JP2005018469A - スイッチ機構およびスイッチ機構を備えるパーソナルコンピュータ - Google Patents
スイッチ機構およびスイッチ機構を備えるパーソナルコンピュータ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】1つのボタンで二つのロック機構に対してリリースを許可するスイッチ機構を提供することである。
【解決手段】第1のロック機構に機械的にリンクされると共に、第2のロック機構には電気的にリンクされるスイッチ31の動作に応じて、当該第2のロック機構をロック解除させるロック解除指示信号S2を生成するスイッチ機構17であって、ロック解除動作検出部SW1はスイッチ31による機械的なロック解除動作を検出してロック解除動作検出信号S1を生成し、電気的ロック解除手段35はロック解除動作検出信号S1が連続して2回生成される時にはロック解除指示信号S2を生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のロック機構に機械的にリンクされると共に、第2のロック機構には電気的にリンクされるスイッチ31の動作に応じて、当該第2のロック機構をロック解除させるロック解除指示信号S2を生成するスイッチ機構17であって、ロック解除動作検出部SW1はスイッチ31による機械的なロック解除動作を検出してロック解除動作検出信号S1を生成し、電気的ロック解除手段35はロック解除動作検出信号S1が連続して2回生成される時にはロック解除指示信号S2を生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つのボタンで二つのロックされた対象に対してリリースを許可する機構に関し、より特定的には、ノート型パーソナルコンピュータにおいて、1つのボタンで液晶ディスプレイ部およびドライブの蓋のリリースを許可するスイッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートパソコンに代表される携帯型情報処理装置では、音楽や映像といった大容量のマルチメディアデータが扱われる。マルチメディアデータを鑑賞あるいは編集するために、ノートパソコンには、CD−RやCD−RW、DVD−R等の光ディスクドライブが搭載される。
【0003】
ノートパソコンに搭載される光ディスクドライブは、一般的には、ノートパソコン本体から光ディスクを装着するためのトレイが射出されるトレイ式である。
つまり、光ディスクをセットする際には、ユーザはトレイを引き出さなければならない。
【0004】
このようなトレイ式の光ディスクドライブの一例として、フロントローディングトレイ方式において、防塵構造を改良したものが提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−11510号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のクラムシェルタイプのノートパソコンの多くは、光ディスクメディアを利用する為に、トレイ式の光ディスクドライブを内蔵している。トレイ式の光ディスクドライブは、内部に収容されたトレイを引き出して光ディスクメディアを装脱着する。そのために、光ディスクドライブの周囲には、トレイを引き出す為のスペースを必要とする。
【0007】
トレイは、通常外部に引き出す方向に働く付勢力が付与されている。トレイを光ディスク内に収容する場合は、付勢力に抗して、トレイを光ディスクドライブ内に押し込み、内部に設けられたロック機構の働きによってトレイを固定させる。トレイを引き出す場合には、ロック機構を解除して付勢力を解放させる。結果、トレイは付勢力によって光ディスクドライブの外に向かって引き出される。
【0008】
このロック機構を解除するためのリリースボタンが、光ディスクドライブの近傍(例えば、ノートパソコンの側面)に設けられている。そのために、ノートパソコンを使用していない、光ディスクメディアの装脱着を行わないような場合にも、リリースボタンが押下されてしまう可能性がある。例えば、ノートパソコンの運送中において、トレイのリリースボタンが誤って押されてまい、ユーザの意に反してトレイが飛び出してしまうことがある。この場合、飛び出したトレイが何かと当たって壊れたり、装着されている光ディスクが脱着して落ちたりする可能性がある。
【0009】
トレイを射出させる機構は複雑であり、かつ壊れやすい。また、トレイ及びトレイの収納/射出機構を格納するために、光ディスクドライブとしての機能を実現するに必至なスペースに比べて、大きな収納スペースを要する。これは、コンパクトさが重要なノートパソコンでは大きな問題である。
【0010】
さらに、従来のクラムシェル型ノートパソコンにおいて、蓋の役目を果たす液晶ディスプレイを、本体からリリースさせるリリースボタンと、光ディスクドライブのトレイを射出させるリリースボタンとは、それぞれ別個に設けられている。これらの2種類のリリースボタン、および連動するリリース機構を収納必要とされるスペースは、小型化、軽量化が求められるノートパソコンにおいて大きな負担である。
【0011】
それゆえに、本発明の目的は、1つのボタンで二つのロック機構に対してリリースを許可するスイッチ機構を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、第1のロック機構に機械的にリンクされると共に、第2のロック機構には電気的にリンクされるスイッチの動作に応じて、当該第2のロック機構をロック解除させるロック解除指示信号を生成するスイッチ機構である。
【0013】
上述のように、本発明においては、1つのスライドスイッチに対するユーザの動作に基づいて、異なる2種類のロック機構を解除できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態にかかるスイッチ機構について具体的に説明する前に、本発明の基本概念について説明する。従来の技術にかかるクラムシェルタイプのノートパソコンにおける数々の問題点は、主にトレイ式の光ディスクドライブがノートパソコンから飛び出してしまうことに起因している。それ故に、本発明に係るクラムシェル型ノートパソコンにおいて、トレイが引き出される光ディスクドライブに代わり、トレイ等が引き出されることのない固定式の光ディスクドライブが内蔵される。
【0015】
図1を参照して本発明に係るノートパソコンについて説明する。ノートパソコン11においても、従来と同様に、蓋の役目を果たす液晶ディスプレイ13は、ノートパソコンの本体に機械的にロックされると共に、そのロックを解除するリリースボタン31が設けられている。但し、ノートパソコン11のキーボードおよびパームレストの下側に、光ディスクドライブ19が固定的に設けられている。なお、パームレストの一部分が光ディスクドライブ19の蓋15として構成されている。蓋15はそのキーボード側端部が回動自在に固定されて、光ディスクドライブ19に光ディスク(図示せず)を装脱着する際には、手前側の非固定部が跳ね上げられる。
【0016】
つまり、蓋15は、開状態、つまり跳ね上げられる方向に付勢されており、光ディスクドライブ19の使用時には、付勢力に抗して閉められる。そして、蓋15は、ロック機構によってロックされる。なお、ロック機構は、ユーザによるリリースボタン31の操作に応答して生成される指示信号(S1)によって、ロックおよびアンロックの2つの状態の何れかの状態になるように駆動される。つまり、ノートパソコン11においては、液晶ディスプレイ13のロックを解除させるリリースボタン31が、光ディスクドライブ19の蓋15のロックを解除させる機能を兼務している。
【0017】
ノートパソコン11の非使用時には、通常、光ディスクドライブ19の蓋15(以下、ドライブの蓋15)は閉じられていると共に、ノートパソコン11の蓋としても用いられる液晶ディスプレイ13も閉じられている。このような状況において、従来のようにドライブの蓋15のリリースボタン31が押下された場合、ドライブの蓋15が跳ね上がって液晶ディスプレイ13の内面に当たり、液晶画面を傷つける恐れがある。これを防止するために、ドライブの蓋15は、ノートパソコン11の使用時、つまり液晶ディスプレイ13が開いている時にのみ跳ね上がることが望ましい。
【0018】
このような要求を満たすには、ドライブの蓋15のリリースボタン31を、液晶ディスプレイ13が開いた状態にある場合にのみユーザが触れることができる位置に設けたり、あるいは、パソコンが実際に起動している場合にのみ働くように構成したりすることが考えられる。この観点から、クラムシェル型ノートパソコン11が使用可能な状態(例えば液晶ディスプレイ13が開いた状態)になってから、ドライブの蓋15を開けることができる、つまり、使用上のインターロックを与えることが必要である。しかしながら、その場合、装置が必要以上に複雑になったり、部品点数が多くなったりするという問題がある。
【0019】
そこで、本発明では、クラムシェル型パソコンにおいて、使用時にはユーザは必ず操作しなければならないパソコン本体に設けられているリリースボタン31に、ドライブの蓋15のロックを解除して開かせるリリース機能を兼務させるものである。さらに、リリースボタンの操作状態に基づいて、ユーザが蓋15を開こうとしているのか否かを判定して、判定結果にもとづいて、蓋15のロック解除動作を制御するものである。
【0020】
(第1の実施形態)
第1の実施形態において、ノートパソコン11は、複数のリリース機能を兼務するスイッチ機構を内蔵する。リリース機能は、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開放に対応する。以下に、本発明の第1の実施形態に係るスイッチ機構について説明する。
【0021】
まず、図2を参照して、本発明に係るスイッチ機構に含まれるリリースボタン31について説明する。図2は、図1におけるノートパソコン11の下部ケース18に設けられるリリースボタン31の拡大図である。リリースボタン31は、スライドバー21と、開放検知器SW1とを含む。開放検知器SW1は、当接部23と、信号生成部25とを含む。
【0022】
図2において、上段にはユーザによって操作されていない状態のリリースボタン31aが示され、下段にはユーザによって操作されている状態のリリースボタン31bが示されている。スライドバー21は、開放検知器SW1と反対方向に付勢されており、つまりリリースボタン31aの状態である。
【0023】
ノートパソコン11の蓋(以下、液晶ディスプレイ13)が閉じた状態にある場合、リリースボタン31aのスライドバー21は、開放検知器SW1の反対側の端部(図2においては、左端)に位置して、液晶ディスプレイ13をその位置に固定するロック機構(図示せず)とリンクして作動する。そして、ユーザがスライドバー21を、開放検知器SW1の方向に移動させると、ロック機構とのリンクが解消されて、液晶ディスプレイ13は開放される。
【0024】
また、スライドバー21がスライドされることによって、当接部23が信号生成部25内に押し込まれる。このとき、開放検知器SW1は、リリースボタン31がONであること、つまり液晶ディスプレイ13が開かれたものと検知する。また、開放検知器SW1は、ONとOFFとに対応する、HighレベルおよびLowレベルの2値の信号を出力する。本例においては、Highレベルは、ユーザがスライドバー21をスライドさせたことの検出を意味する。Lowレベルは、ユーザがスライドバー21をスライドさせていないことの検出を意味する。
【0025】
このように、液晶ディスプレイ13が閉じた状態において、ユーザがスライドバー21を一度スライドさせると、液晶ディスプレイ13を開くことができる。本実施の形態においては、液晶ディスプレイ13が開いた状態において、ユーザがスライドバー21をスライドさせるとドライブの蓋15が開放されるが、これついては、後述する。
【0026】
図3に示すブロック図を参照して、本発明の第1の実施形態に係るスイッチ機構17aの構成について説明する。
【0027】
スイッチ機構17aは、ノートパソコン11に内蔵されている。スイッチ機構17aは、好ましくは、論理回路によって実現されるが、プログラムによって実現されてもかまわない。スイッチ機構17aは、開放検知器SW1と、処理部35とを含む。光ディスクドライブ19は、ドライブ開放部37を含む。ドライブ開放部37は、蓋15を閉の位置で固定するロック機構のロックを解除させる手段である。
【0028】
