本発明の洗濯乾燥機は、前記フィルタ検出部は、前記主フィルタに備えたマグネットの磁力を検出する第1の磁気応動スイッチと、前記バックアップフィルタに備えたマグネットの磁力を検出する第2の磁気応動スイッチとを備え、前記第1及び第2の磁気応動スイッチは、同一基板上に配されている構成としてもよい。
また、前記第1及び第2の磁気応動スイッチのうち少なくともいずれか一方が、フィルタ装着を検出していない場合、乾燥運転モードの開始時に異常報知を行う構成としてもよい。
また、前記第1及び第2の磁気応動スイッチのうち少なくともいずれか一方が、フィルタ装着を検出していない場合、洗濯−乾燥連続運転モードの開始時に異常報知を行う構成としてもよい。
また、前記第1及び第2の磁気応動スイッチのうち少なくともいずれか一方が、フィルタ装着を検出していない場合、乾燥工程を含む運転モードの予約時に異常報知を行う構成としてもよい。
(実施の形態1)
〔1.洗濯乾燥機の基本構成〕
図1は、ドラム式洗濯乾燥機の側面図である。図2は、ドラム式洗濯乾燥機の背面図である。図1及び図2は、便宜上、内部構造がわかるように描画している。
ドラム式洗濯乾燥機は、図1に示すように、多数の透孔8が形成され洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラム2が水槽3内に設けられ、一般に、この水槽3内の給水、排水及び前記回転ドラム2の回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施することができる。さらに、送風手段である送風ファン15により、水槽3内の空気を、除湿手段、加熱手段を備えた循環送風経路5を通して循環させることにより、洗濯物の乾燥工程を実施するようになっている。
ここで、除湿手段、加熱手段は一例として圧縮機と冷媒回路で接続した空気調和機を構成する蒸発器、凝縮器であり、送風手段により水槽内の空気を循環送風経路に導入して蒸発器及び凝縮器を順次に通して熱交換することで除湿後に加熱した渇いた高温空気とし、これを水槽内に送風して回転ドラム内の洗濯物に曝すことを繰り返し、効率よく乾燥させられるようにしている。以下、さらに詳しく構成を説明する。
図1に示すドラム式洗濯乾燥機1は、洗濯乾燥機本体44内に図示しないサスペンション構造によって水槽3が宙吊り状態に配設され、水槽3内に有底円筒形に形成された回転ドラム2がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設されている。水槽3の正面側には回転ドラム2の開口端に通じる衣類出入口11が形成され、洗濯乾燥機本体44の正面側に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉9を開くことにより、前記衣類出入口11を通じて回転ドラム2内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉9が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を腰を屈めることなく実施でき、一般には横向きにある開口部から洗濯物を出し入れするドラム式洗濯機の作業性の悪さが改善されている。
回転ドラム2には、その周面に水槽3内に通じる多数の透孔8が形成され、内周面の複数位置に攪拌突起(図示せず)が設けられている。この回転ドラム2は水槽3の背面側に取り付けられたモータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。また、水槽3には、注水管路12及び排水管路13が配管接続され、図示しない注水弁及び排水弁の制御によって水槽3内への注水及び排水がなされる。
扉9を開いて回転ドラム2内に洗濯物及び洗剤を投入してドラム式洗濯乾燥機1の運転を開始させると、水槽3内には注水管路12から所定量の注水がなされ、モータ7により回転ドラム2が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム2の回転により、回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の内周壁に設けられた攪拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。所要の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路13から排出され、回転ドラム2を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽3内に注水管路12から注水してすすぎ工程が実施される。このすすぎ工程においても回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の回転により攪拌突起4により持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実施される。
