JP2005017553A - 表示素子保持機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質悪化の原因となる残留応力が存在せず、高い保持精度を保つことの可能な表示素子保持機構を提供する。
【解決手段】プリズムPRが有する複数のプリズム面のうち光が透過しない対向した2面に第1,第2保持部材H1,H2をそれぞれ固定し、第1,第2保持部材H1,H2の両方に第3保持部材H3を固定し、第3保持部材H3に表示素子DSを固定することにより、プリズムPRに対する表示素子DSの保持を行う。第1〜第3保持部材H1〜H3はいずれも曲げ部分を有しておらず、表示素子DSの取付部品D2も曲げ部分を有していない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示素子保持機構に関するものであり、例えばプロジェクター光学系において、プリズムに表示素子(例えば、液晶表示素子,デジタル・マイクロミラー・デバイス等)を固定する表示素子保持機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表示素子に対する照明や表示素子で画像変調された光の色合成等のためにプリズムを用いたプロジェクター光学系が従来より知られている。表示素子とプリズムとの相対的な位置関係は、表示素子保持機構により高い精度で保持されるが、表示素子の小型化・高精細化が進むにつれて、より高い保持精度が表示素子保持機構に求められている。さらに、プロジェクターの高輝度化に伴って、表示素子保持機構周辺の温度条件も厳しくなってきている。
【0003】
ここで、一般的な表示素子保持機構(例えば、特許文献1,2参照。)の概略構成を図7,図8に示して、その問題点を明らかにする。図7,図8は、表示素子保持機構の2つのタイプの従来例をそれぞれ示す断面図である。いずれの従来例においても、プリズムPRに対する表示素子DSの固定は金属部品を介して行われる。図7の従来例では、プリズムPRが有する複数のプリズム面のうち光が透過しない対向した2面に、金属部品B1,B2がそれぞれ接着剤で接着固定される。図8の従来例では、プリズムPRが有する複数のプリズム面のうち表示素子本体D1からの光が入射する面に、金属部品B3が接着剤で接着固定される。各金属部品B1,B2,B3は板状を成しているが、プリズムPRとの接触部分が表示素子DS近傍の適切な位置に配置されるように、金属部品B1,B2,B3の一部には曲げ加工が施されている。図7では、曲げ加工によって金属部品B1,B2に曲げ部分M1,M2が形成されており、図8では、曲げ加工によって金属部品B3に曲げ部分M3が形成されている。
【0004】
表示素子DSにも、その一部品として平板状・金属製の取付部品D2が表示素子本体D1に固定されている。その取付部品D2と金属部品B1,B2,B3とは間隔をあけて配置され、その状態でプリズムPRに対する表示素子DSの位置・傾き(角度)が調整装置(不図示)によって調整される。その後、金属部品B1,B2,B3と取付部品D2との隙間に接着剤(合成接着剤,半田等)G1,G2が充填され、その硬化によりプリズムPRに表示素子DSが固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−337262号公報
【特許文献2】
特開2001−21989号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図7,図8に示す各従来例では、プリズムPRと表示素子DSとを連結している金属板B1,B2,B3に曲げ加工が施されている。曲げ加工のように塑性変形を伴う機械加工を材料に施すと、材料の加工箇所内部には残留応力が発生してしまう。その残留応力の存在の有無により、その部品の温度変化や荷重に対する挙動は異なったものとなる。加工時の条件のバラツキにより残留応力の状態にもバラツキが生じるため、上記挙動を予測することは困難である。また、焼きなまし(焼鈍)処理等の方法で残留応力を除去することは可能であるが、残留応力を完全に除去することは困難である。
【0007】
曲げ加工に伴い発生した残留応力は、表示素子保持機構の信頼性に影響を与える原因となる。例えば、プロジェクターの使用中に表示素子保持機構の温度が上昇した場合、表示素子保持機構に形状変化が発生する。このとき、表示素子保持機構を構成する部品に残留応力が存在しない場合には、表示素子保持機構に発生する変形はプリズムを中心とした対称なものであるため問題ない。例えば、図7の表示素子保持機構において部品温度が均一に上昇した場合、金属部品B1の接着剤G1側の端部が図中の上方向へと移動し、金属部品B2の接着剤G2側の端部が図中の下方向へと移動して、プリズムPRを中心とした対称な変形が発生することになる。したがって、プリズムPRに対する表示素子DSの位置ズレは発生しない。
【0008】
