JP3796660B2 - 全反射減衰を利用した測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面プラズモンの発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズモンセンサー等の、全反射減衰を利用したセンサーに関し、特に詳細には、全反射減衰によって測定光に生じる暗線を光検出手段を用いて検出する全反射減衰を利用したセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】
従来より、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分析する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】
上記の系を用いる表面プラズモンセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、かつ表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0005】
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変えて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化にしたがって反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
【0006】
上記構成の表面プラズモンセンサーにおいて、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。
【0007】
なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角θSPから表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εm とεS をそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】
試料の誘電率εS が分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることにより、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求めることができる。
【0010】
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似のセンサーとして、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モードセンサーも知られている。この漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られ、かつ光導波層での導波モードの励起による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0011】
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したタイプの従来の表面プラズモンセンサーや漏洩モードセンサー等の全反射減衰を利用した測定装置は、一般に厳密な温度管理をされていない室内等で用いられることが多い。このような環境下では、大体20℃程度の温度変動が想定される。
【0013】
しかしながら、従来の測定装置においては、装置内の測定系を支える支柱、すなわち誘電体ブロックに光ビームを入射させる光源等を備えた光入射部と、誘電体ブロックと、誘電体ブロックと薄膜層との界面で反射した光ビームを検出する光検出部とをそれぞれ別個に支持する3本の支柱に用いられている部材が、20℃程度の温度変動に対して10数μm程度の機械的ズレを生じてしまうため、光入射部、誘電体ブロックおよび光検出部の相対位置が変化し、測定結果に誤差を生じてしまう。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、温度変動による機械的ズレにより生じる測定誤差の発生を防止した全反射減衰を利用した測定装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の全反射減衰を利用した測定装置は、試料に接触させられる薄膜層を有する誘電体ブロックと、光ビームを発生させる光源、および光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用した測定装置において、少なくとも誘電体ブロックおよび光検出手段が、固定台に固着された2本の支柱によりそれぞれ保持され、
この2本の支柱が、測定装置が使用される環境下で、誘電体ブロックを保持する支柱の長手方向と、誘電体ブロックと光検出手段とを結ぶ線とのなす角度が所定の許容範囲内に維持されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の第2の全反射減衰を利用した測定装置は、試料に接触させられる金属膜を有する誘電体ブロックと、光ビームを発生させる光源、および光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、表面プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、少なくとも誘電体ブロックおよび光検出手段が、固定台に固着された2本の支柱によりそれぞれ保持され、この2本の支柱が、測定装置が使用される環境下で、誘電体ブロックを保持する支柱の長手方向と、誘電体ブロックと光検出手段とを結ぶ線とのなす角度が所定の許容範囲内に維持されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第3の全反射減衰を利用した測定装置は、クラッド層、およびクラッド層上に形成されて試料に接触させられる光導波層を有する誘電体プレートと、光ビームを発生させる光源、および光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、光導波層での導波モードの励起に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、少なくとも誘電体ブロックおよび光検出手段が、固定台に固着された2本の支柱によりそれぞれ保持され、この2本の支柱が、測定装置が使用される環境下で、誘電体ブロックを保持する支柱の長手方向と、誘電体ブロックと光検出手段とを結ぶ線とのなす角度が所定の許容範囲内に維持されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
