JP2003238365A - 育毛料 - Google Patents

育毛料

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JP2003238365A
JP2003238365A JP2002041357A JP2002041357A JP2003238365A JP 2003238365 A JP2003238365 A JP 2003238365A JP 2002041357 A JP2002041357 A JP 2002041357A JP 2002041357 A JP2002041357 A JP 2002041357A JP 2003238365 A JP2003238365 A JP 2003238365A
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Chika Hamada
千加 浜田
Akihiro Ishino
章博 石野
Tsunao Magara
綱夫 真柄
Masahiro Tajima
正裕 田島
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛周期における毛髪の成長期を延長し得る育
毛料を提供すること。 【解決手段】 オタネニンジンの抽出物に、優れた毛髪
の成長期の延長効果が認められることを見出し、これを
有効成分として含有する育毛料を提供することで、上記
の課題を解決し得ることを見出した。さらに、このオタ
ネニンジンの抽出物には、例えば、ブリーチ等により荒
れた毛髪に対しても、はりやこしを与える効果が認めら
れることが見出された。このように、オタネニンジンの
抽出物を有効成分として含有する育毛料を提供すること
により、上記の課題を解決し得ることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、育毛料に関する発
明である。さらに詳しくは、本発明の育毛料は、毛髪細
胞を活性化させることにより、毛髪伸長を促進し、毛周
期における成長期を維持又は延長し、かつ、毛髪に、は
りと、こしを、付与し得る育毛料である。また、本発明
の育毛料は、育毛シャンプーとしての態様をとり得る。
さらに、本発明は、本発明の育毛料を提供するための細
胞賦活剤を提供する発明でもある。 【0002】 【従来の技術】高齢化社会、ストレス社会といわれる現
代社会では、頭部毛髪が様々な原因により脱毛の危機に
さらされる機会がますます多くなってきている。これに
対応して、より優れた「育毛料」を提供すべく様々の試
みがなされている。 【0003】育毛料が、毛髪に与える効果としては、主
なものに、発毛誘導効果(発毛促進効果、成長期誘導効
果)、毛髪を太くする効果、毛髪成長期延長効果、5α
−レダクターゼ阻害効果、血行促進効果、殺菌効果、フ
ケ防止効果、保湿効果、抗酸化効果等の効果が挙げられ
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように種々の試みがなされているにもかかわらず、従来
の育毛料においては、その脱毛防止、発毛効果等の育毛
作用は必ずしも十分なものではなかった。これは、脱毛
などの原因がさまざまであり、また、発毛の機構も非常
に複雑であるためと考えられている。 【0005】従来の育毛料は、脱毛を、比較的大雑把な
概念、言い換えれば、漫然と「脱毛」という現象のみを
捉えて開発されており、そのメカニズムにまで着目し、
探求して開発されたものは決して多くはない。その大き
な理由の一つは、これらのメカニズムに着目した育毛効
果を簡便に検定することができる育毛薬剤検定方法が、
十分に提供されていなかったことによるものと考えられ
る。特に、毛髪成長期延長効果を検定する育毛薬剤検定
方法の確立は難しく、結果として、これまで提供されて
きた育毛料は、毛周期の成長期へと毛髪を誘導して育毛
する上記発毛誘導効果に着目したものが多かった。 【0006】このような状況のもと、本件出願人は、イ
ンビトロ(in vitro)で行う簡便な上記の毛髪成長期延
長効果を検定する育毛薬剤検定方法を確立した。この育
毛薬剤検定方法を用いて、毛髪成長期延長効果を有する
成分を見出すと同時に、この成分が毛髪にはりとこしを
付与して髪のボリューム感が得られるという予期せぬ効
果を見出し、本発明を完成するに至った。 【0007】本発明の目的は、この育毛薬剤検定方法を
用いて、優れた毛髪成長期延長効果を有する育毛料を提
供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて、多くの成分について、上記の育毛検定方
