JP2005015578A - スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法 - Google Patents

スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アポトーシスを誘導する作用、リンパ球や神経細胞を活性化する作用で注目を集めているスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の、原料としてきのこを用い、特定の溶剤を用いる製造方法を提供する。
【解決手段】きのこに、特定の溶剤またはpHをアルカリ性または酸性に調節した有機溶剤を添加し、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物を、抽出により得るための製造方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はきのこを用いたスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法に関し、さらに詳しくは、食用きのこを有機溶媒で抽出することを特徴とするスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造法に関する。本発明はこれまでスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の原料として用いられなかったきのこを原料とし、抽出に使用する溶媒組成を最適化して目的とするスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を収率よく高濃度で得ることができる方法に関する。さらに、本発明の製造方法は食品素材と食品添加物のみを用いて実施できるので、本発明のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物を機能性食品素材として用いることが可能である。
【0002】
【従来の技術】
最近の研究によれば、複合糖質、なかでも、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の顕著な生理活性が明らかにされてきた。例えば、アポトーシスの誘導(例えば非特許文献1)、免疫機能の亢進(例えば非特許文献2)等の報告が多数なされ製薬分野への応用も開発が進んでいる。
【0003】
従来、これらスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質は、ウシの脳などから抽出され、供給されていた。しかし、1986年に狂牛病が発生してからは、ヒトへの感染の可能性から、ウシの脳を原料とする製品は市場から姿を消し、植物起源のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質が販売されるようになった。植物由来のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質としては、コメ(例えば非特許文献3)および米糠(例えば特許文献1)や小麦(例えば非特許文献4)、大豆(例えば非特許文献5、例えば特許文献2)などの穀物由来または芋類(例えば特許文献3)由来のものが知られており、すでに化粧品素材や、食品添加剤としても開発が進められている。
【0004】
【非特許文献1】
古川鋼一、生化学 VOL. 74 NO. 11; PAGE.
1382; (2002)
【0005】
【非特許文献2】
宮本勝一、Neuroimmunol
VOL. 10 NO. 2; PAGE. 209−211; (2002)
【0006】
【非特許文献3】
Agric.Biol.Chem.,49,2753(1985)
【0007】
【非特許文献4】
Agric.Biol.Chem.,49,3609(1985)
【0008】
【非特許文献5】
Chem.Pharm.Bull.,38(11),2933(1990)
【0009】
【特許文献1】
特開平11−279586号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平04−282317号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2002−38183
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら、植物由来のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を得るための植物原料として、利用されているものは、現在までのところ、穀類、豆類、芋類である。穀類、豆類の場合は、脂質中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の含量が低いために、抽出した脂質中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の純度を上げるためのコストが高くなる問題点があった。また、芋類特にコンニャクの飛粉を原料として用いた場合には、油脂中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の含有量が比較的高いものの、原料中の脂質含量自体が低いため、抽出溶媒を多く使用せざるを得ず、やはりコストが高くなる問題点があった。
【0013】
これまでスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の原料となっていた牛脳に比べ、植物中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の含量が低いため、従来用いられてきた回分式の抽出法では、製品中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質濃度が低かった。また、製品中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の純度を上げるために、クロマトを用いた処理を行うと、コストが高くなり、製品の価格が高くなる欠点があった。
