JP2005021251A - 棒状化粧料繰出容器 - Google Patents
棒状化粧料繰出容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005021251A JP2005021251A JP2003188235A JP2003188235A JP2005021251A JP 2005021251 A JP2005021251 A JP 2005021251A JP 2003188235 A JP2003188235 A JP 2003188235A JP 2003188235 A JP2003188235 A JP 2003188235A JP 2005021251 A JP2005021251 A JP 2005021251A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- stick
- shaped cosmetic
- advance
- cartridge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)
Abstract
【解決手段】棒状化粧料M及び棒状化粧料把持体7aが進退する進退孔6jと、当該進退孔6jの後端に連設された大径の進退部品収容孔6kとの間の内周段部6xに開口され、軸線方向に沿って筒容器6の先端側の所定位置迄凹設されて成る凹設溝9、すなわち筒容器6外周面と進退孔6jとの間の凹設溝9により、棒状化粧料繰出容器1に加わる例えば落下や押圧等による外力を、進退孔6jの棒状化粧料Mに対してクッションの如く緩衝し伝わり難くする。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、棒状化粧料を容器から出没可能とする棒状化粧料繰出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒状化粧料を把持する棒状化粧料把持体を、これを収容する筒容器内で、進退機構に従い進退可能とし、棒状化粧料を筒容器の先端から出没可能とする棒状化粧料繰出容器が市場に供されている。
【0003】
この種の棒状化粧料繰出容器としては、筒容器が、棒状化粧料及び棒状化粧料把持体が進退する進退孔と、この進退孔の後端に内周段部を介し内周面が大径とされて連続する進退部品収容孔と、を備える構成で、内周面に螺旋溝が形成された螺子筒が、進退部品収容孔に収容されて筒容器に相対回転自在に装着されて成り、この螺子筒の螺旋溝に、棒状化粧料把持体の後端に突設される螺合突起が係合することで、棒状化粧料把持体の進退機構の一部である螺合機構が構成され、筒容器と螺子筒とが相対回転されると、進退機構に従って棒状化粧料把持体が進退し、棒状化粧料が筒容器の先端から出没する棒状化粧料繰出容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実公平4−30961号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記棒状化粧料繰出容器にあっては、当該棒状化粧料繰出容器を例えば落としてしまったり、バックに入れて携行している際に押圧してしまったり等して、外力が作用し、筒容器に収容されている棒状化粧料が破損する虞がある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、棒状化粧料の破損が防止される棒状化粧料繰出容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による棒状化粧料繰出容器は、棒状化粧料を把持する棒状化粧料把持体を、これを収容する筒容器内で進退機構に従い進退可能とし、棒状化粧料を筒容器の先端から出没可能とする棒状化粧料繰出容器であって、筒容器が、棒状化粧料及び棒状化粧料把持体が進退する進退孔と、この進退孔の後端に内周段部を介し内周面が大径とされて連続し進退機構の構成部品を収容する進退部品収容孔と、を備える棒状化粧料繰出容器において、筒容器は、進退部品収容孔の内周段部に開口され軸線方向に沿って先端側の所定位置迄凹設される凹設溝を備えることを特徴としている。
【0008】
