JP2005017359A - 光学モジュール、光学モジュール製造方法および光学モジュール用光学基板 - Google Patents

光学モジュール、光学モジュール製造方法および光学モジュール用光学基板 Download PDF

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隆三 深尾
Tetsuhiko Sanpei
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Abstract

【課題】温度変動による光学モジュールへのクラックの発生を抑制して、光学モジュールの耐久性の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】Si基板11と、Si基板11に搭載されるレンズ21との間にウォール部材15を配置し、レンズ21は、このウォール部材15を介してSi基板11に固定される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光通信用の部品を搭載した光学モジュール等に関し、より詳しくは、シリコンオプティカルベンチ等のMEMS基板を用いた光学モジュール等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信技術の進展に伴い、例えばネットワークに用いられる種々の部品、デバイス、およびそれらを用いた光学モジュールのニーズが高まっており、活発な研究開発が行われている。特に、光ファイバ、レンズ、レーザダイオード等の部品を適宜組み合わせたモジュールは、その基本コンポーネントとして多用されている。
【0003】
このような光学モジュールの従来技術として、例えば、Si基板上に溝を設け、その溝に球状のレンズを位置決めして固定し、また、Si基板上に所定の配線が形成される光素子モジュールが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような光学モジュールには幾つかの形態が存在するが、その中でも、3次元加工技術であるマイクロマシニング(MEMS)によりSiウェハに対して溝を形成し、これに光ファイバやレンズ等の光学部品を埋め込み固定する方式が、実装精度および量産性に優れた方法として注目されている。このMEMSにより形成された光モジュール用の基板は、シリコンオプティカルベンチ(SiOB)と呼ばれ、一つのキーデバイスとなって実用化されている。
【0004】
ここで、SiOBを用いた従来の光学モジュール50の構成について述べる。図3は従来の光学モジュール50の構成を説明する図であり、(a)はこの光学モジュール50の平面図であり、(b)はこの光学モジュール50のXX断面図である。図3に示したように、従来の光学モジュール50では、通常、異方性エッチングにより単結晶シリコン基板(Si基板)11に台形型やV字型等の溝12が形成されたSiOB30において、溝12内に光ファイバ(図示せず)やレンズ21等の光学部品が搭載されて構成されている。SiOB30にレーザダイオード22等の発光素子が搭載される場合には、レーザダイオード22に対する電力供給のための高周波配線等の配線13がSiOB30上に形成される。
このような光学モジュール50では、SiOB30に形成された溝12の位置および深さはマスクエッチングにより高い精度を持って実現でき、またレンズ21等の光学部品はこの溝12内に搭載されて収まることにより自動的にアライメントされるため実装効率も高いという利点を有している。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−162542号公報(第3〜4頁、図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示したような従来の光学モジュール50では、SiOB30に形成された溝12にレンズ21等の光学部品を搭載する際に、SiOB30とレンズ21とを接着剤や低融点ガラス、またはハンダ等といった接着剤類を用いた接着剤層14によって直接的に固定していた。このため、接着剤層14の熱膨張率と、レンズ21等の光学部品およびSiOB30の熱膨張率とが異なることに起因して、温度の変動により接着剤層14が大きく膨張または収縮し、主にSiOB30において歪みが生じる。その結果、SiOB30の溝12の底部16の薄肉となって構成された部分へ応力が集中してクラックが発生し、光学モジュール50が破損する等の問題が生じていた。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、温度変動による光学モジュールへのクラックの発生を抑制して、光学モジュールの耐久性の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の光学モジュールでは、基板と、基板に搭載される光学部品との間に中間材を配置し、光学部品は、この中間材を介して基板に固定されることを特徴としている。これによって、基板と光学部品とが中間材を介して間接的に接合されるので、中間材が基板と光学部品とを接合する接合部に生じる伸縮を吸収して、基板にクラックが生じるのを抑制することができる。ここで、中間材は、基板と光学部品の双方と接着剤で接着されていることを特徴とすることもできる。この場合においても、中間材が接着剤の伸縮に起因する応力を吸収することができる。
