JP3820119B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
外槽を防振支持装置によって外枠内に吊り下げるように設置し、この外槽内に洗濯兼脱水槽と撹拌翼を設けた洗濯機に、脱水工程後に洗濯兼脱水槽内に空気を循環させて該洗濯兼脱水槽内の洗濯物を乾燥させる手段を付加した洗濯乾燥機が提案されている。
【0003】
この洗濯乾燥機は、外枠の上部に循環ファンとヒータを設置し、外槽の下部に形成した吸い出し口から吸い出した空気を前記循環ファンに導く風路において水冷除湿し、除湿した空気をヒータで加熱した後に吹き込み口から洗濯兼脱水槽の上部開口に吹き込む循環風路を備え、この循環風路には、糸屑捕集フィルタを備える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の洗濯乾燥機は、洗濯兼脱水槽内の空気を循環させる循環風路による大型化を抑制しつつ空気の循環を円滑にして乾燥効率を高めることが必要である。そして、循環風路内には、ヒータに糸屑が付着するのを防止するために糸屑捕集フィルタを備える。循環風路内の空気の循環を良くするためには、前記糸屑捕集フィルタは、通気抵抗が小さいことが必要であり、しかも、循環空気に混じった糸屑を確実に捕集することができることが必要である。
【0005】
本発明の1つの目的は、通気抵抗が少なく、循環空気に混じった糸屑を確実に捕集することができることができる糸屑捕集手段を備えた洗濯乾燥機を提案することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、糸屑捕集手段を確実に機能させることができる洗濯乾燥機を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、糸屑捕集手段は、糸屑捕集フィルタを、循環風路の上流側に位置 して横向きに開口する偏平な袋状形態の濾過部材を備えた第1フィルタと、この第1フィルタに対して循環風路の下流側に位置して前記第1のフィルタの濾過部材が吹き流れて下降風路部内に吸い込まれるのを防止するように前記濾過部材を受け止める偏平な網板状形態の第2フィルタの2重構造とし、フィルタ未装着またはフィルタが目詰まりした状態にあることを検出したときには、乾燥運転を停止して警告するように構成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機を縦断面して示す模式図である。
【0010】
1は、外郭を構成する四角筒状の外枠である。2は、洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水および通風のための小穴2aを有し、その上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回転自在に撹拌翼4を設置する。撹拌翼4は、通水および通風のための小穴4aを有する。5は、前記洗濯兼脱水槽2を内包する外槽であり、底部の外側には駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端部の四隅部に係止した4本の防振支持装置8によって外槽5を四方から均等に吊り下げることにより該外枠1の中心部に懸垂するように支持する。
【0011】
駆動装置6は、駆動電動機と電動操作クラッチ機構と遊星歯車減速機構を内蔵し、洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で撹拌翼4を回転させ(撹拌モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4をそれぞれ反対方向に回転させ(選択モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に同一方向に回転(脱水・乾燥モード)させるような選択的な駆動機能を有する。
【0012】
外側衣類投入口9aを形成したトップカバー9は、外枠1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじによって外枠1に取り付ける。
【0013】
トップカバー9とフロントパネル10の間に形成される前部収納部であるフロントパネルボックス12には、電源スイッチ13と入力スイッチ群および表示素子群を備えた操作パネル14と、外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15と、コントロールユニット16を内蔵する。これらは、後述する各種のセンサと共に制御装置を構成する。
【0014】
トップカバー9とバックパネル11の間に形成される後部収納部であるバックパネルボックス17には、後述する洗濯水給水手段と高濃度洗剤液生成・供給手段を横並びにして内蔵する。
【0015】
洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口18に接続し、出水側を注水口19に接続した主給水電磁弁20によって構成する。
【0016】
高濃度洗剤液生成・供給手段は、補助給水電磁弁22から洗剤溶解容器21に洗剤溶解水を供給し、この洗剤溶解容器21内に投入されている粉末合成洗剤を撹拌しながら前記洗剤溶解水で溶解して高濃度洗剤液を生成し、更なる給水により希釈しながら洗剤溶解容器21から溢水させて前記注水口19に供給し、洗剤溶解容器21に付設した仕上剤投入室に給水することによって溢水させて前記注入口19に供給するように構成する。
【0017】
注水口19は、トップカバー9の底と外槽5の外槽上カバー28の後部を貫通して洗濯兼脱水槽2の上部開口内に向けて開口する。この注水口19は、トップカバー9の底と外槽上カバー28の間には可撓管19a(図3参照)を介在させる。
【0018】
温風循環乾燥手段は、外槽5の下部の側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める除湿風路部である水冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部に位置して該ダクト内に冷却水を供給する水冷除湿手段である冷却散水部24と、洗濯工程における外槽5の水位よりも高い位置で折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に向かって垂直に伸びる下降風路部である下降風路ダクト25と、外槽5の下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から吸い込み口に空気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、この循環ファン26の吹き出し口から外槽5の外壁面に沿って上方向に垂直状態に伸びる上昇風路部である上昇風路ダクト27と、外槽5の上端部に取り付けた外槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27から送り込まれる循環空気を加熱する加熱手段であるヒータ(PTCヒータ)29を内蔵し、加熱した循環空気を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き込み口30を備える。
【0019】
循環風路を構成する前記水冷除湿ダクト23,下降風路ダクト25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁面に該外槽5の周方向に並べてその一部を該外槽5と一体成形して実装し、これらの外側を覆う裏側蓋1aは、外側に膨出する形状に構成してねじ止めする。
【0020】
また、下降風路ダクト25内には湿度センサ40と第1温度センサ41を設置し、吹き込み口30のヒータ29の下流側の間の風路内には第2温度センサ42を設置する。水冷除湿ダクト23内で水冷除湿された循環空気の湿度と温度を精度良く検出するためには、水冷除湿された循環空気が良く混合されて均一になった後に前記湿度センサ40と第1温度センサ41に触れさせるのが良く、従って、湿度センサ40と第1温度センサ4は、水冷除湿ダクト23から遠く離れた下降風路ダクト25の下部または循環ファン26の吸い込み口ケーシング26cに設置する。更に、湿度センサ40と第1温度センサ41は、保守作業に便利なように、裏側蓋1aを外したときに露出するような設置位置とする。
【0021】
また、ここでは図示説明を省略するが、水冷除湿ダクト23から下降風路ダクト25への折り返し部分には、後述する糸屑捕集手段を備える。
【0022】
トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aは、2つ折り(山折り)に開くようにヒンジ31aによってトップカバー9に取り付けた外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽5の上端に取り付けた外槽上カバー28に形成した内側衣類投入口28aは、ヒンジ32aによって外槽上カバー28に取り付けた内蓋32によって開閉自在に覆うように構成する。
【0023】
外槽5の底に形成した排水口5bは、排水電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアートラップ5cは、エアーチューブ35を介して前記水位センサ15に接続する。外枠1の下端縁には、四隅に脚36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装着する。
【0024】
なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投入された洗濯物である。
【0025】