しかし、金属部品B1又は金属部品B2に残留応力が存在する場合には、温度上昇により金属部品B1と金属部品B2とがプリズムPRを中心として非対称に変形する可能性がある。そのような変形が発生すれば、プリズムPRに対して表示素子DSが位置ズレを起こすことになる。その結果、表示画素が位置ズレを起こし、それはスクリーン上で画像の色ズレとして観察されるものとなる。図9に、R・G・Bに対応した合計3枚の表示素子を搭載した3板式プロジェクターにおける、表示画素の位置ズレによるスクリーン上での色ズレを示す。3枚の表示素子が相対的に位置ズレを起こすと、図9に示すように、赤色画素ER,緑色画素EG,青色画素EBが位置ズレを起こし、スクリーン上での色ズレにより画質が悪化することになる(R:赤,G:緑,B:青,C:シアン,M:マゼンタ,Y:黄,W:白)。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、画質悪化の原因となる残留応力が存在せず、高い保持精度を保つことの可能な表示素子保持機構を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明の表示素子保持機構は、プリズムが有する複数のプリズム面のうち光が透過しない対向した2面にそれぞれ固定される第1,第2保持部材と、前記第1,第2保持部材の両方に固定される第3保持部材とを備え、前記第3保持部材に表示素子が固定されることによりプリズムに対する表示素子の保持を行う表示素子保持機構であって、前記第1〜第3保持部材がいずれも曲げ部分を有しないことを特徴とする。
【0011】
第2の発明の表示素子保持機構は、上記第1の発明において、前記第1保持部材と前記第3保持部材との固定が第1接着剤で行われ、前記第2保持部材と前記第3保持部材との固定が第2接着剤で行われ、前記第1,第2接着剤が互いに異なる接着強度を有することを特徴とする。
【0012】
第3の発明の表示素子保持機構は、上記第1又は第2の発明において、前記表示素子を構成する部品のうち、前記第3保持部材に対向する部品が曲げ部分を有しないことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施した表示素子保持機構を、図面を参照しつつ説明する。なお、前記従来例(図7,図8)や各実施の形態等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
【0014】
図1に、本発明に係る表示素子保持機構の概略断面構造を示す。図1中、PRはプリズム、H1は第1保持部材、H2は第2保持部材、H3は第3保持部材、J1は第1接着剤、J2は第2接着剤、DSは表示素子、D1は表示素子本体(光変調素子)、D2は取付部品、G1,G2は接着剤である。なお、図1は1つのプリズムPRに1つの表示素子DSを保持した状態を示しているが、1つのプリズムに複数の表示素子を保持する場合でも、これと同様の保持状態が各表示素子に対して適用される。
【0015】
プリズムPRの例としては、クロスダイクロイックプリズム,PBS(polarizing beam splitter)プリズム等が挙げられる。クロスダイクロイックプリズムは、図2に示すように、4つの三角柱プリズムを接合して成る直方体形状のプリズムである。三角柱プリズムの接合面には、色選択的な反射を行うダイクロイックコートが施されている。図2に示すクロスダイクロイックプリズムの場合、接合面LRに赤色(R)の原色光のみを反射させるダイクロイックコートが施されており、接合面LBに青色(B)の原色光のみを反射させるダイクロイックコートが施されている。したがって、プリズム面11Rから入射したRの原色光は接合面LRのダイクロイックコートで反射され、プリズム面11Bから入射したBの原色光は接合面LBのダイクロイックコートで反射され、プリズム面11Gから入射したGの原色光は接合面LR,LBのダイクロイックコートを透過する。このようにしてRGBの各原色光は接合面LR,LBのダイクロイックコートで色合成された後、プリズム面11Xから射出される。
【0016】
図1に示す表示素子DSは、光変調素子から成る表示素子本体D1,その取り付けに用いられる取付部品D2等で構成されている。表示素子DSの例としては、液晶表示素子,デジタル・マイクロミラー・デバイス等が挙げられる。第1〜第3保持部材H1〜H3は、曲げ部分のない板状の材料から成っている。表示素子DSの構成部品である取付部品D2も、曲げ部分のない板状の材料から成っている。この表示素子保持機構は様々なタイプの表示素子に対して適用可能であり、その取付部品D2には曲げ加工が施されていても構わない。ただし、後述する理由により、取付部品D2には曲げ部分のない表示素子DSを用いることが好ましい。
【0017】
第1〜第3保持部材H1〜H3と取付部品D2の材料の例としては、ガラス,金属等が挙げられる。また、第1〜第3保持部材H1〜H3と取付部品D2の材料としては、線膨張係数がプリズム材料(例えばガラス)に近い材料が好ましい。したがって、第1〜第3保持部材H1〜H3と取付部品D2の材料はガラス又は金属が好ましく、金属のなかでは線膨張係数がガラスに近い金属(ステンレス等)が好ましい。また、第1,第2接着剤J1,J2;接着剤G1,G2の例としては、合成樹脂(例えばエポキシ系接着剤)等の有機系接着剤;シリコン系接着剤,半田等の無機系接着剤が挙げられる。
