JP2005017185A - 測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の検体ウェルを有する測定用プレートを備えた全反射減衰の時間変化を観測する測定装置において、測定用プレートの移動もしくは再設置を行った場合にも精密な測定を行う。
【解決手段】光ビームL1を光入出射部202上の薄膜層12の界面202aで全反射条件が得られるように種々の角度で入射させ、上記界面202aにおいて全反射した光ビームL1を検出する測定装置において、傾き測定用光ビームL2を界面202aに入射せしめ、界面202aで反射した傾き測定用光ビームL2を光検出手段37で受光し、界面202aの全反射減衰測定の1回目と2回目の測定間の傾きを求め、この求められた傾きに応じて、信号処理部20において2回目の測定値に対して補正を施す。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面プラズモンの発生を利用して試料中の物質を分析する表面プラズモン共鳴測定装置等の測定装置に関し、特に詳細には、試料に接した薄膜層、金属膜あるいはクラッド層と誘電体ブロックとの界面で光ビームを全反射させてエバネッセント波を発生させ、全反射した光ビームの強度に表れる変化を測定して試料の分析を行う全反射光を利用した測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】
従来より、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分析する表面プラズモン共鳴測定装置が種々提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】
上記の系を用いる表面プラズモン共鳴測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、かつ表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0005】
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変えて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化にしたがって反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した光ビームの成分を全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
【0006】
上記構成の表面プラズモン共鳴測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。
【0007】
なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく、もしくは、p偏光成分のみを検出するように設定しておく必要がある。
【0008】
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角θSPから表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】
Figure 2005017185
試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることにより、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求めることができる。
【0010】
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似のセンサーとして、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モードセンサーも知られている。この漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られ、かつ光導波層での導波モードの励起による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0011】
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
【0012】
なお、表面プラズモン共鳴測定装置もしくは漏洩モードセンサー等の全反射を利用した測定装置としては、光を界面に全反射条件が得られる入射角で入射させ、その光によるエバネッセント波の発生により、界面で全反射した光の状態の変化を測定することにより被測定物質の特性分析等を行うに際して、前述の全反射減衰を生じる特定入射角の測定をする装置のほか、複数の波長の光ビームを界面に入射させ、各波長毎の全反射減衰の程度を検出する装置、あるいは、光ビームを界面に入射させるとともに、この光ビームの一部を、界面入射前に分割し、この分割した光ビームを界面で反射した光ビームと干渉させて、該干渉の状態を測定する装置等種々のタイプがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
また、現在、多数の試料についての測定を高速に行うため、およびハンドリングの効率化のために、誘電体ブロック自体が、該誘電体ブロックの上面に開口を有する検体ウェルを1次元状もしくは2次元状に複数備えたセンサウェルユニットを構成するものが提案されており、該センサウェルユニットの複数の検体ウェルに対して並列的に複数の光ビームを入射させ、各ウェルの界面における反射光を個別に検出する測定装置も提案されている。
【0014】
以上説明したタイプの表面プラズモン共鳴測定装置や漏洩モードセンサーにおいて、一つの試料(同一検体ウェル)について時間をおいて複数回測定し、その状態の変化を調べる必要がある場合、複数の試料について効率的な測定を行うために、1回目の測定が終了したセンサウェルユニットを取外し、別のセンサウェルユニットについての測定を行い、もう一度同じセンサウェルユニットを設置して測定を行うという動作を繰り返すことがある。この場合、一つのセンサウェルユニットについて測定装置から一旦取り外した後、再度セッティングを行って測定を行うと、最初のベースライン(前記界面)と後のベースラインとの間に差(傾き)が生じるという欠点がある。ベースラインの傾きが、前述の種々の入射角度で入射させる光ビームの該入射角を変化させる縦方向の傾きであると、検出している反射光の角度にもずれが生じることとなり測定精度が低下してしまう。
【0015】
また、反射光の角度にずれを生じる、すなわち光ビームの入射角度を変化させる縦方向の傾きのみならず、該縦方向と交わる横方向への界面の傾きが生じると、反射光の反射方向が変化するために反射光が光検出手段の受光面に受光されない場合が生じるという問題があり、界面の縦横方向のいずれの傾きも測定精度の低下につながる。
【0016】
本発明は上記の事情に鑑みて、センサウェルユニットの傾きによる測定精度の低下を防止した、測定精度の高い測定装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の測定装置は、
誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射減衰を利用した測定装置において、
所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】
上記測定装置は、前記薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0019】
本発明の第2の測定装置は、
誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射光を利用した測定装置において、
所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および前記光検出手段を調整する縦方向調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第3の測定装置は、
誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射減衰を利用した測定装置において、
所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
前記縦横傾き測定手段により測定された前記横方向の傾きに応じて、該傾きに起因する前記光ビームによる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する横方向調整手段と、
前記縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第4の測定装置は、
誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射光を利用した測定装置において、
所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
該縦横傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きおよび横方向の傾きに応じて、前記縦方向に傾きによる誤差および横方向の傾きに起因する前記光ビームによる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦横方向調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
本発明の各測定装置は、前記薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0023】
また、上記各測定装置は、前記薄膜層を、誘電体ブロックの前記上面に形成されたクラッド層と該クラッド層上に形成された光導波層からなるものとし、該光導波層における導波モードの励起による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0024】
なお、上記第2および第4の測定装置において、「全反射光の状態の変化」を検出するとは、第1および第3の測定装置と同様に、界面に対して種々の入射角度で入射させた光ビームの該界面での反射光を検出して、全反射減衰の状態の変化を検出するものであってもよいし、また、D.V.Noort,K.johansen,C.−F.Mandenius, Porous Gold in Surface Plasmon Resonance Measurement, EUROSENSORS XIII, 1999, pp.585−588 に記載されているように、複数の波長の光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させ、各波長毎に前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、各波長毎の全反射減衰の程度を検出するものであってもよい。さらに、P.I.Nikitin,A.N.Grigorenko,A.A.Beloglazov,M.V.Valeiko,A.I.Savchuk,O.A.Savchuk, Surface Plasmon Resonance Interferometry for Micro−Array Biosensing, EUROSENSORS XIII, 1999, pp.235−238 に記載されているように、光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させるとともに、この光ビームの一部を、この光ビームが前記界面に入射する前に分割し、この分割した光ビームを、前記界面で全反射した光ビームと干渉させて、その干渉後の光ビームの強度の変化を検出するものであってもよい。
【0025】
「所定の基準位置」とは、ある基準となる界面位置であり、所定の一回(例えば初回)の測定時における界面位置であってもよいし、複数回の測定時の界面の平均位置からの傾きからであってもよい。また、装置毎に予め定められた界面位置であってもよい。なお、実際に基準とするものは界面自体の位置のみならず、該界面の傾きに応じて傾く箇所であればよく、例えばセンサウェルユニットの一部である底面、側面などが挙げられる。