図2は、この洗濯乾燥機の電気系を示すブロック図である。
【0026】
電源スイッチ13を介して受電するコントロールユニット16は、マイクロコンピュータ16aを中心にして構成し、電源回路16bと、駆動装置6と主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22,22aと洗剤撹拌電動機39と排水電磁弁33と循環ファン26とヒータ29と冷却散水電磁弁24aへの給電を制御するための半導体交流スイッチング素子(FLS)群を有する駆動回路16cとを備える。
【0027】
前記駆動装置6の駆動電動機61は、固定子巻線61aと回転センサ61bを有し、電動操作クラッチ機構62は、電動操作機62aと動作位置を検出する位置センサ62cを有する。
【0028】
そして、前記駆動回路16cは、駆動装置6における前記駆動電動機61の固定子巻線61aへの給電制御に関しては、正逆回転制御用に2つの半導体交流スイッチング素子(FLS)16c1,16c2を備える。FLS16c1は、正回転給電制御用の半導体スイッチング素子、FLS16c2は逆回転給電制御用の半導体交流スイッチング素子である。この実施の形態において、駆動電動機61の回転速度制御は、固定子巻線61aへの給電をFLS16c1,16c2によって位相制御することによって行うように構成しているが、インバータ駆動のブラシレス電動機を使用する構成においては、PWM制御やPAM制御によって行うように構成する。また、駆動装置6における電動操作クラッチ機構62の電動操作機62aへの給電を制御するためのFLS16c3を備える。
【0029】
また、駆動回路16cは、主給水電磁弁20,補助給水電磁弁22,22a,洗剤撹拌電動機39,排水電磁弁33,循環ファン26,ヒータ29,冷却散水電磁弁24aaへの給電を制御するFLS16c4〜16c11を備える。そして、この駆動回路16cは、マイクロコンピュータ16aからの指示に従ってFLS16c1〜FLS16c11の導通状態を制御して従属する負荷への給電制御を行う。
【0030】
マイクロコンピュータ16aは、更に、前記駆動電動機61の回転センサ61b,電動操作クラッチ機構62の位置センサ62c,外槽5内の洗濯水位を検出する水位センサ15,湿度センサ40,第1,第2温度センサ41,42,アンバランス検出センサ43,フィルタ装着検出センサ46,操作パネル14に接続し、予め組み込まれた制御処理プログラムを実行することにより、操作パネル14の入力スイッチ群14aと水位センサ15と回転センサ61bと位置センサ62cと湿度センサ39と第1,第2温度センサ41,42とアンバランス検出センサ43とフィルタ装着検出センサ46からの信号を取り込み、駆動回路16cを制御することによって、検出,高濃度洗剤液生成,洗濯物湿潤,高濃度洗剤液生成・供給(浸沈),洗い,濯ぎ,脱水および温風乾燥の各工程を実行し、操作パネル14の表示素子群14bを制御することによってその進行状況を表示する。ここで、アンバランス検出センサ43は、洗濯兼脱水槽2を回転させたときに該洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38の分布のアンバランスによって該洗濯兼脱水槽2(外槽5)が所定値以上に大きく振れるのを検出するセンサである。
【0031】
因に、表示素子群14bには、図示説明は省略するが、前述した進行状況を表示する進行状況素子と後述する水量や洗剤量を表示する洗剤量表示素子やフィルタの未装着や目詰まりを警告するフィルタ表示素子を設ける。
【0032】
この洗濯乾燥機は、電源スイッチ13を投入し、外蓋31と内蓋32を開いて洗濯兼脱水槽2内に洗濯物38を投入し、外蓋31と内蓋32を閉じて操作パネル14の洗濯開始スイッチを投入すると、コントロールユニット16は、駆動装置6を運転して洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で撹拌翼4を回転させることによって布量を検出し、洗濯水量および相応する洗剤量を決定し、これを表示するように操作パネル14の表示素子群14bを制御する。
【0033】
そして、外蓋31を開けて相当する量の粉末合成洗剤および仕上剤が洗剤溶解容器21に投入され、外蓋31が閉じられると、補助給水電磁弁22を開いて前記粉末合成洗剤を溶解するのに好適な量の水道水(洗剤溶解水)を洗剤溶解容器21に供給し、更に、洗剤撹拌電動機39を運転して粉末合成洗剤を撹拌しながら溶解して高濃度洗剤液を生成する。
【0034】
この間、駆動装置6を制御して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を緩速回転させて洗濯物38を回転させながら主給水電磁弁20を開いて給水することによって、水道水を洗濯物38に満遍なく降りかけて該洗濯物38を湿潤させる。このときの給水量は、洗濯物38を均一に湿潤させることができる程度に止めるように制御する。
