JP2005015219A - 高所作業装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吊り上げ装置の吊り上げ荷重と仮支持装置の垂直荷重の検出を兼用できる荷重検出器を高所作業装置に設ける。
【解決手段】高所作業装置に設けられた補助作業装置が、支持ブラケット42と、支持ブラケット42に取り付けられたウインチアーム43と、支持ブラケット42に枢結されウインチドラム48を支持する支持フレーム52と、ウインチドラム48により巻き取りおよび繰り出しが行われるワイヤ47と、支持ブラケット42および支持フレーム52との間に挟まれて取り付けられた荷重検出器21とから構成される。支持フレーム52が支持ブラケット42との枢結部を中心として支持ブラケット42の側に揺動するときに荷重検出器21により支持フレーム52および支持ブラケット42から受ける圧縮力を検出し、この検出値に基いて支持フレーム52に作用するワイヤ47からの張力を算出する。
【選択図】 図5
【解決手段】高所作業装置に設けられた補助作業装置が、支持ブラケット42と、支持ブラケット42に取り付けられたウインチアーム43と、支持ブラケット42に枢結されウインチドラム48を支持する支持フレーム52と、ウインチドラム48により巻き取りおよび繰り出しが行われるワイヤ47と、支持ブラケット42および支持フレーム52との間に挟まれて取り付けられた荷重検出器21とから構成される。支持フレーム52が支持ブラケット42との枢結部を中心として支持ブラケット42の側に揺動するときに荷重検出器21により支持フレーム52および支持ブラケット42から受ける圧縮力を検出し、この検出値に基いて支持フレーム52に作用するワイヤ47からの張力を算出する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基台に旋回動自在に設けられた旋回台に起伏動自在にブームを取り付け、このブームの先端部に補助作業装置(吊り上げ装置、仮支持装置等)を取り付けて構成される高所作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
配線作業等を行うための高所作業装置は、一般に走行可能な高所作業車の車体上に設けられたブームや作業台その他補助作業装置といったもので構成される。補助作業装置として、ブームの先端部に設けられた垂直ポスト部材あるいは作業台に取り付けられた吊り上げ装置や仮支持装置があり、吊り上げ装置を用いて重量物の吊り上げ作業を行ったり、仮支持装置を用いて配線作業のときに架空線をウインチアーム(サブブーム)を用いて上方に押し上げる仮支持作業を行ったりされる。
【0003】
このような補助作業装置を用いて吊り上げ作業あるいは仮支持作業を行った場合に、重量物や架空線等から補助作業装置に掛かる荷重が補助作業装置の許容荷重を超えるのを防止するため、吊り上げ作業時に吊り上げ装置に作用する吊り上げ荷重および仮支持作業時にウインチアームに垂直下方に作用する垂直荷重を検出する荷重検出器が補助作業装置に設けられることが多い。
【0004】
仮支持作業時にウインチアームに作用する垂直荷重を検出する方法として、例えば特許文献1に記載されているように、ウインチアームの基端部に取り付けられた荷重検出器を用いるものがある。この方法では、ウインチアームを上方に押し上げて支持するためにこの荷重検出器にロープが取り付けられていて、ウインチ機構によりロープを介してウインチアームが支持されたときに荷重検出器に発生する歪みの大きさからウインチアームに垂直下方に作用する垂直荷重が検出される。
【0005】
また上記の方法のほか、例えば特許文献2に記載されているように、吊り上げ装置のウインチアームを起伏動させるための伸縮動自在なアームシリンダの基端部に荷重検出器を設けてアームシリンダに作用する負荷を検出する方法がある。この方法は、荷重検出器が検出した負荷の値と、そのときのウインチアームの起伏角度と、またそのときのウインチアームの長さとから吊り上げ荷重および垂直荷重を算出する方法であって、荷重検出器が吊り上げ荷重と垂直荷重の測定を兼用できるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
