JP3903423B2 - 測定装置 - Google Patents

測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3903423B2
JP3903423B2 JP2002088864A JP2002088864A JP3903423B2 JP 3903423 B2 JP3903423 B2 JP 3903423B2 JP 2002088864 A JP2002088864 A JP 2002088864A JP 2002088864 A JP2002088864 A JP 2002088864A JP 3903423 B2 JP3903423 B2 JP 3903423B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light beam
light
interface
incident
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002088864A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003307488A (ja
Inventor
俊仁 木村
昌之 納谷
信文 森
清水  仁
周 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2002088864A priority Critical patent/JP3903423B2/ja
Publication of JP2003307488A publication Critical patent/JP2003307488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3903423B2 publication Critical patent/JP3903423B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Optical Measuring Cells (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面プラズモンの発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズモンセンサー等の測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】
従来より、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分析する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】
上記の系を用いる表面プラズモンセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、かつ表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0005】
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変えて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化にしたがって反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した光ビームの成分を全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
【0006】
上記構成の表面プラズモンセンサーにおいて、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。
【0007】
なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく、もしくは、p偏光成分のみを検出するように設定しておく必要がある。
【0008】
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角θSPから表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】
Figure 0003903423
試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることにより、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求めることができる。
【0010】
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似のセンサーとして、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モードセンサーも知られている。この漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られ、かつ光導波層での導波モードの励起による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0011】
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
【0012】
なお、表面プラズモンセンサーもしくは漏洩モードセンサー等の全反射を利用した測定装置としては、光を界面に全反射条件が得られる入射角で入射させ、その光によるエバネッセント波の発生により、界面で全反射した光の状態の変化を測定することにより被測定物質の特性分析等を行うに際して、前述の全反射減衰を生じる特定入射角の測定をする装置のほか、複数の波長の光ビームを界面に入射させ、角波長毎の全反射減衰の程度を検出する装置、あるいは、光ビームを界面に入射させるとともに、この光ビームの一部を、界面入射前に分割し、この分割した光ビームを界面で反射した光ビームと干渉させて、該干渉の状態を測定する装置等種々のタイプがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したタイプの従来の表面プラズモンセンサーや漏洩モードセンサーにおいて、一つの試料(同一測定ユニット)について時間をおいて複数回測定し、その状態の変化を調べる必要がある場合、複数の試料について効率的な測定を行うために、試料を誘電体ブロック毎交換して測定を行うことがある。この場合、一つの試料について測定装置から一旦取り外した後、再度セッティングを行って測定を行うと、最初のベースライン(前記界面)と後のベースラインとの間に差(傾き)が生じるという欠点がある。ベースラインの傾きが、前述の種々の入射角度で入射させる光ビームの該入射角を変化させる縦方向の傾きであると、検出している反射光の角度にもずれが生じることとなり測定精度が低下してしまう。
【0014】
また、試料を交換しなくても、複数の試料を回転台に載せて回転させている間に、振動等でベースラインの傾きが微妙に変化することもある。そのような場合にも、複数回測定する間に生じたベースラインの傾きは測定誤差の原因になる。
【0015】
また、反射光の角度にずれを生じる、すなわち光ビームの入射角度を変化させる縦方向の傾きのみならず、該縦方向と交わる横方向への界面の傾きが生じると、反射光の反射方向が変化するために反射光が光検出手段の受光面に受光されない場合が生じるという問題があり、界面の縦横方向のいずれの傾きも測定精度の低下につながる。
【0016】
本発明は上記の事情に鑑みて、同一測定ユニットを複数回測定する場合においても測定精度の高い測定装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の測定装置は、
透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する測定装置において、
前記複数回の測定の間における前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】
上記測定装置は、前記薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0019】
また、上記測定装置は、前記薄膜層を、誘電体ブロックの前記一面に形成されたクラッド層と該クラッド層上に形成された光導波層からなるものとし、該光導波層における導波モードの励起による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0020】
本発明の第2の測定装置は、
透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反光の状態の変化を検出する測定装置において、
前記複数回の測定の間における前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦方向調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0021】
上記測定装置は、前記薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0022】
また、上記測定装置は、前記薄膜層を、誘電体ブロックの前記上面に形成されたクラッド層と該クラッド層上に形成された光導波層からなるものとし、該光導波層における導波モードの励起による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0023】
なお、上記第2の測定装置において、「全反射光の状態の変化」を検出するとは、第1の測定装置と同様に、界面に対して種々の入射角度で入射させた光ビームの該界面での反射光を検出して、全反射減衰の状態の変化を検出するものであってもよいし、また、D.V.Noort,K.johansen,C.-F.Mandenius, Porous Gold in Surface Plasmon Resonance Measurement, EUROSENSORS XIII, 1999, pp.585-588 に記載されているように、複数の波長の光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させ、各波長毎に前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、各波長毎の全反射減衰の程度を検出するものであってもよい。さらに、P.I.Nikitin,A.N.Grigorenko,A.A.Beloglazov,M.V.Valeiko,A.I.Savchuk,O.A.Savchuk, Surface Plasmon Resonance Interferometry for Micro-Array Biosensing, EUROSENSORS XIII, 1999, pp.235-238 に記載されているように、光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させるとともに、この光ビームの一部を、この光ビームが前記界面に入射する前に分割し、この分割した光ビームを、前記界面で全反射した光ビームと干渉させて、その干渉後の光ビームの強度の変化を検出するものであってもよい。
【0024】
上記において、「前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光して」とは、光ビームが、全反射光の状態を観測可能な所定の直線偏光であれば、そのまま受光するようにセットされていればよく、また複数の偏光成分を有するものであれば、検光子等の光学素子を用いて全反射光の状態を観測可能な所定の直線偏光成分のみを受光するようにセットされていればよい。
【0025】
「前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾き」とは、ある基準となる界面位置からの傾きであり、所定の一回(例えば初回)の測定時における界面位置からの傾きであってもよいし、複数回の測定時の界面の平均位置からの傾きからであってもよい。
【0026】
なお、前記縦傾き測定手段が測定する「縦方向の傾き」は、界面の縦方向の傾きの角度そのものであってもよいし、それに対応する特性値であってもよい。
【0027】
「前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調節する」とは、測定ユニットの傾きを補正する、光ビーム入射手段による光ビームの入射角度を変化させる、光検出手段を移動させる等のうち、少なくとも一つを実施するものであり、任意の二つ、あるいは全てを組み合わせて実施してもよい。
【0028】
本発明の第1または第2の測定装置において、前記光ビーム入射手段および前記光検出手段が、前記界面に対して種々の入射角度で光ビームを入射させ、該界面に所定の入射角度で入射される際に発生する全反射減衰の状態を測定するように構成されたものであり、前記光ビームが、前記界面に種々の角度で入射する成分を含み、該界面に対する入射角度の変化方向に所定の光量分布を有する1本の光ビームである場合、前記縦傾き測定手段を、該光ビームの少なくとも一部の前記測定ユニットの一部による反射を利用して前記縦方向の傾きを測定するものとすることができる。
【0029】
さらに詳細には、縦傾き測定手段を、前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分を利用して前記縦方向の傾きを測定するものとしてもよい。この場合、前記光検出手段で受光した前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分のうち前記入射角度の変化に伴い大きく光量の変化が生じる部分の、反射光強度と検出位置との関係から前記縦方向の傾きを測定するものとしてもよいし、前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分の一部を暗線として前記界面に入射せしめ、前記光検出手段により前記光ビームの反射光の成分の中に含まれる暗線の位置を検出することにより前記縦方向の傾きを測定するものとしてもよい。