このような棒状化粧料繰出容器によれば、棒状化粧料及び棒状化粧料把持体の進退孔と、当該進退孔の後端に連設された大径の進退部品収容孔との間の内周段部に開口され、軸線方向に沿って筒容器の先端側の所定位置迄凹設されて成る凹設溝、すなわち筒容器外周面と進退孔との間の凹設溝により、棒状化粧料繰出容器に加わる例えば落下や押圧等による外力が、進退孔の棒状化粧料に対してクッションの如く緩衝され伝わり難くされる。
【0009】
ここで、進退孔と進退部品収容孔との間の内周段部に従って、進退部品収容孔を含む横断面位置の筒容器の肉厚と、進退孔を含む横断面位置の筒容器の肉厚とでは比較的大きな肉厚差があり、筒容器を射出成形により成形する場合には、この大きい肉厚差に起因して成形不良である肉ひけが生じ、この肉ひけの発生を防止するには成形圧力の長時間維持等が必要とされ、製造コストが高くなるが、上述のように筒容器に凹設溝が設けられることで、当該凹設溝が肉厚の均等化を図る所謂肉盗みとして機能し、肉厚差が少なくされて肉ひけの発生が防止されるようになる。
【0010】
また、筒容器が、先端側の外径大径部と、この外径大径部の後端に外周段部を介し外周面が小径とされて連続する外径小径部と、を備える構成であると、進退孔を含む横断面位置の筒容器の肉厚が一層厚くなり、肉ひけの要因である上記肉厚差が一層拡大されるため、凹設溝の適用が特に有効である。
【0011】
ここで、凹設溝としては、その機能を十分に発揮する好適な構成として、進退孔の先端側を除く位置を囲繞する環状の凹設溝が挙げられる。この凹設溝は、進退孔の周囲に環状の空間を画成することから、緩衝作用に特に優れている。
【0012】
また、他の凹設溝としては、周方向の略等配位置に配設されて軸線方向に延在する複数の凹設溝が挙げられる。この凹設溝は、円周方向の凹設溝同士間が埋められることから、上記環状の凹設溝に比して緩衝作用は劣るが、その強度は高く成形しやすいという利点がある。
【0013】
また、上記棒状化粧料繰出容器の機能を十分に発揮する好適な構成としては、具体的には、棒状化粧料把持体には、その後端に軸体部が連設され、この軸体部は、その後部に進退機構を構成する螺合突起を備え、上記構成部品は、進退部品収容孔に収容されて筒容器に相対回転自在に装着され、螺合突起に係合する螺旋溝を内周面に備える螺旋筒であるという構成が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による棒状化粧料繰出容器の好適な実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す外観図、図2〜図4は、図1の各矢視図、図5〜図7は、棒状化粧料カートリッジを示す各図であり、本実施形態の棒状化粧料繰出容器は、例えば、アイライナー、アイブロー、リップライナー等の棒状化粧料を収容し、使用者が必要に応じて適宜出没可能とする棒状化粧料繰出容器である。
【0015】
図1に示すように、棒状化粧料繰出容器1は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状(スティック状)を成し良好な外観を呈するもので、図6に示す棒状化粧料Mを収容する棒状化粧料カートリッジ2を、図1及び図2に示すように、カートリッジ収容容器3の両端側(図示左右側)に着脱可能に各々備えている。
【0016】
この棒状化粧料繰出容器1は、図2に示すように、棒状化粧料カートリッジ2の外筒を成すカートリッジ筒(筒容器)6とカートリッジ収容容器3との相対回転に従って当該棒状化粧料カートリッジ2内の芯チャック7に把持されている棒状化粧料Mを先端から繰り出して塗布し得るものである。なお、本実施形態においては、カートリッジ収容容器3の両側に、例えば色や種類等が異なる棒状化粧料Mを互いに収容して成る棒状化粧料カートリッジ2を各々装着する構成であるが、一方側の棒状化粧料カートリッジ2に代えて、例えば液状化粧料カートリッジや塗布具等を装着する棒状化粧料繰出容器であっても良い。
【0017】
図1及び図2に示すように、カートリッジ収容容器3は、両端が開放されて成る円筒形状に構成されている。このカートリッジ収容容器3は、図2に示すように、筒内の略中間位置が中仕切3aで仕切られ、この中仕切3aより両側の筒内に、棒状化粧料カートリッジ2の後部を収容する空間が各々画成されている。
【0018】