登録実用新案第3058308号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3070284号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吊り上げ装置にウインチアームを起伏動させるための伸縮動自在なアームシリンダが設けられていないものもある。このような吊り上げ装置では、例えばウインチアームを垂直ポスト部材や作業台に取り付け支持するための支持部材(支持ブラケット)に複数のピン穴が設けられていて、作業者が所望の角度にウインチアームを起伏させた状態で、支持部材のピン穴と垂直ポスト部材等のピン穴とを重ねて固定用のピンを挿入し、支持部材を固定することで支持部材に取り付けられたウインチアームの起伏角度を変えることができるようになっていた。従ってこのような吊り上げ装置においては、アームシリンダの基端部に荷重検出器を設けて特許文献2に記載されているような方法で垂直荷重および吊り上げ荷重の測定を荷重検出器が兼用することは難しかった。
【0008】
一方、特許文献1に記載されているように、ウインチアームの基端部に荷重検出器を取り付け、荷重検出器に発生する歪みの大きさから垂直荷重を検出する取り付け型の荷重検出器を用いた場合には、吊り上げ作業から仮支持作業に移行する度にウインチアームの基端部にこの荷重検出器を組立・装着してウインチアームを上方に押し上げて支持するためのロープをこの荷重検出器に取り付けなけらばならず、高所作業の作業効率が悪くなる原因となっていた。
【0009】
このため、ウインチアームを起伏動させるためのアームシリンダが設けられていないような吊り上げ装置においても吊り上げ荷重や垂直荷重の検出を兼用することができ、しかも荷重検出器の組立・取り外しをする必要がなく補助作業装置に常時取り付けて作業を行うことが可能な作業効率のよい荷重検出方法が望まれていた。
【0010】
以上のような問題に鑑みて、本発明では吊り上げ装置等の補助作業装置において、吊り上げ作業時の吊り上げ荷重の検出と仮支持作業時の垂直荷重の検出とを兼用できて作業効率のよい荷重検出器を備えた高所作業装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明に係る高所作業装置(例えば、実施例における高所作業車1)は、基台(例えば、実施例における車体2)に起伏動自在に設けられたブームと、ブームの先端部に取り付けられた補助作業装置(例えば、実施例における吊り上げ装置40および仮支持装置80)とを有し、補助作業装置がブームの先端部に起伏動自在に取り付けられた支持ブラケットと、支持ブラケットに長手方向に摺動自在に取り付けられたサブブーム(例えば、実施例におけるウインチアーム43)と、支持ブラケットに支持ブラケットの起伏面内において揺動自在に枢結されたウインチ機構(例えば、実施例におけるウインチドラム48および支持フレーム52)と、ウインチ機構により巻き取りおよび繰り出しが行われるワイヤと、支持ブラケットおよびウインチ機構との間に挟まれて取り付けられた荷重検出手段(例えば、実施例における荷重検出器21)とから構成される。その上で、ウインチ機構が支持ブラケットとの枢結部を中心として支持ブラケットの側に揺動するときに荷重検出手段によりウインチ機構および支持ブラケットから受ける圧縮力を検出し、この検出値に基いてウインチ機構に作用するワイヤからの張力を算出する。
【0012】
さらに、補助作業装置が、サブブームの先端に取り付けられ支持対象を仮支持する仮支持アームとサブブームの基端に取り付けられウインチ機構から延びるワイヤの先端をサブブームに係止させるワイヤ取り付け部材(例えば、実施例におけるワイヤ取り付けピン56)とを有する仮支持装置を構成し、サブブームの先端に取り付けられた仮支持装置により支持対象を仮支持し、且つワイヤ取り付け部材に係止されたワイヤをウインチ機構により保持してサブブームを支持した状態で、荷重検出手段の検出値に基いて算出されたワイヤの張力から仮支持アームに作用する垂直荷重を算出する。
【0013】
また、上記仮支持装置に代えて補助作業装置として、サブブームの先端に取り付けられウインチ機構から吊上対象に延びるワイヤを支持するシーブを有する吊り上げ装置を用いることが可能であり、この吊り上げ装置により吊上対象を吊り上げたときに、荷重検出手段の検出値に基いて算出されたワイヤの張力から吊り上げ荷重を算出する。
【0014】
