JP2005019098A - 放電ランプ点灯装置および照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成であって、容易に自励発振を開始することのできる放電ランプ点灯装置および照明器具を提供する。
【解決手段】第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の一方のスイッチング手段をオンさせるように構成された第1の起動手段6と、負荷回路4の直流カット用コンデンサC2の両端電圧がインピーダンス素子R5を介して第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の他方の制御端子と基準端子との間に供給されるように構成された第2の起動手段7とを有してなる起動回路を具備する。
【選択図】図1
【解決手段】第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の一方のスイッチング手段をオンさせるように構成された第1の起動手段6と、負荷回路4の直流カット用コンデンサC2の両端電圧がインピーダンス素子R5を介して第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の他方の制御端子と基準端子との間に供給されるように構成された第2の起動手段7とを有してなる起動回路を具備する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自励発振するスイッチング手段を備えた放電ランプ点灯装置およびこの放電ランプ点灯装置を配設している照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の放電ランプ点灯装置は、当初、起動回路によりスイッチング手段を起動させ、以降、電流トランスに流れる電流を帰還してスイッチング手段を動作させている。したがって、当初の起動を確実に行わせるとともに、スイッチング手段の動作を継続させる必要がある。この起動を確実に行わせる放電ランプ点灯装置として、起動時、電流トランスに流れる電流を増加させているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
当該放電ランプ点灯装置50は、図5に示すように、商用交流電源Vsが投入されると、平滑用コンデンサC1の直流電圧が抵抗R5を介してコンデンサC6を充電する。そして、コンデンサC6の両端電圧が上昇すると、トリガーダイオードTD1がオンとなり、電界効果トランジスタQ2のゲートに電流が流れて、電界効果トランジスタQ2がオンとなる。電界効果トランジスタQ2がオンになると、コンデンサC2,C3の充電電流がインダクタL1、可飽和トランスCT1の1次巻線CT1aを通って、電界効果トランジスタQ2側に流れ、この時、コンデンサC6に充電されている未放出の電荷がダイオードD3、抵抗R10、可飽和トランスCT1の1次巻線CT1aを介して電界効果トランジスタQ2側に流れる。これにより、可飽和トランスCT1の2次側の帰還巻線CT1cに発生する電圧のピーク値およびそのパルス幅を大きくでき、電界効果トランジスタQ2をオンさせる起動エネルギーが大きくなり、電界効果トランジスタQ2を確実にオンさせることができるものである。
【0004】
【特許文献1】特開平9−238473号公報(第5頁、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特許文献1の放電ランプ点灯装置50は、コンデンサC6の未放出の電荷による電流が加わることで、一方の電界効果トランジスタQ2を確実にオンさせることができる。しかし、この時、インダクタL1に蓄積される電磁エネルギーおよびコンデンサC2,C3に蓄積されている電荷は少ないので、電界効果トランジスタQ2がオフして電界効果トランジスタQ1がオンされるときに、可飽和トランスCT1の1次巻線CT1aに流れるコンデンサC2,C3の蓄積電荷などによる回生電流が少なく、帰還巻線CT1bに発生する電圧が低くて、他方の電界効果トランジスタQ1はオンされないおそれがある。この結果、一方の電界効果トランジスタQ2がオンされても、電界効果トランジスタQ1,Q2の自励発振が継続されないおそれがある。
【0006】
本発明は、簡易な構成であって、容易に自励発振を開始することのできる放電ランプ点灯装置および照明器具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】請求項1に記載の放電ランプ点灯装置の発明は、直流電圧源と;直流電圧源の出力端子間に直列的に接続された電圧駆動形の第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段を有してなるスイッチング回路と;放電ランプ、直流カット用コンデンサ、インダクタおよび共振用コンデンサを備え、第1および第2のスイッチング手段の交互のスイッチング動作により高周波交流が発生されるように作動する負荷回路と;負荷回路に流れる電流を検出する検出巻線と、第1および第2のスイッチング手段のそれぞれの制御端子と基準端子との間に互いに逆極性となるように接続され、検出巻線で検出された電流に応じた電圧を磁気結合により第1および第2のスイッチング手段にそれぞれ帰還する第1および第2の正帰還巻線とを有する電流トランスを備え、検出巻線で検出された電流に応じた電圧に基づいて第1および第2のスイッチング手段を交互にスイッチング制御するように構成された駆動回路と;第1または第2のスイッチング手段のいずれか一方の制御端子と基準端子との間に直流電圧源の出力電圧に基づいて発生した電圧を供給していずれか一方のスイッチング手段をオンさせるように構成された第1の起動手段と、一方のスイッチング手段がオンしたときに充電された負荷回路の直流カット用コンデンサの両端電圧がインピーダンス素子を介して第1または第2のスイッチング手段の他方の制御端子と基準端子との間に供給されるように構成された第2の起動手段とを有してなる起動回路と;を具備していることを特徴とする。
【0008】
本発明および以下の発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【0009】
直流電圧源は、バッテリ、商用交流電圧を整流または整流平滑するもの、商用交流電源に整流回路および高効率低歪用の昇圧チョッパ回路を接続して整流平滑するものなど、直流電圧を供給し得るものであればよい。
【0010】
「第1および第2のスイッチング手段が直流電圧源の出力端子間に直列的に接続される」とは、第1および第2のスイッチング手段と直流電圧源との間に他の回路部品例えば抵抗などが介在していてもよいことを意味する。また、第1および第2のスイッチング手段の間に回路部品が介在していてもよい。
【0011】
「第1または第2のスイッチング手段の制御端子と基準端子」とは、例えば第1および第2のスイッチング手段がMOS型電界効果トランジスタであるときのゲートおよびソースである。
【0012】
負荷回路の直流カット用コンデンサは、負荷回路の他の回路部品よりも第1または第2のスイッチング手段の基準端子側となるようにして、当該基準端子側に接続されていることが好ましい。しかし、直流カット用コンデンサの両端電圧が第1または第2のスイッチング手段の制御端子と基準端子との間に起動時に供給され、起動時以外で遮断(非供給)されるものであれば、負荷回路での接続位置は問わない。
【0013】
本発明によれば、第1の起動手段により一方のスイッチング手段がオンされたときに、直流電圧源からの電流が負荷回路に流れ、負荷回路の直流カット用コンデンサが充電される。そして、当該直流カット用コンデンサの両端電圧がインピーダンス素子を介して他方のスイッチング手段の制御端子と基準端子との間に供給され、当該制御端子と基準端子との間の電圧がスレッショールド電圧以上のときに他方のスイッチング手段がオンされる。一方のスイッチング手段がオンされ、続いて他方のスイッチング手段がオンされることにより、第1および第2のスイッチング手段は、交互にスイッチング動作を開始し、自励発振を継続する。
【0014】
請求項2に記載の照明器具の発明は、請求項1記載の放電ランプ点灯装置と;この放電ランプ点灯装置を配設している照明器具本体と;を具備していることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、請求項1記載の放電ランプ点灯装置を具備しているので、放電ランプが容易に起動することのできる照明器具が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図である。なお、図5と同一部分には同一符号を付している。
【0018】
放電ランプ点灯装置1は、直流電圧源2、スイッチング回路3、負荷回路4、駆動回路5、起動回路を構成する第1の起動手段としての第1の起動回路6および第2の起動手段としての第2の起動回路7を有して構成されている。
【0019】
直流電圧源2は、例えば商用100Vの低周波交流電源Vsに接続された整流装置8および平滑用コンデンサC1を有して構成されている。整流装置8は、ブリッジ形全波整流回路で形成され、その交流入力端が低周波交流電源Vsに接続され、直流出力端が平滑用コンデンサC1の両端に接続されている。
【0020】