開放検知器SW1は、上述の如くリリースボタン31の操作状態を2値で示す信号を処理部35に出力する。本実施形態において、リリースボタン31が操作されることは、ユーザによりスライドバー21がスライドされ、開放検知器SW1がONになりHighレベルの信号S1が出力される。リリースボタン31が操作されない状態、つまり開放検知器SW1はリリースボタン31がOFFの状態であることを検知する場合、Lowレベルを出力する。本発明において、Highレベルは、液晶ディスプレイ13またはドライブの蓋15を開くというユーザの意志を検知していると理解される。以降この2値信号をリリース指示信号S1と呼称する。
【0029】
処理部35は、リリース指示信号S1(リリースボタン31の操作状態)に基づいて、ドライブの蓋15を開放させるか否かを判断し、判断結果に基づいて、2値の信号S2をドライブ開放部37に対して出力する。本実施の形態においては、ドライブ開放部37は、信号S2がHighであればロックを解除して蓋15を開放し、信号S2がLowであればロックを解除しない。この意味において、この信号S2を蓋開放指示信号S2と呼称する。
【0030】
処理部35は、ドライブの蓋15を開放するか否かを判断するために、判断基準として用いるリリース指示信号S1の履歴(以降、「S1履歴」と呼称する)をメモリ(図示せず)に格納する。S1履歴には、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1のレベルを示す情報が記憶されるが、詳細については後ほど図4を参照して説明する。
【0031】
処理部35は、リリースボタン31が続けて2回操作される、好ましくは所定時間内に2回操作されると、ドライブの蓋15を開放すると判断する。このとき、開放検知器SW1から受け取るリリース指示信号S1は、Highである。処理部35は、ドライブの蓋15を開放すると判断すると、ドライブ開放部37にHighの蓋開放指示信号S2をドライブ開放部37に出力して、ドライブの蓋15を開放するように指示する。一方、処理部35は、ドライブの蓋15を開放しないと判断した場合には、ドライブ開放部37にLowの蓋開放指示信号S2を出力する。
【0032】
ドライブ開放部37は、処理部35からHighの蓋開放指示信号S2を受けてドライブの蓋15を開放する。ドライブの蓋15を開放させるための指示は、ドライブの蓋15を開く機構は、典型的にはソレノイドスイッチであり、このソレノイドスイッチを駆動させることによって、ドライブの蓋15を開放する。具体的には、ドライブの蓋15を押し上げようとするバネの力に対抗して、ドライブの蓋15を止めておくロック機構を、ソレノイドスイッチによって解除することによってドライブの蓋15を開く。つまり、蓋開放指示信号S2はソレノイドの駆動信号である。
【0033】
図4を参照して、リリースボタン31の操作(ON/OFF)パターンと、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開閉の関係について説明する。同図において、左側部はS1履歴を表し、中央部はリリース指示信号S1に対応する液晶ディスプレイの開閉状態を表し、右側部はリリース指示信号S1に対応する蓋開放指示信号S2の値と、ドライブ開放部37に対するドライブの蓋15の開閉指示を表している。また信号履歴において、Hは信号がHighレベルであることを示し、Lは信号がLowレベルであることを示す。
【0034】
つまり、図4には、リリース指示信号S1と蓋開放指示信号S2の状態変化である信号履歴が表されている。そして、信号履歴には、S1履歴39と、液晶ディスプレイ13の開閉状態を示す情報と、処理部35が出力する蓋開放指示信号S2のレベルを示す情報とが含まれている。S1履歴39には、開放検知器SW1から受けとったリリース指示信号S1のレベルを示す情報が、受け取った順番に保存される。なお、メモリには、S1履歴39のみが記憶されるが、この他に、液晶ディスプレイ13の状態を示す情報や、処理部35から出力される蓋開放指示信号S2のレベルを示す情報が記憶されてもよい。
【0035】
液晶ディスプレイ13が閉じた状態において、リリースボタン31の操作が0回目、つまり、リリースボタン31が操作されていないとみなされる場合、リリースボタン31はOFFであるため、開放検知器SW1は、Lowのリリース指示信号S1を出力する。処理部35は、開放検知器SW1からLowのリリース指示信号S1を受け取ると、ドライブ開放部37にLowの蓋開放指示信号S2を渡す。この場合、上述のようにリリース指示信号S1はHighでないため、ドライブの蓋15は開放されない。
【0036】
次に、1回目のリリースボタン31の操作が行われた場合、開放検知器SW1は、リリースボタン31がON、つまり液晶ディスプレイ13を開くというユーザの意志を検知し、Highのリリース指示信号S1を出力する。Highのリリース指示信号S1の受け取り回数は1回目である。つまり、この時点でまでは液晶ディスプレイ13は閉ざされたままであるので、このリリース指示信号S1(High)は、ユーザの意志は液晶ディスプレイ13を開くことにあって光ディスクドライブ19を開放するものでは無いと解される。よって、処理部35はドライブの蓋15を開放さされない。このとき処理部35からドライブ開放部37に出力される蓋開放指示信号S2はLowレベルである。
【0037】
リリースボタン31の操作が2回目、つまりリリースボタン31の1回目の操作の時点で液晶ディスプレイ13は既に開いている状態でリリースボタン31の操作は、ユーザが光ディスクドライブ19の蓋15を開くことを望んでいると解される。よって、処理部35は、Highのリリース指示信号S1をドライブ開放部37に出力する。ドライブ開放部37は、処理部35からHighの蓋開放指示信号S2を受け取ると、ドライブの蓋15を開放する。本実施の形態においては、処理部35が開放検知器SW1から2回連続してHighのリリース指示信号S1を受け取った時に、ドライブの蓋15が開放される。
【0038】
図5に示すタイムチャートを参照して、図4の信号履歴と処理部35の動作を時間の経過と共に説明する。同図においては、開放検知器31から入力されるリリース指示信号S1の値がHighとLowの間で代わるまでの期間をそれぞれサイクルC1、C2、C3、およびC4として表示している。なお、図4に示された操作回数の0回目は、サイクルC1に対応し、操作回数1回目はサイクルC2とサイクルC3とに対応し、操作回数2回目はサイクルC3とサイクルC4とに対応している。つまり、処理部35は、4つのサイクルC1、C2、C3、およびC4のそれぞれに入力されたリリース指示信号S1(C1)、S1(C2)、S1(C3)、およびS1(C4)をラッチして、その組み合わせ状態に応じて、蓋開放指示信号S2の値を決定している。
【0039】
図6に示すフローチャートを参照して、処理部35の動作について説明する。まず、ステップS101において、処理部35は、リリース指示信号S1に基づいて、リリースボタン31がONであるか否かを判断する。具体的には、処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1がHighレベルであるか否かを判断する。本ステップにおいては、リリースボタン31のON/OFF状態に基づいて、ユーザが液晶ディスプレイ13を開こうとしたか否かが判断される。
【0040】
ステップS101においてNo、つまりリリースボタン31がOFFである場合(サイクルC1)、処理は再びステップS101に戻る。なお、リリースボタン31がOFFであることは、ユーザは液晶ディスプレイ13を開こうとしていないので、ステップS101でユーザによるスライドバー21の操作を監視し続ける。つまり、図5に示すように、サイクルC1において開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C1)はLowレベルである。ステップS101においてリリースボタン31がONであると判断されるまで、ステップS101の処理が繰り返し行われる。
【0041】
一方、ステップS101においてYes、つまりリリースボタン31がONである場合(サイクルC2)には、処理は次のステップS103に進む。リリースボタン31がONである場合、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C2)は、Highレベルである。
【0042】
ステップS103において、リリース指示信号S1(C2)をHighレベルからLowレベルに変更する、キャンセル条件が満たされているか否かが判断される。キャンセル条件の一例としては、リリース指示信号S1(C2)がHighレベルとなってから所定の時間Tが経過しているか否かがある。具体的には、本ステップにおいて、時間Tに比べて十分に短い単位時間△Tが計時された後に、処理は次のステップS105に進む。
【0043】
ステップS105において、上述のステップS101と同様に、リリースボタン31がONであるか否かが判断される。Noと判断される場合、処理は上述のステップS103に戻る。
【0044】
そして、ステップS103において、前回同ステップにおいて計時された時間△Tが時間T以上であるか否かが判断される。そして、次ステップS105において再度Noと判断される場合は、本ステップで前回に計時された△Tが累積された△TxNが時間T以上であるか否かが判断される。なお、Nは本ステップで単位時間が計時された回数である。そして本ステップにおいてNoと判断され、次ステップS107でYesと判断された時点で処理は次のステップS107に進む。
【0045】
ステップS107において、ドライブリリース指示が行われる。具体的には、処理部35は、ドライブ開放部37にHighレベルの蓋開放指示信号S2を出力し、ドライブの蓋15を開放するよう指示する。ドライブ開放部37は、処理部35から指示を受け取ると、ドライブの蓋15を開放する。
【0046】
一方、ステップS103でYesと判断される場合、処理はステップS109に進む。ステップS109において、S1履歴がキャンセルされる。これは、ユーザによるリリースボタン31の1回目の操作後、所定時間以内に2回目の操作が行われたか否かを判断する(S103)。これは、1回目の操作から2回目の操作までの間に時間が掛かり過ぎている場合には、ユーザは1回目の操作をしたことを忘れていて、2回目の操作を1回目と誤認している可能性を考慮しているものである。このような場合、ユーザは再度液晶ディスプレイ13を閉めてしまっていることがある。このような場合に、リリースボタン31がユーザの真意に反して操作され、液晶ディスプレイ13が開かれてない状態で、ドライブの蓋15が跳ね上がって液晶ディスプレイ13に当たることを防止できる。そのため、液晶ディスプレイ13を傷つけることがない。
【0047】
以上のステップS101〜S109における処理を繰り返すことで、ドライブの蓋15の開放が行われる。これにより、ユーザの意図に反してドライブ19の蓋15が跳ね上がることがない。また、リリースボタン31をドライブの蓋15のリリーススイッチとして兼務させることによって、新たに別のリリーススイッチを設けるためのスペースが不要となる。さらに、従来と同様の位置に設けられているリリースボタン31に光ディスクドライブ19の蓋15のリリーススイッチを兼務させることにより、ユーザにとって違和感が少なく、誤操作も少ない。
【0048】
なお、本実施形態において、所定時間以内に2回目のリリースボタン31の操作が行われない場合、メモリがリセットされる。ここで、リリースボタン31は、時間をカウントする代わりに、液晶ディスプレイ13が閉じられたことを検知してもよい。その場合、スイッチ機構17は、液晶ディスプレイ13が閉じられたことを検知する機構を備える必要がある。また、このとき、ステップS103の代わりに、液晶ディスプレイ13が閉じられたか否かを判断する処理が行われる。液晶ディスプレイ13を開くためにリリースボタン31が一度操作された後、ドライブの蓋15が開放されることなく液晶ディスプレイ13が閉じられた場合、処理部35は、メモリに記憶されているS1履歴39をリセットする。これにより、液晶ディスプレイ13が閉じた状態にある場合において、ドライブの蓋15が跳ね上がって液晶画面を傷つけることがない。
【0049】
なお、本実施形態において、所定時間以内に2回目のリリースボタン31の操作が行われない場合、メモリがリセットされるが、この処理が不要である場合、ステップS103およびステップS109の処理は行われなくてもよい。メモリに信号S1履歴39を記憶するのは、主にリリーススイッチ31の2回目の操作の信頼性を確保するためである。従って、所定時間以内に2回目のリリースボタン31の操作が行われるか否かの判断の必要がない場合、メモリに操作状態(S1履歴39)は記憶されなくともよい。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、液晶ディスプレイ13が開放されていると判断された場合、実際に液晶ディスプレイ13が開いているか否かに関わらず、処理部35によってドライブの蓋15が開放されるための指示がなされた。しかしながら、リリースボタン31の操作が二回目であっても、リリースボタン31が誤操作される可能性があるため、必ずしも液晶ディスプレイ13が開いているとは限らない。そこで、第2の実施形態においては、液晶ディスプレイ13が確実に開いた場合についてのみ、ドライブの蓋15が開放される。