上記構成の高所作業装置によれば、補助作業装置を仮支持装置から構成するときに、ワイヤの張力から仮支持アームに作用する垂直加重を簡単に算出できる。さらに、補助作業装置に取り付けられた荷重検出器が吊り上げ作業時における吊り上げ荷重と仮支持作業時における垂直荷重の算出を兼用することができる。このため、吊り上げ作業から仮支持作業に移行したり仮支持作業から吊り上げ作業に移行する度に、作業現場において荷重検出器を組立・脱着する必要がなく、仮支持装置を用いた高所作業の作業効率が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高所作業装置の好ましい実施の形態について図1から図6を参照して説明する。図1に本発明に係る高所作業装置を装備した高所作業車の一例を示している。この高所作業車1は車体2の前後左右に前後輪3a,3bを有して走行可能であり、車体2の前部に運転キャビン2aを有したトラック車両をベースに構成される。このトラック車両の車体2上に旋回モータ14により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台4が配設されている。この旋回台4に基端部が枢結されてブーム5が取り付けられており、このブーム5は起伏シリンダ6により起伏動されるようになっている。ブーム5は、基端ブーム5a、中間ブーム5b及び先端ブーム5cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ7(以下、起伏シリンダ6と伸縮シリンダ7と旋回モータ14とを併せて「ブームアクチュエータ71」という。)によりブーム5全体がその長手軸方向に伸縮動可能に構成される。
【0016】
また、先端ブーム5cは先端にブームヘッド5dを有し、このブームヘッド5dに枢結されて垂直ポスト部材8が上下に揺動可能に取り付けられている。この垂直ポスト部材8は、先端ブーム5c先端あるいはブームヘッド5dと垂直ポスト部材8との間に配設された図示しないレベリングシリンダにより、ブーム5の起伏の如何に拘らず垂直ポスト部材8が常に垂直に延びて位置するように揺動制御が行われる。このように常時垂直に延びて保持される垂直ポスト部材8に図示しない旋回モータにより水平旋回自在(首振り自在)に作業台9が取り付けられており、作業台9はブーム5の起伏に拘らず常に水平に保持される。
【0017】
また、垂直ポスト部材8の上端部に吊り上げ装置40(補助作業装置)が設けられ、車体2の中央部には、上方に突出し全縮状態で倒伏したブーム5の下面に当接してブーム5を格納支持するブーム受け10が配設されている。さらに、車体2の前後左右の四箇所にそれぞれ車体2の左右側方に張り出し自在で車体2の下方に伸縮自在なジャッキ装置11が設けられており、高所作業を行うときには図1のようにジャッキ装置11を車体2の左右側方に張り出させてから車体2の下方に伸張させて車体2を持ち上げ状態に安定支持させる。なお吊り上げ装置40は必ずしも垂直ポスト部材8の上端部に取り付けたものに限られず、作業台9に取り付けて構成したものであってもよい。
【0018】
作業台9には、ブーム7の起伏動等の作動をさせる操作をするためのブーム操作装置12と、後述するウインチドラム48の回転駆動及びウィンチアーム43の旋回動の操作を行うためのウインチ操作装置13が取り付けられている。
【0019】
また、図2に示すように、高所作業車1には吊り上げ荷重や垂直荷重を算出するための演算処理回路31を有するコントローラ30やブームアクチュエータ71等の作動を制御するための油圧ユニット60が設けられている。この油圧ユニット60は、車体2に配設された図示しないポンプ駆動用エンジン、あるいはバッテリから供給される電力によって作動する電動モータにより駆動される図示しない油圧ポンプから吐出してブームアクチュエータ71およびウインチ駆動モータ50へ送られる作動油の流れを制御する制御バルブ等により構成される。この制御バルブは、ブーム操作装置12やウインチ操作装置13の操作による操作信号がコントローラ30に入力されると、コントローラ30からの制御信号によってバルブの開度が制御される電磁制御バルブである。そしてブームアクチュエータ71やウインチ駆動モータ50の作動は油圧ポンプから吐出される作動油を制御バルブが給排制御することで行われる。
【0020】
【第1の実施の形態】
