JP2005021171A - ヒト毛芽の活性化作用の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度が高く、かつ簡便で、しかも短期間で、毛芽が活性化されることによる、毛周期における成長期の誘導効果(新毛の新生)を、in vitroで検出する手段を提供すること。
【解決手段】ヒト毛芽細胞の活性化作用を間接的に証明する方法として、毛芽類似細胞を培養培地に接種し、被験物質の存在下で、この培養培地を培養することにより発生する毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の幼若度を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作用を検出する、ヒト毛芽の活性化作用の検出方法を提供することで、上記の課題を解決し得ることを見出した。
【選択図】 なし
【解決手段】ヒト毛芽細胞の活性化作用を間接的に証明する方法として、毛芽類似細胞を培養培地に接種し、被験物質の存在下で、この培養培地を培養することにより発生する毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の幼若度を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作用を検出する、ヒト毛芽の活性化作用の検出方法を提供することで、上記の課題を解決し得ることを見出した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、育毛作用に関連する現象の検出方法に関する発明である。さらに具体的には、本願発明は、ヒト毛芽の活性化作用をin vitroで検出するための、ヒト毛芽の活性化作用の検出方法に関する発明である。
高齢化社会、ストレス社会といわれる現代社会では、頭部毛髪が様々な原因により、脱毛の危機にさらされる機会がますます多くなってきている。これに対応して、より優れた「育毛剤」を提供すべく、様々な試みがなされている。しかしながら、このような試みにもかかわらず、従来の養毛剤では、その脱毛防止,発毛効果等の育毛作用は、必ずしも十分なものではなかった。これは、おそらく脱毛の原因が様々であり、また、発毛の機構も非常に複雑であるためと、考えられている。今まで提供されている育毛剤は、脱毛を比較的大雑把な概念、言い換えれば漫然と「脱毛」という現象のみを捉えて開発されており、そのメカニズムにまで突っ込んで開発されたものは決して多くない。
仮に、その作用点が明らかにされた育毛剤が開発されれば、より明確な形で、症状等に応じて育毛剤を選択又は組み合わせて、脱毛等を防止することが可能であり、より効果的なヘアケアを行うことが可能になる。
最近、育毛に密接に関連する、毛髪の新生に関して、画期的な事実が明らかになった。すなわち、1)マウス毛包の休止期から成長期の初期にかけて、毛乳頭の上部に接する毛包上皮系細胞部位(毛芽)が活性化されること、及び、2)活性化された毛芽の部位の細胞が分裂増殖し、毛乳頭を包み込みながら毛母細胞に分化し、毛髪を新生することが明らかになり〔Silver,A.F.andChase,H.B.,Develop.Biol.21:440-451(1970) 、Tezuka,M.,Ito,K.,Tazawa,T.andSato,Y.,J.Dermatol.Sci.2:434-443(1991)〕、毛髪の新生が行われるためには、毛芽の活性化が必要であることが明らかになっている。また、ヒト毛包においても、初期成長期の毛芽部位の細胞が活性化され、盛んに細胞分裂が認められることを、本発明者らは確認した。
毛芽の活動の活性化を促進させ得る毛芽活性化剤が提供され、さらに、この毛芽活性化剤を用いた育毛手段が提供されれば、育毛に関して、より明確な作用点を有する画期的な技術が確立することになる。
故に、この毛芽活性化作用を有する成分を見出して、これを有効成分とする、毛芽活性化剤を提供することが、産業界における重要な課題の一つである。しかしながら、この毛芽活性化作用を有する成分を見出すことは、その活性化作用を検出する手段が確立されない限り、困難であるが、現状では、ヒトin vivo で毛芽の活性化を直接観察することは困難であり、ヒト毛芽細胞そのものの培養法も、未だ確立されていない。
すなわち、本発明が解決すべき課題は、先ず、in vitroで、ヒトの毛芽活性化作用を検出する手段を見出すことにある。
本発明者は、上記の課題の解決に向けて、鋭意検討を重ねた。その結果、ヒト毛芽細胞の活性化作用を間接的に証明する方法として、ヒト毛芽類似細胞を用いることによって、in vitroで、ヒトの毛芽活性化作用を検出する方法を見出した。さらに、この検出方法を用いてスクリーニングされた、ヒトの毛芽を活性化させる作用を有する物質を見出し、この物質を含む、ヒト毛芽活性化剤を提供するに至った。