【0009】
また、基板は溝が形成され、光学部品はこの溝に載置されることを特徴とすれば、光学部品はこの溝内に搭載されて収まることにより自動的にアライメントできる点から優れている。特に、溝は断面形状が台形またはV字形であること特徴とすれば、光学部品のアライメントを正確に行える点から優れている。
さらに、中間材は光学部品の両側部に配置されることを特徴とすれば、例えば光学部品の固定を行うに際して、接着剤の充填が容易となる。
【0010】
また、本発明の光学モジュールは、基板に搭載される光学部品を基板に固定する固定部材を配設し、固定部材は、基板に接合された第1接合部と、第1接合部に接合された中間部と、中間部と光学部品との間を接合する第2接合部とを有することを特徴としている。これにより、基板と光学部品とが中間部を介して間接的に接合されるので、第1接合部と第2接合部とに生じる伸縮を吸収して、基板にクラックが生じるのを抑制することが可能となる。
【0011】
ここで、固定部材は、第1接合部および第2接合部が接着剤で形成されたことを特徴とすれば、中間部が接着剤の伸縮に起因する応力を吸収することができる点で好ましい。特に、接着剤は樹脂であることを特徴とすれば、熱膨張率の高い樹脂接着剤においても、樹脂接着剤の伸縮に起因する応力を吸収でき、樹脂接着剤の使用を可能とする点に優れている。
また、固定部材は、中間部が緩衝体であることを特徴とすれば、第1接合部と第2接合部とに生じる伸縮を吸収する機能を有する。特に、緩衝体は、軟質材料からなることを特徴とすれば、第1接合部と第2接合部とに生じる伸縮を吸収する機能が高いものとなる。
【0012】
一方、本発明を光学モジュール製造方法として捉えれば、異方性エッチングにより単結晶シリコン基板に溝を形成する溝形成工程と、溝形成工程により溝が形成された単結晶シリコン基板に中間材を接合する中間材接合工程と、溝形成工程により形成された溝に光学部品を載置する光学部品載置工程と、光学部品を中間材に接合する光学部材接合工程とを含む。ここで、中間材接合工程は、中間材を溝に沿って接合することを特徴とすれば、例えば光学部品の固定を行うに際して、接着剤の充填が容易となる点で好ましい。また、中間材接合工程は、光学部品載置工程で載置される光学部品との間に間隙が形成されるように中間材を接合することを特徴とすれば、光学部材の着脱が容易になるという点から特に優れている。
【0013】
一方、本発明を光学モジュール用光学基板として捉えれば、本発明が適用される光学モジュール用光学基板は、光学部品が搭載可能な光学モジュール用光学基板であって、基板と、基板に接着剤で接着され、光学部品を接着剤で固定するとともに接着剤の伸縮を吸収する緩衝部材とを備えたことを特徴としている。これによって、光学モジュール用光学基板に光学部品が搭載されても、基板と光学部品とが緩衝部材を介して間接的に接合されるので、緩衝部材が基板と光学部品とを接合する接合部に生じる伸縮を吸収して、基板にクラックが生じるのを抑制することができる。ここで、基板は溝が形成され、緩衝部材は溝の両側部に接着されたことを特徴とすれば、光学部品はこの溝内に搭載されて収まることにより自動的にアライメントできる点から優れ、また光学部品の固定を行うに際して、接着剤の充填が容易となる利点を有している。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1および図2は、本実施の形態が適用される光学モジュール1の構成を示した図である。図1はこの光学モジュール1の平面図であり、図2はこの光学モジュール1のYY断面図である。図1および図2に示したように、本実施の形態が適用される光学モジュール1は、シリコンウェハであるSi基板11に、例えば台形型の溝12と所定の形状からなる配線13とが形成されたシリコンオプティカルベンチ(SiOB)10と、SiOB10の溝12に位置決めした状態で搭載された光学部品の一例としてのレンズ21とで構成されている。そして本実施の形態では、SiOB10においてレンズ21を搭載する溝12の両側部に中間材(中間部、緩衝部材)としてのウォール部材15を設け、このレンズ21がウォール部材15を介して第2接合部である接着剤層14aおよび第1接合部である接着剤層14bによってSiOB10に固定されている点に特徴がある。
【0015】
SiOB10は、長さl=2.5mm、幅w=3mm、厚さt=1mmのSi基板11に、長さl=1.7mm、幅w=1.75mm、深さv=0.84mmの台形型の溝12が形成された構成を有している。