ここで、本発明に係る高所作業装置を用いた第1の実施の形態について図3から図5を用いて説明する。まず、図3に示すように、高所作業装置に備えられた補助作業装置を吊り上げ作業を行うための吊り上げ装置40として用いた場合について説明する。この装置40では、垂直ポスト部材8の上端部に垂直ポスト部材8に対して水平旋回自在に旋回ベース14が取り付けられ、この旋回ベース14に作業者が枢結ピン41を中心として上下に揺動させて起伏動させることが可能な支持ブラケット42が枢結されている。
【0021】
この支持ブラケット42には、支持ブラケット42を旋回ベース14に取り付けるための複数のピン孔54が開いており、複数のピン孔54のうちいずれかを旋回ベース14に形成されたピン孔54に一致させた状態で固定ピン55を挿入することで、作業者が支持ブラケット42を旋回ベース14に対して所望の角度に起伏動させた状態で固定できるようになっている。
【0022】
支持ブラケット42には、ウインチアーム43が長手軸方向にスライド移動可能に取り付けられており、支持ブラケット42の起伏動にともなってウインチアーム43を起伏動させることができる。このウインチアーム43は、ウインチアーム43の側面に設けられた複数のピン孔44のうちいずれかを支持ブラケット42に形成されたピン孔44に一致させた状態で固定ピン45を挿入することで、ウインチアーム43をその長手方向にスライド移動させて所望のスライド位置に調節した状態で支持ブラケット42に固定できるようになっている。
【0023】
また、支持ブラケット42から後述するウィンチドラム48側に突出する突出部分42aにウィンチドラム48を回転自在に挟持する支持フレーム52が枢結ピン53を介して取り付けられている。この支持フレーム52は、枢結ピン53を中心としてウインチアーム44の起伏角度面内において回動自在になっている。さらに図3に示すように枢結ピン53は(すなわち支持フレーム52の回動中心は)、ウインチドラム48の回転軸からウインチアーム43の長手軸方向に沿って延ばしたL1線上の位置に位置する。
【0024】
支持フレーム52にはロープ47を巻き取りまたは繰り出し自在に構成されたウィンチドラム48が設けられている。支持フレーム52の外壁面には図示しない油圧ポンプからの油圧力により駆動するウインチ駆動モータ50が取り付けられている。このウインチ駆動モータ50が回転駆動すると、図示しない減速機を介して支持フレーム52内のウィンチドラム48に駆動力が伝達されてウィンチドラム48が回転し、ロープ47の巻き取りまたは繰り出しがなされる。
【0025】
ウィンチドラム48により巻き取りや繰り出しをされるロープ47は、ウィンチアーム43の先端部に着脱自在に取り付けられたシーブブラケット49に回転自在に取り付けられたシーブ46に掛け渡されている。シーブ46から垂下したロープ47の先端部には、重量物を懸けるためのフック51が取り付けられている。
【0026】
支持ブラケット42と支持フレーム52との間には、支持ブラケット42と支持フレーム52のいずれにも接触するように荷重検出器21(ロードセル)が取り付けられている。吊り上げ装置40が重量物を吊り上げたとき、ウインチドラム48を介してロープ47を繰り出そうとする向きに支持フレーム52に作用する張力T(すなわち吊り上げ荷重W)により支持フレーム52が枢結ピン53を中心として支持ブラケット42の方向に回動しようとする。このとき、支持ブラケット42および支持フレーム52に挟まれた荷重検出器21がこれらから押圧され、荷重検出器21は押圧されるときの圧縮力を検出して荷重信号(アナログ信号)を出力する。
【0027】
また、高所作業装置に備えられた補助作業装置は配線作業等のときの仮支持作業を行うための仮支持装置80として用いることも可能である。図4に示すように、この装置80では、作業者がウィンチアーム43の先端部からシーブブラケット49を取り外して、その代わりに仮支持アーム81が取り付ける。そして、フック51をウィンチアーム43の基端部に取り付けられたワイヤ取り付けピン56に引っ掛けて、ウィンチアーム43を起仰させた状態で固定ピン55を挿入して鉛直状態に保持する。そして電線D(図では断面を示す)は、図に示すように仮支持アーム81に取り付けられた電線保持具82で保持され、ウィンチドラム48の駆動によりロープ47が巻き取られるとウィンチアーム43を支持ブラケット42に対して上方に摺動させて電線Dを上方に押し上げることが可能である。
【0028】