【0026】
前記縦傾き測定手段が測定する「縦方向の傾き」および縦横傾き測定手段が測定する「縦方向の傾きおよび横方向の傾き」は、それぞれ傾きの角度そのものであってもよいし、傾きに対応する特性値であってもよい。
【0027】
「前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調節する」とは、センサウェルユニットの傾きを補正する、光ビーム入射手段による光ビームの入射角度を変化させる、光検出手段を移動させる等のうち、少なくとも一つを実施するものであり、任意の二つ、あるいは全てを組み合わせて実施してもよい。
【0028】
本発明の第1または第2の測定装置において、前記光ビーム入射手段および前記光検出手段が、前記界面に対して種々の入射角度で光ビームを入射させ、該界面に所定の入射角度で入射される際に発生する全反射減衰の状態を測定するように構成されたものであり、前記光ビームが、前記界面に種々の角度で入射する成分を含み、該界面に対する入射角度の変化方向に所定の光量分布を有する1本の光ビームである場合、前記縦傾き測定手段を、該光ビームの少なくとも一部の前記センサウェルユニットの一部による反射を利用して前記縦方向の傾きを測定するものとすることができる。
【0029】
さらに詳細には、縦傾き測定手段を、前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分を利用して前記縦方向の傾きを測定するものとしてもよい。この場合、前記光検出手段で受光した前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分のうち前記入射角度の変化に伴い大きく光量の変化が生じる部分の、反射光強度と検出位置との関係から前記縦方向の傾きを測定するものとしてもよいし、前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分の一部を暗線として前記界面に入射せしめ、前記光検出手段により前記光ビームの反射光の成分の中に含まれる暗線の位置を検出することにより前記縦方向の傾きを測定するものとしてもよい。
【0030】
また、一方、前記縦傾き測定手段が、前記センサウェルユニットの一部で反射した光ビームの少なくとも一部を収束させる収束レンズと、該収束レンズにより収束された光ビームを受光して該光ビームの位置を検出する第2の光検出手段とを備えるものであってもよい。すなわち、光ビームの反射光を収束レンズにより収束させ、該収束位置の変化を検出することにより界面の縦方向の傾きを検出するようにしてもよい。
【0031】
なお、収束レンズを光ビームの光路上と光路外との位置で移動可能としておけば、前記光検出手段が第2の光検出手段を兼ねるものとすることもできる。この場合、収束レンズを光路上に配した状態で傾き測定を行い、収束レンズを光路外の位置に移動させた状態で全反射減衰の状態測定を行えばよい。
【0032】
また、前記光ビームが、複数の偏光成分を含むものである場合、前記第2の光検出手段が、前記光ビームの前記所定の偏光成分以外の成分を受光して該光ビームを検出するようにしてもよい。
【0033】
また、収束レンズを備えた測定装置においては、さらに、前記縦傾き測定手段が、前記収束レンズと前記第2の光検出手段との間にさらに第2のレンズを備え、前記収束レンズおよび前記第2のレンズの焦点距離をそれぞれf1、f2、前記光ビームの反射位置と前記光検出手段との距離をL、前記反射位置と前記収束レンズとの距離をd0、前記収束レンズと前記第2のレンズとの距離をd1、前記第2のレンズと前記第2の光検出手段間の距離をd2、前記界面の鉛直方向の移動量に基づく反射位置のシフト量をx、前記界面の縦方向の傾きをθとしたとき、Ltanθ+xで表される全反射減衰角の移動距離量Aと、θ{d1+d2−d1d2/f2−d0(d1/f1+d0/f1−d1d2/f1/f2−1+d2/f2}‐x(d1/f1+d2/f1−d1d2/f1/f2−1+d2/f2)で表される前記第2の光検出手段における前記光ビームのスポット移動量Bとの関係が、A=BまたはA=−Bとなるように、L、d0、d1、d2、f1、f2を選択して、前記収束レンズ、前記第2のレンズおよび前記第2の光検出手段を配置してもよい。このように、第2の光検出手段に至る光路上に2つのレンズを所定の間隔で配置することにより、界面の縦方向の傾きのみならず、界面の上下方向のシフト量をも検出可能となる。
【0034】
例えば、前記距離L、d0、d1、d2および前記焦点距離f1、f2の関係が、d1=f1、d2=f2、d0=f1+Lとなるように前記収束レンズ、前記第2のレンズおよび前記第2の光検出手段を設置すればよい。
【0035】
また、本発明の第1または第2の測定装置において、前記縦傾き測定手段としては、前記光ビームとは異なる第2の光ビームを前記センサウェルユニットの一部に入射せしめる第2の光ビーム入射手段と、前記センサウェルユニットの一部で反射された前記第2の光ビームを受光して該第2の光ビームの位置を検出する第2の光検出手段とを備えてなるものとしてもよい。
【0036】
本発明の第3および第4の測定装置において、前記縦横傾き測定手段は、縦方向の傾きと横方向の傾きを測定する手段を別個に備えてもよいし、1つのものでもよい。別個に備える場合には、縦方向傾き手段としては前述の第1または第2の測定装置において備えられている縦方向傾き手段と同様のものを用いることができる。
【0037】
また、本発明の第3または第4の測定装置において、前記光ビーム入射手段および前記光検出手段が、前記界面に対して種々の入射角度で光ビームを入射させ、該界面に所定の入射角度で入射される際に発生する全反射減衰の状態を測定するように構成されたものであり、前記光ビームが、前記界面に種々の角度で入射する成分を含み、該界面に対する入射角度の変化方向に所定の光量分布を有する1本の光ビームである場合、前記縦横傾き測定手段を、前記センサウェルユニットの一部で反射した前記光ビームの少なくとも一部を収束させる収束レンズと、該収束レンズにより収束された光ビームを受光して該光ビームの位置を検出する二次元光検出手段とからなるものとすることができる。
【0038】
さらに、本発明の第3または第4の測定装置において、前記縦横傾き測定手段を、前記光ビームとは異なる第2の光ビームを前記センサウェルユニットの一部に入射せしめる第2の光ビーム入射手段と、前記センサウェルユニットの一部で反射された前記第2の光ビームを受光して該第2の光ビームの位置を検出する二次元光検出手段とを備えてなるものとしてもよい。
【0039】
二次元光検出手段としては、具体的には4分割フォトダイオード、抵抗型光検出器等を用いることができる
上述の各測定装置において、前記縦傾き測定手段もしくは前記縦横傾き測定手段において、第2の光ビーム入射手段を備える場合には、該第2の光ビームとしては、前記光ビームとは異なる波長を有するものとしてもよいし、前記光ビームが、所定の偏光成分の直線偏光である場合には、前記第2の光ビームを、前記光ビームとは異なる偏光成分の直線偏光としてもよい。
【0040】
また、前記センサウェルユニットの一部とは、前記界面であってもよいし、該界面以外の部分であって、該界面の縦方向および横方向の傾きに対応して傾く前記センサウェルユニットの所定の面であってもよい。該所定の面とは、前記誘電体ブロックの側面、底面等の一面であってもよい。
【0041】
各測定装置において、縦傾き測定手段もしくは縦横傾き測定手段は、センサウェルユニットに1つ備えればよいが、各検体ウェル毎に備えてもよい。
【0042】
なお、縦方向の傾きおよび縦横方向の傾き測定手段による傾き測定の測定値には界面の上下方向へのシフト量を含む場合もあるが、さらに、上下方向の位置変動を検出する上下方向位置検出手段と該上下方向位置を調整する上下方向位置調整手段を設けてもよい。
【0043】
上下方向位置調整手段は、たとえば、縦横傾き調整手段が該上下方向位置調整の機能を備えればよく、例えば、センサウェルユニットを支持する支持台を縦横傾きφ、θおよび上下位置z軸に可動なステージと該ステージを駆動する駆動手段とにより構成することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の第1の測定装置によれば、所定の基準位置からの、界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段により測定された縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段を備えているので、同一検体ウェル(すなわち同一試料)について複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する際等に、各測定時における界面が互いに縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0045】
本発明の第2の測定装置によれば、所定の基準位置からの、界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段により測定された縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦方向調整手段を備えているので、同一検体ウェルについて測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射光の状態の変化を検出する際に、各測定時における界面が互いに縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0046】
また、本発明の第3の測定装置によれば、所定の基準位置からの、界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向および横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段により測定された縦方向および横方向の傾きに応じて、横方向の傾きに起因する光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する横方向調整手段と、縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えているので、同一検体ウェルについて測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する際に、各測定時における界面が互いに横方向に傾きを有することにより生じる測定用の光ビームの受光位置のずれを補正し、光検出手段に光ビームが受光されない等の不具合を防止するとともに、各測定時における縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0047】
また、本発明の第4の測定装置によれば、複数回の測定の各測定時における界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向および横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段により測定された縦方向および横方向の傾きに応じて、横方向の傾きに起因する前記光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれ、および縦方向の傾きによる誤差を補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦横方向調整手段を備えているので、同一検体ウェルについて測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射光の状態の変化を検出する際に、各測定時における界面が互いに横方向に傾きを有することにより生じる測定用の光ビームの受光位置のずれを補正し、光検出手段に光ビームが受光されない等の不具合を防止するとともに、各測定時における縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1と図2はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面形状、側面形状を示すものである。