【0018】
図1に示す表示素子保持機構は、プリズムPRが有する複数(ここでは6面)のプリズム面のうち光が透過しない対向した2面にそれぞれ固定される第1,第2保持部材H1,H2と、第1,第2保持部材H1,H2の両方に固定される第3保持部材H3とを備えている。そして、第3保持部材H3に表示素子DSが固定されることにより、プリズムPRに対する表示素子DSの保持を行う構成になっている。プリズムPRに対する第1,第2保持部材H1,H2の固定は、接着剤(例えば、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤,シリコン系接着剤等の無機系接着剤)を用いて行われる。第1,第2保持部材H1,H2がそれぞれ有している複数の面のうち、表示素子DSに対向する各面(つまり第3保持部材H3に接着固定される面)は、それぞれ表示素子DSに対向するプリズム面に対して平行になっており、それらがある距離(つまりプリズムPRに対して等しい相対位置)をもって位置するように上記接着固定が行われる。そして、プリズムPRに接着固定された第1,第2保持部材H1,H2の両方に対し、同時に接するように第3保持部材H3が固定される。その固定は第1,第2接着剤J1,J2(例えば、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤;シリコン系接着剤,半田等の無機系接着剤)を用いた接着固定に限らず、ネジ固定等でもよい。
【0019】
表示素子DSを構成している表示素子本体D1は、映像処理基板(不図示)からの情報に応じて照明光を変調する光変調素子から成っている。一方、表示素子DSを構成している取付部品D2は、表示素子本体D1に対し接着固定又はネジ固定されている。取付部品D2と保持部材H3とは間隔をあけて配置され、その状態でプリズムPRに対する表示素子DSの位置・傾き(角度)が調整装置(不図示)によって調整される。その後、保持部材H3と取付部品D2との隙間に接着剤G1,G2が充填され、その硬化によりプリズムPRに表示素子DSが固定される。その固定は接着剤G1,G2(例えば、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤;シリコン系接着剤,半田等の無機系接着剤)を用いた接着固定に限らず、ネジ固定等でもよい。
【0020】
第1〜第3保持部材H1〜H3は、いずれも曲げ部分を有していない。つまり、プリズムPRに固定されている第1,第2保持部材H1,H2にも、さらに第1,第2保持部材H1,H2に固定されている第3保持部材H3にも、曲げ加工は施されていない。このため第1〜第3保持部材H1〜H3には、曲げ加工により発生する残留応力が存在していない。残留応力がなければ、プロジェクターの使用中に表示素子保持機構の温度が上昇した場合でも、表示素子保持機構に形状変化が発生せず、残留応力に起因する表示素子DSの位置ズレ現象も発生しない。したがって、高い保持精度を保つとともに、色ズレ等の画質悪化を防止することが可能となる。
【0021】
表示素子DSの一部品である取付部品D2も曲げ部分を有していないので、残留応力の悪影響は更に効果的に排除される。したがって、曲げ加工が施されていない部材を選択することは画質悪化を抑える上で有効であり、表示素子DSを構成する部品のうち、第3保持部材H3に対向する部品(つまり第3保持部材H3との固定に関わる部品)は曲げ部分を有しないことが好ましい。
【0022】
また、互いに異なる接着強度を有する第1,第2接着剤J1,J2を用いて、第1保持部材H1と第3保持部材H3との固定を第1接着剤J1で行い、第2保持部材H2と第3保持部材H3との固定を第2接着剤J2で行うことが望ましい。つまり、第3保持部材H3を第1,第2保持部材H1,H2に接着固定する場合、第1保持部材H1と第3保持部材H3との接着固定に用いる第1接着剤J1と、第2保持部材H2と第3保持部材H3との接着固定に用いる第2接着剤J2と、で接着強度が異なることが望ましい。接着強度に違いがあると、第3保持部材H3は2種類の第1,第2接着剤J1,J2のうち、接着強度の強い方に支配的に固定される。その結果、表示素子保持機構の温度が上昇した場合にプリズムPRと第3保持部材H3との間に発生する、両者の膨張係数差を起因とする応力が抑制され、色ズレ等の画質悪化をより効果的に防止することが可能となる。
【0023】
例えば、第1接着剤J1の接着強度が第2接着剤J2の接着強度よりも強い場合、プロジェクター使用中の表示素子保持機構の温度上昇等により、第3保持部材H3に寸法変化が生じると、第1,第2保持部材H1,H2と第3保持部材H3との間に生じる圧縮又は伸張の応力が、第1,第2接着剤J1,J2が同一接着強度を有する場合に比べて小さくなる。これは接着強度の小さい第2接着剤J2の変形によって応力が分散され、各保持部材H1,H2,H3に生じる応力が軽減されるためである。なお、第1,第2接着剤J1,J2が共に接着強度の小さい接着剤である場合には、表示素子DSの保持信頼性が低くなってしまうおそれがある。したがって、第1,第2接着剤J1,J2が互いに異なる接着強度を有し、かつ、その少なくとも一方の接着強度が表示素子DSの保持信頼性を満足するものであることが望ましい。