ウィンチアーム43が電線Dを上方に押し上げて仮支持アーム81が電線Dを支持した状態で、ウインチアーム43に垂直下方に作用する垂直荷重Fに抗して駆動しているウインチドラム48がウインチアーム43を支持すると、ウインチドラム48を介してロープ47を繰り出そうとする向きに支持フレーム52に作用するロープ47の張力により、支持フレーム52が枢結ピン53を中心として支持ブラケット42の方向に回動しようとする。このため、支持ブラケット42および支持フレーム52に挟まれた荷重検出器21は押圧され、荷重検出器21は押圧されるときの圧縮力を検出して荷重信号(アナログ信号)を出力する。
【0029】
次に、以上のようにして構成される補助作業装置に備えられた荷重検出器21を用いた荷重算出方法について説明する。荷重検出器21に荷重が掛かったときに、まず、コントローラ30内の演算処理回路31が、圧縮力を受けた荷重検出器21から出力される荷重信号を検出する。そして、演算処理回路31は検出した荷重に加え、図5に示すように、荷重検出器21からL1線に延ばした垂線L2線と枢結ピン53から支持ブラケット42に向かって延ばした垂線L3線との距離X(すなわち支持フレーム52の回動半径)と、繰り出されるロープ47の延長線L4と枢結ピン53との距離Yとから(距離Xおよび距離Yはいずれも既知)、支持フレーム52に作用する捩りモーメントの釣り合いの関係により吊り上げ装置40に作用する吊り上げ荷重(すなわちロープ47に作用する張力T)もしくは仮支持作業時においてウインチアーム44に垂直下方に作用する垂直荷重(すなわち鎖線で示すロープ47´に作用する張力T´)を算出する。そして、算出された荷重はコントローラ30によって荷重表示器32に表示される。
【0030】
【第2の実施の形態】
また、上記の実施例では荷重検出手段として例えば吊り上げ装置40に取り付けたロードセル(荷重検出器21)に作用する圧縮荷重を検出する方法を用いたが、必ずしも上記のような実施形態に限定されるものではなく、以下に説明するように荷重検出手段として例えばリミットスイッチ等を吊り上げ装置40に取り付けて構成したものでもよい。
【0031】
以下にリミットスイッチを荷重検出手段として用いた場合の実施例を示す。本実施例では図6に示すようにボルト57が支持フレーム52の内側から支持ブラケット42側に延びて支持ブラケット42に装入され、支持ブラケット42の内部においてナット58で締結されている。支持フレーム52と支持ブラケット42との隙間のボルト57のねじ部には、バネ59が自然長よりも縮めた状態に被せられている。このバネ59は、支持フレーム52が支持ブラケット42の方向に枢結ピン53を中心に回動しないように支持フレーム52の外側の壁面に当接してボルト57の長手方向で支持ブラケット42とは逆の方向に付勢している。
【0032】
また、支持フレーム52の外側の壁面には、ロッド部22bが支持ブラケット42の側に延びてロッド部22bの先端が支持ブラケット42に当接するスイッチ部22aを有するリミットスイッチ22が取り付けられている。このリミットスイッチは22は、吊り上げ装置40が予め設定された荷重を吊り上げると作動するようになっている。
【0033】
吊り上げ装置40が吊り上げ作業時において重量物を吊り上げたときは、ロープ47の張力Tがウインチドラム48を介して支持フレーム52にロープ46の繰り出される向き(矢印Tの向き)に作用する。この張力Tにより、バネ58による付勢に抗して支持フレーム52が枢結ピン53を中心として支持ブラケット42の方向に回動しようとする。
【0034】
このとき予め設定された値を超える荷重(バネ58の強さを変えることで、設定荷重を変えることができる)の重量物を吊り上げると、ロープ47の張力Tにより支持フレーム52に作用する捩りモーメントが、バネ58の復元力により支持フレーム52に作用する捩りモーメントよりも大きくなる。このため、支持フレーム52が支持ブラケット42の方向に回動しようとして変位し始め、支持ブラケット42に当接しているリミットスイッチ22のスイッチ部22aが支持ブラケット42に押されてロッド部22bが図6において上動し、リミットスイッチ22はオン信号をコントローラ30に出力する。
【0035】