そのためには、2本の支柱の熱膨張係数と長さの関係を、上記条件を満たすように規定すればよい。以下、その理由を説明する。
【0019】
全反射減衰を利用した測定装置において、誘電体ブロックからの垂線と、誘電体ブロックと光検出手段とを結ぶ線Lとのなす角度、すなわち前記界面における光ビームの反射角θを大凡の実用範囲(30≦θ≦60)の中間値である45℃、環境温度変動ΔTを20℃としたとき、誘電体ブロックを保持する支柱と光検出手段を保持する支柱との長さの差yの変動Δyによる角度変化Δθは(2)式のようになり、100RU(分子量1000)以下の解像度を維持するためには、熱膨張係数αは10−5以下でなければならない。
【0020】
そのため、上記第1から第3の全反射減衰を利用した測定装置において、2本の支柱は、熱膨張係数が10−5以下の部材により構成されていることが好ましい。
【0021】
また、2本の支柱は、それぞれ異なる部材により構成されていてもよく、その場合、誘電体ブロックを保持する支柱の熱膨張係数をα1、この支柱の長さをL1(単位mm)、光検出手段を保持する支柱の熱膨張係数をα2、この支柱の長さをL2(単位mm)としたとき、としたとき、誘電体ブロックを保持する支柱と光入射部もしくは光検出手段を保持する支柱との長さの差yによる角度変化Δθは(3)式のようになる。
【0022】
ここで一般的にy≦800mmであるため(4)式のようになる。
【0023】
α1・L1−α2・L2≦10−4・Δθ (4)
そのため、100RU(分子量1000)以下の解像度を維持するためには、(5)式のようになる。
【0024】
α1・L1−α2・L2≦10−2=0.01(mm) (5)
そのため、2本の支柱を、それぞれ異なる部材により構成する場合には、α1・L1とα2・L2との誤差が0.01mm以下となるように(式α1・L1≒α2・L2を満足するよう)に構成されていることが好ましい。
【0025】
また、上記目的を達成するためには、2本の別個の支柱を用いず、誘電体ブロックおよび光検出手段を一つの支持板の面上に固定してもよい。
【0026】
本発明の第4から第6の全反射減衰を利用した測定装置は、そのような形態を持つものであり、本発明の第4の全反射減衰を利用した測定装置は、試料に接触させられる薄膜層を有する誘電体ブロックと、光ビームを発生させる光源、および光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用した測定装置において、少なくとも誘電体ブロックおよび光検出手段が、一つの支持板の面上に保持されたものであることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の第5の全反射減衰を利用した測定装置は、試料に接触させられる金属膜を有する誘電体ブロックと、光ビームを発生させる光源、および光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、表面プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、少なくとも誘電体ブロックおよび光検出手段が、一つの支持板の面上に保持されたものであることを特徴とするものである。
【0028】
本発明の第6の全反射減衰を利用した測定装置は、クラッド層、および該クラッド層上に形成されて試料に接触させられる光導波層を有する誘電体プレートと、
光ビームを発生させる光源、および光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、光導波層での導波モードの励起に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、少なくとも誘電体ブロックおよび光検出手段が、一つの支持板の面上に保持されたものであることを特徴とするものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の第1から第3の全反射減衰を利用した測定装置は、誘電体ブロックおよび光検出手段が、前記測定装置が使用される環境下で、誘電体ブロックを保持する支柱の長手方向と、誘電体ブロックと光検出手段とを結ぶ線とのなす角度が所定の許容範囲内に維持されるように構成された3本の支柱により保持されているため、温度変動による機械的ズレにより生じる測定誤差の発生を防止することができる。
【0030】
また、本発明の第4から第6の全反射減衰を利用した測定装置は、誘電体ブロックおよび光検出手段が、支持板の同一面上に保持されているため、温度変動により支持板が伸縮しても、支持板は全体的に面として伸縮するので、その面上の各点を結ぶ線のなす角度は変化しない。したがって、誘電体ブロックからの垂線と、誘電体ブロックと光検出手段とを結ぶ線とのなす角度が変化せず、温度変動による機械的ズレにより生じる測定誤差の発生を防止することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の第1の実施形態の全反射減衰を利用した測定装置は、表面プラズモン共鳴を利用した表面プラズモンセンサーであり、図1は表面プラズモンセンサーの側面形状を示すものである。
【0032】
本実施形態の表面プラズモンセンサーは、誘電体ブロック10および金属膜12からなる測定チップ2と、1本の光ビーム13を発生させる半導体レーザ等からなる光源14(以下、レーザ光源14という)、および上記光ビーム13を誘電体ブロック10に通し、該誘電体ブロック10と金属膜12との界面10bに対して、種々の入射角が得られるように入射させる入射光学系15からなる光入射部1と、上記界面10bで全反射した光ビーム13を平行光化するコリメーターレンズ16、および平行光化された光ビーム13を検出する光検出手段17からなる光検出部3と、光検出手段17に接続された差動アンプアレイ18と、ドライバ19と、コンピュータシステム等からなる信号処理部(CPU)20とを備えている。
【0033】