【0049】
本実施の形態の測定装置においては、誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェル(液溜め)201が、該誘電体ブロックに2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層として金属膜12が形成されてなるセンサウェルユニットである測定用プレート200が備えられている。測定用プレート200は、例えば透明樹脂等で構成されており、金属膜12上には特定物質と結合するセンシング物質14が固定されてなる。また上記ウェル201底面の各々に下方に突出した光入出射部202が形成され、この光入出射部202と上記金属膜12との界面202aに測定用光ビームL1が入射されるようになっている。そして上記ウェル201は、図1に示されるように横方向(矢印P方向)、縦方向(矢印Q方向)にそれぞれ複数並べて形成されている。そして上記ウェル201は、図1に示されるように横方向(矢印P方向)、縦方向(矢印Q方向)にそれぞれ複数並べて形成されている。
【0050】
さらに、本表面プラズモン共鳴測定装置は光ビームL1を出射するレーザ光源2と、該光源10から出射された光ビームL1をプレート200の矢印P方向に並んだ複数(本例では5個)のウェル201の底面に、並列的に入射させる光ビーム入射手段1と、各ウェル201の界面202aで反射した光ビームL1をそれぞれ受光する矢印P方向のウェル数と同数の5個の光検出手段17A〜Eと、プレート200を移動させるための測定ユニット送り手段とを備えてなる。
【0051】
測定ユニット送り手段は、測定ユニット送り台210、レール211および駆動手段212により構成されている。上記プレート200は、測定ユニット送り台210の上の所定位置にセットされる。この測定ユニット送り台210は、矢印P方向に延びる状態に配設された1対のレール211、211上に載置され、搭載している駆動手段212により、これらのレール211、211に沿って移動可能とされている。
【0052】
光ビーム入射手段1は、レーザ光源2から発散光状態で発せられた光ビームL1を平行光とするコリメータレンズ3、光ビームL1を分岐するハーフミラー4a〜dおよびミラー4e、分岐された光ビームL1を図2で示される面内のみで径を拡大するシリンドリカルビームエキスパンダ5a〜e、光ビームL1を反射するミラー6a〜e、該ミラー6a〜eで反射された光ビームL1を、図2に示される面内のみで集光するシリンドリカルレンズ7a〜eとを備えてなる。
【0053】
光検出手段17A〜Eの各々は、多数の受光素子が1列に配されてなるフォトダイオードアレイから構成されており、受光素子の並び方向が図2中の矢印X方向となるように配されている。
【0054】
1つのレーザ光源2から発散光状態で発せられた光ビームL1はコリメーターレンズ3で平行光とされた後、ハーフミラー4a〜dとミラー4eとによって5本に分岐され、分岐された5本の光ビームL1が各々ウェル201の底面、つまり光入出射部202と金属膜12との界面202aに入射する。
【0055】
このとき、分岐された各光ビームL1は、それぞれシリンドリカルビームエキスパンダ5a〜eにより図2に示される面内のみで径が拡大され、それぞれミラー6a〜eで反射して進行方向を変えた後、それぞれシリンドリカルレンズ7a〜eにより図2に示される面内のみで集光される。それにより各光ビームL1は、それぞれ光入出射部202と金属膜12との界面202aに対して、種々の入射角成分を持った状態で入射する。なおレーザ光源2は、直線偏光である光ビームL1がp偏光状態で上記界面202aに入射するようになる向きに配設されている。その他、光ビームL1を界面202aに対してp偏光で入射させるには波長板で光ビームL1の偏光の向きを制御するようにしてもよい。
【0056】
光ビームL1は、上述のように集光されるので、界面202aに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なお、この入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そのため、界面202aで全反射した反射光ビームL1には、種々の反射角で全反射された成分が含まれることになる。なお、上記光ビーム入射手段1は、光ビームL1を界面上に点状に集光させずにデフォーカス状態で入射させるように構成してもよい。そのようにすれば、界面上のより広い領域において光ビームL1が全反射されるので、全反射減衰の状態の検出誤差が平均化されて全反射解消角の測定精度を高めることができる。
【0057】
界面202aで全反射した光ビームL1は光検出手段17A〜Eにより検出される。本例における各光検出手段17A〜Eは、それぞれ複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に並設されてなるフォトダイオードアレイであり、図1の図示面内において、平行光化された光ビームL1の進行方向に対してフォトダイオード並設方向がほぼ直角となる向きに配設されている。したがって、上記界面202aにおいて種々の反射角で全反射した光ビームL1の各成分を、それぞれ異なるフォトダイオード17a、17b、17c……が受光することになる。
【0058】
本実施の形態においては、以上のようにして、5つのウェル201に貯えられている試料15に関する測定を相並行して行なうことができる。そして、これらの測定が終了したならば、一旦レーザ光源2の駆動が停止され、次に駆動手段212が作動して測定ユニット送り台210が(つまりプレート200が)図1、図2中の矢印Q方向に、ウェル201の配置ピッチ分だけ送られる。その状態になるとレーザ光源2が再度駆動され、それにより、新たな5つの試料15に関する測定がなされる。このようにして本実施の形態においては、多数の試料に関する測定を極めて能率良く、短時間内に行なうことが可能となっている。
【0059】
なお本実施の形態では、光源としてレーザ光源2を1つだけ用いているが、例えば光源を2個設け、1つの光源からの光ビームを2本に分岐し、別の光源からの光ビームを3本に分岐して、合計で5本の光ビームを得るようにしても構わない。
【0060】
なお、本測定装置は、さらに光検出手段17A〜Eはそれぞれ、図示しない差動アンプアレイおよびドライバを備えており、さらに、コンピュータシステム等からなる信号処理部20および該信号処理部に接続された表示手段21を備えている。
【0061】
図3は、この表面プラズモン共鳴測定装置の電気的構成を示すブロック図である。ここでは、1つの光検出手段17Aからの信号の処理について説明するが、他の光検出手段からの信号も同様に処理される。なお、以下において、光検出手段17A〜Eについては特に必要な場合を除き、単に光検出手段17と称する。図3に示す通り、差動アンプアレイ18は、光検出手段17に接続されており、ドライバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力されるマルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジタル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22c……とを駆動する駆動回路25、および信号処理部20からの指示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコントローラ26から構成されている。
【0062】
上記フォトダイオード17a、17b、17c……の各出力は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……に入力される。この際、互いに隣接する2つのフォトダイオードの出力が、共通の差動アンプに入力される。したがって各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が出力する光検出信号を、それらの並設方向に関して微分したものと考えることができる。
【0063】
各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、22c……により所定のタイミングでサンプルホールドされ、マルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23は、サンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、18c……の出力を、所定の順序に従ってA/D変換器24に入力する。A/D変換器24はこれらの出力をデジタル化して信号処理部20に入力する。
【0064】
図4は、界面202aで全反射した光ビームL1の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c……の出力との関係を説明するものである。ここで、光ビームL1の界面202aへの入射角θと上記光強度Iとの関係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとする。
【0065】
界面202aにある特定の入射角θSPで入射した光は、金属膜12と試料15との界面に表面プラズモンを励起させるので、この光については反射光強度Iが鋭く低下する。つまりθSPが全反射減衰角であり、この角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。この反射光強度Iの低下は、図2にDで示すように、反射光中の暗線として観察される。
【0066】
また図4の(2)は、フォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応している。
【0067】
そしてフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
【0068】
信号処理部20は、A/D変換器24から入力された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ18a、18b、18c……の中から、全反射減衰角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い出力が得られているもの(図4の例では差動アンプ18dとなる)を選択し、それが出力する微分値I’を表示手段21に表示させる。なお、場合によっては微分値I’=0を出力している差動アンプが存在することもあり、そのときは当然その差動アンプが選択される。
【0069】
以後、所定時間が経過する毎に上記選択された差動アンプ18dが出力する微分値I’が表示手段21に表示される。この微分値I’は、ウェル201の金属膜12(図2参照)に接している物質の誘電率つまりは屈折率が変化して、図4(1)に示す曲線が左右方向に移動する形で変化すると、それに応じて上下する。したがって、この微分値I’を時間の経過とともに測定し続けることにより、金属膜12に接している物質の屈折率変化、つまりは特性の変化を調べることができる。
【0070】
特に本実施形態では金属膜12に、試料液15の中の特定物質と結合するセンシング物質14を固定しており、それらの結合状態に応じてセンシング物質14の屈折率が変化するので、上記微分値I’を測定し続けることにより、この結合状態の変化の様子を調べることができる。つまりこの場合は、試料液15およびセンシング物質14の双方が、分析対象の試料となる。そのような特定物質とセンシング物質14との組合せとしては、例えば抗原と抗体等が挙げられる。
【0071】
なお、試料液15の中の特定物質とセンシング物質14との結合状態の変化の様子を時間経過とともに調べるためには、所定時間が経過する毎の微分値I’を求めて表示する他、最初に計測した微分値I’(0)と所定時間経過時に計測した微分値I’(t)との差ΔI’を求めて表示してもよい。
【0072】
