JP2003010585A - 電気洗濯機 - Google Patents

電気洗濯機

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JP2003010585A
JP2003010585A JP2001195475A JP2001195475A JP2003010585A JP 2003010585 A JP2003010585 A JP 2003010585A JP 2001195475 A JP2001195475 A JP 2001195475A JP 2001195475 A JP2001195475 A JP 2001195475A JP 2003010585 A JP2003010585 A JP 2003010585A
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washing
drive
stirring blade
laundry
clutch mechanism
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Application number
JP2001195475A
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English (en)
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Masao Watanabe
雅生 渡辺
Yasushi Shinko
靖 信耕
Mitsuhisa Kawamata
光久 川又
Takuya Watanabe
卓也 渡辺
Yuichiro Takamune
裕一郎 高宗
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗濯機の駆動形態を切り換える切り換えクラッ
チ機構を操作するための時間を短縮する。 【解決手段】駆動電動機61の駆動力を攪拌翼4および
洗濯兼脱水槽2に伝達する切り換えクラッチ機構62を
操作する操作電動機62aを、電源投入時に、洗濯兼脱
水槽2を回転自由にして攪拌翼駆動の反力で攪拌翼4と
反対方向の駆動力を洗濯兼脱水槽に与える状態にする駆
動形態に初期化するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気洗濯機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】外槽内に回転可能に設置した洗濯兼脱水
槽と、この洗濯兼脱水槽内に回転可能に設置した攪拌翼
と、前記洗濯兼脱水槽および攪拌翼の回転を制御する駆
動装置と、給水および排水手段と、前記駆動装置と給水
および排水手段を制御する制御装置とを備え、前記駆動
装置は、前記洗濯兼脱水槽を回転自由にして攪拌翼駆動
の反力で攪拌翼と反対方向の駆動力を与える状態で攪拌
翼を回転駆動する洗濯駆動形態と、前記洗濯兼脱水槽を
回転駆動する脱水駆動形態に切り換え可能に構成した電
気洗濯機が提案されている。
【0003】このような洗濯機は、特開2001−29
684号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような電気洗濯機
は、駆動装置を、洗濯兼脱水槽を静止部材に係合させて
該洗濯兼脱水槽を静止させた状態で攪拌翼を回転駆動す
る第1の駆動形態と、前記洗濯兼脱水槽を回転自由にし
て攪拌翼駆動の反力で攪拌翼と反対方向の駆動力を与え
る状態で攪拌翼を回転駆動する第2の駆動形態と、前記
洗濯兼脱水槽と攪拌翼を一体的に回転駆動する第3の駆
動形態に切り換わるように構成し、これらの駆動形態を
選択的に実行することにより、更に効率的な洗濯および
脱水を行うことができるようになる。
【0005】このような3つの駆動形態に切り換え可能
な駆動装置を構成するためには、操作電動機によって切
り換え操作する切り換えクラッチ機構を設けることが望
ましい。
【0006】そして、切り換えクラッチ機構と操作電動
機の連係は、操作電動機によってカムを回転させてクラ
ッチ操作レバーを揺動させる構成が実用的であり、各駆
動形態を確認する位置検出スイッチは、構造の簡易化の
ためには、少ない方が望ましい。例えば、クラッチ操作
レバーの操作端部を上,中,下位置に操作することによ
って第1〜第3の駆動形態の切り換えを実現する切り換
えクラッチ機構では、カムの1回転でクラッチ操作レバ
ーの操作端部を上下動させる構成が望ましい。そのよう
なカムは、下位置を基準(0度)にすれば、180度が
上位置になり、登りの中間位置(90度)および下りの
中間位置(270度)が中位置になる。そして、前記位
置検出スイッチは、例えば、カムの回転位置の基準位置
と180度に相当する位置を検出する2つの位置検出ス
イッチを設置し、その間の位置は、操作電動機の駆動時
間によって推定する構成とすることが実用的である。
【0007】このような操作電動機による切り換えクラ
ッチ機構操作では、制御装置は、位置検出スイッチの検
出信号を確認しながら目的の駆動形態までクラッチ操作
レバーを揺動させるようにカムを回転させるように操作
電動機を回転させる制御が必要であり、従って、洗濯開
始時に位置検出信号の確認を行うことができるように操
作することが必要になることから遅れ時間が発生する。
【0008】本発明の1つの目的は、切り換えクラッチ
機構を操作するための遅れ時間の発生を軽減することが
できる電気洗濯機を提案することにある。
【0009】本発明の他の目的は、数少ない位置検出ス
イッチを使用して切り換えクラッチ機構を少ない遅れ時
間で目的の駆動形態に操作することができる電気洗濯機
を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、外槽内に回転
可能に設置した洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽内に
回転可能に設置した攪拌翼と、前記洗濯兼脱水槽および
攪拌翼を回転または静止する駆動装置と、給水および排
水手段と、前記駆動装置と給水および排水手段を制御す
る制御装置とを備えた電気洗濯機において、前記駆動装
置は、駆動電動機と減速機構と切り換えクラッチ機構と
クラッチ操作電動機とを備え、減速機構は駆動電動機の
回転を減速して前記攪拌翼を回転駆動するように連結
し、前記切り換えクラッチ機構は、前記クラッチ操作電
動機に操作されて、前記洗濯兼脱水槽を静止させた状態
で攪拌翼を反転駆動する第1の駆動形態と、前記洗濯兼
脱水槽を回転自由にして攪拌翼駆動の反力で攪拌翼と反
対方向の駆動力を洗濯兼脱水槽に与える状態にする第2
の駆動形態と、前記駆動電動機の回転を前記洗濯兼脱水
槽に直に伝達して該洗濯兼脱水槽と攪拌翼を一体的に前
記駆動電動機によって回転駆動する第3の駆動形態に切
り換わるように構成し、前記制御装置は、電源投入時に
前記切り換えクラッチ機構が第2の駆動形態となるよう
に前記クラッチ操作電動機を初期化制御するように構成
したことを特徴とする。
【0011】そして、前記切り換えクラッチ機構が第1
の駆動形態にあることを検出する第1の位置検出スイッ
チと、前記切り換えクラッチ機構が第3の駆動形態にあ
ることを検出する第2の位置検出スイッチを設け、前記
第1および第2の位置検出スイッチの検出信号に基づい
て第2の駆動形態を推定するように構成する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面を参
照して説明する。
【0013】以下に説明する実施の形態における電気洗
濯機は、洗濯(洗いと濯ぎ)と脱水と乾燥を実行するこ
とができる洗濯乾燥方式の電気洗濯機であって、具体的
には後述するが、外槽内に回転可能に設置した洗濯兼脱
水槽と、この洗濯兼脱水槽内に回転可能に設置した攪拌
翼と、前記洗濯兼脱水槽および攪拌翼を回転または静止
する駆動装置と、給水および排水手段と、粉末洗剤を溶
解して高濃度洗剤液を生成して洗濯物に降りかける高濃
度洗剤液生成・供給手段と、温風循環乾燥手段と、前記
駆動装置と給水および排水手段と高濃度洗剤液生成・供
給手段と温風循環乾燥手段を制御する制御装置とを備え
る。
【0014】前記攪拌翼は、洗濯兼脱水槽の底部の大部
分を覆う大径(外径寸法が洗濯兼脱水槽の内径寸法の9
0%以上)で周縁部を迫り上げるように上向きにわん曲
させて皿状形態に形成し、洗濯物を受け支える状態で回
転するように構成する。
【0015】また、前記駆動装置は、駆動電動機と減速
機構と切り換えクラッチ機構とクラッチ操作電動機とを