スイッチング回路3は、直流電圧源2の出力端子間に直列的に接続された電圧駆動形の第1のスイッチング手段Q1および第2のスイッチング手段Q2を有して構成されている。第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2は、それぞれ電界効果トランジスタからなり、第1のスイッチング手段Q1のドレインが平滑用コンデンサC1の正極側に接続され、第2のスイッチング手段Q2のソースが平滑用コンデンサC1の負極側に接続されている。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2は、ドレイン、ソース間にそれぞれ寄生ダイオードD1,D2が接続されている。
【0021】
負荷回路4は、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9および共振用コンデンサC3の直列回路によって構成され、電流トランスCT1を介して第1のスイッチング手段Q1に並列接続している。そして、直流カット用コンデンサC2は、インダクタL1よりも電源側に接続されている。
【0022】
放電ランプ9は、一対のフィラメント電極9a,9bを備えた蛍光ランプからなり、共振用コンデンサC3の両端間に接続されて、一対のフィラメント電極8a,8bが負荷回路4に直列に介挿されている。インダクタL1は、負荷を構成する放電ランプ9に対して限流インピーダンスとなっている。そして、負荷回路4は、スイッチング回路3の第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の交互のスイッチング動作により高周波交流が発生されるように作動する。
【0023】
駆動回路5は、スイッチング回路3および負荷回路4の間に設けられ、検出巻線CT1aおよび検出巻線CT1aに磁気結合している第1の正帰還巻線CT1bおよび第2の正帰還巻線CT1cを有する電流トランスCT1を備えている。電流トランスCT1は、可飽和トランスである。検出巻線CT1aは、負荷回路4に流れる電流を検出する。そして、第1の正帰還巻線CT1bは、抵抗R1およびインピーダンス素子としてのコンデンサC4の直列回路を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に接続されている。また、第2の正帰還巻線CT1cは、抵抗R2およびインピーダンス素子としてのコンデンサC5の直列回路を介して第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に接続されている。すなわち、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cは、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2毎に設けられ、検出巻線CT1aで検出された電流に応じた電圧を第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のゲート(制御端子)にそれぞれ帰還するものである。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のゲート電圧がスレッショールド電圧以上になると、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2はオンする。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のそれぞれのゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間には、それぞれ抵抗R3,R4が接続されている。この抵抗R3,R4は、ノイズ防止用として機能している。また、抵抗R3は、放電用としても機能している。
【0024】
また、第1の正帰還巻線CT1bおよび第2の正帰還巻線CT1cは、互いに逆極性に形成されている。第1の正帰還巻線CT1bは、検出巻線CT1aに第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2(スイッチング回路3)の中点Aから負荷回路4側に電流が流れるときに(図中、矢印O方向)、第1のスイッチング手段Q1をオンさせるように作用する。また、第2の正帰還巻線CT1cは、検出巻線CT1aに負荷回路4側からスイッチング手段3の中点Aに電流が流れるときに(図中、矢印P方向)、第2のスイッチング手段Q2をオンさせるように作用する。こうして、駆動回路5は、検出巻線CT1aで検出された電流に応じた電圧に基づいて第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2を交互にスイッチング制御するように構成されている。
【0025】
第1の起動回路6は、直流電圧源2およびスイッチング回路3の間に設けられている。すなわち、第1の起動回路6は、直流電圧源2の平滑用コンデンサC1の両端間に接続された抵抗R5およびコンデンサC6のRC直列回路と、抵抗R5およびコンデンサC6の中点Bと前記中点Aとの間に接続されたダイオードD3と、前記中点Bと第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)との間に接続されたトリガーダイオードTD1および抵抗R6の直列回路を有して構成されている。
【0026】
コンデンサC6は、平滑用コンデンサC1の直流電圧により、抵抗R5を介して充電される。そして、コンデンサC6の両端電圧が所定値(トリガーダイオードTD1のブレイクオーバー電圧)以上に上昇すると、トリガーダイオードTD1がオンとなり、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加される。これにより、第2のスイッチング手段Q2がオンする。そして、第2のスイッチング手段Q2がオンすると、コンデンサC6は、その充電電荷が前記中点B、ダイオードD3、前記中点Aおよび第2のスイッチング手段Q2を介して直流電圧源2の負極側に流れて放電される。このように、第1の起動回路6は、直流電圧源2の出力電圧に基づいて発生したコンデンサC6の両端電圧を第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に供給して、第2のスイッチング手段Q2をオンさせるように構成されている。
【0027】
第2の起動回路7は、負荷回路4の直流カット用コンデンサC2およびインダクタL1の中点Cと第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)との間に接続されたインピーダンス素子としての抵抗R7により構成されている。
【0028】
直流カット用コンデンサC2の充電電圧は、抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加され、その充電電圧が上昇するにしたがい、第1のスイッチング手段Q1のゲート電圧を上昇させる。そして、第1のスイッチング手段Q1のゲート電圧がスレッショールド電圧以上になると、第1のスイッチング手段Q1がオンする。
【0029】
そして、負荷回路4が高周波交流で作動しているとき、直流カット用コンデンサC2から抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加される直流電圧は、抵抗R3により放電される。
【0030】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について述べる。
【0031】
低周波交流電源Vsを投入すると、平滑化された直流電圧が平滑用コンデンサC1の両端に発生する。そして、第1の起動回路6およびスイッチング回路3のそれぞれの両端間に直流電圧が印加される。
【0032】
このとき、直流電圧源2の正極より、抵抗R5およびコンデンサC6のRC直列回路、直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、コンデンサC6が充電される。コンデンサC6の両端電圧は、当該充電に伴って上昇していく。そして、コンデンサC6の両端電圧がトリガーダイオードTD1のブレイクオーバー電圧以上に上昇すると、トリガーダイオードTD1がオンする。すると、コンデンサC6の両端電圧が抵抗R6を介して第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加され、第2のスイッチング手段Q2がオンする。
【0033】
第2のスイッチング手段Q2がオンすると、コンデンサC6の充電電荷は、ダイオードD3、中点Aおよび第2のスイッチング手段Q2を介して直流電圧源2の負極に流れる。この結果、コンデンサC6の両端電圧は、直ちにスレッショールド電圧を下回るようになり、第2のスイッチング手段Q2をオフさせるように作用する。
【0034】
しかしながら、第2のスイッチング手段Q2がオンしたときに、直流電圧源2の正極より、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極9b、インダクタL1、直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第2のスイッチング手段Q2および直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。この時、電流トランスCT1の検出巻線CT1aには、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れているので、第2の正帰還巻線CT1cに帰還される電圧により、第2のスイッチング手段Q2はオン状態が維持される。
【0035】