さて、上述のように微分値I’の時間変化を測定する場合、同一検体ウェルについて一定時間経過毎に複数回測定を行うことになる。この時、複数の試料(複数の検体ウェル)について効率的に測定を行うために、測定ユニット送り手段によりセンサウェルユニットを送り、次の列についての測定を行い、一定時間後に再び最初の列が測定位置となるようにして各ウェルの測定を行う。また、さらに場合によっては、一旦プレートを外し、他の測定用プレートについての測定を行った後に、再度最初の測定用プレートについての測定を行う場合もある。
【0073】
測定用プレート200の移動もしくは再セッティングの際に、先の測定時の状態からずれが生じる場合があり、特に光ビームL1の界面202aへの入射角度を変化させる界面202aの縦方向の傾きが測定値に多大な影響を与えることとなる。
【0074】
そこで、図2に示すように、本実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置は、界面202aの縦方向傾き測定用の第2の光ビームL2を、測定用プレート200の一部で全反射するように入射させる第2の光ビーム入射手段32と、該第2の光ビーム入射手段32から出力され、光入出射部202の底面202aで反射された第2の光ビームL2を検出する第2の光検出手段37とからなる縦方向傾き測定手段を備えている。第2の光ビームL2は、界面202aの傾きに応じて傾く箇所であればよく、ここでは、測定用プレート200の1つの光入出射部202の底面202bに反射面を形成し、この底面202bに入射させる構成である。なお、第2の光ビームL2を界面202aへ入射する構成としてもよい。第2の光検出手段37は、具体的には光検出手段17と同様のフォトダイオードアレイ等のライン状の光検出器であり、具体的には、界面202aの縦方向の傾きによる光ビームL2の入射角度(すなわち反射角度)の変化に伴う光ビームL2の進行方向のずれを検出する方向(図中矢印K方向)にフォトダイオードが併設され、光ビームL2の受光位置のK方向へのずれ(すなわち反射角度の変化)を検出するものである。この第2の光検出手段37からの出力Sは信号処理部20に送られ、該信号処理部20において、プラズモン共鳴信号を検出する光検出手段17からの信号に、界面202aの傾きを補正するための補正信号を加算することにより界面202aの傾きによる誤差を補正した正確な測定値を得る。具体的には、第2の光検出手段37からの信号から求められた界面の角度の差分(傾き)をプラズモン共鳴信号について得られる測定値の角度に加算もしくは減算して補正する。すなわち、この信号処理部20が縦方向傾き補正演算手段を構成する。ここで用いる傾き測定用の第2の光ビームL2は、光ビームL1と偏光方向が異なるようにs偏光で界面に入射するように設定されている。なお、本実施形態においては、測定用プレート200に対して、すなわち複数のウェル201に対して1つの縦方向傾き測定手段を備えた構成である。
【0075】
試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段32により界面202aに入射された第2の光ビームL2が該底面202bで反射され、この反射光が第2の光検出手段37により検出される。2回目の測定時に、同様にして第2のビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からの矢印K方向のずれを求める。この検出位置のずれは界面202aの縦方向の傾きに対応するものである。このように、第2の光検出手段37により底面202bで反射された第2の光ビームL2を受光して、界面202aへの入射角度を変化させる該界面202aの縦方向の傾きに応じて変化する底面202bの傾きにより変化する反射光の検出位置を測定することにより界面202aの縦方向の傾きを測定する。この光ビームL2の検出位置の変動から得られる界面の縦方向の傾きに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定値を得る。3回目以降の測定においても同様に1回目の測定時からの界面の縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。これにより、界面202aの縦方向の傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0076】
なお、複数回の測定を行う際に各測定時の界面が互いに傾きを有することとなる原因としては、上述のような測定用プレートの移動もしくは再セッティングする場合のみならず、該支持台(測定用プレート移動手段)や、測定を行うための光源、光検出器等の配置を移動させた場合等が挙げられ、これらの場合に生ずる界面の縦方向の傾きについても上述の場合と同様に、界面の縦方向の傾きを測定して該傾きに応じて補正した測定値を得ることにより信頼性の高い測定を行うことができる。
【0077】
また、試料についての全反射減衰の状態を測定するに際してウェルへの試料液15の分注前に、ウェル201についての全反射減衰の状態を測定しておき、試料液15の分注後の測定値から各ウェル201におけるバルク効果を差し引くようにして、試料液15のみによる全反射減衰角の変化を測定する場合、試料液15の分注前後に界面202aの傾きが生じると測定値の信頼性が損なわれる。このような場合にも界面の縦方向の傾きを測定して該傾きに応じて補正した測定値を得るようにすれば信頼性の高い測定を行うことができる。
【0078】
次に、図5を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。以下においては、図1中の要素と同等の要素には同符合を付しており、それらについての説明は必要のない限り省略し、主として相違点のみ説明する。
【0079】
この第2実施形態の測定装置は、先に説明した漏洩モードセンサーであり、本例においても上記と同様の複数のウェル201を備えた測定用プレート200’を備えている。ただし、図5に示すようにウェル201の底面に金属膜にかえて、クラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層41が形成されてなる。それ以外の構成は上述の表面プラズモン共鳴測定装置と略同一である。
【0080】
測定用プレート200’は、例えば合成樹脂やBK7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラッド層40は、該プレート200’よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
【0081】
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、光源2から出射した光ビームL1を光入出射部202を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角で入射させると、該光ビームL1が光入出射部202とクラッド層40との界面202aで全反射するが、クラッド層40を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面202aで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
【0082】
光導波層41における導波光の波数は、該光導波層41の上の試料15の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料15の屈折率や、それに関連する試料15の特性を分析することができる。そして、上記特定入射角の近傍における反射光強度Iや、差動アンプアレイ18の各差動アンプが出力する微分値I’に基づいて試料15の特性を分析することもできる。
【0083】
また、この漏洩モードセンサーは、界面202aの縦傾き測定用の第2の光ビームL2を、上記光入出射部202の底面202bで全反射するように入射させる第2の光ビーム入射手段33と、該第2の光ビーム入射手段により底面202bに入射され、該底面202bで反射された第2の光ビームL2を検出する、上記と同様の光検出手段37とを備えている。この光検出手段37からの出力S は信号処理部20に送られ、該信号処理部20においてプラズモン共鳴信号を検出する光検出手段17からの信号に、界面202aの縦方向の傾きを補正するための補正信号を加算することにより正確な測定値を得る。すなわち、この信号処理部20が縦傾き演算補正手段を構成する。ここで用いる傾き測定用の第2の光ビームL2は、全反射減衰測定用の光ビームL1と異なる波長を有するものである。
【0084】
試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段33により入射された第2の光ビームL2が底面202bで反射され、この反射光が光検出手段37により検出される。次いで、2回目の測定時に、同様にして第2の光ビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からの矢印K方向のずれを求める。この検出位置のずれは界面202aの縦方向の傾きに対応するものである。この得られた傾きに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定値を得る。これにより、界面202aの縦方向の傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0085】
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。図6と図7はそれぞれ、本発明の第3の実施の形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面形状、側面形状を示すものである。
【0086】
本実施形態は、光ビーム入射手段101および光検出手段の構成、さらには縦方向傾き補正方法が第1の実施の形態と異なる。
【0087】
光ビーム入射手段101は、レーザ光源2から発散光状態で発せられた光ビームL1を図6に示される面内のみで径を拡大し扁平化するシリンドリカルビームエキスパンダ50、扁平化された光ビームL1を図7で示される面内のみで径を拡大するシリンドリカルビームエキスパンダ51、光ビームL1を反射するミラー52、該ミラー52で反射された光ビームL1を、図7に示される面内のみで集光させるシリンドリカルレンズ53を備えてなる。
【0088】
光検出手段としては、2次元の光検出面を有する例えばCCD素子からなる光検出器55を備えており、この光検出器55の前側には、図8に正面形状を示すように5つの光通過開口54a、54b、54c、54dおよび54eを有するマスク54が配設されている。
【0089】
プレート200において矢印P方向に並んだ複数(本例では5個)のウェル201の底面には、扁平化された1本の光ビームL1Fが同時に入射する。すなわち、1つのレーザ光源2から発散光状態で発せられた光ビームL1はシリンドリカルビームエキスパンダ50により図6に示される面内のみで径が拡大され、上記5個のウェル201の底面に同時入射可能なサイズまで扁平化される。
【0090】
そしてこの扁平化された光ビームL1は、次にシリンドリカルビームエキスパンダ51により図7に示される面内のみで径が拡大され、大きなミラー52で反射して進行方向を変えた後、シリンドリカルレンズ53により図7に示される面内のみで集光される。それにより光ビームL1は、5個のウェル201の中の金属膜12と光入出射部202との界面202aに対して、種々の入射角成分を持った状態で入射する。なおレーザ光源2は、直線偏光である光ビームL1がp偏光状態で上記界面に入射するようになる向きに配設されている。
【0091】
上記界面で全反射した光ビームL1のうち、5個のウェル201における上記界面で反射した成分が、互いに別の光通過開口54a、54b、54c、54dおよび54eを通過して、光検出器55の光検出面の互いに異なる5つの固有領域で検出されるようになる。それら5つの固有領域の出力は、各々独立して第1の実施の形態におけるのと同様に処理され、試料15中の特定物質が定量分析される。
【0092】
本実施の形態においても、以上のようにして、5つのウェル201に貯えられている試料15に関する測定を相並行して行なうことができる。またその測定が終了したならば第1実施の形態と同様にしてプレート200がウェル201の配置ピッチ分だけ送られ、新たな5つの試料15に関する測定がなされる。このようにして本実施の形態においても、多数の試料に関する測定を極めて能率良く、短時間内に行なうことが可能となっている。