この両空間を仕切る中仕切3aには、その中央に、棒状化粧料カートリッジ2を収容する空間に向かう係合部3bが突設されている。この係合部3bは、棒状化粧料カートリッジ2の内筒を成す螺旋筒8を回転不能に連結するためのもので、横断面が略十字状を成す形状とされている。
【0019】
また、カートリッジ収容容器3は、先端の開口寄りの内周面に、棒状化粧料カートリッジ2の外筒を成すカートリッジ筒6を相対回転自在且つ着脱可能に装着するための環状溝部3cを備えている。
【0020】
棒状化粧料カートリッジ2は、図5〜図7に示すように、段付円筒形状のカートリッジ筒6と、図6及び図7に示すように、カートリッジ筒6内に収容されて軸線方向に延在し先端に棒状化粧料Mを把持して進退する芯チャック7と、カートリッジ筒6内の後部側に収容されて芯チャック7と螺合する円筒形状の螺旋筒8と、を備えている。これらのカートリッジ筒6、芯チャック7及び螺旋筒8は、棒状化粧料Mを進退させる進退機構として機能する(詳しくは後述)。
【0021】
カートリッジ筒6は、図2に示すように、カートリッジ収容容器3から突出する先端側の摘み部としての大径部(外径大径部)6aと、図5〜図7に示すように、大径部6aの後端に外周段部6bを介し外周面が小径とされて連続する小径部(外径小径部)6cとを、例えば合成樹脂等の可撓性材で一体成形して成る。大径部6aは、先端に向けて次第に外径が細くなる先細り形状を成し、小径部6cは、カートリッジ収容容器3の内径より小とされて挿入可能とされている。
【0022】
このカートリッジ筒6には、図5及び図6に示すように、小径部6cの先端側で軸線を挟む180°対称位置に、弾性係合部6d,6dが各々設けられている。この弾性係合部6dは、カートリッジ筒6の小径部6cの周壁に穿設されるコの字状割溝6eにより形成され、成形材である合成樹脂等の可撓性に従って板バネの役割を果たす半島部6fと、この半島部6fの外周面から突出する係合突部6gと、を備えている。
【0023】
このカートリッジ筒6は、図2に示すように、その小径部6cがカートリッジ収容容器3に内挿され、外周段部6bがカートリッジ収容容器3の先端面に突き当てられ、板バネを成す半島部6fの係合突部6gがカートリッジ収容容器3の環状溝部3cに係合されることで、カートリッジ収容容器3に相対回転自在且つ着脱可能に装着されている。
【0024】
このカートリッジ筒6の係合突部6gは、板バネを成す半島部6fの弾発力により付勢されてカートリッジ収容容器3の環状溝部3cに当接していることから、カートリッジ収容容器3との間に回転抵抗を発生する。
【0025】
カートリッジ筒6の内周面は、図6及び図7に示すように、先端から多少内側寄りの範囲迄が、棒状化粧料Mのみを進退可能とする小径孔6iとされ、この小径孔6iの後端から筒中程迄が、棒状化粧料M及びこれを把持する芯チャック7のチャック部(棒状化粧料把持体)7aが進退する進退孔6jとされ、この進退孔6jの後端から筒後端迄が、螺旋筒8を収容する収容孔(進退部品収容孔)6kとされている。
【0026】
小径孔6iは、図4及び図7に示すように、丸棒状の棒状化粧料Mの形状に対応する円形形状とされ、棒状化粧料Mの外周面に近接するように形成されている。
【0027】
この小径孔6iに続く進退孔6jは、図3、図4、図6及び図7に示すように、棒状化粧料Mを通過可能とする小径孔6iを連続して備えると共に、この小径孔6iの外周面に連設され、チャック部7aの把持片7dが進退する進退溝6pを備えている。この進退溝6pは、芯チャック7の進退機構の一部である回転止め機構及び進退案内機構を構成し、チャック部7aの把持片7dの形状(詳しくは後述)に対応する形状とされ、把持片7dの外周面に近接するように形成されている。また、この進退溝6pは、図6及び図7に示すように、芯チャック7の把持片7dが突き当たる先端面が、芯チャック7の前進限とされている。
【0028】
進退孔6jに内周段部6xを介し内周面が大径とされて連続する収容孔6kは、略円形形状とされ、後端寄りの位置に、螺旋筒8を相対回転自在且つ軸線方向移動不能に装着するための環状溝部6hを備えている。
【0029】
螺旋筒8は、例えば合成樹脂等の可撓性材で形成され、内周面の先端から後端部近傍迄の範囲に亘って、芯チャック7の進退機構の一部である螺合機構を構成する螺旋溝8aを軸線に沿って備えている。
【0030】