備え、減速機構は遊星歯車機構によって構成して駆動電
動機の回転を減速して前記攪拌翼を回転駆動するように
連結し、前記切り換えクラッチ機構は、前記クラッチ操
作電動機に操作されて、前記洗濯兼脱水槽を静止させた
状態で攪拌翼を反転駆動する第1の駆動形態と、前記洗
濯兼脱水槽を回転自由にして攪拌翼駆動の反力で攪拌翼
と反対方向の駆動力を洗濯兼脱水槽に与える状態で攪拌
翼と洗濯兼脱水槽を回転駆動する第2の駆動形態と、前
記駆動電動機の回転を前記洗濯兼脱水槽に直に伝達して
該洗濯兼脱水槽と攪拌翼を前記駆動電動機によって一体
的に回転駆動する第3の駆動形態に切り換わるように構
成する。
【0016】切り換えクラッチ機構の前記各駆動形態の
切り換え操作は、クラッチ操作電動機により回転駆動す
るカムによってクラッチ操作レバーを揺動させることに
よって実現するように構成し、各駆動形態の検出は、カ
ムが第1の駆動形態と第3の駆動形態の位置にあること
を2つの位置検出スイッチによってそれぞれ検出し、第
2の駆動形態は、前記位置検出スイッチが検出した状態
からの回転駆動経過時間によって推定することにより行
うように構成する。
【0017】また、高濃度洗剤液生成・供給手段は、粉
末洗剤を水道水に溶解して生成した洗い水の洗剤濃度の
5〜30倍の洗剤濃度の高濃度洗剤液を洗濯物に降りか
けて浸沈させる構成である。
【0018】温風循環乾燥手段は、外槽内の湿潤空気を
吸い出して水冷除湿した後に加熱して洗濯兼脱水槽内に
吹き込む構成である。
【0019】そして、制御装置は、次のような制御処理
を実行する。先ず、電源が投入されると、切り換えクラ
ッチ機構が第2の駆動形態となるようにクラッチ操作電
動機を駆動する切換クラッチ機構初期化制御を行う。こ
の第2の駆動形態は、その後に実行する工程が、一般的
には、洗濯物の量を検出するための駆動形態と同一であ
ることから、工程の進行に遅れ時間が発生するのを軽減
するのに好適な初期化状態である。
【0020】次に、初期設定操作後にスタートスイッチ
が押されると、一般的な自動洗濯が設定されている場合
には、切り換えクラッチ機構を第2の駆動形態のままに
して攪拌翼を回転させることにより、洗濯兼脱水槽に投
入されている洗濯物の量を検出(乾布センシング)して
好適な洗濯(洗いおよび濯ぎ)水量を設定し、この設定
水量に応じて好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するため
の洗剤量(一般的には粉末合成洗剤の投入量)を設定
し、表示する。この第2の駆動形態での洗濯物の量の検
出は、切り換えクラッチ機構の不安定な挙動による影響
をなくして高精度の検出を実現することができる。
【0021】次に、洗濯兼脱水槽および/または攪拌翼
を回転させながら洗濯物に水を降りかけて湿潤させて嵩
を低減し、高濃度洗剤液を降りかけて浸沈させるのに好
適な状態とする。
【0022】洗剤投入手段に設定された量の粉末洗剤が
投入されると、この洗いに好ましい量の粉末洗剤を少量
の洗剤溶解水で溶かして高濃度洗剤液を生成し、この高
濃度洗剤液を洗濯物に降りかけて浸沈させることによっ
て該高濃度洗剤液の高い化学的な洗浄力を汚れに作用さ
せ、その後の機械的な洗浄力(攪拌翼と洗濯兼脱水槽に
よって洗濯物に作用させる機械力)を軽減することによ
って、必要な洗浄力を維持した状態で布傷みや布絡みを
軽減することができるようにする。洗濯物に降りかけて
浸沈させる高濃度洗剤液の洗剤濃度は、洗い水における
洗剤濃度の5〜30倍であり、洗剤液生成・供給におけ
るばらつきを考慮すると、10倍程度を目標値に設定す
るのが好都合である。
【0023】次いで、洗いに好ましい値に設定された水
量(水位)まで給水する。この給水過程で、攪拌翼を回
転駆動して洗濯物の量の検出(湿布センシング)を行
い、乾布センシングおよび湿布センシングの結果に基づ
いて、洗濯物の質の推定,反転駆動のオン−オフ時限の
設定,洗濯時間の設定,設定水位の補正等を行う。反転
駆動のオン時限は、洗濯物の量が多くなるに従って長く
なるように設定する。
【0024】設定水位までの給水が終了すると、攪拌翼
および洗濯兼脱水槽を反転駆動して洗濯物に機械力を作
用させる洗い攪拌制御を実行する。この洗い攪拌制御
は、洗濯物の量に応じて切り換えクラッチ機構を第1ま
たは第2の駆動形態に操作し、また、洗濯物の量および
質に応じて設定した反転駆動のオン−オフ時限および洗
い時間に従って実行する。駆動形態は、洗濯物が所定の
量(この実施の形態では定格負荷量の80%)未満のと
きには、切り換えクラッチ機構を第2の駆動形態にして
攪拌翼と洗濯兼脱水槽に反対方向の回転駆動力を与える
反転駆動による洗い攪拌を実行し、所定量以上では、先
ず、切り換えクラッチ機構を第2の駆動形態にして攪拌
翼と洗濯兼脱水槽に反対方向の回転駆動力を与える反転
駆動による洗い攪拌を実行し、その後、切り換えクラッ
チ機構を第1の駆動形態にして洗濯兼脱水槽を静止させ
た状態で攪拌翼を反転駆動する洗い攪拌を実行する。こ
の所定量以上における洗い攪拌では、第1の駆動形態の
オン時限を第2の駆動形態におけるオン時限よりも短く
設定して過大な攪拌力となるのを防止する。
【0025】ここで、反転駆動とは、攪拌翼を正方向回
転駆動→休止→逆方向回転駆動→休止→正方向回転駆動
…の繰り返しを意味し、オン時限とは、正または逆方向
回転駆動の1回の駆動時間(駆動電動機への給電オン時
間)を意味し、オフ時限は休止時間を意味する。
【0026】このような洗い工程は、高濃度洗剤液の化
学的な洗浄力を有効に活用していることから、少ない攪
拌力(機械力)で十分に汚れを落すことができ、布絡み
および布傷みを軽減する。
【0027】洗いを終了すると、洗い水を排水し、切り
換えクラッチ機構を第2の駆動形態に操作して攪拌翼と
洗濯兼脱水槽を一体的に一方向に高速回転させることに
よって洗濯物に含まれている洗い水を遠心脱水する。
【0028】次いで、濯ぎに好ましい値に設定された水
量(水位)まで給水し、濯ぎ攪拌のための反転駆動を実
行する。この濯ぎ攪拌のための反転駆動は、洗濯物の量
が所定値未満では第2の駆動形態による反転駆動を採用
し、所定値以上では第1の駆動形態による反転駆動を採
用する。
【0029】設定された濯ぎ攪拌を終了すると、濯ぎ水
を排水し、切り換えクラッチ機構を第3の駆動形態に操
作して攪拌翼と洗濯兼脱水槽を一体的に一方向に高速回
転させることによって洗濯物に含まれている濯ぎ水を遠
心脱水する。
【0030】この濯ぎ攪拌と排水および遠心脱水を必要
回数繰り返し、最終脱水は、その後の乾燥工程に好まし
い脱水状態になるまで実行する。
【0031】脱水した洗濯物を洗濯兼脱水槽内で乾燥さ
せるときには、洗濯兼脱水槽を緩速回転させながら温風
循環乾燥手段を稼働させて洗濯兼脱水槽内の空気を吸い
出して除湿した後に加熱して洗濯兼脱水槽内に吹き込む
ことにより洗濯物に循環空気を触れさせて乾燥する。前
述したように、高濃度洗剤液の化学的な洗浄力を効果的
に活用することによって機械力を軽減して実行した洗濯
は、洗濯物の絡みを軽減するので、循環空気を洗濯物に
均一に触れさせて乾燥効率を高めるのに有効である。
【0032】図1は、本発明の一実施の形態である電気
洗濯機の全体構成を示す模式図である。
【0033】1は、外郭を構成する枠体である。2は、
洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水穴2aを有し、そ
の上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回
転自在に攪拌翼4を設置する。攪拌翼4は、大径(洗濯
兼脱水槽2の内径寸法の90%以上が望ましい)で周縁
部を迫り上げるように上向きにわん曲させた皿状形態
で、低位領域に通水穴4aを設ける。5は、前記洗濯兼
脱水槽2を内包する外槽であり、その底部の外側には駆
動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付
け、外枠1の上端部の四隅から防振支持装置8によって
懸垂するように支持する。
【0034】駆動装置6は、詳細は後述するが、駆動電
動機と電動機操作方式の切り換えクラッチ機構と遊星歯
車機構を使用した減速機構を内蔵し、洗濯兼脱水槽2を
静止させた状態で攪拌翼4を回転させる第1の駆動形態
と、洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4にそれぞれ反対方向の回
転駆動力を作用させる第2の駆動形態と、洗濯兼脱水槽
2と攪拌翼4を一体的に同一方向に回転させる第3の駆
