JPH11343216A - ヒト毛芽活性化剤及びヒト毛芽の活性化作用の検出方法 - Google Patents

ヒト毛芽活性化剤及びヒト毛芽の活性化作用の検出方法

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JPH11343216A
JPH11343216A JP16297398A JP16297398A JPH11343216A JP H11343216 A JPH11343216 A JP H11343216A JP 16297398 A JP16297398 A JP 16297398A JP 16297398 A JP16297398 A JP 16297398A JP H11343216 A JPH11343216 A JP H11343216A
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hair
cells
bud
human
human hair
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JP16297398A
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Inventor
Takayuki Arai
孝之 荒井
Masahiro Tajima
正裕 田島
Yoshiharu Tsuji
義春 辻
Masaaki Uemura
雅明 植村
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】精度が高く、かつ簡便で、しかも短期間で、毛
芽が活性化されることによる、毛周期における成長期の
誘導効果(新毛の新生)を、in vitroで検出する手段、
及びこの検出手段により検出される毛芽活性化作用を有
する、ヒト毛芽活性化剤を提供すること。 【解決手段】ヒト毛芽細胞の活性化作用を間接的に証明
する方法として、毛芽類似細胞を培養培地に接種し、被
験物質の存在下で、この培養培地を培養することにより
発生する毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定すること
により、毛芽類似細胞の幼若度を把握して、被験薬剤に
よるヒト毛芽の活性化作用を検出する、ヒト毛芽の活性
化作用の検出方法、並びにこの検出方法によりヒト毛芽
の活性化作用が認められた、特定のジメチルアミンオキ
シドを有効成分とする、ヒト毛芽活性化剤を提供するこ
とで、上記の課題を解決し得ることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育毛剤に関連する
技術分野の発明である。より詳細には、ヒトの毛芽を活
性化することにより、毛髪の新生を促進することが可能
な、ヒト毛芽活性化剤、さらにはこのヒト毛芽の活性化
作用をin vitroで検出するための、ヒト毛芽の活性化作
用の検出方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会、ストレス社会といわれる現
代社会では、頭部毛髪が様々な原因により、脱毛の危機
にさらされる機会がますます多くなってきている。これ
に対応して、より優れた「育毛剤」を提供すべく、様々
な試みがなされいている。しかしながら、このような試
みにもかかわらず、従来の養毛剤では、その脱毛防止,
発毛効果等の育毛作用は、必ずしも十分なものではなか
った。これは、おそらく脱毛の原因が様々であり、ま
た、発毛の機構も非常に複雑であるためと、考えられて
いる。今まで提供されている育毛剤は、脱毛を比較的大
雑把な概念、言い換えれば漫然と「脱毛」という現象の
みを捉えて開発されており、そのメカニズムにまで突っ
込んで開発されたものは決して多くない。
【0003】仮に、その作用点が明らかにされた育毛剤
が開発されれば、より明確な形で、症状等に応じて育毛
剤を選択又は組み合わせて、脱毛等を防止することが可
能であり、より効果的なヘアケアを行うことが可能にな
る。そこで、より明確かつ特徴的な育毛作用を有する成
分を見出し、かかる成分を用いた育毛手段を提供するこ
とが、産業界で求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近、育毛に密接に関
連する、毛髪の新生に関して、画期的な事実が明らかに
なった。すなわち、マウス毛包の休止期から成長期の
初期にかけて、毛乳頭の上部に接する毛包上皮系細胞部
位(毛芽)が活性化されること、及び活性化された毛
芽の部位の細胞が分裂増殖し、毛乳頭を包み込みながら
毛母細胞に分化し、毛髪を新生することが明らかになり
〔Silver,A.F.and Chase,H.B.,Develop.Biol.21:440-45
1(1970) 、Tezuka,M.,Ito,K.,Tazawa,T.and Sato,Y.,J.