ここで、SiOB10の製造方法について説明する。SiOB10においては、まず結晶面が(100)面であるSi基板11の表面に酸化層を形成する。酸化層の厚さは台形型溝やV字型溝の深さの設計値により決定される。典型値としては2μmである。
次にSi基板11の上にフォトレジストを塗布する。ここで、フォトレジストとしては、例えば東京応化製OEPR−800であって粘度50cpのものを用い、Si基板11を回転速度1500rpmで回転させながら塗布する。塗布厚は典型値として6μmとする。
【0016】
Si基板11にフォトレジストを塗布した後に、110℃で2分間のプリベークを行い、フォトレジストを硬化させる。そしてクロム(Cr)製のフォトマスクを使って密着露光する。ここで、露光光としては波長350〜400nmの紫外線を用いる。
次に、現像液により、露光済みのSi基板11を現像する。現像液としては、例えば東京応化製NMD−3のアルカリ溶液が用いられる。この現像工程では、上記のフォトレジストとしてポジレジストが用いられているため、露光部のフォトレジストが除去される。そしてさらに、120℃で5分間のポストべークを行う。
【0017】
その後、フッ素系のガスでドライエッチングを行い、フォトレジストで覆われていない領域のSi酸化膜を除去する。さらに、アセトンでフォトレジストを溶解し、除去する。
そして水酸化カリウム(KOH)水溶液(30〜35wt%、60〜70℃)により、エッチングを行なう。純粋なSiのエッチングレートはSi酸化膜のエッチングレートよりも約2桁速い。このため、エッチング領域では、Siの結晶面のうちの(111)面が表面に現われて、傾斜角が54.7°のV字型ないし台形型の溝12が形成される。なお、エッチング液としてはTMAH(テトラメチル水酸化アンモニウム液)を用いてもよい。
このようにして、V字型ないし台形型の溝12が形成されたSiOB10が製造される。なお、上記のようなプロセスは異方性エッチングと呼ばれ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を実現する上で重要な技術となっている。
【0018】
さらに、SiOB10上には、レーザダイオード22等の発光素子を配設した際の電力供給を行うための配線13も形成されている。配線13の形成は、通常、上記した異方性エッチングによる溝加工が行われた後に行われる。
まず、異方性エッチングの際に残ったSi酸化膜がフッ酸処理によって除去される。すなわち、異方性エッチングの際に残ったSi酸化膜は、溝12の外周縁がアンダーカット状にエッチングされてバリ状になっている。このバリ状のSi酸化膜は配線形成時のレジストを塗付する際のレジスト流動に悪影響を及ぼすことから、最初に除去される。その結果、Si基板11面上のSi酸化膜は全て除去される。
【0019】
そして配線加工のために再度、Si酸化膜が形成される。その後、Tiスパッタ、Ptスパッタ、Auスパッタが順次行われ、レジスト塗布工程、パターニング工程を経て、Au/Pt/Tiエッチングがなされる。これによって溝加工がなされたSiOB10上に配線13が形成される。なお、この例では、Au/Pt/Tiの三層スパッタ薄膜で配線が形成されており、Pt/TiはSi基板11上へのAuの接着層となるものである。ただし、実際には、この導体配線以外にTaNなどの抵抗膜、およびAu−Sn膜などの高温ハンダランド等が必要に応じて適宜形成され、また、パターニングされる。
【0020】
一方、SiOB10の溝12に搭載されるレンズ21は、例えば直径d=1mm、長さl=1.2mm(平行部21aの長さlp=0.9mm)に形成された非球面相面レンズである。なお光学部品として、他にコリメータレンズ、DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)やCWDM(Coarse Wavelength Division Multiplexing)等の溝フィルムフィルタ、光ファイバ、ミラー等を搭載することもできる。
【0021】
次に、本実施の形態の光学モジュール1の特徴として、SiOB10には、SiOB10の溝12の両側部であって、レンズ21が搭載される位置にウォール部材15が配置されている。ウォール部材15は、アクリル樹脂を削り出すことによって形成され、例えば長さl=0.9mm、幅w=0.5mm、厚さt=0.5mmの直方体形状を有している。
なお、ウォール部材15の材質および寸法・形状は、搭載する光学部品の種類や寸法等に応じて適宜設定される。また、ウォール部材15が後段で述べるようにクッション材(緩衝体)として機能する上では、ウォール部材15は熱可塑性樹脂等の軟質材料で構成するのが適しているが、光学部品の搭載後の熱履歴や配線13との関連により、例えばアルミニウム(Al)等の金属や、ポリイミド等の耐熱性樹脂、またはフィラー添加樹脂等を用いることができる。
【0022】