動形態を選択的に実行することができるように構成す
る。
【0035】衣類投入開口9aを形成した上面カバー9
は、枠体1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込
み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に
取り付けねじによって枠体1に取り付ける。
【0036】上面カバー9とフロントパネル10の間に
形成されるフロントパネルボックス12には、電源スイ
ッチ13と入力スイッチ群および表示素子群を備えた操
作パネル14と、外槽5内の水位に応じた水位信号を発
生する水位センサ15と、コントロールユニット16を
内蔵する。これらは、制御装置を構成する。
【0037】上面カバー9とバックパネル11の間に形
成されるバックパネルボックス17には、洗濯水給水手
段と高濃度洗剤液生成・供給手段を横並びに設置するよ
うに内蔵する。
【0038】洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口1
8に接続し、出水側を注水口19に接続した主給水電磁
弁20によって構成する。
【0039】高濃度洗剤液生成・供給手段は、補助給水
電磁弁22から洗剤溶解容器21に少量の洗剤溶解水を
供給し、この洗剤溶解容器21内に投入されている粉末
合成洗剤を攪拌しながら前記洗剤溶解水で溶解して高濃
度洗剤液を生成する。洗剤溶解容器21は、給水口19
に連なる溢水部(図示省略)を有し、生成した高濃度洗
剤液を更なる給水(希釈給水)によって希釈して増量す
ることにより前記溢水部から溢水させて注水口19に供
給する。高濃度洗剤液を生成するための洗剤溶解水は、
洗剤溶解容器21の溢水部から溢水しない程度の少量に
設定し、希釈給水時には、洗濯物に浸沈させるのに好ま
しい洗剤濃度に希釈するために、主給水電磁弁20も開
放して追加の希釈水を注水口19に供給するように構成
する。
【0040】洗剤溶解容器21に仕上剤投入器を付設し
たときには、仕上剤を流し出すための補助給水電磁弁2
2aを設ける。
【0041】温風循環乾燥手段は、外槽5の底部近くの
側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外
壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して
前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める水
冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部
に位置して該ダクト内に冷却水を供給する冷却散水部2
4と、洗濯運転における外槽5の水位よりも高い位置で
折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に
向かって垂直に伸びる下降風路ダクト25と、外槽5の
下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から空
気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、
この循環ファン26の吐出口から外槽5の外壁面に沿っ
て上方向に垂直状態に伸びる上昇風路ダクト27と、外
槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27
から送り込まれる循環空気を加熱するヒータ(PTCヒ
ータ)29と、ヒータ29によって加熱された循環空気
を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き出し口30を
備える。
【0042】下降風路ダクト25内には湿度検知手段で
ある湿度センサ40と第1温度センサ41を設置し、ヒ
ータ29の下流側の風路内には第2温度センサ42を設
置する。
【0043】また、水冷除湿ダクト23の上部から下降
風路ダクト25への折り返し部に糸屑捕集フィルタ(図
示省略)を設置する。
【0044】前記水冷除湿ダクト23,下降風路ダクト
25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁
面に該外槽5の周方向に並べて実装する。
【0045】そして、この温風循環乾燥手段は、洗濯後
に外槽5内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽2を高速回
転させて脱水した後に低速回転させながら、循環ファン
26を運転することによって、外槽5および洗濯兼脱水
槽3内の湿潤空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷
除湿ダクト23内を上昇させる過程において冷却散水部
24から該水冷除湿ダクト23内に供給される冷却水に
よって冷却して除湿する。その後、冷却除湿した空気
は、下降風路ダクト25を下降させて循環ファン26に
吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27
とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒー
タ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近
に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに
吹き込む。このように洗濯兼脱水槽2に吹き込まれた循
環空気は、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物に触れて該洗濯物
を乾燥する。
【0046】上面カバー9に形成した衣類投入開口9a
は、外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽上カバー2
8に形成した開口28aは、内蓋32によって開閉自在
に覆うように構成する。
【0047】外槽5の底に形成した排水口5bは、排水
電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアー
トラップ5cは、エアーチューブ35を介して前記水位
センサ15に接続する。枠体1の下端縁には、四隅に脚
36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装
着する。なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投
入された洗濯物である。
【0048】図2は、前述した電気洗濯機の具体的な構
成を示す縦断側面図である。図1の説明と重複する説明
は一部省略する。
【0049】駆動装置6は、駆動電動機61と切り換え
クラッチ機構62と減速機構63と中心出力軸64と外
側出力軸65を備え、鋼板製の取付けベース7の下面上
に一体的に組み立て、この取付けベース7を外槽5の底
下面にねじ止めすることにより取り付ける。
【0050】駆動電動機61は、複数段または無段変速
の可逆回転型の電動機とする。布量(布質)検出,高濃
度洗剤液降りかけ,洗い,濯ぎ,脱水,乾燥において好
ましい回転速度で攪拌翼4や洗濯兼脱水槽2を多様に回
転駆動するためには、インバータ駆動のブラシレス電動
機を使用することが望ましい。
【0051】減速機構63は、遊星歯車式の減速機構で
あって、遊星歯車を支持するキャリアを中心出力軸64
に結合し、内歯車を外側出力軸65に結合し、太陽歯車
を駆動電動機61に直に結合した構成である。
【0052】そして、切り換えクラッチ機構62は、ク
ラッチ操作電動機62aによって回転させるカム62b
によってクラッチ操作レバー62fを操作することによ
って、第1の駆動形態と第2の駆動形態と第3の駆動形
態に選択的に設定する。第1の駆動形態では、減速機構
63の内歯車を静止部材に係合させることによって洗濯
兼脱水槽2に静止力を作用させた状態で駆動電動機61
の回転力を減速機構63と中心出力軸64を介して攪拌
翼4に伝達して該攪拌翼4を回転させて洗濯攪拌を実行
させる。第2の駆動形態では、減速機構63の内歯車を
回転自由にした状態で駆動電動機61によって太陽歯車
を回転させることによって該駆動電動機61の回転力を
中心出力軸64および外側出力軸65の双方に反対向き
に伝達して洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を反対向きに回転