【0051】
図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係るスイッチ機構17bについて説明する。第2の実施形態において、スイッチ機構17bは、液晶ディスプレイ13が開かれたことを確認する角度検知器SW2を含む。角度検知器SW2は光学センサであり、ノートパソコン11の本体部分(下部ケース18)に設けられる。また、角度検知器SW2は、ONとOFFとに対応する、High(H)レベルおよびLow(L)レベルの2値の信号を出力する(図8)。
【0052】
図7において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11aが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11bが示されている。角度検知器SW2は、光が入射せず暗い状態にある場合、液晶ディスプレイ13が閉じられていることを検知し(11a)、Lowレベルの信号S3を出力する。また、液晶ディスプレイ13が開いている場合、角度検知器SW2は、周囲の明るさや液晶ディスプレイ13の明るさによって明るいことを検知し(11b)、Highの信号S3を出力する。
【0053】
図8に示すブロック図を参照して、本発明の第2の実施形態に係るノートパソコン11のスイッチ機構17bの構成について説明する。スイッチ機構17bは、角度検知器SW2が追加された構造を有している。なお、前述の第1の実施形態におけるスイッチ機構17と同じ構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
スイッチ機構17bは、開放検知器SW1と、角度検知器SW2と、処理部35とを含む。光ディスクドライブ19は、ドライブ開放部37を含む。角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13の開閉状態を示す信号S3を処理部35に渡す。液晶ディスプレイ13が閉じた状態である場合、角度検知器SW2はOFFの状態、つまりLowレベルの信号S3を処理部35に渡す。液晶ディスプレイ13が開いた状態である場合、角度検知器SW2はONの状態を検知する。このとき、本実施形態において、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3はHighである。
【0055】
処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1と、角度検知器SW2から受け取った信号S3とに基づいて、ドライブの蓋15を開放するか否かを判断する。処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1のレベル(HまたはL)と、角度検知器SW2から受け取った信号S3のレベル(HまたはL)とを、メモリ(図示せず)にS1/S3履歴40として記憶する。具体的には、処理部35は、角度検知器SW2から受け取った信号S3がHighレベルである状態において、Highレベルのリリース指示信号S1を受け取った場合に、ドライブの蓋15を開放すると判断する。
【0056】
図9に示す、メモリに記憶された信号履歴を参照して、リリースボタン31の操作(ON/OFF)パターンと、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開閉の関係について説明する。信号履歴には、S1/S3履歴40と、液晶ディスプレイ13の開閉状態と、処理部35から出力される信号S4の値とが含まれている。メモリには、S1/S3履歴40のみが記憶されるが、この他に処理部35から出力される信号S4の値が記憶されてもよい。
【0057】
液晶ディスプレイ13が閉じた状態において、リリースボタン31の操作回数が0回目、つまり、リリースボタン31が操作されていない状態である場合、開放検知器SW1はリリースボタン31がOFFであることを検知する。従って、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1はLowである。また、このとき、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が閉じられていることを検知する。従って、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3はLowである。処理部35は開放検知器SW1からLowレベルのリリース指示信号S1を受け取り、角度検知器SW2からLowレベルの信号S3を受け取ると、ドライブ開放部37にLowレベルの蓋開放指示信号S4を渡す。ドライブの蓋15は開放されない。
【0058】
リリースボタン31の操作回数が1回目、つまり、液晶ディスプレイ13が閉じた状態においてリリースボタン31が操作されると、液晶ディスプレイ13が開く。このとき開放検知器SW1はONであることを検知し、処理部35にHighレベルのリリース指示信号S1を渡す。また、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が開かれていることを検知する。従って、角度検知器はONの状態となり、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3はHighである。処理部35は開放検知器SW1からHighレベルのリリース指示信号S1を受け取る。このとき、処理部35はドライブの蓋15を開放しないと判断する。このとき処理部35からドライブ開放部37に渡される蓋開放指示信号S4はLowレベルである。
【0059】
リリースボタン31の操作回数が2回目、つまり液晶ディスプレイ13が開いた状態でリリースボタン31が操作されると、ドライブの蓋15が開放される。このとき開放検知器SW1はONであることを検知し、Highのリリース指示信号S1を出力する。角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が開かれていることを示すHighレベルの信号S3を出力する。処理部35は、信号S3がHighレベルである状態において、Highレベルのリリース指示信号S1を受け取ると、ドライブの蓋15を開放すると判断する。このとき、処理部35から出力される蓋開放指示信号S4は、Highである。ドライブ開放部37は、処理部35からHighレベルの蓋開放指示信号S4を受け取ると、ドライブの蓋15を開放する。
【0060】
図10に示すタイムチャートを参照して、図9の信号履歴と処理部35の動作を時間の経過と共に説明する。同図においては、開放検知器SW1から入力されるリリース指示信号S1の値および角度検知器SW2から入力される信号S3の値がHighレベルとLowレベルとの間で代わるまでの期間をそれぞれサイクルC1、C2、C3、およびC4として表示している。なお、図10に示された操作回数の0回目はサイクルC1に対応し、操作回数1回目はサイクルC2とサイクルC3とに対応する。操作回数2回目はサイクルC3とサイクルC4に対応している。つまり、処理部35は、4つのサイクルC1、C2、C3、およびC4のそれぞれに入力された信号S1(C1)、信号S3(C3)、S1(C2)、S3(C3)、S1(C3)、S3(C3)、S1(C4)および信号S3(C4)をラッチして、その組み合わせ状態に応じて、蓋開放指示信号S4の値を決定している。
【0061】
図11に示すフローチャートを参照して、処理部35の動作について説明する。図10に示されたフローチャートは、図5に示された第1の実施形態に係る処理部35の動作を示すフローチャートにおいて、ステップS103の処理をステップS201に置換したものである。このため、図5のフローチャートと同一のステップについては、詳細な説明を省略する。
【0062】
ステップS101において、処理部35は、リリースボタン31がONであるか否かを判断する。具体的には、処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1がHighレベルであるか否かを判断する。
【0063】
ステップS101においてNo、つまりリリースボタン31がOFFである場合(サイクルC1)、処理は再びステップS101に戻る。つまり、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C1)はLowレベルである。また、このとき、角度検知器SW2は液晶ディスプレイ13が開かれていないことを検知し、Lowレベルの信号S3(C1)を出力する。ステップS101においてリリースボタン31がONであると判断されるまで、ステップS101の処理が繰り返し行われる。
【0064】
一方、ステップS101においてYes、つまりリリースボタン31がONである場合(サイクルC2)には、処理は次のステップS103に進む。リリースボタン31がONである場合、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C2)は、Highレベルである。また、液晶ディスプレイ13が開かれると、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が開かれたことを検知し、Highレベルの信号S3(C2)を出力する。
【0065】
ステップS201において、液晶ディスプレイ13が開かれているか否かが判断される。具体的には、処理部35は、角度検知器SW2から受け取る信号S3がHighレベルであるか否かを判断する。
【0066】
ステップS201においてNo、つまり液晶ディスプレイ13が閉じている場合、処理はステップS111に進む。このとき、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3(C1)は、Lowレベルである。なお、ステップS111におけるメモリリセット処理は、図6に示すフローチャートのステップS111と同様であるため、説明は省略する。
【0067】
一方、ステップS201においてYes、液晶ディスプレイ13が開いている場合、処理はステップS105に進む。このとき、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3(C2)は、Highレベルである。
【0068】
ステップS105において、再びリリースボタン31がONであるか否かが判断される。ステップS105においてNoである場合、処理はステップS201に戻る。このとき、処理部35が受け取るリリース指示信号S1(C3)はLowレベルである。ステップS201おいて再びYes、つまり液晶ディスプレイ13が開いている場合、処理はステップS105に進む。このとき、角度検知器SW2が出力する信号S3はHigレベルである。このように、液晶ディスプレイ13が閉じられる、または2回目のリリーススイッチの操作が行われるまで、ステップS201およびステップS105の処理が繰り返し行われる。ここで、例えば、ドライブの蓋15が開かれることなく液晶ディスプレイ13が閉じられた場合、ステップS201においてNoと判断される。そのため、液晶ディスプレイ13が閉じている場合にドライブの蓋15が開かれることを防ぐことができる。
【0069】
一方、ステップS105においてYesである場合、処理はステップS107に進む。このとき、処理部35が受け取るリリース指示信号S1(C4)はHighレベルである。そして、処理はステップS109に進む。ステップS109において、ドライブの蓋15の開放が行われる。
【0070】
以上のように、ステップS101、ステップS103、ステップS201およびステップS105〜S109の処理を繰り返すことで液晶ディスプレイ13が確実に開いた状態でドライブの蓋15の開放が行われる。これにより、リリースボタン31を操作しても液晶ディスプレイ13が開かなかった場合に、ドライブの蓋15を開放し、液晶画面13を傷つけることがない。また、液晶ディスプレイ13を開いてもドライブの蓋15を開かずに液晶ディスプレイ13を閉じた場合においても、角度検知器SW2からの信号S3に基づいて、処理部35がメモリをリセットするため、液晶ディスプレイ13が閉じた状態においてドライブの蓋15が開かれて液晶ディスプレイ13を傷つけることがない。
【0071】