Dermatol.Sci.2:434-443(1991)〕、毛髪の新生が行われ
るためには、毛芽の活性化が必要であることが明らかに
なっている。また、ヒト毛包においても、初期成長期の
毛芽部位の細胞が活性化され、盛んに細胞分裂が認めら
れることを、本発明者らは確認した。
【0005】毛芽の活動の活性化を促進させ得る、毛芽
活性化剤が提供され、さらに、この毛芽活性化剤を用い
た育毛手段が提供されれば、育毛に関して、より明確な
作用点を有する画期的な技術が確立することになる。
【0006】故に、この毛芽活性化作用を有する成分を
見出して、これを有効成分とする、毛芽活性化剤を提供
することが、本発明の最も重要な主題の一つである。し
かしながら、この毛芽活性化作用を有する成分を見出す
ことは、その活性化作用を検出する手段が確立されない
限り、困難である。現状では、ヒトin vivo で毛芽の活
性化を直接観察することは困難であり、ヒト毛芽細胞そ
のものの培養法も、未だ確立されていない。
【0007】すなわち、本発明が解決すべき課題は、先
ず、in vitroで、ヒトの毛芽活性化作用を検出する手段
を見出し、この検出手段を用いて、ヒトの毛芽を活性化
する作用を有する成分をスクリーニングし、この成分を
有効成分とする、ヒト毛芽活性化剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
の解決に向けて、鋭意検討を重ねた。その結果、ヒト毛
芽細胞の活性化作用を間接的に証明する方法として、ヒ
ト毛芽類似細胞を用いることによって、in vitroで、ヒ
トの毛芽活性化作用を検出する方法を見出し、さらに、
この検出方法を用いてスクリーニングされた、ヒトの毛
芽を活性化させる作用を有する物質を見出し、この物質
を含む、ヒト毛芽活性化剤を提供するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、毛芽類似細胞を培養
培地に接種し、被験物質の存在下で、この培養培地を培
養することにより発生する毛芽類似細胞のコロニーの状
態を特定することにより、毛芽類似細胞の幼若度を把握
して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作用を検出す
る、ヒト毛芽の活性化作用の検出方法(以下、本発明検
出方法ともいう)を提供し、
【0010】さらに、この検出方法によりスクリーニン
グされた、以下の式:
【化2】
【0011】で表されるアミンオキシドを有効成分とす
るヒト毛芽活性化剤(以下、本発明毛芽活性化剤ともい
う)、及びこのヒト毛芽活性化剤を用いる育毛方法(以
下、本発明育毛方法ともいう)が提供される。なお、本
発明において「育毛」とは、主に美容目的から、毛髪の
維持ないし成長を図る概念である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 A.本発明検出方法について:本発明検出方法は、毛芽
類似細胞を培養培地に播種し、被験物質の存在下で、こ
の培養培地を培養する工程を含む方法である:毛芽類似
細胞は、毛芽に類似した生物学的な挙動を示す、ヒトに
代表される動物由来細胞のことを意味する。
【0013】かかる毛芽類似細胞としては、例えば、ヒ
ト外毛根鞘由来の幼若細胞、ヒト成長期毛包マトリクス
部位由来細胞、ヒト休止期毛包毛芽部由来細胞等を挙げ
ることができる。
【0014】外毛根鞘由来の細胞については、毛芽
は、組織学的にはヒト外毛根鞘に由来するという、有力
な仮説がある(諸橋正昭,高橋省三,フレグランスジャ
ーナル,5:66−72(1989))こと、毛包か
ら単離した円筒状の外毛根鞘の筒内に毛乳頭を挿入し、
毛の生えることのない、マウスの腎臓被膜下に、これを
移植すると、毛包が誘導されること(Koji Kobayashi,P
h.D.,and Eiichi Nishimura,B.S.,J Invest Dermatol 9
2:278-282(1989)) 等から、ヒト外毛根鞘由来の幼若細
胞は、毛芽部位の細胞と類似の性質を有することが考え
られ、本発明検出方法において用いる、毛芽類似細胞と
して好適である。
【0015】ヒト外毛根鞘由来の幼若細胞の調製方法
は、後述する実施例において、具体的に記載する。さら
に、ヒト成長期毛包マトリクス部位由来細胞や、ヒト休
止期毛包毛芽部由来細胞も、毛芽類似細胞として選択す
るのに好ましい細胞である。
【0016】毛芽類似細胞を培養するための培養培地
は、選択した毛芽類似細胞が生育可能な組成の培地であ
るかぎり、特に限定されない。具体的には、Keratiocyt