このドラム式洗濯乾燥機1には、回転ドラム2内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、図1、図2に示すような水槽3内の空気を排気して除湿し、加熱した乾燥した空気を再び水槽3内に送風する既述した循環送風経路5が形成されている。この循環送風経路5の途中には図1に示すように蒸発器31などの除湿手段、凝縮器32などの加熱手段及び送風手段である送風ファン15が設けられるのが既述したように一般的であり、この送風ファン15を回転駆動することにより、循環送風経路5に空気の流れが発生して洗濯物を収容した回転ドラム2内の空気は透孔8を通じて水槽3から送風ファン15側への循環空気導入管路16に排気され、送風ファン15の上流に位置する蒸発器31に水分を結露させて除湿することと、既述したように400℃程度に昇温する凝縮器32との熱交換により加熱することとで常に乾燥した高温の空気とされる。この乾燥した高温の空気は送風ファン15から水槽3への送風管路33に送り出されて水槽3内に送風される。水槽3内に送風された高温の乾燥空気は透孔8を通じて回転ドラム2内に入って衣類などの洗濯物に曝されながら水槽3へと抜け、再度循環空気導入管路16へと導入され、以上の循環送風経路5での空気の循環の繰り返しにより乾燥工程が実施される。
また、この循環送風経路5を利用した乾燥工程では、循環送風経路5を循環される空気中に主として衣類などの洗濯物から発生する糸くずなどの異物が混じって循環し、蒸発器31や凝縮器32の目詰まり、送風ファン15の回転部への噛み込み、送風ファン15の内面への堆積といった乾燥工程を実施するのに支障を来しやすく、面倒なメンテナンスを頻繁に行う必要があることから、循環送風経路5の途中に、具体的には蒸発器31、凝縮器32、送風ファン15の上流側、従って、図1、図2に示すような循環空気導入管路16の途中に、循環空気中の異物を除去する主フィルタ35を収容したフィルタ室36を設けることが一般的になっている。これによって、洗濯物を乾燥させた後の空気に異物が混入して蒸発器31側の循環空気導入管路16側に導入されてきても、フィルタ室36を通る際に主フィルタ35によって捕集され、下流側への循環空気に混入することはない。従って、蒸発器31、凝縮器32、送風ファン15の機能が長期に保全される。しかし一方では、フィルタ室36内の主フィルタ35には捕集された異物が堆積していき、循環空気の通過抵抗が徐々に増していき、乾燥機能を低下させる問題があるので、主フィルタ35は既述した特許文献1、2に記載のように着脱できるように設けられる。
なお、蒸発器31、凝縮器32はこれらに冷媒を循環させる冷媒回路で接続した圧縮機37と共に1つの器体38に収容した図1に示すような空気調和機39として取り扱い、この空気調和機39の導入空気を除湿及び加熱した後に排気する排気口41側に送風ファン15の吸気口42側を相互間の防振構造部を有して結合し一体化している。これにより、圧縮機37、蒸発器31、凝縮器32が器体38への収納により一纏めになった大量生産向きの機器となった空気調和機39と送風ファン15との2つの単独機器の結合で4つの機器、つまり圧縮機37、蒸発器31、凝縮器32、送風ファン15のそれぞれを循環送風経路5の一部をなして所定の機能を達成する空調・送風ユニット81として関係付けられる。
前記主フィルタ35を設けるのに、本実施の形態では、特に、特許文献1、2に記載のもののような問題を解消するため、主フィルタ35で代表するフィルタ装置91は、洗濯乾燥機本体44の天面44aに開口する図1、図3に示す着脱口51から、下部より上部へ前方に傾斜した着脱経路52でフィルタ室36に対し着脱するようにしている。このようにすれば、乾燥工程において循環送風経路5を循環する循環空気を、循環送風経路5途中のフィルタ室36に装着した主フィルタ35に通して、糸くずなどの異物を捕集するのに、主フィルタ35は比較的背の高い洗濯乾燥機本体44の天面44aにて着脱することにより人などが不用意に引っ掛かって弛むようなことを回避しやすくい条件を満足して、しかも、洗濯乾燥機本体44の天面44aに開口した着脱口51から、特許文献2に記載のもののような垂直な着脱経路での着脱であることによりその着脱力に前方への拗れ成分が生じやすいものに比し、拗れの生じ難い下部より上部へ前方に傾斜した着脱経路52に沿った方向で難なくスムーズに着脱できる。それには、着脱口51からこれに続くフィルタ室36が主フィルタ35の所定位置への着脱ストロークの全長にて傾斜した着脱経路52により案内できるようにするのが好適である。
また、主フィルタ35は図2、図3、図5に示すように、着脱口51を塞ぐ天板53を有し、この天板53に閉じばね54に抗して上方から押し開く蓋55を持った手掛り凹部56を有したものとしている。これにより、主フィルタ35の着脱口51を通じた装着によって、その最終に着脱口51を天板53で塞いで外観を図に示すようなほぼ面一状態にするなど、美観よく整え、また、人などがより引っ掛かり難くすることができるし、天板53に設けた手掛り凹部56に手指を掛けて安定に引き出し装着できる。特に、この手掛り凹部56に閉じばね54が働く蓋55によって常時閉じておくので、手掛り凹部56が人などの不用意な引っ掛かりの原因になりにくい。さらに、主フィルタ35の着脱時は、手掛り凹部56に手指をかける動作で蓋55を押し開けるので、特別な作業なしに手指を掛けて主フィルタ35を容易かつ簡単に着脱できる。しかも、手掛り凹部56は、その開口の前部に手指を掛けるための後ろ向きの手掛り縁56aを形成している。この手掛り縁56aは、天板53の前後方向ほぼ中央ないしはやや前部寄りに位置している関係から、手掛り凹部56に手指を掛けるのに、前方から洗濯乾燥機本体44の天面44a上に腕を延ばして手掛り凹部56に手指を入れて折り曲げる自然な動作で簡単かつ滑りなく手掛り縁56aに引っ掛かって主フィルタ35を容易かつ確実に引き出せる。また、手掛り縁56aに引っ掛けた手指部と天板53の外面に沿う掌部とで天板53を挟み持ち、主フィルタ35を安定に把持して、引出し後の持ち運びなどの取り扱いもフィルタ室36への装着も容易に安定してできる。さらに、蓋55は、その後部が手掛り凹部56の開口の後部にヒンジピン57によりヒンジ連結されているので、手掛り凹部56に手指を入れる際の蓋55の押し開きにより手掛り縁56aを開放してそのまま手指を掛けられるので、着脱のための手掛り凹部56、手掛り縁56aに対する指掛け作業が連続した一挙動にて簡単に行える。