【0014】
スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を製造する際の抽出溶媒について、先行技術(特開2002−38183)の実施例には、メタノール、メタノール・クロロホルム混合液を使用するとの記載がある。メタノールやクロロホルムには毒性があり、これらの溶媒は食品添加物に指定されていない。よって、メタノールやクロロホルムを用いて製造した製品は、食用として使用することができず、展開分野が狭くなっていた。
【0015】
そこで、本発明はかかる実状に鑑み、アポトーシスを誘導する作用、リンパ球や神経細胞を活性化する作用で注目を集めているスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の、原料としてきのこを用い、特定の溶剤を用いる製造方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の問題点に鑑み鋭意検討した結果、きのこに有機溶剤を添加して、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物を製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、次の[1]〜[6]である。
[1] きのこに、有機溶剤を添加し、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を抽出することを特徴とするスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法。
[2] きのこに有機溶剤を添加し、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を抽出し、弱アルカリで処理してスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の濃度を高めることを特徴とするスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法。
[3] きのこがマイタケ、椎茸、エノキタケ、ナメコ等の食用きのこである上記[1]または[2]記載のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法。
[4] 有機溶媒が含水でpHを酸性またはアルカリ性に調整したエタノールである上記[1]または[2]記載のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法。
[5] スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を0.001〜5重量%含むことを特徴とする食品。
【0017】
すなわち、本発明は、きのこに、特定の溶剤またはpHをアルカリ性または酸性に調節した含水有機溶剤を添加し、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物を、抽出により得るための製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で抽出原料として好ましく用いられるきのことは種種雑多な菌類の作る大型子実体および菌糸体である。属としては、キツネタケ属Laccaria spp. 、テングタケ属 Amanitaspp. 、フウセンタケ属 Cortinarius spp. 、チチタケ属・ベニタケ属 Lactarius spp., Russulaspp. 、ヌメリイグチ属・ショウロ属 Suillus spp., Rhizopogon spp. 、セイヨウショウロタケ属 Tuberspp. であり、このうち、マイタケ、松茸、シメジ、ヒラタケ、エノキタケ、なめこ、エリンギ、ツクリタケ等の食用のきのこのうちの1種類または複数を組み合わせて抽出原料として使用する。原料として使用できる部位は、子実体、菌糸体等食用になるすべての部分である。また、栽培または天然のきのこを適宜組み合わせて抽出原料とすることができる。
【0019】
本発明で抽剤として使用する有機溶媒としては、アルコール類、クロロフォルム、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、酢酸エチルなどが挙げられる。なかでも食品製造に使用できるグレードのエタノール、ヘキサン、アセトンが好ましく、より好ましくはエタノールを抽出溶媒として用いる。エタノールやアセトンは水分を含んでいても使用することができ、またこれらは互いに溶け合う組成の範囲内であれば、2種類以上を混合して使用することもできる。エタノールやアセトンは水を加えるとともに、pHを酸性またはアルカリ性に調整して抽出効率を上げることができる。本発明において、抽出原料と溶媒の比率は原料100重量部に対して溶媒を100から2000重量部、好ましくは200から700重量部である。抽出原料と溶媒の比率が原料100重量部に対して溶媒が100重量部未満では、原料全体に溶媒が行きわたらないため、効果的な抽出が行えない。また、抽出原料と溶媒の比率が原料100重量部に対して溶媒が2000重量部を越えても抽出物の収量が増えず、溶媒の消費が増える分コストアップ要因となる。
【0020】
本発明において、有機溶剤に水を添加して、抽出効率を上げることができる。水の添加量は、溶媒100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜30重量部である。水の添加量が溶媒100重量部に対して0.1重量部未満では、水を添加したことによる抽出効率の向上が認められない。また、水の添加量が溶媒100重量部に対して200重量部よりも多くなると、溶剤の極性が高くなりすぎるため、目的のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の溶出が不十分となる。