【0030】
また、一方、前記縦傾き測定手段が、前記測定ユニットの一部で反射した光ビームの少なくとも一部を収束させる収束レンズと、該収束レンズにより収束された光ビームを受光して該光ビームの位置を検出する第2の光検出手段とを備えるものであってもよい。すなわち、光ビームの反射光を収束レンズにより収束させ、該収束位置の変化を検出することにより界面の縦方向の傾きを検出するようにしてもよい。
【0031】
なお、収束レンズを光ビームの光路上と光路外との位置で移動可能としておけば、前記光検出手段が第2の光検出手段を兼ねるものとすることもできる。この場合、収束レンズを光路上に配した状態で傾き測定を行い、収束レンズを光路外の位置に移動させた状態で全反射減衰の状態測定を行えばよい。
【0032】
また、前記光ビームが、複数の偏光成分を含むものである場合、前記第2の光検出手段が、前記光ビームの前記所定の偏光成分以外の成分を受光して該光ビームを検出するようにしてもよい。
【0033】
また、収束レンズを備えた測定装置においては、さらに、前記縦傾き測定手段が、前記収束レンズと前記第2の光検出手段との間にさらに第2のレンズを備え、
前記収束レンズおよび前記第2のレンズの焦点距離をそれぞれf1、f2、前記光ビームの反射位置と前記光検出手段との距離をL、前記反射位置と前記収束レンズとの距離をd0、前記収束レンズと前記第2のレンズとの距離をd1、前記第2のレンズと前記第2の光検出手段間の距離をd2、前記界面の鉛直方向の移動量に基づく反射位置のシフト量をx、前記界面の縦方向の傾きをθとしたとき、
Ltanθ+xで表される全反射減衰角の移動距離量Aと、θ{d1+d2-d1d2/f2-d0(d1/f1+d0/f1-d1d2/f1/f2-1+d2/f2)}‐x(d1/f1+d2/f1-d1d2/f1/f2-1+d2/f2)で表される前記第2の光検出手段における前記光ビームのスポット移動量Bとの関係が、
A=BまたはA=−Bとなるように、L、d0、d1、d2、f1、f2を選択して、前記収束レンズ、前記第2のレンズおよび前記第2の光検出手段を配置してもよい。このように、第2の光検出手段に至る光路上に2つのレンズを所定の間隔で配置することにより、界面の縦方向の傾きのみならず、界面の上下方向のシフト量をも検出可能となる。
【0034】
例えば、前記距離L、d0、d1、d2および前記焦点距離f1、f2の関係が、d1=f1、d2=f2、d0=f1+Lとなるように前記収束レンズ、前記第2のレンズおよび前記第2の光検出手段を設置すればよい。
【0035】
また、本発明の第1または第2の測定装置において、前記縦傾き測定手段としては、前記光ビームとは異なる第2の光ビームを前記測定ユニットの一部に入射せしめる第2の光ビーム入射手段と、前記測定ユニットの一部で反射された前記第2の光ビームを受光して該第2の光ビームの位置を検出する第2の光検出手段とを備えてなるものとしてもよい。
【0036】
この場合、前記第2の光ビームを、前記光ビームとは異なる波長を有するものとしてもよいし、前記光ビームが、前記所定の偏光成分の直線偏光である場合には、前記第2の光ビームを、前記光ビームとは異なる偏光成分の直線偏光としていもよい。
【0037】
上記において、前記測定ユニットの一部とは、前記界面であってもよいし、該界面以外の部分であって、該界面の縦方向の傾きに対応して傾く前記測定ユニットの所定の面であってもよい。該所定の面とは、前記誘電体ブロックの側面、底面等の一面であってもよいし、前記誘電体ブロックの前記薄膜層が形成されている前記一面の近傍に設けられた反射面であってもよい。
【0038】
本発明の第3の測定装置は、
透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する測定装置において、
前記複数回の測定の間における前記界面の、前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
前記縦横傾き測定手段により測定された前記横方向の傾きに応じて、該傾きに起因する前記光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する横方向調整手段と、
前記縦横傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0039】
上記測定装置は、上記薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0040】
また、上記測定装置は、上記薄膜層を、誘電体ブロックの前記上面に形成されたクラッド層と該クラッド層上に形成された光導波層からなるものとし、該光導波層における導波モードの励起による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0041】
本発明の第4の測定装置は、
透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射光の状態の変化を検出する測定装置において、
前記複数回の測定の間における前記界面の、前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
前記縦横傾き測定手段により測定された前記横方向の傾きおよび縦方向の傾きに応じて、前記横方向の傾きに起因する前記光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれ、および前記縦方向の傾きによる誤差を補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦横方向調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0042】
上記測定装置は、上記薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0043】
また、上記測定装置は、上記薄膜層を、誘電体ブロックの前記上面に形成されたクラッド層と該クラッド層上に形成された光導波層からなるものとし、該光導波層における導波モードの励起による効果を利用して測定を行なうように構成されたものとしてもよい。
【0044】
なお、上記第4の測定装置において、「全反射光の状態の変化」を検出するとは、第3の測定装置と同様に、界面に対して種々の入射角度で入射させた光ビームの該界面での反射光を検出して、全反射減衰の状態の変化を検出するものであってもよいし、また、複数の波長の光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させ、各波長毎に前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、各波長毎の全反射減衰の程度を検出するものであってもよい。さらに、光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させるとともに、この光ビームの一部を、この光ビームが前記界面に入射する前に分割し、この分割した光ビームを、前記界面で全反射した光ビームと干渉させて、その干渉後の光ビームの強度の変化を検出するものであってもよい。
【0045】
本発明の第3または第4の測定装置において、前記光ビーム入射手段および前記光検出手段が、前記界面に対して種々の入射角度で光ビームを入射させ、該界面に所定の入射角度で入射される際に発生する全反射減衰の状態を測定するように構成されたものであり、前記光ビームが、前記界面に種々の角度で入射する成分を含み、該界面に対する入射角度の変化方向に所定の光量分布を有する1本の光ビームである場合、前記縦横傾き測定手段を、前記測定ユニットの一部で反射した前記光ビームの少なくとも一部を収束させる収束レンズと、該収束レンズにより収束された光ビームを受光して該光ビームの位置を検出する二次元光検出手段とからなるものとすることができる。
【0046】
また、本発明の第3または第4の測定装置において、前記縦横傾き測定手段を、前記光ビームとは異なる第2の光ビームを前記測定ユニットの一部に入射せしめる第2の光ビーム入射手段と、前記測定ユニットの一部で反射された前記第2の光ビームを受光して該第2の光ビームの位置を検出する二次元光検出手段とを備えてなるものとしてもよい。
【0047】
前記第2の光ビームとしては、前記光ビームとは異なる波長を有するものとしてもよいし、前記光ビームが、前記所定の偏光成分の直線偏光である場合には、前記第2の光ビームを、前記光ビームとは異なる偏光成分の直線偏光としてもよい。
【0048】
前記二次元光検出手段としては、4分割フォトダイオードあるいは、抵抗型光検出器等が好適である。
【0049】
上記において、前記測定ユニットの一部とは、前記界面であってもよいし、該界面以外の部分であって、該界面の縦方向および横方向の傾きに対応して傾く前記測定ユニットの所定の面であってもよい。該所定の面とは、前記誘電体ブロックの側面、底面等の一面であってもよいし、前記誘電体ブロックの前記薄膜層が形成されている前記一面の近傍に設けられた反射面であってもよい。
【0050】
なお、前記誘電体ブロックは、前記光ビームの入射端面および出射端面と、前記薄膜層が形成される面とを全て有する1つのブロックとして形成されたものであってもよいし、前記光ビームの入射端面および出射端面を有する部分と、前記薄膜層が形成される面を有する部分との2つが、屈折率マッチング手段を介して接合されてなるものであってもよい。
【0051】
なお、上記各測定装置においては、光検出手段として、エリアセンサ、ラインセンサ等を用いることができ、より具体的には、2分割フォトダイオード、フォトダイオードアレイ等を好適に用いることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の第1の測定装置によれば、複数回の測定の各測定時における界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段により測定された縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段を備えているので、同一測定ユニットについて測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する際に、各測定時における界面が互いに縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0053】
本発明の第2の測定装置によれば、複数回の測定の各測定時における界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段により測定された縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦方向調整手段を備えているので、同一測定ユニットについて測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射光の状態の変化を検出する際に、各測定時における界面が互いに縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0054】
光ビームを界面へ種々の入射角度で入射させ、全反射減衰の状態を測定する装置の場合、縦傾き測定手段として、測定用の光ビームの、全反射減衰の測定範囲外の成分の反射光強度を利用する形態のものを使用すれば、特別な装置を設けることなく界面の縦方向の傾きを検出することができ、装置の大型化やコストの増加を抑えることができる。
【0055】
また、縦傾き測定手段として、測定用の光ビームとは異なる第2の光ビームを利用し、特に、測定用の光ビームとは異なる偏光方向を有するもの、あるいは測定用の光ビームとは異なる波長を有するものを利用すれば、測定用の光ビームに影響を与えることなく、全反射光の測定と同時に界面の縦方向の傾きを測定することができる。
【0056】
また、本発明の第3の測定装置によれば、複数回の測定の各測定時における界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向および横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段により測定された縦方向および横方向の傾きに応じて、横方向の傾きに起因する光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する横方向調整手段と、縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えているので、同一測定ユニットについて測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する際に、各測定時における界面が互いに横方向に傾きを有することにより生じる測定用の光ビームの受光位置のずれを補正し、光検出手段に光ビームが受光されない等の不具合を防止するとともに、各測定時における縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0057】