測定チップ2は、例えば概略四角錐の一部が切り取られた形状とされた誘電体ブロック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金属膜12とを有している。誘電体ブロック10は例えば透明樹脂等からなり、金属膜12が形成された部分の周囲が嵩上げされた形とされ、この嵩上げされた部分10aは液体の試料11を貯える試料保持部として機能する。なお本例では、金属膜12の上にセンシング媒体30が固定されるが、このセンシング媒体30については後述する。
【0034】
入射光学系15は、レーザ光源14から発散光状態で出射した光ビーム13を平行光化するコリメーターレンズ15aと、該平行光化された光ビーム13を上記界面10b上で収束させる集光レンズ15bとから構成されている。
【0035】
光ビーム13は、集光レンズ15bにより上述のように集光されるので、界面10bに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。なお、上記入射光学系15は、光ビーム13を界面10bにデフォーカス状態で入射させるように構成されてもよい。そのようにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出の誤差が平均化されて、測定精度が高められる。
【0036】
なお光ビーム13は、界面10bに対してp偏光で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ光源14をその偏光方向が所定方向となるように配設すればよい。その他、波長板で光ビーム13の偏光の向きを制御してもよい。
【0037】
図2に、本実施の形態の全反射減衰を利用した測定装置の構造を示す。本実施の形態による全反射減衰を利用した測定装置において、光入射部1、測定チップ2および光検出部3は、それぞれ固定台4に固着された支柱5、支柱6および支柱7に保持される。なお、測定チップ2を、図示しないホルダーにより保持するものとした場合は、支柱6はこのホルダーを保持するようにすればよい。
【0038】
ここで、支柱5、支柱6および支柱7は、アンバー(Invar)により構成される。ここで用いられるアンバーの熱膨張係数は10−5以下であるため、測定装置が使用される環境下で想定される温度変動を20℃程度とし、各支柱の長さを数cm〜10数cmとした場合、各支柱の熱による伸縮を1μm以下とすることが可能であるため、温度変動による機械的ズレにより生じる測定誤差の発生を防止することができる。なお、各支柱に用いる部材としては、上記アンバー以外にも熱膨張係数が10−5以下のものであればどのようなものを用いてもよい。
【0039】
以下、上記構成の表面プラズモンセンサーによる試料分析について説明する。図1に示す通り、レーザ光源14から発散光状態で出射した光ビーム13は、光学系15の作用により、誘電体ブロック10と金属膜12との界面10b上で収束する。したがって光ビーム13は、界面10bに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。
【0040】
界面10bで全反射した後、コリメーターレンズ16によって平行光化された光ビーム13は、光検出手段17により検出される。なお、本実施の形態において測定は、図2に示すように、光ビーム13の光検出手段17の検出面における信号強度が最大になるタイミングで行われる。本例における光検出手段17は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に並設されてなるフォトダイオードアレイであり、図1の図示面内において、平行光化された光ビーム13の進行方向に対してフォトダイオード並設方向がほぼ直角となる向きに配設されている。したがって、上記界面10bにおいて種々の反射角で全反射した光ビーム13の各成分を、それぞれ異なるフォトダイオード17a、17b、17c……が受光することになる。
【0041】
図3は、この表面プラズモンセンサーの電気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドライバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力されるマルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジタル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22c……とを駆動する駆動回路25、および信号処理部20からの指示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコントローラ26から構成されている。なお、信号処理部20からコントローラ26への指示は、信号処理部20からシャッター50への指示と連動して行われる。上記フォトダイオード17a、17b、17c……の各出力は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……に入力される。この際、互いに隣接する2つのフォトダイオードの出力が、共通の差動アンプに入力される。したがって各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が出力する光検出信号を、それらの並設方向に関して微分したものと考えることができる。
【0042】
各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、22c……により所定のタイミングでサンプルホールドされ、マルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23は、サンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、18c……の出力を、所定の順序に従ってA/D変換器24に入力する。A/D変換器24はこれらの出力をデジタル化して信号処理部20に入力する。
【0043】
図4は、界面10bで全反射した光ビーム13の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c……の出力との関係を説明するものである。ここで、光ビーム13の界面10bへの入射角θと上記光強度Iとの関係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとする。