【0093】
なお本実施の形態では、光源としてレーザ光源220を1つだけ用いているが、例えば光源を2個設け、1つの光源からの光ビームを2つのウェル201の底面に入射し得る幅まで扁平化し、別の光源からの光ビームを3つのウェル201の底面に入射し得る幅まで扁平化するようにしても構わない。
【0094】
また、本実施形態の測定装置が備えている縦方向傾き測定手段は、第1の実施形態のものと同様の構成であり、第2の光ビームL2を、測定用プレート200の一部で全反射するように入射させる第2の光ビーム入射手段32と、該第2の光ビーム入射手段32から出力され、底面202bで反射された第2の光ビームL2を検出する第2の光検出手段37を備えている。ただし、界面202aの傾き測定後の傾き補償のための手段が異なるものである。
【0095】
本表面プラズモン共鳴測定装置は、第2の光検出手段37の測定値から得られた界面202aの縦方向の傾きを補償するため、全反射減衰角を検出する第1の光検出手段55およびマスク54を図中矢印xの方向に移動させて調整する位置調整手段を備えてなるものである。すなわち、縦方向調整手段である位置調整手段は、矢印x方向に可動とされた光検出手段55およびマスク54と、該光検出手段55およびマスク54を調整するために移動させる駆動手段35とからなり、該駆動手段35は、信号処理部20からの指示により光検出手段55およびマスク54を移動調節する。すなわち、本実施形態においては、演算による測定値の補正を行うのではなく、光検出手段17を移動させて界面の縦方向の傾きによる誤差を補正するように調整するものである。
【0096】
このように、本実施の形態の装置によれば、縦傾き測定手段により検出された縦方向の傾きに応じて光検出手段を移動させる縦方向調整手段を備え、物理的な位置調整を行うことにより界面の縦方向の傾きを補償した測定結果を得ることができる。
【0097】
また、図9に第4の実施形態として示す表面プラズモン共鳴測定装置においては、光検出手段側の位置調整ではなく、光ビームの入射手段101による入射角度を調整する入射角調整手段を縦方向調整手段として備えてなるものである。入射角調整手段は、光源2からの光ビームL1を反射させる面を有すると共に、該反射面が光ビームL1の入射角を変化させる方向に回転可能とされたミラー36と、該ミラー36を回転駆動させる駆動手段38とからなり、該駆動手段38は、信号処理部20からの指示によりミラー36を回転させて反射角度を調整する。すなわち、各測定時における、界面202aに対する光ビームL1の入射角度を調整することにより、該界面202aで反射した光ビームL1が常に略同一の方向に反射するように調整するものである
このように、傾き測定手段により得られた界面の縦方向の傾きに応じて、光ビームを傾けることにより、界面202aに対する入射角度を一定とすることができるため、界面の縦方向の傾きを補償した測定結果を得ることができる。
【0098】
なお、上記のように、光検出手段、あるいは光ビーム入射手段による入射角度を調整するほか、測定用プレート200自体を傾ける等して界面の縦方向の傾きを補正するように調整してもよい。また、さらには、光検出手段、光ビーム入射手段、測定用プレート200のすべてもしくは任意の2つの位置等を調整することにより、全体として界面の縦方向の傾きを補償した測定値を得るようにしてもよい。
【0099】
次に、図10および図11を参照して本発明の第5の実施形態について説明する。
【0100】
本実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置においては、表面プラズモン共鳴の測定系の構成は前述の第1の表面プラズモン共鳴測定装置と同一であるが、界面の縦傾き測定手段が異なる。以下に本実施形態における縦傾き測定手段について説明する。
【0101】
一般に、表面プラズモン共鳴測定装置においては、光ビームとして、図11に一部点線で示すようにその光量分布がガウシアン分布となっているものが用いられている。通常全反射減衰角θSPがピーク強度近傍となるように設定されており、上述のように、この全反射減衰角θSPの時間変化を観察する。したがって、ガウシアン分布の両端の部分は測定にはほとんど寄与しない部分である。そこで、本実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置においてはこの測定範囲外の成分を利用して界面202aの縦方向の傾きを求める。通常、このガウシアン分布の測定範囲外の領域は光強度と入射角度(反射角度)との関係が変化しない部分であり、両者の関係の変化は界面の角度の差(傾き)によってのみ生じるものと考えられる。従って、本実施形態においては図11中点線円で囲む箇所のように、光量分布が急峻になっている箇所の光量を観測し、この光量の変化により界面の縦方向の傾きを求める。具体的には入射角度θa の部分の光強度を光検出手段17により検出する、すなわち、光検出手段17の所定のフォトダイオードからの出力の変化を検出することにより界面202aの縦方向の傾きを求める。このようにして求められた傾きに基づいて、上述の実施形態と同様に信号処理部20において縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。なお、各光検出手段17A〜Eでそれぞれ縦方向の傾きを求め補正した測定置を得るようにしてもよいし、1ヶ所で代表して傾きを求め、その傾きを利用して各光検出手段からの信号に補正を施すようにしてもよい。
【0102】
次に、図12および図13を参照して本発明の第6の実施形態について説明する。
【0103】
この第6の実施形態の測定装置は、上述の第5の実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置とほぼ同一の構成であるが、光ビームL1の入射手段側の光路上に遮蔽物60を配置して、光ビームL1の一部を暗線61として界面202aに入射させ、光ビームL1の反射光に含まれる暗線61を検出することにより、界面57の縦方向の傾きを検出するものである点で異なる。
【0104】
上記第5の実施形態と同様に光ビームL1として、図13に一部点線で示すようにその光量分布がガウシアン分布となっているものを用い、ガウシアン分布の端の、全反射減衰の測定にはとんど寄与しない部分を利用して界面202aの縦方向の傾きを求める。上述のように、光ビームL1の一部を暗線61として界面202aに入射せしめ、光検出手段17によりその暗線61を検出する。界面202aの縦方向の傾きが変化しない限り、光検出手段17上で検出される暗線61の位置は変動しないため、この暗線位置のずれが界面202aの縦方向の傾きに対応する。例えば、1回目の測定時に暗線61がθbに対応するフォトダイオードで検出され、その後、界面202aの角度が変化すると2回目の測定時には暗線61は異なるフォトダイオードで検出されることとなる。従って、いずれのフォトダイオードにより暗線61が検出されたかにより界面202aの縦方向の傾きが求められ、このようにして求められた傾きに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定値を得る。
【0105】
次に、図14から図16を参照して本発明の第7の実施形態について説明する。図14および図15はそれぞれ第7の実施形態の測定装置の平面図、側面図である。
【0106】
この第7の実施形態の測定装置は、上述の第5の実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置とほぼ同一の構成であるが、光ビームL1の光路上に光ビームを分岐させ、光ビームL1の一部を界面に対して所定の入射角度で第2の光ビームL2として入射させるための、ハーフミラー8a〜e、ミラー9a〜eおよびミラー10a〜eを備え、さらに、光ビーム入射手段1におけるミラー6a〜eに代えてPBS16a〜eを備えてなる。この光ビーム入射手段1’により、光ビームL1を種々の入射角度を含む状態で界面202aに入射させると共に、第2の光ビームL2を所定の入射角度で界面202aに入射させ、光ビームL1および光ビームL2の反射光が重なる光量突出部を検出することにより、界面202aの縦方向の傾きを検出するものである。
【0107】
上記第5の実施形態と同様に光ビームL1として、図16に一部点線で示すようにその光量分布がガウシアン分布となっているものを用い、ガウシアン分布の端の、全反射減衰の測定にはとんど寄与しない部分と重なるように、第2の光ビームL2を界面202aに対して入射せしめ、光検出手段17により光ビームL1と光ビームL2が重なった光量突出部を検出する。界面202aの縦方向の傾きが変化しない限り、光検出手段17上で検出される突出部の位置は変動しないため、この突出部位置のずれが界面202aの縦方向の傾きに対応する。例えば、1回目の測定時に突出部がθcに対応するフォトダイオードで検出され、その後、界面202aの角度が変化すると2回目の測定時には突出部は異なるフォトダイオードで検出されることとなる。従って、いずれのフォトダイオードにより突出部が検出されたかにより界面202aの縦方向の傾きが求められ、このようにして求められた傾きに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定値を得る。
【0108】
次に、図17を参照して本発明の第8の実施形態について説明する。
【0109】
本実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置は、第7の実施形態の測定装置と略同一の構成であるが、光ビーム入射手段1’のうち分岐させた第2の光ビームL2の光路上にλ/2板11a〜eを備え、さらに、検出手段側の反射光光路上にPBS12a〜eを備え、第2の光ビームL2のみを受光する第2の光検出手段13a〜eを備えた点で異なる。
【0110】
λ/2板11a〜eにより、小径の第2の光ビームL2を、界面202aに対してs偏光で入射する光とし、該界面202aで反射した第2の光ビームL2をPBSで第2の光検出手段13a〜eに入射させる。第2の光検出手段13a〜eは、ラインセンサであり、このラインセンサ上の、第2の光ビームL2の矢印Q方向における受光位置は界面の縦方向の傾きに応じて変化するので、これを測定することにより界面の縦方向の傾きを得ることができ、これに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定置を得る。
【0111】
次に、図18および図19を参照して本発明の第9の実施形態について説明する。図18および図19はそれぞれ第9の実施形態の測定装置の平面図、側面図である。
【0112】
この第9の実施形態の測定装置の光ビーム入射手段101’は、上述の第3の実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置の光ビーム入射手段101とほぼ同一の光ビーム入射手段101’であるが、本光ビーム入射手段101’は、光ビームL1の光路上に光ビームを分岐させ、光ビームL1の一部を界面に対してs偏光状態で所定の入射角度で第2の光ビームL2として入射させるための、ハーフミラー154、ミラー155、λ/2板156、ミラー157を備え、光ビーム入射手段101におけるミラー52およびシリンドリカルレンズ53に代えてPBS152およびシリンドリカルレンズ153a〜eを備えてなる。さらに、光検出手段側の反射光光路上にはPBS158を備え、第2の光ビームL2を検出するための第2の光検出手段159を備えてなる。光ビーム入射手段101’により、光ビームL1を種々の入射角度を含む状態で界面202aに入射させると共に、第2の光ビームL2を所定の入射角度でs偏光状態で界面202aに入射させ、該界面202aで反射した第2の光ビームL2をPBS158により第2の光検出手段159側に反射させ、該第2の光検出手段159で第2の光ビームL2を検出する。
【0113】