【0021】
本発明において、有機溶剤のpHを調節して、抽出効率を上げることができる。pH調節の目的で、塩酸、酢酸、クエン酸等の酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを適宜組み合わせて使用する。製造したスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物を食品素材または食品添加物として利用する場合には、食品添加物または食品添加物の原料として法律的に認められた酸またはアルカリを使用する。
【0022】
本発明における、有機溶剤または含水有機溶剤100重量部に対する酸またはアルカリの添加量は、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。酸またはアルカリの添加量が溶媒100重量部に対して0.01重量部未満では、酸またはアルカリを添加したことによる抽出効率の向上が認められない。また、酸またはアルカリの添加量が溶媒100重量部に対して20重量部よりも多くなると、加水分解により、目的のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質が分解するので好ましくない。また、最終的なpHは、目的に応じて、任意の値に調整する。好ましくはpHを2〜13とする。
【0023】
抽出温度は、室温で構わないが、温度を使用する溶媒の沸点近傍とし、冷却管を用いたリフラックス抽出がより好ましい。たとえば、エタノールを用いた場合では、望ましくは、室温程度から70℃、さらに望ましくは室温程度から60℃の範囲がよい。抽出温度がこの範囲以下であれば、抽出効率が低下し、この範囲以上の温度をかけても抽出効率に大きな影響はなく、いたずらにエネルギー使用量が増えるのみである。
【0024】
抽出時間は、1〜24時間、望ましくは2〜10時間、さらに望ましくは2〜5時間程度である。抽出時間がこの範囲より短いと、十分に抽出が行われず、この範囲を超えていたずらに長く時間をかけて抽出を行っても、もはや、抽出量の増大は見込めない。また、抽出中撹拌またはリフラックスをすることで時間を短縮することができる。
【0025】
抽出操作は、一回のみの回分操作に限定されるものではない。抽出後の残渣に、再度新鮮な溶媒を添加し、抽出操作を施すこともできるし、抽出溶媒を、複数回、抽出原料に接触させることも可能である。すなわち、抽出操作としては、回分操作、半連続操作、向流多段接触操作のいずれの方式も使用可能である。
【0026】
次に、抽出残渣を分離除去する。分離の方法は特に限定されず、例えば、フィルタープレス、シリンダープレス、デカンター、遠心分離器などによることができる。溶媒を酸性またはアルカリ性とした場合、中和を行うことができる。
【0027】
このようにして得られた抽出液は、濃縮工程に送られる。濃縮処理は、例えば、エバポレーターのような減圧濃縮装置を用いて濃縮乾燥することができる。この濃縮処理により、黄色乃至褐色の、オイル状または蝋状の濃縮物が得られる。
【0028】
上記濃縮物について、引き続いて不純物類を取り除き、より純度を向上せしめる必要のある場合は、弱アルカリ処理する。具体的には、アルカリ性に調整した溶剤で抽出物を洗浄し、不純物を取り除く。溶剤としてエタノール、メタノール、アセトン、アセトニトリル等の有機溶剤を用い、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等でアルカリでpHを調節する。このとき、アルカリが有機溶剤に溶けにくい時には水を併用することが可能である。有機溶剤100重量部に対するアルカリの使用量は、0.001から10重量部とする。有機溶剤100重量部に対するアルカリの使用量が0.001重量部未満では、不純物を取り除く効果が認められない。また、有機溶剤100重量部に対するアルカリの使用量が10重量部よりも多くなると、目的とするスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質に加水分解が起こり好ましくない。
【0029】
本発明では、弱アルカリ処理により、抽出物中のりん脂質、脂肪酸等の夾雑物を取り除くことが可能である。例えば、上記濃縮物を水酸化カリウム5重量%エタノール溶液に溶解して攪拌して処理後、液をデカンティングなどにより水洗することにより、夾雑物のりん脂質、脂肪酸等を除去することができる。
【0030】
上記濃縮物の濃度を高めるために、クロマト処理を行うことができるが、クロマト処理を行ったときには、コストが高くなるので、コストパフォーマンスを考慮して使用の可否を選択する必要がある。
【0031】
得られたスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質は、そのまま、凍結乾燥法、スプレードライなどの方法を用いて、固体化、粉末化して用いることが出来る。
【0032】
このようにして得られた、各種形態を有したスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物は、化粧品などの塗布用基材、食品添加剤などとして用いることが出来る。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、以下の実施例に用いた測定装置・測定方法について説明する。
(1)測定方法(a)スフィンゴ糖脂質成分の存在確認、定量
供試サンプルを高速液体クロマトグラフ赤外分光光度計で分析した。高速液体クロマトグラフとしては、アジレント社製シリーズ1100、赤外分光光度計としてLC―トランスフォーム(ラボコネクション社製)を用いた。分離条件は、カラムとしてデベロシルCN3 φ2mm×150mm(野村化学株式会社)、溶離液はヘキサン98容量部、エタノール2容量部の混合液を直線的に20分間でヘキサン50容量部、エタノール50容量部に置き換えるグラジエント溶出とし、流速0.2mL/分とした。LCトランスフォームのディスク上の不揮発成分は、FT−IR(マグナIR750:サーモニコレー社製)で分析した。検量線は、標品としてセラミドC16および牛脳セレブロシド(フナコシ製)を用いて作成した。