法によるスクリーニングを行ってきた。 【0009】その結果、トチバニンジン属 ウコギ科
オタネニンジン(Panax ginsen C.A. Meyer)の抽出物
において、優れた毛髪成長期延長作用が認められ、さら
に驚くべきことに、この抽出物には、毛髪にはりとこし
を付与し、髪にボリューム感を与える作用が認められる
ことを見出した。 【0010】すなわち、本発明は、トチバニンジン属
ウコギ科 オタネニンジン(Panaxginsen C. A. Meye
r)(以下、オタネニンジンともいう)の抽出物を有効
成分として含有する、育毛料(以下、本育毛料ともい
う)を提供する発明である。 【0011】本発明にいうオタネニンジンの抽出物は、
オタネニンジンをそのまま、または、必要により乾燥し
た後、溶媒抽出に供して得ることができる。本発明の目
的に悪影響を及ぼさず有効成分を含むものであれば、こ
の抽出物は、オタネニンジンの全草、または、そのいず
れの構成部分に由来するものであってもよい、しかし、
好ましくは、根を用いる。使用できる溶媒としては、熱
水やメタノール、エタノール、イソプロパノール、n −
ブタノール等の低級アルコール、または、プロピレング
リコール、1 ,3 −ブチレングリコール等の多価アルコ
ール、または、これらの含水物、または、炭化水素系溶
媒、例えば、n −へキサン、トルエン等が挙げられる
が、熱水またはエタノールを使用するのが好適である。
オタネニンジンに対して溶媒抽出を行い、得られる抽出
液をそのまま、本育毛料に有効成分を付与するために含
有させることもできるが、抽出溶媒を留去し、必要によ
り乾燥した後、含有させることもできる。こうして得ら
れるオタネニンジンの抽出物は、優れた毛髪成長期延長
作用を有し、さらに、毛髪に、はりや、こしを、与える
作用を有する。また、オタネニンジンの抽出物、それ自
体が、例えば、毛根細胞等の細胞賦活剤として有効であ
る。 【0012】なお、一般的に、「育毛」は、上述のよう
に、発毛促進、脱毛防止、さらにはふけ、痒み抑制作用
などを包含する概念で使用されているが、本育毛料にお
いては、特に、毛髪成長期の延長効果による育毛効果で
あることが明確になっており、本育毛料は、「毛髪成長
期延長剤」としての個別的な育毛機能に着目した剤とし
ての態様を有している。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本育毛料 上述のようにして得られる、オタネニンジン抽出物の、
本育毛料における含有量は、育毛料の具体的な態様に応
じて適宜決定されるべきもので、特に限定されるべきも
のではないが、概ね、育毛料に対して、乾燥質量(以
下、特に断らない限り、オタネニンジン抽出物の質量
は、乾燥質量である)で、0.1〜10質量%が好適で
あり、特に好適には、同0.5〜5質量%である。この
含有量が、育毛料の0.1質量%未満であると、毛包系
細胞増殖活性作用又は外毛根鞘細胞増殖活性作用に基づ
く毛髪成長期延長効果が十分に発揮されず、また、同1
0質量%を超えて配合しても、配合量の増加に見合った
効果の増大を見込めないばかりではなく、目的とする剤
型に支障をきたす傾向が顕著となる。 【0014】このように、オタネニンジン抽出物を、有
効成分として毛髪に対して適用な基剤に含有させること
により、本育毛料が提供される。本育毛料は、養毛を目
的とする毛髪関連製品を含み、その形態や剤形は、特に
限定されない。本育毛料は、後述する育毛薬剤検定方法
によって、少なくとも毛包上皮系細胞の分裂増殖活性を
維持又は促進することで毛髪の成長期を維持又は延長す
る効果を有する。また、育毛シャンプーは、本育毛料
に、界面活性剤を配合して毛髪洗浄料として使用される
好ましい態様である。細胞賦活剤は、上記育毛料に配合
する個別薬剤である。 【0015】本育毛料は、優れた毛包系細胞増殖活性作
用又は外毛根鞘細胞増殖活性作用に基づく毛髪成長期延
長効果を有し、例えば、毛根近傍における毛包上皮系細
胞の増殖が緩徐であること等により成長期が短くなっ
て、相対的に成長期毛よりも休止期毛の割合が多くなっ
てしまうことに起因する脱毛症に特に有効である。ま
た、オタネニンジン抽出物と、他の個別効能を有する育
毛成分と組み合わせて用いることにより、特定の脱毛症
においては相乗的な効果を上げることもまた可能であ
る。 【0016】本育毛料がとり得る剤型は、頭皮頭髪に適
用可能な剤型であれば特に限定されず、例えば、液状、
乳液、軟膏等を選択可能である。本育毛料は、例えば、
ヘアトニック、ヘアークリーム、ヘアムース(登録商
標)、シャンプー、リンス、クリーム、乳液、化粧水、
パック等の製品として応用するができる。育毛料に、毛
髪洗浄料に使用される界面活性剤などの洗浄成分を配合
し、育毛シャンプーや育毛リンスなどの育毛洗浄料とし
て使用すると、日々使用されることにより育毛効果が発
揮されやすく、さらに、毛髪にはりとこしを付与する効
果によって髪にボリューム感を与えることが出来るの
で、好ましい製品形態となる。 【0017】本育毛料は、本発明の効果を損なわない限
りにおいて、化粧品、医薬部外品、医薬品等において一
般的に用いられる各種油性若しくは水性成分、保湿剤、
増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色剤、各種薬剤等
を配合して常法により調製することができる。例えば、
高級脂肪酸,固形パラフィン,流動パラフィン,シリコ
ーン油,スクワラン,モノオレイン酸グリセリル,オリ
ーブ油,イソプロピルミリステート,高級脂肪酸,高級
アルコール等の油分;グリセリン,ヒアルロン酸,プロ
ピレングリコール,マルチトール,アテロコラーゲン,
乳酸ナトリウム等の保湿剤;マルメロ粘質物,カルボキ
シビニルポリマー,キサンタンガム等の増粘剤;ニコチ
ン酸アミド,ニコチン酸ベンジル,ビタミンEアセテー
ト,センブリ抽出物,塩化カルプロニウム,アセチルコ
リン誘導体等の血管拡張剤;セリン,メチオニン,アル
ギニン等のアミノ酸類;ビタミンB6 ,ビタミンE(若
しくはその誘導体),ビオチン,パントテン酸(若しく
はその誘導体)等のビタミン類;ニコチン酸,ニコチン
酸メチル,ニコチン酸トコフェロール等のニコチン酸エ
ステル類;セファランチン等の皮膚機能亢進剤;エスト
ラジオール等の女性ホルモン剤;グリチルレチン酸(若
しくはその誘導体)等の消炎剤;ヒノキチオール,ヘキ
サクロロフェン,ベンザルコニウムクロリド,ビチオノ
ール等の抗菌剤;メントール等の清涼剤;サリチル酸,
亜鉛(若しくはその誘導体),乳酸(若しくはそのアル
キルエステル)等;クエン酸等の有機酸類等を含有させ
ることができる。 【0018】効果確認法 本育毛料の効果である毛髪成長期延長効果の本質的作用
である、毛周期における成長期の維持又は延長作用を特
定して確認する手段は、その特定方法自体がその作用を
特定するために妥当なものである限り特に限定されず、
例えば、インビトロ(in vitro)における特定方法も、
インビボ(in vivo )における特定方法も用いることが
できるが、その簡便性と有効性を考慮すると、インビト
ロにおける特定方法を用いることが好ましい。 【0019】以下に、インビトロにおける特定方法の一
つである、毛包系上皮培養細胞の増殖効果を検討するこ
とを特徴とする特定方法について簡単に説明する。すな
わち、この方法は、「毛包上皮系培養細胞に無血清培地
中で対象物質を接触させることによって、その細胞の増
殖活性の有無及び強弱を特定し、その対象物質の毛周期
における成長期を延長する効果を検定する育毛薬剤検定
方法」であり、毛髪の伸長に直接的に関係する毛包上皮
系細胞に着目し、この培養細胞を用いることによって、
所望する毛周期における成長期を延長する効果を特定す
るインビトロの育毛薬剤検定方法である。 【0020】この育毛薬剤検定方法においては、動物
(ヒトを含む)の毛包上皮系細胞を単離して得た培養細
胞である「毛包上皮系培養細胞」に対象物質を接触させ
て、その増殖の有無及び強弱を特定する。毛包上皮系細
胞は、特に毛根近傍の外毛根鞘細胞とマトリクス細胞等
の細胞のことを指し、内側の毛乳頭細胞は除外される。
毛周期における成長期は、まさにこの毛髪が伸長してい
る時期、すなわち毛包上皮系細胞が分裂して増殖してい
る時期であり、同退行期及び休止期はこれが鈍化して休
止する時期である。つまり、毛周期における成長期を延
長させる物質は、その投与により毛包上皮系細胞の分裂
及び増殖活性を維持することによって、毛髪が毛周期に
おける退行期及び休止期への移行を防ぐ物質、すなわ
ち、毛包上皮系細胞の増殖を促進又は維持し続ける物質
であることが結論付けられる。なお、他のインビトロの
育毛薬剤検定方法として、例えば、対象物質を動物の毛
乳頭細胞に作用させて、その増殖効果を判定する方法を
挙げることもできる。 【0021】また、インビボにおける特定方法として
は、例えば、ヌードマウスに対象物質を投与し、このヌ
ードマウスの体表の発毛部位の状態を特定して、対象物
質の毛周期における成長期を延長する効果を検定する育
毛薬剤検定方法、すなわち、原則的には無毛であるが、
その体表に経時的にその発毛部位が移動する特徴的な発
毛をするヌードマウスにおける発毛部位の広さと発毛部
位の移動速度を特定することによって、毛周期における
成長期の長さを検定する方法等を挙げることができる。 【0022】 【実施例】次に、本発明を実施例等によりさらに具体的
に説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されな
い。以下の実施例等において「%」と表示され、かつ内
容量を示すものは、特に断りのない限り、質量%を意味
する。 【0023】<毛包上皮系培養細胞を用いた細胞増殖試
> A.ヒト毛包上皮系細胞 1.ヒト毛包上皮系細胞の採取 外科手術の副産物として得られたヒト男性頭皮から、毛
周期における成長期の毛包を実体顕微鏡下で機械的に採
取した。この成長期の毛包を、1000U/ml dispase・0.2
%コラゲナーゼを含む、ダルベッコの改変MEM(DM
EM)で、30分間、37℃で処理し、注射針の先を用
いて、dermal sheath やdermal papilla、毛球部上皮組
織を除去して、0.05%トリプシン・0.02%EDTAを含
むリン酸緩衝液〔PBS(−):(−)とはカルシウム
イオンやマグネシウムイオンを含まない意味である〕で
5分間、37℃で処理した。 【0024】次に、コラーゲン(Type I)コーティング
した培養皿に毛包を静置し、外殖片培養を行った。な
お、この際の培地は、無血清培地〔Keratinocyte Growt
h Medium(KGM)〕を用いた(Keratinocyte Serum F
ree Mediumを用いることもできる)。この培養の4〜5
日後に、毛包の培養皿への接着及び細胞の増殖が確認で
きた時点で培地を交換し、これ以降2日おきに培地交換
を行った。 【0025】このようにして増殖させた細胞を、0.05%
トリプシン-0.02 %EDTAで、37℃で5分間処理し
た後、等量の0.1 %トリプシンインヒビターで反応を停
止させ、遠心処理(800×g 、5 分間) を施して細胞を回
収した。次に、細胞を上記の無血清培地に浮遊させて、
5000cells/cm2 の密度でコラーゲンコーティング(Type
I)した培養皿に播種し、細胞がsubconfluentになるま
で2日おきに培地交換を行い、再び、0.05%トリプシン
-0.02 %EDTAで37℃で5分間処理した後、等量の
0.1 %トリプシンインヒビターで反応を停止させ、遠心
処理(800×g 、5 分間) を施して、これにより得られた
ヒト毛包上皮系細胞に細胞凍結液(セルバンカー:ダイ
ヤトロン製)を添加し、1.0×106cells/ml の濃度
に調整して、各凍結チューブに1.0×106cellsずつ
入れ、これを凍結保存した。なお、これらの細胞数は、
血球算定板で算出した。 【0026】2.ヒト毛包上皮系培養細胞の調製 上記工程により得た毛包上皮系細胞の線維芽細胞混入率
(FB混入率)を測定(3000倍、5視野)し、その
結果、FB混入率が3%以上のものは、除外した。そし
て、FB混入率が3%未満の毛包上皮系細胞を、培養フ
ラスコ中に播種後、これを0.05%トリプシンと0.
02%EDTAで処理した後、0.1%トリプシンイン
ヒビターで反応を停止した。その後、培養物を、150
0rpm で5分間遠心処理を施し、上清を除去し、残渣
に、KGM培地20mlを添加して、細胞懸濁液を調製し
た。 【0027】0.2ml/well の割合で、96well-plate
(I型コラーゲンコーティングプレート:ファルコン社
製)に播種し(1.0×104cell/well)、細胞がウエ
ルの底に沈むまで約20分間室温下で放置した。その
後、37℃、5%CO2 で1日間培養を行い、ヒト毛包
上皮系培養細胞を得た。 【0028】B.ラット毛包上皮系細胞 1.ラット毛包上皮系細胞の採取: (1)毛包の採取 新生児(3〜4日令)ラットの背部皮膚を採取し、この
採取した背部皮膚を1%PSF含有PBS(−)に2枚
ずつ浸した。その後、皮膚脂肪層から下の皮下脂肪や皮
膜等を解剖用ハサミで除去した。次いで、再びこの背部
皮膚を1%PSF含有PBS(−)に浸し、さらにこれ
を0.25%トリプシン含有PBS(−)(0.02%
EDTA含む。以下、同様である。)中に4℃で一晩浸
した。 【0029】このトリプシン溶液中における浸漬後、背
部皮膚の真皮層と表皮層をピンセットで剥がした後、真
皮層を0.35%のコラゲナーゼを含有させたHam'
sF12培地〔組成(mg/L):l-Alanin(8.9) 、l-Argini
ne(HCl:211 )、l-Asparagine(13.2)、l-Asparatic ac
id (13.3) 、l-Cysteine(HCl:31.5)、l-Glutamic aci
d(14.7) 、l-Glutamine(146)、Glycine(7.5)、l-Histid
ine (HCl:19)、l-Isoleucine(3.9) 、l-leucine(13.
1) 、l-Lysine(HCl:36.5)、l-Methionine(4.5)、l-Phen
ylalanin(5.0) 、Proline(34.5) 、l-Serine(10.5)、l-
Threonine(11.9) 、l-Tryptophane(2.0)、l-Tyrosine
(5.4) 、l-Valine(11.7)、Biotine(0.0073) 、Choline
(Cl:14.0)、VitaminB12(1.36)、葉酸(1.32)、Inositol
(18.0)、Nicotinamide(0.037) 、パントテン酸(Ca:0.47
7)、VitaminB6(HCl:0.062)、VitaminB2(0.038)、Vitami
nB1(HCl:0.337)、CaCl2(2H2O:44.0)、CuSO4 ・5H2O(0.0
025)、FeSO4 ・7H2O(0.834) 、KCl (224.0) 、MgCl2(6H
2O:122) 、"Proc.Natl.Acad.Sci.USA 、53、288(1965)"
以下同様である〕が入った100mm dishに移し、ハサミで
裁断した。この裁断物を含む培地を37℃で35分間浸
透を行った(60rpm )。浸透後、このコラゲナーゼ反
応物中に塊状のものが見えなくなるまでピペッティング
を行い、これを50ml遠沈管に移し、DNase (10000u
nit)を含有させたHam' sF12培地を添加し、5分
間放置した。 【0030】放置後、得られた懸濁液をさらにピペッテ
ィングした後、ナイロンメッシュ(Nytex 157 mesh) で
濾過し、これを50ml遠沈管に移した。懸濁液を半量ず
つに分け、それぞれについてPBS(−)を容量が30
mlになるまで懸濁液を希釈し、次いで、この希釈した懸
濁液に遠心処理を施した(4℃、400rpm 、5分
間)。遠心後、上清を除いて脂肪分を除去した。次い
で、残渣にPBS(−)を25ml添加して懸濁後、これ
にさらに遠心処理を施した〔(4℃、400rpm 、5分
間)×3回〕。この遠心操作により得られた残渣が、ラ
ットの背部皮膚における毛包である。 【0031】(2)毛包上皮系細胞の採取 上記操作により得られた毛包に、0.25%トリプシン
含有PBS(−)を5ml添加して、細胞懸濁液を37℃
で5分間インキュベートした。インキュベート終了後、
5mlの等量の牛胎児血清(FBS)とHam' sF12
培地を添加して、細胞懸濁液を、セルストレーナー(10
0 μm Nalgene 社製)で濾過後、50ml遠沈管に入れ
て、この細胞懸濁液に遠心処理を施した(4℃、150
0rpm 、5分間)。この系から上清を除去して、残渣と
して、ラットの毛包上皮系細胞を得た。 【0032】このラットの毛包上皮系細胞に、細胞凍結
液(セルバンカー:ダイヤトロン製)を添加し、1.5
×107cell/mlの濃度に調整して、各凍結チューブに
1.5×107cell ずつ入れ、これを凍結保存した。な
お、これらの細胞数は、血球算定板で算出した。 【0033】2.ラット毛包上皮系細胞の前培養 上記工程により得られたラット毛包上皮系細胞に混入し
ている線維芽細胞を、可能な限り除去するために、この
ラット毛包上皮系細胞の前培養を行った。以下、その手
順について説明する。 【0034】37℃の恒温槽で、上記工程により得た凍
結細胞を融解した。次いで、FAD培地〔Ham' sF
12培地(後述)とMEN培地を容量比で3対1で混合
したものに、インシュリン(5.0μg/ml)、ハイドロコル
チゾン(0.45μg/ml)、エピダーマルグロウスファクタ
ー(EGF)(10.0ng/ml)、コレラトキシン(10-9 M)及びウ
シ胎児血清(10 %) を含有させた培地、以下同様であ
る〕を10ml添加し、細胞溶液を希釈して、遠心処理を
施した(10℃以下、1500rpm 、5分間)。遠心
後、上清を除去した後、FAD培地を10ml添加して、
細胞塊が認められなくなるまでピペッティングを繰り返
した。 【0035】得られた細胞数を血球算定板で算出し、F
AD培地で2.5×105cells/mlの濃度になるように
調整した。I型コラーゲンでコーティングした75cm3
のフラスコに細胞を播種して、これを37℃、5%CO
2 で一晩培養した。 【0036】培養後、培養物を、PBS(−)10mlで
2回洗浄し、0.25%トリプシン含有PBS(−)を
2ml添加して、これを37℃、5%CO2 で4分間イン
キュベートした。次に、インキュベートした培養物に、
牛胎児血清(FBS)を2ml添加して、1回軽くゆすっ
た後で上清を除去して、混入している線維芽細胞を除去
した。 【0037】さらに、培養物に、KGM培地〔表皮角化
細胞基礎培地(Keratinocyto growthmedium):Keratinoc
yto basal medium (KBM培地(改変MCDB153
培地(クローネティックス社製)))に、ウシ脳下垂体
エキス(BPE)(0.4vol%) 、インシュリン(0.5μm/ml) 、
ハイドロコルチゾン(0.5μm/ml) 、h-EGF(0.1ng/ml)を
添加した培地、以下同様である〕を15ml添加し、37
℃、5%CO2 で3日間培養して、前培養を完了した。 【0038】3.ラット毛包上皮系培養細胞の調製 上記前培養により得た、毛包上皮系細胞を播種した培養
フラスコの線維芽細胞混入率(FB混入率)を測定(3
000倍、5視野)し、その結果、FB混入率が3%以
上のものは、対象から除外した。 【0039】FB混入率が、3%未満の培養物を、PB
S(−)10mlで2回洗浄し、0.25%トリプシン含
有PBS(−)を2ml添加して、これを37℃で3分間
インキュベートした。次いで、上皮系細胞と線維芽細胞
とのトリプシンに対する反応性の違いを利用して、系か
ら線維芽細胞を除去するために、トリプシンを除去し、
再び0.25%トリプシン含有PBS(−)を2ml添加
して、37℃、20rpm で5分間振盪した。 【0040】次いで、細胞のはがれを顕微鏡下で確認し
た後、10%FBS含有DMEM培地を10ml添加し
て、50ml遠心チューブ中でピペッティングを行い、次
いで、1500rpm で5分間遠心処理を施した。上清を
除去し、KGM培地20mlを添加して、細胞塊がなくな
るまでピペッティングを行った。 【0041】懸濁液を、セルストレーナー(100 μm Na
lgene 社製)で濾過後、50ml遠沈管に入れて、懸濁液
中の生細胞数を血球算定板で算出し、算出後、KGM培
地を添加して、細胞濃度が5.0×104cells/ml にな
るように調整した。次いで、0.2ml/well の割合で、
96well-plate(I型コラーゲンコーティングプレー
ト:ファルコン社製)に播種し(1.0×104cell/we
ll)、細胞がウエルの底に沈むまで、約20分間室温下
で放置した。その後、37℃、5%CO2 で1日間培養
を行い、ラット毛包上皮系培養細胞を得た。 【0042】C.試験培地の調製 (1)対象物質添加培地の調製 オタネニンジンのエタノールエキス乾燥物を約10mg秤
量、1ml のDMSO溶媒にて溶解し、KBM培地で1%
溶液になるように調製し、0.45μmフィルターで濾
過滅菌した。次いで、KBM培地に、上記の溶液を10
0000倍量添加した〔対象物質濃度:1.0×10-6
%〕。 【0043】なお、上記のオタネニンジンのエタノール
エキス乾燥物は、トチバニンジン属ウコギ科 オタネニ
ンジン(乾燥物)500gを、10リットルの50%エタノール
に室温で5 日間浸漬し、これにより得られた抽出液から
溶媒を留去し、次いで、乾燥して得られたエタノールエ
キス乾燥物(35.5g )である(特に、断わらない限り、
本実施例におけるオタネニンジン抽出物は、このエタノ
ールエキス乾燥物である)。 【0044】(2)コントロール培地の調製 ネガティブコントロール:KBM培地をネガティブコン
トロールとして用いた。ポジティブコントロール:KB
M培地に、インシュリン(5mg/ml)を2μl 、ハイドロ
コーチゾン(0.5mg/ml)を2μl 添加して調製した。 【0045】D.対象物質培地交換 上記A、Bにおいてヒト毛包上皮系培養細胞及びラット
毛包上皮系培養細胞を調製した96well-plate中のKG
M培地を、対象物質添加培地及びコントロール培地(2
00μl/well)と交換して、交換後、37℃、5%CO
2 で2日間培養した。なおこの培地の交換は、ウエル内
のKGM培地を、底面に付着している細胞を傷つけない
ように留意しつつアスピレーターで抜いて、その後速や
かに対象物質添加培地等をウエルの両端から添加するこ
とにより行った。 【0046】E.細胞増殖の測定 (1)測定法 アラマーブルー(alamar blue:アラマーバイオサイエン
ス社製) を培地量(容量)に対して1/10量を添加し
て、37℃(5%CO2 )で6時間インキュベートし
た。インキュベート後、系の595nm及び570nmでの
吸光度をマイクロプレートリーダー(Micro plate read
er:Bio RAD社製) を用いて測定し、下記計算式に従っ
て、細胞増殖度を算出した。 【0047】 【数1】(対象試料の細胞増殖度)=(対象試料のアラ
マブルー還元率)/(ネガティブコントロールのアラマ
ブルー還元率)×100(%) 【0048】さらに、下記計算式に従って、オタネニン
ジンのエタノールエキス乾燥物の毛包上皮系細胞増殖促
進作用を判定した。 【0049】 【数2】(対象試料の細胞増殖促進指標)=((対象試
料の細胞増殖度)―(ネガティブコントロールのアラマ
ブルー還元率))/((ポジティブコントロールのアラ
マブルー還元率)−(ネガティブコントロールのアラマ
ブルー還元率)) 【0050】(2)測定結果 測定の結果、オタネニンジンのエタノールエキス乾燥物
の細胞増殖促進作用は、ヒト由来毛包上皮系培養細胞に
おいては0.66、及び、ラット由来毛包上皮系培養細
胞においては0.63であった。この結果より、オタネ
ニンジンのエタノールエキス乾燥物に、優れた毛包上皮
系培養細胞の増殖活性が認められることが判明した。す
なわち、オタネニンジンのエタノールエキス乾燥物に
は、毛髪成長期延長活性が認められることが明らかにな
った。 【0051】<外毛根鞘細胞増殖試験> A.外毛根鞘細胞の培養 ヒト頭皮より実体顕微鏡下において毛包をハサミで単離
した。皮脂腺下部で毛包を切り離し、コラゲナーゼ及び
ディスパーゼで酵素処理を行った。毛球部をハサミで切
り離し除き、毛幹をピンセットで分離した。毛幹を、ト
リプシンで酵素処理し、トリプシンインヒビターで反応
を停止した。遠心して、上清を捨て、外毛根鞘細胞を回
収した。コラーゲンコートした培養フラスコに回収した
細胞を、KGM培地に播種し、CO2 インキュベーター
中で培養した(37℃,5%CO 2 )。 【0052】B.細胞増殖評価 外毛根鞘細胞はPBS(-)で、2回洗浄した。トリプシンで
酵素処理を行い、細胞を剥がした。トリプシンインヒビ
ターで反応を停止し、遠心して、上清を捨て、外毛根鞘
細胞を回収した。KGM培地を加え、細胞浮遊液を調製
した。TypeIコラーゲンコートした、24穴培養プ
レートに細胞を播種し、CO2 インキュベーター中で培
養した。翌日、被検物質を添加した培地に交換した。4
日培養後、細胞をPBS(-)で洗浄し、trypsin で細胞を剥
がした。この状態で、プレートごと細胞を冷凍した。 【0053】C.被検物質の調製 オタネニンジンのエタノールエキス乾燥物を、約10mg
秤量し、1mlのDMSO溶媒にて溶解し、KBM培地で
1%溶液になるように調製し、0.45μmフィルター
で濾過滅菌した。これを原液として、KBM培地で希釈
し、被検物質濃度が、1.0×10-4%、1.0×10
-5%、1.0×10-6%、1.0×10 -7%になるよう
調製した。ネガティブコントロールは、KBM培地のみ
とした。また、ポジティブコントロールは、前記の毛包
上皮系培養細胞を用いた細胞増殖試験〔C(2)〕で用
いたポジティブコントロールと同じものを用いた。 【0054】D.細胞DNAの測定 細胞を解凍後、Hoechst33258を各穴に加え、ソニケーシ
ョンをかけ細胞を破砕した。これをキュベットに移し、
励起波長356nm 、蛍光波長460nm で蛍光強度を測定し
た。ネガティブコントロールの蛍光強度を100とし
て、DNA量の相対値を計算し細胞増殖度算出した。 【0055】第1表に、結果を示す。この結果より、オ
タネニンジンのエタノールエキス乾燥物には、外毛根鞘
細胞活性作用があることが分かった。 【0056】 【表1】 第 1 表 ──────────────────────────────────── 被検物質とオタネニンジンエキス濃度 相対蛍光強度 ──────────────────────────────────── ポジティブコントロール 118 ネガティブコントロール 100 1.0×10-7% 106 1.0×10-6% 115 1.0×10-5% 118 1.0×10-4% 114 ──────────────────────────────────── 【0057】<育毛効果試験>次に、下記に示す処方
(実施例1〜3)の養毛料を調製し、その育毛効果を、
後述する育毛検査方法によって検討した。 【0058】 〔実施例1〕 液状育毛料 含有成分 含有量(質量%) オタネニンジン抽出物 0.5 70%エタノール 90 オレイン酸ナトリウム 0.05 ドデシルベンゼンスルホン酸 0.49 硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 0.5 イオン交換水 残 量 <製造方法>オタネニンジン抽出物を、70%エタノー
ル、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン、硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物
及びイオン交換水と混合攪拌して溶解した。さらに、別
途、イオン交換水を添加混合して(上記の処方全量に対
して10質量%)、液状の育毛料を得た。この液状の育
毛料の処方において、オタネニンジンのエタノールエキ
スを除去して、代わりにイオン交換水として、調整した
液状の剤を対照として調整した(比較例1)。 【0059】 〔実施例2〕 乳液状育毛料 含有成分 含有量(質量%) (A相) オタネニンジンのエタノールエキス 2 ポリオキシエチレン(60モル)付加硬化ヒマシ油 2 グリセリン 10 ジプロピレングリコール 10 1,3−ブチレングリコール 5 ポリエチレングリコール1500 5 (B相) セチルイソオクタネート 10 スクワラン 5 ワセリン 2 プロピルパラベン 2 (C相) カルボキシビニルポリマー1%水溶液 30 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.03 イオン交換水 9.3 (D相) イオン交換水 4.5 (E相) KOH 0.12 イオン交換水 残 量 <製造方法>A相、B相をそれぞれ60℃で加熱溶解
し、混合してホモミキサー処理しゲルを調製した。これ
に、D相を徐々に添加し、ホモミキサーで分散した。次
に、これに、溶解したC相を加え、最後に溶解したE相
を添加し、ホモミキサーで乳化してO/W乳液型の育毛
料を調製した。 【0060】 〔実施例3〕 クリーム状育毛料 含有成分 含有量(質量%) (A相) 流動パラフィン 5 セトステアリルアルコール 5.5 グリセリルモノステアレート 3 EO(20モル)−2−オクチルドデシルエーテル 8 プロピルパラベン 0.3 香料 0.1 (B相) オタネニンジンのエタノールエキス 5 グリセリン 8 ジプロピレングリコール 20 ポリエチレングリコール4000 5 ドデシル硫酸ナトリウム 0.1 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.005 イオン交換水 39.995 <製造法>A相、B相をそれぞれ加熱溶解し混合し、ホ
モミキサーで乳化して、クリーム状の育毛料を得た。 【0061】育毛作用の検討 上記で得られた育毛料の脱毛防止、発毛効果等の育毛作
用を調べるために、以下の方法でヒトに対してトリコグ
ラム試験とねじり試験を実施した。被験試料及び対照試
料は、実施例1〜3の本育毛料、70%エタノール、比
較例1である。 【0062】1.試験方法 上記試料の使用前と使用後の抜去毛髪の毛根を顕微鏡下
で観察し、毛根の形態から、成長の止まった毛の毛根で
ある「休止期毛根」数を計数し、その割合の増減によっ
てこれらの試料の育毛作用を比較した。すなわち、被験