さらに詳述すると、主フィルタ35は、図3、図5に示すように、天板53から下方に延びるように一体成形または連結された主支持枠71に、主フィルタ材79を支持してフィルタ室36の図5に示す循環空気排出口72の内側に位置させ、主支持枠71の天板53下部分の外周にシリコンゴムなどよりなるシールパッキン73を装着して、主フィルタ35のフィルタ室36の所定位置への装着時に前記シールパッキン73が着脱口51の内側の内周にある段部74に圧接してフィルタ室36を密閉するようにしてあり、主フィルタ35とフィルタ室36との間には主フィルタ35の所定位置への装着時に弾性的に係合し合う図3に示すような弾性係合部75を設けてある。これにより、天板53で着脱口51を塞ぐように主フィルタ35をフィルタ室36に装着するだけで、天板53から下方に延びる主支持枠71が主フィルタ材79を伴いフィルタ室36に挿入でき、所定の装着位置で主支持枠71の天板53下部分の外周に設けたシールパッキン73の着脱口51の内側の内周の段部74への圧接と、弾性係合部75の弾性係合とによってフィルタ室36を密閉状態に維持するとともに、主フィルタ材79をフィルタ室36の循環空気排出口72の内側に正しく位置決めできる。特に、主支持枠71のシールパッキン73の装着部は、フィルタ室36の段部74と対向し合うフランジ部71aで、シールパッキン73がフランジ部71aへの装着部73aから延びて段部74に圧接するシールリップ73bを有している関係から、シールパッキン73は主支持枠71のフランジ部71aに確固にバックアップされてシールリップ73bを着脱口51内側の内周の段部74の全周によく馴染んで確実に圧接させられ、空気漏れが生じないものとすることができる。また、装着部73aはフランジ部71aのバックアップによって補強されるので、薄いもので十分である。ここで、着脱口51は、洗濯乾燥機本体44の天面44aをなす天面壁44bに形成しているのに対し、フィルタ室36をシールパッキン73によって密閉する段部74は、前記着脱口の真下に位置させて支持したフィルタ室36の開口36dの内周に形成している。
天面壁44bに開口する着脱口51は、図3に示すように、天面44aから立ち上がる堰き部44cを全周囲に有し、この堰き部44cの内側に装着した主フィルタ35の天板53を嵌め合わせる凹部44dを有したものとしている。これにより、天板53が凹部44dから単独で天面44aに突出しないようにして人などが引っ掛からないようにできるし、天面44a上に水が少々こぼれ落ちても堰き部44cにて堰き止め着脱口51に進入するのを阻止し、洗濯乾燥機本体44内の電気装備品を損なうのを防止できる。また、天板53は、外周に下向きに突出する凸壁53aを有し、凹部44dはその周壁44eと内周の上向き凸部44fとの間に前記凸壁53aを受け入れる印籠合わせとなる嵌め合わせ構造を有して天板53を受載するようになっており、万一にも着脱口51に水が侵入してきても、凹部44dでの天板53との印籠嵌め構造によるシール機能にて着脱口51の内側にまで及ぶのを防止でき、電気装備品のさらなる安全が図れる。さらに、天板53は、前記堰き部44cよりもやや低くなるようにしている。これによって、水が堰き部44cの上に及んでも水の表面張力によって段落ちしている天板53側への濡れ移りを抑止することができ、これによっても電気装備品の安全が高まる。
主支持枠71は、フィルタ室36の内面にほぼ沿う図3、図5に示すような籠形をなし、前記シールパッキン73の装着部の下で図3、図4に示すフィルタ室36の上半部36bに設けられた循環空気導入口78から循環空気を導入する上半部71bと、フィルタ室36の下半部36cに設けられた循環空気排出口72に対応する主フィルタ材79を支持した下半部71cとを有したものとしている。これにより、主支持枠71が籠形をなしてフィルタ室36の内面にほぼ沿うように位置して、フィルタ室36の上半部36bに設けられた循環空気導入口78からそれに対応する上半部71bに循環空気を導入して、フィルタ室36の下半部36cにある循環空気排出口72の内側に主フィルタ材79を支持している下半部71cに導いて主フィルタ材79を通して循環空気排出口72へとフィルタ室36の広さ一杯を利用してスムーズに排出させられる。また、主フィルタ材79は必要に応じ、循環空気導入口78に掛からず、またバイパスさせないことを条件に、循環空気排出口72に対応する範囲はもとより、図5に示すように循環空気排出口72を外れる広域に主フィルタ材79を設けて図に矢印で示すように循環空気排出口72に向う循環空気を通すのにフィルタ室36の広さを利用することができる。これにより、主フィルタ材79の循環空気の通過面積が増大する分だけ目詰まりしにくいものとなっている。