e-SFM培地(GIBCO社製)等を例示することができ
る。ただし、本発明検出方法が、毛芽類似細胞により形
成され得るコロニーの状態を特定する検出方法であるこ
とから、コロニーを形成可能な培養器と、培地の組み合
わせで用いるのが好ましい。培養条件も、毛芽類似細胞
が生育可能な培養条件であれば、特に限定されるもので
はない(ただし、通常は、5%CO2 下で37℃におい
て培養される)。
【0017】被験物質は、初代培養の毛芽類似細胞に対
して接触させることも可能であるが、通常は、継代培養
を行った毛芽類似細胞に対して接触させる。被験物質と
毛芽類似細胞との接触方法は、前培養した毛芽類似細胞
を、被験物質を含む培養培地に移植する方法や、被験物
質を含まない培養培地で洗浄後、被験物質を含む培養培
地に置換する方法等を例示することができるが、これら
に限定されるものではない。
【0018】さらに、本発明検出方法は、上記の毛芽類
似細胞を培養することにより発生する、毛芽類似細胞の
コロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の
幼若度を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の活性化作
用を検出する方法である:
【0019】培養培地において、毛芽類似細胞のコロニ
ーが認められるか否かは、被験物質が、ヒト毛芽の活性
化作用を有するか否かの極めて重要な指標となる。すな
わち、培養培地上にコロニーが認められなければ、その
被験物質の存在下で、毛芽類似細胞には、細胞分裂能力
が認められず、この毛芽類似細胞は、角化が進行してお
り、活性化されていないことが示される。
【0020】逆に、培養培地上にコロニーが認められれ
ば、その被験物質の存在下で、毛芽類似細胞には、細胞
分裂能力が認められ、この毛芽類似細胞は、未だ未分化
の状態であり、活性化した状態であることが認められ
る。
【0021】毛芽類似細胞のコロニーが、相対的に数多
く認められる場合は、被験物質に、幼若な毛芽類似細胞
の分裂増殖促進効果が認められ、結果として、その被験
物質が、毛芽細胞の活性化作用に優れる物質であること
が明らかになる。
【0022】毛芽細胞の活性化作用に優れるということ
は、毛髪サイクルの休止期にあり、細胞増殖を停止して
いる毛芽を活性化して、細胞分裂を促進させ、毛髪サイ
クルの成長期へ行こうさせるのに優れているというこ
と、すなわち、新たな毛髪を新生させる作用に優れるこ
とを、上述した毛髪新生のメカニズムにおいて意味する
ものである。
【0023】なお、上記の培養培地上のコロニーの数
は、例えば、ギムザ染色等の公知の染色法で、各コロニ
ーを染色して、これを計数することにより、把握するこ
とが可能である。また、この計数は、直接目視で行うこ
とも可能であるが、必要に応じて、画像処理ソフト等を
用いて、コンピュータディスプレイにおいて、計数する
ことも可能である。
【0024】また、上記の染色方法として、特定の染色
方法を選択することにより、コロニーを形成する毛芽類
似細胞の分化の程度を把握することも可能である。例え
ば、パパニコロ染色法等や、サイトケラチンや表面抗原
等を用いた免疫染色法等を用いることにより、毛芽類似
細胞の分化の程度や形質を把握することが可能であり、
単に、分裂増殖能力を評価の指標とするばかりではな
く、細胞の形質に与える被験物質による影響を把握する
ことが可能である点において、有益である。
【0025】さらに、コロニーの形態を詳細に把握する
ことによっても、毛芽類似細胞の分化の程度を把握する
ことが可能である。このようにして、毛芽類似細胞のコ
ロニーの状態を特定することにより、毛芽類似細胞の分
化の程度や形質を把握して、被験薬剤によるヒト毛芽の
活性化作用を検出することが可能である。
【0026】B.本発明毛芽活性化剤 本発明毛芽活性化剤の有効成分は、上記の本発明検出方
法により、ヒト毛芽の活性化作用が認められた成分であ
る。
【0027】かかる有効成分として、上記式(I)で表
されるジメチルアミンオキシド(デシル−テトラデシル
−ジメチルアミンオキシドが挙げられる。このジメチル
アミンオキシド(I)は、通常公知のアミンオキシドの
製造方法に従って製造することができる。その一例を示
せば、概ね以下の工程に従って製造することができる。
【0028】
【化3】
【0029】通常、このように製造したジメチルアミン
オキシド(I)は、再結晶法等の通常公知の精製法によ
る精製工程を経て、本発明毛芽活性化剤中に配合され
る。
【0030】本発明毛芽活性化剤におけるこのジメチル
アミンオキシド(I)の配合量は、剤全体に対して0.