なお、本実施形態において、には信号S1/S3履歴40が記憶されるが、第1の実施形態と同様に、信号S1/S3履歴40はメモリに記憶されなくともよい。この場合、ステップS109の処理は行われない。処理部35は、ステップS201においてYes、つまり液晶ディスプレイ13が開いていると判断し、さらにステップS105においてYes、つまりリリーススイッチ31が押下されたと判断した場合、ドライブの蓋15を開放すると判断する。一方、ステップS201においてNo、つまり液晶ディスプレイ13が開いていないと判断された場合、ステップS109は行われず、処理はステップS101に戻る。
【0072】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、光学センサである角度検知器SW2によって、液晶ディスプレイ13の開閉状態が検知された。しかしながら、光学センサによって、液晶ディスプレイ13が開いている場合の液晶ディスプレイ13の開放角度を検出することはできない。すなわち、実際にドライブの蓋15を開放しても液晶画面に当たらないような十分な開放角度まで液晶ディスプレイ13が開かれているか否かを検知することができない。また、暗い場所でノートパソコンを使用する場合、液晶ディスプレイ13が開けられても光学センサが検知できない可能性がある。そこで、第3の実施形態においては、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開いた場合にのみ、ドライブの蓋15が開放される。
【0073】
図12を参照して、本発明の第3の実施形態に係るスイッチ機構17の構造について説明する。第3の実施形態において、スイッチ機構17は液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開かれたことを確認する角度検知器SW2を含む。角度検知器SW2は、メカニカルな押しボタン式スイッチであって、ノートパソコン11の下部ケース18に設けられる。角度検知器SW2は、当接部41と信号生成部43とを含む。
【0074】
図12において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11cが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11dが示されている。角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13の状態を検知する。液晶ディスプレイ13が閉じられている場合(11c)、当接部は信号生成部43の中に押し下げられている状態である。このとき、角度検知器SW2はONの状態である。ノートパソコンの蓋が開かれると(11d)、当接部がリリースされ、スイッチSW2は、OFFの状態となる。また、角度検知器SW2は、ONとOFFとに対応するHigh(H)レベルおよびLow(L)レベルの2値の信号を出力する(図13)。
【0075】
本実施形態におけるスイッチ機構17を実現するためのブロック図は、図8に示す第2の実施形態におけるブロック図と同様である。そこで、本実施形態においては、図8を援用して、詳細な説明を省略する。
【0076】
図13に示す、メモリに記憶された信号履歴を参照して、リリースボタン31の操作(ON/OFF)パターンと、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開閉の関係について説明する。信号履歴には、S1/S3履歴40と、液晶ディスプレイ13の開閉状態と、処理部35から出力される信号S4の値とが含まれている。メモリには、S1/S3履歴40のみが記憶されるが、この他に処理部35から出力される信号S4が記憶されてもよい。
【0077】
図13に示すS1/S3信号履歴におけるS3信号の出力値は、第2の実施形態における信号S3の出力値とはHighレベルとLowレベルとが示す液晶ディスプレイ13の開閉状態が異なる。第2の実施形態において、液晶ディスプレイ13が閉じられている場合に角度検知器SW2はOFF、つまりLowレベルの信号S3を出力し、液晶ディスプレイ13が開かれると角度検知器SW2はON、つまりHighレベルの信号S3を出力する。しかしながら、第3の実施形態において、液晶ディスプレイ13が閉じられている場合に角度検知器SW2はON、つまりHighレベルの信号S3を出力し、液晶ディスプレイ13が開かれると角度検知器SW2はOFF、つまりLowレベルの信号S3を出力する。
従って、処理部35は、角度検知器SW2から受け取った信号S3がLowレベルである場合に、Highレベルの信号S1を開放検知器SW1から受け取ると、ドライブの蓋15を開放すると判断する。
【0078】
また、本実施形態における処理部35の動作は、第2の実施形態における処理部35の動作を示すフローチャート(図11)と同様である。こで、本実施形態における処理部35の動作は、図11を援用して、詳細な説明を省略する。なお、前述したように、本実施形態においては、処理部35は、Highレベルの信号S3を受け取った場合、液晶ディスプレイ13が閉じていると判断し、Lowレベルの信号S3を受け取った場合、液晶ディスプレイ13が開いていると判断する。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開いた場合にのみドライブの蓋15を開放することができる。
【0080】
次に、本実施形態の変形例について説明する。変形例において、角度検知器SW2は、図14に示すノートパソコン11のヒンジ41に設けられる。
【0081】
図15に示すヒンジ41の拡大図を参照して、角度検知器SW2について詳細に説明する。角度検知器SW2は、ヒンジ41に設けられた回転部材51と、信号生成部53とを含む。
【0082】
図15において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11eが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11fが示されている。液晶ディスプレイ13が閉じられている場合(11e)、ヒンジ41に設けられた回転部材51は、信号生成部53とは離れた位置にあり、互いに接触していない状態である。液晶ディスプレイ13が開かれると、ヒンジ41の動作に伴い、回転部材51は信号生成部53に接近する。液晶ディスプレイ13が所定の角度まで開かれた場合(11f)、回転部材51が信号生成部53に接触することによって、角度検知器SW2は液晶ディスプレイ13が開かれたことを検知し、Highレベルの信号S3を出力する。なお、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開かれた場合、回転部材51はヒンジに沿ってスライドする。
【0083】
本変形例において、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が閉じられている場合はOFFの状態であり、Lowレベルの信号S3を出力する。また、液晶ディスプレイ13が開かれたことを検知するとONの状態となり、Highレベルの信号S3を出力する。本変形例において、処理部35のメモリに記憶されるS1/S3信号履歴40は、第2の実施形態におけるS1/S3信号履歴40と同様であるため、図9を援用して、説明を省略する。また、処理部35の動作もまた、図11に示す、第2の実施形態のフローチャートと同様であるため、説明を省略する。
【0084】
図16に示すヒンジ41の拡大図を参照して、本実施形態のさらなる変形例について説明する。角度検知器SW2は、ヒンジ41に設けられた回転部材55と、当接部57と、信号生成部59とを含む。
【0085】
図16において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11gが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11hが示されている。液晶ディスプレイ13が閉じられている場合(11g)、ヒンジ41に設けられた回転部材55は、信号生成部43とは離れた位置にあり、互いに接触していない状態である。液晶ディスプレイ13が開かれると(11h)、ヒンジ41の動作に伴い、回転部材55は当接部59に接近する。液晶ディスプレイ13が所定の角度まで開かれた場合、回転部材91は当接部59を信号生成部53に押し込むことによって、角度検知器SW2は、ONの状態であることを検知し、Highの信号S3を出力する。なお、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開かれた場合、回転部材55はヒンジに沿ってスライドする。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開いた場合にのみドライブの蓋15を開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るノートパソコンの斜視図である。
【図2】図1に示したノートパソコンにおけるリリースボタン31の拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るスイッチ機構17aの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態におけるS1]信号履歴39の一例を模式的に示す図である。
【図5】開放検知器から出力されるリリース指示信号S1の一例を示すタイムチャートである。
【図6】処理部35の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る角度検知器SW2を示す図である。
【図8】本発明の第2および第3の実施形態に係るスイッチ機構17bの構成を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態におけるS1信号履歴の一例を模式的に示す図である。
【図10】開放検知器SW1から出力されるリリース指示信号S1および角度検知器SW2から出力される信号S3の一例を示すタイムチャートである。
【図11】処理部35の動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態に係る角度検知器SW2を示す図である。
【図13】第3の実施形態におけるS1/S3信号履歴40の一例を模式的に示す図である。
【図14】第3の実施形態の変形例におけるノートパソコンの斜視図である。
【図15】図14に示した角度検知器SW2の拡大図である。
【図16】図14に示した角度検知器SW2の拡大図である。
【符号の説明】
SW1 開放検知器
SW2 角度検知器
S 信号
11 ノートパソコン
13 液晶ディスプレイ
15 ドライブの蓋
17 スイッチ機構
18 下部ケース
19 光ディスクドライブ
21 スライドバー
23、41、59 当接部
25、43、53、57 信号生成部
35 処理部
37 ドライブ開放部
39 S1履歴
40 S1/S3履歴
41 ヒンジ
51、55 回転部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つのボタンで二つのロックされた対象に対してリリースを許可する機構に関し、より特定的には、ノート型パーソナルコンピュータにおいて、1つのボタンで液晶ディスプレイ部およびドライブの蓋のリリースを許可するスイッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートパソコンに代表される携帯型情報処理装置では、音楽や映像といった大容量のマルチメディアデータが扱われる。マルチメディアデータを鑑賞あるいは編集するために、ノートパソコンには、CD−RやCD−RW、DVD−R等の光ディスクドライブが搭載される。
【0003】
ノートパソコンに搭載される光ディスクドライブは、一般的には、ノートパソコン本体から光ディスクを装着するためのトレイが射出されるトレイ式である。
つまり、光ディスクをセットする際には、ユーザはトレイを引き出さなければならない。
【0004】
このようなトレイ式の光ディスクドライブの一例として、フロントローディングトレイ方式において、防塵構造を改良したものが提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−11510号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のクラムシェルタイプのノートパソコンの多くは、光ディスクメディアを利用する為に、トレイ式の光ディスクドライブを内蔵している。トレイ式の光ディスクドライブは、内部に収容されたトレイを引き出して光ディスクメディアを装脱着する。そのために、光ディスクドライブの周囲には、トレイを引き出す為のスペースを必要とする。