そして、コントローラ30は、リミットスイッチ22からのオン信号を検出することで、吊り上げ装置40が設定荷重以上の荷重を吊り上げたか否かを判断(オン信号を検出しているときは、当該設定荷重以上の荷重を吊り上げている)することができる。このため、吊り上げ装置40の許容荷重以下に設定荷重を設定すれば、吊り上げ装置40に過負荷が掛かることを防止でき、安全に作業を行うことができる。これは仮支持作業時においても同様であり、上記のような構成のリミットスイッチ22を使用することで、ウインチアーム44に垂直下方に作用する垂直荷重(すなわち、図6で鎖線で示すロープ47´に作用するT´)が設定荷重を超えたか否かを判断することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に関する高所作業装置によれば、補助作業装置を仮支持装置から構成するときに、ワイヤの張力から仮支持アームに作用する垂直加重を簡単に算出できる。さらに、補助作業装置に取り付けられた荷重検出器が吊り上げ作業時における吊り上げ荷重と仮支持作業時における垂直荷重の算出を兼用することができる。このため、吊り上げ作業から仮支持作業に移行したり仮支持作業から吊り上げ作業に移行する度に、作業現場において荷重検出器を組立・脱着する必要がなく、仮支持装置を用いた高所作業の作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業装置を備える高所作業車の斜視図である。
【図2】上記高所作業車の作動を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明に係る高所作業装置における補助作業装置を吊り上げ装置として用いる場合を示す図である。
【図4】本発明に係る高所作業装置における補助作業装置を仮支持装置として用いる場合を示す図である。
【図5】本発明に係る高所作業装置の第1の実施の形態におけるウインチ機構近傍の拡大図である。
【図6】本発明に係る高所作業装置の第2の実施の形態におけるウインチ機構近傍の拡大図である。
【符号の説明】
1 高所作業車(高所作業装置)
2 車体(基台)
5 ブーム
21 荷重検出器(荷重検出手段)
22 リミットスイッチ(荷重検出手段)
40 吊り上げ装置(補助作業装置)
42 支持ブラケット
43 ウインチアーム(サブブーム)
46 シーブ
47 ワイヤ
47´ ワイヤ
48 ウインチドラム(ウインチ機構)
52 支持フレーム(ウインチ機構)
56 ワイヤ取り付けピン(ワイヤ取り付け部材)
80 仮支持装置(補助作業装置)
81 仮支持アーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、基台に旋回動自在に設けられた旋回台に起伏動自在にブームを取り付け、このブームの先端部に補助作業装置(吊り上げ装置、仮支持装置等)を取り付けて構成される高所作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
配線作業等を行うための高所作業装置は、一般に走行可能な高所作業車の車体上に設けられたブームや作業台その他補助作業装置といったもので構成される。補助作業装置として、ブームの先端部に設けられた垂直ポスト部材あるいは作業台に取り付けられた吊り上げ装置や仮支持装置があり、吊り上げ装置を用いて重量物の吊り上げ作業を行ったり、仮支持装置を用いて配線作業のときに架空線をウインチアーム(サブブーム)を用いて上方に押し上げる仮支持作業を行ったりされる。
【0003】
このような補助作業装置を用いて吊り上げ作業あるいは仮支持作業を行った場合に、重量物や架空線等から補助作業装置に掛かる荷重が補助作業装置の許容荷重を超えるのを防止するため、吊り上げ作業時に吊り上げ装置に作用する吊り上げ荷重および仮支持作業時にウインチアームに垂直下方に作用する垂直荷重を検出する荷重検出器が補助作業装置に設けられることが多い。
【0004】
仮支持作業時にウインチアームに作用する垂直荷重を検出する方法として、例えば特許文献1に記載されているように、ウインチアームの基端部に取り付けられた荷重検出器を用いるものがある。この方法では、ウインチアームを上方に押し上げて支持するためにこの荷重検出器にロープが取り付けられていて、ウインチ機構によりロープを介してウインチアームが支持されたときに荷重検出器に発生する歪みの大きさからウインチアームに垂直下方に作用する垂直荷重が検出される。
【0005】