0001重量%〜20.0重量%が好ましく、同0.0
5重量%〜5.0重量%が特に好ましい。
【0031】この配合量が剤全体に対して0.0001
重量%未満では、十分な毛芽活性化作用を発揮すること
ができず好ましくなく、同20.0重量%を超えて配合
すると、使用上、頭皮に不快なべたつき感や刺激感を与
える傾向が顕著になり、あまり好ましくない。
【0032】このようにして、ジメチルアミンオキシド
(I)が有効成分として配合されている、本発明毛芽活
性化剤が提供される。また、本発明毛芽活性化剤中に
は、この必須成分の他に、本発明の所期の効果を損なわ
ない限り、他の基剤成分等を配合することができる。特
に、通常の養毛剤の有効成分として配合されている、一
般的な養毛成分と組み合わせて用いることで、毛芽活性
化作用を主とした、一層の養毛効果を発揮することが可
能である。
【0033】例えば、セリン,メチオニン,アルギニン
等のアミノ酸類;ビオチン、ビタミンB6 等のビタミン
類;パントテン酸若しくはその誘導体;グリチルレチン
酸若しくはその誘導体;エストラジオール等の女性ホル
モン等を本発明毛芽活性化剤中に配合することもでき
る。
【0034】また、通常、養毛料に配合される植物抽出
物、例えばアルテア抽出物,ヨクイニン抽出物,ペパー
ミント抽出物,ヨウテイ抽出物,トウガラシ抽出物,ア
ロエ抽出物,クコ抽出物,ヨモギ抽出物,イネ抽出物,
マンケイシ抽出物,マンネンロウ抽出物,コッサイホ抽
出物,エニシダ抽出物,リンドウ抽出物,タンジン抽出
物,ヘチマ抽出物,キキョウ抽出物,マツ抽出物,クジ
ン抽出物,トウキ抽出物,ベニバナ抽出物,メギ抽出
物,ビンロウジ抽出物,ユーカリ抽出物,カゴソウ抽出
物,モクソウ抽出物,ゴシツ抽出物,サイコ抽出物,チ
ャ抽出物,カンゾウ抽出物,ホップ抽出物,キク抽出
物,セネガ抽出物,ゴマ抽出物,センキュウ抽出物,カ
シュウ抽出物,カッコン抽出物,マイカイカ抽出物,サ
フラン抽出物,ローズマリー抽出物,ジオウ抽出物,ゼ
ニアオイ抽出物等を本発明毛芽活性化剤に配合すること
ができる。
【0035】また、乳酸若しくはそのアルキルエステル
等;クエン酸等の有機酸類;トラネキサム酸等のプロテ
アーゼ阻害剤;オリーブ油,スクワラン,流動パラフィ
ン,イソプロピルミリステート,高級脂肪酸,高級アル
コール等の油分;グリセリン,プロピレングリコール等
の多価アルコール;その他界面活性剤,保湿剤,増粘
剤,香料,酸化防止剤,紫外線吸収剤,抗菌剤,清涼
剤,色素,エタノール,水等を本発明の所期の効果を損
なわない範囲で適宜配合することができる。
【0036】本発明毛芽活性化剤の形態は、液状,乳
液,軟膏,クリーム,ゲル,エアゾール等、外皮に適用
可能な性状のものであれば問われるものではなく、必要
に応じて適宜基剤成分等を配合して、所望する製品形態
の本発明毛芽活性化剤を調製することができる。また、
本発明毛芽活性化剤は、医薬品,医薬部外品又は化粧料
等の多様な分野において適用可能である。
【0037】本発明毛芽活性化剤は、例えば脱毛の治療
や予防に用いることが可能であり、例えば男性性脱毛症
の治療や予防、女性に多いびまん性脱毛症の治療や予
防、円形脱毛症の治療等に広く用いることができる。た
だし、ここに示した目的は例示であり、これらの目的に
本発明毛芽活性化剤の適用可能な疾患が限定されるもの
ではない。