【0035】
次に、補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶解容器21に追加の給水を行うことにより該洗剤溶解容器21内の高濃度洗剤液を溢水させて注水口19に供給すると共に主給水電磁弁20を開いて注水口19に供給することにより、高濃度洗剤液を所望の洗剤濃度(5〜30倍の範囲)に希釈して洗濯物38に降りかけるように制御する。このとき、高濃度洗剤液が洗濯物38に満遍なく降りかかって該洗濯物38内に均一に浸沈するように、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に緩速回転させ、または洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で撹拌翼4を回転させることによって、洗濯物38を回転または撹拌するように駆動装置6を制御する。
【0036】
このように粉末合成洗剤を水で溶解して生成し更に希釈した5〜30倍の濃度の高濃度洗剤液を洗濯物38に浸沈させると、洗剤成分の化学的な洗浄力が洗濯物38の汚れに効率良く作用して洗浄力を高める。
【0037】
高濃度洗剤液を洗濯物38に浸沈させた後、所定の水位まで洗い水を給水するように主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を開弁制御し、その後、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を反対方向に正,逆回転させて洗濯物38に機械力を作用させる洗い工程を実行するように駆動装置6を制御する。
【0038】
洗い工程を終了した後に、洗い水を機外に排水するように排水電磁弁33を開弁制御し、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に高速回転させて洗い水を遠心脱水する中間脱水を行うように駆動装置6を制御する。この中間脱水を終了した後に、排水電磁弁33を閉弁制御し、所定の濯ぎ水位まで給水するように主給水電磁弁20を開弁制御し、更に、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を反対方向に正,逆回転させて洗濯物38に機械力を作用させる濯ぎ工程を実行するように駆動装置6を制御する。この濯ぎ工程は、必要に応じて、複数回実行し、最後の濯ぎにおける給水時に補助給水電磁弁22aを開いて仕上剤を供給する。
【0039】
濯ぎ工程を終了した後に、濯ぎ水を機外に排水するように排水電磁弁33を開弁制御し、排水後に、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に高速回転させて濯ぎ水を遠心脱水する最終脱水を行うように駆動装置6を制御する。
【0040】
このように洗濯および遠心脱水した洗濯物38を洗濯兼脱水槽2内で乾燥させるように、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的または反対方向に回転させるように駆動装置6を制御し、外槽5および洗濯兼脱水槽3内の湿潤空気を吸い出し口5aから吸い出して吹き込み口30から洗濯兼脱水槽2内に吹き込む循環空気を生成するように循環ファン26を運転制御し、この循環空気を水冷除湿ダクト23内で水冷するように冷却散水部24の散水電磁弁24aを制御し、洗濯兼脱水槽2に吹き込む空気を加熱するようにヒータ29を制御する温風乾燥工程を実行する。この温風乾燥工程の制御は、湿度センサ40,第1温度センサ41,第2温度センサ42,フィルタ装着検出センサ46の検出信号を監視しながら実行し、所望の乾燥度が得られた時点で終了する。
【0041】
図3〜図12は、前述した洗濯乾燥機の具体的な構成を示すもので、図3は洗濯乾燥機の縦断側面図、図4は外枠の後側を切り欠いて循環風路部を示す洗濯乾燥機の背面図、図5は洗濯乾燥機の一部を切り欠いて示す下面図、図6は、上カバーを外して外槽と循環風路部を示す洗濯乾燥機の上面図、図7は、外枠と外槽の関係を示す上面図、図8は、外槽上カバーの分解図、図9は、糸屑捕集部を切り欠いて示す上面図、図10は糸屑捕集部の縦断側面図、図11は、第1フィルタの上面図および縦断側面図、図12は、第1フィルタの上面図および縦断側面図である。図1の説明と重複する部分の説明の一部は省略する。
【0042】