また上記の方法のほか、例えば特許文献2に記載されているように、吊り上げ装置のウインチアームを起伏動させるための伸縮動自在なアームシリンダの基端部に荷重検出器を設けてアームシリンダに作用する負荷を検出する方法がある。この方法は、荷重検出器が検出した負荷の値と、そのときのウインチアームの起伏角度と、またそのときのウインチアームの長さとから吊り上げ荷重および垂直荷重を算出する方法であって、荷重検出器が吊り上げ荷重と垂直荷重の測定を兼用できるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
登録実用新案第3058308号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3070284号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吊り上げ装置にウインチアームを起伏動させるための伸縮動自在なアームシリンダが設けられていないものもある。このような吊り上げ装置では、例えばウインチアームを垂直ポスト部材や作業台に取り付け支持するための支持部材(支持ブラケット)に複数のピン穴が設けられていて、作業者が所望の角度にウインチアームを起伏させた状態で、支持部材のピン穴と垂直ポスト部材等のピン穴とを重ねて固定用のピンを挿入し、支持部材を固定することで支持部材に取り付けられたウインチアームの起伏角度を変えることができるようになっていた。従ってこのような吊り上げ装置においては、アームシリンダの基端部に荷重検出器を設けて特許文献2に記載されているような方法で垂直荷重および吊り上げ荷重の測定を荷重検出器が兼用することは難しかった。
【0008】
一方、特許文献1に記載されているように、ウインチアームの基端部に荷重検出器を取り付け、荷重検出器に発生する歪みの大きさから垂直荷重を検出する取り付け型の荷重検出器を用いた場合には、吊り上げ作業から仮支持作業に移行する度にウインチアームの基端部にこの荷重検出器を組立・装着してウインチアームを上方に押し上げて支持するためのロープをこの荷重検出器に取り付けなけらばならず、高所作業の作業効率が悪くなる原因となっていた。
【0009】
このため、ウインチアームを起伏動させるためのアームシリンダが設けられていないような吊り上げ装置においても吊り上げ荷重や垂直荷重の検出を兼用することができ、しかも荷重検出器の組立・取り外しをする必要がなく補助作業装置に常時取り付けて作業を行うことが可能な作業効率のよい荷重検出方法が望まれていた。
【0010】
以上のような問題に鑑みて、本発明では吊り上げ装置等の補助作業装置において、吊り上げ作業時の吊り上げ荷重の検出と仮支持作業時の垂直荷重の検出とを兼用できて作業効率のよい荷重検出器を備えた高所作業装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明に係る高所作業装置(例えば、実施例における高所作業車1)は、基台(例えば、実施例における車体2)に起伏動自在に設けられたブームと、ブームの先端部に取り付けられた補助作業装置(例えば、実施例における吊り上げ装置40および仮支持装置80)とを有し、補助作業装置がブームの先端部に起伏動自在に取り付けられた支持ブラケットと、支持ブラケットに長手方向に摺動自在に取り付けられたサブブーム(例えば、実施例におけるウインチアーム43)と、支持ブラケットに支持ブラケットの起伏面内において揺動自在に枢結されたウインチ機構(例えば、実施例におけるウインチドラム48および支持フレーム52)と、ウインチ機構により巻き取りおよび繰り出しが行われるワイヤと、支持ブラケットおよびウインチ機構との間に挟まれて取り付けられた荷重検出手段(例えば、実施例における荷重検出器21)とから構成される。その上で、ウインチ機構が支持ブラケットとの枢結部を中心として支持ブラケットの側に揺動するときに荷重検出手段によりウインチ機構および支持ブラケットから受ける圧縮力を検出し、この検出値に基いてウインチ機構に作用するワイヤからの張力を算出する。
【0012】
さらに、補助作業装置が、サブブームの先端に取り付けられ支持対象を仮支持する仮支持アームとサブブームの基端に取り付けられウインチ機構から延びるワイヤの先端をサブブームに係止させるワイヤ取り付け部材(例えば、実施例におけるワイヤ取り付けピン56)とを有する仮支持装置を構成し、サブブームの先端に取り付けられた仮支持装置により支持対象を仮支持し、且つワイヤ取り付け部材に係止されたワイヤをウインチ機構により保持してサブブームを支持した状態で、荷重検出手段の検出値に基いて算出されたワイヤの張力から仮支持アームに作用する垂直荷重を算出する。