【0038】本発明毛芽活性化剤は、概ね皮膚に直接塗
布又は散布する等の経皮投与により投与される。そし
て、本発明頭髪用化粧料の投与量は、年齢,脱毛の程度
等の個人差やその製剤形態に応じて適宜決定されるべき
ものである。
【0039】本発明毛芽活性化剤を、頭皮に投与して、
毛髪の新生を促進させることにより、毛髪を養生するこ
とが可能であり、かかる意味から、上述の本発明育毛方
法が提供される。なお、本発明育毛方法は、主に美容目
的に用いられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例等により本発明をより具体的に
説明するが、これらの実施例等により本発明の技術的範
囲が限定されるべきものではない。まず、本発明検出方
法について説明する。
【0041】本発明検出方法 外科手術の副産物として得られた、ヒト男性の頭皮か
ら、毛周期における成長期の毛包を、実体顕微鏡で機械
的に採取し、角化帯以下及び皮脂腺開口部以上を切除し
た。この成長期の毛包を、1000U/mL dispase・0.
2%コラゲナーゼを含む、ダルベッコの改変MEM(D
MEM)で、30分間,37℃で処理し、注射針の先を
用いて、dermal sheath やdermal papilla、毛球部上皮
組織を除去して、0.05%トリプシン−0.02%E
DTAを含むリン酸緩衝液〔PBS(−):(−)と
は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを含まない
意味である〕で、5分間,37℃で処理した。
【0042】次に、コラーゲン(Type I)でコーティン
グした培養皿に毛包を静置し、外殖片培養を行った。な
お、この際の培地は、無血清培地(Keratinocyte-SFM)
を用いた。この培養の4〜5日後に、毛包の培養皿への
接着及び細胞の増殖が確認できた時点で培地を交換し、
これ以降、2日置きに培地交換を行った。このようにし
て増殖させた細胞を、0.05%トリプシン−0.02
%EDTAで、37℃で5分間処理した後、等量の0.
1%トリプシンインヒビターで、反応を停止させ、遠心
分離(800×g,5分間)を施して、細胞を回収し
た。
【0043】次に、細胞を上記の無血清培地に浮遊させ
て、5000cells/cm2 の細胞密度で、コラーゲンコー
ティング(Type I)した培養皿に播種し、3〜4日間培養
した後、再び0.05トリプシン−0.02%EDTA
で、37℃で5分間処理した後、等量の0.1%トリプ
シンインヒビターで、反応を停止させ、遠心分離(80
0×g,5分間)を施して、細胞を回収した。
【0044】回収した細胞を、上記の無血清培地に浮遊
させ、生細胞密度を、血球算定板で厳密に算出した後、
100cells/60mmΦのプレート密度で播種し、再び3
7℃,5%CO2 下で2日間培養した。培養終了後、細
胞を新鮮培地で洗浄後、薬剤(下記〜)添加培地に
置換し、37℃,5%CO2 下で、3〜4日置きに、新
鮮な薬剤添加培地で交換しながら、さらに10日間培養
した。
【0045】その後、細胞をメタノールで固定した上
で、ギムザ染色し、染色済プレートをスキャナで読み取
り、読み取り画像をコンピュータディスプレー上に写
し、コロニー数を計測した。
【0046】なお、用いた薬剤は、 ジメチルアミンオキシド(I): 濃度:0.02〜200μg/mL(0,0.02,0.