【0007】
トレイは、通常外部に引き出す方向に働く付勢力が付与されている。トレイを光ディスク内に収容する場合は、付勢力に抗して、トレイを光ディスクドライブ内に押し込み、内部に設けられたロック機構の働きによってトレイを固定させる。トレイを引き出す場合には、ロック機構を解除して付勢力を解放させる。結果、トレイは付勢力によって光ディスクドライブの外に向かって引き出される。
【0008】
このロック機構を解除するためのリリースボタンが、光ディスクドライブの近傍(例えば、ノートパソコンの側面)に設けられている。そのために、ノートパソコンを使用していない、光ディスクメディアの装脱着を行わないような場合にも、リリースボタンが押下されてしまう可能性がある。例えば、ノートパソコンの運送中において、トレイのリリースボタンが誤って押されてまい、ユーザの意に反してトレイが飛び出してしまうことがある。この場合、飛び出したトレイが何かと当たって壊れたり、装着されている光ディスクが脱着して落ちたりする可能性がある。
【0009】
トレイを射出させる機構は複雑であり、かつ壊れやすい。また、トレイ及びトレイの収納/射出機構を格納するために、光ディスクドライブとしての機能を実現するに必至なスペースに比べて、大きな収納スペースを要する。これは、コンパクトさが重要なノートパソコンでは大きな問題である。
【0010】
さらに、従来のクラムシェル型ノートパソコンにおいて、蓋の役目を果たす液晶ディスプレイを、本体からリリースさせるリリースボタンと、光ディスクドライブのトレイを射出させるリリースボタンとは、それぞれ別個に設けられている。これらの2種類のリリースボタン、および連動するリリース機構を収納必要とされるスペースは、小型化、軽量化が求められるノートパソコンにおいて大きな負担である。
【0011】
それゆえに、本発明の目的は、1つのボタンで二つのロック機構に対してリリースを許可するスイッチ機構を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、第1のロック機構に機械的にリンクされると共に、第2のロック機構には電気的にリンクされるスイッチの動作に応じて、当該第2のロック機構をロック解除させるロック解除指示信号を生成するスイッチ機構である。
【0013】
上述のように、本発明においては、1つのスライドスイッチに対するユーザの動作に基づいて、異なる2種類のロック機構を解除できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態にかかるスイッチ機構について具体的に説明する前に、本発明の基本概念について説明する。従来の技術にかかるクラムシェルタイプのノートパソコンにおける数々の問題点は、主にトレイ式の光ディスクドライブがノートパソコンから飛び出してしまうことに起因している。それ故に、本発明に係るクラムシェル型ノートパソコンにおいて、トレイが引き出される光ディスクドライブに代わり、トレイ等が引き出されることのない固定式の光ディスクドライブが内蔵される。
【0015】
図1を参照して本発明に係るノートパソコンについて説明する。ノートパソコン11においても、従来と同様に、蓋の役目を果たす液晶ディスプレイ13は、ノートパソコンの本体に機械的にロックされると共に、そのロックを解除するリリースボタン31が設けられている。但し、ノートパソコン11のキーボードおよびパームレストの下側に、光ディスクドライブ19が固定的に設けられている。なお、パームレストの一部分が光ディスクドライブ19の蓋15として構成されている。蓋15はそのキーボード側端部が回動自在に固定されて、光ディスクドライブ19に光ディスク(図示せず)を装脱着する際には、手前側の非固定部が跳ね上げられる。
【0016】
つまり、蓋15は、開状態、つまり跳ね上げられる方向に付勢されており、光ディスクドライブ19の使用時には、付勢力に抗して閉められる。そして、蓋15は、ロック機構によってロックされる。なお、ロック機構は、ユーザによるリリースボタン31の操作に応答して生成される指示信号(S1)によって、ロックおよびアンロックの2つの状態の何れかの状態になるように駆動される。つまり、ノートパソコン11においては、液晶ディスプレイ13のロックを解除させるリリースボタン31が、光ディスクドライブ19の蓋15のロックを解除させる機能を兼務している。
【0017】
ノートパソコン11の非使用時には、通常、光ディスクドライブ19の蓋15(以下、ドライブの蓋15)は閉じられていると共に、ノートパソコン11の蓋としても用いられる液晶ディスプレイ13も閉じられている。このような状況において、従来のようにドライブの蓋15のリリースボタン31が押下された場合、ドライブの蓋15が跳ね上がって液晶ディスプレイ13の内面に当たり、液晶画面を傷つける恐れがある。これを防止するために、ドライブの蓋15は、ノートパソコン11の使用時、つまり液晶ディスプレイ13が開いている時にのみ跳ね上がることが望ましい。
【0018】
このような要求を満たすには、ドライブの蓋15のリリースボタン31を、液晶ディスプレイ13が開いた状態にある場合にのみユーザが触れることができる位置に設けたり、あるいは、パソコンが実際に起動している場合にのみ働くように構成したりすることが考えられる。この観点から、クラムシェル型ノートパソコン11が使用可能な状態(例えば液晶ディスプレイ13が開いた状態)になってから、ドライブの蓋15を開けることができる、つまり、使用上のインターロックを与えることが必要である。しかしながら、その場合、装置が必要以上に複雑になったり、部品点数が多くなったりするという問題がある。
【0019】
そこで、本発明では、クラムシェル型パソコンにおいて、使用時にはユーザは必ず操作しなければならないパソコン本体に設けられているリリースボタン31に、ドライブの蓋15のロックを解除して開かせるリリース機能を兼務させるものである。さらに、リリースボタンの操作状態に基づいて、ユーザが蓋15を開こうとしているのか否かを判定して、判定結果にもとづいて、蓋15のロック解除動作を制御するものである。
【0020】
(第1の実施形態)
第1の実施形態において、ノートパソコン11は、複数のリリース機能を兼務するスイッチ機構を内蔵する。リリース機能は、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開放に対応する。以下に、本発明の第1の実施形態に係るスイッチ機構について説明する。
【0021】
まず、図2を参照して、本発明に係るスイッチ機構に含まれるリリースボタン31について説明する。図2は、図1におけるノートパソコン11の下部ケース18に設けられるリリースボタン31の拡大図である。リリースボタン31は、スライドバー21と、開放検知器SW1とを含む。開放検知器SW1は、当接部23と、信号生成部25とを含む。
【0022】
図2において、上段にはユーザによって操作されていない状態のリリースボタン31aが示され、下段にはユーザによって操作されている状態のリリースボタン31bが示されている。スライドバー21は、開放検知器SW1と反対方向に付勢されており、つまりリリースボタン31aの状態である。
【0023】
ノートパソコン11の蓋(以下、液晶ディスプレイ13)が閉じた状態にある場合、リリースボタン31aのスライドバー21は、開放検知器SW1の反対側の端部(図2においては、左端)に位置して、液晶ディスプレイ13をその位置に固定するロック機構(図示せず)とリンクして作動する。そして、ユーザがスライドバー21を、開放検知器SW1の方向に移動させると、ロック機構とのリンクが解消されて、液晶ディスプレイ13は開放される。
【0024】
また、スライドバー21がスライドされることによって、当接部23が信号生成部25内に押し込まれる。このとき、開放検知器SW1は、リリースボタン31がONであること、つまり液晶ディスプレイ13が開かれたものと検知する。また、開放検知器SW1は、ONとOFFとに対応する、HighレベルおよびLowレベルの2値の信号を出力する。本例においては、Highレベルは、ユーザがスライドバー21をスライドさせたことの検出を意味する。Lowレベルは、ユーザがスライドバー21をスライドさせていないことの検出を意味する。
【0025】
このように、液晶ディスプレイ13が閉じた状態において、ユーザがスライドバー21を一度スライドさせると、液晶ディスプレイ13を開くことができる。本実施の形態においては、液晶ディスプレイ13が開いた状態において、ユーザがスライドバー21をスライドさせるとドライブの蓋15が開放されるが、これついては、後述する。
【0026】
図3に示すブロック図を参照して、本発明の第1の実施形態に係るスイッチ機構17aの構成について説明する。
【0027】
スイッチ機構17aは、ノートパソコン11に内蔵されている。スイッチ機構17aは、好ましくは、論理回路によって実現されるが、プログラムによって実現されてもかまわない。スイッチ機構17aは、開放検知器SW1と、処理部35とを含む。光ディスクドライブ19は、ドライブ開放部37を含む。ドライブ開放部37は、蓋15を閉の位置で固定するロック機構のロックを解除させる手段である。
【0028】
開放検知器SW1は、上述の如くリリースボタン31の操作状態を2値で示す信号を処理部35に出力する。本実施形態において、リリースボタン31が操作されることは、ユーザによりスライドバー21がスライドされ、開放検知器SW1がONになりHighレベルの信号S1が出力される。リリースボタン31が操作されない状態、つまり開放検知器SW1はリリースボタン31がOFFの状態であることを検知する場合、Lowレベルを出力する。本発明において、Highレベルは、液晶ディスプレイ13またはドライブの蓋15を開くというユーザの意志を検知していると理解される。以降この2値信号をリリース指示信号S1と呼称する。
【0029】
処理部35は、リリース指示信号S1(リリースボタン31の操作状態)に基づいて、ドライブの蓋15を開放させるか否かを判断し、判断結果に基づいて、2値の信号S2をドライブ開放部37に対して出力する。本実施の形態においては、ドライブ開放部37は、信号S2がHighであればロックを解除して蓋15を開放し、信号S2がLowであればロックを解除しない。この意味において、この信号S2を蓋開放指示信号S2と呼称する。
【0030】
処理部35は、ドライブの蓋15を開放するか否かを判断するために、判断基準として用いるリリース指示信号S1の履歴(以降、「S1履歴」と呼称する)をメモリ(図示せず)に格納する。S1履歴には、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1のレベルを示す情報が記憶されるが、詳細については後ほど図4を参照して説明する。
【0031】
処理部35は、リリースボタン31が続けて2回操作される、好ましくは所定時間内に2回操作されると、ドライブの蓋15を開放すると判断する。このとき、開放検知器SW1から受け取るリリース指示信号S1は、Highである。処理部35は、ドライブの蓋15を開放すると判断すると、ドライブ開放部37にHighの蓋開放指示信号S2をドライブ開放部37に出力して、ドライブの蓋15を開放するように指示する。一方、処理部35は、ドライブの蓋15を開放しないと判断した場合には、ドライブ開放部37にLowの蓋開放指示信号S2を出力する。
【0032】
ドライブ開放部37は、処理部35からHighの蓋開放指示信号S2を受けてドライブの蓋15を開放する。ドライブの蓋15を開放させるための指示は、ドライブの蓋15を開く機構は、典型的にはソレノイドスイッチであり、このソレノイドスイッチを駆動させることによって、ドライブの蓋15を開放する。具体的には、ドライブの蓋15を押し上げようとするバネの力に対抗して、ドライブの蓋15を止めておくロック機構を、ソレノイドスイッチによって解除することによってドライブの蓋15を開く。つまり、蓋開放指示信号S2はソレノイドの駆動信号である。
【0033】
図4を参照して、リリースボタン31の操作(ON/OFF)パターンと、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開閉の関係について説明する。同図において、左側部はS1履歴を表し、中央部はリリース指示信号S1に対応する液晶ディスプレイの開閉状態を表し、右側部はリリース指示信号S1に対応する蓋開放指示信号S2の値と、ドライブ開放部37に対するドライブの蓋15の開閉指示を表している。また信号履歴において、Hは信号がHighレベルであることを示し、Lは信号がLowレベルであることを示す。
【0034】