【0034】
【実施例1】
乾燥したマイタケ石突き((有)深山園)1kgを攪拌槽に仕込み、そこにエタノール2Lと水0.4Lを加え、水酸化ナトリウムでpHを11に調整し、常温で5時間撹拌した。その後、濾過により抽出液と残渣を分離した。抽出液をエバポレーターにより濃縮し、茶褐色の蝋状濃縮物250gを得た。これを、上記測定法(a)に基づき、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の定量を行った。結果を表1に示す。
【0035】
【実施例2】
乾燥したエノキタケ1kgを攪拌槽に仕込み、そこにアセトン5Lを加え、常温で5時間撹拌した。その後、濾過により抽出液と残渣を分離した。抽出液をエバポレーターにより濃縮し、茶褐色の蝋状濃縮物358gを得た。これを、上記測定法(a)に基づき、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の定量を行った。結果を表1に示す。
【0036】
【実施例3、4】
実施例1、2で得られた抽出物100gに5重量%水酸化カリウムエタノール溶液を5L加えて溶解し、50℃で2時間反応した。反応物をエバポレーターで濃縮して得た濃縮物を水に分散して遠心分離する方法で水洗した。水洗を5回繰り返し、沈殿物を凍結乾燥し、乾燥物をそれぞれ10.5g、9.4g得た。
【0037】
【比較例1】
小麦粉1kgを攪拌槽に仕込み、実施例1と同じ方法で抽出を行い、濃黄褐色の蝋状濃縮物10.5gを得た。これを、上記測定法(a)に基づき、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の定量を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【比較例2】
コンニャクのトビ粉1kgを攪拌槽に仕込み、実施例2と同じ方法で抽出を行い、茶褐色の蝋状濃縮物2.8gを得た。これを、上記測定法(a)に基づき、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の定量を行った。結果を表1に示す。
【0039】
【比較例3】
コンニャクのトビ粉500gを攪拌槽に仕込み、そこにエタノール1.5Lを加え、常温で2時間撹拌し、濾過により抽出液と残渣を分離した。抽出液をエバポレーターにより濃縮し、茶褐色の蝋状濃縮物7.1gを得た。この濃縮物を、クロロフォルムーメタノール混液(1:1)1Lに溶かし、デカンターにて、さらに、精製水400mLを加え、分配を行った。この後クロロフォルム層をとりだし、エバポレーターにて濃縮し、濃縮物4.2gを得た。これを、上記測定法(a)に基づき、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の存在確認と定量を行った。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 2005015578
【0041】
表1に示されるように、本発明の製造法により、従来の小麦を用いたり芋類を用いた製造法と比べて抽出物の収量、抽出物中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含量ともに格段に優れたスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物を製造することができる。また、抽出物を弱アルカリ処理することにより、抽出物中のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含量を高めることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、今までスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の原料として利用されなかったきのこからスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を多量に含む抽出物を製造することができる。

Claims (5)

  1. きのこに、有機溶剤を添加し、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を抽出することを特徴とするスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法。
  2. きのこに有機溶剤を添加し、スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を抽出し、弱アルカリで処理してスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質の濃度を高めることを特徴とするスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法
  3. きのこがマイタケ、椎茸、エノキタケ、ナメコ等の食用きのこである請求項1または2記載のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法。
  4. 有機溶媒が含水でpHを酸性またはアルカリ性に調整したエタノールである請求項1または2記載のスフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質含有物の製造方法。
  5. スフィンゴ脂質および/またはスフィンゴ糖脂質を0.001〜5重量%含むことを特徴とする食品。
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