また、本発明の第4の測定装置によれば、複数回の測定の各測定時における界面の光ビームの入射角度を変化させる縦方向および横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段により測定された縦方向および横方向の傾きに応じて、横方向の傾きに起因する前記光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれ、および縦方向の傾きによる誤差を補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦横方向調整手段を備えているので、同一測定ユニットについて測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射光の状態の変化を検出する際に、各測定時における界面が互いに横方向に傾きを有することにより生じる測定用の光ビームの受光位置のずれを補正し、光検出手段に光ビームが受光されない等の不具合を防止するとともに、各測定時における縦方向に傾きを有することにより生じる測定誤差を補償し、より正確な測定を行うことができるようになる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の第1の実施形態の測定装置は、表面プラズモン共鳴を利用した表面プラズモンセンサーであり、図1はその側面形状を示すものである。
【0059】
この表面プラズモンセンサーの測定ユニットとしての測定チップ10は、例えば透明樹脂等により形成された倒立截頭四角錐形状を有し、この測定チップ10上部には、断面円形の検体保持穴13aが形成された検体保持部13が構成されており、検体保持穴13aの底面(後述する誘電体ブロック11の面11a)には、金属膜12が被着され、この金属膜12上に例えば試料液15が蓄えられる、この測定チップ10の検体保持部13の下部が誘電体ブロック11であり、その4つの側面のうちの対面する2面がそれぞれ光入射端面11b、光出射端面11cとされている。すなわち、この誘電体ブロック11は、光ビームの入射端面11bおよび出射端面11cと、薄膜層(金属膜)12が形成される面とを全て有する1つのブロックとして形成されたものである。なお本例では、金属膜12の上にセンシング媒体30が固定されるが、このセンシング媒体30については後述する。
【0060】
測定チップ10は、例えばターンテーブル31に複数設けられたチップ保持孔31aに1個ずつ嵌合固定される。測定チップ10がこのようにターンテーブル31に固定された後、ターンテーブル31が一定角度ずつ間欠的に回動され、所定位置に停止した測定チップ10に対して試料液15が滴下され、該試料液15が検体保持部13内に保持される。その後さらにターンテーブル31が一定角度回動されると、測定チップ10がこの図1に示した測定位置に送られ、そこで停止する。
【0061】
本実施形態の表面プラズモンセンサーは、上記測定ユニットである測定チップ10に加えてさらに、光ビームL1を誘電体ブロック11に通し、該誘電体ブロック11と金属膜12との界面11aに対して、種々の入射角が得られるように入射させる光学系とからなる光ビーム入射手段1、上記界面11aで全反射した光ビームL1を平行光化するコリメーターレンズ16と、この平行光化された光ビームL1を検出する光検出手段17と、光検出手段17に接続された差動アンプアレイ18と、ドライバ19と、コンピュータシステム等からなる信号処理部20と、この信号処理部20に接続された表示手段21とを備えている。
【0062】
光ビーム入射手段1は、光ビームL1を発生させる半導体レーザ等からなる光源2と、該光源2から発散光状態で出射した光ビームL1を平行光化するコリメーターレンズ3と、該平行光化された光ビームL1を上記界面11a上で収束させる集光レンズ4とから構成されている。
【0063】
図1に示す通り、光源2から発散光状態で出射した光ビームL1はレンズ3、4の作用により、誘電体ブロック11と金属膜12との界面11a上で集束する。したがって光ビームL1は、界面11aに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビームL1は界面11aで全反射し、この反射した光ビームL1には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。なお光ビームL1は、界面11aに対してp偏光で入射させる。そのようにするためには、予め光源2をその偏光方向が所定方向となるように配設すればよい。その他、波長板や偏光板で光ビームL1の偏光の向きを制御してもよい。また、光ビーム入射手段1は、光ビームL1を界面11aにデフォーカス状態で入射させるように構成されてもよい。そのようにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出(例えば前記暗線の位置測定)の誤差が平均化されて、測定精度が高められる。
【0064】
界面11aで全反射した後、コリメーターレンズ16によって平行光化された光ビームL1は光検出手段17により検出される。本例における光検出手段17は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に並設されてなるフォトダイオードアレイであり、図1の図示面内において、平行光化された光ビームL1の進行方向に対してフォトダイオード並設方向がほぼ直角となる向きに配設されている。したがって、上記界面11aにおいて種々の反射角で全反射した光ビームL1の各成分を、それぞれ異なるフォトダイオード17a、17b、17c……が受光することになる。
【0065】
図2は、この表面プラズモンセンサーの電気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドライバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力されるマルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジタル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22c……とを駆動する駆動回路25、および信号処理部20からの指示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコントローラ26から構成されている。
【0066】
上記フォトダイオード17a、17b、17c……の各出力は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……に入力される。この際、互いに隣接する2つのフォトダイオードの出力が、共通の差動アンプに入力される。したがって各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が出力する光検出信号を、それらの並設方向に関して微分したものと考えることができる。
【0067】
各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、22c……により所定のタイミングでサンプルホールドされ、マルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23は、サンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、18c……の出力を、所定の順序に従ってA/D変換器24に入力する。A/D変換器24はこれらの出力をデジタル化して信号処理部20に入力する。
【0068】
図3は、界面11aで全反射した光ビームL1の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c……の出力との関係を説明するものである。ここで、光ビームL1の界面11aへの入射角θと上記光強度Iとの関係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとする。
【0069】
界面11aにある特定の入射角θSPで入射した光は、金属膜12と試料15との界面に表面プラズモンを励起させるので、この光については反射光強度Iが鋭く低下する。つまりθSPが全反射減衰角であり、この角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。この反射光強度Iの低下は、図1にDで示すように、反射光中の暗線として観察される。
【0070】
また図3の(2)は、フォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応している。
【0071】
そしてフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
【0072】
信号処理部20は、A/D変換器24から入力された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ18a、18b、18c……の中から、全反射減衰角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い出力が得られているもの(図3の例では差動アンプ18dとなる)を選択し、それが出力する微分値I’を表示手段21に表示させる。なお、場合によっては微分値I’=0を出力している差動アンプが存在することもあり、そのときは当然その差動アンプが選択される。
【0073】
以後、所定時間が経過する毎に上記選択された差動アンプ18dが出力する微分値I’が表示手段21に表示される。この微分値I’は、測定チップ10の金属膜12(図1参照)に接している物質の誘電率つまりは屈折率が変化して、図3(1)に示す曲線が左右方向に移動する形で変化すると、それに応じて上下する。したがって、この微分値I’を時間の経過とともに測定し続けることにより、金属膜12に接している物質の屈折率変化、つまりは特性の変化を調べることができる。
【0074】
特に本実施形態では金属膜12に、試料液15の中の特定物質と結合するセンシング媒体30を固定しており、それらの結合状態に応じてセンシング媒体30の屈折率が変化するので、上記微分値I’を測定し続けることにより、この結合状態の変化の様子を調べることができる。つまりこの場合は、試料液15およびセンシング媒体30の双方が、分析対象の試料となる。そのような特定物質とセンシング媒体30との組合せとしては、例えば抗原と抗体等が挙げられる。
【0075】
なお、試料液15の中の特定物質とセンシング媒体30との結合状態の変化の様子を時間経過とともに調べるためには、所定時間が経過する毎の微分値I’を求めて表示する他、最初に計測した微分値I’(0)と所定時間経過時に計測した微分値I’(t)との差ΔI’を求めて表示してもよい。
【0076】
さて、上述のように微分値I’の時間変化を測定する場合、同一測定チップについて一定時間経過毎に複数回測定を行うことになる。この時、複数の試料(複数の測定チップ)について効率的に測定を行うために、一旦、測定チップ10をターンテーブル31から取外し、他の試料を保持する次の測定チップについての測定を行い、一定時間後に再び最初の測定チップ10をターンテーブル31に取り付けて測定を行う。
【0077】
この測定チップ10の再セッティングの際に、先の測定時の状態からずれが生じる場合があり、特に光ビームL1の界面11aへの入射角度を変化させる界面11aの縦方向の傾きが測定値に多大な影響を与えることとなる。
【0078】
そこで、本実施形態の表面プラズモンセンサーは、界面11aの縦方向傾き測定用の第2の光ビームL2を、上記誘電体ブロック11の界面11aで全反射するように、該誘電体ブロック11に入射させる第2の光ビーム入射手段32と、該第2の光ビーム入射手段32から出力され、界面11aで反射された第2の光ビームL2を検出する第2の光検出手段37とからなる傾き測定手段を備えている。第2の光検出手段37は、具体的には光検出手段17と同様のフォトダイオードアレイ等のライン状の光検出器であり、具体的には、界面11aの縦方向の傾きによる光ビームL2の入射角度(すなわち反射角度)の変化に伴う光ビームL2の進行方向のずれを検出する方向(図中矢印K方向)にフォトダイオードが併設され、光ビームL2の受光位置のK方向へのずれ(すなわち反射角度の変化)を検出するものである。この第2の光検出手段37からの出力S は信号処理部20に送られ、該信号処理部20において、プラズモン共鳴信号を検出する光検出手段17からの信号に、界面11aの傾きを補正するための補正信号を加算することにより界面11aの傾きによる誤差を補正した正確な測定値を得る。具体的には、第2の光検出手段37からの信号から求められた界面の角度の差分(傾き)をプラズモン共鳴信号について得られる測定値の角度に加算もしくは減算して補正する。すなわち、この信号処理部20が演算手段を構成する。ここで用いる傾き測定用の第2の光ビームL2は、光ビームL1と偏光方向が異なるようにs偏光で界面に入射するように設定されている。
【0079】
試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段32により界面11aに入射された第2の光ビームL2が該界面11aで反射され、この反射光が第2の光検出手段37により検出される。2回目の測定時に、同様にして第2のビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からの矢印K方向のずれを求める。この検出位置のずれは界面11aの縦方向の傾きに対応するものである。このように、第2の光検出手段37により界面11aで反射された第2の光ビームL2を受光して、界面11aへの入射角度を変化させる該界面11aの縦方向の傾きにより変化する反射光の検出位置を測定することにより界面11aの縦方向の傾きを測定する。この光ビームL2の検出位置の変動から得られる界面の縦方向の傾きに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定値を得る。3回目以降の測定においても同様に1回目の測定時からの界面の縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。これにより、界面11aの縦方向の傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0080】