この場合、フィルタ室36及びそれに装着した主フィルタ35の双方が図1に示すように傾斜した状態になり、フィルタ室36の内面が洗濯乾燥機本体44の天部壁44bに形成された着脱口51に通じる着脱経路52をなしている。
しかも、本実施の形態のフィルタ装置91は図3、図5に示すように、フィルタ室36の循環空気導入口78から入り循環空気排出口72へ排出される循環空気に対し先に働くようにした上述の主フィルタ35に対し、その後に働くバックアップフィルタ82との二重フィルタ構造としてあり、バックアップフィルタ82は主フィルタ35よりも先に装着して後で取り出され、主フィルタ35はバックアップフィルタ82よりも後で装着され先に取り出される関係を有して設けてあり、バックアップフィルタ82のフィルタ室36の奥側となる下半部36cからの単独の取り出しのために、前部壁101bに内側から手指を掛けられる手掛り凹部133を設けてある。バックアップフィルタ82の装着はフィルタ室36に上方から滑り込ませるだけで着脱経路52によって所定位置まで案内される。
このために、主フィルタ35における主支持枠71の下半部71cの外まわりに、バックアップフィルタ82におけるフィルタ室36の下半部36cの内面に沿う籠形の副支持枠101を持ったバックアップフィルタ82が被さって、主フィルタ材79の外側に副フィルタ材83を支持するようにしてある。これによって、バックアップフィルタ82がフィルタ室36の下半部36cに装着された後、主フィルタ35がフィルタ室36の上半部36bとそれに続くバックアップフィルタ82の内側に装着される。よって、フィルタ室36に導入した循環空気は、主フィルタ71の主フィルタ材79、バックアップフィルタ82の副フィルタ材83を二重に通過して循環空気排出口72に抜ける二重フィルタ構造を満足することができる。これによって、薄く空気抵抗の少ない主フィルタ材79および副フィルタ材83にて、細かな糸くずなどの異物を確実に捕集するので、蒸発器31、凝縮器32、送風ファン15などの機器の機能の高い保全性能が得られる。また、ほとんどの異物は、先に通過する主フィルタ材79によって捕集されるので、目詰まりは主フィルタ材79の側で頻繁に生じ、副フィルタ材83の側での目詰まりの回数は主フィルタ材79の場合に比し極端に少なくなる。
従って、主フィルタ35、バックアップフィルタ82の装着状態で、主フィルタ35は、バックアップフィルタ82をフィルタ室36の下半部36cに残して先に引き出し、単独でバックアップフィルタ82に対し頻繁となる目詰まり処理に簡単に対応し再装着することができる。また、バックアップフィルタ82は、目詰まり処理が必要になったときだけ主フィルタ35の後に引き出し、目詰まり処理後、主フィルタ35に先立って装着した後、主フィルタ35を装着することで使用状態に復帰させることができる。従って、取り扱いが特に面倒になることはない。
このような、主フィルタ35と、バックアップフィルタ82との二重フィルタ構造に対応して、バックアップフィルタ82には図3、図5に示すように、バックアップフィルタ82とフィルタ室36の循環空気排出口72側とを独立排気スペース95とする仕切り境界部92と、主フィルタ71とバックアップフィルタ82との間を独立排気スペース96とする仕切り境界部93と、の双方をシールするシリコンゴムなどよりなるシールパッキン94を設けている。これにより、フィルタ室36、主支持枠71の上半部71bに導入した循環空気は、バイパスすることなく主フィルタ71とバックアップフィルタ82との間の独立排気スペース96と、バックアップフィルタ82とフィルタ室36の循環空気排出口72側との間の独立排気スペース95とを、図5に矢印で示すように順次に通過して、二重フィルタ構造の異物除去後に循環空気排出口72へと抜けて循環する。
ここで、バックアップフィルタ82は、図5に示すようにフィルタ室36の循環空気排出口72が設けられた下半部36cに嵌まり合う籠形を成した副支持枠101を有して、循環空気排出口72の内側に副フィルタ材83を支持している。主フィルタ35は、フィルタ室36の上半部36b及びその下半部36cに装着されたバックアップフィルタ82の内面にほぼ沿う籠形をなし、フィルタ室36の上半部36bに設けられた循環空気導入口78から循環空気を導入する上半部71bと、フィルタ室36の下半部36cに装着されたバックアップフィルタ82が支持する副フィルタ材83の内側に主フィルタ材79を支持してバックアップフィルタ82との2重フィルタ構造にて循環空気の排出を図る下半部71cと、を持った主支持枠71を有して、前記排出循環空気に対し働く先後関係及び着脱の先後関係を満足している。
また、シールパッキン94は、図3及び図5に示すように副支持枠101の外周部に装着して、図3に示すようにフィルタ室36の上半部36bと下半部36cとの間の内面に形成された循環空気導入口78側に向く段部102と、主支持枠71の上半部71bと下半部71cとの間の外面に形成された循環空気排出口72側に向く段部103との対向部間での、主フィルタ35及びバックアップフィルタ82のフィルタ室36の所定位置への装着による挟み付けにより、それら両段部102、103双方に圧接しシールするようにしている。これにより、1つのシールパッキン94によって2つの仕切り境界部92及び93を、主フィルタ35、バックアップフィルタ82のフィルタ室36への嵌め合わせを利用してシールすることができ、さらに、このシール状態は主フィルタ35のフィルタ室36の所定位置への装着時に弾性係合する弾性係合部75によって保持され、不用意に弛んで空気漏れを起こすことが防止される。しかも、シールパッキン94は図3、図5に示すように副支持枠101の両段部102、103と対向するフランジ部101aに装着され、そのフランジ部101aへの装着部94aから図3、図5に示すように両段部102、103側に延びたシールリップ94b、94cがそれら段部に圧接するようにしている。これにより、シールパッキン94は、副支持枠101のフランジ部101aに確固にバックアップされてシールリップ94b、94cを両段部102、103全周によく馴染んで確実に圧接させられ、空気漏れが生じないものとすることができる。