そして、直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積されると、この蓄積された電荷による電圧が抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に印加されるようになる。ここで、第1の正帰還巻線CT1bは、第2の正帰還巻線CT1cと逆極性であるので、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れているとき、抵抗R1、コンデンサC4および第1の正帰還巻線CT1bの経路で電流が流れる。すなわち、第1の正帰還巻線CT1bは、抵抗R7および第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)から電流を引き抜くように作用するので、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れているときには、第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)にスレッショールド電圧以上の電圧が印加されず、第1のスイッチング手段Q1はオンしない。言い換えれば、第2のスイッチング手段Q2がオンしているときに、第2の起動回路7により第1のスイッチング手段Q1はオンされない。
【0036】
そして、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れていると、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和する。すると、第2の正帰還巻線CT1cの両端間に発生する電圧が低下(オフ)し、第2のスイッチング手段Q2のゲート電圧がスレッショールド電圧以下となって、第2のスイッチング手段Q2はオフする。また、第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生する電圧も低下(オフ)するので、直流カット用コンデンサC2の蓄積電荷による電圧が抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に印加されるようになる。
【0037】
そして、第2のスイッチング手段Q2がオフすると、インダクタL1に蓄積された電磁エネルギーによる回生電流が直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第1のスイッチング手段Q1の寄生ダイオードD1、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよびインダクタL1の閉回路内で流れ、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷がそれぞれさらに蓄積される。
【0038】
また、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和すると、その後、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cの極性が反転する。すると、検出巻線CT1aの飽和前に第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生した電圧が逆極性の電圧となって第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加されようになる。すなわち、第1の正帰還巻線CT1bの両端間の電圧と、直流カット用コンデンサC2の蓄積電荷による電圧が第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に印加され、当該ゲート電圧が第1のスイッチング手段Q1のスレッショールド電圧以上となる。これにより、第1のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。すなわち、第2のスイッチング手段Q2がオフした後に、第2の起動回路7により、第1のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。
【0039】
第1のスイッチング手段Q1がオンすると、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に蓄積された電荷による電流が放電ランプ9のフィラメント電極9a、第1のスイッチング手段Q1、中点A、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよび共振用コンデンサC3の閉回路内で流れ、電流トランスCT1の検出巻線CT1aの飽和をリセットし、逆方向からインダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。この時、電流トランスCT1の検出巻線CT1aには、中点Aから負荷回路4側(O方向)に電流が流れているので、第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生する電圧は、第1のスイッチング手段Q1をオンさせるように作用する。
【0040】
そして、中点Aから負荷回路4側(O方向)に電流が流れていると、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和するようになる。すると、第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生する電圧が低下(オフ)し、第1のスイッチング手段Q1のゲート電圧がスレッショールド電圧以下となり、第1のスイッチング手段Q1はオフする。
【0041】
第1のスイッチング手段Q1はオフすると、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に蓄積された電荷による電流は、放電ランプ9のフィラメント電極9a、直流電圧源2の平滑用コンデンサC1、第2のスイッチング手段Q2の寄生ダイオードD2、中点A、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよび共振用コンデンサC3の閉回路内で流れ、逆方向からインダクタL1にさらに電磁エネルギーを蓄積し、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2にさらに電荷を蓄積させる。
【0042】
また、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和すると、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cの極性が反転する。そして、検出巻線CT1aの飽和前に第2の正帰還巻線CT1cの両端間に発生した電圧が逆極性の電圧となって、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加され、第2のスイッチング手段Q2がオンする。
【0043】
第2のスイッチング手段Q2がオンすると、直流電圧源2の正極、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極8b、インダクタL1、直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第2のスイッチング手段Q2および直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。
【0044】
そして、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れていると、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和するので、第2のスイッチング手段Q2はオフする。以後、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cに帰還された電圧により、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2が交互にスイッチング動作する。すなわち、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2が2回目以上にオンされる時には、直流電圧源2から負荷回路4に流れる電流により、インダクタL1に十分な電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に十分な電荷が蓄積される。この蓄積された電磁エネルギーおよび電荷による回生電流が電流トランスCT1の検出巻線CT1aに流れると、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cに、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のスレッショールド電圧以上の電圧を発生させる電圧が帰還される。この結果、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2は、電流トランスCT1の帰還電圧により自励発振する。
【0045】
そして、負荷回路4のインダクタL1および共振用コンデンサC3による共振電圧が放電ランプ9のフィラメント電極9a,9b間に印加されて放電ランプ9が点灯するとともに、その点灯が維持される。
【0046】