2,2.0,20.0,200.0μg/mL) このについての結果は、第1図において示した。
【0047】第1図に示した結果により、ジメチルアミ
ンオキシド(I)の濃度が、0.2μg/mLの場合に、コ
ロニー数が最大になることが明らかになった。この濃度
以降、ジメチルアミンオキシド(I)の濃度を増加させ
ても、コロニー数は、減少した。
【0048】サイクロスポリンA(和光純薬工業
(株)製): 濃度:0.02〜10μg/mL(0,0.01,0.1,
1.0,10.0μg/mL) このの結果については、第2図において示した。
【0049】第2図に示した結果により、サイクロスポ
リンAの濃度が、0.01μg/mLの場合に、コロニー数
が最大になることが明らかになった。この濃度以降、サ
イクロスポリンAの濃度を増加させても、コロニー数
は、減少した。
【0050】 以下の組成の本発明毛芽活性化剤(ローション): (組成) (重量%) 95%エタノール 55.0 ジメチルアミンオキシド(I) 1.0 パントテニルエチルエーテル 1.0 1,3−ブチレングリコール 1.5 POE硬化ヒマシ油(60モル付加) 1.0 コハク酸 適 量 香料及び色素 適 量 精製水 残 量
【0051】<製法>95%エタノールに、ジメチルア
ミンオキシド(I)を溶解させ、パントテニルエチルエ
ーテル、1,3−ブチレングリコール,POE硬化ヒマ
シ油(60モルふか)及び香料を溶解させた。次に、精
製水に、コハク酸及び色素を溶解させ、上記のエタノー
ル部に加えた後、攪拌させ、透明液状のローションを得
た。
【0052】上記ローションの濃度:0,0.1,1.
0,10.0,100,1000ppm
【0053】第3図に示した結果により、上記ローショ
ンを、0.1〜10.0ppm 含む場合に、コロニー数が
最大になることが明らかになった。この濃度以降、上記
ローションの量を増加させても、コロニー数は、減少す
る傾向にあった。
【0054】さらに、上記の本発明毛芽活性化剤である
ローションについて、トリコグラム試験を行った。すな
わち、24名の男性被験者を用い、試験期間を2ヵ月間
として、試料の塗布期間には、上記ローションを1日2
回、1回につき、2〜4mLを頭皮に塗布した。塗布開始
直前及び2ヵ月塗布終了後に、被験者1名につき、頭頂
部から無作為に終毛をそれぞれ50本ずつ抜去し、抜去
毛の毛根を顕微鏡下で観察し、毛根の状態から、休止期
毛率(%)を計算した。
【0055】結果を第4図に示す。第4図の結果より、
本発明毛芽活性化剤の塗布により、毛髪における休止期
毛の比率が、有意に減少することが明らかになった。
【0056】以上述べた結果により、本発明検出方法を
用いると、簡便かつ的確に、被験物質の毛芽類似細胞の
活性化の有無及び/又は強弱を特定することが可能であ
り、その物質の毛周期における休止期毛を、成長期に移
行させる効果を、in vitroで検定することが可能である
ことが明らかになった。
【0057】また、本発明検出法により選出された薬剤
を含む組成物が、ヒトトリコグラム試験において、休止
期毛率を有意に低下させたことにより、in vivo におけ
る状態を反映した検出法であることが明らかになった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、精度が高く、かつ簡便
で、しかも短期間で、毛芽が活性化されることによる、
毛周期におけう成長期の誘導効果(新毛の新生)を、in
vitroで検出する手段、及びこの検出手段により検出さ
れる毛芽活性化作用を有する、ヒト毛芽活性化剤が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジメチルアミンオキシド(I)における、本発
明検出方法による結果を示した図面である。
【図2】サイクロスポリンAにおける、本発明検出方法
による結果を示した図面である。
【図3】本発明毛芽活性化剤による、本発明検出方法に
よる結果を示した図面である。
【図4】本発明毛芽活性化剤による、ヒトトリコグラム
試験の結果を示した図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植村 雅明 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式: 【化1】 で表されるアミンオキシドを有効成分とするヒト毛芽活
    性化剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載のヒト毛芽活性化剤を頭皮に
    投与して、毛髪の新生を促進させることにより、毛髪を
    養生する育毛方法。
  3. 【請求項3】毛芽類似細胞を培養培地に接種し、被験物
    質の存在下で、この培養培地を培養することにより発生
    する毛芽類似細胞のコロニーの状態を特定することによ
    り、毛芽類似細胞の幼若度を把握して、被験薬剤による
    ヒト毛芽の活性化作用を検出する、ヒト毛芽の活性化作
    用の検出方法。
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