第2の光検出手段159は例えば、CCDセンサであり、このCCDセンサ上の、第2の光ビームL2の矢印Q方向における受光位置は界面の縦方向の傾きに応じて変化するので、これを測定することにより界面の縦方向の傾きを得ることができ、これに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定置を得る。
【0114】
以下、図20から図25を参照して他の測定装置の実施形態を説明するが、各測定装置においては、前述した各実施形態と全反射減衰の測定に係る部分は略同一であり、縦傾き測定手段の形態が異なるものであるため、主として傾き測定手段について説明し、全反射減衰の測定に係る部分については変更箇所についてのみ言及する。
【0115】
図20を参照して本発明の第10の実施形態について説明する。
【0116】
この第10の実施形態の測定装置の縦傾き測定手段は、光ビームL1の反射光の光検出手段17に至る光路上と該光路外の位置とで移動可能とされた収束レンズ66と、光検出手段17とにより構成されている。本測定装置においては、収束レンズ66を光路上に配した状態で界面202aの縦方向の傾き測定を行い、収束レンズ66を光路外に配した状態で全反射減衰の状態の測定を行う。すなわち本実施形態においては、光ビームL1の反射光を収束レンズ66により光検出手段17上で収束させ、光検出手段17上における収束ビームの矢印x方向における検出位置の変化を測定することにより界面202aの縦方向の傾きを測定する。
【0117】
本実施形態の場合、光ビームL1はp偏光として界面202aに入射させ、この表面プラズモン共鳴により生じた暗線の状態を測定するが、光ビームL1として複数の偏光成分を含む光を利用した場合、該表面プラズモン共鳴の状態を検知するために光検出手段17においてp偏光成分のみを検出できるようにする必要がある。そこで、光ビームL1がp偏光以外の偏光成分を含むものである場合には
、図21に第11の実施形態の測定装置の側面図として示すように、光検出手段17の光ビーム入射側に検光子68を配し、p偏光成分のみを透過させるようにすればよい。なお、傾き測定時には、検光子68を回転させて、p偏光成分と直交するs偏光成分の収束光の位置を検出するようにしてもよい。
【0118】
次に、図22を参照して本発明の第12の実施形態について説明する。
【0119】
この第12の実施形態の測定装置の縦傾き測定手段は、光ビームL1の反射光の光検出手段17に至る光路上に配されたハーフミラー70と該ハーフミラー70により分離された光ビームの一部を収束する収束レンズ71と、該収束レンズ71により収束された光ビームを検出する第2の光検出手段72とからなる。ハーフミラー70により光ビームL1の反射光を分割し、一部を全反射減衰の測定に用い、一部を界面202aの縦方向の傾き測定用に用いている。ハーフミラー70で一部反射された光ビームL1が収束レンズ71により第2の光検出手段72上に収束され、この光検出手段72上における光ビームの矢印Q方向の検出位置の変化により界面202aの縦方向の傾きを検出するものである。なお、ハーフミラー70の代りに、光路上と光路外の位置とで移動可能なミラーを備えるようにしてもよい。この場合、ミラーを光路上に配し、光ビームを該ミラーで第2の光検出手段側へ反射させるようにして傾きを測定し、ミラーを光路外の位置へ移動させたて光ビームを光検出手段17へ直進させて全反射減衰を測定するようにすればよい。
【0120】
本実施形態の場合、光ビームL1はp偏光として界面202aに入射させ、この表面プラズモン共鳴により生じた暗線の状態を測定するが、光ビームL1として複数の偏光成分を含む光を利用した場合、図23に第13の実施形態の測定装置側面図として示すように、光検出手段17の光ビーム入射側に検光子68を配し、p偏光成分のみを透過させるようにすればよい。
【0121】
次に、図24および図25を参照して本発明の第14の実施形態について説明する。
【0122】
第14の実施形態の測定装置の傾き測定手段は、図22に示した第12の実施形態において、縦傾き測定用の第2の光検出手段72に至る光路上にさらに第2のレンズ75を設けてなるものである。本測定装置は、レンズを2枚組み合わせることにより、界面202aの縦方向の傾きのみならず、界面202aの上下方向のシフト量に対応する特性値を得ることができるため、より高精度な全反射減衰の状態を測定することができる。
【0123】
界面の縦方向の傾きとシフトを検出する仕組みについて図25を参照に簡単に説明する。図25(a)はシフト量を検出する仕組み、同図(b)は傾きを検出する仕組みを模式的に示したものである。
【0124】
収束レンズ71および第2のレンズ75の焦点距離をそれぞれf1、f2、光ビームの反射位置と光検出手段17との距離をL(図24参照)、光ビーム反射位置と収束レンズ71との距離をd0、収束レンズ71と第2のレンズ75との距離をd1、第2のレンズ75と第2の光検出手段72間の距離をd2、界面202aの鉛直方向の移動量zに基づく反射位置のシフト量をx、界面202aの傾きをθとする。なお、図24においてはハーフミラー70により光路が変更されているが、図25においては、模式的に光路を直線とした。
【0125】
光ビームL1が入射される界面の縦方向の傾きがθ、シフト量xであるとき、この界面の変動による全反射減衰角の移動距離Aは、Ltanθ+xで表される。
【0126】
一方、図25(a)に示すように、実線で示した測定用プレート200が点線で示した測定用プレート位置に距離zシフトした場合、光ビーム入射位置のシフト量xは、二つのレンズの作用により、第2の光検出手段72上の光ビーム検出位置において所定のシフト量αとして現れる。また、図25(b)に示すように、実線で示した測定用プレート200が点線で示したプレートのようにθ傾いた場合、第2の光検出手段72上の光ビーム検出位置は、所定のシフト量β変化する。
【0127】
この界面202aの傾きおよび上下方向のシフトによる第2の光検出手段72上の光ビームのスポット移動量Bは、θ{d1+d2−d1d2/f2−d0(d1/f1+d0/f1−d1d2/f1/f2−1+d2/f2}−x(d1/f1+d2/f1−d1d2/f1/f2−1+d2/f2)で表される。
【0128】
したがって、光検出手段17上における全反射減衰角の移動距離Aと第2の光検出手段72上の光ビームのスポット移動量Bとの関係がA=BまたはA=−Bとなるように、L、d0、d1、d2、f1、f2を選択して、収束レンズ71、第2のレンズ75および第2の光検出手段72を配置しておけば、界面の変動による全反射減衰角の移動距離が第2の光検出手段72上のスポット移動量として現れる。上記A=BもしくはA=−Bを満たすためには、具体的には、距離L、d0、d1、d2および前記焦点距離f1、f2が、d1=f1、d2=f2、d0=f1+Lとなるように収束レンズ71、第2のレンズ75および第2の光検出手段72を設置すればよい。
【0129】
本実施形態のように、二つのレンズを利用して界面202aの縦方向の傾きと上下方向のシフト量を得るようにすれば、この界面の変動量による誤差を補正した測定値を得ることができるため、さらに精度よい全反射減衰の状態測定を行うことができる。
【0130】
なお、第5の実施形態から第14の実施形態において、第2の光ビーム入射手段は、いずれも全反射減衰測定用の光ビームL1を生成する光源2から出射された光の一部を用いることとしたが、別個に光源を設けてもよい。
【0131】
なお、第5の実施形態から第14の実施形態においては、界面の縦方向の傾きによる誤差を補償する方法として傾きに応じた補正を施した測定値を得ることとしたが、第3、第4の実施形態と同様に光ビーム入射手段、光検出手段および/またはセンサウェルユニットの位置調整を行うようにしてもよい。
【0132】
また、傾きに応じた補正を施した測定値を得る演算手段を備えた各実施の形態においては、初回の測定時の界面位置を基準とし、それ以降の各側定時にはその界面からの縦方向の傾きを求めて該傾きによる誤差を補正した測定値を得る形態について説明したが、複数回の測定のうち初回以外の所定の測定時の界面位置を基準とし、各測定値にはその基準とする界面からの傾きを求めて該傾きに応じて補正した測定値を得るようにしてもよいし、複数回の測定時の界面の平均位置を基準とし、各測定値にはこの平均位置からの傾き求めて該傾きに応じた補正を施すようにしてもよい。
【0133】
また、測定装置における傾き測定における検出誤差を測定装置毎の号機データとして保有し、傾き測定時に号機データを用いた補正値を傾き値として得るようにすると、さらに測定精度を向上させることができる。
【0134】
さらに、演算手段を備えた各実施形態において、傾きが許容値以上となった場合にはアラームを出すようにし、その場合には、光ビーム入射手段、センサウェルユニットおよび/または光検出手段等の調整を行うようにしてもよい。
【0135】
第1から第14の実施形態に説明した測定装置における傾き測定および該傾き補正は、界面の縦方向への傾きのみを検出してそれによる誤差を補正するものであったが、界面202aの傾きには、光ビームL1の入射角度を変化させる縦方向の傾きの他、該入射角度の変化方向を含む面に垂直な方向に光ビームL1の入射位置を変化させる横方向の傾きがある。横方向の傾きは、界面で全反射する光ビームL1の、フォトダイオードの並び方向に垂直な方向へのずれにつながり、光ビームL1が光検出手段17で受光できなくなる場合を生じさせる。ずれが小さく、光ビームL1を受光可能な範囲であればよいが、受光不可能となるのを防ぐため、以下に説明する実施形態においては、縦横方向の傾きを検出する縦横傾き検出手段と、縦横方向への傾きを補正する補正手段を備えてなる。
【0136】
図26を参照して本発明の第15の実施形態について説明する。
【0137】
この第15の実施形態の測定装置は、第1の実施形態に示した表面プラズモン共鳴測定装置と略同一であるが、界面の縦方向の傾きに加えて横方向の傾きを検出可能としたものであり、界面202aの傾き測定用の第2の光ビームL2を、上記光入出射部202の底面202bで全反射するように入射させる第2の光ビーム入射手段32と、該第2の光ビーム入射手段32から出射され、底面202bで反射された第2の光ビームL2を検出する第2の光検出手段130とからなる縦横傾き測定手段、および傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための手段を備えている。
【0138】
第2の光検出手段130は、例えば4分割フォトダイオードからなる位置センサであり、受光面上に入射する光ビームL2の二次元的な位置変動を検出するものである。図27は第2の光検出手段130の受光面を模式的に示した図である。図示のとおり、第2の光検出手段130は4つのフォトダイオードPD1,PD2,PD3,PD4からなり、入射した光ビームの各フォトダイオードで受光した光量から位置を検出するものである。具体的には、x方向のずれ(界面の縦方向の傾き)はPD1とPD3の加算信号とPD2とPD4の加算信号との差分から求めることができ、y方向のずれ(界面の横方向の傾き)はPD1とPD2の加算信号とPD3とPD4の加算信号との差分から求めることができる。
【0139】
なお、ここで用いる傾き測定用の第2の光ビームL2は、光ビームL1と偏光方向が異なるようにs偏光で界面に入射するように設定されている。
【0140】
傾きによる誤差を補正するための手段は、横方向の傾きに起因する光ビームL1の光検出手段17上における受光位置の矢印y方向のずれを補正する横方向調整手段としての、光検出手段17を矢印y方向に移動させて位置調整する位置調整手段と、縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とからなる。
【0141】
すなわち、位置調整手段は、y方向に可動とされた光検出手段17と、該光検出手段17を調整するために移動させる駆動手段135とからなり、該駆動手段135は、傾き測定用の第2の光検出手段130からの信号を得て光ビームL2のy方向へのずれを求める信号処理部20からの指示により光検出手段17を移動調節する。また、演算手段は信号処理部20により構成されており、前述の第1の実施形態の場合と同様に、信号処理部20が、第2の光検出手段130からの信号を得て、光ビームL2のx方向へのずれを求め、プラズモン共鳴信号を検出する光検出手段17からの信号に、界面202aの傾きを補正するための補正信号を加算することにより界面202aの傾きによる誤差を補正した正確な測定値を得る。具体的な演算は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0142】