ウォール部材15は、溝12に対してオーバーハング量qが約100μmとなるように突き出して配置され(図2参照)、ウォール部材15とレンズ21の平行部21aとの間の間隔gが数10μm確保されるように構成されている。このように配置されることによって、ウォール部材15の存在によってレンズ21の着脱が妨げられることはない。また、後段で述べるようにウォール部材15とレンズ21との間に接着剤を充填するのが容易となる。
【0023】
ウォール部材15とSi基板11との結合は接着剤層14bによって行われるが、接着剤層14bには、高耐熱性の熱硬化エポキシ樹脂が用いられている。これにより、光学モジュール1のSi基板11が熱を受けて温度が上昇しても、ウォール部材15がSi基板11から剥がれることはない。
なお、接着剤層14bでは、エポキシ樹脂の他、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
【0024】
ところで、ウォール部材15の形成に際しては種々の方法を用いることができ、例えば部品実装に用いる所謂ボンダを用いてSi基板11に搭載し固定する方法が、配置精度やプロセス効率の観点から有効であり、また電解鋳造を用いて一括成型することも可能である。
【0025】
このようにウォール部材15が形成されたSiOB10の所定の位置にレーザダイオード22が実装された後、溝12内に石英製結合レンズであるレンズ21が搭載される。そして溝12内にレンズ21を固定した状態で、ウォール部材15とレンズ21との隙間を埋めるように紫外線硬化型樹脂を充填する。そして、紫外線を照射することによって紫外線硬化型樹脂を硬化させ、接着剤層14aを形成する。
なお、紫外線硬化型樹脂としては、エポキシ変性アクリレート系、ポリウレタン系、ポリエステル系等を用いることができる。
これによって、レンズ21は接着剤層14aによってウォール部材15に固定され、またウォール部材15は接着剤層14bによってSi基板11に固定されることで、レンズ21とSi基板11とはウォール部材15を介して固定された構成となる。
【0026】
上記したように、レンズ21とSi基板11とをウォール部材15を介して接着剤により固定する構成を採用することにより、ウォール部材15は接着剤層14aおよび接着剤層14bから受ける力を吸収する緩衝体としての機能を果たす。
【0027】
すなわち、接着剤層14aおよび接着剤層14bを構成する接着剤は樹脂であることから、その熱膨張率はSiやレンズ21を形成する石英(SiO)の100倍程度の値となる。そのため、レンズ21とSi基板11とを直接的に接着剤により固定する構成においては、温度の変動により接着剤が大きく膨張または収縮して、結合しているレンズ21とSi基板11とにその体積変動による大きな力が直接加わる。特に、Si基板11では、溝12の底部16は0.16mmと薄く形成され、しかも溝12の両側からの力を受けると応力が集中し易い構造となっているため、接着剤の膨張・収縮による力を受けることによって溝12の底部16に歪みが生じ、その歪みが繰り返し発生すると溝12の底部16にはクラックが生じて、光学モジュール1の破損の原因となる。
【0028】
これに対し、本実施の形態の光学モジュール1のように、ウォール部材15を介して固定することによって、温度の変動により接着剤層14aおよび接着剤層14bが膨張または収縮しても、緩衝体としてのウォール部材15が接着剤層14aおよび接着剤層14bの膨張・収縮を吸収するので、Si基板11に応力が加わることを抑制することができる。つまり、ウォール部材15は接着剤層14aおよび接着剤層14bにのみ支持された移動自在な状態であるため、接着剤層14aおよび接着剤層14bの膨張・収縮に応じてウォール部材15がその位置を移動することができる。そのため、接着剤層14aおよび接着剤層14bの膨張・収縮による体積変動が生じてもウォール部材15の移動により応力が開放され、レンズ21やSi基板11に加わる力は極めて小さいものとなる。その結果、溝12の両側からの力を受けると応力が集中し易い溝12の底部16においても、接着剤層14aおよび接着剤層14bの膨張・収縮によるクラックの発生が抑えられ、光学モジュール1の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0029】
ここで、レンズ21とSi基板11とをウォール部材15を介して固定する本発明の光学モジュール1と、レンズ21とSi基板11とを接着剤によって直接的に固定する従来の光学モジュール50(図3参照)とを用いて、比較試験を行った。
この試験では、本発明の光学モジュール1と従来の光学モジュール50に温度サイクル試験を施して耐久性を比較した。試験条件は、−55℃と150℃の環境下に、ぞれぞれ10分ずつ交互に放置することを1サイクルとして、このサイクルを100回繰り返し行った。また資料数はそれぞれ5サンプルずつで行った。なお、それぞれの光学モジュール1、光学モジュール50の外形寸法は、ウォール部材15の有無を除き、上記した光学モジュール1と同様である。
【0030】