また、主フィルタ35は、図5に示すように、フィルタ室36のフィルタ挿入側である上半部36bに設けられた循環空気導入口78から循環空気を導入する開放状態の開口121を持った循環空気導入側となる上半部71bと、フィルタ室36の奥側となる下半部36cに設けられた循環空気排出口72に既述のように対応する主フィルタ材79を支持した循環空気排出側となる下半部71cとを有した主支持枠71を備え、主支持枠71の循環空気導入側である上半部71bに循環空気導入口78から前記開口121を通じて実線矢印122で示すように導入し、主フィルタ材79を通じ循環空気排出口72へ排出する循環空気の流れによる破線矢印123で示すような吸引を受ける負圧領域124を設けて、この負圧領域124を図6に示すように主支持枠71に設けた吸気口124aを通じ、外部に出た外気導入口125aから外気を導入する外気導入路125にそのフィルタ室36に開口する外気導入連通口125bを通じ連通させ、主支持枠71の循環空気導入側となる上半部71bの開口121を持った循環空気導入域126の一部を主支持枠71の後部壁にある補助フィルタ129を設けた外部排出口127に、図3、図4に示す外部排気口128aに通じる外部排気路128をそのフィルタ室36に開口する外部排気連通口128bを通じ連通させている。
外気導入路125は、電磁弁132を内蔵して通常閉じられているが、回転ドラム2内や循環空気の上限温度が検出された場合などに制御基板67などからの制御によって電磁弁132を開くことで、循環空気の流れによって負圧領域124に生じている負圧吸引力にて循環空気中に外気を吸引して循環空気排出口72に向わせ循環送風経路5を循環する循環空気に混合させ回転ドラム2内や循環空気の温度を下げ適正温度域に保つことができ、そのために電磁弁132は以降開き続けることが多い。また、この外部空気の導入などによって循環空気量が過剰になると循環送風経路5内の圧力が上昇するので、図5に破線矢印130で示すように外部排出口127から外部排気連通口128bを通じて外部排気路128に入りその外部排気口128aから外部に抜ける。なお、外気導入口125aは図2、図4に示すように真後ろに開口させて異物などが落ち込まないようにしているのに対し、外部排気口128aは図4に示すように上向きに開口させて、しかも、図1に示すように洗濯乾燥機本体44の背面44gから突出させている。これにより、外部排気口128aからは除湿前の湿った循環空気を排気するので考えられる結露水の滴下を防止し、少々の結露水は自然乾燥するようにしている。
ここで、フィルタ室36は、着脱口51側である上半部36bの前部壁に循環空気導入口78が、後部壁に外部排気連通口128bが互いに対向し合って形成されると共に、奥側である下半部36cの後部壁で外部排気連通口128bよりも下で側方に外れた位置に循環空気排出口72が形成されている。これにより、過剰な循環空気はフィルタ室36の上半部36bの前部壁にある循環空気導入口78から主支持枠71の上半部71bの循環空気導入域126に導入されて後、フィルタ室36の上半部36bの後部壁にある外部連通口128bへ直進するように難なく押し出され外部に排気される。残る通常風量の循環空気は、フィルタ室36の下半部36cにある後部壁の循環空気排出口72へとスムーズに向い排出される。
外部排気連通口128bは、図3に示すように、循環空気排出口72よりも十分に小さいものとし、外部排気連通口128bと循環空気排出口72との通気抵抗の大小調整により、循環空気の循環空気排出口72への排出を優先し、循環空気がいたずらに外部に抜け出るのを防止している。また、負圧領域124は、図5に示すように、主支持枠71の循環空気導入側となる上半部71bに循環空気導入域126と並設されていて、主支持枠71のバックアップフィルタ82と無関係な空間を利用してそれぞれに必要な広さを満足して設けられる。具体的には、負圧領域124は、それよりも広い循環空気導入域126から主支持枠71の循環空気導入側となる上半部71b内に一体成形した板状の仕切り部131により仕切って形成され、循環空気導入域126に併せ循環空気排出側に通じた構成としている。これにより、極く簡単な構造で循環空気導入域126と負圧領域124とを並設して、循環空気導入域126から循環空気排出口72に抜ける循環空気の流れによって負圧領域124に吸引作用が及ぶようにできる。特に、外気導入路125は、図5に示すように負圧領域124の仕切り部131に対向する周壁部にある吸気口124aを通じて開口している。これによって、外気導入口125a、外気導入路125、外気導入連通口125b、吸気口124aを通じて負圧領域124に吸引される破線矢印123で示す外気は、仕切り部131に衝突して真下にあるフィルタ室36の循環空気排出口72に向うので、フィルタ室36の循環空気導入口78から主支持枠71の上半部71bが形成する循環空気導入域126に導入した循環空気が下半部71cに向かってフィルタ室36の循環空気排出口72に向う流れにスムーズに合流して混合され、循環空気の実線矢印122で示す流れが乱れるようなことはないし、循環空気の実線矢印122で示す流れが負圧領域124に吸引力を及ぼしやすく、かつ、そこに破線矢印123のように吸引した外気をフィルタ室36の循環空気排出口72に向かわせやすい関係を満足する。