傾きの測定および位置調整等は以下のようにして行う。まず、試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段32により底面202bに入射された第2の光ビームL2が該底面202bで反射された反射光が図27に実線で示すように第2の光検出手段130の中心で受光されるようにセッティングしておく。2回目の測定時に、第2の光ビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からのy方向へのずれ(界面の横方向の傾き)を検出し、該y方向へのずれに応じて光検出手段17のy方向の位置調整を行う。第2の光ビームL2を受光した第2の光検出手段130からの信号から得られたずれ量に基づいて光検出手段17のみ位置調整するようにしてもよいし、光検出手段17と第2の光検出手段130を連動して移動するようにしておき、第2の光検出手段130のy方向中心で第2の光ビームL2が受光されるように位置調整するようにしてもよい。その後、第2の光ビームL2のx方向へのずれ(界面の縦方向の傾き)を検出し、該ずれ量に基づいて、信号処理部20において、界面202aの縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。
【0143】
3回目以降の測定においても同様に第2の光検出手段130で受光された第2の光ビームL2の位置に応じて、光検出手段17の横方向の位置調整を行ってから全反射減衰の状態を測定し、縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。これにより、界面202aの縦横への傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0144】
次に、本発明の第16の実施形態を図28を参照して説明する。
【0145】
この第16の実施形態の測定装置は、第15の実施形態に示した表面プラズモン共鳴測定装置と略同一であるが、縦横方向の傾きによる誤差を補正する手段が異なるものである。本実施形態においては、界面の横方向の傾きおよち縦方向の傾きを同時に解消するものであり、縦横への傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための縦横傾き調整手段として、第1の光検出手段17を図中矢印x方向および紙面に垂直なy方向に二次元的に移動させて位置調整する位置調整手段を備えてなるものである。すなわち、位置調整手段は、xy方向に可動とされた光検出手段17と、該光検出手段17を調整するために移動させる駆動手段136とからなり、該駆動手段136は、傾き測定用の第2の光検出手段からの信号を得て光ビームL2のずれを求める信号処理部20からの指示により光検出手段17を移動調節する。
【0146】
縦横傾きの測定および位置調整は以下のようにして行う。まず、試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段32により底面202bに入射された第2の光ビームL2が該底面202bで反射された反射光が図27に実線で示すように第2の光検出手段130の中心で受光されるようにセッティングしておく。2回目の測定時に、第2の光ビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からのずれを検出し、該ずれに応じて光検出手段17のxy方向の位置調整を行う。第2の光ビームL2を受光した第2の光検出手段130からの信号から得られたずれ量に基づいて光検出手段17のみ位置調整するようにしてもよいし、光検出手段17と第2の光検出手段130を連動して移動するようにしておき、第2の光検出手段130の中心で第2の光ビームL2が受光されるように位置調整するようにしてもよい。
【0147】
3回目以降の測定においても同様に第2の光検出手段130で受光された第2の光ビームL2の位置に応じて、光検出手段17の位置調整を行ってから全反射減衰の状態を測定する。これにより、界面202aの縦横への傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0148】
次に、図29を参照して本発明の第17の実施形態について説明する。
【0149】
図29に示す第17の実施形態の測定装置として示すプラズモン共鳴測定装置においては、界面の縦横の傾きによる誤差を補正するための手段として、光検出手段17の位置調整ではなく、光ビーム入射手段101による入射角度および入射位置を調整する光ビーム調整手段を備えてなるものである。光ビーム調整手段は、光源2からの光ビームL1を反射させる面を有すると共に、該反射面を縦横に回転可能とされたチルトミラー138と、該チルトミラー138を駆動させる駆動手段139とからなり、該駆動手段139は、信号処理部20からの指示によりミラー138を回転させ光ビームの入射角度および入射位置を調整する。
【0150】
このように、縦横傾き測定手段により得られた界面の縦方向および横方向の傾きに応じて、光ビームの入射角度および入射位置を調整することにより、界面の縦横の傾きを補償した測定結果を得ることができる。
【0151】
なお、上記第16および17の実施形態のように、光検出手段あるいは光ビーム入射手段を調整するほか、測定用プレート200自体を傾ける等して界面の縦方向および横方向の傾きを補正するように調整してもよい。また、さらには、光検出手段、光ビーム入射手段、測定用プレート200のすべてもしくは任意の2つの位置等を調整することにより、全体として界面の縦方向および横方向の傾きを補償した測定値を得るようにしてもよい。
【0152】
その他、例えば図30に第18の実施形態として示すように、第12の実施形態(図22参照)の第2の光検出手段72の1次元フォトダイオードアレイに代えて、4分割フォトダイオードもしくは抵抗型光検出器等の二次元センサ130を備え、第1の光検出手段17をxy方向に可動とし、該光検出手段17を駆動し位置調整を行う駆動手段136を備えれば、界面202aの縦方向の傾きのみならず横方向の傾きを検出することができ、縦横方向の傾きによる誤差を補償した精度よい測定値を得ることができる。
【0153】
次に図31〜図33を参照して第19の実施の形態を説明する。
【0154】
図31は第19の実施の形態の測定装置の平面図、図32および33はそれぞれ側面図を示す。
【0155】
本実施形態の測定装置は、上述の測定用プレートに代えて、1次元状に並んだウェルを備えてなる測定用バー250を備え、測定用バー250は支持台255上に載置されて測定に供される。光ビーム入射手段1および光検出手段17は第1の実施形態と同様の構成である。
【0156】
測定用バー250は、図33に示すように、1次元状に配列された複数のウェル251(図中では5つ)を備え、両端に鍔253を備え、各ウェル251の内底面には金属膜12およびセンシング物質14が形成されてなる。また、両端の鍔253の下面253aは光反射面とされている。
【0157】
測定用プレートもしくは測定用バーの界面のずれは、界面の縦横の傾きのみならず上下方向の位置ずれもあり、本実施形態においては、縦横傾き測定手段の他に、界面の上下方向の位置ずれを測定する上下方向位置測定手段および縦横傾きのみならず上下方向の位置ずれを調整する位置調整手段を更に備えている。
【0158】
縦横傾き測定手段は、図33に示すように、第2の光ビームL2を出射する光源260と、該光源260からの光を測定用バー250の鍔下面253aに向けて反射するとともに、該下面253aで反射された光を透過するハーフミラー261と、該ハーフミラー261を透過した光を検出する第2の光検出手段である4分割フォトダイオード262とからなる。
【0159】
上下方向位置測定手段は、例えば、光学式距離センサ263であり、第3の光ビームL3を出射すると共に、鍔下面253aで反射した光を受光して鍔下面253aの上下方向位置を検出する。
【0160】
また、測定用バー250の縦横の傾きおよび上下方向位置のずれを調整する位置調整手段は、縦横傾きθ、φ、および上下方向Zの軸を有するモータドライブステージからなる支持台255、該支持台255を駆動するドライバ267および4分割フォトダイオード262および検出センサ263からの信号を受けて、該信号値の基準値からのずれが所定値以下となるようにドライバ267に支持信号を出力するサーボ手段265からなる。なお、ここでいう基準値とは、予め求められている測定用バー250が精度良く正確に支持台255上にマウントされた場合の値であってもよいし、複数回の測定における初回の測定時の値であってもよい。
【0161】
各ウェル251(各試料)についての全反射減衰の状態を測定する前に、縦横傾き測定手段および上下方向位置測定手段により界面の傾きに応じて傾く基準面である鍔下面253の位置ずれをサーボ機構により調整し、その後測定を行う。このように縦横および上下位置を調整後に測定を行うことにより、より精度の高い測定を行うことができる。
【0162】
次に図34を参照して第20の実施の形態を説明する。
【0163】
第20の実施の形態の測定装置は、上記第19の実施の形態と略同一の構成を有するが、測定用バーの形状および該測定用バーの支持台の形状が異なる。本測定装置の測定用バー270は、図33で示した測定用バー250において鍔253を備えない形状である。したがって、傾き、上下位置測定用の基準面として測定用バーの底面を利用するものであり、該底面の一部に設けられた反射面270aに対して、傾き測定用の第2の光ビームL2、上下方向位置測定用の第3の光ビームL3を入射させる構成とされている。これらの第2および第3の光ビームL2、L3を反射面270aへ入射させるため、支持台275には、光ビームL2、L3透過用の開口267が設けられている。
【0164】
次に図35を参照して第21の実施の形態を説明する。
【0165】
第21の実施の形態の測定装置は、上記第19の実施の形態と比較して、傾き測定手段が異なるものである。本測定装置は、各光検出手段17A〜Eが検出する界面からの反射光の光プロファイルから測定用バー250の界面のずれを求めるものであり、プロファイル演算手段269を備えている。
【0166】
プロファイル演算手段269には、予め、測定用バー250が支持台255上に精度よくマウントされた際の各ウェル毎の反射光ビームプロファイルが基準プロファイルとして記憶されており、該演算手段269は、測定用バー250が支持台に275にマウントされた場合に、反射光のプロファイルを計測して、基準プロファイルとの差異を演算する。この差異が所定値以下となるようにサーボ手段265により支持台の位置調整を行う。このように、プロファイル演算手段269を備えれば、傾き、位置ずれ検出用に新たな光学系を設けることなく位置ずれを解消し、高精度な測定を行うことができる。
【0167】
なお、上述の各実施形態の測定装置は、光源からの光ビームを界面に対して種々の角度で入射させ、該界面からの反射光を測定し暗線となる入射角度から全反射減衰の状態を測定して被検体とセンシング媒体との結合状態を得るものであるが、光ビームの入射角度を界面で全反射条件を満たす所定の角度とし、種々の波長を有する光ビームを入射させる、もしくは入射させる光ビームの波長を変化させ、界面からの反射光を測定し、各波長毎の全反射減衰の状態により被検体とセンシング媒体との結合状態を得るようにしてもよい。
【0168】
また、さらに別の全反射光を利用した測定装置を第22の実施形態として以下に説明する。
【0169】
図36に側面形状を示すように、本実施の形態の表面プラズモン共鳴測定装置は、上述の第19の実施形態と同様の測定用バー250、支持台255、縦横傾き測定手段、上下方向位置測定手段および位置調整手段を備えているが、被検体とセンシング媒体との結合状態を得る測定方法が上述の各実施形態と異なる。
【0170】