なお、複数回の測定を行う際に各測定時の界面が互いに傾きを有することとなる原因としては、上述のような測定チップを再セッティングする場合のみならず、測定チップを支持する支持台の回転(移動)による場合、該支持台や、測定を行うための光源、光検出器等の配置を移動させた場合等が挙げられ、これらの場合に生ずる界面の縦方向の傾きについても上述の場合と同様に、界面の縦方向の傾きを測定して該傾きに応じて補正した測定値を得ることにより信頼性の高い測定を行うことができる。
【0081】
また、試料についての全反射減衰の状態を測定するに際して測定チップ10への試料液15の分注前に、測定チップ10についての全反射減衰の状態を測定しておき、試料液15の分注後の測定値から測定チップ10のバルク効果を差し引くようにして、試料液15のみによる全反射減衰角の変化を測定する場合、試料液15の分注前後に界面11aの傾きが生じると測定値の信頼性が損なわれる。このような場合にも界面の縦方向の傾きを測定して該傾きに応じて補正した測定値を得るようにすれば信頼性の高い測定を行うことができる。
【0082】
次に、図4を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なお、図4以下において、図1中の要素と同等の要素には同符号を付しており、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0083】
この第2の実施形態の測定装置は、第1の実施形態に示したプラズモンセンサーと略同一の構成をしているが、界面11aの傾き測定後の傾き補償のための手段が異なるものである。本表面プラズモンセンサーは、第2の光検出手段37の測定値から得られた界面11aの縦方向の傾きを補償するため、全反射減衰角を検出する第1の光検出手段17を図中矢印xの方向に移動させて調整する位置調整手段を備えてなるものである。すなわち、縦方向調整手段である位置調整手段は、矢印x方向に可動とされた光検出手段17と、該光検出手段17を調整するために移動させる駆動手段35とからなり、該駆動手段35は、信号処理部20からの指示により光検出手段17を移動調節する。すなわち、本実施形態においては、演算による測定値の補正を行うのではなく、光検出手段17を移動させて界面の縦方向の傾きによる誤差を補正するように調整するものである。
【0084】
このように、本実施の形態の装置によれば、縦傾き測定手段により検出された縦方向の傾きに応じて光検出手段17を移動させる縦方向調整手段を備え、物理的な位置調整を行うことにより界面の縦方向の傾きを補償した測定結果を得ることができる。
【0085】
また、図5に第3の実施形態の測定装置として示すプラズモンセンサーにおいては、光検出手段17の位置調整ではなく、光ビーム入射手段1による入射角度を調整する入射角調整手段を縦方向調整手段として備えてなるものである。入射角調整手段は、光源2からの光ビームL1を反射させる面を有すると共に、該反射面が光ビームL1の入射角を変化させる方向に回転可能とされたミラー36と、該ミラー36を回転駆動させる駆動手段38とからなり、該駆動手段38は、信号処理部20からの指示によりミラー36を回転させて反射角度を調整する。すなわち、各測定時における、界面11aに対する光ビームL1の入射角度を調整することにより、該界面11aで反射した光ビームL1が常に略同一の方向に反射するように調整するものである。なお、本実施形態の光ビーム入射手段1は、光源2から出射した小径の光ビームを凹レンズ5で拡散させる構成である。
【0086】
このように、傾き測定手段により得られた界面の縦方向の傾きに応じて、光ビームを傾けることにより、界面11aに対する入射角度を一定とすることができるため、界面の縦方向の傾きを補償した測定結果を得ることができる。
【0087】
なお、上記のように、光検出手段17、あるいは光ビーム入射手段1を調整するほか、測定チップ10自体を傾ける等して界面の縦方向の傾きを補正するように調整してもよい。また、さらには、光検出手段17、光ビーム入射手段1、測定チップ10のすべてもしくは任意の2つの位置等を調整することにより、全体として界面の縦方向の傾きを補償した測定値を得るようにしてもよい。
【0088】
次に、図6を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。
【0089】
この第4実施形態の測定装置は、先に説明した漏洩モードセンサーであり、本例でも測定ユニットとして測定チップ10を用いるように構成されている。ただし、この測定チップ10の検体保持穴13a底面にはクラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層41が形成されている。
【0090】
クラッド層40は、誘電体ブロック11よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
【0091】
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、光源2から出射した光ビームL1を誘電体ブロック11を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角で入射させると、該光ビームL1が誘電体ブロック11とクラッド層40との界面11aで全反射するが、クラッド層40を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面11aで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
【0092】
光導波層41における導波光の波数は、該光導波層41の上の試料15の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料15の屈折率や、それに関連する試料15の特性を分析することができる。そして、上記特定入射角の近傍における反射光強度Iや、差動アンプアレイ18の各差動アンプが出力する微分値I’に基づいて試料15の特性を分析することもできる。
【0093】
また、この漏洩モードセンサーは、界面11aの縦傾き測定用の第2の光ビームL2を、上記誘電体ブロック11の界面11aで全反射するように、該誘電体ブロック11に入射させる第2の光ビーム入射手段46と、該第2の光ビーム入射手段により界面11aに入射され、該界面11aで反射された第2の光ビームL2を検出する光検出手段47とを備えている。この光検出手段47からの出力S は信号処理部20に送られ、該信号処理部20においてプラズモン共鳴信号を検出する光検出手段17からの信号に、界面11aの縦方向の傾きを補正するための補正信号を加算することにより正確な測定値を得る。すなわち、この信号処理部20が補正手段を構成する。ここで用いる傾き測定用の第2の光ビームL2は、全反射減衰測定用の光ビームL1と異なる波長を有するものである。
【0094】
試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段46により入射された第2の光ビームL2が界面11bで反射され、この反射光が光検出手段47により検出される。次いで、2回目の測定時に、同様にして第2の光ビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からの矢印K方向のずれを求める。この検出位置のずれは界面11aの縦方向の傾きに対応するものである。この得られた傾きに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定値を得る。これにより、界面11aの縦方向の傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0095】
次に、図7を参照して本発明の第5の実施形態について説明する。
【0096】
この第5実施形態の測定装置は、第1の実施形態と同様表面プラズモン共鳴を利用した表面プラズモンセンサーであり、図7は、その側面形状を示すものである。
【0097】
本装置は図1のものと比べると、用いている測定ユニットの構成が異なるものである。すなわち本実施形態では、図1の装置で用いられていた測定チップ10に代えて、誘電体であるガラスから形成されて、図7の紙面に垂直な方向に延びる三角柱のプリズム50と、このプリズム50上面に屈折率マッチングオイル52を介して接合された誘電体プレート55とからなるものが用いられている。プリズム50は光ビームL1の入射端面50aおよび出射端面50bを有するものであり、一方誘電体プレート55上には金属薄膜56が形成されており、光ビームL1はこの誘電体プレート55と金属薄膜56との界面57において全反射する構成となっている。なお、この金属薄膜56が形成された誘電体プレート55上に試料58が載置され、この誘電体プレート55ごと取外し可能となっている。すなわち、本実施形態における測定ユニットは、その誘電体ブロックが、光ビームの入射端面50aと出射端面50bとを有する部分50と薄膜層56が形成されている面を有する部分55とが屈折率マッチング手段(屈折率マッチングオイル)52により接合されてなるものである。
【0098】
また、本実施形態の表面プラズモンセンサーにおいては、前述の第1の表面プラズモンセンサーにおける界面の縦傾き測定手段とは異なる形態の縦傾き測定手段を備えている。以下に本実施形態における縦傾き測定手段について説明する。
【0099】
一般に、表面プラズモンセンサーにおいては、光ビームとして、図8に一部点線で示すようにその光量分布がガウシアン分布となっているものが用いられている。通常全反射減衰角θSPがピーク強度近傍となるように設定されており、上述のように、この全反射減衰角θSPの時間変化を観察することになる。したがって、ガウシアン分布の両端の部分は測定にはほとんど寄与しない部分である。そこで、本実施形態の表面プラズモンセンサーにおいてはこの測定範囲外の成分を利用して界面57の縦方向の傾きを求める。通常、このガウシアン分布の測定範囲外の領域は光強度と入射角度(反射角度)との関係が変化しない部分であり、両者の関係の変化は界面の角度の差(傾き)によってのみ生じるものと考えられる。従って、本実施形態においては図8中点線円で囲む箇所のように、光量分布が急峻になっている箇所の光量を観測し、この光量の変化により界面の縦方向の傾きを求める。具体的には入射角度θa の部分の光強度を光検出手段17により検出する、すなわち、光検出手段17の所定のフォトダイオードからの出力の変化を検出することにより界面57の縦方向の傾きを求める。このようにして求められた傾きに基づいて、上述の実施形態と同様に信号処理部20において縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。
【0100】
次に、図9を参照して本発明の第6の実施形態について説明する。
【0101】
この第6の実施形態の測定装置は、第5の実施形態と同様表面プラズモン共鳴を利用した表面プラズモンセンサーであり、図9は、その側面形状を示すものである。構成は上述の第5の実施形態の表面プラズモンセンサーとほぼ同一であるが、光ビームL1の入射光学系側の光路上に遮蔽物60を配置して、光ビームL1の一部を暗線61として界面57に入射させ、光ビームL1の反射光に含まれる暗線61を検出することにより、界面57の縦方向の傾きを検出するものである点で異なる。
【0102】
上記第5の実施形態と同様に光ビームL1として、図10に一部点線で示すようにその光量分布がガウシアン分布となっているものを用い、ガウシアン分布の両端の、全反射減衰の測定にはとんど寄与しない部分を利用して界面57の縦方向の傾きを求める。上述のように、光ビームL1の一部を暗線61として界面11aに入射せしめ、光検出手段17によりその暗線61を検出する。界面57の縦方向の傾きが変化しない限り、光検出手段17上で検出される暗線61の位置は変動しないため、この暗線位置のずれが界面57の縦方向の傾きに対応する。例えば、1回目の測定時に暗線61がθbに対応するフォトダイオードで検出され、その後、界面57の角度が変化すると2回目の測定時には暗線61は異なるフォトダイオードで検出されることとなる。従って、いずれのフォトダイオードにより暗線61が検出されたかにより界面57の縦方向の傾きが求められ、このようにして求められた傾きに基づいて、信号処理部20において該傾きによる誤差を補正した測定値を得る。
【0103】
以下、図11から図23を参照して他の測定装置の実施形態を説明するが、各センサーにおいては、前述した各実施形態と全反射減衰の測定に係る部分は略同一であり、縦傾き測定手段の形態が異なるものであるため、主として傾き測定手段について説明し、全反射減衰の測定に係る部分については変更箇所についてのみ言及する。
【0104】
図11を参照して本発明の第7の実施形態について説明する。
【0105】
この第7の実施形態の測定装置の縦傾き測定手段は、光ビームL1の反射光の光検出手段17に至る光路上と該光路外の位置とで移動可能とされた収束レンズ66と、光検出手段17とにより構成されている。本センサーにおいては、収束レンズ66を光路上に配した状態で界面11aの縦方向の傾き測定を行い、収束レンズ66を光路外に配した状態で全反射減衰の状態の測定を行う。すなわち本実施形態においては、光ビームL1の反射光を収束レンズ66により光検出手段17上で収束させ、光検出手段17上における収束ビームの矢印x方向における検出位置の変化を測定することにより界面11aの縦方向の傾きを測定する。
【0106】
本実施形態の場合、光ビームL1はp偏光として界面11aに入射させ、この表面プラズモン共鳴により生じた暗線の状態を測定するが、光ビームL1として複数の偏光成分を含む光を利用した場合、該表面プラズモン共鳴の状態を検知するために光検出手段17においてp偏光成分のみを検出できるようにする必要がある。そこで、光ビームL1がp偏光以外の偏光成分を含むものである場合には、図12に第8の実施形態のセンサー側面図として示すように、光検出手段17の光ビーム入射側に検光子68を配し、p偏光成分のみを透過させるようにすればよい。なお、傾き測定時には、検光子68を回転させて、p偏光成分と直交するs偏光成分の収束光の位置を検出するようにしてもよい。
