JP2005021362A - 洗濯機及び洗濯乾燥機 - Google Patents

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Abstract

【課題】外枠の寸法を変えずに洗濯兼脱水槽の容積の増加、配線作業性の向上及びDCブラシレスモータ部品精度の管理手数低減を図る。
【解決手段】電流センサーを使用することにより磁極検出用センサーを廃止することにより回転子の磁極を検出している位置センサーが不要になり同時に回転子の磁極検出部の永久磁石部を不要にしDCブラシレスモータの高さ方向の低減をした。また、磁極検知用センサーが無いため磁極検知用センサーを固定しているカバーの精度は不要となり、同時に磁極検知用センサーに使用している5本の弱電線が不要となり弱電線が無くなり配線の作業性が向上し管理手数も低減できるようにした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機及び洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に従来例を示す洗濯機の部分断面の正面図を示す。攪拌翼1、遊星歯車2、クラッチ部3、モータ部4は縦に直列に配置された構成となっている。このため、外枠6は洗濯兼脱水槽5の大きさで外形寸法が決まり、洗濯兼脱水槽5と駆動部7の高さで高さ方向の寸法が決まる構造となっている。
【0003】
図2に駆動部7の縦断面図を示す。高さ方向は遊星歯車2、クラッチ部3及びモータ部4の高さで構成され、これらの寸法で外枠6の大きさは決まる。洗濯兼脱水槽5の容積を大きくしようとするとこれらの構成要素の寸法を変更する必要がある。しかしながら、遊星歯車2、クラッチ部3及びモータ部4は一般的に主要素部品のため共通で使用されるので、最初に仕様が決まると寸法が決まるため変更することが困難である。また、モータ部4はDCブラシレスモータを使用しているので回転子8に固定されている永久磁石9の極性を検出するためにホールICによる位置検出のための磁極検知用センサー10がついている。磁極検知用センサー10はステータ11の巻線に流す電流により生じる磁界の影響を受けない様にするため永久磁石9の長さをステータ11の積厚25mmよりかなり長くしている。従来の実施の場合は37mmとしていた。また、洗濯兼脱水槽5と攪拌翼1とのモータ動力伝達切替えのためにクラッチ3がついているがこれらをモータ部4の中に収納するためには上側が噛合う必要があるため回転子8の磁路を構成するカップ部12は下側に凹構造としている。このため、磁極検知用センサー10は下側に取付ける構造となり高さ方向の寸法を増加させる要因の一つとなっていた。このため、外枠6の寸法を変えずに洗濯槽兼脱水槽5の容積を増加させようとすると、この部分を改善する必要がある。また、脱水時の洗濯機の振動は重心位置が高いほど増加するため重心位置を低くする必要があった。
【0004】
図3は外槽13の底部に置ける電気部品による配線について配線数の多い洗濯乾燥機を例に示す。配線数は排水バルブ14で電源用2本と接点用1本、クラッチ15切替え用で電源用2本と接点用2本、送風用ファンモータ16で電源用3本、DCブラシレスモータ17で電源用3本、磁極検知用センサー10で弱電用5本となっておりこれらの配線が外槽13から外枠6に固定されている。外槽13は脱水時に中に入っている洗濯物のアンバランスのため振動が大きいため外槽13から外枠6に配線する場合は配線を束ねて配線が振動で断線しない様にする必要があり特に弱電線は細いので屈曲による曲げ応力及び張力がかからない様に弛みをつけて配線がバラバラにならないようにテープで固定するとともに弱電線が太い電源線の中に紛れ込まない様にして弱電線に余分な張力がかからない様に配線の位置を変えないでそろえる必要があり手数を要していた。DCブラシレスモータにおける正弦波電流による駆動の場合、磁極検知用センサーの取付位置精度は電気角で概ね0〜±10度以下にする必要があるため精度を高くする必要があるので、これらを構成する個々の部品精度を高くする必要があり、部品単体及び部組の管理手数を要していた。磁極検知用センサーの位置精度を上げるために、ステータケース17にステータ11を圧入固定の際に回転方向の位置精度を出し、磁極検知用センサー10を取付けているステータカバー18の磁極検知用センサー10取付け部の精度を出すとともにステータケース17とステータカバー18の回転方向の位置精度を出す必要があり組合わせでの精度を上げるため部品単体の精度を大幅に上げる必要があり単体部品及び部組みの精度管理が大変であった。