駆動して布量(布質)検出および洗濯攪拌を実行させ
る。そして、第3の駆動形態では、減速機構62の内歯
車を駆動電動機61と連結状態として該駆動電動機61
によって太陽歯車と内歯車を一体的に回転駆動し、中心
出力軸64および外側出力軸65を同一方向に回転させ
て洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を同一方向に回転駆動して
湿潤給水を実行させ、高濃度洗剤液の降りかけを実行さ
せ、遠心脱水を実行させ、温風乾燥を実行させる構成で
ある。
【0053】図3および図4は、この実施の形態におけ
る洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4の関係および攪拌翼4の形
態を示すものであって、図3は、洗濯兼脱水槽2と攪拌
翼4の縦断側面図、図4は、攪拌翼4の斜視図である。
【0054】この実施の形態における攪拌翼4は、外径
寸法を洗濯兼脱水槽2の内径寸法の90%以上の大径寸
法に形成して洗濯兼脱水槽2の底部の大部分を覆うよう
に構成する。また、この攪拌翼4は、周縁部を迫り上げ
るように上向きにわん曲させて上面に放射状の攪拌リブ
4bを設けた皿状形態に形成し、洗濯物を受け支える状
態で回転するように構成する。中央部分の盛り上がり
は、その裏側(下面側)に中心出力軸64を嵌着するボ
ス4cを形成するためのものである。
【0055】図5は、駆動装置6の内部構成を詳細に示
す縦断側面図であり、切り換えクラッチ機構62が第1
の駆動形態にある状態を示している。また、図6は、切
り換えクラッチ機構62の一部分を拡大して示す縦断側
面図である。
【0056】この駆動装置6は、洗濯兼脱水槽2および
攪拌翼4を結合する出力軸64,65を軸心にして垂直
方向に減速機構63と噛み合い式の切り換えクラッチ機
構62と駆動電動機61を同心的に直列に配列して取り
付け強度部材である鋼板製のセンターベース7に取り付
けた構成である。
【0057】減速機構63は、結合フランジを合わせて
取り付けねじ63aによってセンターベース7に取り付
けた2つ割りの減速機構外ケース63b,63cの内側
にボールベアリング63d,63eによって内外2重構
造の駆動回転軸系63fを支持する。
【0058】この駆動回転軸系63fは、中空の外側出
力軸65系とその中空内に配置した中心出力軸64系を
備える。
【0059】外側出力軸65系は、駆動電動機61の回
転を直に洗濯兼脱水槽2に伝達して該洗濯兼脱水槽2を
駆動する回転軸系であり、外ケース63bの外側に伸び
て外槽5を貫通した先端部に洗濯兼脱水槽2を結合する
前記外側出力軸65と、外ケース63cの外側に伸びた
筒状部の外周面に切り換えクラッチ機構62の摺動子を
係合させるセレーション63gを形成し、内側端にフラ
ンジを形成した外側入力軸部63hと、その中間に位置
して遊星歯車減速機構を収容する歯車ケース部63hを
備える。歯車ケース部63iの内周には遊星歯車減速機
構の一部を構成する環状の内歯車63jを固着してい
る。
【0060】この外側出力軸65系の内側に設ける中心
出力軸64系は、駆動電動機61の回転を減速して攪拌
翼4に伝達して該攪拌翼4を駆動する回転軸系であり、
前記外側出力軸65内にメタル軸受67a,67bとシ
ールリング(図示省略)によって水密および抜け止め状
態に設けられ、外側出力軸65の先端から洗濯兼脱水槽
2内に突出して攪拌翼4が取り付けられる攪拌翼取付部
(図示省略)が形成され、内端から歯車ケース部63i
内に突出して遊星歯車減速機構と結合する内端部分にセ
レーションが形成された前記中心出力軸64と、前記外
側入力軸部63hの内側にボールベアリング63k,6
3mによって支持され、この外側入力軸部63hの外端
から片持ち状態に伸び出た外端部分に電動機回転子嵌着
部63nと止めねじ部63pが形成され、歯車ケース部
63i内に伸びた内端側部分に太陽歯車63qが形成さ
れた内側入力軸部63rと、歯車ケース部63i内にお
いて前記中心出力軸64の内端部分のセレーションに嵌
合したキャリア63sに軸支されて前記歯車63j,6
3qに噛み合って回動して前記キャリア63sに減速し
た回転力を伝達する遊星歯車63tを備える。
【0061】駆動電動機51は、外ケース63cの下端
面に絶縁部材61cを介在させて取り付けねじ(図示省
略)によって絶縁状態に取り付けた電動機ハウジング6
1dを下向きに開口させ、開口端から固定子61eを嵌
入して複数個の切り越し突起と折り曲げ爪によって挟持
するように固定した構成である。具体的には、固定子6
1eは、可逆回転型電動機を構成するように、固定子鉄
心61fに6極構成の固定子巻線61aを巻装し、固定
子鉄心61fの外周面を電動機ハウジング61dに嵌入
して固定し、その後に、この電動機ハウジング61dを
外ケース63cの下端面に取り付ける。この固定子61
eに組する回転子61hは、内側入力軸63rに形成し
た回転子嵌着部63nに嵌着し、止めねじ部63pに螺
着した止めナット61iによって締め付けて固定する。
そして、電動機ハウジング61dの下側開口は、電動機
カバー61jを嵌着して覆う。
【0062】誘導電動機を使用した場合の回転子61h
は、回転子鉄心として外側鉄心61kと内側鉄心61m
を同心状態に積層し、外側鉄心61kに対してアルミニ
ウムダイカストにより籠型2次導体61nと冷却羽根6
1pを一体的に成形し、外側鉄心61kと内側鉄心61
mの間の間隙に絶縁樹脂を注入して両者を結合する絶縁
樹脂層61qを形成する。また、この絶縁樹脂層61q
は、回転子61hの上側の端面に伸ばして該端面に後述
する切り換えクラッチ機構62の摺動子を噛み合い/解
除自在に係合させる噛み合い凹凸部61rを形成する。
【0063】インバータ駆動のブラシレス電動機(同期
電動機)を使用する場合の回転子61hは、回転子鉄心
の外周に磁極を形成した構成にする。
【0064】切り換えクラッチ機構62は、その一部の
構成部品を図6に詳しく示すように、駆動電動機61の
回転子61hに噛み合い係合によって結合して外側出力
軸65系に該回転子61hの回転力を伝達して回転させ
(第3の駆動形態)、回転子61hとの噛み合い係合を
解いて該外側出力軸65を自由な状態にし(第2の駆動
状態)、また、静止部材である鋼板ベース62cに噛み
合い係合して外側出力軸65を回り止め(静止)する
(第3の駆動形態)ように機能する摺動子62dを備え
る。
【0065】この切り換えクラッチ機構62は、駆動装
置6の軸方向の全体寸法を小さくするために、静止部材
であると共に強度部材である環状の鋼板ベース62cを
電動機ハウジング61dの内側に該電動機ハウジング6
1dを前記減速機構外ケース63cに取り付ける取り付
けねじによって共締めして取り付け、固定子巻線61a
のエンドコイルによって囲まれた内側空間に外側入力軸
部63hを取り巻くように設置する。
【0066】前記外側入力軸部63hの外周面に形成し
たセレーション63gに軸方向に摺動可能に係合させた
絶縁樹脂(PPS)製の摺動子62dには、コイルばね
62eによって前記回転子61hの噛み合い凹凸部61
rに係合するように押し下げ力を作用させ、前記鋼板ベ
ース62cに取り付けたクラッチ操作レバー62fによ
ってコイルばね62eの押し下げ力に逆らって摺動子6
2dを引き上げることにより回転子61hとの噛み合い
を解除して外側入力軸部63hを自由状態にし、鋼板ベ
ース62cに係合させて回り止める。
【0067】摺動子62dは、内周面に前記外側入力軸
部63hの外周面のセレーション63gと噛み合うセレ
ーション62gを設け、下端縁に前記回転子61hの噛
み合い凹凸部61rに係合させる係合突起62hを設
け、前記クラッチ操作レバー62fを当接する鍔部62
iを外周面に突設し、前記鋼板ベース62cに形成した
係止突起62jに係合する係合突起62kを形成した鋼
板製の係合子52mを一体的に設けるように樹脂成形し
た形態である。
【0068】鋼板ベース62cは、前記係止突起62j
を環状に配列して形成し、外周縁を切り起こして操作レ
バー取り付け腕62nを起立させた形態である。
【0069】クラッチ操作レバー62fは、先端部を二
股に形成した鋼板部材であり、中間部分に形成した取り
付け穴62pに前記取り付け腕62nを挿入して取り付
け、基端部に操作電動機62aを連結する連結穴62q
を形成し、二股の先端部は前記摺動子62dの両側に迂
回するように湾曲した部位上に摺動子62dの鍔部62
iに線接触状態に当接する半円柱状の当接部を設けた樹
脂(ジュラコン)成形の摺動片62sを載置して取り付