すなわち、本発明は、毛芽類似細胞を培養培地に接種し、被験物質の存在下で、この培養培地を培養することにより発生する毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の幼若度を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作用を検出する、ヒト毛芽の活性化作用の検出方法(以下、本発明検出方法ともいう)を提供する発明である。なお、本発明において「育毛」とは、主に美容目的から、毛髪の維持ないし成長を図る概念である。
本発明により、精度が高く、かつ簡便で、しかも短期間で、毛芽が活性化されることによる、毛周期におけう成長期の誘導効果(新毛の新生)を、in vitroで検出する手段が提供される。
本発明検出方法は、毛芽類似細胞を培養培地に播種し、被験物質の存在下で、この培養培地を培養する工程を含む方法である。毛芽類似細胞は、毛芽に類似した生物学的な挙動を示す、ヒトに代表される動物由来細胞のことを意味する。
かかる毛芽類似細胞としては、例えば、ヒト外毛根鞘由来の幼若細胞、ヒト成長期毛包マトリクス部位由来細胞、ヒト休止期毛包毛芽部由来細胞等を挙げることができる。
外毛根鞘由来の細胞については、1)毛芽は、組織学的にはヒト外毛根鞘に由来するという、有力な仮説がある(諸橋正昭,高橋省三,フレグランスジャーナル,5:66−72(1989))こと、2)毛包から単離した円筒状の外毛根鞘の筒内に毛乳頭を挿入し、毛の生えることのない、マウスの腎臓被膜下に、これを移植すると、毛包が誘導されること(Koji Kobayashi,Ph.D.,and Eiichi Nishimura,B.S.,JInvest Dermatol 92:278-282(1989)) 等から、ヒト外毛根鞘由来の幼若細胞は、毛芽部位の細胞と類似の性質を有することが考えられ、本発明検出方法において用いる、毛芽類似細胞として好適である。
ヒト外毛根鞘由来の幼若細胞の調製方法は、後述する実施例において、具体的に記載する。さらに、ヒト成長期毛包マトリクス部位由来細胞や、ヒト休止期毛包毛芽部由来細胞も、毛芽類似細胞として選択するのに好ましい細胞である。
毛芽類似細胞を培養するための培養培地は、選択した毛芽類似細胞が生育可能な組成の培地であるかぎり、特に限定されない。具体的には、Keratiocyte-SFM培地(GIBCO社製)等を例示することができる。ただし、本発明検出方法が、毛芽類似細胞により形成され得るコロニーの状態を特定する検出方法であることから、コロニーを形成可能な培養器と、培地の組み合わせで用いるのが好ましい。培養条件も、毛芽類似細胞が生育可能な培養条件であれば、特に限定されるものではない(ただし、通常は、5%CO2 下で37℃において培養される)。
被験物質は、初代培養の毛芽類似細胞に対して接触させることも可能であるが、通常は、継代培養を行った毛芽類似細胞に対して接触させる。被験物質と毛芽類似細胞との接触方法は、前培養した毛芽類似細胞を、被験物質を含む培養培地に移植する方法や、被験物質を含まない培養培地で洗浄後、被験物質を含む培養培地に置換する方法等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、本発明検出方法は、上記の毛芽類似細胞を培養することにより発生する、毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の幼若度を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作用を検出する方法である:
培養培地において、毛芽類似細胞のコロニーが認められるか否かは、被験物質が、ヒト毛芽の活性化作用を有するか否かの極めて重要な指標となる。すなわち、培養培地上にコロニーが認められなければ、その被験物質の存在下で、毛芽類似細胞には、細胞分裂能力が認められず、この毛芽類似細胞は、角化が進行しており、活性化されていないことが示される。
培養培地において、毛芽類似細胞のコロニーが認められるか否かは、被験物質が、ヒト毛芽の活性化作用を有するか否かの極めて重要な指標となる。すなわち、培養培地上にコロニーが認められなければ、その被験物質の存在下で、毛芽類似細胞には、細胞分裂能力が認められず、この毛芽類似細胞は、角化が進行しており、活性化されていないことが示される。
逆に、培養培地上にコロニーが認められれば、その被験物質の存在下で、毛芽類似細胞には、細胞分裂能力が認められ、この毛芽類似細胞は、未だ未分化の状態であり、活性化した状態であることが認められる。