回転駆動装置6は、可逆型の駆動電動機61と電動操作クラッチ機構62と太陽歯車減速機構63と撹拌翼4が結合される中心出力軸64と洗濯兼脱水槽2が結合される外側出力軸65を備える。太陽歯車減速機構63は、駆動電動機61に直結した太陽歯車と外側出力軸65に直結した内歯車と遊星歯車を支持して中心出力軸64に直結するキャリアを備える。そして、電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御することによって、太陽歯車減速機構63の内歯車(外側出力軸65と洗濯兼脱水槽2に連結)を静止させた状態で駆動電動機61の回転力を太陽歯車と遊星歯車とキャリアを介して減速して中心出力軸64に伝達して撹拌翼4を正逆回転させ、電動操作クラッチ機構62を洗濯モードに制御することによって、太陽歯車減速機構63の内歯車(外側出力軸65と洗濯兼脱水槽2に連結)を回転自由状態にして駆動電動機61の回転力を太陽歯車と遊星歯車とキャリアを介して減速して中心出力軸64に伝達することにより撹拌翼4を正逆回転させると共に内歯車に作用する反力を外側出力軸65に伝達して洗濯兼脱水槽2を撹拌翼4と反対の方向に回転させ、電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御することによって、太陽歯車減速機構63の太陽歯車と内歯車を駆動電動機61に直結して該駆動電動機61の回転力を中心出力軸64と外側出力軸65を介して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4にに伝達してこれらを一体的に回転させる構成である。
【0043】
循環風路における水冷除湿ダクト23の垂直部分は、円筒状の外槽5の最後部位、すなわち、外枠1の裏側蓋1aに最も近付い部位に位置するように外槽2に沿わせて該外槽2の側壁の吸い出し口5aの周縁から連続させて該側壁と一体的に成形により形成する。この水冷除湿ダクト23は、外槽2と後側蓋1aの間の狭隘な空間に配置するために好適なように、奥行きを狭くし、横幅を広げた長方形の風路断面形状に形成する。このように幅広の略長方形の風路断面形状の水冷除湿ダクト23は、壁面が広くなるので循環空気冷却壁面が増加することから循環空気の冷却除湿に好適である。
【0044】
下降風路ダクト25の垂直部分は、前記水冷除湿ダクト23の横隣に該水冷除湿ダクト23と共通の側壁となるように外槽5の側壁に一体成形により形成する。この位置は、外槽5の湾曲によって裏側蓋1aから離れるので、風路断面形状は、奥行きを広げて幅を狭くした略正方形状に形成することにより、循環風路の横幅の広がりを抑制するように構成する。
【0045】
上昇風路ダクト27の垂直部分は、前記水冷除湿ダクト23の反対側の横隣に該水冷除湿ダクト23と共通の側壁となるように外槽5の側壁に一体成形により形成する。この位置は、外槽5の湾曲によって裏側蓋1aから離れるので、風路断面形状は、奥行きを広げて幅を狭くした略正方形状に形成することにより、循環風路の横幅の広がりを抑制するように構成する。
【0046】
このように外槽5の後側の側壁に沿って該側壁に一体成形した各ダクト23,25,27の外側面は、外枠1の後側の側壁を構成する裏側蓋1aの膨出部分の内側に所定の間隔で対向するように略直線形状に形成する。そして、この外槽5は、外枠1の上端部の四隅部に結合した補強部材1bに係止した4本の防振支持装置8によって外槽5を四方から均等に吊り下げることにより該外枠1の中心部に懸垂するように支持する。
【0047】
水冷除湿ダクト23の垂直部分と下降風路ダクト25の上端部を連通させる上部折り返し部材44は、外槽5の上端に取り付けた外槽上カバー28の上面の後部に張り出させ、糸屑捕集手段を構成する糸屑捕集フィルタ45を内蓋32の上側から斜めに挿脱可能に収納し、目詰まり解消などの保守作業を容易にする。
【0048】
この糸屑捕集フィルタ45は、具体的には、図9〜図12に示すように、循環風路の上流側に位置する偏平な袋状形態の第1フィルタ451と、この第1フィルタに対して循環風路の下流側に位置する偏平な網板状形態の第2フィルタ452を備える。第1フィルタ451は、袋状濾過部材451aを横向きに開口するように枠体451bに取り付けて構成し、水冷除湿ダクト23を吹き上がってくる循環空気を受け入れて横向きに吹き流れる形態の大きな通風面積(濾過面積)を備えたフィルタである。第2フィルタ452は、網板状濾過部材452aを枠体452bに取り付けて構成し、第1フィルタ451の下流側である下降風路ダクト25の上方に位置させて設置することにより、第1フィルタ451の吹き流れる袋状濾過部材451aを受け止めて該袋状濾過部材451aが下降風路ダクト25に吸い込まれるのを防止するようにも機能させる。
【0049】
第1フィルタ451および第2フィルタ452の枠体451b,452bは、それぞれ、取っ手451c,452cを突設し、第1フィルタ451の枠体451bには、更に、検出突片451dを形成する。
【0050】
このように、第1フィルタ451と第2フィルタ452を並べて配置した2重構造の糸屑捕集フィルタ45は、通気抵抗の少ない濾過部材451a,452aによって糸屑の確実な捕集を可能にする。特に、濾過面積の大きい第1フィルタ451を狭い上部折り返し部材44内に合理的に配置することができる。
