形状に形成する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0043】
図8において、31は第2の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル31は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル31は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部32と蓋板部34とにより大略構成されている。
【0044】
32はブリスタカプセル31の底板部で、該底板部32は、第1の実施の形態による底板部2と同様に、例えばアルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロース等の材料を用いて形成されている。また、底板部32は、図8、図9に示すように、正方形状に形成され、その中央部には膨出部33が一体に形成されている。そして、膨出部33は、短尺な有底円筒形状の膨らみとして形成されている。
【0045】
ここで、正方形状の底板部32は、その1辺の長さ寸法L1が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。これにより、患者がブリスタカプセル31を飲もうとした場合でも、大きな1辺の長さ寸法L1を有する底板部32により飲むのを阻止することができる。
【0046】
また、底板部32の1辺の長さ寸法L1は25mm以上とすればよいが、第1の実施の形態と同様に、好ましくは、ブリスタカプセル31を取扱うときの便宜性を考えて、25〜80mmの範囲に設定するのが適正である。
【0047】
34は底板部32の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部34は、底板部32の膨出部33を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間35を画成している。また、蓋板部34は、底板部32とほぼ同様の材料を用い、該底板部32と同様に1辺の長さ寸法L1となる正方形状に形成されている。
【0048】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、底板部32と蓋板部34を正方形状に形成しているから、1辺の長さ寸法L1を25mm以上とすることで、ブリスタカプセル31の誤飲を防止することができる。
【0049】
次に、図10および図11は本発明の第3の実施の形態を示している。この第3の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの蓋板部だけを大きな円板状に形成したことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】
図10において、41は第3の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル41は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル41は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部42と蓋板部44とにより大略構成されている。
【0051】
42はブリスタカプセル41の底板部で、該底板部42は、第1の実施の形態による底板部2と同様の材料を用いて形成されている。また、底板部42は、図10、図11に示すように、長円形状に形成され、その大部分は膨出部43となっている。そして、底板部42は全体が25mm以下の寸法で形成されている。
【0052】
44は底板部42の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部44は、底板部42の膨出部43を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間45を画成している。また、蓋板部44は、底板部42とほぼ同様の材料を用いて大きな円板状に形成されている。
【0053】
ここで、円板状の蓋板部44は、その直径寸法D2が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。これにより、患者がブリスタカプセル41を飲もうとした場合でも、大きな直径寸法D2を有する蓋板部44により飲むのを阻止することができる。
【0054】
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、底板部42を小さく形成し、蓋板部44だけを25mm以上の大きな円板状に形成しているから、底板部42に要する材料費を削減することができ、製造コストを低減することができる。
【0055】
次に、図12および図13は本発明の第4の実施の形態を示している。この第4の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの底板部だけを大きな円板状に形成したことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0056】
図12において、51は第4の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル51は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル51は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部52と蓋板部54とにより大略構成されている。
【0057】
52はブリスタカプセル51の底板部で、該底板部52は、第1の実施の形態による底板部2と同様の材料を用いて形成されている。また、底板部52は、図12、図13に示すように、円板状に形成され、その中央部には直径方向に長円形状に延びた膨出部53が形成されている。ここで、円板状の底板部52は、その直径寸法D3が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。
【0058】
54は底板部52の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部54は、底板部52の膨出部53を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間55を画成している。また、蓋板部54は、底板部52とほぼ同様の材料を用い、膨出部53よりも僅かに大きな長円形状に形成されている。
【0059】
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態によれば、蓋板部54を小さく形成した分だけ材料費を削減し、製造コストを低減することができる。
【0060】
次に、図14および図15は本発明の第5の実施の形態を示している。この第5の実施の形態の特徴は、吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの底板部と蓋板部とを長方形状に形成したことにある。なお、第5の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0061】
図14において、61は第5の実施の形態による吸入粉末製剤用ブリスタカプセルで、該ブリスタカプセル61は、第1の実施の形態によるブリスタカプセル1とほぼ同様に、患者が飲込むことができないような大きさに形成されている。そして、ブリスタカプセル61は、粉末製剤6を収容するもので、後述する底板部62と蓋板部64とにより大略構成されている。
【0062】
62はブリスタカプセル61の底板部で、該底板部62は、図14、図15に示すように、第1の実施の形態による底板部2と同様の材料を用いて長方形状に形成されている。また、底板部62の中央部には、長さ方向に長円形状に延びた膨出部63が形成されている。
【0063】
ここで、長方形状の底板部62は、最も小さい部分となる短辺部62Aの長さ寸法L2が患者が飲むことが困難な大きさ、具体的には25mm以上に設定されている。
【0064】
64は底板部62の表面に貼付けられた蓋板部で、該蓋板部64は、底板部62の膨出部63を閉塞して粉末製剤6を収容する収容空間65を画成している。また、蓋板部64は、底板部62とほぼ同様の材料を用い、該底板部62と同様の長方形状に形成されている。
【0065】
かくして、このように構成された第5の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0066】
なお、第1の実施の形態では、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル1を円板状に形成し、第2の実施の形態では、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル31を正方形状に形成し、第5の実施の形態では、吸入粉末製剤用ブリスタカプセル61を長方形状に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを長円形状、楕円形状、六角形状等の他の形状に形成する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図2】図1に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルが装着された吸入式投薬器を示す縦断面図である。
【図4】カプセルホルダを取外した吸入式投薬器の右側面図である。
【図5】カプセルホルダを単体で拡大して示す拡大縦断面図である。
【図6】図5に示すカプセルホルダの右側面図である。
【図7】吸入口から空気を吸入している状態の吸入式投薬器を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図9】図8に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図11】図10に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図13】図12に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る吸入粉末製剤用ブリスタカプセルを示す縦断面図である。
【図15】図14に示す吸入粉末製剤用ブリスタカプセルの平面図である。
【符号の説明】
1,31,41,51,61 吸入粉末製剤用ブリスタカプセル
2,32,42,52,62 底板部
3,33,43,53,63 膨出部
4,34,44,54,64 蓋板部
5,35,45,55,65 収容空間
6 粉末製剤
11 吸入式投薬器
D1,D2,D3 直径寸法
L1,L2 1辺の長さ寸法
Claims (3)
- 膨出部が形成された底板部と、該底板部の膨出部内に粉末製剤を収容した状態で該膨出部を閉塞する蓋板部とからなる吸入粉末製剤用ブリスタカプセルにおいて、
前記底板部と蓋板部とのうち、少なくとも一方側の部材を患者が飲むことが困難な大きさに形成したことを特徴とする吸入粉末製剤用ブリスタカプセル。 - 前記底板部と蓋板部とのうち、少なくとも一方側の部材は、最も小さい部分の長さ寸法を25mm以上に設定してなる請求項1に記載の吸入粉末製剤用ブリスタカプセル。
- 前記底板部と蓋板部は、アルミニウム、プラスチック、ゼラチン、セルロースの中から選択される材料を用いて形成してなる請求項1または2に記載の吸入粉末製剤用ブリスタカプセル。
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Legal Events
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