上述したように、当初、第1の起動回路6により第1のスイッチング手段Q1をオンさせ、直流電圧源2から負荷回路4に電流を流し、このときに充電された負荷回路4の直流カット用コンデンサC2の両端電圧が抵抗R7(第2の起動回路7)を介して第1のスイッチング手段Q1に第1の帰還巻線CT1bの両端電圧と共に供給されるようにしているので、第1のスイッチング手段Q1がオフしたときに第2のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。そして、以降、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cに帰還される電圧によって、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の自励発振が継続して行われる。
【0047】
そして、第2の起動回路7は、インピーダンス素子としての抵抗R7からなるので、簡易な構成であり、放電ランプ点灯装置1が安価に形成される。
【0048】
なお、インピーダンス素子としての抵抗R7は、第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)ではなく、駆動回路5の抵抗R1およびコンデンサC4の中点(接続点)に接続されてもよい。
【0049】
また、電流トランスCT1は、可飽和トランスでなくてもよい。この場合、第1の起動回路6により第2のスイッチング手段Q2がオンされると、直流電圧源2の正極より、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極9b、インダクタL1、直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第2のスイッチング手段Q2および直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。
【0050】
そして、インダクタL1に電磁エネルギーが十分に蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に十分に電荷が蓄積されると、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2の蓄積電荷による電流が放電ランプ9のフィラメント電極9a、直流電圧源2の平滑用コンデンサC1、第2のスイッチング手段Q2の寄生ダイオードD2、中点A、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよび共振用コンデンサC3の閉回路内で流れる。
【0051】
そして、電流トランスCT1の検出巻線CT1aに流れる電流がP方向からO方向に反転するとき、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cの両端電圧がそれぞれ反転し、第2のスイッチング手段Q2がオフし、第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に第1の正帰還巻線CT1bの両端電圧とともに、直流カット用コンデンサC2の未放出の電荷による電圧が印加され、第1のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0053】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0054】
図2に示す放電ランプ点灯装置10は、図1に示す放電ランプ点灯装置1において、第1のスイッチング手段Q1に並列的に接続されている負荷回路4に対して、第2のスイッチング手段Q2に並列的に接続した負荷回路11を構成したものである。すなわち、放電ランプ9のフィラメント電極9aの電源側端子を第2のスイッチング手段Q2のソース(基準端子)側に接続するとともに、直流カット用コンデンサC2を第2のスイッチング手段Q2のソース(基準端子)と駆動回路5の抵抗R4および第2の正帰還巻線CT1cとの接続点と、放電ランプ9のフィラメント電極9aの間に介挿したものである。
【0055】
そして、第2の起動手段としての第2の起動回路12をインピーダンス素子としての抵抗R7で構成するとともに、抵抗R7が放電ランプ9のフィラメント電極9aおよび直流カット用コンデンサC2の中点Dと、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)との間に接続されたものである。
【0056】
放電ランプ点灯装置10は、起動時に、第1の起動回路6により第1のスイッチング手段Q1がオンされ、第1のスイッチング手段Q1がオフしたときに、第2の起動回路12により第2のスイッチング手段Q2が容易にオンされる。したがって、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の自励発振の開始が行われやすい。
【0057】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0058】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0059】
図3に示す放電ランプ点灯装置13は、図1に示す放電ランプ点灯装置1において、第1の起動回路6に代えて、第1の起動回路14を第1のスイッチング手段Q1のドレイン(直流電圧源2の正極)および中点Cの間に接続した高抵抗値を有する抵抗R8と、中点Cおよび第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)の間に接続した抵抗R9によって構成したものである。
【0060】
低周波交流電源Vsが投入されると、直流電圧源2の正極から第1の起動回路14の抵抗R8、抵抗R9および第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)、ソース(基準端子)、直流電圧源2の負極の経路で電流が流れる。そして、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)、ソース(基準端子)間電圧がスレッショールド電圧以上になると、第2のスイッチング手段Q2がオンする。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2が自励発振しているとき、高抵抗値を有する抵抗R8に流れる電流は微小となるので、第1の起動回路14は機能しなくなる。
【0061】
なお、第1の起動回路14の抵抗R9は、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)ではなく、駆動回路5の抵抗R2およびコンデンサC5の中点(接続点)に接続されてもよい。
【0062】
また、上記第1〜第3の実施形態において、放電ランプ9は、フィラメント電極を有さない例えば高圧放電ランプであってもよい。この場合、放電ランプ9の一対の電極と並列的に共振用コンデンサC3が接続される。
【0063】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0064】
図4は、本発明の第4の実施形態を示す照明器具の外観図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0065】
図4に示す照明器具15は、天井等に直付けされる直付照明器具である。照明器具15は、照明器具本体16の下面の両端にランプソケット17,17が設けられ、これらランプソケット17,17間に放電ランプとしての蛍光ランプ9が挟持され接続されている。また、蛍光ランプ9に光学的に対向し、蛍光ランプ9からの放射光を反射させる反射面18aが形成された反射体18が照明器具本体16に取付けられている。また、照明器具本体16は、反射面18aの背面側に放電ランプ用点灯装置19を配設している。放電ランプ用点灯装置19は、図1に示す放電ランプ点灯装置1において、放電ランプとしての蛍光ランプ9が除去されて構成されたものである。
【0066】
照明器具15は、放電ランプ点灯装置1を配設しているので、商用交流電源Vsの投入により、蛍光ランプ9の起動が容易に行える。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1の起動手段により、第1または第2のスイッチング手段のいずれかをオンさせ、一方のスイッチング手段がオフしたときに、第2の起動手段により、負荷回路の直流カット用コンデンサの両端電圧を他方のスイッチング手段の制御端子に供給させるので、他方のスイッチング手段を容易にオンさせることができて、第1および第2のスイッチング手段を確実に起動させ自励発振させることができる。
【0068】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の放電ランプ点灯装置を具備しているので、放電ランプが容易に起動される照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す照明器具の外観図。
【図5】特許文献1の放電ランプ点灯装置の回路図。
【符号の説明】
1,10,13…放電ランプ点灯装置、2…直流電圧源、3…スイッチング回路、4,11…負荷回路、5…駆動回路、6,14…起動回路を構成する第1の起動手段としての第1の起動回路、7,12…起動回路を構成する第2の起動手段としての第2の起動回路、15…照明器具、16…照明器具本体
【発明の属する技術分野】本発明は、自励発振するスイッチング手段を備えた放電ランプ点灯装置およびこの放電ランプ点灯装置を配設している照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の放電ランプ点灯装置は、当初、起動回路によりスイッチング手段を起動させ、以降、電流トランスに流れる電流を帰還してスイッチング手段を動作させている。したがって、当初の起動を確実に行わせるとともに、スイッチング手段の動作を継続させる必要がある。この起動を確実に行わせる放電ランプ点灯装置として、起動時、電流トランスに流れる電流を増加させているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