けねじ62tによってねじ止め固着した形態である。ま
た、このクラッチ操作レバー62fの取り付け穴62p
の両側の下面には、抜け止め具62vの半球状の突起を
係合させる凹部を設ける。
【0070】操作電動機62aは、リラクタンス電動機
のような同期電動機の回転を減速してカム62bを回転
させることにより該カム62bに当接した操作子62y
を直線的に往復動させる構成であり、取り付けねじ62
zによってセンターベース7に取り付け、前記操作子6
2yを前記クラッチ操作レバー62fの連結穴62qに
挿入することによって連結させて該クラッチ操作レバー
62fを揺動させる形態である。そして、後述する位置
検出スイッチ62wとして、操作子62yがクラッチ操
作レバー62fを第1の駆動形態にするための反時計方
向転角の下限位置と第3の駆動形態にするための時計方
向転角の上限位置に達したことを検出するように2つの
位置検出スイッチを設ける。第2の駆動形態とするため
のクラッチ操作レバー62fの転角位置は、同期電動機
の回転量に基づいて推定(検出)するように構成する。
【0071】この切り換えクラッチ機構62は、電動機
ハウジング61dの内側に共締めして取り付けた鋼板ベ
ース62cの下側にコイルばね62eをボールベアリン
グ63eの内輪との間に圧縮するように介在させた状態
に摺動子62dを位置させ、クラッチ操作レバー62f
の基端部を電動機ハウジング61dに形成した操作窓6
1sを貫通させて該電動機ハウジング61dの外側に導
出するような姿勢で該クラッチ操作レバー62fの取り
付け穴62pを鋼板ベース62cの操作レバー取り付け
腕62nに嵌合させ、その外側に抜け止め具62vを嵌
合させて操作レバー取り付け腕62nの先端を押し広げ
て抜け止めすることにより、揺動自在に取り付ける。こ
れにより、コイルばね62eによって押し下げられる摺
動子62dは、その鍔部62iがクラッチ操作レバー6
2fに取り付けた摺動片62sの当接部に線接触状態に
当接する。
【0072】このように構成した駆動装置6は、切り換
えクラッチ機構62の操作電動機62aを制御すること
によって、操作子62yを往復動させてクラッチ操作レ
バー62fを揺動させ、摺動子62dを外側入力軸部6
3hのセレーション63gに沿って摺動させる。
【0073】そして、第1の駆動形態では、図4に示す
ように、操作電動機62aによってクラッチ操作レバー
62fを反時計方向に最大角度に転角さて摺動子62d
をコイルばね62eを圧縮して上昇させることによって
該摺動子62dの係合突起62hを回転子61hとの噛
み合いから解放し、係合突起62kを鋼板ベース62c
の係止突起62jに係合させて回り止めし、外側出力軸
63h,外側出力軸65を回り止めして洗濯兼脱水槽2
に静止力を作用させる。この状態では、駆動電動機61
の回転子61hの回転は、内側入力軸部63rから太陽
歯車63q,遊星歯車63t,キャリア63sを介して
中心出力軸64に伝達され、攪拌翼4を回転させる。
【0074】また、第2の駆動形態では、操作電動機6
2aによってクラッチ操作レバー62fを第1の駆動形
態から時計方向に転角さて摺動子62dをコイルばね6
2eの伸力により下降させることによって該摺動子62
dの係合突起62kを鋼板ベース62cの係止突起62
jとの噛み合い係合から解放し、係合突起62hが回転
子61hの噛み合い凹凸部61rに係合する手前の中間
位置で止めて回転自由状態にする。この回転自由状態で
は、駆動電動機61の回転子61hの回転は、内側入力
軸部63rから太陽歯車63q,遊星歯車63t,キャ
リア63rを介して減速して中心出力軸64に伝達さ
れ、攪拌翼4を回転させる。このとき、遊星歯車63t
の回転は、内歯車63jに反力を作用させるために、こ
の内歯車63jを固着した歯車ケース部63iは、回転
自由状態に解放された摺動子62dと共に中心出力軸6
4と反対方向に回転し、外側出力軸65を介して洗濯兼
脱水槽2を攪拌翼4と反対の方向に回転させる。
【0075】そして、第3の駆動形態では、操作電動機
62aによってクラッチ操作レバー62fを第2の駆動
形態から更に時計方向に転角さて摺動子62dをコイル
ばね62eの伸力により下降させることによって該摺動
子62dの係合突起62hを回転子61hの噛み合い凹
凸部61rに係合させる。この状態では、駆動電動機6
1の回転子61hの回転は、外側入力軸部63hと内側
入力軸部63rに一体的に伝達し、中心出力軸64と外
側出力軸65を介して洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を一体
的に回転させる。
【0076】図7は、この電気洗濯機の電気的構成を示
すブロック図である。
【0077】電源スイッチ13を介して受電するコント
ロールユニット16は、マイクロコンピュータ16aを
中心にして構成し、電源回路16bと、駆動装置6と主
給水電磁弁20と補助給水電磁弁22と洗剤攪拌電動機
39と排水電磁弁33と循環ファン26とヒータ29と
冷却散水電磁弁24aへの給電を制御するための半導体
交流スイッチング素子(FLS)群を有する駆動回路1
6cとを備える。
【0078】前記駆動装置6の駆動電動機61は、固定
子巻線61aと回転センサ61bを有し、切り換えクラ
ッチ機構62は、操作電動機62aの回転位置(第1の
駆動形態と第3の駆動形態に相当するカム62bの回転
位置)を検出する2つの位置検出スイッチ62wを有す
る。
【0079】そして、前記駆動回路16cは、駆動装置
6における前記駆動電動機61の固定子巻線61aへの
給電制御に関しては、正逆回転制御用に2つの半導体交
流スイッチング素子(FLS)16c1,16c2を備え
る。FLS16c1は、正回転給電制御用の半導体スイ
ッチング素子、FLS16c2は逆回転給電制御用の半
導体交流スイッチング素子である。この実施の形態にお
いて、駆動電動機61の回転速度制御は、固定子巻線6
1aへの給電をFLS16c1,16c2によって位相制
御することによって行うように構成しているが、インバ
ータ駆動のブラシレス電動機を使用する構成において
は、PWM制御やPAM制御によって行うように構成す
ることができる。また、駆動装置6における切り換えク
ラッチ機構62の操作電動機62aへの給電を制御する
ためのFLS16c3を備える。
【0080】また、駆動回路16cは、主給水電磁弁2
0,給水電磁弁22,洗剤攪拌電動機39,排水電磁弁
33,循環ファン26,ヒータ29,冷却散水電磁弁2
4aaへの給電を制御するFLS16c4〜16c10を
備える。そして、この駆動回路16cは、マイクロコン
ピュータ16aからの指示に従ってFLS16c1〜F
LS16c10の導通状態を制御して従属する負荷への給
電制御を行う。
【0081】マイクロコンピュータ16aは、更に、前
記駆動電動機61の回転センサ61b,切り換えクラッ
チ機構62の位置検出スイッチ62w,外槽5内の洗濯
水位を検出する水位センサ15,湿度センサ40,第
1,第2温度センサ41,42,アンバランス検出セン
サ43,操作パネル14に接続し、予め組み込まれた制
御処理プログラムを実行することにより、操作パネル1
4の入力スイッチ群14aと水位センサ15と回転セン
サ61bと位置検出スイッチ62wと湿度センサ40と
第1,第2温度センサ41,42とアンバランス検出セ
ンサ43からの信号を取り込み、駆動回路16cを制御
することによって、検出,洗濯物湿潤,高濃度洗剤液生
成・供給(浸沈),洗い,濯ぎ,脱水および温風乾燥の
各運転制御を実行し、操作パネル14の表示素子群14
bを制御することによってその進行状況を表示する。こ
こで、アンバランス検出センサ43は、洗濯兼脱水槽2
を回転させたときに該洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38の
分布のアンバランスによって該洗濯兼脱水槽2(外槽
5)が所定値以上に大きく振れるのを検出するセンサで
ある。
【0082】操作パネル14の入力スイッチ群14a
は、実行する運転(洗濯・乾燥)の種類を設定するコー
ス設定スイッチや洗濯物(乾燥物)に応じて洗濯および
乾燥の実行方法を設定するモード設定スイッチを備え
る。コース設定スイッチには、洗濯・乾燥コース,洗濯
コース,乾燥コースを選択的に設定する設定スイッチを
設け、モード設定スイッチには、標準モード,ワイシャ
ツモード,毛布モード,生乾燥モード,ドライモード,
仕上げモード,小物乾燥モードを選択的に設定するスイ
ッチを設ける。
【0083】ここで、洗濯・乾燥コースは、洗いから乾