【0107】
次に、図13を参照して本発明の第9の実施形態について説明する。
【0108】
この第9の実施形態の測定装置の縦傾き測定手段は、光ビームL1の反射光の光検出手段17に至る光路上に配されたハーフミラー70と該ハーフミラー70により分離された光ビームの一部を収束する収束レンズ71と、該収束レンズ71により収束された光ビームを検出する第2の光検出手段72とからなる。ハーフミラー70により光ビームL1の反射光を分割し、一部を全反射減衰の測定に用い、一部を界面11aの縦方向の傾き測定用に用いている。ハーフミラー70で一部反射された光ビームL1が収束レンズ71により第2の光検出手段72上に収束され、この光検出手段72上における光ビームの矢印Q方向の検出位置の変化により界面11aの縦方向の傾きを検出するものである。なお、ハーフミラー70の代りに、光路上と光路外の位置とで移動可能なミラーを備えるようにしてもよい。この場合、ミラーを光路上に配し、光ビームを該ミラーで第2の光検出手段側へ反射させるようにして傾きを測定し、ミラーを光路外の位置へ移動させたて光ビームを光検出手段17へ直進させて全反射減衰を測定するようにすればよい。
【0109】
本実施形態の場合、光ビームL1はp偏光として界面11aに入射させ、この表面プラズモン共鳴により生じた暗線の状態を測定するが、光ビームL1として複数の偏光成分を含む光を利用した場合、図14に第10の実施形態のセンサー側面図として示すように、光検出手段17の光ビーム入射側に検光子68を配し、p偏光成分のみを透過させるようにすればよい。
【0110】
次に、図15を参照して本発明の第11の実施形態について説明する。
【0111】
第11の実施形態の測定装置の傾き測定手段は、図13に示した第9の実施形態において、縦傾き測定用の第2の光検出手段72に至る光路上にさらに第2のレンズ75を設けてなるものである。本センサーは、レンズを2枚組み合わせることにより、界面11aの縦方向の傾きのみならず、界面11aの上下方向のシフト量に対応する特性値を得ることができるため、より高精度な全反射減衰の状態を測定することができる。
【0112】
界面の縦方向の傾きとシフトを検出する仕組みについて図16を参照に簡単に説明する。図16(a)はシフト量を検出する仕組み、同図(b)は傾きを検出する仕組みを模式的に示したものである。
【0113】
収束レンズ71および第2のレンズ75の焦点距離をそれぞれf1、f2、光ビームの反射位置と光検出手段17との距離をL(図15参照)、光ビーム反射位置と収束レンズ71との距離をd0、収束レンズ71と第2のレンズ75との距離をd1、第2のレンズ75と第2の光検出手段72間の距離をd2、界面11aの鉛直方向の移動量yに基づく反射位置のシフト量をx、界面11aの傾きをθとする。なお、図15においてはハーフミラー70により光路が変更されているが、図16においては、模式的に光路を直線とした。
【0114】
光ビームL1が入射される界面の縦方向の傾きがθ、シフト量xであるとき、この界面の変動による全反射減衰角の移動距離Aは、Ltanθ+xで表される。
【0115】
一方、図16(a)に示すように、実線で示した測定チップ10が点線で示した測定チップ位置に距離yシフトした場合、光ビーム入射位置のシフト量xは、二つのレンズの作用により、第2の光検出手段72上の光ビーム検出位置において所定のシフト量として現れる。また、図16(b)に示すように、実線で示した測定チップ10が点線で示した測定チップのようにθ傾いた場合、第2の光検出手段72上の光ビーム検出位置は、所定のシフト量変化する。
【0116】
この界面11aの傾きおよび上下方向のシフトによる第2の光検出手段72上の光ビームのスポット移動量Bは、θ{d1+d2−d1d2/f2−d0(d1/f1+d0/f1−d1d2/f1/f2−1+d2/f2)}−x(d1/f1+d2/f1−d1d2/f1/f2−1+d2/f2)で表される。
【0117】
したがって、光検出手段17上における全反射減衰角の移動距離Aと第2の光検出手段72上の光ビームのスポット移動量Bとの関係がA=BまたはA=−Bとなるように、L、d0、d1、d2、f1、f2を選択して、収束レンズ71、第2のレンズ75および第2の光検出手段72を配置しておけば、界面の変動による全反射減衰角の移動距離が第2の光検出手段72上のスポット移動量として現れる。上記A=BもしくはA=−Bを満たすためには、具体的には、距離L、d0、d1、d2および前記焦点距離f1、f2が、d1=f1、d2=f2、d0=f1+Lとなるように収束レンズ71、第2のレンズ75および第2の光検出手段72を設置すればよい。
【0118】
本実施形態のように、二つのレンズを利用して界面11aの縦方向の傾きと上下方向のシフト量を得るようにすれば、この界面の変動量による誤差を補正した測定値を得ることができるため、さらに精度よい全反射減衰の状態測定を行うことができる。
【0119】
次に、図17を参照して本発明の第12の実施形態について説明する。
【0120】
この第12の実施形態の測定装置の縦傾き測定手段は、光ビームL1の、測定チップ10の誘電体ブロック11の光入射面11bで反射した反射光を集光するレンズ80と該レンズ80により収束された光ビームを検出する第2の光検出手段82とからなる。すなわち、本実施形態の縦傾き測定手段は、光ビームL1は入射面11bで一部反射されるため、この反射光を利用するものである。この入射面11bは、誘電体ブロック11の一部である界面11aの縦方向の傾きに応じて傾くため、この入射面11bでの反射光の第2の光検出手段82上の矢印Q方向における位置変動は界面11aの縦方向の傾きに応じたものとなる。
【0121】
次に、図18を参照して本発明の第13の実施形態について説明する。
【0122】
この第13の実施形態の測定装置の傾き測定手段は、測定チップ10の検体保持穴13aの底面の一部に設けられた反射面83と、該反射面83で反射された光ビームL1を集光するレンズ84と、該レンズ84により収束された光を検出する第2の光検出手段86とからなる。本実施形態においては、光ビームL1を界面11aに対して、その一部が反射面83に入射されるように発散光状態で入射せしめる。界面11aに入射された光ビームは全反射減衰を測定する光検出手段17に向けて反射される。一方、反射面83に入射した光ビームL1の一部は第2の光検出手段86側に反射され、レンズ84で集光されて光検出手段86上で収束される。反射面83は、界面11aに対して所定の角度で設けられており、界面11aの縦方向の傾きに応じて傾くため、この反射面83での反射光の第2の光検出手段86上における矢印Q方向の位置変動は界面11aの縦方向の傾きに応じたものとなる。
【0123】
次に、図19を参照して本発明の第14の実施形態について説明する。
【0124】
この第14の実施形態の測定装置の傾き測定手段は、第2の光ビームを界面11aで全反射するように、該誘電体ブロック11に入射させる第2の光ビーム入射手段90と、界面11aで反射した第2の光ビームを集光するレンズ95と、該レンズ95により収束された光ビームの位置を検出する光検出手段17とからなるものである。
【0125】
第2の光ビーム入射手段90は、光ビームL1を界面11aに入射させる光ビーム入射手段1の構成に加えて、光源2から出射された直線偏光ビームを円偏光にするλ/4板91と、円偏光ビームをs偏光とp偏光に分離するウォラストンプリズム92とを備えており、光源2から出射された光ビームをλ/4板91により円偏光とし、ウォラストンプリズム92により、該光ビームをp偏光L1とs偏光L2とに分離して互いに異なる方向に出射し、p偏光ビームL1とs偏光ビームL2を界面11aの互いに異なる位置に入射せしめるものである。
【0126】
s偏光ビームL2の反射光をレンズ95により集光し、光検出手段17上の一部に収束させ、このs偏光ビームL2の位置変動により界面11aの縦方向の傾きを測定する。一方、p偏光ビームL1の光検出手段17に至る光路上に検光子68を配することにより、s偏光ビームL2による影響を除去し、全反射減衰の状態を検出する。ここでは、光検出手段17として、全反射減衰の状態のみを検出する場合よりも広領域に亘って検出可能なフォトダイオードアレイを利用し、全反射減衰の状態を検出する部分と交わらない箇所においてs偏光ビームL2の位置を検出するようにしたが、s偏光ビームL2を検出する光検出手段を別個に設けてもよい。
【0127】
次に、図20を参照して本発明の第15の実施形態について説明する。
【0128】
この第15の実施形態の測定装置の傾き測定手段は、小径の2偏光ビームを第2の光ビームとして界面11aで全反射するように、該誘電体ブロック11に入射させる第2の光ビーム入射手段100と、界面11aで反射した第2の光ビームL2(s偏光)を反射し、光ビームL1(p偏光)を透過するPBS107と、該PBS107により反射された第2の光ビームの位置を検出する第2の光検出手段108とからなるものである。
【0129】
なお、本実施形態においては、光ビーム入射手段1は、小径の平行光L0をp偏光として出射する光源2’と光ビームの径を拡大せしめるビーム拡大光学系3’と、該拡大光学系3’により拡大された光ビームのうち後述のPBS102を透過したp偏光ビームL1を収束させて界面11aに入射せしめるレンズ4とから構成されている。
【0130】
第2の光ビーム入射手段100は、光ビームL1を界面11aに入射させる光ビーム入射手段1の構成に加えて、光源2’から出射された直線偏光ビームL0を円偏光ビームにするλ/4板101と、p偏光を透過し、s偏光を反射するPBS102と、s偏光ビームL2を反射するミラー103、105、106と、s偏光ビームL2の径を縮小させる縮小光学系104とを備えており、光源2’から出射された直線偏光ビームL0をλ/4板101により円偏光とし、ビーム拡大光学系3’で拡大された光ビームをPBS102により、該光ビームをp偏光ビームL1を透過させ、s偏光ビームL2を反射させることにより分離し、縮小光学系104によりs偏光ビームL2の径を縮小させた後、p偏光ビームL1の光路上に戻し、p偏光ビームL1と比較して小径の光ビームとして界面11aに入射せしめるものである。
【0131】
該界面11aにおいて反射したs偏光ビームL2はPBS107で反射され、第2の光検出手段108に検出される。すなわち、この第2の光検出手段108上におけるs偏光ビームL2の位置変動により界面11aの縦方向の傾きを測定する。
【0132】
第2の光ビーム入射手段100の光学素子の構成等は種々変更可能である。例えば、図21に示すように、反射光学素子であるミラー103、105、106の反射面の傾きおよび位置を変化させて、第2の光ビームL2の光路を変更してもよい。
【0133】
また、図22に示すように、ミラー105、106の反射面の傾きを変化させ、第2の光ビームL2がレンズ4の端部を通過するようにすれば、第2の光ビームL2は、界面11aにおけるp偏光ビームL1の入射位置から大きくずれた位置に入射することになり、p偏光ビームL1と第2の光ビームL2の反射光の光路がずれるため、光検出手段側にPBSを設ける必要がなくなる。また、光検出手段17の一部を第2の光ビームL2の位置検出に利用することもできる。
【0134】
図20から図22で示した測定装置においては、光源2’から出射された光ビームL0を光ビーム拡大光学系3’により拡大した後にs偏光、p偏光に分離することとしたが、図23に示すように、λ/4板101により円偏光とされた光ビームL0を拡大する前にPBS102によりp偏光ビームL1、s偏光ビームL2に分離し、p偏光ビームL1のみを拡大光学系3’に入射せしめるようにすれば、第2の光ビーム入射手段の構成が簡易なものとなる。
【0135】
なお、図24に示すように、光源2’から出射された光ビームL0を円偏光にすることなく、直線偏光(p偏光)の状態でハーフミラー110により2分し、一方を拡大光学系3’により拡大させて測定用の光ビームL1として使用し、他方をλ/2板111により偏光方向を変化させてs偏光ビームL2として界面11aに入射させるようにしてもよい。
【0136】
次に、図25を参照して本発明の第16の実施形態について説明する。
【0137】
この第16の実施形態の測定装置の傾き測定手段は、測定チップの底面10dに設けられた反射面と、該反射面に小径のs偏光ビームを第2の光ビームL2として全反射条件で入射させる第2の光ビーム入射手段120と、該反射面で反射された第2の光ビームL2を検出する光検出手段125とを備えてなる。
【0138】
第2の光ビーム入射手段120は、光ビームL1を界面11aに入射させるための光ビーム入射手段1の構成に加えて、光源2'から出射された光ビームLを円偏光にするλ/4板101と、円偏光ビームをp偏光ビームL1とs偏光ビームL2に分離するウォラストンプリズム121、ミラー122を備えてなり、s偏光ビームL2を測定チップ10の底面10dに全反射角度で入射させるものである。
【0139】
本傾き測定手段は、測定チップ10の底面10d(誘電体ブロック11の底面)を反射面としておき、第2の光ビームL2を界面11aに入射させることなく、該界面11aの傾きに対応して傾く測定チップ10の底面10dに入射させ、該底面10dで反射した反射光の位置変動を検出してに界面11aの縦方向の傾きを測定する。
【0140】
なお、このように第2の光ビームを底面で反射させるようにすれば、第2の光ビームは必ずしもs偏光にする必要はない。
【0141】
なお、図19から図25に示した各実施形態において、s偏光ビームを界面もしくは該界面に対応して傾く所定の面に入射させるための第2の光ビーム入射手段は、いずれも全反射減衰測定用の光ビームL1を生成する光源2から出射された光の一部を用いることとしたが、別個に光源を設けてもよい。
【0142】
なお、第4の実施形態から第16の実施形態においては、界面の縦方向の傾きによる誤差を補償する方法として傾きに応じた補正を施した測定値を得ることとしたが、第2、第3の実施形態と同様に光ビーム入射手段、光検出手段および/または測定ユニットの位置調整を行うようにしてもよい。