当該放電ランプ点灯装置50は、図5に示すように、商用交流電源Vsが投入されると、平滑用コンデンサC1の直流電圧が抵抗R5を介してコンデンサC6を充電する。そして、コンデンサC6の両端電圧が上昇すると、トリガーダイオードTD1がオンとなり、電界効果トランジスタQ2のゲートに電流が流れて、電界効果トランジスタQ2がオンとなる。電界効果トランジスタQ2がオンになると、コンデンサC2,C3の充電電流がインダクタL1、可飽和トランスCT1の1次巻線CT1aを通って、電界効果トランジスタQ2側に流れ、この時、コンデンサC6に充電されている未放出の電荷がダイオードD3、抵抗R10、可飽和トランスCT1の1次巻線CT1aを介して電界効果トランジスタQ2側に流れる。これにより、可飽和トランスCT1の2次側の帰還巻線CT1cに発生する電圧のピーク値およびそのパルス幅を大きくでき、電界効果トランジスタQ2をオンさせる起動エネルギーが大きくなり、電界効果トランジスタQ2を確実にオンさせることができるものである。
【0004】
【特許文献1】特開平9−238473号公報(第5頁、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特許文献1の放電ランプ点灯装置50は、コンデンサC6の未放出の電荷による電流が加わることで、一方の電界効果トランジスタQ2を確実にオンさせることができる。しかし、この時、インダクタL1に蓄積される電磁エネルギーおよびコンデンサC2,C3に蓄積されている電荷は少ないので、電界効果トランジスタQ2がオフして電界効果トランジスタQ1がオンされるときに、可飽和トランスCT1の1次巻線CT1aに流れるコンデンサC2,C3の蓄積電荷などによる回生電流が少なく、帰還巻線CT1bに発生する電圧が低くて、他方の電界効果トランジスタQ1はオンされないおそれがある。この結果、一方の電界効果トランジスタQ2がオンされても、電界効果トランジスタQ1,Q2の自励発振が継続されないおそれがある。
【0006】
本発明は、簡易な構成であって、容易に自励発振を開始することのできる放電ランプ点灯装置および照明器具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】請求項1に記載の放電ランプ点灯装置の発明は、直流電圧源と;直流電圧源の出力端子間に直列的に接続された電圧駆動形の第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段を有してなるスイッチング回路と;放電ランプ、直流カット用コンデンサ、インダクタおよび共振用コンデンサを備え、第1および第2のスイッチング手段の交互のスイッチング動作により高周波交流が発生されるように作動する負荷回路と;負荷回路に流れる電流を検出する検出巻線と、第1および第2のスイッチング手段のそれぞれの制御端子と基準端子との間に互いに逆極性となるように接続され、検出巻線で検出された電流に応じた電圧を磁気結合により第1および第2のスイッチング手段にそれぞれ帰還する第1および第2の正帰還巻線とを有する電流トランスを備え、検出巻線で検出された電流に応じた電圧に基づいて第1および第2のスイッチング手段を交互にスイッチング制御するように構成された駆動回路と;第1または第2のスイッチング手段のいずれか一方の制御端子と基準端子との間に直流電圧源の出力電圧に基づいて発生した電圧を供給していずれか一方のスイッチング手段をオンさせるように構成された第1の起動手段と、一方のスイッチング手段がオンしたときに充電された負荷回路の直流カット用コンデンサの両端電圧がインピーダンス素子を介して第1または第2のスイッチング手段の他方の制御端子と基準端子との間に供給されるように構成された第2の起動手段とを有してなる起動回路と;を具備していることを特徴とする。
【0008】
本発明および以下の発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【0009】
直流電圧源は、バッテリ、商用交流電圧を整流または整流平滑するもの、商用交流電源に整流回路および高効率低歪用の昇圧チョッパ回路を接続して整流平滑するものなど、直流電圧を供給し得るものであればよい。
【0010】
「第1および第2のスイッチング手段が直流電圧源の出力端子間に直列的に接続される」とは、第1および第2のスイッチング手段と直流電圧源との間に他の回路部品例えば抵抗などが介在していてもよいことを意味する。また、第1および第2のスイッチング手段の間に回路部品が介在していてもよい。
【0011】
「第1または第2のスイッチング手段の制御端子と基準端子」とは、例えば第1および第2のスイッチング手段がMOS型電界効果トランジスタであるときのゲートおよびソースである。
【0012】
負荷回路の直流カット用コンデンサは、負荷回路の他の回路部品よりも第1または第2のスイッチング手段の基準端子側となるようにして、当該基準端子側に接続されていることが好ましい。しかし、直流カット用コンデンサの両端電圧が第1または第2のスイッチング手段の制御端子と基準端子との間に起動時に供給され、起動時以外で遮断(非供給)されるものであれば、負荷回路での接続位置は問わない。
【0013】
本発明によれば、第1の起動手段により一方のスイッチング手段がオンされたときに、直流電圧源からの電流が負荷回路に流れ、負荷回路の直流カット用コンデンサが充電される。そして、当該直流カット用コンデンサの両端電圧がインピーダンス素子を介して他方のスイッチング手段の制御端子と基準端子との間に供給され、当該制御端子と基準端子との間の電圧がスレッショールド電圧以上のときに他方のスイッチング手段がオンされる。一方のスイッチング手段がオンされ、続いて他方のスイッチング手段がオンされることにより、第1および第2のスイッチング手段は、交互にスイッチング動作を開始し、自励発振を継続する。
【0014】
請求項2に記載の照明器具の発明は、請求項1記載の放電ランプ点灯装置と;この放電ランプ点灯装置を配設している照明器具本体と;を具備していることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、請求項1記載の放電ランプ点灯装置を具備しているので、放電ランプが容易に起動することのできる照明器具が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図である。なお、図5と同一部分には同一符号を付している。
【0018】
放電ランプ点灯装置1は、直流電圧源2、スイッチング回路3、負荷回路4、駆動回路5、起動回路を構成する第1の起動手段としての第1の起動回路6および第2の起動手段としての第2の起動回路7を有して構成されている。
【0019】
直流電圧源2は、例えば商用100Vの低周波交流電源Vsに接続された整流装置8および平滑用コンデンサC1を有して構成されている。整流装置8は、ブリッジ形全波整流回路で形成され、その交流入力端が低周波交流電源Vsに接続され、直流出力端が平滑用コンデンサC1の両端に接続されている。
【0020】
スイッチング回路3は、直流電圧源2の出力端子間に直列的に接続された電圧駆動形の第1のスイッチング手段Q1および第2のスイッチング手段Q2を有して構成されている。第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2は、それぞれ電界効果トランジスタからなり、第1のスイッチング手段Q1のドレインが平滑用コンデンサC1の正極側に接続され、第2のスイッチング手段Q2のソースが平滑用コンデンサC1の負極側に接続されている。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2は、ドレイン、ソース間にそれぞれ寄生ダイオードD1,D2が接続されている。
【0021】
負荷回路4は、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9および共振用コンデンサC3の直列回路によって構成され、電流トランスCT1を介して第1のスイッチング手段Q1に並列接続している。そして、直流カット用コンデンサC2は、インダクタL1よりも電源側に接続されている。
【0022】
放電ランプ9は、一対のフィラメント電極9a,9bを備えた蛍光ランプからなり、共振用コンデンサC3の両端間に接続されて、一対のフィラメント電極8a,8bが負荷回路4に直列に介挿されている。インダクタL1は、負荷を構成する放電ランプ9に対して限流インピーダンスとなっている。そして、負荷回路4は、スイッチング回路3の第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の交互のスイッチング動作により高周波交流が発生されるように作動する。
【0023】