一方、乾燥工程において、主フィルタ35、バックアップフィルタ82及び補助フィルタ129の目詰まりが発生した場合、従来、主フィルタ35に導入された循環空気の逃げ道がなくなり、循環送風経路5内の圧力が上昇し、水槽3に接続された図示しない排水ホースに漏れて排水トラップに噴出し、そこに溜まっている水がその風圧によって飛ばされることで、トラップの機能が破壊され、下水管からの臭いが漏れたりするが、このような目詰まりの際の循環空気の過剰分は、これまでの流れ(図5の破線矢印123)とは逆に図5に一点鎖線矢印134で示すように負圧領域124から吸気口124aを経て、外気導入連通口125bを通じ電磁弁132が開かれている外気導入路125に入りその外気導入口125aから外部に抜けるので、自然に昇圧を解消することができる。
さらに、主支持枠71の循環空気導入側となる上半部71bの負圧領域124は、図5に示すように開放状態の開口121を持った循環空気導入域126と共に前部へ開放され、フィルタ室36のフィルタ着脱側である上半部36bにおける図4に示すよう前部壁の循環空気導入口78のない部分によって閉じられるようにしている。これにより、主支持枠71の上半部71bにおける循環空気導入域126及び負圧領域124共に前部が開放されてフィルタ室36と合わせ機能する単純形状となり、成形しやすいものとなる。
〔2.フィルタ検出装置113の構成〕
主フィルタ35及びバックアップフィルタ82は、図3に示すように、それぞれマグネット111、112を内蔵するなどして備えられている。フィルタ室36は、図4に示すように主フィルタ35及びバックアップフィルタ82が所定位置に装着されたとき、それらのマグネット111、112と個別に対向する位置に、フィルタ検出装置113が配されている。具体的には、フィルタ検出装置113は、図4に示すように主フィルタ35及びバックアップフィルタ82が所定位置(正規の位置)に装着されたとき、マグネット111及び112にそれぞれ対向するように一対の磁気応動スイッチが内蔵されている。フィルタ検出装置113は、磁気応動スイッチとマグネット111及び112とが対向することで応動し、外部に電気信号を出力する。
なお、本実施の形態の磁気応動スイッチは、ホール素子やリードスイッチなどの磁気センサーで構成することができる。また、フィルタ検出装置113は、2個の磁気応動スイッチが、単一の筐体に収容されているか、あるいは同一基板上に実装されている。このように、2個の磁気応動スイッチを単一筐体内あるいは同一基板上に配することで、洗濯乾燥機の組み立て時に磁気応動スイッチを所定の位置に配置させる際、正確かつ容易に配置させることができ、組み立てが容易になる。
これにより、操作パネル66の内側に設けた制御基板67などによる制御で、主フィルタ35、バックアップフィルタ82の双方が装着されていなければ、使用を禁止するようにすることができる。
主フィルタ35などの着脱口51が洗濯乾燥機本体44の天面44aに位置していることから、操作パネル66は洗濯乾燥機本体44の前面において着脱口51に邪魔されることなく図3に示すように広く設けることができ、多機能に対応して操作部や表示部が多くても操作しやすく見やすいものとなる。
〔2-1.フィルタ検出装置113によるフィルタ検出動作〕
図6は、フィルタ検出装置113の内部回路を示す。図6に示すように、フィルタ検出装置113は、少なくともフィルタ検出部200とマイコン206とを備えている。フィルタ検出部200は、第1の磁気応動スイッチ201、第2の磁気応動スイッチ202、抵抗R1、および抵抗R2を備えている。第1の磁気応動スイッチ201の一端は、抵抗R1を介して抵抗R3及びR4のノードに接続され、他端は接地されている。第2の磁気応動スイッチ202の一端は、抵抗R2を介して抵抗R3及びR4のノードに接続され、他端は接地されている。抵抗R3の一端には、基準電圧Vcc(本実施の形態では5V)が印加されている。抵抗R4の一端には、マイコン203のA/D入力端子203aに接続されている。したがって、第1の磁気応動スイッチ201と第2の磁気応動スイッチ202の両方またはいずれか一方がオンになることで、A/D入力端子203aに電圧が印加される。
第1の磁気応動スイッチ201は、図5における第1の磁気応動スイッチ113aに相当し、第2の磁気応動スイッチ202は、図5における第2の磁気応動スイッチ113bに相当する。なお、抵抗R1、R3、及びR4は10kΩの抵抗器で構成され、抵抗R2は5.6kΩの抵抗器で構成されている。
図5に示す主フィルタ35またはバックアップフィルタ82が正規の位置に装着されたか否かは、図6に示す第1の磁気応動スイッチ201及び第2の磁気応動スイッチ202におけるオンまたはオフの状態によって、判断することができる。すなわち、図5に示すマグネット111が第1の磁気応動スイッチ113aで検出可能な位置にある時は、図6に示す第1の磁気応動スイッチ201がオンになり、検出できない位置にある時は第1の磁気応動スイッチ201がオフになる。また、図5に示すマグネット112が第2の磁気応動スイッチ113bで検出可能な位置にある時は、図6に示す第2の磁気応動スイッチ202がオンになり、検出できない位置にある時は第2の磁気応動スイッチ202がオフになる。