【0143】
また、傾きに応じた補正を施した測定値を得る演算手段を備えた各実施の形態においては、初回の測定時の界面位置を基準とし、それ以降の各側定時にはその界面からの縦方向の傾きを求めて該傾きによる誤差を補正した測定値を得る形態について説明したが、複数回の測定のうち初回以外の所定の測定時の界面位置を基準とし、各測定値にはその基準とする界面からの傾きを求めて該傾きに応じて補正した測定値を得るようにしてもよいし、複数回の測定時の界面の平均位置を基準とし、各測定値にはこの平均位置からの傾き求めて該傾きに応じた補正を施すようにしてもよい。
【0144】
また、測定装置における傾き測定における検出誤差を測定装置毎の号機データとして保有し、傾き測定時に号機データを用いた補正値を傾き値として得るようにすると、さらに測定精度を向上させることができる。
【0145】
さらに、演算手段を備えた各実施形態において、傾きが許容値以上となった場合にはアラームを出すようにし、その場合には、光ビーム入射手段、測定ユニットおよび/または光検出手段等の調整を行うようにしてもよい。
【0146】
第1から第16の実施形態に説明した測定装置における傾き測定および該傾き補正は、界面の縦方向への傾きのみを検出してそれによる誤差を補正するものであったが、界面11aの傾きには、光ビームL1の入射角度を変化させる縦方向の傾きの他、該入射角度の変化方向を含む面に垂直な方向に光ビームL1の入射位置を変化させる横方向の傾きがある。横方向の傾きは、界面で全反射する光ビームL1の、フォトダイオードの並び方向に垂直な方向へのずれにつながり、光ビームL1が光検出手段17で受光できなくなる場合を生じさせる。ずれが小さく、光ビームL1を受光可能な範囲であればよいが、受光不可能となるのを防ぐため、以下に説明する実施形態においては、縦横方向の傾きを検出する縦横傾き検出手段と、縦横方向への傾きを補正する補正手段を備えてなる。
【0147】
図26を参照して本発明の第17の実施形態について説明する。
【0148】
この第17の実施形態の測定装置は、第1の実施形態に示した表面プラズモンセンサーと略同一であるが、界面の縦方向の傾きに加えて横方向の傾きを検出可能としたものであり、界面11aの傾き測定用の第2の光ビームL2を、上記誘電体ブロック11の界面11aで全反射するように、該誘電体ブロック11に入射させる第2の光ビーム入射手段32と、該第2の光ビーム入射手段32から出力され、界面11aで反射された第2の光ビームL2を検出する第2の光検出手段130とからなる縦横傾き測定手段および傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための手段を備えている。
【0149】
第2の光検出手段130は、例えば4分割フォトダイオードからなる位置センサであり、受光面上に入射する光ビームL2の二次元的な位置変動を検出するものである。図27は第2の光検出手段130の受光面を模式的に示した図である。図示のとおり、第2の光検出手段130は4つのフォトダイオードPD1,PD2,PD3,PD4からなり、入射した光ビームの各フォトダイオードで受光した光量から位置を検出するものである。具体的には、x方向のずれ(界面の縦方向の傾き)はPD1とPD3の加算信号とPD2とPD4の加算信号との差分から求めることができ、y方向のずれ(界面の横方向の傾き)はPD1とPD2の加算信号とPD3とPD4の加算信号との差分から求めることができる。
【0150】
なお、ここで用いる傾き測定用の第2の光ビームL2は、光ビームL1と偏光方向が異なるようにs偏光で界面に入射するように設定されている。
【0151】
傾きによる誤差を補正するための手段は、横方向の傾きに起因する光ビームL1の光検出手段17上における受光位置の矢印y方向のずれを補正する横方向調整手段としての、光検出手段17を矢印y方向に移動させて位置調整する位置調整手段と、縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とからなる。
【0152】
すなわち、位置調整手段は、y方向に可動とされた光検出手段17と、該光検出手段17を調整するために移動させる駆動手段135とからなり、該駆動手段135は、傾き測定用の第2の光検出手段130からの信号を得て光ビームL2のy方向へのずれを求める信号処理部20からの指示により光検出手段17を移動調節する。また、演算手段は信号処理部20により構成されており、前述の第1の実施形態の場合と同様に、信号処理部20が、第2の光検出手段130からの信号を得て、光ビームL2のx方向へのずれを求め、プラズモン共鳴信号を検出する光検出手段17からの信号に、界面11aの傾きを補正するための補正信号を加算することにより界面11aの傾きによる誤差を補正した正確な測定値を得る。具体的な演算は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0153】
傾きの測定および位置調整等は以下のようにして行う。まず、試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段32により界面11aに入射された第2の光ビームL2が該界面11aで反射された反射光が図27に実線で示すように第2の光検出手段130の中心で受光されるようにセッティングしておく。2回目の測定時に、第2の光ビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からのy方向へのずれ(界面の横方向の傾き)を検出し、該y方向へのずれに応じて光検出手段17のy方向の位置調整を行う。第2の光ビームL2を受光した第2の光検出手段130からの信号から得られたずれ量に基づいて光検出手段17のみ位置調整するようにしてもよいし、光検出手段17と第2の光検出手段130を連動して移動するようにしておき、第2の光検出手段130のy方向中心で第2の光ビームL2が受光されるように位置調整するようにしてもよい。その後、第2の光ビームL2のx方向へのずれ(界面の縦方向の傾き)を検出し、該ずれ量に基づいて、信号処理部20において、界面11aの縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。
【0154】
3回目以降の測定においても同様に第2の光検出手段130で受光された第2の光ビームL2の位置に応じて、光検出手段17の横方向の位置調整を行ってから全反射減衰の状態を測定し、縦方向の傾きによる誤差を補正した測定値を得る。これにより、界面11aの縦横への傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0155】
次に、本発明の第18の実施形態を図28を参照して説明する。
【0156】
この第18の実施形態の測定装置は、第17の実施形態に示した表面プラズモンセンサーと略同一であるが、縦横方向の傾きによる誤差を補正する手段が異なるものである。本実施形態においては、界面の横方向の傾きおよち縦方向の傾きを同時に解消するものであり、縦横への傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための縦横傾き調整手段として、第1の光検出手段17を図中矢印x方向および紙面に垂直なy方向に二次元的に移動させて位置調整する位置調整手段を備えてなるものである。すなわち、位置調整手段は、xy方向に可動とされた光検出手段17と、該光検出手段17を調整するために移動させる駆動手段136とからなり、該駆動手段136は、傾き測定用の第2の光検出手段からの信号を得て光ビームL2のずれを求める信号処理部20からの指示により光検出手段17を移動調節する。
【0157】
縦横傾きの測定および位置調整は以下のようにして行う。まず、試料15について第1回目の測定時に、第2の光ビーム入射手段32により界面11aに入射された第2の光ビームL2が該界面11aで反射された反射光が図4に実線で示すように第2の光検出手段130の中心で受光されるようにセッティングしておく。2回目の測定時に、第2の光ビームL2の反射光を検出し、1回目の検出位置からのずれを検出し、該ずれに応じて光検出手段17のxy方向の位置調整を行う。第2の光ビームL2を受光した第2の光検出手段130からの信号から得られたずれ量に基づいて光検出手段17のみ位置調整するようにしてもよいし、光検出手段17と第2の光検出手段130を連動して移動するようにしておき、第2の光検出手段130の中心で第2の光ビームL2が受光されるように位置調整するようにしてもよい。
【0158】
3回目以降の測定においても同様に第2の光検出手段130で受光された第2の光ビームL2の位置に応じて、光検出手段17の位置調整を行ってから全反射減衰の状態を測定する。これにより、界面11aの縦横への傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。
【0159】
なお、複数回の測定を行う際に各測定時の界面が互いに傾きを有することとなる原因としては、上述のような測定チップを再セッティングする場合のみならず、測定チップを支持する支持台の回転(移動)による場合、該支持台や、測定を行うための光源、光検出器等の配置を移動させた場合等が挙げられ、これらの場合に生ずる界面の縦横の傾きについても上述の場合と同様に、界面の縦横の傾きを測定して該傾きに応じて補正した測定値を得ることにより信頼性の高い測定を行うことができる。
【0160】
また、試料についての全反射減衰の状態を測定するに際して測定チップ10への試料液15の分注前に、測定チップ10についての全反射減衰の状態を測定しておき、試料液15の分注後の測定値から測定チップ10のバルク効果を差し引くようにして、試料液15のみによる全反射減衰角の変化を測定する場合、試料液15の分注前後に界面11aの縦横の傾きが生じると測定値の信頼性が損なわれる。このような場合にも界面の縦横の傾きを測定して該傾きに応じて補正した測定値を得るようにすれば信頼性の高い測定を行うことができる。
【0161】
次に、図29を参照して本発明の第19の実施形態について説明する。
【0162】
図29に示す第19の実施形態の測定装置として示すプラズモンセンサーにおいては、界面の縦横の傾きによる誤差を補正するための手段として、光検出手段17の位置調整ではなく、光ビーム入射手段1による入射角度および入射位置を調整する光ビーム調整手段を備えてなるものである。光ビーム調整手段は、光源2からの光ビームL1を反射させる面を有すると共に、該反射面を縦横に回転可能とされたチルトミラー138と、該チルトミラー138を駆動させる駆動手段139とからなり、該駆動手段139は、信号処理部20からの指示によりミラー138を回転させ光ビームの入射角度および入射位置を調整する。なお、本実施形態の光ビーム入射手段1は、光源2から出射した小径の光ビームを凹レンズ5で拡散させる構成である。
【0163】
このように、縦横傾き測定手段により得られた界面の縦方向および横方向の傾きに応じて、光ビームの入射角度および入射位置を調整することにより、界面の縦横の傾きを補償した測定結果を得ることができる。
【0164】
なお、上記のように、光検出手段17、あるいは光ビーム入射手段1を調整するほか、測定チップ10自体を傾ける等して界面の縦方向および横方向の傾きを補正するように調整してもよい。また、さらには、光検出手段17、光ビーム入射手段1、測定チップ10のすべてもしくは任意の2つの位置等を調整することにより、全体として界面の縦方向および横方向の傾きを補償した測定値を得るようにしてもよい。
【0165】
次に、図30を参照して本発明の第20の実施形態について説明する。
【0166】
この第20実施形態の測定装置は、先に説明した第4の実施形態と同様の漏洩モードセンサーであるが、界面の縦方向の傾きに加えて横方向の傾きを検出可能としたものであり、第2の光検出手段130として4分割フォトダイオードからなる位置センサを備えた縦横傾き測定手段および傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための手段を備えている。
【0167】
傾きを補正するための手段は、第17の実施形態の表面プラズモンセンサーの場合と同様であり、xy方向に可動とされた光検出手段17と該光検出手段17を駆動する駆動手段136とからなる位置調整手段からなり、測定毎に界面の傾きを検出し、該傾きに応じた光検出手段17の位置調整を行うことにより、界面11aの傾きが補償された測定値を得ることができ、より精密な測定を行うことができる。ただし、ここで用いる傾き測定用の第2の光ビームL2は、全反射減衰測定用の光ビームL1と異なる波長を有するものである。
【0168】
次に、図31を参照して本発明の第21の実施形態について説明する。
【0169】
この第21の実施形態の測定装置は、先に説明した第5の実施形態と同様の表面プラズモンセンサーであり、測定ユニットとして、紙面に垂直な方向に延びる三角柱のプリズム50と、このプリズム50上面に屈折率マッチングオイル52を介して接合された誘電体プレート55とからなるものが用いられたものである。本実施形態においては、界面の縦方向の傾きに加えて横方向の傾きを検出可能としたものであり、第17の実施形態と同様に、界面11aの傾き測定用の第2の光ビームL2を、上記誘電体ブロック11の界面11aで全反射するように該誘電体ブロック11に入射させる第2の光ビーム入射手段32と、該第2の光ビーム入射手段32から出力され、界面11aで反射された第2の光ビームL2を検出する4分割フォトダイオードからなる第2の光検出手段130とを備えた縦横傾き測定手段および傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための手段を備えており、界面の縦横の傾きによる誤差を補償した測定値を得ることができる。
【0170】