【0044】
界面10bにある特定の入射角θSPで入射した光は、金属膜12と液体試料11との界面に表面プラズモンを励起させるので、この光については反射光強度Iが鋭く低下する。つまりθSPが全反射解消角であり、この角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。この反射光強度Iの低下は、図1にDで示すように、反射光中の暗線として観察される。
【0045】
また図4の(2)は、フォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応している。
【0046】
そしてフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
【0047】
信号処理部20は、A/D変換器24から入力された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ18a、18b、18c……の中から、全反射解消角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い出力が得られているもの(図4の例では差動アンプ18dとなる)を選択し、それが出力する微分値I’に所定の補正処理を施してから、その値を表示手段21に表示させる。なお、場合によっては微分値I’=0を出力している差動アンプが存在することもあり、そのときは当然その差動アンプが選択される。
【0048】
以後、所定時間が経過する毎に上記選択された差動アンプ18dが出力する微分値I’が、所定の補正処理を受けてから表示手段21に表示される。この微分値I’は、測定チップの金属膜12に接している物質の誘電率つまりは屈折率が変化して、図4(1)に示す曲線が左右方向に移動する形で変化すると、それに応じて上下する。したがって、この微分値I’を時間の経過とともに測定し続けることにより、金属膜12に接している物質の屈折率変化、つまりは特性の変化を調べることができる。
【0049】
特に本実施形態では金属膜12に、液体試料11の中の特定物質と結合するセンシング媒体30を固定しており、それらの結合状態に応じてセンシング媒体30の屈折率が変化するので、上記微分値I’を測定し続けることにより、この結合状態の変化の様子を調べることができる。つまりこの場合は、液体試料11およびセンシング媒体30の双方が、分析対象の試料となる。そのような特定物質とセンシング媒体30との組合せとしては、例えば抗原と抗体等が挙げられる。
【0050】
以上の説明から明かなように本実施形態では、光検出手段17として複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に並設されてなるフォトダイオードアレイを用いているので、液体試料11に応じて図4(1)に示す曲線が左右方向に移動する形である程度大きく変化しても、暗線検出が可能である。つまり、このようなアレイ状の光検出手段17を用いることにより、測定のダイナミックレンジを大きく確保することができる。
【0051】
なお、複数の差動アンプ18a、18b、18c……からなる差動アンプアレイ18を用いる代わりに1つの差動アンプを設け、フォトダイオード17a、17b、17c……の各出力をマルチプレクサで切り替えて、それらのうちの隣接する2つの出力をこの1つの差動アンプに順次入力するようにしても構わない。
【0052】
なお、液体試料11の中の特定物質とセンシング媒体30との結合状態の変化の様子を時間経過とともに調べるためには、所定時間が経過する毎の微分値I’を求めて表示するほか、最初に計測した微分値I’(0)と所定時間経過時に計測した微分値I’(t)との差ΔI’を求めて表示してもよい。
【0053】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態の全反射減衰を利用した測定装置は、第1の実施の形態から、支柱5,支柱6および支柱7を変更したものである。
【0054】
なお本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0055】
本実施の形態において、支柱5、支柱6および支柱7は、各支柱の熱膨張係数をそれぞれα5、α6、α7、各支柱の長さをそれぞれL5、L6、L7としたとき、式α5・L5≒α6・L6≒α7・L7を満足するように構成されている。そのため、温度変動が生じた場合であっても、各支柱が伸縮する長さは略同じとなるため、支柱5、支柱6および支柱7の位置関係は変わらない。
【0056】
上記第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態の全反射減衰を利用した測定装置は、第1の実施の形態の支柱5,支柱6および支柱7を、支持板に変更したものである。
【0058】
なお本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0059】
図5に、本実施の形態の全反射減衰を利用した測定装置の構造を示す。本実施の形態による全反射減衰を利用した測定装置において、光入射部1、測定チップ2および光検出部3は、それぞれ固定台4に固着された支持板8の同一面(保持面)上に保持される。
【0060】
支持板8の保持面は、温度変動により伸縮する場合、2次元的に膨張または収縮するため、支持板8の保持面上に保持された光入射部1、測定チップ2および光検出部3の位置関係は、支持板8が伸縮した場合であっても、相似関係を維持するため、全反射減衰の角度の検出に支障をきたすことはない。
【0061】
上記第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、上述の第1から第3の実施の形態の表面プラズモンセンサーにおいては、一部構成を変更することにより漏洩モードセンサーとすることができる。以下、図面を用いて説明する。
【0063】
図6は、漏洩モードセンサーの一例を示す図である。なおこの図6において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0064】