毛芽類似細胞のコロニーが、相対的に数多く認められる場合は、被験物質に、幼若な毛芽類似細胞の分裂増殖促進効果が認められ、結果として、その被験物質が、毛芽細胞の活性化作用に優れる物質であることが明らかになる。
毛芽細胞の活性化作用に優れるということは、毛髪サイクルの休止期にあり、細胞増殖を停止している毛芽を活性化して、細胞分裂を促進させ、毛髪サイクルの成長期へ行こうさせるのに優れているということ、すなわち、新たな毛髪を新生させる作用に優れることを、上述した毛髪新生のメカニズムにおいて意味するものである。
なお、上記の培養培地上のコロニーの数は、例えば、ギムザ染色等の公知の染色法で、各コロニーを染色して、これを計数することにより、把握することが可能である。また、この計数は、直接目視で行うことも可能であるが、必要に応じて、画像処理ソフト等を用いて、コンピュータディスプレイにおいて、計数することも可能である。
また、上記の染色方法として、特定の染色方法を選択することにより、コロニーを形成する毛芽類似細胞の分化の程度を把握することも可能である。例えば、パパニコロ染色法等や、サイトケラチンや表面抗原等を用いた免疫染色法等を用いることにより、毛芽類似細胞の分化の程度や形質を把握することが可能であり、単に、分裂増殖能力を評価の指標とするばかりではなく、細胞の形質に与える被験物質による影響を把握することが可能である点において、有益である。
さらに、コロニーの形態を詳細に把握することによっても、毛芽類似細胞の分化の程度を把握することが可能である。このようにして、毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の分化の程度や形質を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作用を検出することが可能である。
上記の本発明検出方法により、ヒト毛芽の活性化作用が認められた成分は、毛芽活性化剤の有効成分となり得る。
かかる有効成分として、上記式(I)で表されるジメチルアミンオキシド(デシル−テトラデシル−ジメチルアミンオキシドが挙げられる。このジメチルアミンオキシド(I)は、通常公知のアミンオキシドの製造方法に従って製造することができる。その一例を示せば、概ね以下の工程に従って製造することができる。
通常、このように製造したジメチルアミンオキシド(I)は、再結晶法等の通常公知の精製法による精製工程を経て毛芽活性化剤中に配合される。
毛芽活性化剤におけるこのジメチルアミンオキシド(I)の配合量は、剤全体に対して0.0001重量%〜20.0重量%が好ましく、同0.05重量%〜5.0重量%が特に好ましい。
この配合量が剤全体に対して0.0001重量%未満では、十分な毛芽活性化作用を発揮することができず好ましくなく、同20.0重量%を超えて配合すると、使用上、頭皮に不快なべたつき感や刺激感を与える傾向が顕著になり、あまり好ましくない。
このようにして、ジメチルアミンオキシド(I)が有効成分として配合されている毛芽活性化剤が提供される。また、この毛芽活性化剤中には、この必須成分の他に、所期の効果を損なわない限り、他の基剤成分等を配合することができる。特に、通常の養毛剤の有効成分として配合されている、一般的な養毛成分と組み合わせて用いることで、毛芽活性化作用を主とした、一層の養毛効果を発揮することが可能である。
例えば、セリン,メチオニン,アルギニン等のアミノ酸類;ビオチン、ビタミンB6 等のビタミン類;パントテン酸若しくはその誘導体;グリチルレチン酸若しくはその誘導体;エストラジオール等の女性ホルモン等を本発明毛芽活性化剤中に配合することもできる。
また、通常、養毛料に配合される植物抽出物、例えばアルテア抽出物,ヨクイニン抽出物,ペパーミント抽出物,ヨウテイ抽出物,トウガラシ抽出物,アロエ抽出物,クコ抽出物,ヨモギ抽出物,イネ抽出物,マンケイシ抽出物,マンネンロウ抽出物,コッサイホ抽出物,エニシダ抽出物,リンドウ抽出物,タンジン抽出物,ヘチマ抽出物,キキョウ抽出物,マツ抽出物,クジン抽出物,トウキ抽出物,ベニバナ抽出物,メギ抽出物,ビンロウジ抽出物,ユーカリ抽出物,カゴソウ抽出物,モクソウ抽出物,ゴシツ抽出物,サイコ抽出物,チャ抽出物,カンゾウ抽出物,ホップ抽出物,キク抽出物,セネガ抽出物,ゴマ抽出物,センキュウ抽出物,カシュウ抽出物,カッコン抽出物,マイカイカ抽出物,サフラン抽出物,ローズマリー抽出物,ジオウ抽出物,ゼニアオイ抽出物等を本発明毛芽活性化剤に配合することができる。
また、乳酸若しくはそのアルキルエステル等;クエン酸等の有機酸類;トラネキサム酸等のプロテアーゼ阻害剤;オリーブ油,スクワラン,流動パラフィン,イソプロピルミリステート,高級脂肪酸,高級アルコール等の油分;グリセリン,プロピレングリコール等の多価アルコール;その他界面活性剤,保湿剤,増粘剤,香料,酸化防止剤,紫外線吸収剤,抗菌剤,清涼剤,色素,エタノール,水等を本発明の所期の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