また、螺旋筒8には、その後端部に、半径方向(放射方向)に弾力的に押し開き可能な弾性突部8cが後方へ突出するように設けられている。この弾性突部8cは、周方向に沿う四等配の位置に配設される四片の突部である。
【0031】
この螺旋筒8は、図6に示すように、カートリッジ筒6の収容孔6kに内挿され、後端寄りの外周面に形成される環状突部8bが、カートリッジ筒6の環状溝部6hに係合されることで、カートリッジ筒6に相対回転自在且つ軸線方向移動不能に装着されている。
【0032】
また、この状態で、螺旋筒8は、図2示すように、その弾性突部8c,8c間に、カートリッジ収容容器3の中仕切3aに設けられている十字状を成す係合部3bの各突部が進入するようにして係合することで、カートリッジ収容容器3に回転不能に連結されている。
【0033】
すなわち、カートリッジ収容容器3と螺旋筒8とは回転不能に連結され、カートリッジ筒6は、これらのカートリッジ収容容器3及び螺旋筒8に対して相対回転自在に連結されている。
【0034】
芯チャック7は、図6及び図7に示すように、棒状化粧料Mの基端部を把持するチャック部7aと、チャック部7aの後端に連続し軸線方向に延在する芯チャック軸(軸体部)7bとを、例えば合成樹脂等の可撓性材で一体成形して成る。
【0035】
チャック部7aは、棒状化粧料Mの基端部が突き当てられる基部7cと、棒状化粧料Mの基端部を把持すると共に、回転止め機構及び進退案内機構を構成する把持片7dと、を備えている。
【0036】
基部7cは、円形形状の棒状化粧料Mに略合致する円形形状の厚板に構成されている。
【0037】
把持片7dは、図3、図4、図6及び図7に示すように、基部7cの四等配の外周位置に、先端側に向かって突出するように設けられ、図3に示すように、内外周面が円弧状のこば面に形成され内周こば面に比して外周こば面が長くされる横断面略扇形形状とされ、これらの四個の把持片7dが棒状化粧料Mをしっかりと把持する。
【0038】
また、この把持片7dは、図4、図6及び図7に示すように、その先端側端面の内周側位置に、棒状化粧料Mを把持片同士の間に円滑に導くべくテーパー面7eを備えている。
【0039】
このチャック部7aは、図3及び図6に示すように、カートリッジ筒6の進退孔6jに内挿され、把持片7dが進退溝6pに進入し係合されることで、カートリッジ筒6に回転不能且つ軸線方向移動可能に連結されている。
【0040】
芯チャック軸7bは、図6及び図7に示すように、その後部の軸線を挟む180°対称位置に、螺合機構を構成する螺合突起7gを各々備えている。この芯チャック軸7bの螺合突起7gを備える部分には、これらの螺合突起7g,7gを二股に分けるように後端面から割溝7fが形成され、この割溝7fにより螺合突起7g,7gは半径方向に弾性変形可能とされている。
【0041】
この芯チャック軸7bは、螺旋筒8に内挿され、螺合突起7g,7gが螺旋筒8の螺旋溝8aに螺合する係合状態とされている。この状態で、螺合突起7g,7gは、割溝7fにより半径方向に付勢され、螺旋溝8aにガタ付き無く確実に螺合されている。
【0042】
ここで、特に本実施形態においては、カートリッジ筒6に、収容孔6kの内周段部6xに開口を有し軸線方向に沿って先端側の所定位置迄延びる凹設溝9が設けられている。
【0043】
この凹設溝9は、収容孔6kに連通しカートリッジ筒6の大径部6aの中程迄凹設される第一凹設溝9aと、この第一凹設溝9aに連通しカートリッジ筒6の先端近く迄凹設される第二凹設溝9bと、を備えている。
【0044】
第一凹設溝9aは、図3、図6及び図7に示すように、進退孔6jを囲繞する環状の凹設溝とされ、第二凹設溝9bは、図4、図6及び図7に示すように、周方向の略等配位置(本実施形態では八等配位置)で第一凹設溝9aに繋がり軸線方向に延在する複数の凹設溝とされている。
【0045】
これらの第一凹設溝9a及び第二凹設溝9bを備える凹設溝9は、カートリッジ筒6の進退孔6jに収容されている棒状化粧料Mを保護する機能を備え、加えて、後述するカートリッジ筒6製造時の肉ひけの発生を防止する機能も備えている。
【0046】
次に、上記棒状化粧料繰出容器1を構成するカートリッジ筒6の製造について説明する。このカートリッジ筒6は、射出成形により成形されている。
【0047】