まず、主フィルタ35とバックアップフィルタ82の両方が、正規の位置に装着されている場合は、図6に示す第1の磁気応動スイッチ201及び第2の磁気応動スイッチ202の両方がオンになる。第1の磁気応動スイッチ201及び第2の磁気応動スイッチ202の両方がオンになると、5Vの基準電圧Vccは、抵抗R1及び抵抗R2の並列合成抵抗と抵抗R3とにより分圧されて、マイコン203のA/D入力端子203aに1.3Vの電圧が印加される。
また、主フィルタ35が正規の位置に装着されておらず、バックフィルタ82が正規の位置に装着されている場合は、図6に示す第1の磁気応動スイッチ201がオフになり、第2の磁気応動スイッチ202がオンになる。第2の磁気応動スイッチ202のみがオンになると、5Vの基準電圧Vccは、抵抗R2と抵抗R3とにより分圧されて、マイコン203のA/D入力端子203aに1.8Vの電圧が印加される。
また、主フィルタ35が正規の位置に装着され、バックアップフィルタ82が正規の位置に装着されていない場合は、図6に示す第1の磁気応動スイッチ201がオンになり、第2の磁気応動スイッチ202がオフになる。第1の磁気応動スイッチ201のみがオンになると、5Vの基準電圧Vccは、抵抗R1と抵抗R3とにより分圧されて、マイコン203のA/D入力端子203aに2.5Vの電圧が印加される。
また、主フィルタ35とバックアップフィルタ82の両方が、正規の位置に装着されていない場合は、図6に示す第1の磁気応動スイッチ201及び第2の磁気応動スイッチ202の両方がオフになる。第1の磁気応動スイッチ201及び第2の磁気応動スイッチ202がオフになると、マイコン203のA/D入力端子203aに5Vの電圧が印加される。
マイコン203は、A/D入力端子203aにおける電圧値を、しきい値と比較して第1の磁気応動スイッチ201及び第2の磁気応動スイッチ202の状態、すなわち主フィルタ35とバックアップフィルタ82の装着状態を判別する。具体的には、第1のしきい値TH1(本実施の形態では1.5V)、第2のしきい値TH2(本実施の形態では2.1V)、第3のしきい値TH3(本実施の形態では3V)の3つのしきい値を設けている。マイコン203のA/D入力端子における電圧Vinが、
Vin<TH1 ・・・(数式1)
の条件を満たす時は、主フィルタ35及びバックアップフィルタ82の両方が正規の位置に装着されていると判断する。また、電圧Vinが、
TH1≦Vin<TH2 ・・・(数式2)
の条件を満たす時は、バックアップフィルタ82のみが正規の位置に装着され、主フィルタ35は正規の位置に装着されていないと判断する。この判断結果の場合は、洗濯乾燥機に搭載されている表示部にエラーメッセージを表示させるとともに、洗濯乾燥機における乾燥動作が行われないように制御する。また、電圧Vinが、
TH2≦Vin<TH3 ・・・(数式3)
の条件を満たす時は、主フィルタ35のみが正規の位置に装着されて、バックアップフィルタ82は正規の位置に装着されていないと判断する。また、電圧Vinが、
TH3≦Vin ・・・(数式4)
の条件を満たす時は、主フィルタ35及びバックアップフィルタ82の両方が正規の位置に装着されていないと判断する。
マイコン203は、上記数式に示す条件に基づいて現在のフィルタの状態を判別すると、その判別結果に応じた制御を行う。具体的には、上記数式1に示す条件に当てはまる場合は、主フィルタ35及びバックアップフィルタ82が正規の位置に装着されているため、洗濯乾燥機1について通常の動作制御を行う。また、上記数式2〜4の場合は、主フィルタ35及びバックアップフィルタ82のいずれか一方または両方が、正規の位置に装着されていないため、このまま乾燥動作を行うと洗濯乾燥機1内の循環送風経路5内にリントが侵入してしまう可能性がある。したがって、マイコン203は、洗濯乾燥機1における乾燥動作を行わないように制御するとともに、使用者に対して異常報知を行う。異常報知の方法は、洗濯乾燥機1に搭載されている表示部にエラーコードまたはエラーメッセージを表示させたり、ブザーを鳴らしたりする方法がある。
また、上記数式2〜4の各々の判別結果について、異常報知の内容を異ならせてもよい。すなわち、主フィルタ35のみが正常に装着されていない状態、バックアップフィルタ82のみが正常に装着されていない状態、両方のフィルタが正常に装着されていない状態のそれぞれについて、表示部に表示させるエラーコードやエラーメッセージを異ならせることで、使用者に異常箇所を明確に知らせることができる。
本実施の形態において、フィルタの装着状態に異常が生じている場合は、少なくとも乾燥運転を含む運転コースが開始された時に、運転停止及び/または異常報知する。例えば、乾燥運転コースの開始時、洗濯−乾燥運転コースの開始時、乾燥運転を含む運転予約を設定した時などにおいて、運転停止及び/または異常報知する。
〔3.実施の形態の効果、他〕