つまり、図4には、リリース指示信号S1と蓋開放指示信号S2の状態変化である信号履歴が表されている。そして、信号履歴には、S1履歴39と、液晶ディスプレイ13の開閉状態を示す情報と、処理部35が出力する蓋開放指示信号S2のレベルを示す情報とが含まれている。S1履歴39には、開放検知器SW1から受けとったリリース指示信号S1のレベルを示す情報が、受け取った順番に保存される。なお、メモリには、S1履歴39のみが記憶されるが、この他に、液晶ディスプレイ13の状態を示す情報や、処理部35から出力される蓋開放指示信号S2のレベルを示す情報が記憶されてもよい。
【0035】
液晶ディスプレイ13が閉じた状態において、リリースボタン31の操作が0回目、つまり、リリースボタン31が操作されていないとみなされる場合、リリースボタン31はOFFであるため、開放検知器SW1は、Lowのリリース指示信号S1を出力する。処理部35は、開放検知器SW1からLowのリリース指示信号S1を受け取ると、ドライブ開放部37にLowの蓋開放指示信号S2を渡す。この場合、上述のようにリリース指示信号S1はHighでないため、ドライブの蓋15は開放されない。
【0036】
次に、1回目のリリースボタン31の操作が行われた場合、開放検知器SW1は、リリースボタン31がON、つまり液晶ディスプレイ13を開くというユーザの意志を検知し、Highのリリース指示信号S1を出力する。Highのリリース指示信号S1の受け取り回数は1回目である。つまり、この時点でまでは液晶ディスプレイ13は閉ざされたままであるので、このリリース指示信号S1(High)は、ユーザの意志は液晶ディスプレイ13を開くことにあって光ディスクドライブ19を開放するものでは無いと解される。よって、処理部35はドライブの蓋15を開放さされない。このとき処理部35からドライブ開放部37に出力される蓋開放指示信号S2はLowレベルである。
【0037】
リリースボタン31の操作が2回目、つまりリリースボタン31の1回目の操作の時点で液晶ディスプレイ13は既に開いている状態でリリースボタン31の操作は、ユーザが光ディスクドライブ19の蓋15を開くことを望んでいると解される。よって、処理部35は、Highのリリース指示信号S1をドライブ開放部37に出力する。ドライブ開放部37は、処理部35からHighの蓋開放指示信号S2を受け取ると、ドライブの蓋15を開放する。本実施の形態においては、処理部35が開放検知器SW1から2回連続してHighのリリース指示信号S1を受け取った時に、ドライブの蓋15が開放される。
【0038】
図5に示すタイムチャートを参照して、図4の信号履歴と処理部35の動作を時間の経過と共に説明する。同図においては、開放検知器31から入力されるリリース指示信号S1の値がHighとLowの間で代わるまでの期間をそれぞれサイクルC1、C2、C3、およびC4として表示している。なお、図4に示された操作回数の0回目は、サイクルC1に対応し、操作回数1回目はサイクルC2とサイクルC3とに対応し、操作回数2回目はサイクルC3とサイクルC4とに対応している。つまり、処理部35は、4つのサイクルC1、C2、C3、およびC4のそれぞれに入力されたリリース指示信号S1(C1)、S1(C2)、S1(C3)、およびS1(C4)をラッチして、その組み合わせ状態に応じて、蓋開放指示信号S2の値を決定している。
【0039】
図6に示すフローチャートを参照して、処理部35の動作について説明する。まず、ステップS101において、処理部35は、リリース指示信号S1に基づいて、リリースボタン31がONであるか否かを判断する。具体的には、処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1がHighレベルであるか否かを判断する。本ステップにおいては、リリースボタン31のON/OFF状態に基づいて、ユーザが液晶ディスプレイ13を開こうとしたか否かが判断される。
【0040】
ステップS101においてNo、つまりリリースボタン31がOFFである場合(サイクルC1)、処理は再びステップS101に戻る。なお、リリースボタン31がOFFであることは、ユーザは液晶ディスプレイ13を開こうとしていないので、ステップS101でユーザによるスライドバー21の操作を監視し続ける。つまり、図5に示すように、サイクルC1において開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C1)はLowレベルである。ステップS101においてリリースボタン31がONであると判断されるまで、ステップS101の処理が繰り返し行われる。
【0041】
一方、ステップS101においてYes、つまりリリースボタン31がONである場合(サイクルC2)には、処理は次のステップS103に進む。リリースボタン31がONである場合、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C2)は、Highレベルである。
【0042】
ステップS103において、リリース指示信号S1(C2)をHighレベルからLowレベルに変更する、キャンセル条件が満たされているか否かが判断される。キャンセル条件の一例としては、リリース指示信号S1(C2)がHighレベルとなってから所定の時間Tが経過しているか否かがある。具体的には、本ステップにおいて、時間Tに比べて十分に短い単位時間△Tが計時された後に、処理は次のステップS105に進む。
【0043】
ステップS105において、上述のステップS101と同様に、リリースボタン31がONであるか否かが判断される。Noと判断される場合、処理は上述のステップS103に戻る。
【0044】
そして、ステップS103において、前回同ステップにおいて計時された時間△Tが時間T以上であるか否かが判断される。そして、次ステップS105において再度Noと判断される場合は、本ステップで前回に計時された△Tが累積された△TxNが時間T以上であるか否かが判断される。なお、Nは本ステップで単位時間が計時された回数である。そして本ステップにおいてNoと判断され、次ステップS107でYesと判断された時点で処理は次のステップS107に進む。
【0045】
ステップS107において、ドライブリリース指示が行われる。具体的には、処理部35は、ドライブ開放部37にHighレベルの蓋開放指示信号S2を出力し、ドライブの蓋15を開放するよう指示する。ドライブ開放部37は、処理部35から指示を受け取ると、ドライブの蓋15を開放する。
【0046】
一方、ステップS103でYesと判断される場合、処理はステップS109に進む。ステップS109において、S1履歴がキャンセルされる。これは、ユーザによるリリースボタン31の1回目の操作後、所定時間以内に2回目の操作が行われたか否かを判断する(S103)。これは、1回目の操作から2回目の操作までの間に時間が掛かり過ぎている場合には、ユーザは1回目の操作をしたことを忘れていて、2回目の操作を1回目と誤認している可能性を考慮しているものである。このような場合、ユーザは再度液晶ディスプレイ13を閉めてしまっていることがある。このような場合に、リリースボタン31がユーザの真意に反して操作され、液晶ディスプレイ13が開かれてない状態で、ドライブの蓋15が跳ね上がって液晶ディスプレイ13に当たることを防止できる。そのため、液晶ディスプレイ13を傷つけることがない。
【0047】
以上のステップS101〜S109における処理を繰り返すことで、ドライブの蓋15の開放が行われる。これにより、ユーザの意図に反してドライブ19の蓋15が跳ね上がることがない。また、リリースボタン31をドライブの蓋15のリリーススイッチとして兼務させることによって、新たに別のリリーススイッチを設けるためのスペースが不要となる。さらに、従来と同様の位置に設けられているリリースボタン31に光ディスクドライブ19の蓋15のリリーススイッチを兼務させることにより、ユーザにとって違和感が少なく、誤操作も少ない。
【0048】
なお、本実施形態において、所定時間以内に2回目のリリースボタン31の操作が行われない場合、メモリがリセットされる。ここで、リリースボタン31は、時間をカウントする代わりに、液晶ディスプレイ13が閉じられたことを検知してもよい。その場合、スイッチ機構17は、液晶ディスプレイ13が閉じられたことを検知する機構を備える必要がある。また、このとき、ステップS103の代わりに、液晶ディスプレイ13が閉じられたか否かを判断する処理が行われる。液晶ディスプレイ13を開くためにリリースボタン31が一度操作された後、ドライブの蓋15が開放されることなく液晶ディスプレイ13が閉じられた場合、処理部35は、メモリに記憶されているS1履歴39をリセットする。これにより、液晶ディスプレイ13が閉じた状態にある場合において、ドライブの蓋15が跳ね上がって液晶画面を傷つけることがない。
【0049】
なお、本実施形態において、所定時間以内に2回目のリリースボタン31の操作が行われない場合、メモリがリセットされるが、この処理が不要である場合、ステップS103およびステップS109の処理は行われなくてもよい。メモリに信号S1履歴39を記憶するのは、主にリリーススイッチ31の2回目の操作の信頼性を確保するためである。従って、所定時間以内に2回目のリリースボタン31の操作が行われるか否かの判断の必要がない場合、メモリに操作状態(S1履歴39)は記憶されなくともよい。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、液晶ディスプレイ13が開放されていると判断された場合、実際に液晶ディスプレイ13が開いているか否かに関わらず、処理部35によってドライブの蓋15が開放されるための指示がなされた。しかしながら、リリースボタン31の操作が二回目であっても、リリースボタン31が誤操作される可能性があるため、必ずしも液晶ディスプレイ13が開いているとは限らない。そこで、第2の実施形態においては、液晶ディスプレイ13が確実に開いた場合についてのみ、ドライブの蓋15が開放される。
【0051】
図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係るスイッチ機構17bについて説明する。第2の実施形態において、スイッチ機構17bは、液晶ディスプレイ13が開かれたことを確認する角度検知器SW2を含む。角度検知器SW2は光学センサであり、ノートパソコン11の本体部分(下部ケース18)に設けられる。また、角度検知器SW2は、ONとOFFとに対応する、High(H)レベルおよびLow(L)レベルの2値の信号を出力する(図8)。
【0052】
図7において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11aが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11bが示されている。角度検知器SW2は、光が入射せず暗い状態にある場合、液晶ディスプレイ13が閉じられていることを検知し(11a)、Lowレベルの信号S3を出力する。また、液晶ディスプレイ13が開いている場合、角度検知器SW2は、周囲の明るさや液晶ディスプレイ13の明るさによって明るいことを検知し(11b)、Highの信号S3を出力する。
【0053】
図8に示すブロック図を参照して、本発明の第2の実施形態に係るノートパソコン11のスイッチ機構17bの構成について説明する。スイッチ機構17bは、角度検知器SW2が追加された構造を有している。なお、前述の第1の実施形態におけるスイッチ機構17と同じ構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
スイッチ機構17bは、開放検知器SW1と、角度検知器SW2と、処理部35とを含む。光ディスクドライブ19は、ドライブ開放部37を含む。角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13の開閉状態を示す信号S3を処理部35に渡す。液晶ディスプレイ13が閉じた状態である場合、角度検知器SW2はOFFの状態、つまりLowレベルの信号S3を処理部35に渡す。液晶ディスプレイ13が開いた状態である場合、角度検知器SW2はONの状態を検知する。このとき、本実施形態において、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3はHighである。
【0055】
処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1と、角度検知器SW2から受け取った信号S3とに基づいて、ドライブの蓋15を開放するか否かを判断する。処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1のレベル(HまたはL)と、角度検知器SW2から受け取った信号S3のレベル(HまたはL)とを、メモリ(図示せず)にS1/S3履歴40として記憶する。具体的には、処理部35は、角度検知器SW2から受け取った信号S3がHighレベルである状態において、Highレベルのリリース指示信号S1を受け取った場合に、ドライブの蓋15を開放すると判断する。