【0005】
【特許文献】
なし
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、外枠の寸法を変えずに洗濯兼脱水槽の容積の増加、配線作業性の向上及びDCブラシレスモータ部品精度の管理手数低減を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
電流センサーを使用することにより磁極検出用センサーを廃止することにより回転子の磁極を検出している位置センサーが不要になり同時に回転子の磁極検出部の永久磁石部を不要にしDCブラシレスモータの高さ方向の低減をした。また、磁極検知用センサーが無いため磁極検知用センサーを固定しているカバーの精度は不要となり、同時に磁極検知用センサーに使用している5本の弱電線が不要となり弱電線が無くなり配線の作業性が向上し管理手数も低減できるようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】
図4に本発明の一実施例である駆動部の縦断面図を示す。駆動部20は攪拌翼に回転力を伝達するシャフト21、遊星歯車22、クラッチ部23、モータシャフト24、回転子25で構成されている。回転子25は凹状のカップ26の表面に永久磁石27が外周に固定されている。モータ部28はステータ29がステータケース30に圧入固定されている。ステータケース30にはステータカバー31が固定されている。ステータカバー31はステータ29の絶縁を確保するために使用されているのでステータ29をコイルごとに樹脂モールドすることによりステータカバー31を廃止することにより更に高さ方向を低くすることができる。モータ部28は磁極検知用センサーが付いていないためモータ部28に関してはステータ29と回転子25の同軸度のみ管理すればよく、部品単体精度及び部組時の回転方向の精度管理を大幅に低減できる。また、磁極検知用センサーが無いため回転子25に使用していた永久磁石27の長さはステータ29の巻線に流れる電流による磁界の影響を少なくするため永久磁石27の長さをステータ29の積厚より長くしていたが回転子25に使用している永久磁石27はステータ29の積厚とほぼ同じくすることができた。
【0009】
図8にステータの長さに対して回転子永久磁石の長さが同じ時のトルクを100%とした時のトルクの増減をグラフに示している。これによると永久磁石の長さが10%以上ではほぼ飽和するので有効長さは10%増加させた長さとした。これにより本実施例では特性を低下させることなく従来例の37mmに対して27.5mmとし9.5mm低減することができた。同様に、ステータカバー31は磁極検知用センサーを取付ける必要が無いので磁極検知用センサーで占有していた高さ分として従来例に対して15mm低減することが出来た。
【0010】
図5に本実施例の簡略部分回路図を示す。単相電源50に電源スイッチ51により開閉される。単相電源50は整流回路52により倍電圧の直流電源に変換される。この両端には電圧検知回路53が入っている。直流電源は2個直列に接続された3組の計6個の半導体モジュール54に電源を供給している。各半導体モジュールはマイコン55を介してロジック回路56により制御されている。DCブラシレスモータ57は整流回路52と半導体モジュール54との間に入れた電流センサー58により各半導体モジュール54の通電タイミングと電流値から回転子の磁極位置を間接的に検出することにより位置センサーを不要にした。電流センサーの入れる位置についてはDCブラシレスモータ57に供給される3本の電源のうち2本に入れてもよい。なお、回転子の形態はロータがステータの内側にあるインナータイプであるがロータがステータの外側にあるアウタータイプでも同様である。
【0011】