この全反射減衰を利用したセンサーは、第1の実施の形態で説明した表面プラズモンセンサーを漏洩モードセンサーに変更したものであり、本例でも測定チップ化された誘電体ブロック10を用いるように構成されている。この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)にはクラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層41が形成されている。
【0065】
誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やBK7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
【0066】
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、レーザ光源14から出射した光ビーム13を誘電体ブロック10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角で入射させると、該光ビーム13が誘電体ブロック10とクラッド層40との界面10bで全反射するが、クラッド層40を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10bで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
【0067】
光導波層41における導波光の波数は、該光導波層41の上の液体試料11の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、液体試料11の屈折率や、それに関連する液体試料11の特性を分析することができる。そして、上記特定入射角の近傍における反射光強度Iや、差動アンプアレイ18の各差動アンプが出力する微分値I’に基づいて液体試料11の特性を分析することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図2】上記表面プラズモンセンサーの構造を示す図
【図3】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を示すブロック図
【図4】上記表面プラズモンセンサーにおける光ビーム入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図
【図5】本発明の第3の実施形態による表面プラズモンセンサーの構造を示す図
【図6】本発明の漏洩モードセンサーの側面図
【符号の説明】
1 光入射部
2 測定チップ
3 光検出部
4 固定台
5、6、7 支柱
8 支持板
10 誘電体ブロック
10a 誘電体ブロックの試料保持部
10b 誘電体ブロックと金属膜との界面
11 試料
12 金属膜
13 光ビーム
14 半導体レーザ等
15 光学系
16 コリメーターレンズ
17 光検出手段(アバランシェフォトダイオードアレイ)
17a、17b、17c…… アバランシェフォトダイオード
18 差動アンプアレイ
18a、18b、18c…… 差動アンプ
19 ドライバ
20 信号処理部
21 表示手段
22a、22b、22c…… サンプルホールド回路
23 マルチプレクサ
24 A/D変換器
25 駆動回路
26 コントローラ
30 センシング媒体
31 ターンテーブル
40 クラッド層
41 光導波層
Claims (4)
- 試料に接触させられる薄膜層を有する誘電体ブロックと、
光ビームを発生させる光源、および前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用した測定装置において、
少なくとも前記誘電体ブロックおよび前記光検出手段が、固定台に固着された2本の支柱によりそれぞれ保持され、
該2本の支柱が、前記誘電体ブロックを保持する支柱の熱膨張係数をα 1 、該支柱の長さをL 1 、前記光検出手段を保持する支柱の熱膨張係数をα 2 、該支柱の長さをL 2 としたとき、式α 1 ・L 1 ≒α 2 ・L 2 を満足するように構成されていることを特徴とする全反射減衰を利用した測定装置。 - 試料に接触させられる金属膜を有する誘電体ブロックと、
光ビームを発生させる光源、および前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、表面プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、
少なくとも前記誘電体ブロックおよび前記光検出手段が、固定台に固着された2本の支柱によりそれぞれ保持され、
該2本の支柱が、前記誘電体ブロックを保持する支柱の熱膨張係数をα 1 、該支柱の長さをL 1 、前記光検出手段を保持する支柱の熱膨張係数をα 2 、該支柱の長さをL 2 としたとき、式α 1 ・L 1 ≒α 2 ・L 2 を満足するように構成されていることを特徴とする全反射減衰を利用した測定装置。 - クラッド層、および該クラッド層上に形成されて試料に接触させられる光導波層を有する誘電体ブロックと、
光ビームを発生させる光源、および前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記クラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系からなる光入射部と、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、前記光導波層での導波モードの励起に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、
少なくとも前記誘電体ブロックおよび前記光検出手段が、固定台に固着された2本の支柱によりそれぞれ保持され、
該2本の支柱が、前記誘電体ブロックを保持する支柱の熱膨張係数をα 1 、該支柱の長さをL 1 、前記光検出手段を保持する支柱の熱膨張係数をα 2 、該支柱の長さをL 2 としたとき、式α 1 ・L 1 ≒α 2 ・L 2 を満足するように構成されていることを特徴とする全反射減衰を利用した測定装置。 - 前記2本の支柱が、熱膨張係数が10−5以下の部材により構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の全反射減衰を利用したセンサー。
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