上記毛芽活性化剤の形態は、液状,乳液,軟膏,クリーム,ゲル,エアゾール等、外皮に適用可能な性状のものであれば問われるものではなく、必要に応じて適宜基剤成分等を配合して、所望する製品形態の毛芽活性化剤を調製することができる。また、当該毛芽活性化剤は、医薬品,医薬部外品又は化粧料等の多様な分野において適用可能である。
毛芽活性化剤は、例えば脱毛の治療や予防に用いることが可能であり、例えば男性性脱毛症の治療や予防、女性に多いびまん性脱毛症の治療や予防、円形脱毛症の治療等に広く用いることができる。ただし、ここに示した目的は例示であり、これらの目的に毛芽活性化剤の適用可能な疾患が限定されるものではない。
上記毛芽活性化剤は、概ね皮膚に直接塗布又は散布する等の経皮投与により投与される。そして、当該毛芽活性化剤の投与量は、年齢,脱毛の程度等の個人差やその製剤形態に応じて適宜決定されるべきものである。
上記毛芽活性化剤を、頭皮に投与して、毛髪の新生を促進させることにより、毛髪を養生することが可能であり、かかる意味から、上述の本発明育毛方法が提供される。なお、本発明育毛方法は、主に美容目的に用いられる。
以下、実施例等により本発明をより具体的に説明するが、これらの実施例等により本発明の技術的範囲が限定されるべきものではない。まず、本発明検出方法について説明する。
本発明検出方法
外科手術の副産物として得られた、ヒト男性の頭皮から、毛周期における成長期の毛包を、実体顕微鏡で機械的に採取し、角化帯以下及び皮脂腺開口部以上を切除した。この成長期の毛包を、1000U/mL dispase・0.2%コラゲナーゼを含む、ダルベッコの改変MEM(DMEM)で、30分間,37℃で処理し、注射針の先を用いて、dermal sheath やdermal papilla、毛球部上皮組織を除去して、0.05%トリプシン−0.02%EDTAを含むリン酸緩衝液〔PBS(−):(−)とは、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを含まない意味である〕で、5分間,37℃で処理した。
外科手術の副産物として得られた、ヒト男性の頭皮から、毛周期における成長期の毛包を、実体顕微鏡で機械的に採取し、角化帯以下及び皮脂腺開口部以上を切除した。この成長期の毛包を、1000U/mL dispase・0.2%コラゲナーゼを含む、ダルベッコの改変MEM(DMEM)で、30分間,37℃で処理し、注射針の先を用いて、dermal sheath やdermal papilla、毛球部上皮組織を除去して、0.05%トリプシン−0.02%EDTAを含むリン酸緩衝液〔PBS(−):(−)とは、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを含まない意味である〕で、5分間,37℃で処理した。
次に、コラーゲン(Type I)でコーティングした培養皿に毛包を静置し、外殖片培養を行った。なお、この際の培地は、無血清培地(Keratinocyte-SFM) を用いた。この培養の4〜5日後に、毛包の培養皿への接着及び細胞の増殖が確認できた時点で培地を交換し、これ以降、2日置きに培地交換を行った。このようにして増殖させた細胞を、0.05%トリプシン−0.02%EDTAで、37℃で5分間処理した後、等量の0.1%トリプシンインヒビターで、反応を停止させ、遠心分離(800×g,5分間)を施して、細胞を回収した。
次に、細胞を上記の無血清培地に浮遊させて、5000cells/cm2 の細胞密度で、コラーゲンコーティング(Type I)した培養皿に播種し、3〜4日間培養した後、再び0.05トリプシン−0.02%EDTAで、37℃で5分間処理した後、等量の0.1%トリプシンインヒビターで、反応を停止させ、遠心分離(800×g,5分間)を施して、細胞を回収した。
回収した細胞を、上記の無血清培地に浮遊させ、生細胞密度を、血球算定板で厳密に算出した後、100cells/60mmΦのプレート密度で播種し、再び37℃,5%CO2 下で2日間培養した。培養終了後、細胞を新鮮培地で洗浄後、薬剤(下記(a)〜(c))添加培地に置換し、37℃,5%CO2 下で、3〜4日置きに、新鮮な薬剤添加培地で交換しながら、さらに10日間培養した。
その後、細胞をメタノールで固定した上で、ギムザ染色し、染色済プレートをスキャナで読み取り、読み取り画像をコンピュータディスプレー上に写し、コロニー数を計測した。