【0024】
次に、プリズムPRがクロスダイクロイックプリズムである場合の表示素子保持機構を説明する。図3に、クロスダイクロイックプリズム11に透過型の表示素子25R,25G,25Bを固定する表示素子保持機構の組立構造を示す。図3中、11はクロスダイクロイックプリズム、21は第1保持部材、22は第2保持部材、21a,22aはピン、21b,22bはネジ穴、23R,23G,23Bは第3保持部材、23a,23bは穴、24R,24G,24Bはネジ、25R,25G,25Bは透過型の表示素子、25aは取付部品である。
【0025】
クロスダイクロイックプリズム11が有するプリズム面6面のうち、光が透過しない対向した2面に、曲げ加工が施されていない板状・ステンレス製の第1,第2保持部材21,22が、それぞれ接着剤(例えば、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤,シリコン系接着剤等の無機系接着剤)で接着固定される。第1,第2保持部材21,22には、4つのプリズム面11R,11G,11B、11Xに対して平行な4面のうち、各表示素子25R,25G,25Bからの光が入射するプリズム面11R,11G,11Bに対して平行な3面に、ピン21a,22aとネジ穴21b,22bが設けられている。また、曲げ加工が施されていない板状・ステンレス製の第3保持部材23R,23G,23Bには、穴(長穴でもよい。)23a,23bが設けられている。
【0026】
ピン21a,22aが穴23aに通るように、第3保持部材23R,23G,23Bが第1,第2保持部材21,22に取り付けられる。これにより、第1,第2保持部材21,22に対して第3保持部材23R,23G,23Bが位置決めされる。そして、第3保持部材23R,23G,23Bの穴23bにネジ24R,24G,24Bを通して、ネジ24R,24G,24Bが第1,第2保持部材21,22のネジ穴21b,22bにはめ込まれる。これにより、第1,第2保持部材21,22の両方に対して第3保持部材23R,23G,23Bがそれぞれネジ固定される。
【0027】
調整装置(不図示)によって、クロスダイクロイックプリズム11に対する表示素子25R,25G,25Bの位置・傾き(角度)が調整される。その後、第3保持部材23R,23G,23Bと表示素子25R,25G,25Bの各取付部品(例えば、ステンレス等の金属から成るものでもよく、使用する接着剤に応じたガラス等の材料から成るものでもよい。)25aとの隙間に半田(他の接着剤でもよい。)が充填され、その硬化によりクロスダイクロイックプリズム11に表示素子25R,25G,25Bが固定される。以上の工程により、クロスダイクロイックプリズム11にRGB各色の表示素子25R,25G,25Bが位置固定された集合体が完成し(RGBの各々について同一の保持構造)、プロジェクター光学ユニット等に搭載される。
【0028】
第1〜第3保持部材21,22,23R,23G,23Bは、いずれも曲げ部分を有していない。つまり、クロスダイクロイックプリズム11に固定されている第1,第2保持部材21,22にも、さらに第1,第2保持部材21,22に固定されている第3保持部材23R,23G,23Bにも、曲げ加工は施されていない。このため第1〜第3保持部材21,22,23R,23G,23Bには、曲げ加工により発生する残留応力が存在していない。残留応力がなければ、プロジェクターの使用中に表示素子保持機構の温度が上昇した場合でも、表示素子保持機構に形状変化が発生せず、残留応力に起因する表示素子25R,25G,25Bの位置ズレ現象も発生しない。したがって、高い保持精度を保つとともに、色ズレ等の画質悪化を防止することが可能となる。
【0029】
表示素子25R,25G,25Bの一部品である取付部品25aも曲げ部分を有していないので、残留応力の悪影響は更に効果的に排除される。したがって、曲げ加工が施されていない部材を選択することは画質悪化を抑える上で有効であり、表示素子25R,25G,25Bを構成する部品のうち、第3保持部材23R,23G,23Bに対向する部品(つまり第3保持部材23R,23G,23Bとの固定に関わる部品)は曲げ部分を有しないことが好ましい。
【0030】
なお、図3には示されていないが、クロスダイクロイックプリズム11と表示素子25R,25G,25Bとの間(つまり、クロスダイクロイックプリズム11と第3保持部材23R,23G,23Bとの間、又は第3保持部材23R,23G,23Bと表示素子25R,25G,25Bとの間)に、偏光板等を必要に応じて配置してもよい。その場合、例えば、偏光板を第1〜第3保持部材21,22,23R,23G,23Bの少なくとも1つに対して直接的に接着固定又はネジ固定してもよく、偏光板保持部品を介して第1〜第3保持部材21,22,23R,23G,23Bの少なくとも1つに対して間接的に接着固定又はネジ固定してもよい。