駆動回路5は、スイッチング回路3および負荷回路4の間に設けられ、検出巻線CT1aおよび検出巻線CT1aに磁気結合している第1の正帰還巻線CT1bおよび第2の正帰還巻線CT1cを有する電流トランスCT1を備えている。電流トランスCT1は、可飽和トランスである。検出巻線CT1aは、負荷回路4に流れる電流を検出する。そして、第1の正帰還巻線CT1bは、抵抗R1およびインピーダンス素子としてのコンデンサC4の直列回路を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に接続されている。また、第2の正帰還巻線CT1cは、抵抗R2およびインピーダンス素子としてのコンデンサC5の直列回路を介して第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に接続されている。すなわち、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cは、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2毎に設けられ、検出巻線CT1aで検出された電流に応じた電圧を第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のゲート(制御端子)にそれぞれ帰還するものである。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のゲート電圧がスレッショールド電圧以上になると、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2はオンする。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のそれぞれのゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間には、それぞれ抵抗R3,R4が接続されている。この抵抗R3,R4は、ノイズ防止用として機能している。また、抵抗R3は、放電用としても機能している。
【0024】
また、第1の正帰還巻線CT1bおよび第2の正帰還巻線CT1cは、互いに逆極性に形成されている。第1の正帰還巻線CT1bは、検出巻線CT1aに第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2(スイッチング回路3)の中点Aから負荷回路4側に電流が流れるときに(図中、矢印O方向)、第1のスイッチング手段Q1をオンさせるように作用する。また、第2の正帰還巻線CT1cは、検出巻線CT1aに負荷回路4側からスイッチング手段3の中点Aに電流が流れるときに(図中、矢印P方向)、第2のスイッチング手段Q2をオンさせるように作用する。こうして、駆動回路5は、検出巻線CT1aで検出された電流に応じた電圧に基づいて第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2を交互にスイッチング制御するように構成されている。
【0025】
第1の起動回路6は、直流電圧源2およびスイッチング回路3の間に設けられている。すなわち、第1の起動回路6は、直流電圧源2の平滑用コンデンサC1の両端間に接続された抵抗R5およびコンデンサC6のRC直列回路と、抵抗R5およびコンデンサC6の中点Bと前記中点Aとの間に接続されたダイオードD3と、前記中点Bと第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)との間に接続されたトリガーダイオードTD1および抵抗R6の直列回路を有して構成されている。
【0026】
コンデンサC6は、平滑用コンデンサC1の直流電圧により、抵抗R5を介して充電される。そして、コンデンサC6の両端電圧が所定値(トリガーダイオードTD1のブレイクオーバー電圧)以上に上昇すると、トリガーダイオードTD1がオンとなり、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加される。これにより、第2のスイッチング手段Q2がオンする。そして、第2のスイッチング手段Q2がオンすると、コンデンサC6は、その充電電荷が前記中点B、ダイオードD3、前記中点Aおよび第2のスイッチング手段Q2を介して直流電圧源2の負極側に流れて放電される。このように、第1の起動回路6は、直流電圧源2の出力電圧に基づいて発生したコンデンサC6の両端電圧を第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に供給して、第2のスイッチング手段Q2をオンさせるように構成されている。
【0027】
第2の起動回路7は、負荷回路4の直流カット用コンデンサC2およびインダクタL1の中点Cと第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)との間に接続されたインピーダンス素子としての抵抗R7により構成されている。
【0028】
直流カット用コンデンサC2の充電電圧は、抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加され、その充電電圧が上昇するにしたがい、第1のスイッチング手段Q1のゲート電圧を上昇させる。そして、第1のスイッチング手段Q1のゲート電圧がスレッショールド電圧以上になると、第1のスイッチング手段Q1がオンする。
【0029】
そして、負荷回路4が高周波交流で作動しているとき、直流カット用コンデンサC2から抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加される直流電圧は、抵抗R3により放電される。
【0030】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について述べる。
【0031】
低周波交流電源Vsを投入すると、平滑化された直流電圧が平滑用コンデンサC1の両端に発生する。そして、第1の起動回路6およびスイッチング回路3のそれぞれの両端間に直流電圧が印加される。
【0032】
このとき、直流電圧源2の正極より、抵抗R5およびコンデンサC6のRC直列回路、直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、コンデンサC6が充電される。コンデンサC6の両端電圧は、当該充電に伴って上昇していく。そして、コンデンサC6の両端電圧がトリガーダイオードTD1のブレイクオーバー電圧以上に上昇すると、トリガーダイオードTD1がオンする。すると、コンデンサC6の両端電圧が抵抗R6を介して第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加され、第2のスイッチング手段Q2がオンする。
【0033】
第2のスイッチング手段Q2がオンすると、コンデンサC6の充電電荷は、ダイオードD3、中点Aおよび第2のスイッチング手段Q2を介して直流電圧源2の負極に流れる。この結果、コンデンサC6の両端電圧は、直ちにスレッショールド電圧を下回るようになり、第2のスイッチング手段Q2をオフさせるように作用する。
【0034】
しかしながら、第2のスイッチング手段Q2がオンしたときに、直流電圧源2の正極より、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極9b、インダクタL1、直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第2のスイッチング手段Q2および直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。この時、電流トランスCT1の検出巻線CT1aには、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れているので、第2の正帰還巻線CT1cに帰還される電圧により、第2のスイッチング手段Q2はオン状態が維持される。
【0035】
そして、直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積されると、この蓄積された電荷による電圧が抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に印加されるようになる。ここで、第1の正帰還巻線CT1bは、第2の正帰還巻線CT1cと逆極性であるので、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れているとき、抵抗R1、コンデンサC4および第1の正帰還巻線CT1bの経路で電流が流れる。すなわち、第1の正帰還巻線CT1bは、抵抗R7および第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)から電流を引き抜くように作用するので、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れているときには、第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)にスレッショールド電圧以上の電圧が印加されず、第1のスイッチング手段Q1はオンしない。言い換えれば、第2のスイッチング手段Q2がオンしているときに、第2の起動回路7により第1のスイッチング手段Q1はオンされない。
【0036】
そして、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れていると、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和する。すると、第2の正帰還巻線CT1cの両端間に発生する電圧が低下(オフ)し、第2のスイッチング手段Q2のゲート電圧がスレッショールド電圧以下となって、第2のスイッチング手段Q2はオフする。また、第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生する電圧も低下(オフ)するので、直流カット用コンデンサC2の蓄積電荷による電圧が抵抗R7を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に印加されるようになる。