燥までの運転を一貫して実行するコースであり、洗濯コ
ースは、洗いから遠心脱水までの運転を実行するコース
であり、乾燥コースは、洗濯および脱水されている洗濯
物の乾燥運転のみを実行するコースである。また、標準
モードは、各コースの運転を標準的に実行するモードで
あり、ワイシャツモードは、ワイシャツやブラウスのよ
うに皺になり易い洗濯物を対象にして各コースを実行す
るモードであり、毛布モードは、毛布などの嵩張る洗濯
物を対象にして各コースを実行するモードであり、生乾
燥モードは、洗濯物の洗濯皺を伸ばす程度に短時間の乾
燥までのコースを実行するモードであり、ドライモード
は、ドライマークの洗濯物を対象にして各コースを実行
するモードであり、仕上げモードは、生乾きの洗濯物を
対象にして仕上げの乾燥コースを実行するモードであ
り、小物乾燥モードは、ズックや帽子などのように型崩
れが心配な洗濯物を対象にして乾燥コースを実行するモ
ードである。
【0084】次に、洗濯・脱水および乾燥運転について
説明する。
【0085】図8は、コントロールユニット16内のマ
イクロコンピュータ16aが実行する前記各運転制御の
フローチャートである。
【0086】マイクロコンピュータ16aは、電源スイ
ッチ13が投入されると次のような制御処理を実行す
る。
【0087】ステップ801 電源が投入されると、制御処理系の初期化処理を行った
後に切り換えクラッチ機構62が第2の駆動形態となる
ようにクラッチ操作電動機62aを駆動するクラッチ機
構初期化制御処理を行う。
【0088】このクラッチ機構初期化制御処理は、図9
のフローチャートに示すように、先ず、操作電動機62
aを起動する(ステップ801a)。そして、操作電動
機62aが第1または第3の駆動形態に相当する位置に
到来するのを2つの位置検出スイッチ62wからの位置
検出信号を監視して確認し(ステップ801b)、何れ
かの位置検出信号を確認すると、そこから中間位置(第
2の駆動形態)まで移動するまでの所要時間をセットす
る。この所要時間は、カム駆動区間の状態に影響される
ことから、第1の駆動形態から中間位置までの所要時間
と、第3の駆動形態から中間位置までの所要時間は、個
別に設定する(ステップ801c)。その後、セットし
た所要時間が経過するまで操作電動機62aを運転して
停止する(ステップ801d,801e)。この操作電
動機62aの停止位置は、切り換えクラッチ機構62が
第2の駆動形態にあるカム回転位置に相当する。
【0089】ステップ802 洗濯兼脱水槽2に洗濯衣類38を投入し、操作パネル1
4の入力スイッチ群14aを操作して初期設定を行い、
スタートボタンスイッチが押されると、各運転の自動制
御処理をスタートする。
【0090】前記初期設定では、前記コースとモードを
選択して設定する。ここでは、洗濯・乾燥コースが設定
されたときの運転制御を例示する。
【0091】ステップ803 洗濯物38の布量の検出制御処理を行う。この布量検出
は、給水前の乾布状態において、駆動装置6の切り換え
クラッチ機構62を第2の駆動形態に維持した状態で、
駆動電動機61を短時間付勢して攪拌翼4を回転駆動
し、そのときの到達回転速度に基づいて検出する。この
回転速度は、回転センサ61bの検出信号に基づいて検
出する。この洗濯物の布量の検出結果に基づいて洗い水
量および好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するための洗
剤量を演算して決定し、この洗剤量を表示素子群14b
によって表示して相当する量の粉末合成洗剤を洗剤溶解
容器21に投入させる。
【0092】ステップ804 駆動装置6の切り換えクラッチ機構62を第2の駆動形
態に維持し、または第3の駆動形態に制御し、駆動電動
機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を低速
回転させながら主給水電磁弁20を開いて水道水を注水
口19に直に供給して該水道水を洗濯兼脱水槽2内の洗
濯物38上に散布する。洗濯物38は、散布された水道
水を吸水して湿潤し、嵩が低減する。このときの水道水
の散布量は、検出運転によって検出した洗濯物38の量
に応じて制御し、洗濯物38の量が少ないときには少な
くし、多くなるにつれて多くなるように制御する。この
給水量は、主給水電磁弁20の開弁時間によって制御す
る。
【0093】ステップ805 補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶解容器21に溢水し
ない程度の少量の水道水(洗剤溶解水)を供給し、好ま
しい洗剤濃度の洗い水を生成するために投入した洗剤溶
解容器21内の粉末合成洗剤を洗剤攪拌電動機39を運
転して攪拌しながら洗剤溶解水で溶解することによって
高濃度洗剤液を生成する。洗剤溶解水の量は、洗剤溶解
容器21の溢水部から溢水せず、攪拌しながら粉末合成
洗剤を良く溶解するのに好適な水量に設定する。
【0094】ステップ806 駆動装置6の切り換えクラッチ機構62を第2の駆動形
態に維持し、または第3の駆動形態に制御し、駆動電動
機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を低速
度で回転させながら補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶
解容器21に希釈給水することによって高濃度洗剤液を
希釈して溢水部から溢水させることにより注水口19に
送り込むと共に主給水電磁弁20を開いて注水口19に
給水して高濃度洗剤液を好ましい高濃度洗剤液(洗い水
の洗剤濃度の5〜30倍の洗剤濃度)に希釈して洗濯兼
脱水槽2内の洗濯物38に降りかけて該洗濯物38に浸
沈させる。
【0095】洗濯物38に浸沈した高濃度洗剤液は、そ
の化学的な高い洗浄力を洗濯物38に作用させて洗浄力
を高めることから、洗い運転において洗濯物38に作用
させる機械力を減少させて布傷みや布絡みを軽減させる
ことを可能にする。
【0096】粉末合成洗剤を多量の水道水に溶解して生
成した洗い水では、洗剤に含まれているゼオライトの量
が不足して有効な界面活性剤が大幅に減少してしまう。
しかしながら、少量の水道水(洗剤溶解水)で粉末合成
洗剤を溶解して生成した高濃度洗剤液(例えば、洗い水
の洗剤濃度の10倍の洗剤濃度)は、金属イオンの量が
少ないことから、ゼオライトが十分に機能して有効な界
面活性剤の減少を極めて少量(約2%程度)に抑制する
ことができる。従って、このような高濃度の洗剤液を洗
濯物に降りかけて浸沈させることにより、洗剤液が洗濯
物(汚れ衣類)に高速(洗い水の約4倍の速度)で浸透
して素早く汚れに到達し、海面活性剤が汚れの乳化,分
散を促進し、アルカリ材が油汚れの膨潤,鹸化を促進
し、酵素が脂肪や蛋白質の汚れを分解する洗浄力を発揮
する。
【0097】ステップ807 洗濯物38に降りかけた高濃度洗剤液が該洗濯物38内
に浸透・浸沈するのを促進するための時間であって、省
略することもできる。
【0098】ステップ808 主給水電磁弁20および補助給水電磁弁22を開いて水
道水(洗い水)の給水を開始する。この洗い水の給水
は、ステップ803において決定した水量まで行うが、
給水の途中で洗濯物38の布量(湿布値),布質を検出
するために中断する。この中断水位は、マイクロコンピ
ュータ16aに予め設定された湿布量検出および布質検
出(推定)に適した水位である。
【0099】ステップ809 湿布量と布質を検出して洗い水給水量の補正や洗い,濯
ぎ,脱水,乾燥運転における制御定数の決定等を行う。
この湿布量検出は、所定の低水位で給水を中断して駆動
装置6の切り換えクラッチ機構62を第2の駆動形態に
制御し、駆動電動機61を短時間付勢して攪拌翼4を回
転駆動し、その時の到達回転速度に基づいて第1の湿布
量を検出し(この回転速度は、回転センサ61bの検出
信号に基づいて検出する)、次いで、給水を再開して所
定の高水位まで洗い水を補給した後に給水を中断して駆
動装置6の駆動電動機61を短時間付勢して攪拌翼4を
回転駆動したときの到達回転速度に基づいて第2の湿布
量を検出するように実行する。そして、この第1の湿布
量と第2の湿布量の差に基づいて洗濯物38の布質を検
出(推定)する。この布質検出制御は、初期設定により
不要になったときには、省略する。そして、布量および
布質に応じて、洗いおよび濯ぎ運転における水流(機械
的攪拌の強さ=オン−オフ時限)と運転時間や乾燥運転
における制御定数を決定する。
【0100】ステップ810 ステップ803で決定した水量まで水道水を給水する。