【0031】
次に、プリズムPRがPBSプリズムである場合の表示素子保持機構を説明する。図4に、PBSプリズム10に反射型の表示素子34を固定する表示素子保持機構の組立構造を示す。図4中、10はPBSプリズム、31は第1保持部材、32は第2保持部材、33は第3保持部材、34は反射型の表示素子、34aは取付部品である。
【0032】
PBSプリズム10が有するプリズム面6面のうち、光が透過しない対向した2面に、曲げ加工が施されていない板状・ガラス製の第1,第2保持部材31,32が、それぞれ接着剤(例えば、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤,シリコン系接着剤等の無機系接着剤)で接着固定される。そして、第1,第2保持部材31,32の両方に対し、曲げ加工が施されていない板状・ステンレス製の第3保持部材33が、接着剤(例えば、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤;シリコン系接着剤,半田等の無機系接着剤)で接着固定される。
【0033】
調整装置(不図示)によって、PBSプリズム10に対する表示素子34の位置・傾き(角度)が調整される。その後、第3保持部材33と表示素子34の取付部品(例えば、ステンレス等の金属から成るものでもよく、使用する接着剤に応じたガラス等の材料から成るものでもよい。)34aとの隙間に半田(他の接着剤でもよい。)が充填され、その硬化によりPBSプリズム10に表示素子34が固定される。以上の工程により、PBSプリズム10に表示素子34が位置固定された集合体が完成し(3板式に適用する場合には各色について上記工程が行われる。)、プロジェクター光学ユニット等に搭載される。
【0034】
第1〜第3保持部材31,32,33は、いずれも曲げ部分を有していない。つまり、PBSプリズム10に固定されている第1,第2保持部材31,32にも、さらに第1,第2保持部材31,32に固定されている第3保持部材33にも、曲げ加工は施されていない。このため第1〜第3保持部材31,32,33には、曲げ加工により発生する残留応力が存在していない。残留応力がなければ、プロジェクターの使用中に表示素子保持機構の温度が上昇した場合でも、表示素子保持機構に形状変化が発生せず、残留応力に起因する表示素子34の位置ズレ現象も発生しない。したがって、高い保持精度を保つとともに、色ズレ等の画質悪化を防止することが可能となる。
【0035】
表示素子34の一部品である取付部品34aも曲げ部分を有していないので、残留応力の悪影響は更に効果的に排除される。したがって、曲げ加工が施されていない部材を選択することは画質悪化を抑える上で有効であり、表示素子34を構成する部品のうち、第3保持部材33に対向する部品(つまり第3保持部材33との固定に関わる部品)は曲げ部分を有しないことが好ましい。
【0036】
次に、表示素子保持機構が搭載されるプロジェクターを説明する。図5に、前記表示素子保持機構(図3)で透過型の液晶表示素子が保持・搭載された液晶プロジェクターの概略光学構成を示す。この液晶プロジェクターは、ランプ1;第1レンズアレイ2a;偏光分離プリズム2b;第2レンズアレイ2c;重ね合わせレンズ3;第1ダイクロイックミラー4a;第2ダイクロイックミラー4b;反射ミラー5a;リレー系5b;フィールドレンズ6R,6G;赤(R)・緑(G)・青(B)に対応した透過型の液晶表示素子7R,7G,7B;偏光板8R,8G,8B;クロスダイクロイックプリズム11;投写レンズ12等で構成されている(AX:光軸)。
【0037】
第1,第2レンズアレイ2a,2c;偏光分離プリズム2b;重ね合わせレンズ3;第1,第2ダイクロイックミラー4a,4b;反射ミラー5a;リレー系5b;フィールドレンズ6R,6G等から成る照明光学系によって、ランプ1からの照明光が各液晶表示素子7R,7G,7Bに導かれる。そして、照明光学系により照明された各液晶表示素子7R,7G,7Bの表示画像は、偏光板8R,8G,8B;クロスダイクロイックプリズム11;投写レンズ12等から成る投影光学系によってスクリーン(不図示)にカラー投影される。
【0038】
各部の構成を更に詳しく説明する。ランプ1から射出した照明光は、第1,第2レンズアレイ2a,2c及び重ね合わせレンズ3から成るインテグレータ系と、偏光分離プリズム2b及び第2レンズアレイ2cから成る偏光変換系と、を通過する。インテグレータ系は、照明光の空間的なエネルギー分布を均一化することにより、各液晶表示素子7R,7G,7Bのパネル面上での照明光の均一性を高める機能を持っている。一方偏光変換系は、照明光の偏光方向を一方向に揃えることにより、プロジェクターの光利用効率を高める機能を持っている。
【0039】