その他、第7から第16の各実施形態(ただし第11の実施形態を除く)において説明した測定装置において、例えば図32から図34に示すように、第2の光検出手段130として、1次元のフォトダイオードアレイに代えて、4分割フォトダイオードあるいは抵抗型光検出器等の2次元センサを備え、第1の光検出手段17をxy方向に可動とし、該光検出手段17を駆動し位置調整を行う駆動手段136を備えれば、界面11aの縦方向の傾きのみならず横方向の傾きを検出することができ、縦横方向の傾きによる誤差を補償した精度よい測定値を得ることができる。
【0171】
なお、上述の各実施形態の測定装置は、光源からの光ビームを界面に対して種々の角度で入射させ、該界面からの反射光を測定し暗線となる入射角度から全反射減衰の状態を測定して被検体とセンシング媒体との結合状態を得るものであるが、光ビームの入射角度を界面で全反射条件を満たす所定の角度とし、種々の波長を有する光ビームを入射させる、もしくは入射させる光ビームの波長を変化させ、界面からの反射光を測定し、各波長毎の全反射減衰の状態により被検体とセンシング媒体との結合状態を得るようにしてもよい。
【0172】
また、さらに別の全反射光を利用した測定装置を第22の実施形態として以下に説明する。
【0173】
図35に側面形状を示すように、本実施の形態の表面プラズモンセンサーは、測定ユニットとして第1の実施形態と同様の測定チップ10を備え、該測定チップ10は、傾き補正ステージを兼ねた測定ユニット支持台300上に配置されている。
【0174】
測定チップ10の誘電体ブロック11の光ビーム入射面11b側および出射面11c側にそれぞれ、光源320とCCD360とが配設されており、これら光源320とCCD360との間には、コリメータレンズ350、干渉光学系、集光レンズ355およびアパーチャー356が配設されている。
【0175】
上記干渉光学系は、偏光フィルタ351、ハーフミラー352、ハーフミラー353およびミラー354により構成されている。
【0176】
さらに、CCD360は信号処理部361に接続されており、信号処理部361は表示部362に接続されている。
【0177】
本測定装置においては、第18の実施形態の測定装置と同様の、界面11aの傾き測定用の第2の光ビームL2を、上記誘電体ブロック11の界面11aで全反射するように、該誘電体ブロック11に入射させる第2の光ビーム入射手段32と、該第2の光ビーム入射手段32から出力され、界面11aで反射された第2の光ビームL2を検出する第2の光検出手段130とからなる縦横傾き測定手段および傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための手段を備えている。測定チップ10の支持台300が、縦横への傾きによる誤差(測定不良を含む)を補正するための縦横傾き調整手段である傾き用ステージを兼ねており、この傾き補正用ステージが信号処理部361からの指示により測定チップ10の位置調整を行う。
【0178】
以下、本実施の形態の表面プラズモンセンサーにおける試料の測定について説明する。
【0179】
光源320が駆動されて光ビーム330が発散光の状態で出射される。この光ビーム330はコリメータレンズ350により平行光化されて偏光フィルタ351に入射する。偏光フィルタ351を透過して界面11aに対してp偏光で入射するようにされた光ビーム330は、ハーフミラー352により一部がレファレンス光ビーム330Rとして分割され、ハーフミラー352を透過した残りの光ビーム330Sは界面11aに入射する。界面11aで全反射した光ビーム330Sおよびミラー354で反射したレファレンス光ビーム330Rはハーフミラー353に入射して合成される。合成された光ビーム330´は集光レンズ355により集光され、アパーチャー356を通過してCCD360によって検出される。このとき、CCD360で検出される光ビーム330´は、光ビーム330Sとレファレンス光ビーム330Rとの干渉の状態に応じて干渉縞を発生させる。
【0180】
試料15分注後から継続的に複数回測定し、CCD360により検出される干渉縞の変化を検出することにより、試料中の特定物質とセンシング媒体との結合の有無を検出することができる。つまりこの場合は、上記特定物質とセンシング媒体30との結合状態に応じてセンシング媒体30の屈折率が変化すると、界面11aで全反射した光ビーム330Sおよびレファレンス光ビーム330Rがハーフミラー353により合成される際に、干渉の状態が変化するため、上記干渉縞の変化に応じて結合を検出することができる。
【0181】
信号処理部361は、以上の原理に基づいて上記反応の有無を検出し、その結果が表示部362に表示される。
【0182】
本装置における界面11aの傾きの検出方法は第18の実施形態の場合と同様である。測定回毎に第2の光検出手段130により検出された傾きに応じて信号処理部361の指示により傾き補正用ステージ300が駆動されてチップ10の傾きを調整し、界面11aの縦横の傾きの補正を行う。このように測定チップ10の界面11aの位置調整を行うので、精度よい測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図2】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を示すブロック図
【図3】上記表面プラズモンセンサーにおける光ビーム入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図
【図4】本発明の第2の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図5】本発明の第3の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図6】本発明の第4の実施形態による漏洩モードセンサーの側面図
【図7】本発明の第5の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図8】第5の実施形態による表面プラズモンセンサーにおける反射光強度分布を示す図
【図9】本発明の第6の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図10】第6の実施形態による表面プラズモンセンサーにおける反射光強度分布を示す図
【図11】本発明の第7の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図12】本発明の第8の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図13】本発明の第9の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図14】本発明の第10の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図15】本発明の第11の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図16】第11の実施形態による表面プラズモンセンサーの傾き測定手段を説明するための図
【図17】本発明の第12の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図18】本発明の第13の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図19】本発明の第14の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図20】本発明の第15の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図21】第15の実施形態による表面プラズモンセンサーの変形例
【図22】第15の実施形態による表面プラズモンセンサーの変形例
【図23】第15の実施形態による表面プラズモンセンサーの変形例
【図24】第15の実施形態による表面プラズモンセンサーの変形例
【図25】本発明の第16の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図26】本発明の第17の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図27】第2の光検出手段の受光面を示す図
【図28】本発明の第18の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図29】本発明の第19の実施形態による漏洩モードセンサーの側面図
【図30】本発明の第20の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図31】本発明の第21の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図32】本発明の他の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図33】本発明の他の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図34】本発明の他の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【図35】本発明の第22の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面図
【符号の説明】
1 光ビーム入射光学手段
2 光源
10 測定チップ
11 誘電体ブロック
11a 誘電体ブロックと金属膜との界面
12 金属膜
13 検体保持部
15 試料
16 コリメーターレンズ
17 光検出手段(フォトダイオードアレイ)
17a、17b、17c…… フォトダイオード
18 差動アンプアレイ
18a、18b、18c…… 差動アンプ
19 ドライバ
20 信号処理部
21 表示手段
22a、22b、22c…… サンプルホールド回路
23 マルチプレクサ
24 A/D変換器
25 駆動回路
26 コントローラ
30 センシング媒体
31 ターンテーブル
32 第2の光ビーム入射手段
37 第2の光検出手段
40 クラッド層
41 光導波層
50 プリズム
52 屈折率マッチングオイル
55 誘電体プレート
56 金属膜
57 誘電体プレートと金属膜との界面
58 試料
60 遮蔽物

Claims (27)

  1. 透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
    前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
    同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する測定装置において、
    前記複数回の測定の間における前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
    該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
  2. 透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
    前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
    同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射光の状態の変化を検出する測定装置において、
    前記複数回の測定の間における前記界面の前記入射角度を変化させる縦方向の傾きを測定する縦傾き測定手段と、
    該縦傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦方向調整手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
  3. 前記光ビーム入射手段および前記光検出手段が、前記界面に対して種々の入射角度で光ビームを入射させ、該界面に所定の入射角度で入射される際に発生する全反射減衰の状態を測定するように構成されたものであり、
    前記光ビームが、前記界面に種々の角度で入射する成分を含み、該界面に対する入射角度の変化方向に所定の光量分布を有する1本の光ビームであり、
    前記縦傾き測定手段が、該光ビームの少なくとも一部の前記測定ユニットの一部による反射を利用して前記縦方向の傾きを測定するものであることを特徴とする請求項1または2記載の測定装置。
  4. 前記縦傾き測定手段が、前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分を利用して前記縦方向の傾きを測定するものであることを特徴とする請求項3項記載の測定装置。
  5. 前記縦傾き測定手段が、前記光検出手段で受光した前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分のうち前記入射角度の変化に伴い大きく光量の変化が生じる部分の、反射光強度と検出位置との関係から前記縦方向の傾きを測定するものであることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  6. 前記縦傾き測定手段が、前記光ビームの、前記全反射減衰の測定範囲外の成分の一部を暗線として前記界面に入射せしめ、前記光検出手段により前記光ビームの反射光の成分の中に含まれる暗線の位置を検出することにより前記縦方向の傾きを測定するものであることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  7. 前記縦傾き測定手段が、前記測定ユニットの一部で反射した前記光ビームの少なくとも一部を収束させる収束レンズと、