試料及び対照試料をそれぞれ男性被験者10名の頭皮に
1日2回、1回2mlずつ6カ月間連続して塗布し、塗布
直前及び6カ月間塗布終了直後に、被験者1名につき1
00本ずつ毛髪を抜去し、それぞれの毛根を顕微鏡下で
観察した。 【0063】2.試験結果 試験の結果を、下記第2表に示す。 【0064】 【表2】【0065】この結果から、本発明の育毛料には毛髪成
長期延長効果に基づく育毛効果が認められた。 【0066】<毛髪に対するはりとこしの付与効果の検
> 1.試験方法 毛髪試料 毛髪は、パーマネントウェーブ、ヘアカラー、ブリーチ
等の化学的処理履歴のない19才女性の毛髪を使用し
た。毛先部約20cmを、所定のシャンプー液に1時間浸
漬した後、流水中に1分間洗浄し、通常環境下で24時
間以上乾燥したものを、健常毛とした。上記健常毛を所
定のブリーチ剤を用いて、室温で30分ブリーチ処理を
行い、その後、流水中で1分間洗浄した。ブリーチ処理
を4回繰り返し、洗浄後通常環境下で乾燥したものをブ
リーチ処理毛(BL処理)とした。 【0067】オタネニンジン抽出物の1%と2%水溶液
20mlに、上記のブリーチ処理毛1本を、一晩浸漬し、
25℃・50%RH環境下で、オタネニンジン抽出物水
溶液で処理した毛髪試料を乾燥した。 【0068】ねじり測定 カトーテック社製ねじり試験機KES−YN−1を用い
て、25℃・50%RH環境下で、ねじり測定を行っ
た。測定は、オタネニンジンのエタノールエキスによる
処理前に測定を行い、それをコントロールとした。ねじ
り角度は±1080°で、ねじり速度は18°/秒で、
試料毛髪にねじりを与えた。ねじり角θ=360°〜7
20°における、ねじり角θに対する、ねじりトルクT
fの増加分であるB=tan(Tf/θ)を、ねじり剛
性B値とし、試料溶液による処理前後でのB値の比で評
価した。 【0069】2.試験結果 試験結果を、第1図に示す。第1図に示した結果によ
り、オタネニンジン抽出物溶液で処理した試料毛髪は、
ねじりトルクが増加しており、ブリーチを行った毛髪
に、はりとこしを付与していることが分かる。 【0070】<処方例>以下に、本発明のその他の処方
例を、実施例として示す。それぞれの実施例の製品の製
法は、その製品形態と剤形における常法に従った。 【0071】 〔実施例4〕育毛シャンプー 含有成分 含有量(質量%) オタネニンジンのエタノールエキス 1 ポリオキシエチレンアルキルアンモニウム 15 アミドプロピルジメチル酢酸 3 ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 1.6 ジステアリン酸エチレングリコール 0.6 ジメチルシリコン(5000 cs)エマルジョン40%液 1.8 安息香酸ナトリウム 0.2 カチオン化セルロース 0.3 イオン交換水 残 余 【0072】 〔実施例5〕育毛リンス 含有成分 含有量(質量%) オタネニンジンのエタノールエキス 0.6 エキセコールD−5 3.4 ジメチルシリコン 0.5 ステアリルアルコール 7.5 ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 2.5 イオン交換水 残 余 【0073】 【発明の効果】本発明によれば、毛包上皮系細胞増殖の
活発化により、毛周期における成長期を延長し、さらに
は、毛髪にはりとこしを付与し、髪にボリューム感を与
えることができる育毛料が提供される。
【図面の簡単な説明】 【図1】オタネニンジンのエタノールエキス乾燥物で処
理した毛髪のねじり測定の結果を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石野 章博 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 真柄 綱夫 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB052 AB282 AC012 AC022 AC072 AC122 AC182 AC242 AC312 AC342 AC422 AC432 AC482 AC642 AC792 AC912 AD042 AD092 AD132 AD152 CC37 CC38 CC39 DD23 DD27 DD31 DD33 EE22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】トチバニンジン属 ウコギ科 オタネニン
    ジン(Panax ginsen C. A. Meyer)の抽出物を有効成分
    として含有する育毛料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008031065A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Seems Inc 発毛・育毛剤
JP2009530369A (ja) * 2006-03-21 2009-08-27 ヘオング ゲオン チョイ 天然漢方毛髪生長促進組成物およびその製造方法
JP2010215579A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Michiharu Sasaki 養毛液
JP2019094268A (ja) * 2017-11-17 2019-06-20 日本メナード化粧品株式会社 毛包幹細胞の未分化状態維持剤

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