第1レンズアレイ2aは、液晶表示素子7R,7G,7Bのパネル面と略相似な矩形のレンズセルを2次元のアレイ状に配列して成る、複数個のレンズセルの集合体である。ランプ1からの光束は、第1レンズアレイ2aの複数個のレンズセルで複数の光束に分割される。分割された複数の光束は、第2レンズアレイ2b及び重ね合わせレンズ3を通過することにより、液晶表示素子7R,7G,7Bの各パネル面上で重ね合わされる。一方、照明光は偏光分離プリズム2bで反射されることによってS偏光とP偏光とに偏光分離され、そのうちの一方のみが第2レンズアレイ2cの所定位置に設けられている偏光回転構造(例えば波長板)を通過することによって偏光状態が一方向に揃えられる。
【0040】
重ね合わせレンズ3から射出した照明光のうち、Rの原色光は第1ダイクロイックミラー4aを透過し、反射ミラー5aでの反射後、フィールドレンズ6Rを通って液晶表示素子7Rに照射される。一方、G,Bの原色光は第1ダイクロイックミラー4aで反射され、第2ダイクロイックミラー4bでGの反射光とBの透過光とに色分離される。第2ダイクロイックミラー4bで反射したGの原色光は、フィールドレンズ6Gを通って液晶表示素子7Gに照射され、第2ダイクロイックミラー4bを透過したBの原色光は、リレー系5bを通って液晶表示素子7Bに照射される。
【0041】
各液晶表示素子7R,7G,7Bは、偏光方向が揃った各原色光を2次元映像の各画素の表示に応じた選択的な偏光制御により変調し、2種類の偏光(P偏光,S偏光)から成る透過光を射出する。各液晶表示素子7R,7G,7Bから射出した各原色光は、各偏光板8R,8G,8Bに入射する。各偏光板8R,8G,8Bは、投影に必要な偏光成分のみが透過させて、クロスダイクロイックプリズム11に入射させる。クロスダイクロイックプリズム11ではRGBの各原色光が色合成され、色合成された投影光は投写レンズ12でスクリーンに投射される。この液晶プロジェクターに搭載されている各液晶表示素子7R,7G,7Bは、前記表示素子保持機構(図3)でクロスダイクロイックプリズム11に保持されているため、スクリーン上での色ズレの発生が防止され、高い画質が安定的に得られる。
【0042】
図6に、前記表示素子保持機構(図4)で反射型の液晶表示素子が保持・搭載された液晶プロジェクターの概略光学構成を示す。この液晶プロジェクターは、ランプ1;第1レンズアレイ2a;偏光分離プリズム2b;第2レンズアレイ2c;重ね合わせレンズ3;第1ダイクロイックミラー(クロスダイクロイックミラー)14a;第2ダイクロイックミラー14b;反射ミラー15a,15b;フィールドレンズ6R,6G,6B;PBSプリズム10R,10G,10B;赤(R)・緑(G)・青(B)に対応した反射型の液晶表示素子9R,9G,9B;スペーサーガラス13R,13G,13B;クロスダイクロイックプリズム11;投写レンズ12等で構成されている(AX:光軸)。
【0043】
第1,第2レンズアレイ2a,2c;偏光分離プリズム2b;重ね合わせレンズ3;第1,第2ダイクロイックミラー14a,14b;反射ミラー15a,15b;フィールドレンズ6R,6G,6B;PBSプリズム10R,10G,10B等から成る照明光学系によって、ランプ1からの照明光が各液晶表示素子9R,9G,9Bに導かれる。そして、照明光学系により照明された各液晶表示素子9R,9G,9Bの表示画像は、PBSプリズム10R,10G,10B;スペーサーガラス13R,13G,13B;クロスダイクロイックプリズム11;投写レンズ12等から成る投影光学系によってスクリーン(不図示)にカラー投影される。
【0044】
各部の構成を更に詳しく説明する。ランプ1から射出した照明光は、第1,第2レンズアレイ2a,2c及び重ね合わせレンズ3から成るインテグレータ系と、偏光分離プリズム2b及び第2レンズアレイ2cから成る偏光変換系と、を通過する。インテグレータ系は、照明光の空間的なエネルギー分布を均一化することにより、各液晶表示素子9R,9G,9Bのパネル面上での照明光の均一性を高める機能を持っている。一方偏光変換系は、照明光の偏光方向を一方向に揃えることにより、プロジェクターの光利用効率を高める機能を持っている。
【0045】
第1レンズアレイ2aは、液晶表示素子9R,9G,9Bのパネル面と略相似な矩形のレンズセルを2次元のアレイ状に配列して成る、複数個のレンズセルの集合体である。ランプ1からの光束は、第1レンズアレイ2aの複数個のレンズセルで複数の光束に分割される。分割された複数の光束は、第2レンズアレイ2b及び重ね合わせレンズ3を通過することにより、液晶表示素子9R,9G,9Bの各パネル面上で重ね合わされる。一方、照明光は偏光分離プリズム2bで反射されることによってS偏光とP偏光とに偏光分離され、そのうちの一方のみが第2レンズアレイ2cの所定位置に設けられている偏光回転構造(例えば波長板)を通過することによって偏光状態が一方向に揃えられる。
【0046】