この給水により、洗い水は、高濃度洗剤液を更に希釈し
て攪拌洗いに好ましい洗剤濃度となる。これにより、洗
濯物38は、洗濯兼脱水槽2内で所定の洗剤濃度の洗い
水に浸した状態となり、洗濯兼脱水槽2や攪拌翼4を回
転させて洗濯物38に機械的な洗浄力(攪拌)を作用さ
せるのに好適な状態となる。
【0101】ステップ811 ステップ809において設定した洗い水流と洗い時間の
洗い工程を行うように駆動装置6を制御する。この洗い
工程において、駆動装置6は、洗濯物38の量に応じて
切り換えクラッチ機構62の駆動形態を変えて攪拌翼4
を反転駆動(洗い攪拌駆動)する。
【0102】具体的には、図10のフローチャートに示
すように、洗濯物38の布量を所定値(この実施の形態
においては、定格負荷量を8kgとしてその80%を所
定値とした)と比較し、その多少によって駆動装置6
(切り換えクラッチ機構62)の駆動形態を変えるよう
に制御を分岐する(ステップ811a)。
【0103】洗濯物38の量が所定値未満のときには、
駆動装置6の切り換えクラッチ機構62を第2の駆動形
態とするように操作電動機62aを制御する(ステップ
811b)。そして、攪拌翼4を反転駆動するように駆
動電動機61を運転する(ステップ811c)。この状
態では、駆動電動機61の回転駆動力は、減速機構63
を介して減速して攪拌翼4に伝達されるが、減速機構6
3における遊星歯車機構の内歯車63jに作用する反力
が洗濯兼脱水槽2に攪拌翼4と反対方向の回転駆動力を
与える。従って、駆動電動機6の正逆運転を繰り返すこ
とによって洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4が反対向きに繰り
返し回転して洗濯物38に機械的な洗浄力を作用させ
る。洗濯物38に作用させる機械(攪拌)力は、洗濯兼
脱水槽2および攪拌翼4を反転駆動するための駆動電動
機61の正逆運転におけるオン−オフ時限を調整した
り、回転数を調整したり、洗い(攪拌)時間を調整した
りすることによって制御することができる。オン−オフ
時限は、例えば、洗濯物38の量に応じて、オン時限
は、0.6〜1.9秒、オフ時限は、0.4〜0.7秒
に設定する。
【0104】洗濯物38の量が所定値以上のときには、
切り換えクラッチ機構62を第2の駆動形態にした反転
駆動(前半)と第1の駆動形態にした反転駆動(後半)
を実行する。先ず、駆動装置6の切り換えクラッチ機構
62を第2の駆動形態とするように操作電動機62aを
制御する(ステップ811d)。そして、攪拌翼4を反
転駆動するように駆動電動機61を正逆運転する(ステ
ップ811e)。この状態では、前述したように、攪拌
翼4と洗濯兼脱水槽2に反対方向の反転駆動力を与える
反転駆動による攪拌を行うことになる。その後、駆動装
置6の切り換えクラッチ機構62を第1の駆動形態とす
るように操作電動機62aを制御する(ステップ811
f)。そして、攪拌翼4を反転駆動するように駆動電動
機61を正逆運転する(ステップ811g)。この第1
の駆動形態では、切り換えクラッチ機構62は、摺動子
62dの係合突起62kが鋼板ベース62cの係止突起
62jに係合して外側入力軸部63hを係止し、減速機
構63の内歯車63jを係止することによって洗濯兼脱
水槽2に静止力を作用させた状態となり、駆動電動機6
1の回転力は減速機構63と中心出力軸64を介して攪
拌翼4に伝達されて該攪拌翼4を回転させて反転駆動を
実行することになる。オン−オフ時限は、例えば、前半
の第2の駆動形態における反転駆動では、2.0秒(オ
ン)−0.5秒(オフ)に設定し、後半の第1の駆動形
態における反転駆動では、1.5秒(オン)−0.7秒
(オフ)に設定する。
【0105】この電気洗濯機は、高濃度洗剤液の化学的
な高い洗浄力を利用するようにしているので、小さい機
械(攪拌)力でも従来の洗浄方式よりも洗濯物38の汚
れが良く落ちるようになることから、洗濯物38の傷み
や絡みを低減することができる。
【0106】ステップ812 排水電磁弁33を開いて洗い水を機外に排水する。この
排水運転では、排水終了後または終盤に、切り換えクラ
ッチ機構62を第2の駆動形態に操作して攪拌翼4と洗
濯兼脱水槽2を一体的に一方向に高速回転させることに
よって洗濯物38に含まれている洗い水を遠心脱水する
ように駆動装置6を制御する。この遠心脱水において、
洗濯物38の片寄りによって外槽5が大きく振れてアン
バランス検出センサ43が動作したときには、高速回転
駆動を中断して洗濯物38の均し運転制御を実行する。
【0107】ステップ813 主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を開いて濯ぎ水
(水道水)を設定水量まで給水する。必要に応じて、補
助給水電磁弁22aを開いて仕上剤を混入させる。
【0108】ステップ814 駆動装置6を制御して濯ぎ運転を実行する。この濯ぎ運
転において、洗濯物38の量に応じて切り換えクラッチ
機構62の駆動形態を変えて攪拌翼4を反転駆動(濯ぎ
攪拌駆動)する。
【0109】具体的には、図11のフローチャートに示
すように、洗濯物38の布量を所定値(この実施の形態
においては、定格負荷量の80%)と比較し、その多少
によって切り換えクラッチ機構62の駆動形態を変える
ように制御を分岐する(ステップ814a)。
【0110】洗濯物38の量が所定値未満のときには、
駆動装置6の切り換えクラッチ機構62を第2の駆動形
態とするように操作電動機62aを制御する(ステップ
814b)。そして、攪拌翼4を反転駆動するように駆
動電動機61を運転する(ステップ814c)。この状
態では、駆動電動機61の回転駆動力は、遊星歯車減速
機構63を介して減速して攪拌翼4に伝達されるが、遊
星歯車減速機構63における内歯車63jに作用する反
力が洗濯兼脱水槽2に攪拌翼4と反対方向の回転駆動力
を与える。従って、駆動電動機6の正逆運転を繰り返す
ことによって洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4が反対向きに繰
り返し回転して洗濯物38に機械的な濯ぎ力を作用させ
る。洗濯物38に作用させる機械(濯ぎ攪拌)力は、洗
濯兼脱水槽2および攪拌翼4を反転駆動するための駆動
電動機61の正逆運転におけるオン時限を調整したり、
回転数を調整したり、濯ぎ(攪拌)時間を調整したりす
ることによって制御することができる。オン−オフ時限
は、例えば、洗濯物38の量に応じて、オン時限は、
0.4〜1.6秒、オフ時限は、0.4〜0.7秒に設
定する。
【0111】洗濯物38の量が所定値以上のときには、
切り換えクラッチ機構62を第1の駆動形態にした反転
駆動(濯ぎ攪拌駆動)を実行する。先ず、駆動装置6の
切り換えクラッチ機構62を第1の駆動形態とするよう
に操作電動機62aを制御する(ステップ814d)。
そして、攪拌翼4を反転駆動するように駆動電動機61
を正逆運転する(ステップ814e)。この第1の駆動
形態では、切り換えクラッチ機構62は、摺動子62d
の係合突起62kが鋼板ベース62cの係止突起62j
に係合して外側入力軸部63hを係止し、減速機構63
の内歯車63jを係止することによって洗濯兼脱水槽2
に静止力を作用させた状態となり、駆動電動機61の回
転力は減速機構63と中心出力軸64を介して攪拌翼4
に伝達されて該攪拌翼4を回転させて反転駆動を実行す
ることになる。オン−オフ時限は、例えば、1.5秒
(オン)、0.7秒(オフ)に設定する。
【0112】ステップ815 排水電磁弁33を開いて濯ぎ水を機外に排水する。そし
て、排水終了後または終盤に、切り換えクラッチ機構6
2を第2の駆動形態に操作して攪拌翼4と洗濯兼脱水槽
2を一体的に一方向に高速回転させることによって洗濯
物38に含まれている洗い水を遠心脱水するように駆動
装置6を制御する。この遠心脱水においても、洗濯物3
8の片寄りによって外槽5が大きく振れてアンバランス
検出センサ43が動作したときには、高速回転駆動を中
断して洗濯物38の均し運転制御を実行する。
【0113】この濯ぎにおける給水,攪拌と排水および
遠心脱水は、必要に応じて複数回繰り返す。最終濯ぎに
おける遠心脱水は、次の脱水運転となる。
【0114】ステップ816 排水電磁弁33を開いたままにして駆動装置6の切り換
えクラッチ機構62を第3の駆動形態に制御し、駆動電
動機61を高速運転することによって洗濯兼脱水槽2と
攪拌翼4を一体的に高速度で回転させることにより洗濯
物38に含まれている水分を遠心脱水する。この遠心脱
水においても、洗濯物38の片寄りによって外槽5が大