    該収束レンズにより収束された光ビームを受光して該光ビームの位置を検出する第2の光検出手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の測定装置。
  8. 前記光ビームが、複数の偏光成分を含むものであり、
    前記第2の光検出手段が、前記光ビームの前記所定の偏光成分以外の成分を受光して該光ビームの位置を検出するものであることを特徴とする請求項7記載の測定装置。
  9. 前記縦傾き測定手段が、前記収束レンズと前記第2の光検出手段との間にさらに第2のレンズを備え、
    前記収束レンズおよび前記第2のレンズの焦点距離をそれぞれf1、f2、前記光ビームの反射位置と前記光検出手段との距離をL、前記反射位置と前記収束レンズとの距離をd0、前記収束レンズと前記第2のレンズとの距離をd1、前記第2のレンズと前記第2の光検出手段間の距離をd2、前記界面の鉛直方向の移動量に基づく反射位置のシフト量をx、前記界面の縦方向の傾きをθとしたとき、
    Ltanθ+xで表される全反射減衰角の移動距離量Aと、θ{d1+d2-d1d2/f2-d0(d1/f1+d0/f1-d1d2/f1/f2-1+d2/f2)}‐x(d1/f1+d2/f1-d1d2/f1/f2-1+d2/f2)で表される前記第2の光検出手段における前記光ビームのスポット移動量Bとの関係が、
    A=BまたはA=−Bとなるように、L、d0、d1、d2、f1、f2を選択して、前記収束レンズ、前記第2のレンズおよび前記第2の光検出手段を配置したことを特徴とする請求項7または8記載の測定装置。
  10. 前記距離L、d0、d1、d2および前記焦点距離f1、f2の関係が、
    d1=f1、d2=f2、d0=f1+Lとなるように前記収束レンズ、前記第2のレンズおよび前記第2の光検出手段を設置したことを特徴とする請求項9記載の測定装置。
  11. 前記縦傾き測定手段が、前記光ビームとは異なる第2の光ビームを前記測定ユニットの一部に入射せしめる第2の光ビーム入射手段と、前記測定ユニットの一部で反射された前記第2の光ビームを受光して該第2の光ビームの位置を検出する第2の光検出手段とを備えてなることを特徴とする請求項1または2記載の測定装置。
  12. 前記第2の光ビームが、前記光ビームとは異なる波長を有するものであることを特徴とする請求項11記載の測定装置。
  13. 前記光ビームが、前記所定の偏光成分の直線偏光であり、
    前記第2の光ビームが、前記光ビームとは異なる偏光成分の直線偏光であることを特徴とする請求項11記載の測定装置。
  14. 前記測定ユニットの一部が、前記界面の縦方向の傾きに対応して傾く前記測定ユニットの所定の面であることを特徴とする請求項3から13いずれか1項記載の測定装置。
  15. 前記所定の面が、前記誘電体ブロックの前記薄膜層が形成されている前記一面の近傍に設けられた反射面であることを特徴とする請求項14記載の測定装置。
  16. 透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
    前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
    同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射減衰の状態の変化を検出する測定装置において、
    前記複数回の測定の間における前記界面の、前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
    前記縦横傾き測定手段により測定された前記横方向の傾きに応じて、該傾きに起因する前記光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれを補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する横方向調整手段と、
    前記縦横傾き測定手段により測定された前記縦方向の傾きに応じて、該傾きによる誤差を補正した測定値を得る演算手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
  17. 透明な誘電体ブロック、およびこの誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層を備えてなる測定ユニットと、
    光ビームを、前記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角度で入射させる光ビーム入射手段と、
    前記界面で全反射した光ビームの所定の偏光成分を受光する光検出手段とを備え、
    同一測定ユニットについて前記測定を複数回行い、該複数回の測定の間における全反射光の状態の変化を検出する測定装置において、
    前記複数回の測定の間における前記界面の、前記入射角度を変化させる縦方向の傾きおよび該縦方向と交わる横方向の傾きを測定する縦横傾き測定手段と、
    前記縦横傾き測定手段により測定された前記横方向の傾きおよび縦方向の傾きに応じて、前記横方向の傾きに起因する前記光ビームよる前記光検出手段による受光位置のずれ、および前記縦方向の傾きによる誤差を補正するように前記測定ユニット、前記光ビーム入射手段および/または前記光検出手段を調整する縦横方向調整手段とを備えたことを特徴とする測定装置。
  18. 前記光ビーム入射手段および前記光検出手段が、前記界面に対して種々の入射角度で光ビームを入射させ、該界面に所定の入射角度で入射される際に発生する全反射減衰の状態を測定するように構成されたものであり、
    前記光ビームが、前記界面に種々の角度で入射する成分を含み、該界面に対する入射角度の変化方向に所定の光量分布を有する1本の光ビームであり、
    前記縦横傾き測定手段が、前記測定ユニットの一部で反射した前記光ビームの少なくとも一部を収束させる収束レンズと、
    該収束レンズにより収束された光ビームを受光して該光ビームの位置を検出する二次元光検出手段とを備えたことを特徴とする請求項16または17記載の測定装置。
  19. 前記縦横傾き測定手段が、前記光ビームとは異なる第2の光ビームを前記測定ユニットの一部に入射せしめる第2の光ビーム入射手段と、前記測定ユニットの一部で反射された前記第2の光ビームを受光して該第2の光ビームの位置を検出する二次元光検出手段とを備えてなることを特徴とする請求項16または17記載の測定装置。
  20. 前記第2の光ビームが、前記光ビームとは異なる波長を有するものであることを特徴とする請求項19記載の測定装置。
  21. 前記光ビームが、前記所定の偏光成分の直線偏光であり、
    前記第2の光ビームが、前記光ビームとは異なる偏光成分の直線偏光であることを特徴とする請求項19記載の測定装置。
  22. 前記二次元光検出手段が、4分割フォトダイオードであることを特徴とする請求項18から21いずれか1項記載の測定装置。
  23. 前記二次元光検出手段が、抵抗型光検出器であることを特徴とする請求項18から21いずれか1項記載の測定装置。
  24. 前記測定ユニットの一部が、前記界面の縦方向および横方向の傾きに対応して傾く前記測定ユニットの所定の面であることを特徴とする請求項18から23いずれか1項記載の測定装置。
  25. 前記所定の面が、前記誘電体ブロックの前記薄膜層が形成されている前記一面の近傍に設けられた反射面であることを特徴とする請求項24記載の測定装置。
  26. 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射端面および出射端面と、前記薄膜層が形成される面とを全て有する1つのブロックとして形成されたものであることを特徴とする請求項1から25いずれか1項記載の測定装置。
  27. 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射端面および出射端面を有する部分と、前記薄膜層が形成される面を有する部分との2つが、屈折率マッチング手段を介して接合されてなるものであることを特徴とする請求項1から25いずれか1項記載の測定装置。
JP2002088864A 2001-03-28 2002-03-27 測定装置 Expired - Fee Related JP3903423B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002088864A JP3903423B2 (ja) 2001-03-28 2002-03-27 測定装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001093085 2001-03-28
JP2001-93085 2001-03-28
JP2002-34136 2002-02-12
JP2002034136 2002-02-12
JP2002088864A JP3903423B2 (ja) 2001-03-28 2002-03-27 測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003307488A JP2003307488A (ja) 2003-10-31
JP3903423B2 true JP3903423B2 (ja) 2007-04-11

Family

ID=29407452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002088864A Expired - Fee Related JP3903423B2 (ja) 2001-03-28 2002-03-27 測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3903423B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007015556A1 (en) * 2005-08-01 2007-02-08 Canon Kabushiki Kaisha Target substance detecting device, target substance detecting method using the same, and detecting apparatus and kit therefor
JP3974157B2 (ja) * 2005-08-30 2007-09-12 シャープ株式会社 表面プラズモンセンサー
JP4625405B2 (ja) * 2005-12-19 2011-02-02 日本電信電話株式会社 Spr測定機器
WO2016117570A1 (ja) * 2015-01-20 2016-07-28 コニカミノルタ株式会社 分析チップおよび分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003307488A (ja) 2003-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6885454B2 (en) Measuring apparatus
US7187446B2 (en) Measuring apparatus
JP2006064514A (ja) 測定ユニット
JP3903423B2 (ja) 測定装置
JP3883926B2 (ja) 測定装置
JP4149319B2 (ja) 測定装置
JP2003185568A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2006258636A (ja) 測定方法および測定装置
JP4053236B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP4170350B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP3910498B2 (ja) 測定装置
JP2005221274A (ja) 測定方法および測定装置
JP3796660B2 (ja) 全反射減衰を利用した測定装置
JP3830827B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP4475577B2 (ja) 測定装置および測定ユニット
JP3776371B2 (ja) 測定装置
JP3761079B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP4014805B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP4397782B2 (ja) 全反射減衰を利用した測定システム
JP2003075334A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2004053279A (ja) 測定チップ位置決め機構
JP3913589B2 (ja) 測定装置
JP2003065946A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2005265693A (ja) 測定装置
JP2007206056A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060508

TRDD Decision of grant or rejection written
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061205

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3903423

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140119

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees