JP2005020911A - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents
ハイブリッド車両の駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005020911A JP2005020911A JP2003183318A JP2003183318A JP2005020911A JP 2005020911 A JP2005020911 A JP 2005020911A JP 2003183318 A JP2003183318 A JP 2003183318A JP 2003183318 A JP2003183318 A JP 2003183318A JP 2005020911 A JP2005020911 A JP 2005020911A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- internal combustion
- combustion engine
- output shaft
- engine
- rotational speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/62—Hybrid vehicles
Landscapes
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
Abstract
【課題】ハイブリッド車両のドライバビリティを向上させる。
【解決手段】エンジン12の出力軸12−1と動力分配機構16のキャリア16−2との間に設けられたワンウェイクラッチ24は、エンジン12の出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と同方向に回転しようとするときはエンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを係合し、逆方向に回転しようとするときはエンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを解放する。スタータ26によりエンジン12を始動させるときは、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように予め制御される。
【選択図】 図2
【解決手段】エンジン12の出力軸12−1と動力分配機構16のキャリア16−2との間に設けられたワンウェイクラッチ24は、エンジン12の出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と同方向に回転しようとするときはエンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを係合し、逆方向に回転しようとするときはエンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを解放する。スタータ26によりエンジン12を始動させるときは、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように予め制御される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関及びモータを動力源として備えたハイブリッド車両の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来のハイブリッド車両の駆動装置の一例が特開平8−290721号公報(特許文献1)に開示されている。この従来の駆動装置は、内燃機関、モータ、ジェネレータ及び遊星歯車機構を備えている。そして、内燃機関は遊星歯車機構のキャリアと連結され、モータは駆動輪及び遊星歯車機構のリングギヤと連結され、ジェネレータは遊星歯車機構のサンギヤと連結されている。さらに、内燃機関と遊星歯車機構のキャリアとの間にワンウェイクラッチが設けられている。ここでのワンウェイクラッチは、キャリアが内燃機関の駆動方向に対して逆方向に回転しようとするときに係合し、キャリアが内燃機関の駆動方向に回転しようとするときに解放するように機能する。これによって、車両の牽引時に内燃機関が停止されている場合に、ワンウェイクラッチが解放してキャリアが空転することにより、ジェネレータが高速で空転するのを抑止している。
【0003】
しかしながら、この従来のハイブリッド車両の駆動装置においては、停止状態の内燃機関を始動させるときには、ワンウェイクラッチが係合することになるため、始動時に内燃機関にて発生した振動が駆動輪へ伝達される。したがって、この従来の駆動装置においては、ドライバビリティが低下してしまうという課題があった。そこで、本発明は、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができるハイブリッド車両の駆動装置を提供することを目的とする。なお、その他にも、特許文献2〜5に示すハイブリッド車両の駆動装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−290721号公報
【特許文献2】
特開昭59−204402号公報
【特許文献3】
特開昭52−149722号公報
【特許文献4】
特開2000−103259公報
【特許文献5】
特開2000−71815公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、駆動輪の駆動が可能なモータと、モータを駆動させるための電力を発生可能なジェネレータと、駆動輪の駆動及びジェネレータの発電駆動が可能な内燃機関と、内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに分配可能な動力分配機構と、内燃機関の出力軸と該出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間に設けられ、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを係合し、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを解放するワンウェイクラッチと、内燃機関を始動可能なスタータと、スタータにより内燃機関を始動させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における前記伝達要素の回転速度が内燃機関の始動時回転速度以上となるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、内燃機関の出力軸とこの出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間にワンウェイクラッチが設けられている。ここでのワンウェイクラッチの動作としては、内燃機関の出力軸が動力分配機構の伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは出力軸と伝達要素とを係合し、内燃機関の出力軸が動力分配機構の伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは出力軸と伝達要素とを解放する。そして、本発明においては、スタータにより内燃機関を始動させるときに、内燃機関の駆動方向における伝達要素の回転速度が内燃機関の始動時回転速度以上となるように制御される。これによって、停止状態の内燃機関を始動させるときにワンウェイクラッチを解放状態にすることができるので、始動時に内燃機関にて発生した振動が駆動輪へ伝達されるのを抑制することができる。したがって、本発明によれば、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0007】
第2の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、第1の本発明に記載の駆動装置であって、前記制御手段は、内燃機関の始動後に、ワンウェイクラッチを係合させるために、内燃機関の出力軸回転速度と前記伝達要素の回転速度との少なくとも一方を制御することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、内燃機関の始動後に、内燃機関の出力軸回転速度と動力分配機構の伝達要素の回転速度との少なくとも一方を制御することにより、内燃機関の始動時には解放状態にあったワンウェイクラッチを係合させることができる。したがって、内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに伝達させることができる。
【0009】
第3の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、第1または第2の本発明に記載の駆動装置であって、前記制御手段は、ジェネレータの回転速度を制御することにより、前記伝達要素の回転速度を制御することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ジェネレータの回転速度を制御することにより、動力分配機構の伝達要素の回転速度を制御するので、駆動輪の駆動制御に影響を与えることなく、動力分配機構の伝達要素の回転速度を制御することができる。
【0011】
第4の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、駆動輪の駆動が可能なモータと、モータを駆動させるための電力を発生可能なジェネレータと、駆動輪の駆動及びジェネレータの発電駆動が可能な内燃機関と、内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに分配可能な動力分配機構と、内燃機関の出力軸と該出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間に設けられ、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを係合し、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを解放するワンウェイクラッチと、内燃機関を始動可能なスタータと、内燃機関を停止させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における前記伝達要素の回転速度が内燃機関の回転速度以上となるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、内燃機関を停止させるときに、内燃機関の駆動方向における伝達要素の回転速度が内燃機関の回転速度以上となるように制御される。これによって、駆動状態の内燃機関を停止させるときにワンウェイクラッチを解放状態にすることができるので、停止時に内燃機関にて発生した振動が駆動輪へ伝達されるのを抑制することができる。したがって、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の駆動装置を含むハイブリッド車両の構成の概略を示す図である。本実施形態の駆動装置を含むハイブリッド車両は、モータ10、エンジン12、ジェネレータ14、動力分配機構16、減速機18、インバータ20、バッテリー22、ワンウェイクラッチ24、スタータ26、補機バッテリー28、コントローラ30及び駆動輪32を備えている。
【0015】
モータ10は例えば交流モータとして構成され、その出力軸10−1が減速機18を介して負荷である駆動輪32と連結されている。そして、モータ12を駆動(力行)運転させることにより駆動輪32を駆動させることができる。さらに、駆動輪32の回転エネルギーを利用してモータ10を発電運転(回生制動)させることもできる。
【0016】
内燃機関としてのエンジン12については、その出力軸12−1がワンウェイクラッチ24、動力分配機構16及び減速機18を介して駆動輪32と連結されている。
【0017】
ジェネレータ14は例えば交流発電機として構成され、その回転軸14−1が動力分配機構16を介してエンジン12の出力軸12−1と連結されている。
【0018】
動力分配機構16は、例えば図2に示すようなリングギヤ16−1、キャリア16−2及びサンギヤ16−3を有する遊星歯車機構によって構成することができる。ここで、モータ10、エンジン12及びジェネレータ14と遊星歯車機構との間の接続関係の一例を挙げると、図2に示すように、モータ10の出力軸10−1はリングギヤ16−1と連結され、エンジン12の出力軸12−1はワンウェイクラッチ24を介してキャリア16−2と連結され、ジェネレータ14の回転軸14−1はサンギヤ16−3と連結される。ただし、モータ10、エンジン12及びジェネレータ14と遊星歯車機構との間の接続関係については、この例に限るものではなく、任意に設定することができる。
【0019】
インバータ20は、バッテリー22からの直流電圧をスイッチング動作により120度ずつ位相が異なる3相交流に変換してモータ10及びジェネレータ14の3相コイル(図示せず)に交流電流をそれぞれ供給することが可能である。さらに、インバータ20は、モータ10及びジェネレータ14の3相コイルの交流電流を直流に変換してバッテリー22に回生する方向の変換も可能である。このように、ジェネレータ14の発電及びモータ10の回生制動によって生成された電気エネルギーは、インバータ20を介してバッテリー22に充電され、モータ10及びスタータ26の駆動の際に用いられる。
【0020】
また、インバータ20は図示しないDC−DCコンバータを備えており、ジェネレータ14の発電及びモータ10の回生制動によって生成された電気エネルギーの一部は、このDC−DCコンバータによって降圧されてから補機バッテリー28に充電される。ここで、補機バッテリー28に充電された電気エネルギーは図示しない車両電装品の作動に用いられる。
【0021】
エンジン12の出力軸12−1と動力分配機構16のキャリア16−2との間には、ワンウェイクラッチ24が設けられている。ワンウェイクラッチ24は、エンジン12の出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と同方向に回転しようとするときは、エンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを係合する。一方、エンジン12の出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは、ワンウェイクラッチ24は、エンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを解放する。すなわち、エンジン12の駆動方向に関して、キャリア16−2はエンジン12の出力軸12−1より大きい回転速度で回転することはあるが、エンジン12の出力軸12−1より小さい回転速度で回転しようとするとワンウェイクラッチ24が係合されるため、キャリア16−2はエンジン12の出力軸12−1より小さい回転速度で回転することはない。
【0022】
エンジン12が駆動され、その出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と同方向に回転しようとしてワンウェイクラッチ24が係合されたときは、エンジン12が発生する駆動力はワンウェイクラッチ24を介して動力分配機構16へ伝達される。動力分配機構16は、エンジン12が発生する駆動力を駆動輪32の駆動分とジェネレータ14の発電分とに分配する。このように、エンジン12を駆動することにより、駆動輪32を駆動させることができるとともに、ジェネレータ14を発電運転させることもできる。
【0023】
スタータ26は、バッテリー22から供給される電気エネルギーにより駆動され、停止状態のエンジン12を始動させることができる。なお、ここではスタータ26を駆動するための電気エネルギーを補機バッテリー28から供給するようにしてもよい。
【0024】
コントローラ30は、アクセル開度、車速及びブレーキ操作量(例えばいずれも図示しないセンサにより検出)等の車両状態を示す信号に応じてインバータ20の駆動を制御することにより、モータ10及びジェネレータ14の運転状態を制御する。そして、コントローラ30は、これらの車両状態を示す信号に応じてエンジン12の始動/停止を制御し、エンジン12が駆動されているときの運転状態も制御する。
【0025】
本実施形態においては、コントローラ30は、停止状態のエンジン12をスタータ26により始動させるときに、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように制御する。これによって、エンジン12の始動時にワンウェイクラッチ24を解放させることができ、エンジン12の始動時に発生する振動が駆動輪32へ伝達されるのを抑制することができる。
【0026】
なお、本実施形態では、エンジン12の始動時に、ワンウェイクラッチ24を介してエンジン12の出力軸12−1と連結される動力分配機構16の伝達要素の回転速度を制御する。図2に示す例の場合は、キャリア16−2がワンウェイクラッチ24を介してエンジン12の出力軸12−1と連結されているため、エンジン12の始動時にキャリア16−2の回転速度を制御することになる。
【0027】
以下、コントローラ30により実行されるエンジン始動時制御ルーチンについて、図3に示すフローチャートを用いて説明する。このルーチンは、停止状態のエンジン12を始動させる毎に実行される。
【0028】
まずステップ(以下Sとする)1においては、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように制御される。図4に示すように、モータ10の回転速度及びジェネレータ14の回転速度の少なくとも一方が変化すると、キャリア16−2の回転速度が変化する。
【0029】
ここで、キャリア16−2の回転速度をNc、ジェネレータ14の回転速度をNg、モータ10の回転速度をNm、サンギヤ16−3とリングギヤ16−1のギヤ比をρとすると、以下の(1)式が成立する。
Nc=ρ/(1+ρ)×Ng+1/(1+ρ)×Nm (1)
【0030】
また、減速機18の減速比をηとすると、駆動輪32の回転速度Nwhは、以下の(2)式で表される。
Nwh=1/η×Nm (2)
【0031】
本実施形態では、コントローラ30は、モータ10による駆動輪32の駆動制御に影響を与えないために、ジェネレータ14の回転速度を制御することにより、駆動輪32の駆動状態に変化を与えることなくキャリア16−2の回転速度を制御する。より具体的には、コントローラ30は、モータ10の回転速度(図示しないセンサにより検出)を読み込み、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるようなジェネレータ14の目標回転速度を演算して設定する。
【0032】
ここで、ジェネレータ14の目標回転速度をNgr、キャリア16−2の設定回転速度(エンジン12の始動時回転速度以上に設定される)をNcrとすると、(1)式より以下の(3)式が成立するため、(3)式を用いてジェネレータ14の目標回転速度Ngrを設定することができる。
Ngr=(1+ρ)/ρ×Ncr−1/ρ×Nm (3)
【0033】
そして、この目標回転速度Ngrに等しくなるようにジェネレータ14の回転速度が制御される。その後、S2に進む。なお、モータ10及びジェネレータ14の運転状態によっては、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がすでにエンジン12の始動時回転速度以上となっている場合も考えられるが、その場合はその状態が維持されるように制御が行われる。また、エンジン12の始動時回転速度については、スタータ26によりエンジン12を始動可能な値が予め設定されている。
【0034】
S2においては、スタータ26を駆動することにより、エンジン12を始動させる。このとき、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように予め制御されているため、ワンウェイクラッチ24は解放している。その後、S3に進む。
【0035】