なお、用いた薬剤は、(a)ジメチルアミンオキシド(I):濃度:0.02〜200μg/mL(0,0.02,0.2,2.0,20.0,200.0μg/mL)
この(a)についての結果は、第1図において示した。
この(a)についての結果は、第1図において示した。
第1図に示した結果により、ジメチルアミンオキシド(I)の濃度が、0.2μg/mLの場合に、コロニー数が最大になることが明らかになった。この濃度以降、ジメチルアミンオキシド(I)の濃度を増加させても、コロニー数は、減少した。
(b)サイクロスポリンA(和光純薬工業(株)製):濃度:0.02〜10μg/mL(0,0.01,0.1,1.0,10.0μg/mL)
この(b)の結果については、第2図において示した。
この(b)の結果については、第2図において示した。
第2図に示した結果により、サイクロスポリンAの濃度が、0.01μg/mLの場合に、コロニー数が最大になることが明らかになった。この濃度以降、サイクロスポリンAの濃度を増加させても、コロニー数は、減少した。
(c)以下の組成の毛芽活性化剤(ローション):
(組成) (重量%)
95%エタノール 55.0
ジメチルアミンオキシド(I) 1.0
パントテニルエチルエーテル 1.0
1,3−ブチレングリコール 1.5
POE硬化ヒマシ油(60モル付加) 1.0
コハク酸 適 量
香料及び色素 適 量
精製水 残 量
<製法>95%エタノールに、ジメチルアミンオキシド(I)を溶解させ、パントテニルエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール,POE硬化ヒマシ油(60モルふか)及び香料を溶解させた。次に、精製水に、コハク酸及び色素を溶解させ、上記のエタノール部に加えた後、攪拌させ、透明液状のローションを得た。
(組成) (重量%)
95%エタノール 55.0
ジメチルアミンオキシド(I) 1.0
パントテニルエチルエーテル 1.0
1,3−ブチレングリコール 1.5
POE硬化ヒマシ油(60モル付加) 1.0
コハク酸 適 量
香料及び色素 適 量
精製水 残 量
<製法>95%エタノールに、ジメチルアミンオキシド(I)を溶解させ、パントテニルエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール,POE硬化ヒマシ油(60モルふか)及び香料を溶解させた。次に、精製水に、コハク酸及び色素を溶解させ、上記のエタノール部に加えた後、攪拌させ、透明液状のローションを得た。
上記ローションの濃度:0,0.1,1.0,10.0,100,1000ppm
第3図に示した結果により、上記ローションを、0.1〜10.0ppm 含む場合に、コロニー数が最大になることが明らかになった。この濃度以降、上記ローションの量を増加させても、コロニー数は、減少する傾向にあった。
第3図に示した結果により、上記ローションを、0.1〜10.0ppm 含む場合に、コロニー数が最大になることが明らかになった。この濃度以降、上記ローションの量を増加させても、コロニー数は、減少する傾向にあった。
さらに、上記の毛芽活性化剤であるローションについて、トリコグラム試験を行った。
すなわち、24名の男性被験者を用い、試験期間を2ヵ月間として、試料の塗布期間には、上記ローションを1日2回、1回につき、2〜4mLを頭皮に塗布した。塗布開始直前及び2ヵ月塗布終了後に、被験者1名につき、頭頂部から無作為に終毛をそれぞれ50本ずつ抜去し、抜去毛の毛根を顕微鏡下で観察し、毛根の状態から、休止期毛率(%)を計算した。
結果を第4図に示す。第4図の結果より、毛芽活性化剤の塗布により、毛髪における休止期毛の比率が、有意に減少することが明らかになった。
以上述べた結果により、本発明検出方法を用いると、簡便かつ的確に、被験物質の毛芽類似細胞の活性化の有無及び強弱の双方又は一方を特定することが可能であり、その物質の毛周期における休止期毛を、成長期に移行させる効果を、in vitroで検定することが可能であることが明らかになった。
また、本発明検出方法により選出された薬剤を含む組成物が、ヒトトリコグラム試験において、休止期毛率を有意に低下させたことにより、in vivo における状態を反映した検出法であることが明らかになった。
Claims (1)
- 毛芽類似細胞を培養培地に接種し、被験物質の存在下で、この培養培地を培養することにより発生する毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の幼若度を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作用を検出する、ヒト毛芽の活性化作用の検出方法。
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