ここで、従来のカートリッジ筒にあっては、凹設溝9が設けられていないため、棒状化粧料M及びチャック部が進退する進退孔と、この進退孔より大径とされ螺旋筒を収容する収容孔との間の内周段部に従って、収容孔を含む横断面位置のカートリッジ筒の肉厚と、進退孔を含む横断面位置のカートリッジ筒の肉厚とでは比較的大きな肉厚差があり、この大きい肉厚差に起因して射出成形不良である肉ひけが生じてしまうことから、このような肉ひけの発生を防止すべく、従来の射出成形にあっては、成形圧力を長時間維持する等の対策を施しているが、このような対処では製造コストが高くなってしまう。
【0048】
ところが、本実施形態では、カートリッジ筒6に上記凹設溝9が設けられているため、この凹設溝9が、上記肉厚の均等化を図る所謂肉盗みとして機能し、カートリッジ筒6の上記肉厚差が少なくされている。このため、製造コストを低減しつつ射出成形時の肉ひけの発生が防止されている。この凹設溝9のカートリッジ筒6に対する適用は、特に棒状化粧料Mが細径であると、進退孔を含む横断面位置のカートリッジ筒の肉厚が厚くなり、肉ひけの要因である上記肉厚差が拡大されるため、特に有効である。加えて、本実施形態のカートリッジ筒6は、図6に示すように、先端側の大径部6aと、この大径部6aに外周段部6bを介し外周面が小径とされて連続する小径部6cと、を備え、肉ひけの要因である上記肉厚差が一層拡大する構成であるため、上記凹設溝9の適用が特に有効である。
【0049】
次に、上記構成を有する棒状化粧料繰出容器1の組立手順について説明する。この棒状化粧料繰出容器1を組み立てるにあたっては、棒状化粧料カートリッジ2をユニットとして組み立てる。
【0050】
先ず、最初の手順として、螺旋筒8と芯チャック7とを相対回転しながら、芯チャック7の芯チャック軸7bを螺旋筒8の先端側の開口から内挿し螺旋筒8の螺旋溝8aと芯チャック7の芯チャック軸7bの螺合突起7gとを螺合状態として螺旋筒8の後端側へ送り込む。
【0051】
次いで、この組立体を、チャック部7aの把持片7dの位置とカートリッジ筒6の進退溝6pの位置とが合うようにして、その先端側のチャック部7a側からカートリッジ筒6の後端の開口へ内挿していき、螺旋筒8の環状突部8bをカートリッジ筒6の環状溝部6hに係合し、上記組立体がカートリッジ筒6に相対回転自在に装着される。
【0052】
次いで、棒状化粧料Mを、その基端部側からカートリッジ筒6の先端の開口へ挿入し芯チャック7のチャック部7aに把持させることで、棒状化粧料カートリッジ2が得られる。
【0053】
次いで、このようにして得られた棒状化粧料カートリッジ2を、その後端側からカートリッジ収容容器3の先端の開口へ内挿し、カートリッジ筒6の外周段部6bをカートリッジ収容容器3の先端面を突き当てることで、カートリッジ筒6の係合突部6gがカートリッジ収容容器3の環状溝部3cに係合し、カートリッジ筒6がカートリッジ収容容器3に相対回転自在且つ着脱可能に装着されると共に、螺旋筒8の弾性突部8cがカートリッジ収容容器3の中仕切3の係合部3bに係合し、螺旋筒8がカートリッジ収容容器3に回転不能に連結され、これにより、棒状化粧料繰出容器1が得られる。
【0054】
このように、本実施形態においては、棒状化粧料カートリッジ2がユニットとして組み立てられてからカートリッジ収容容器3に装着されるため、棒状化粧料繰出容器1の組み立てが容易とされ、製造コストの低減が図られている。
【0055】
次に、このような棒状化粧料繰出容器1により棒状化粧料Mを塗布する場合について説明する。この場合には、カートリッジ筒6のカートリッジ収容容器3から露出する大径部6aを摘むと共にカートリッジ収容容器3を摘み、これらを相対回転する。ここでは、カートリッジ収容容器3を回転するとして説明する。
【0056】
すると、カートリッジ収容容器3の中仕切3の係合部3bと棒状化粧料カートリッジ2の螺旋筒8の弾性突部8cとが回転方向に係合しているため、螺旋筒8が、カートリッジ収容容器3と共に一体に回転する。この時、カートリッジ収容容器3は、カートリッジ筒6の係合突部6gとの間の回転抵抗に抗して回転される。
【0057】
この時、螺旋筒8の螺旋溝8aに係合している螺合突起7gを有する芯チャック7は、把持片7dが、カートリッジ筒6の回転止め機構及び進退案内機構を構成する進退溝6pに回転不能且つ軸線方向移動可能に係合しているため、カートリッジ筒6内を前進し、棒状化粧料Mはカートリッジ筒6の先端から繰り出される。
【0058】
そして、棒状化粧料Mが所望長さに繰り出されたら、カートリッジ収容容器3とカートリッジ筒6との相対回転を停止する。すると、カートリッジ筒6の係合突部6gとカートリッジ収容容器3の環状溝部3cとの間に生じている回転抵抗に従って、カートリッジ収容容器3とカートリッジ筒6とは所定の係合状態に維持される。
【0059】
従って、この状態で、使用者は、カートリッジ収容容器3を持って棒状化粧料Mを塗布すれば良い。この時、塗布面から棒状化粧料M、回転止め機構を介して、カートリッジ筒6へ外力が作用するが、当該カートリッジ筒6の回転は、上記回転抵抗により阻止される。
【0060】
ここで、カートリッジ収容容器3とカートリッジ筒6とをさらに相対回転すると、前進するチャック部7aの把持片7dの先端面が、カートリッジ筒6の進退溝6pの先端面に突き当たり、これにより、芯チャック7は前進限に達しそれ以上の前進が阻止され最大限に繰り出されたことになる。
【0061】
この状態で、さらに相対回転を継続すると、芯チャック7の前進が阻止されているため、カートリッジ収容容器3の中仕切3の係合部3bが、螺旋筒8の弾性突部8cを半径方向に押し広げて係合を解除すると共に、カートリッジ筒6と芯チャック7と螺旋筒8とが一体とされてカートリッジ収容容器3に対して相対回転されて空転する。このように、螺旋筒8の弾性突部8cは所謂トルクリミッターとして機能する。
【0062】
そして、塗布が終わったら、使用者が、カートリッジ収容容器3とカートリッジ筒6とを上記とは逆方向に相対回転することで、棒状化粧料Mがカートリッジ筒6内に引き込まれる。
【0063】
ここで、消耗等により棒状化粧料Mを交換する必要が生じた場合には、棒状化粧料カートリッジ2を所定の力で軸線方向に引っ張りカートリッジ収容容器3から抜脱し、交換用(新規)の棒状化粧料カートリッジ2を上記と同様にしてカートリッジ収容容器3に装着すれば良く、利便性、実用性の向上が図られている。
【0064】
次に、本実施形態の特に特徴を成す作用について説明する。上記棒状化粧料繰出容器1にあっては、当該棒状化粧料繰出容器1を例えば落としてしまったり、バックに入れて携行している際に押圧してしまったり等する場合があり、このような場合には、棒状化粧料繰出容器1に比較的大きな外力が作用することになる。
【0065】
しかしながら、特に本実施形態の棒状化粧料繰出容器1にあっては、進退孔6jの周囲に形成され、カートリッジ筒6の外周面と進退孔6jとの間に位置している凹設溝9により、棒状化粧料繰出容器1に加わる例えば落下や押圧等による外力が、進退孔6jの棒状化粧料Mに対してクッションの如く緩衝され伝わり難くされている。その結果、棒状化粧料Mの破損の防止が図られている。
【0066】
なお、本実施形態においては、凹設溝9を、第一凹設溝9aと第二凹設溝9bの組合せとしているが、凹設溝9全体を、第一凹設溝9a又は第二凹設溝9bの何れか一方としても良い。因みに、第一凹設溝9aは、進退孔6jの周囲全体に空間を画成する環状の凹設溝であることから、緩衝作用に特に優れている利点があり、一方、第二凹設溝9bは、円周方向の凹設溝9b、9b同士間が埋められていることから、環状の第一凹設溝9aに比して緩衝作用は劣るが、その強度は高く成形しやすいという利点がある。
【0067】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、横断面が円形形状の棒状化粧料Mに対する適用を述べているが、横断面が例えば楕円形状の棒状化粧料に対しても適用可能である。
【0068】
また、上記実施形態においては、組立の容易性、棒状化粧料Mの交換等を考慮し最も好ましい形態として、棒状化粧料カートリッジ2を、カートリッジ収容容器3に対して着脱可能としているが、抜脱不能に固定するようにしても勿論良い。
【0069】