きく振れてアンバランス検出センサ43が動作したとき
には、高速回転駆動を中断して洗濯物38の均し運転制
御を実行する。この最終遠心脱水が終了した状態では、
洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2の側壁に押し付けられて
側壁面に付着した状態にある。
【0115】ステップ817 駆動装置6の切り換えクラッチ機構62を第3の駆動形
態に維持した状態で、駆動電動機61を運転して洗濯兼
脱水槽2と攪拌翼4を回転させながら循環ファン26を
運転して外槽5内の空気を吸い出し口5aから吸い出
し、水冷除湿ダクト23内を通過するときに冷却散水部
24から該水冷除湿ダクト23内に供給する冷却水によ
って冷却除湿し、下降風路ダクト25を通して循環ファ
ン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダ
クト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込
み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内
壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して
逆向きに吹き込む循環空気を生成し、洗濯兼脱水槽2内
の洗濯物を乾燥する。
【0116】この温風乾燥運転は、基本的には、予め設
定した所定のタイムスケジュールに従って、洗濯兼脱水
槽2と攪拌翼4を回転させながら、循環ファン26を運
転して洗濯兼脱水槽2(外槽5)内の空気をダクト2
3,25,27を通して循環させ、冷却散水部24から
散水して循環空気を水冷除湿し、水冷除湿した循環空気
をヒータ29によって加熱することにより実行するが、
設定されているモードや洗濯物38の量や循環空気の湿
度(湿度センサ40の検出信号)や温度(温度センサ4
1,42の検出信号)やアンバランス(アンバランス検
出センサ43の検出信号)の検出結果に応じて洗濯兼脱
水槽2および攪拌翼4の回転制御や循環ファン26の運
転制御やヒータ29の発熱制御や冷却散水部24の散水
制御を実行する。
【0117】このような電気洗濯機は、温風循環乾燥手
段とその制御処理を省略することによって、洗濯から脱
水までを実行する電気洗濯機として実施することができ
る。
【0118】
【発明の効果】本発明は、電源投入時に、切り換えクラ
ッチ機構を洗濯兼脱水槽を回転自由にして攪拌翼駆動の
反力で攪拌翼と反対方向の駆動力を洗濯兼脱水槽に与え
る状態にする駆動形態に初期化するように構成したの
で、その後に切り換えクラッチ機構を操作するための遅
れ時間の発生を軽減することができる。
【0119】また、切り換えクラッチ機構の3つの駆動
形態における2つの駆動形態を2つの位置検出スイッチ
で検出し、前記初期化の駆動形態を前記第1および第2
の位置検出スイッチの検出信号に基づいて推定するよう
に構成したことにより、数少ない位置検出スイッチを使
用して切り換えクラッチ機構を少ない遅れ時間で目的の
駆動形態に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電気洗濯機の全体
構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した電気洗濯機の具体的な構成を示す
縦断側面図である。
【図3】図2に示した電気洗濯機における洗濯兼脱水槽
と攪拌翼の縦断側面図である。
【図4】図2に示した電気洗濯機における攪拌翼の斜視
図である。
【図5】図2に示した電気洗濯機における駆動装置の内
部構成を詳細に示す縦断側面図である。
【図6】図5に示した駆動装置における切り換えクラッ
チ機構の一部分を拡大して示す縦断側面図である。
【図7】図1および図2に示した電気洗濯機における電
気的構成を示すブロック図である。
【図8】図1および図7に示した電気洗濯機におけるコ
ントロールユニットが実行する運転制御のフローチャー
トである。
【図9】図8に示した運転制御におけるクラッチ機構初
期化制御処理のフローチャートである。
【図10】図8に示した運転制御における洗い制御処理
のフローチャートである。
【図11】図8に示した運転制御における濯ぎ制御処理
のフローチャートである。
【符号の説明】
2…洗濯兼脱水槽、4…攪拌翼、5…外槽、6…駆動装
置、16…コントロールユニット、20…主給水電磁
弁、22,22a…補助給水電磁弁、21…洗剤溶解容
器、33…排水電磁弁、61…駆動電動機、62…切り
換えクラッチ機構、62a…クラッチ操作電動機、62
b…カム、62d…摺動子、62f…クラッチ操作レバ
ー、63…減速機構、63j…内歯車、63q…太陽歯
車、63s…キャリア、63t…遊星歯車。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川又 光久 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立多賀エレクトロニクス内 (72)発明者 渡辺 卓也 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 日 立多賀テクノロジー株式会社内 (72)発明者 高宗 裕一郎 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立多賀エレクトロニクス内 Fターム(参考) 3B155 AA10 BB08 BB09 BB10 CA06 CB06 HB19 HB29 KA36 LA02 LA11 MA01 MA02 MA06 MA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外槽内に回転可能に設置した洗濯兼脱水槽
    と、この洗濯兼脱水槽内に回転可能に設置した攪拌翼
    と、前記洗濯兼脱水槽および攪拌翼を回転または静止す
    る駆動装置と、給水および排水手段と、前記駆動装置と
    給水および排水手段を制御する制御装置とを備えた電気
    洗濯機において、 前記駆動装置は、駆動電動機と減速機構と切り換えクラ
    ッチ機構とクラッチ操作電動機とを備え、減速機構は駆
    動電動機の回転を減速して前記攪拌翼を回転駆動するよ
    うに連結し、前記切り換えクラッチ機構は、前記クラッ
    チ操作電動機に操作されて、前記洗濯兼脱水槽を静止さ
    せた状態で攪拌翼を反転駆動する第1の駆動形態と、前
    記洗濯兼脱水槽を回転自由にして攪拌翼駆動の反力で攪
    拌翼と反対方向の駆動力を洗濯兼脱水槽に与える状態に
    する第2の駆動形態と、前記駆動電動機の回転を前記洗
    濯兼脱水槽に直に伝達して該洗濯兼脱水槽と攪拌翼を一
    体的に前記駆動電動機によって回転駆動する第3の駆動
    形態に切り換わるように構成し、前記制御装置は、電源
    投入時に前記切り換えクラッチ機構が第2の駆動形態と
    なるように前記クラッチ操作電動機を初期化制御するよ
    うに構成したことを特徴とする電気洗濯機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記切り換えクラッチ
    機構が第1の駆動形態にあることを検出する第1の位置
    検出スイッチと、前記切り換えクラッチ機構が第3の駆
    動形態にあることを検出する第2の位置検出スイッチを
    備えたことを特徴とする電気洗濯機。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記制御装置は、前記
    第1および第2の位置検出スイッチの検出信号に基づい
    て第2の駆動形態を推定するように構成したことを特徴
    とする電気洗濯機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005021362A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Hitachi Home & Life Solutions Inc 洗濯機及び洗濯乾燥機
JP2007143910A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 洗濯機
CN113927851A (zh) * 2021-10-15 2022-01-14 湖州师范学院 一种用于洗衣机外桶注塑件冷却设备

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