【0056】
図9に示す、メモリに記憶された信号履歴を参照して、リリースボタン31の操作(ON/OFF)パターンと、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開閉の関係について説明する。信号履歴には、S1/S3履歴40と、液晶ディスプレイ13の開閉状態と、処理部35から出力される信号S4の値とが含まれている。メモリには、S1/S3履歴40のみが記憶されるが、この他に処理部35から出力される信号S4の値が記憶されてもよい。
【0057】
液晶ディスプレイ13が閉じた状態において、リリースボタン31の操作回数が0回目、つまり、リリースボタン31が操作されていない状態である場合、開放検知器SW1はリリースボタン31がOFFであることを検知する。従って、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1はLowである。また、このとき、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が閉じられていることを検知する。従って、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3はLowである。処理部35は開放検知器SW1からLowレベルのリリース指示信号S1を受け取り、角度検知器SW2からLowレベルの信号S3を受け取ると、ドライブ開放部37にLowレベルの蓋開放指示信号S4を渡す。ドライブの蓋15は開放されない。
【0058】
リリースボタン31の操作回数が1回目、つまり、液晶ディスプレイ13が閉じた状態においてリリースボタン31が操作されると、液晶ディスプレイ13が開く。このとき開放検知器SW1はONであることを検知し、処理部35にHighレベルのリリース指示信号S1を渡す。また、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が開かれていることを検知する。従って、角度検知器はONの状態となり、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3はHighである。処理部35は開放検知器SW1からHighレベルのリリース指示信号S1を受け取る。このとき、処理部35はドライブの蓋15を開放しないと判断する。このとき処理部35からドライブ開放部37に渡される蓋開放指示信号S4はLowレベルである。
【0059】
リリースボタン31の操作回数が2回目、つまり液晶ディスプレイ13が開いた状態でリリースボタン31が操作されると、ドライブの蓋15が開放される。このとき開放検知器SW1はONであることを検知し、Highのリリース指示信号S1を出力する。角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が開かれていることを示すHighレベルの信号S3を出力する。処理部35は、信号S3がHighレベルである状態において、Highレベルのリリース指示信号S1を受け取ると、ドライブの蓋15を開放すると判断する。このとき、処理部35から出力される蓋開放指示信号S4は、Highである。ドライブ開放部37は、処理部35からHighレベルの蓋開放指示信号S4を受け取ると、ドライブの蓋15を開放する。
【0060】
図10に示すタイムチャートを参照して、図9の信号履歴と処理部35の動作を時間の経過と共に説明する。同図においては、開放検知器SW1から入力されるリリース指示信号S1の値および角度検知器SW2から入力される信号S3の値がHighレベルとLowレベルとの間で代わるまでの期間をそれぞれサイクルC1、C2、C3、およびC4として表示している。なお、図10に示された操作回数の0回目はサイクルC1に対応し、操作回数1回目はサイクルC2とサイクルC3とに対応する。操作回数2回目はサイクルC3とサイクルC4に対応している。つまり、処理部35は、4つのサイクルC1、C2、C3、およびC4のそれぞれに入力された信号S1(C1)、信号S3(C3)、S1(C2)、S3(C3)、S1(C3)、S3(C3)、S1(C4)および信号S3(C4)をラッチして、その組み合わせ状態に応じて、蓋開放指示信号S4の値を決定している。
【0061】
図11に示すフローチャートを参照して、処理部35の動作について説明する。図10に示されたフローチャートは、図5に示された第1の実施形態に係る処理部35の動作を示すフローチャートにおいて、ステップS103の処理をステップS201に置換したものである。このため、図5のフローチャートと同一のステップについては、詳細な説明を省略する。
【0062】
ステップS101において、処理部35は、リリースボタン31がONであるか否かを判断する。具体的には、処理部35は、開放検知器SW1から受け取ったリリース指示信号S1がHighレベルであるか否かを判断する。
【0063】
ステップS101においてNo、つまりリリースボタン31がOFFである場合(サイクルC1)、処理は再びステップS101に戻る。つまり、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C1)はLowレベルである。また、このとき、角度検知器SW2は液晶ディスプレイ13が開かれていないことを検知し、Lowレベルの信号S3(C1)を出力する。ステップS101においてリリースボタン31がONであると判断されるまで、ステップS101の処理が繰り返し行われる。
【0064】
一方、ステップS101においてYes、つまりリリースボタン31がONである場合(サイクルC2)には、処理は次のステップS103に進む。リリースボタン31がONである場合、開放検知器SW1から処理部35に渡されるリリース指示信号S1(C2)は、Highレベルである。また、液晶ディスプレイ13が開かれると、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が開かれたことを検知し、Highレベルの信号S3(C2)を出力する。
【0065】
ステップS201において、液晶ディスプレイ13が開かれているか否かが判断される。具体的には、処理部35は、角度検知器SW2から受け取る信号S3がHighレベルであるか否かを判断する。
【0066】
ステップS201においてNo、つまり液晶ディスプレイ13が閉じている場合、処理はステップS111に進む。このとき、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3(C1)は、Lowレベルである。なお、ステップS111におけるメモリリセット処理は、図6に示すフローチャートのステップS111と同様であるため、説明は省略する。
【0067】
一方、ステップS201においてYes、液晶ディスプレイ13が開いている場合、処理はステップS105に進む。このとき、角度検知器SW2から処理部35に渡される信号S3(C2)は、Highレベルである。
【0068】
ステップS105において、再びリリースボタン31がONであるか否かが判断される。ステップS105においてNoである場合、処理はステップS201に戻る。このとき、処理部35が受け取るリリース指示信号S1(C3)はLowレベルである。ステップS201おいて再びYes、つまり液晶ディスプレイ13が開いている場合、処理はステップS105に進む。このとき、角度検知器SW2が出力する信号S3はHigレベルである。このように、液晶ディスプレイ13が閉じられる、または2回目のリリーススイッチの操作が行われるまで、ステップS201およびステップS105の処理が繰り返し行われる。ここで、例えば、ドライブの蓋15が開かれることなく液晶ディスプレイ13が閉じられた場合、ステップS201においてNoと判断される。そのため、液晶ディスプレイ13が閉じている場合にドライブの蓋15が開かれることを防ぐことができる。
【0069】
一方、ステップS105においてYesである場合、処理はステップS107に進む。このとき、処理部35が受け取るリリース指示信号S1(C4)はHighレベルである。そして、処理はステップS109に進む。ステップS109において、ドライブの蓋15の開放が行われる。
【0070】
以上のように、ステップS101、ステップS103、ステップS201およびステップS105〜S109の処理を繰り返すことで液晶ディスプレイ13が確実に開いた状態でドライブの蓋15の開放が行われる。これにより、リリースボタン31を操作しても液晶ディスプレイ13が開かなかった場合に、ドライブの蓋15を開放し、液晶画面13を傷つけることがない。また、液晶ディスプレイ13を開いてもドライブの蓋15を開かずに液晶ディスプレイ13を閉じた場合においても、角度検知器SW2からの信号S3に基づいて、処理部35がメモリをリセットするため、液晶ディスプレイ13が閉じた状態においてドライブの蓋15が開かれて液晶ディスプレイ13を傷つけることがない。
【0071】
なお、本実施形態において、には信号S1/S3履歴40が記憶されるが、第1の実施形態と同様に、信号S1/S3履歴40はメモリに記憶されなくともよい。この場合、ステップS109の処理は行われない。処理部35は、ステップS201においてYes、つまり液晶ディスプレイ13が開いていると判断し、さらにステップS105においてYes、つまりリリーススイッチ31が押下されたと判断した場合、ドライブの蓋15を開放すると判断する。一方、ステップS201においてNo、つまり液晶ディスプレイ13が開いていないと判断された場合、ステップS109は行われず、処理はステップS101に戻る。
【0072】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、光学センサである角度検知器SW2によって、液晶ディスプレイ13の開閉状態が検知された。しかしながら、光学センサによって、液晶ディスプレイ13が開いている場合の液晶ディスプレイ13の開放角度を検出することはできない。すなわち、実際にドライブの蓋15を開放しても液晶画面に当たらないような十分な開放角度まで液晶ディスプレイ13が開かれているか否かを検知することができない。また、暗い場所でノートパソコンを使用する場合、液晶ディスプレイ13が開けられても光学センサが検知できない可能性がある。そこで、第3の実施形態においては、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開いた場合にのみ、ドライブの蓋15が開放される。
【0073】
図12を参照して、本発明の第3の実施形態に係るスイッチ機構17の構造について説明する。第3の実施形態において、スイッチ機構17は液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開かれたことを確認する角度検知器SW2を含む。角度検知器SW2は、メカニカルな押しボタン式スイッチであって、ノートパソコン11の下部ケース18に設けられる。角度検知器SW2は、当接部41と信号生成部43とを含む。
【0074】
図12において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11cが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11dが示されている。角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13の状態を検知する。液晶ディスプレイ13が閉じられている場合(11c)、当接部は信号生成部43の中に押し下げられている状態である。このとき、角度検知器SW2はONの状態である。ノートパソコンの蓋が開かれると(11d)、当接部がリリースされ、スイッチSW2は、OFFの状態となる。また、角度検知器SW2は、ONとOFFとに対応するHigh(H)レベルおよびLow(L)レベルの2値の信号を出力する(図13)。
【0075】
本実施形態におけるスイッチ機構17を実現するためのブロック図は、図8に示す第2の実施形態におけるブロック図と同様である。そこで、本実施形態においては、図8を援用して、詳細な説明を省略する。
【0076】
図13に示す、メモリに記憶された信号履歴を参照して、リリースボタン31の操作(ON/OFF)パターンと、液晶ディスプレイ13およびドライブの蓋15の開閉の関係について説明する。信号履歴には、S1/S3履歴40と、液晶ディスプレイ13の開閉状態と、処理部35から出力される信号S4の値とが含まれている。メモリには、S1/S3履歴40のみが記憶されるが、この他に処理部35から出力される信号S4が記憶されてもよい。