また、棒状化粧料繰出容器の構成は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、棒状化粧料Mを把持する棒状化粧料把持体が筒容器に収容され、当該棒状化粧料把持体が、当該棒状化粧料把持体の後側に配設されて進退する押棒に押されることで、棒状化粧料が筒容器の先端の開口から突出する一方で、押棒が後退すると、棒状化粧料把持体と筒容器とに係止される戻しバネの作用で棒状化粧料把持体が元の収容位置迄引き戻されて棒状化粧料が筒容器の先端の開口から没入する構成の棒状化粧料繰出容器等に対しても適用可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明による棒状化粧料繰出容器は、棒状化粧料及び棒状化粧料把持体が進退する進退孔と、当該進退孔の後端に連設された大径の進退部品収容孔との間の内周段部に開口され、軸線方向に沿って筒容器の先端側の所定位置迄凹設されて成る凹設溝、すなわち筒容器外周面と進退孔との間の凹設溝により、棒状化粧料繰出容器に加わる例えば落下や押圧等による外力を、進退孔の棒状化粧料に対してクッションの如く緩衝し伝わり難くするように構成したものであるから、棒状化粧料の破損を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す外観図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】図1のIV−IV矢視図である。
【図5】図1中の棒状化粧料カートリッジを示す外観図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】図5及び図6に示す棒状化粧料カートリッジの分解斜視図である。
【符号の説明】
1…棒状化粧料繰出容器、2…棒状化粧料カートリッジ、6…カートリッジ筒(筒容器)、6a…大径部(外径大径部)、6b…外周段部、6c…小径部(外径小径部)、6i…小径孔、6j…進退孔、6k…収容孔(進退部品収容孔)、6p…進退溝、6x…内周段部、7…芯チャック、7a…チャック部(棒状化粧料把持体)、7b…芯チャック軸(軸体部)、7c…基部、7d…把持片、7g…螺合突起(進退機構)、8…螺旋筒、8a…螺旋溝(進退機構)、9…凹設溝、9a…第一凹設溝、9b…第二凹設溝、M…棒状化粧料。
Claims (6)
- 棒状化粧料を把持する棒状化粧料把持体を、これを収容する筒容器内で進退機構に従い進退可能とし、前記棒状化粧料を前記筒容器の先端から出没可能とする棒状化粧料繰出容器であって、前記筒容器が、前記棒状化粧料及び前記棒状化粧料把持体が進退する進退孔と、この進退孔の後端に内周段部を介し内周面が大径とされて連続し前記進退機構の構成部品を収容する進退部品収容孔と、を備える棒状化粧料繰出容器において、
前記筒容器は、前記進退部品収容孔の前記内周段部に開口され軸線方向に沿って先端側の所定位置迄凹設される凹設溝を備えることを特徴とする棒状化粧料繰出容器。 - 前記筒容器は、射出成形により成形されて成る請求項1記載の棒状化粧料繰出容器。
- 前記筒容器は、先端側の外径大径部と、この外径大径部の後端に外周段部を介し外周面が小径とされて連続する外径小径部と、を備えることを特徴とする請求項2記載の棒状化粧料繰出容器。
- 前記凹設溝は、前記進退孔の先端側を除く位置を囲繞する環状の凹設溝であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の棒状化粧料繰出容器。
- 前記凹設溝は、周方向の略等配位置に配設されて軸線方向に延在する複数の凹設溝であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の棒状化粧料繰出容器。
- 前記棒状化粧料把持体には、その後端に軸体部が連設され、
この軸体部は、その後部に前記進退機構を構成する螺合突起を備え、
前記構成部品は、前記進退部品収容孔に収容されて前記筒容器に相対回転自在に装着され、前記螺合突起に係合する螺旋溝を内周面に備える螺旋筒であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の棒状化粧料繰出容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003188235A JP2005021251A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 棒状化粧料繰出容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003188235A JP2005021251A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 