以上のように本実施の形態によれば、フィルタ装置91にマグネット111及び112を配し、マグネット111及び112の磁力を検出するフィルタ検出装置113を配することで、フィルタ装置91が正規の位置に装着されているか否かを検出することができる。したがって、フィルタ検出部200がフィルタ装置91の装着状態に異常があることを検知した時は、洗濯乾燥機1の乾燥運転を行わないように制御することで、循環送風経路5にリントが侵入するのを防ぐことができる。また、フィルタ装置91の装着状態に異常があることを検知した時に、使用者に対する異常報知を行うことで、使用者に対して正規の位置へのフィルタ装着を促すことができる。
また、主フィルタ35にマグネット111を配し、バックアップフィルタ82にマグネット112を配し、各々のマグネットの磁力を検知することができるフィルタ検出センサー113a及び113bを内蔵したフィルタ検出装置113を配したことにより、主フィルタ35及びバックアップフィルタ82のいずれか一方または両方が、正規の位置に装着されているか否かを判断することができる。これにより、少なくともいずれか一方のフィルタ装着状態に異常がある場合、洗濯乾燥機1の運転を停止させたり、異常があることを使用者に報知して、循環送風経路5内にリントが混入することを防ぐことができる。
また、図6に示すように、第1の磁気応動スイッチ201に接続されている抵抗R1の抵抗値と、第2の磁気応動スイッチ202に接続されている抵抗R2の抵抗値とを異ならせることにより、主フィルタ35の装着状態に異常がある場合と、バックアップフィルタ82の装着状態に異常がある場合とで、マイコン203に入力される電圧値を異ならせることができる。よって、主フィルタ35及びバックアップフィルタ82のうちどちらのフィルタの装着状態に異常があるかを判別することができる。
また、第1の磁気応動スイッチ113aと第2の磁気応動スイッチ113bとを、同一基板上に配することにより、精度よく設置することができる。また、2個の磁気応動スイッチを同一筐体内または同一基板上に配することにより、2個の磁気応動スイッチを一度に設置できるため、組み立てを簡素化することができる。また、2個のフィルタを同一基板上に設置するため、コストダウンすることができる。
また、マグネット111及び112と、磁気センサーで構成される第1の磁気応動スイッチ113aと第2の磁気応動スイッチ113bとにより、非接触にてフィルタ検出を行うこと構成であるため、フィルタ装置91やフィルタ室36にリントが侵入する恐れがある孔などを開けずに済む。
また、フィルタ装置91の異常検出時は、乾燥運転のみを行わないように制御するため、洗濯運転は通常通りに行うことができる。したがって、フィルタ装置91に異常が生じていたとしても、洗濯乾燥機1が全く使えなくなるわけではないので、使い勝手を大幅に低下させることはない。
また、洗濯−乾燥運転コースを選択した際にフィルタ装着状態に異常が生じている場合は、洗濯運転の開始前に使用者に対して異常を報知するため、使い勝手を向上させることができる。すなわち、洗濯−乾燥運転コースを実行させている時に、乾燥運転開始前になって運転停止及び/または異常報知する構成では、洗濯乾燥機の動作停止時、使用者は洗濯運転及び乾燥運転が終了していると思っているにもかかわらず、実際には洗濯運転のみ終了している状態になっており、使用者の意図と実際の運転動作とが合わない状況が発生する。これに対し本実施の形態では、洗濯−乾燥運転コースにおける洗濯運転開始前に使用者に対して異常を報知するため、使用者の意図と実際の運転動作とが合わない状況は発生しない。よって、使用者は、洗濯物の乾燥方法について、事前に別の対策を検討することが可能になる。
また、乾燥運転を含む運転予約を設定した際にフィルタ装着状態に異常が生じている場合は、予約設定時に使用者に対して異常を報知するため、使い勝手を向上させることができる。すなわち、運転予約時に異常報知を行わない構成では、使用者は設定した時刻に洗濯運転及び乾燥運転が終了すると思っているにもかかわらず、実際には洗濯運転のみが行われる状態になっており、使用者の意図と実際の運転動作とが合わない状況が発生する。これに対し本実施の形態では、乾燥運転を含む運転予約時に使用者に対して異常を報知するため、使用者の意図と実際の運転動作とが合わない状況は発生しない。よって、使用者は、洗濯物の乾燥方法について、事前に別の対策を検討することが可能になる。
すなわち、本実施の形態では、フィルタ検出部が、主フィルタ35またはバックアップフィルタ82のうち少なくともいずれか一方が所定位置に正常に装着されていないことを、洗濯乾燥機1の電源が投入されてから乾燥工程が実施されるまでの間に検出した場合、異常報知を行うように構成されている。
なお、図6に示す各素子の定数は一例であり、他の定数で実現することも可能である。本実施の形態のように、抵抗で基準電圧の電圧値を変化させ、その電圧値を検出してフィルタの装着状態を判断する手法では、少なくとも第1の磁気応動スイッチと第2の磁気応動スイッチに接続されている抵抗R1及びR2の抵抗値を、互いに異なるものとすればよい。
また、しきい値TH1、TH2、TH3の値は、それぞれ一例である。
また、フィルタ検出の構成は、マグネットと磁気センサーによるものに限らず、電気的、光学的に検出する構成で、同様な機能を得ることも可能である。ただし、電気的に検出する構成では、磁気検出構成よりも消費電力が大きくなってしまう。また、光学的に検出する構成では、検出対象物と光学センサーとの間で光信号を授受させないといけないため、配置に制約が生じる。したがって、本実施の形態のように磁気的に検出を行う構成が、最も消費電力が少なく、かつセンサーなどの配置に大きな制約を受けない。