S3においては、エンジン12の始動後に、解放しているワンウェイクラッチ24を係合させるために、エンジン12の回転速度がキャリア16−2の回転速度に等しくなるように制御される。ここでの制御の一例としては、エンジン12の回転速度を始動時回転速度から増大させる制御を行うことで、ワンウェイクラッチ24を係合させる。ただし、ここでは、エンジン12の回転速度の制御を行う代わりに、キャリア16−2の回転速度をエンジン12の回転速度まで下げるようにジェネレータ14の回転速度を制御することで、ワンウェイクラッチ24を係合させてもよい。あるいは、エンジン12の回転速度を増大させる制御及びキャリア16−2の回転速度を下げる制御の両方を行うことで、ワンウェイクラッチ24を係合させてもよい。S3の処理によりワンウェイクラッチ24が係合することで、エンジン12の駆動力を駆動輪32及びジェネレータ14へ伝達させることができる。その後、本ルーチンの実行を終了する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、スタータ26によりエンジン12を始動させるときに、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように予め制御される。これによって、エンジン12の始動時にワンウェイクラッチ24を解放させることができるので、エンジン12の始動時に発生する振動が駆動輪32へ伝達されるのを抑制することができる。そして、エンジン12の始動後には、エンジン12の回転速度を増大させる制御及びキャリア16−2の回転速度を下げる制御の少なくとも一方を行うことにより、エンジン12の始動時には解放状態にあったワンウェイクラッチ24を係合させることができるので、エンジン12の駆動力を駆動輪32及びジェネレータ14へ伝達させることができる。また、エンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2との間の係合/解放は、ワンウェイクラッチ24により機械的に行われるので、油圧等を用いてクラッチの係合/解放の制御を行う必要もない。したがって、本実施形態によれば、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態のコントローラ30によるキャリア16−2の回転速度制御については、エンジン12の始動時だけでなく、エンジン12の停止時にも行うことができる。エンジン12の停止制御を行う際は、係合状態のワンウェイクラッチ24を解放状態にするために、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度が現在のエンジン12の回転速度以上となるように予め制御される。具体的には、現在のエンジン12の回転速度以上となるキャリア16−2の設定回転速度Ncrが設定され、(3)式を用いてジェネレータ14の目標回転速度Ngrが演算される。そして、この目標回転速度Ngrに等しくなるようにジェネレータ14の回転速度が制御される。このジェネレータ14の回転速度制御によってワンウェイクラッチ24が解放状態になった後に、エンジン12の停止制御が行われる。そして、エンジン12が停止した後に、ジェネレータ14の回転速度制御を終了する。以上の制御によれば、エンジン12の停止時にワンウェイクラッチ24を解放させることができるので、エンジン12の停止時に発生する振動が駆動輪32へ伝達されるのを抑制することができる。したがって、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スタータにより内燃機関を始動させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における伝達要素の回転速度が内燃機関の始動時回転速度以上となるように制御することにより、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の駆動装置を含むハイブリッド車両の構成の概略を示す図である。
【図2】モータ、エンジン及びジェネレータと遊星歯車機構との間の接続関係の一例を説明する図である。
【図3】コントローラにより実行されるエンジン始動時制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図4】モータ、キャリア及びジェネレータの回転速度を説明する共線図である。
【符号の説明】
10 モータ、12 エンジン、14 ジェネレータ、16 動力分配機構、18 減速機、20 インバータ、22 バッテリー、24 ワンウェイクラッチ、26 スタータ、28 補機バッテリー、30 コントローラ、32 駆動輪。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関及びモータを動力源として備えたハイブリッド車両の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来のハイブリッド車両の駆動装置の一例が特開平8−290721号公報(特許文献1)に開示されている。この従来の駆動装置は、内燃機関、モータ、ジェネレータ及び遊星歯車機構を備えている。そして、内燃機関は遊星歯車機構のキャリアと連結され、モータは駆動輪及び遊星歯車機構のリングギヤと連結され、ジェネレータは遊星歯車機構のサンギヤと連結されている。さらに、内燃機関と遊星歯車機構のキャリアとの間にワンウェイクラッチが設けられている。ここでのワンウェイクラッチは、キャリアが内燃機関の駆動方向に対して逆方向に回転しようとするときに係合し、キャリアが内燃機関の駆動方向に回転しようとするときに解放するように機能する。これによって、車両の牽引時に内燃機関が停止されている場合に、ワンウェイクラッチが解放してキャリアが空転することにより、ジェネレータが高速で空転するのを抑止している。
【0003】
しかしながら、この従来のハイブリッド車両の駆動装置においては、停止状態の内燃機関を始動させるときには、ワンウェイクラッチが係合することになるため、始動時に内燃機関にて発生した振動が駆動輪へ伝達される。したがって、この従来の駆動装置においては、ドライバビリティが低下してしまうという課題があった。そこで、本発明は、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができるハイブリッド車両の駆動装置を提供することを目的とする。なお、その他にも、特許文献2〜5に示すハイブリッド車両の駆動装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−290721号公報
【特許文献2】
特開昭59−204402号公報
【特許文献3】
特開昭52−149722号公報
【特許文献4】
特開2000−103259公報
【特許文献5】
特開2000−71815公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、駆動輪の駆動が可能なモータと、モータを駆動させるための電力を発生可能なジェネレータと、駆動輪の駆動及びジェネレータの発電駆動が可能な内燃機関と、内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに分配可能な動力分配機構と、内燃機関の出力軸と該出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間に設けられ、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを係合し、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを解放するワンウェイクラッチと、内燃機関を始動可能なスタータと、スタータにより内燃機関を始動させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における前記伝達要素の回転速度が内燃機関の始動時回転速度以上となるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、内燃機関の出力軸とこの出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間にワンウェイクラッチが設けられている。ここでのワンウェイクラッチの動作としては、内燃機関の出力軸が動力分配機構の伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは出力軸と伝達要素とを係合し、内燃機関の出力軸が動力分配機構の伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは出力軸と伝達要素とを解放する。そして、本発明においては、スタータにより内燃機関を始動させるときに、内燃機関の駆動方向における伝達要素の回転速度が内燃機関の始動時回転速度以上となるように制御される。これによって、停止状態の内燃機関を始動させるときにワンウェイクラッチを解放状態にすることができるので、始動時に内燃機関にて発生した振動が駆動輪へ伝達されるのを抑制することができる。したがって、本発明によれば、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0007】
第2の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、第1の本発明に記載の駆動装置であって、前記制御手段は、内燃機関の始動後に、ワンウェイクラッチを係合させるために、内燃機関の出力軸回転速度と前記伝達要素の回転速度との少なくとも一方を制御することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、内燃機関の始動後に、内燃機関の出力軸回転速度と動力分配機構の伝達要素の回転速度との少なくとも一方を制御することにより、内燃機関の始動時には解放状態にあったワンウェイクラッチを係合させることができる。したがって、内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに伝達させることができる。
【0009】
第3の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、第1または第2の本発明に記載の駆動装置であって、前記制御手段は、ジェネレータの回転速度を制御することにより、前記伝達要素の回転速度を制御することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ジェネレータの回転速度を制御することにより、動力分配機構の伝達要素の回転速度を制御するので、駆動輪の駆動制御に影響を与えることなく、動力分配機構の伝達要素の回転速度を制御することができる。
【0011】
第4の本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、駆動輪の駆動が可能なモータと、モータを駆動させるための電力を発生可能なジェネレータと、駆動輪の駆動及びジェネレータの発電駆動が可能な内燃機関と、内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに分配可能な動力分配機構と、内燃機関の出力軸と該出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間に設けられ、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを係合し、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを解放するワンウェイクラッチと、内燃機関を始動可能なスタータと、内燃機関を停止させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における前記伝達要素の回転速度が内燃機関の回転速度以上となるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、内燃機関を停止させるときに、内燃機関の駆動方向における伝達要素の回転速度が内燃機関の回転速度以上となるように制御される。これによって、駆動状態の内燃機関を停止させるときにワンウェイクラッチを解放状態にすることができるので、停止時に内燃機関にて発生した振動が駆動輪へ伝達されるのを抑制することができる。したがって、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の駆動装置を含むハイブリッド車両の構成の概略を示す図である。本実施形態の駆動装置を含むハイブリッド車両は、モータ10、エンジン12、ジェネレータ14、動力分配機構16、減速機18、インバータ20、バッテリー22、ワンウェイクラッチ24、スタータ26、補機バッテリー28、コントローラ30及び駆動輪32を備えている。
【0015】
モータ10は例えば交流モータとして構成され、その出力軸10−1が減速機18を介して負荷である駆動輪32と連結されている。そして、モータ12を駆動(力行)運転させることにより駆動輪32を駆動させることができる。さらに、駆動輪32の回転エネルギーを利用してモータ10を発電運転(回生制動)させることもできる。
【0016】
内燃機関としてのエンジン12については、その出力軸12−1がワンウェイクラッチ24、動力分配機構16及び減速機18を介して駆動輪32と連結されている。
【0017】
ジェネレータ14は例えば交流発電機として構成され、その回転軸14−1が動力分配機構16を介してエンジン12の出力軸12−1と連結されている。
【0018】
動力分配機構16は、例えば図2に示すようなリングギヤ16−1、キャリア16−2及びサンギヤ16−3を有する遊星歯車機構によって構成することができる。ここで、モータ10、エンジン12及びジェネレータ14と遊星歯車機構との間の接続関係の一例を挙げると、図2に示すように、モータ10の出力軸10−1はリングギヤ16−1と連結され、エンジン12の出力軸12−1はワンウェイクラッチ24を介してキャリア16−2と連結され、ジェネレータ14の回転軸14−1はサンギヤ16−3と連結される。ただし、モータ10、エンジン12及びジェネレータ14と遊星歯車機構との間の接続関係については、この例に限るものではなく、任意に設定することができる。
【0019】
インバータ20は、バッテリー22からの直流電圧をスイッチング動作により120度ずつ位相が異なる3相交流に変換してモータ10及びジェネレータ14の3相コイル(図示せず)に交流電流をそれぞれ供給することが可能である。さらに、インバータ20は、モータ10及びジェネレータ14の3相コイルの交流電流を直流に変換してバッテリー22に回生する方向の変換も可能である。このように、ジェネレータ14の発電及びモータ10の回生制動によって生成された電気エネルギーは、インバータ20を介してバッテリー22に充電され、モータ10及びスタータ26の駆動の際に用いられる。
【0020】
また、インバータ20は図示しないDC−DCコンバータを備えており、ジェネレータ14の発電及びモータ10の回生制動によって生成された電気エネルギーの一部は、このDC−DCコンバータによって降圧されてから補機バッテリー28に充電される。ここで、補機バッテリー28に充電された電気エネルギーは図示しない車両電装品の作動に用いられる。
【0021】
エンジン12の出力軸12−1と動力分配機構16のキャリア16−2との間には、ワンウェイクラッチ24が設けられている。ワンウェイクラッチ24は、エンジン12の出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と同方向に回転しようとするときは、エンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを係合する。一方、エンジン12の出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは、ワンウェイクラッチ24は、エンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2とを解放する。すなわち、エンジン12の駆動方向に関して、キャリア16−2はエンジン12の出力軸12−1より大きい回転速度で回転することはあるが、エンジン12の出力軸12−1より小さい回転速度で回転しようとするとワンウェイクラッチ24が係合されるため、キャリア16−2はエンジン12の出力軸12−1より小さい回転速度で回転することはない。
【0022】
エンジン12が駆動され、その出力軸12−1がキャリア16−2に対し相対的にエンジン12の駆動方向と同方向に回転しようとしてワンウェイクラッチ24が係合されたときは、エンジン12が発生する駆動力はワンウェイクラッチ24を介して動力分配機構16へ伝達される。動力分配機構16は、エンジン12が発生する駆動力を駆動輪32の駆動分とジェネレータ14の発電分とに分配する。このように、エンジン12を駆動することにより、駆動輪32を駆動させることができるとともに、ジェネレータ14を発電運転させることもできる。
【0023】
スタータ26は、バッテリー22から供給される電気エネルギーにより駆動され、停止状態のエンジン12を始動させることができる。なお、ここではスタータ26を駆動するための電気エネルギーを補機バッテリー28から供給するようにしてもよい。
【0024】
コントローラ30は、アクセル開度、車速及びブレーキ操作量(例えばいずれも図示しないセンサにより検出)等の車両状態を示す信号に応じてインバータ20の駆動を制御することにより、モータ10及びジェネレータ14の運転状態を制御する。そして、コントローラ30は、これらの車両状態を示す信号に応じてエンジン12の始動/停止を制御し、エンジン12が駆動されているときの運転状態も制御する。
【0025】
本実施形態においては、コントローラ30は、停止状態のエンジン12をスタータ26により始動させるときに、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように制御する。これによって、エンジン12の始動時にワンウェイクラッチ24を解放させることができ、エンジン12の始動時に発生する振動が駆動輪32へ伝達されるのを抑制することができる。
【0026】
なお、本実施形態では、エンジン12の始動時に、ワンウェイクラッチ24を介してエンジン12の出力軸12−1と連結される動力分配機構16の伝達要素の回転速度を制御する。図2に示す例の場合は、キャリア16−2がワンウェイクラッチ24を介してエンジン12の出力軸12−1と連結されているため、エンジン12の始動時にキャリア16−2の回転速度を制御することになる。
【0027】
以下、コントローラ30により実行されるエンジン始動時制御ルーチンについて、図3に示すフローチャートを用いて説明する。このルーチンは、停止状態のエンジン12を始動させる毎に実行される。
【0028】
まずステップ(以下Sとする)1においては、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように制御される。図4に示すように、モータ10の回転速度及びジェネレータ14の回転速度の少なくとも一方が変化すると、キャリア16−2の回転速度が変化する。
【0029】
ここで、キャリア16−2の回転速度をNc、ジェネレータ14の回転速度をNg、モータ10の回転速度をNm、サンギヤ16−3とリングギヤ16−1のギヤ比をρとすると、以下の(1)式が成立する。
Nc=ρ/(1+ρ)×Ng+1/(1+ρ)×Nm (1)
【0030】
また、減速機18の減速比をηとすると、駆動輪32の回転速度Nwhは、以下の(2)式で表される。
Nwh=1/η×Nm (2)
【0031】
本実施形態では、コントローラ30は、モータ10による駆動輪32の駆動制御に影響を与えないために、ジェネレータ14の回転速度を制御することにより、駆動輪32の駆動状態に変化を与えることなくキャリア16−2の回転速度を制御する。より具体的には、コントローラ30は、モータ10の回転速度(図示しないセンサにより検出)を読み込み、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるようなジェネレータ14の目標回転速度を演算して設定する。
【0032】
ここで、ジェネレータ14の目標回転速度をNgr、キャリア16−2の設定回転速度(エンジン12の始動時回転速度以上に設定される)をNcrとすると、(1)式より以下の(3)式が成立するため、(3)式を用いてジェネレータ14の目標回転速度Ngrを設定することができる。
Ngr=(1+ρ)/ρ×Ncr−1/ρ×Nm (3)
【0033】
そして、この目標回転速度Ngrに等しくなるようにジェネレータ14の回転速度が制御される。その後、S2に進む。なお、モータ10及びジェネレータ14の運転状態によっては、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がすでにエンジン12の始動時回転速度以上となっている場合も考えられるが、その場合はその状態が維持されるように制御が行われる。また、エンジン12の始動時回転速度については、スタータ26によりエンジン12を始動可能な値が予め設定されている。
【0034】
S2においては、スタータ26を駆動することにより、エンジン12を始動させる。このとき、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように予め制御されているため、ワンウェイクラッチ24は解放している。その後、S3に進む。
【0035】
S3においては、エンジン12の始動後に、解放しているワンウェイクラッチ24を係合させるために、エンジン12の回転速度がキャリア16−2の回転速度に等しくなるように制御される。ここでの制御の一例としては、エンジン12の回転速度を始動時回転速度から増大させる制御を行うことで、ワンウェイクラッチ24を係合させる。ただし、ここでは、エンジン12の回転速度の制御を行う代わりに、キャリア16−2の回転速度をエンジン12の回転速度まで下げるようにジェネレータ14の回転速度を制御することで、ワンウェイクラッチ24を係合させてもよい。あるいは、エンジン12の回転速度を増大させる制御及びキャリア16−2の回転速度を下げる制御の両方を行うことで、ワンウェイクラッチ24を係合させてもよい。S3の処理によりワンウェイクラッチ24が係合することで、エンジン12の駆動力を駆動輪32及びジェネレータ14へ伝達させることができる。その後、本ルーチンの実行を終了する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、スタータ26によりエンジン12を始動させるときに、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度がエンジン12の始動時回転速度以上となるように予め制御される。これによって、エンジン12の始動時にワンウェイクラッチ24を解放させることができるので、エンジン12の始動時に発生する振動が駆動輪32へ伝達されるのを抑制することができる。そして、エンジン12の始動後には、エンジン12の回転速度を増大させる制御及びキャリア16−2の回転速度を下げる制御の少なくとも一方を行うことにより、エンジン12の始動時には解放状態にあったワンウェイクラッチ24を係合させることができるので、エンジン12の駆動力を駆動輪32及びジェネレータ14へ伝達させることができる。また、エンジン12の出力軸12−1とキャリア16−2との間の係合/解放は、ワンウェイクラッチ24により機械的に行われるので、油圧等を用いてクラッチの係合/解放の制御を行う必要もない。したがって、本実施形態によれば、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態のコントローラ30によるキャリア16−2の回転速度制御については、エンジン12の始動時だけでなく、エンジン12の停止時にも行うことができる。エンジン12の停止制御を行う際は、係合状態のワンウェイクラッチ24を解放状態にするために、エンジン12の駆動方向におけるキャリア16−2の回転速度が現在のエンジン12の回転速度以上となるように予め制御される。具体的には、現在のエンジン12の回転速度以上となるキャリア16−2の設定回転速度Ncrが設定され、(3)式を用いてジェネレータ14の目標回転速度Ngrが演算される。そして、この目標回転速度Ngrに等しくなるようにジェネレータ14の回転速度が制御される。このジェネレータ14の回転速度制御によってワンウェイクラッチ24が解放状態になった後に、エンジン12の停止制御が行われる。そして、エンジン12が停止した後に、ジェネレータ14の回転速度制御を終了する。以上の制御によれば、エンジン12の停止時にワンウェイクラッチ24を解放させることができるので、エンジン12の停止時に発生する振動が駆動輪32へ伝達されるのを抑制することができる。したがって、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スタータにより内燃機関を始動させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における伝達要素の回転速度が内燃機関の始動時回転速度以上となるように制御することにより、簡単な構成でドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の駆動装置を含むハイブリッド車両の構成の概略を示す図である。
【図2】モータ、エンジン及びジェネレータと遊星歯車機構との間の接続関係の一例を説明する図である。
【図3】コントローラにより実行されるエンジン始動時制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図4】モータ、キャリア及びジェネレータの回転速度を説明する共線図である。
【符号の説明】
10 モータ、12 エンジン、14 ジェネレータ、16 動力分配機構、18 減速機、20 インバータ、22 バッテリー、24 ワンウェイクラッチ、26 スタータ、28 補機バッテリー、30 コントローラ、32 駆動輪。
Claims (4)
- 駆動輪の駆動が可能なモータと、
モータを駆動させるための電力を発生可能なジェネレータと、
駆動輪の駆動及びジェネレータの発電駆動が可能な内燃機関と、
内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに分配可能な動力分配機構と、
内燃機関の出力軸と該出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間に設けられ、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを係合し、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを解放するワンウェイクラッチと、
内燃機関を始動可能なスタータと、
スタータにより内燃機関を始動させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における前記伝達要素の回転速度が内燃機関の始動時回転速度以上となるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置であって、
前記制御手段は、内燃機関の始動後に、ワンウェイクラッチを係合させるために、内燃機関の出力軸回転速度と前記伝達要素の回転速度との少なくとも一方を制御することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の駆動装置であって、
前記制御手段は、ジェネレータの回転速度を制御することにより、前記伝達要素の回転速度を制御することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 駆動輪の駆動が可能なモータと、
モータを駆動させるための電力を発生可能なジェネレータと、
駆動輪の駆動及びジェネレータの発電駆動が可能な内燃機関と、
内燃機関が発生する駆動力を駆動輪及びジェネレータに分配可能な動力分配機構と、
内燃機関の出力軸と該出力軸が連結される動力分配機構の伝達要素との間に設けられ、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と同方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを係合し、該出力軸が該伝達要素に対し相対的に内燃機関の駆動方向と逆方向に回転しようとするときは該出力軸と該伝達要素とを解放するワンウェイクラッチと、