棒状化粧料繰出容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005021251A true JP2005021251A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34186838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003188235A Pending JP2005021251A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 棒状化粧料繰出容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005021251A (ja) |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188235A patent/JP2005021251A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6227739B1 (en) | Liquid container | |
JP6143229B2 (ja) | 多種ペンシル | |
JP3636629B2 (ja) | カートリッジ式繰出容器 | |
JP2006305318A (ja) | 棒状体繰出容器 | |
JP2002068332A (ja) | ノック式液体容器 | |
JP2006102064A (ja) | 棒状化粧料カートリッジ | |
JP3965391B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
KR100578785B1 (ko) | 막대형 화장재료 조출 용기 | |
JP5133749B2 (ja) | 移動体繰出容器 | |
JP2005021251A (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JP4331935B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JP3950394B2 (ja) | 化粧料繰出容器 | |
JP4401945B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JP4048155B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JP2022129906A (ja) | 塗布材繰出容器 | |
JPH11139470A (ja) | 棒状物繰り出し容器 | |
JP4708730B2 (ja) | 化粧材容器のカートリッジ | |
JP4352061B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JP4933858B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JPH10304932A (ja) | 両軸繰出式棒状化粧材容器 | |
JP7433649B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JP2004024506A (ja) | 化粧具 | |
JP4057865B2 (ja) | 棒状化粧料繰出容器 | |
JP2545212Y2 (ja) | カートリッジ式固形化粧料の繰出容器 | |
JP4111741B2 (ja) | 棒状化粧料容器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060411 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20090803 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090818 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091013 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091110 |