【0051】
フィルタ装着検出センサ46は、上部折り返し部材44に装着された第1フィルタ451の枠体451bに突設した検出突片451dに押されて該第1フィルタ451が装着されていることを示す検出信号を発生する。第2フィルタ452についても、必要に応じて、同様に、フィルタ装着検出センサを対向させて設けることにより、第2フィルタ4562の装着状態を検出するように構成することができる。
【0052】
循環ファン26は、遠心羽根車26aと該遠心羽根車26aを回転させる駆動電動機26bと遠心羽根車26aを包囲する吸い込み口ケーシング26cと吹き出し口ケーシング26dを備え、外槽5の底部の下側に取り付けることによって、外枠1内において外槽5の下側に形成される空間に前記駆動装置6と並べてその後側に位置するように配置する。吸い込み口ケーシング26cは、ドレン排出口26eを有し、下降風路ダクト25の下端部に連結する。吹き出し口ケーシング26dは、上昇風路ダクト27の下端部に連結する。
【0053】
また、給水電磁弁20,22,22aや洗剤溶解容器21を外枠1の上端部に取り付けられたトップカバー9のバックパネルボックス17内に設置し、循環風路の吹き込み口30と糸屑捕集フィルタ45を外槽5の上端部に取り付けられた外槽上カバー28上に設置したことによって、外蓋31を開くことによって前記糸屑捕集フィルタ45や洗剤投入容器73を外側衣類投入口9a内から操作することができるので、操作し易い洗濯乾燥機とすることができる。
【0054】
前述した温風乾燥工程の制御において、コントロールユニット16のマイクロコンピュータ16aは、糸屑捕集手段における糸屑捕集フィルタ45の装着状態をフィルタ装着検出スイッチ46からの検出信号で確認し、未装着状態のときには、乾燥運転を停止すると共に表示素子群14bのフィルタ表示素子を点滅させて警告表示する。また、第1温度センサ41と第2温度センサ42の検出温度の差に基づいてフィルタ45の目詰まり状態を推定し、フィルタが目詰まりした状態にあるときには、フィルタ表示素子を点灯して警告表示し、必要に応じて、乾燥運転を停止する。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、循環風路の上流側に位置する偏平な袋状形態の第1フィルタと、この第1フィルタに対して循環風路の下流側に位置する偏平な網板状形態の第2フィルタを備えた2重フィルタ構造の糸屑捕集手段としたことにより、通気抵抗が少なく、循環空気中の糸屑を確実に捕集することができることができる。
【0056】
また、フィルタ未装着またはフィルタが目詰まりした状態にあることを検出したときには、乾燥運転を停止して警告するようにしたので、糸屑捕集手段を確実に機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる洗濯乾燥機の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】図1に示した洗濯乾燥機の電気系を示すブロック図である。
【図3】本発明になる洗濯乾燥機の具体的な構成を示す縦断側面図である。
【図4】図3に示した洗濯乾燥機の外枠の後側を切り欠いて循環風路部を示す背面図である。
【図5】図3に示した洗濯乾燥機の一部を切り欠いて示す下面図である。
【図6】図3に示した洗濯乾燥機のトップカバーを外して外槽と循環風路部を示す上面図である。
【図7】図3に示した洗濯乾燥機の外枠と外槽の関係を示す上面図である。
【図8】図3に示した洗濯乾燥機の外槽上カバーの分解図である。
【図9】図6に示した糸屑捕集部を切り欠いて示す上面図である。
【図10】図9に示した糸屑捕集部の縦断側面図である。
【図11】図10に示した糸屑捕集部における第1フィルタの上面図および縦断側面図である。
【図12】図10に示した糸屑捕集部における第2フィルタの上面図および縦断側面図である。
【符号の説明】
1…外枠、1a…裏側蓋、1b…補強部材、2…洗濯兼脱水、4…撹拌翼、5…外槽、5a…吸い出し口、6…駆動装置、8…防振支持装置、9…トップカバー、9a…外側衣類投入口、17…バックパネルボックス、19…注水口、20…主給水電磁弁、21…洗剤溶解容器、22,22a…補助給水電磁弁、23…水冷除湿ダクト、24…冷却散水部、25…下降風路ダクト、26…循環ファン、27…上昇風路ダクト、28…外槽上カバー、28a…内側衣類投入口、29…ヒータ、30…吹き込み口、31…外蓋、32…内蓋、40…湿度センサ、41…第1湿度センサ、42…第2湿度センサ、44…上部折り返し部材、45…糸屑捕集フィルタ、451…第1フィルタ、452…第2フィルタ、46…フィルタ装着検出センサ。
Claims (7)