【0037】
そして、第2のスイッチング手段Q2がオフすると、インダクタL1に蓄積された電磁エネルギーによる回生電流が直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第1のスイッチング手段Q1の寄生ダイオードD1、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよびインダクタL1の閉回路内で流れ、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷がそれぞれさらに蓄積される。
【0038】
また、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和すると、その後、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cの極性が反転する。すると、検出巻線CT1aの飽和前に第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生した電圧が逆極性の電圧となって第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加されようになる。すなわち、第1の正帰還巻線CT1bの両端間の電圧と、直流カット用コンデンサC2の蓄積電荷による電圧が第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に印加され、当該ゲート電圧が第1のスイッチング手段Q1のスレッショールド電圧以上となる。これにより、第1のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。すなわち、第2のスイッチング手段Q2がオフした後に、第2の起動回路7により、第1のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。
【0039】
第1のスイッチング手段Q1がオンすると、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に蓄積された電荷による電流が放電ランプ9のフィラメント電極9a、第1のスイッチング手段Q1、中点A、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよび共振用コンデンサC3の閉回路内で流れ、電流トランスCT1の検出巻線CT1aの飽和をリセットし、逆方向からインダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。この時、電流トランスCT1の検出巻線CT1aには、中点Aから負荷回路4側(O方向)に電流が流れているので、第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生する電圧は、第1のスイッチング手段Q1をオンさせるように作用する。
【0040】
そして、中点Aから負荷回路4側(O方向)に電流が流れていると、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和するようになる。すると、第1の正帰還巻線CT1bの両端間に発生する電圧が低下(オフ)し、第1のスイッチング手段Q1のゲート電圧がスレッショールド電圧以下となり、第1のスイッチング手段Q1はオフする。
【0041】
第1のスイッチング手段Q1はオフすると、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に蓄積された電荷による電流は、放電ランプ9のフィラメント電極9a、直流電圧源2の平滑用コンデンサC1、第2のスイッチング手段Q2の寄生ダイオードD2、中点A、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよび共振用コンデンサC3の閉回路内で流れ、逆方向からインダクタL1にさらに電磁エネルギーを蓄積し、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2にさらに電荷を蓄積させる。
【0042】
また、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和すると、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cの極性が反転する。そして、検出巻線CT1aの飽和前に第2の正帰還巻線CT1cの両端間に発生した電圧が逆極性の電圧となって、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)とソース(基準端子)との間に印加され、第2のスイッチング手段Q2がオンする。
【0043】
第2のスイッチング手段Q2がオンすると、直流電圧源2の正極、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極8b、インダクタL1、直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第2のスイッチング手段Q2および直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。
【0044】
そして、負荷回路4側から中点A(P方向)に電流が流れていると、電流トランスCT1の検出巻線CT1aが飽和するので、第2のスイッチング手段Q2はオフする。以後、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cに帰還された電圧により、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2が交互にスイッチング動作する。すなわち、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2が2回目以上にオンされる時には、直流電圧源2から負荷回路4に流れる電流により、インダクタL1に十分な電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に十分な電荷が蓄積される。この蓄積された電磁エネルギーおよび電荷による回生電流が電流トランスCT1の検出巻線CT1aに流れると、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cに、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2のスレッショールド電圧以上の電圧を発生させる電圧が帰還される。この結果、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2は、電流トランスCT1の帰還電圧により自励発振する。
【0045】
そして、負荷回路4のインダクタL1および共振用コンデンサC3による共振電圧が放電ランプ9のフィラメント電極9a,9b間に印加されて放電ランプ9が点灯するとともに、その点灯が維持される。
【0046】
上述したように、当初、第1の起動回路6により第1のスイッチング手段Q1をオンさせ、直流電圧源2から負荷回路4に電流を流し、このときに充電された負荷回路4の直流カット用コンデンサC2の両端電圧が抵抗R7(第2の起動回路7)を介して第1のスイッチング手段Q1に第1の帰還巻線CT1bの両端電圧と共に供給されるようにしているので、第1のスイッチング手段Q1がオフしたときに第2のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。そして、以降、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cに帰還される電圧によって、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の自励発振が継続して行われる。
【0047】
そして、第2の起動回路7は、インピーダンス素子としての抵抗R7からなるので、簡易な構成であり、放電ランプ点灯装置1が安価に形成される。
【0048】
なお、インピーダンス素子としての抵抗R7は、第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)ではなく、駆動回路5の抵抗R1およびコンデンサC4の中点(接続点)に接続されてもよい。
【0049】
また、電流トランスCT1は、可飽和トランスでなくてもよい。この場合、第1の起動回路6により第2のスイッチング手段Q2がオンされると、直流電圧源2の正極より、放電ランプ9のフィラメント電極9a、共振用コンデンサC3、放電ランプ9のフィラメント電極9b、インダクタL1、直流カット用コンデンサC2、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、中点A、第2のスイッチング手段Q2および直流電圧源2の負極の経路で電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に電荷が蓄積される。
【0050】
そして、インダクタL1に電磁エネルギーが十分に蓄積され、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2に十分に電荷が蓄積されると、共振用コンデンサC3および直流カット用コンデンサC2の蓄積電荷による電流が放電ランプ9のフィラメント電極9a、直流電圧源2の平滑用コンデンサC1、第2のスイッチング手段Q2の寄生ダイオードD2、中点A、電流トランスCT1の検出巻線CT1a、直流カット用コンデンサC2、インダクタL1、放電ランプ9のフィラメント電極9bおよび共振用コンデンサC3の閉回路内で流れる。