また、回転子に使用している永久磁石の構成は図6に示すようにカップ状のヨーク60の外側に永久磁石61がは固定されているいわゆる表面磁石方式と図7に示すように突起のある鉄心62の間に永久磁石63を固定した埋込み磁石方式がある。表面磁石方式は空隙変化に対する影響が少ないためステータと回転子の同軸度が比較的増加しても問題にならない利点がある。埋込み磁石方式はリラクタンストルクを利用できるため同じ体格であればトルク及び効率表面磁石方式より有利となるがステータと回転子の同軸度の精度を良くする必要があり本構成のビルトイン方式では組立て精度上不利であるが電流センサーによる磁極位置の推定は突極性のある埋込み磁石方式の方がし易い。両者とも誘起電圧が正弦波となるように永久磁石の形状及び鉄心部と磁石部の形状で調整している。誘起電圧における高調波含有率は0〜15%以下になるようにしている。高調波含有率が増加するとトルク変動の要因になり騒音及び振動が大きくなり、正弦波電流による制御ができず特に逆相制動によるブレーキをかける洗濯機や洗濯乾燥機などはこの影響の問題が大きくなる。
【0012】
【発明の効果】
磁極検知用センサーを廃止することにより磁極検出用のため使用していた回転子の永久磁石の長さを短くすることが出来、永久磁石の材料費を低減することができた。本実施例の場合37mmに対して27.5mmとなり長さで9.5mm低減し、重量で約25%低減した。またモータカバーの高さ方向の寸法は従来磁極検知用センサーの寸法で決まっていたがステータとの絶縁距離を確保すればよいので高さ方向の寸法で約15mm低減でき、同時に底面をその分下げることが出来るので重心位置が低くなり脱水時の振動が低減できた。また、同じ外枠寸法であれば高さ方向を高くとれるので洗濯兼脱水槽をその分大きくすることができるので洗濯容量を増加できた。また、位磁極検知用センサーが不要になることから位置精度を考慮する必要が無いため構成部品の精度管理を高くする必要がなく、これらに使用していた弱電用の配線が不要になり、細線がなくなり配線の作業性及び信頼性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例である洗濯機の部分正面断面図を示す。
【図2】従来例である駆動部の正面断面図を示す。
【図3】従来例である外槽底部側と外枠側に置ける電気部品による配線を示す。
【図4】本実施例である駆動部の正面断面図を示す。
【図5】本実施例である外槽底部側と外枠側に置ける電気部品による配線を示す。
【図6】表面磁石方式の回転子の略図を示す。
【図7】埋込み磁石方式の回転子の略図を示す。
【図8】ステータの長さに対する永久磁石の長さのトルク変化グラフを示す。
【符号の説明】
1…攪拌翼、2,22…遊星歯車、3,15,23…クラッチ部、4,28…モータ部、5…洗濯兼脱水槽、6…外枠、7,20…駆動部、8,25…回転子、9,27,61,63…永久磁石、10…磁極検知用センサー、11,29…ステータ、12,26…カップ部、13…外槽、14…排水バルブ、16…送風用ファンモータ、17,57…DCブラシレスモータ、18…ステータカバー、21…シャフト、24…モータシャフト、30…ステータケース、31…ステータカバー、50…単相電源、51…電源スイッチ、52…整流回路、53…電圧検知回路、54…半導体モジュール、55…マイコン、56…ロジック回路、58…電流センサー、60…ヨーク、62…鉄心。

Claims (3)

  1. 洗濯水を溜める外槽内に設置した攪拌翼と、前記洗濯機兼脱水槽及び攪拌翼を回転駆動する駆動装置と、前記駆動装置を制御する制御手段を備え、前記駆動装置は電動機と遊星歯車減速機構とクラッチ機構とを備え、選択的に脱水槽と攪拌翼、攪拌翼のみおよび脱水槽のみを回転させるようにした洗濯機において攪拌翼及び洗濯兼脱水槽を駆動するモータにDCブラシレスモータを使用し正弦波駆動電流で制御し、直流回路側に電流センサーを1個またはモータ側に複数個使用することにより磁極検知用センサーを廃止し、回転子に使用しているフェライトマグネットの長さを固定子の積厚と約同等としたことを特徴とする洗濯機及び洗濯乾燥機。
  2. 前記駆動用DCブラシレスモータは回転子を構成する永久磁石を表面磁石方式で構成し、且つ正弦波誘起電圧となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機及び洗濯乾燥機。
  3. 前記駆動用DCブラシレスモータは回転子を構成する永久磁石を埋込み磁石方式で構成し、且つ正弦波誘起電圧となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機及び洗濯乾燥機。
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