測定用バー250を挟んで光源320a〜eとCCD360a〜eとが配設されており、これら光源320a〜eとCCD360a〜eとの間には、コリメータレンズ350a〜e、干渉光学系、集光レンズ355a〜eおよびアパーチャー356a〜eが配設されている。
【0171】
上記干渉光学系は、偏光フィルタ351a〜e、ハーフミラー352a〜e、ハーフミラー353a〜eおよびミラー354a〜eにより構成されている。
【0172】
さらに、CCD360は信号処理部361に接続されており、信号処理部361は表示部362に接続されている。
【0173】
以下、本実施の形態の表面プラズモン共鳴測定装置における試料の測定について説明する。
【0174】
光源320a〜eが駆動されて光ビーム330a〜eが発散光の状態で出射される。この光ビーム330a〜eはコリメータレンズ350a〜eにより平行光化されて偏光フィルタ351a〜eに入射する。偏光フィルタ351a〜eを透過して界面に対してp偏光で入射するようにされた光ビーム330a〜eは、ハーフミラー352a〜eにより一部がレファレンス光ビーム330Rとして分割され、ハーフミラー352a〜eを透過した残りの光ビーム330Sは界面に入射する。界面で全反射した光ビーム330Sおよびミラー354a〜eで反射したレファレンス光ビーム330Rはハーフミラー353a〜eに入射して合成される。合成された光ビーム330´は集光レンズ355a〜eにより集光され、アパーチャー356a〜eを通過してCCD360a〜eによって検出される。このとき、CCD360a〜eで検出される光ビーム330´は、光ビーム330Sとレファレンス光ビーム330Rとの干渉の状態に応じて干渉縞を発生させる。
【0175】
試料15分注後から継続的に複数回測定し、CCD360a〜eにより検出される干渉縞の変化を検出することにより、試料中の特定物質とセンシング媒体との結合の有無を検出することができる。つまりこの場合は、上記特定物質とセンシング物質14との結合状態に応じてセンシング物質14の屈折率が変化すると、界面で全反射した光ビーム330Sおよびレファレンス光ビーム330Rがハーフミラー353a〜eにより合成される際に、干渉の状態が変化するため、上記干渉縞の変化に応じて結合を検出することができる。
【0176】
信号処理部361は、以上の原理に基づいて上記反応の有無を検出し、その結果が表示部362に表示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面図
【図2】本発明の第1の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図3】上記表面プラズモン共鳴測定装置の電気的構成を示すブロック図
【図4】上記表面プラズモン共鳴測定装置における光ビーム入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図
【図5】本発明の第2の実施形態による漏洩モードセンサーの側面図
【図6】本発明の第3の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面図
【図7】本発明の第3の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図8】図7の表面プラズモン共鳴測定装置の一部を拡大して示す平面図
【図9】本発明の第4の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図10】本発明の第5の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図11】第5の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置における反射光強度分布を示す図
【図12】本発明の第6の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図13】第6の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置における反射光強度分布を示す図
【図14】本発明の第7の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面図
【図15】本発明の第7の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図16】第7の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置における反射光強度分布を示す図
【図17】本発明の第8の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図18】本発明の第9の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面図
【図19】本発明の第9の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図20】本発明の第10の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の一部側面図
【図21】本発明の第11の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の一部側面図
【図22】本発明の第12の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の一部側面図
【図23】本発明の第13の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の一部側面図
【図24】本発明の第14の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の一部側面図
【図25】第16の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の傾き測定手段を説明するための図
【図26】本発明の第15の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図27】第2の光検出手段の受光面を示す図
【図28】本発明の第16の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図29】本発明の第17の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図30】本発明の第18の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の一部側面図
【図31】本発明の第19の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面図
【図32】本発明の第19の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の第1の側面図
【図33】本発明の第19の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の第2の側面図
【図34】本発明の第20の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【図35】本発明の第21の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の平面図
【図36】本発明の第22の実施形態による表面プラズモン共鳴測定装置の側面図
【符号の説明】
1、100 光ビーム入射光学手段
2 光源
12 金属膜
14 センシング物質
15 試料
16 コリメーターレンズ
17A〜E 光検出手段(フォトダイオードアレイ)
17a、17b、17c…… フォトダイオード
18 差動アンプアレイ
18a、18b、18c…… 差動アンプ
19 ドライバ
20 信号処理部
21 表示手段
22a、22b、22c…… サンプルホールド回路
23 マルチプレクサ
24 A/D変換器
25 駆動回路
26 コントローラ
32 第2の光ビーム入射手段
37 第2の光検出手段
40 クラッド層
41 光導波層
60 遮蔽物
200 測定用プレート
201 検体ウェル
202 光入出射部
202a 界面
250 測定用バー

Claims (4)

  1. 誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
    前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射減衰を利用した測定装置において、
    所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
    該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
  2. 誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
    前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射光を利用した測定装置において、
    所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
    該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および前記光検出手段を調整する縦方向調整手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
  3. 誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
    前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射減衰を利用した測定装置において、
    所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
    前記縦横傾き測定手段により測定された前記横方向の傾きに応じて、該傾きに起因する前記光ビームによる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する横方向調整手段と、
    前記縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
  4. 誘電体ブロックの平坦な上面に開口する検体ウェルが、該誘電体ブロックに1次元状もしくは2次元状に複数備えられ、該各検体ウェルの内底面に薄膜層が形成されてなるセンサウェルユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して、前記センサウェルユニットの検体ウェルのうち1次元状に配列された複数の検体ウェルのそれぞれの前記内底面と前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で並列的に入射させる光ビーム入射手段と、
    前記それぞれの界面で反射された各反射光ビームを、該それぞれの界面に対応させて配置した複数の受光手段で個別に受光する光検出手段とを備えた、全反射光を利用した測定装置において、
    所定の基準位置からの、前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
    該縦横傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きおよび横方向の傾きに応じて、前記縦方向に傾きによる誤差および横方向の傾きに起因する前記光ビームによる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記センサウェルユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦横方向調整手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
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