【0051】
そして、電流トランスCT1の検出巻線CT1aに流れる電流がP方向からO方向に反転するとき、第1および第2の正帰還巻線CT1b,CT1cの両端電圧がそれぞれ反転し、第2のスイッチング手段Q2がオフし、第1のスイッチング手段Q1のゲート(制御端子)に第1の正帰還巻線CT1bの両端電圧とともに、直流カット用コンデンサC2の未放出の電荷による電圧が印加され、第1のスイッチング手段Q1が容易にオンされる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0053】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0054】
図2に示す放電ランプ点灯装置10は、図1に示す放電ランプ点灯装置1において、第1のスイッチング手段Q1に並列的に接続されている負荷回路4に対して、第2のスイッチング手段Q2に並列的に接続した負荷回路11を構成したものである。すなわち、放電ランプ9のフィラメント電極9aの電源側端子を第2のスイッチング手段Q2のソース(基準端子)側に接続するとともに、直流カット用コンデンサC2を第2のスイッチング手段Q2のソース(基準端子)と駆動回路5の抵抗R4および第2の正帰還巻線CT1cとの接続点と、放電ランプ9のフィラメント電極9aの間に介挿したものである。
【0055】
そして、第2の起動手段としての第2の起動回路12をインピーダンス素子としての抵抗R7で構成するとともに、抵抗R7が放電ランプ9のフィラメント電極9aおよび直流カット用コンデンサC2の中点Dと、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)との間に接続されたものである。
【0056】
放電ランプ点灯装置10は、起動時に、第1の起動回路6により第1のスイッチング手段Q1がオンされ、第1のスイッチング手段Q1がオフしたときに、第2の起動回路12により第2のスイッチング手段Q2が容易にオンされる。したがって、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2の自励発振の開始が行われやすい。
【0057】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0058】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0059】
図3に示す放電ランプ点灯装置13は、図1に示す放電ランプ点灯装置1において、第1の起動回路6に代えて、第1の起動回路14を第1のスイッチング手段Q1のドレイン(直流電圧源2の正極)および中点Cの間に接続した高抵抗値を有する抵抗R8と、中点Cおよび第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)の間に接続した抵抗R9によって構成したものである。
【0060】
低周波交流電源Vsが投入されると、直流電圧源2の正極から第1の起動回路14の抵抗R8、抵抗R9および第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)、ソース(基準端子)、直流電圧源2の負極の経路で電流が流れる。そして、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)、ソース(基準端子)間電圧がスレッショールド電圧以上になると、第2のスイッチング手段Q2がオンする。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1,Q2が自励発振しているとき、高抵抗値を有する抵抗R8に流れる電流は微小となるので、第1の起動回路14は機能しなくなる。
【0061】
なお、第1の起動回路14の抵抗R9は、第2のスイッチング手段Q2のゲート(制御端子)ではなく、駆動回路5の抵抗R2およびコンデンサC5の中点(接続点)に接続されてもよい。
【0062】
また、上記第1〜第3の実施形態において、放電ランプ9は、フィラメント電極を有さない例えば高圧放電ランプであってもよい。この場合、放電ランプ9の一対の電極と並列的に共振用コンデンサC3が接続される。
【0063】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0064】
図4は、本発明の第4の実施形態を示す照明器具の外観図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0065】
図4に示す照明器具15は、天井等に直付けされる直付照明器具である。照明器具15は、照明器具本体16の下面の両端にランプソケット17,17が設けられ、これらランプソケット17,17間に放電ランプとしての蛍光ランプ9が挟持され接続されている。また、蛍光ランプ9に光学的に対向し、蛍光ランプ9からの放射光を反射させる反射面18aが形成された反射体18が照明器具本体16に取付けられている。また、照明器具本体16は、反射面18aの背面側に放電ランプ用点灯装置19を配設している。放電ランプ用点灯装置19は、図1に示す放電ランプ点灯装置1において、放電ランプとしての蛍光ランプ9が除去されて構成されたものである。
【0066】
照明器具15は、放電ランプ点灯装置1を配設しているので、商用交流電源Vsの投入により、蛍光ランプ9の起動が容易に行える。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1の起動手段により、第1または第2のスイッチング手段のいずれかをオンさせ、一方のスイッチング手段がオフしたときに、第2の起動手段により、負荷回路の直流カット用コンデンサの両端電圧を他方のスイッチング手段の制御端子に供給させるので、他方のスイッチング手段を容易にオンさせることができて、第1および第2のスイッチング手段を確実に起動させ自励発振させることができる。
【0068】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の放電ランプ点灯装置を具備しているので、放電ランプが容易に起動される照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す放電ランプ点灯装置の回路図。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す照明器具の外観図。
【図5】特許文献1の放電ランプ点灯装置の回路図。
【符号の説明】
1,10,13…放電ランプ点灯装置、2…直流電圧源、3…スイッチング回路、4,11…負荷回路、5…駆動回路、6,14…起動回路を構成する第1の起動手段としての第1の起動回路、7,12…起動回路を構成する第2の起動手段としての第2の起動回路、15…照明器具、16…照明器具本体
Claims (2)
- 直流電圧源と;
直流電圧源の出力端子間に直列的に接続された電圧駆動形の第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段を有してなるスイッチング回路と;
放電ランプ、直流カット用コンデンサ、インダクタおよび共振用コンデンサを備え、第1および第2のスイッチング手段の交互のスイッチング動作により高周波交流が発生されるように作動する負荷回路と;
負荷回路に流れる電流を検出する検出巻線と、第1および第2のスイッチング手段のそれぞれの制御端子と基準端子との間に互いに逆極性となるように接続され、検出巻線で検出された電流に応じた電圧を磁気結合により第1および第2のスイッチング手段にそれぞれ帰還する第1および第2の正帰還巻線とを有する電流トランスを備え、検出巻線で検出された電流に応じた電圧に基づいて第1および第2のスイッチング手段を交互にスイッチング制御するように構成された駆動回路と;
第1または第2のスイッチング手段のいずれか一方の制御端子と基準端子との間に直流電圧源の出力電圧に基づいて発生した電圧を供給していずれか一方のスイッチング手段をオンさせるように構成された第1の起動手段と、一方のスイッチング手段がオンしたときに充電された負荷回路の直流カット用コンデンサの両端電圧がインピーダンス素子を介して第1または第2のスイッチング手段の他方の制御端子と基準端子との間に供給されるように構成された第2の起動手段とを有してなる起動回路と;
を具備していることを特徴とする放電ランプ点灯装置。 - 請求項1記載の放電ランプ点灯装置と;
この放電ランプ点灯装置を配設している照明器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
Priority Applications (1)
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JP2003179942A JP2005019098A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 放電ランプ点灯装置および照明器具 |
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-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003179942A patent/JP2005019098A/ja active Pending
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