重ね合わせレンズ3から射出した照明光のうち、Rの原色光は第1ダイクロイックミラー14aで反射され、反射ミラー15aで反射され、フィールドレンズ6Rを通過した後、PBSプリズム10Rに入射する。一方、G,Bの原色光は第1ダイクロイックミラー14aで反射され、反射ミラー15bで反射され、第2ダイクロイックミラー14bでGの反射光とBの透過光とに色分離される。第2ダイクロイックミラー14bで反射されたGの原色光は、フィールドレンズ6Gを通過した後、PBSプリズム10Gに入射し、第2ダイクロイックミラー14bを透過したBの原色光は、フィールドレンズ6Bを通過した後、PBSプリズム10Bに入射する。
【0047】
各PBSプリズム10R,10G,10Bは、2つの直角プリズムを接合して成る直方体形状のプリズムである。直角プリズムの接合面にはPBSコート(PBS膜)が施されており、そこに偏光方向のランダムな光が入射すると、PBS膜を透過するP偏光とPBS膜で反射されるS偏光とに分離される。したがって、各PBSプリズム10R,10G,10Bによって、各液晶表示素子9R,9G,9Bに対する照明に不要な偏光成分(P偏光)は透過することにより除かれ、各液晶表示素子9R,9G,9Bに対する照明に必要な偏光成分(S偏光)のみが反射することにより各液晶表示素子9R,9G,9Bに入射することになる。
【0048】
各液晶表示素子9R,9G,9Bは、偏光方向が揃った各原色光(S偏光)を2次元映像の各画素の表示に応じた選択的な偏光制御により変調し、2種類の偏光(P偏光,S偏光)から成る反射光を射出する。各液晶表示素子9R,9G,9Bから射出した各原色光は、再び各PBSプリズム10R,10G,10Bに入射する。各PBSプリズム10R,10G,10Bは、投影に不要な偏光成分(S偏光)を反射させて除き、投影に必要な偏光成分(P偏光)のみを透過させて各スペーサーガラス13R,13G,13Bに入射させる。各スペーサーガラス13R,13G,13Bは、各PBSプリズム10R,10G,10B及びクロスダイクロイックプリズム11と接合されており、その間隔を安定かつ適正に保つことにより各色の画素ズレを防止している。
【0049】
スペーサーガラス13R,13G,13Bを透過した各原色光はクロスダイクロイックプリズム11に入射して色合成され、色合成された投影光は投写レンズ12でスクリーンに投射される。この液晶プロジェクターに搭載されている各液晶表示素子9R,9G,9Bは、前記表示素子保持機構(図4)で各PBSプリズム10R,10G,10Bに保持されているため、スクリーン上での色ズレの発生が防止され、高い画質が安定的に得られる。
【0050】
なお、上述した各表示素子保持機構,液晶プロジェクター等には以下の構成を有する発明(P1,P2,…)が含まれている。そしてこれらの構成によると、画質悪化の原因となる残留応力が存在せず、高い保持精度を保つことの可能な表示素子保持機構、安定した高画質が得られるプロジェクター等を実現することができる。また、各特徴を有することにより前述した効果等を得ることができる。
【0051】
(P1) プリズムが有する複数のプリズム面のうち光が透過しない対向した2面にそれぞれ固定される第1,第2保持部材と、前記第1,第2保持部材の両方に固定される第3保持部材とを備え、前記第3保持部材に表示素子が固定されることによりプリズムに対する表示素子の保持を行う表示素子保持機構であって、前記第1〜第3保持部材がいずれも曲げ部分を持たず、かつ、ガラス又は金属から成ることを特徴とする表示素子保持機構。
【0052】
(P2) プリズムが有する複数のプリズム面のうち光が透過しない対向した2面に第1,第2保持部材をそれぞれ固定し、その固定された第1,第2保持部材に同時に接するように第3保持部材を固定し、その第3保持部材に表示素子を固定することにより、プリズムに対する表示素子の保持を行う表示素子保持機構であって、前記第1〜第3保持部材がいずれも曲げ部分を持たず、かつ、ガラス又は金属から成ることを特徴とする表示素子保持機構。
【0053】
上記発明(P1)又は(P2)によれば、第1〜第3保持部材がいずれも曲げ部分を有していないため、第1〜第3保持部材には曲げ加工により発生する残留応力が存在していない。残留応力がなければ、プロジェクター等の使用中に表示素子保持機構の温度が上昇した場合でも、表示素子保持機構に形状変化が発生せず、残留応力に起因する表示素子の位置ズレ現象も発生しない。したがって、高い保持精度を保つとともに、色ズレ等の画質悪化を防止することが可能となる。
【0054】
(P3) 前記第1保持部材と前記第3保持部材との固定が第1接着剤で行われ、前記第2保持部材と前記第3保持部材との固定が第2接着剤で行われ、前記第1,第2接着剤が互いに異なる接着強度を有することを特徴とする上記(P1)又は(P2)記載の表示素子保持機構。接着強度に違いがあると、第3保持部材は第1,第2接着剤のうち接着強度の強い方に支配的に固定される。その結果、表示素子保持機構の温度が上昇した場合にプリズムと第3保持部材との間に発生する、両者の膨張係数差を起因とする応力が抑制され、より効果的に色ズレ等の画質悪化を防止することが可能となる。
【0055】
(P4) 前記表示素子を構成する部品のうち、前記第3保持部材に対向する部品が曲げ部分を有しないことを特徴とする上記(P1)〜(P3)のいずれか1項に記載の表示素子保持機構。この発明(P4)によれば、表示素子を構成する部品のうち第3保持部材に対向する部品が曲げ部分を有しないので、残留応力の悪影響は更に効果的に排除され、画質悪化を防止することができる。