その結果、ウォール部材15を用いず直接固定させた従来の光学モジュール50では、いずれのサンプルも溝12の底部16にクラックが発生したのに対し、本発明のレンズ21とSi基板11とをウォール部材15を介して固定した光学モジュール1では、いずれのサンプルの溝12の底部16においてもクラックは発生せず、耐久性が向上していることが確認された。
【0031】
以上、詳述したように、本実施の形態の光学モジュール1によれば、SiOB10においてレンズ21を搭載する溝12の両側部にウォール部材15を設け、レンズ21とSi基板11とをウォール部材15を介して接着剤により固定するように構成することによって、温度の変動により接着剤が膨張または収縮しても、ウォール部材15が緩衝体として機能して接着剤の膨張・収縮を吸収するので、接着剤の膨張または収縮がSi基板11に応力を加わえることを抑制することができる。そのため、Si基板11にクラックが発生することが抑えられ、光学モジュール1の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0032】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、温度変動による光学モジュールへのクラックの発生を抑制して、光学モジュールの耐久性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される光学モジュールの構成を示した平面図である。
【図2】本実施の形態が適用される光学モジュールの断面構成を示したYY断面図である。
【図3】従来の光学モジュールの構成を示した図であり、(a)は平面図であり、(b)はXX断面図である。
【符号の説明】
1,50…光学モジュール、10,30…シリコンオプティカルベンチ(SiOB)、11…Si基板、12…溝、13…配線、14,14a,14b…接着剤層、15…ウォール部材、16…底部、21…レンズ、21a…レンズ平行部、22…レーザダイオード

Claims (15)

  1. 基板と、
    前記基板に搭載される光学部品と、
    前記基板と前記光学部品との間に配置される中間材とを含み、
    前記光学部品は、前記中間材を介して前記基板に固定されることを特徴とする光学モジュール。
  2. 前記中間材は、前記基板と前記光学部品の双方と接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
  3. 前記基板は溝が形成され、前記光学部品は当該溝に載置されることを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
  4. 前記溝は断面形状が台形またはV字形であることを特徴とする請求項3記載の光学モジュール。
  5. 前記中間材は前記光学部品の両側部に配置されることを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
  6. 基板と、
    前記基板に搭載される光学部品と、
    前記光学部品を前記基板に固定する固定部材とを備え、
    前記固定部材は、前記基板に接合された第1接合部と、当該第1接合部に接合された中間部と、当該中間部と前記光学部品との間を接合する第2接合部とを有することを特徴とする光学モジュール。
  7. 前記固定部材は、前記第1接合部および前記第2接合部が接着剤で形成されたことを特徴とする請求項6記載の光学モジュール。
  8. 前記接着剤は、樹脂であることを特徴とする請求項7記載の光学モジュール。
  9. 前記固定部材は、前記中間部が緩衝体であることを特徴とする請求項6記載の光学モジュール。
  10. 前記緩衝体は、軟質材料からなることを特徴とする請求項9記載の光学モジュール。
  11. 異方性エッチングにより単結晶シリコン基板に溝を形成する溝形成工程と、
    前記溝形成工程により溝が形成された前記単結晶シリコン基板に中間材を接合する中間材接合工程と、
    前記溝形成工程により形成された前記溝に光学部品を載置する光学部品載置工程と、
    前記光学部品を前記中間材に接合する光学部材接合工程と
    を含むことを特徴とする光学モジュール製造方法。
  12. 前記中間材接合工程は、前記中間材を前記溝に沿って接合することを特徴とする請求項11記載の光学モジュール製造方法。
  13. 前記中間材接合工程は、前記光学部品載置工程で載置される前記光学部品との間に間隙が形成されるように前記中間材を接合することを特徴とする請求項11記載の光学モジュール製造方法。
  14. 光学部品が搭載可能な光学モジュール用光学基板であって、
    基板と、
    前記基板に接着剤で接着され、前記光学部品を接着剤で固定するとともに当該接着剤の伸縮を吸収する緩衝部材と
    を備えたことを特徴とする光学モジュール用光学基板。
  15. 前記基板は溝が形成され、前記緩衝部材は当該溝の両側部に接着されたことを特徴とする請求項14記載の光学モジュール用光学基板。
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