内燃機関を始動可能なスタータと、
内燃機関を停止させるときに、ワンウェイクラッチを解放させるために、内燃機関の駆動方向における前記伝達要素の回転速度が内燃機関の回転速度以上となるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003183318A JP2005020911A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | ハイブリッド車両の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003183318A JP2005020911A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | ハイブリッド車両の駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005020911A true JP2005020911A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34183454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003183318A Pending JP2005020911A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | ハイブリッド車両の駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005020911A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6177892A (ja) * | 1984-09-26 | 1986-04-21 | 株式会社日立製作所 | カラ−画像表示方式 |
KR100854768B1 (ko) | 2006-12-26 | 2008-08-27 | 재단법인서울대학교산학협력재단 | 하이브리드 차량용 동력전달장치 |
JP2013141872A (ja) * | 2012-01-10 | 2013-07-22 | Honda Motor Co Ltd | 車両用駆動装置 |
JP2013224133A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-31 | Hyundai Motor Co Ltd | ハイブリッド車両変速機及び始動制御方法 |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003183318A patent/JP2005020911A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6177892A (ja) * | 1984-09-26 | 1986-04-21 | 株式会社日立製作所 | カラ−画像表示方式 |
KR100854768B1 (ko) | 2006-12-26 | 2008-08-27 | 재단법인서울대학교산학협력재단 | 하이브리드 차량용 동력전달장치 |
JP2013141872A (ja) * | 2012-01-10 | 2013-07-22 | Honda Motor Co Ltd | 車両用駆動装置 |
JP2013224133A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-31 | Hyundai Motor Co Ltd | ハイブリッド車両変速機及び始動制御方法 |
KR101795377B1 (ko) | 2012-04-19 | 2017-11-10 | 현대자동차 주식회사 | 하이브리드 차량 변속기 및 시동 제어 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3354074B2 (ja) | パラレルハイブリッド車両の制御装置 | |
EP0916539B1 (en) | Hybrid power output apparatus and method of controlling the same | |
JP3291916B2 (ja) | ハイブリッド型車両 | |
WO2012029170A1 (ja) | 電動車両およびその制御方法 | |
US20140121867A1 (en) | Method of controlling a hybrid powertrain with multiple electric motors to reduce electrical power losses and hybrid powertrain configured for same | |
WO2012098658A1 (ja) | ハイブリッド車両およびその制御方法 | |
JP5007579B2 (ja) | ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置 | |
JP2010006309A (ja) | 車両用制御装置 | |
JP2006312352A (ja) | 駆動システムの制御装置 | |
JP2007014072A (ja) | 駆動システムの制御装置 | |
JP5131112B2 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
WO2013018221A1 (ja) | 車両および車両の制御方法 | |
JP2005125876A (ja) | ハイブリッド車の駆動装置 | |
JP2005257004A (ja) | ハイブリッド車の制御装置 | |
JP2010006306A (ja) | 車両用駆動装置 | |
JP4767041B2 (ja) | 電気自動車の制御装置 | |
JP2007022309A (ja) | ハイブリッド電気自動車の補機駆動装置 | |
JP2010188937A (ja) | ハイブリッド車両 | |
JP5341572B2 (ja) | 昇降圧コンバータの制御方法 | |
JP2007230366A (ja) | 動力出力装置、それを搭載する車両及び動力出力装置の制御方法 | |
JP2008254677A (ja) | 車両及びその制御方法 | |
JP2000087777A (ja) | ハイブリッド車両およびその制御方法 | |
JP2005020911A (ja) | ハイブリッド車両の駆動装置 | |
JP5728846B2 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
JP5304957B2 (ja) | 電動車両およびその制御方法 |