【0056】
(P5) 前記表示素子を構成する部品のうち、前記第3保持部材に対向する部品がガラス又は金属から成ることを特徴とする上記(P1)〜(P4)のいずれか1項に記載の表示素子保持機構。
(P6) 前記表示素子を構成する部品のうち、前記第3保持部材との固定に関わる部品がガラス又は金属から成ることを特徴とする上記(P1)〜(P4)のいずれか1項に記載の表示素子保持機構。
(P7) 前記プリズムと前記第1,第2保持部材との固定が接着剤で行われることを特徴とする上記(P1)〜(P6)のいずれか1項に記載の表示素子保持機構。
【0057】
(P8) 上記(P1)〜(P7)のいずれか1項に記載の表示素子保持機構を備えたことを特徴とするプロジェクター。
(P9) 前記プリズムがクロスダイクロイックプリズム又はPBSプリズムであることを特徴とする上記(P8)記載のプロジェクター。
(P10) 前記表示素子が透過型又は反射型の表示素子であることを特徴とする上記(P8)又は(P9)記載のプロジェクター。
(P11) 前記表示素子が液晶表示素子であることを特徴とする上記(P10)記載のプロジェクター。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1〜第3保持部材がいずれも曲げ部分を有していないため、第1〜第3保持部材には画質悪化の原因となる残留応力が存在せず、高い保持精度を保つことが可能である。したがって、本発明に係る表示素子保持機構をプロジェクターに用いれば、使用中に表示素子保持機構の温度が上昇した場合でも、残留応力に起因する表示素子の位置ズレ現象は発生せず、色ズレ等の画質悪化を防止することが可能である。また、第3保持部材に対向する部品に曲げ部分のない表示素子を用いた場合、残留応力の悪影響は更に効果的に排除され、画質悪化の防止効果は大きくなる。
【0059】
互いに異なる接着強度を有する第1,第2接着剤を用い、第1保持部材と第3保持部材との固定を第1接着剤で行い、第2保持部材と第3保持部材との固定を第2接着剤で行えば、第3保持部材は第1,第2接着剤のうち接着強度の強い方に支配的に固定される。その結果、表示素子保持機構の温度が上昇した場合にプリズムと第3保持部材との間に発生する、両者の膨張係数差を起因とする応力が抑制され、より効果的に色ズレ等の画質悪化を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示素子保持機構の概略構成例を示す断面図。
【図2】クロスダイクロイックプリズムの概略構成例を示す平面図。
【図3】透過型の表示素子をクロスダイクロイックプリズムに固定する表示素子保持機構の組立構造を示す分解斜視図。
【図4】反射型の表示素子をPBSプリズムに固定する表示素子保持機構の組立構造を示す分解斜視図。
【図5】透過型の液晶表示素子を搭載した液晶プロジェクターを示す光学構成図。
【図6】反射型の液晶表示素子を搭載した液晶プロジェクターを示す光学構成図。
【図7】表示素子保持機構の一従来例を示す断面図。
【図8】表示素子保持機構の他の従来例を示す断面図。
【図9】表示画素の位置ズレによるスクリーン上での色ズレを説明するための図。
【符号の説明】
PR …プリズム
H1 …第1保持部材
H2 …第2保持部材
H3 …第3保持部材
J1 …第1接着剤
J2 …第2接着剤
DS …表示素子
D1 …表示素子本体
D2 …取付部品
10 …PBSプリズム
10R,10G,10B …PBSプリズム
11 …クロスダイクロイックプリズム
21 …第1保持部材
22 …第2保持部材
23R,23G,23B …第3保持部材
25R,25G,25B …透過型の表示素子
31 …第1保持部材
32 …第2保持部材
33 …第3保持部材
34 …反射型の表示素子
7R,7G,7B …透過型の液晶表示素子
9R,9G,9B …反射型の液晶表示素子

Claims (3)

  1. プリズムが有する複数のプリズム面のうち光が透過しない対向した2面にそれぞれ固定される第1,第2保持部材と、前記第1,第2保持部材の両方に固定される第3保持部材とを備え、前記第3保持部材に表示素子が固定されることによりプリズムに対する表示素子の保持を行う表示素子保持機構であって、前記第1〜第3保持部材がいずれも曲げ部分を有しないことを特徴とする表示素子保持機構。
  2. 前記第1保持部材と前記第3保持部材との固定が第1接着剤で行われ、前記第2保持部材と前記第3保持部材との固定が第2接着剤で行われ、前記第1,第2接着剤が互いに異なる接着強度を有することを特徴とする請求項1記載の表示素子保持機構。
  3. 前記表示素子を構成する部品のうち、前記第3保持部材に対向する部品が曲げ部分を有しないことを特徴とする請求項1又は2記載の表示素子保持機構。
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