【0077】
図13に示すS1/S3信号履歴におけるS3信号の出力値は、第2の実施形態における信号S3の出力値とはHighレベルとLowレベルとが示す液晶ディスプレイ13の開閉状態が異なる。第2の実施形態において、液晶ディスプレイ13が閉じられている場合に角度検知器SW2はOFF、つまりLowレベルの信号S3を出力し、液晶ディスプレイ13が開かれると角度検知器SW2はON、つまりHighレベルの信号S3を出力する。しかしながら、第3の実施形態において、液晶ディスプレイ13が閉じられている場合に角度検知器SW2はON、つまりHighレベルの信号S3を出力し、液晶ディスプレイ13が開かれると角度検知器SW2はOFF、つまりLowレベルの信号S3を出力する。
従って、処理部35は、角度検知器SW2から受け取った信号S3がLowレベルである場合に、Highレベルの信号S1を開放検知器SW1から受け取ると、ドライブの蓋15を開放すると判断する。
【0078】
また、本実施形態における処理部35の動作は、第2の実施形態における処理部35の動作を示すフローチャート(図11)と同様である。こで、本実施形態における処理部35の動作は、図11を援用して、詳細な説明を省略する。なお、前述したように、本実施形態においては、処理部35は、Highレベルの信号S3を受け取った場合、液晶ディスプレイ13が閉じていると判断し、Lowレベルの信号S3を受け取った場合、液晶ディスプレイ13が開いていると判断する。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開いた場合にのみドライブの蓋15を開放することができる。
【0080】
次に、本実施形態の変形例について説明する。変形例において、角度検知器SW2は、図14に示すノートパソコン11のヒンジ41に設けられる。
【0081】
図15に示すヒンジ41の拡大図を参照して、角度検知器SW2について詳細に説明する。角度検知器SW2は、ヒンジ41に設けられた回転部材51と、信号生成部53とを含む。
【0082】
図15において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11eが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11fが示されている。液晶ディスプレイ13が閉じられている場合(11e)、ヒンジ41に設けられた回転部材51は、信号生成部53とは離れた位置にあり、互いに接触していない状態である。液晶ディスプレイ13が開かれると、ヒンジ41の動作に伴い、回転部材51は信号生成部53に接近する。液晶ディスプレイ13が所定の角度まで開かれた場合(11f)、回転部材51が信号生成部53に接触することによって、角度検知器SW2は液晶ディスプレイ13が開かれたことを検知し、Highレベルの信号S3を出力する。なお、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開かれた場合、回転部材51はヒンジに沿ってスライドする。
【0083】
本変形例において、角度検知器SW2は、液晶ディスプレイ13が閉じられている場合はOFFの状態であり、Lowレベルの信号S3を出力する。また、液晶ディスプレイ13が開かれたことを検知するとONの状態となり、Highレベルの信号S3を出力する。本変形例において、処理部35のメモリに記憶されるS1/S3信号履歴40は、第2の実施形態におけるS1/S3信号履歴40と同様であるため、図9を援用して、説明を省略する。また、処理部35の動作もまた、図11に示す、第2の実施形態のフローチャートと同様であるため、説明を省略する。
【0084】
図16に示すヒンジ41の拡大図を参照して、本実施形態のさらなる変形例について説明する。角度検知器SW2は、ヒンジ41に設けられた回転部材55と、当接部57と、信号生成部59とを含む。
【0085】
図16において、上段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11gが示され、下段には液晶ディスプレイ13が閉じられている状態のノートパソコン11hが示されている。液晶ディスプレイ13が閉じられている場合(11g)、ヒンジ41に設けられた回転部材55は、信号生成部43とは離れた位置にあり、互いに接触していない状態である。液晶ディスプレイ13が開かれると(11h)、ヒンジ41の動作に伴い、回転部材55は当接部59に接近する。液晶ディスプレイ13が所定の角度まで開かれた場合、回転部材91は当接部59を信号生成部53に押し込むことによって、角度検知器SW2は、ONの状態であることを検知し、Highの信号S3を出力する。なお、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開かれた場合、回転部材55はヒンジに沿ってスライドする。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、液晶ディスプレイ13が所定の角度以上に開いた場合にのみドライブの蓋15を開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るノートパソコンの斜視図である。
【図2】図1に示したノートパソコンにおけるリリースボタン31の拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るスイッチ機構17aの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態におけるS1]信号履歴39の一例を模式的に示す図である。
【図5】開放検知器から出力されるリリース指示信号S1の一例を示すタイムチャートである。
【図6】処理部35の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る角度検知器SW2を示す図である。
【図8】本発明の第2および第3の実施形態に係るスイッチ機構17bの構成を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態におけるS1信号履歴の一例を模式的に示す図である。
【図10】開放検知器SW1から出力されるリリース指示信号S1および角度検知器SW2から出力される信号S3の一例を示すタイムチャートである。
【図11】処理部35の動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態に係る角度検知器SW2を示す図である。
【図13】第3の実施形態におけるS1/S3信号履歴40の一例を模式的に示す図である。
【図14】第3の実施形態の変形例におけるノートパソコンの斜視図である。
【図15】図14に示した角度検知器SW2の拡大図である。
【図16】図14に示した角度検知器SW2の拡大図である。
【符号の説明】
SW1 開放検知器
SW2 角度検知器
S 信号
11 ノートパソコン
13 液晶ディスプレイ
15 ドライブの蓋
17 スイッチ機構
18 下部ケース
19 光ディスクドライブ
21 スライドバー
23、41、59 当接部
25、43、53、57 信号生成部
35 処理部
37 ドライブ開放部
39 S1履歴
40 S1/S3履歴
41 ヒンジ
51、55 回転部材
Claims (7)
- 第1のロック機構に機械的または電気的にリンクされると共に、第2のロック機構には電気的にリンクされるスイッチの動作に応じて、当該第2のロック機構をロック解除させるロック解除指示信号を生成するスイッチ機構。
- 前記スイッチ機構は、
前記スイッチによる機械的なロック解除動作を検出してロック解除動作検出信号を生成するロック解除動作検出手段と、
前記ロック解除動作検出信号が連続して生成される時には、前記ロック解除指示を生成する電気的ロック解除手段とを備える請求項1に記載のスイッチ機構。 - 前記ロック解除動作検出信号の連続する2つの出力間隔時間を検出するロック解除動作間隔検出手段と、
前記連続して2回出力されるロック解除動作検出信号の出力間隔時間が所定の時間以上の場合には、前記電気的ロック解除手段による前記ロック解除指示信号の生成を禁止する前記電気ロック解除抑制手段とを、さらに備える請求項2に記載のスイッチ機構。 - 前記第1のロック機構がロック解除されているか否かを検出して、ロック解除検出信号を生成するロック機構解除検出手段と、
前記ロック解除検出信号に基づいて、ロック解除されていない場合には、前記電気的ロック解除手段による前記ロック解除指示信号の生成を禁止する前記電気ロック加除抑制手段とを、さらに備える請求項2に記載のスイッチ機構。 - 前記スイッチ機構は、平面型表示部を蓋として一端辺を軸として回動自在に構成される、ディスクメディアが自由に交換できるディスクメディアドライブ装置を備えたクラムシェルタイプのノート型パーソナルコンピュータに設けられ、
前記第1のロック機構は、前記平面型表示部が閉じられた状態で前記型ノートパーソナルコンピュータに固定する機械的リンケージであり、
前記第2のロック機構は、前記平面型表示部に対向するように回動自在に設けられたディスクメディアドライブ装置の蓋が閉じられた状態で固定する電気的に駆動されるリンケージである、請求項1乃至4に記載のスイッチ機構。 - 前記平面型表示部が回動して開かれている程度を検出して開度検出信号を生成する開度検出手段と、
前記開度検出信号に基づいて、前記平面型表示部が予定の開度以上開いていない場合には、前記電気的ロック解除手段による前記ロック解除指示信号の生成を禁止する前記電気ロック解除抑制手段とを、さらに備える請求項5に記載のスイッチ機構。 - 平面型表示部を蓋として一端辺を軸として回動自在に構成され、ディスクメディアが自由に交換できるディスクメディアドライブ装置を備えたクラムシェルタイプのパーソナルコンピュータであって、前記平面型表示部を閉じた状態で固定する第1のロック機構と、前記平面型表示部に対向するように回動自在に設けられたディスクメディアドライブ装置の蓋を閉じた状態で固定する第2のロック機構とを備え、前記第1のロック機構にリンクされるスイッチの動作に応じて、前記第2のロック機構をロック解除させるスイッチ機構を備えるパーソナルコンピュータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003183235A JP2005018469A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | スイッチ機構およびスイッチ機構を備えるパーソナルコンピュータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003183235A JP2005018469A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | スイッチ機構およびスイッチ機構を備えるパーソナルコンピュータ |
Publications (1)
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ID=34183398
Family Applications (1)
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JP2003183235A Pending JP2005018469A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | スイッチ機構およびスイッチ機構を備えるパーソナルコンピュータ |
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JP (1) | JP2005018469A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007080011A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電子機器 |
WO2012042663A1 (ja) * | 2010-10-01 | 2012-04-05 | 富士通株式会社 | 電子機器 |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003183235A patent/JP2005018469A/ja active Pending
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