- 底部に撹拌翼を配置した洗濯兼脱水槽を内包し、上端を開口した外槽と、前記外槽を内包する上端開口の外枠と、外蓋によって開閉可能に塞がれる外側衣類投入口を中央部に有し、外枠の上端部に取り付けられたトップカバーと、内蓋によって開閉可能に塞がれる内側衣類投入口を中央部に有し、循環風路の吹き込み口部材と糸屑捕集手段が後部に設置され、前記外槽の上端部に取り付けられた外槽上カバーと、前記外槽の下部に設けた吸い出し口から該外槽内の空気を吸い出し、吸い出した空気を前記吹き込み口部材に設けた吹き込み口から前記洗濯兼脱水槽内に吹き込む前記循環風路と、前記循環風路に設けた加熱手段と、制御装置を備え、
前記循環風路は、外槽の下部から洗濯工程における洗濯水位よりも高い位置まで上向きに伸びる除湿風路部と、除湿風路部の上端で折り返して下向きに伸びる下降風路部と、前記下降風路部の下流側に位置して前記吹き込み口部材まで上向き伸びる上昇風路部を備え、前記除湿風路部の風路ダクトの上端部と下降風路部の風路ダクトの上端部の折り返し部は上部折り返し部材によって連結し、上昇風路部の風路ダクトの上端部は、前記吹き込み口部材に連結し、前記上部折り返し部材内に糸屑捕集手段を設置し、前記吹き込み口部材内に加熱手段を設置した洗濯乾燥機において、
前記糸屑捕集手段は、内蓋の上側に引き出し可能に前記上部折り返し部材に設けられた糸屑捕集フィルタを備え、この糸屑捕集フィルタは、前記循環風路の上流側に位置して横向きに開口する偏平な袋状形態の濾過部材を有する第1フィルタと、この第1フィルタに対して下流側に位置して前記第1フィルタの袋状形態の濾過部材が吹き流れて前記下降風路部内に吸い込まれるのを防止するように前記濾過部材を受け止める偏平な網板状形態の第2フィルタを備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。 - 内側に洗濯兼脱水槽を設置した外槽と、前記外槽の下部に設けた吸い出し口から該外槽内の空気を吸い出し、吸い出した空気を前記洗濯兼脱水槽の上部開口に臨んで設けた吹き込み口から該洗濯兼脱水槽内に吹き込む循環風路と、前記外槽から循環風路に吸い出した循環空気を水冷除湿する水冷除湿手段と、水冷除湿した循環空気を加熱する加熱手段と、制御装置を備え、前記循環風路に設置して循環空気を生成する循環ファンは、前記外槽の下側に位置するように設置し、前記循環風路は、外槽の下部から洗濯工程における洗濯水位よりも高い位置まで上向きに伸びる除湿風路部と、除湿風路部の上端で折り返して前記循環ファンの吸い込み口まで下向きに伸びる下降風路部と、循環ファンの吹き出し口から吹き込み口まで上向き伸びる上昇風路部を備え、前記除湿風路部と下降風路部と上昇風路部の垂直部分を前記外槽と一体的に成形した風路ダクトによって形成し、前記除湿風路部の風路ダクトの上端部と下降風路部の風路ダクトの上端部は、上部折り返し部材によって連結し、上昇風路部の風路ダクトの上端部は、吹き込み口部材に連結し、前記上部折り返し部材内に糸屑捕集手段を設置し、吹き込み部材内に加熱手段を設置した洗濯乾燥機において、
前記糸屑捕集手段は、内蓋の上側に引き出し可能な糸屑捕集フィルタを備え、この糸屑捕集フィルタは、循環風路の上流側に位置する偏平な袋状形態の第1フィルタと、この第1フィルタに対して循環風路の下流側に位置する偏平な網板状形態の第2フィルタを備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。 - 請求項2において、前記第2フィルタは、第1フィルタの吹き流れを受け止めるように設置することを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項1〜3の1項において、前記制御装置は、前記糸屑捕集フィルタのフィルタ装着状態を検出するフィルタ装着検出スイッチを備え、フィルタ未装着状態を検出したときには警告することを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項4において、前記制御装置は、フィルタ未装着のときには、乾燥運転を停止するようにしたことを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項1〜3の1項において、前記制御装置は、第1温度センサと第2温度センサを前記循環風路における加熱手段の上流側と下流側に設け、第1および第2温度センサの検出温度の差に基づいて前記糸屑捕集フィルタの目詰まり状態を推定し、糸屑捕集フィルタが目詰まりした状態にあるときには警告表示することを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項6において、前記制御装置は、フィルタが目詰まりした状態にあるときには、乾燥運転を停止するようにしたことを特徴とする洗濯乾燥機。
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