【0013】
また、上記仮支持装置に代えて補助作業装置として、サブブームの先端に取り付けられウインチ機構から吊上対象に延びるワイヤを支持するシーブを有する吊り上げ装置を用いることが可能であり、この吊り上げ装置により吊上対象を吊り上げたときに、荷重検出手段の検出値に基いて算出されたワイヤの張力から吊り上げ荷重を算出する。
【0014】
上記構成の高所作業装置によれば、補助作業装置を仮支持装置から構成するときに、ワイヤの張力から仮支持アームに作用する垂直加重を簡単に算出できる。さらに、補助作業装置に取り付けられた荷重検出器が吊り上げ作業時における吊り上げ荷重と仮支持作業時における垂直荷重の算出を兼用することができる。このため、吊り上げ作業から仮支持作業に移行したり仮支持作業から吊り上げ作業に移行する度に、作業現場において荷重検出器を組立・脱着する必要がなく、仮支持装置を用いた高所作業の作業効率が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高所作業装置の好ましい実施の形態について図1から図6を参照して説明する。図1に本発明に係る高所作業装置を装備した高所作業車の一例を示している。この高所作業車1は車体2の前後左右に前後輪3a,3bを有して走行可能であり、車体2の前部に運転キャビン2aを有したトラック車両をベースに構成される。このトラック車両の車体2上に旋回モータ14により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台4が配設されている。この旋回台4に基端部が枢結されてブーム5が取り付けられており、このブーム5は起伏シリンダ6により起伏動されるようになっている。ブーム5は、基端ブーム5a、中間ブーム5b及び先端ブーム5cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ7(以下、起伏シリンダ6と伸縮シリンダ7と旋回モータ14とを併せて「ブームアクチュエータ71」という。)によりブーム5全体がその長手軸方向に伸縮動可能に構成される。
【0016】
また、先端ブーム5cは先端にブームヘッド5dを有し、このブームヘッド5dに枢結されて垂直ポスト部材8が上下に揺動可能に取り付けられている。この垂直ポスト部材8は、先端ブーム5c先端あるいはブームヘッド5dと垂直ポスト部材8との間に配設された図示しないレベリングシリンダにより、ブーム5の起伏の如何に拘らず垂直ポスト部材8が常に垂直に延びて位置するように揺動制御が行われる。このように常時垂直に延びて保持される垂直ポスト部材8に図示しない旋回モータにより水平旋回自在(首振り自在)に作業台9が取り付けられており、作業台9はブーム5の起伏に拘らず常に水平に保持される。
【0017】
また、垂直ポスト部材8の上端部に吊り上げ装置40(補助作業装置)が設けられ、車体2の中央部には、上方に突出し全縮状態で倒伏したブーム5の下面に当接してブーム5を格納支持するブーム受け10が配設されている。さらに、車体2の前後左右の四箇所にそれぞれ車体2の左右側方に張り出し自在で車体2の下方に伸縮自在なジャッキ装置11が設けられており、高所作業を行うときには図1のようにジャッキ装置11を車体2の左右側方に張り出させてから車体2の下方に伸張させて車体2を持ち上げ状態に安定支持させる。なお吊り上げ装置40は必ずしも垂直ポスト部材8の上端部に取り付けたものに限られず、作業台9に取り付けて構成したものであってもよい。
【0018】
作業台9には、ブーム7の起伏動等の作動をさせる操作をするためのブーム操作装置12と、後述するウインチドラム48の回転駆動及びウィンチアーム43の旋回動の操作を行うためのウインチ操作装置13が取り付けられている。
【0019】
また、図2に示すように、高所作業車1には吊り上げ荷重や垂直荷重を算出するための演算処理回路31を有するコントローラ30やブームアクチュエータ71等の作動を制御するための油圧ユニット60が設けられている。この油圧ユニット60は、車体2に配設された図示しないポンプ駆動用エンジン、あるいはバッテリから供給される電力によって作動する電動モータにより駆動される図示しない油圧ポンプから吐出してブームアクチュエータ71およびウインチ駆動モータ50へ送られる作動油の流れを制御する制御バルブ等により構成される。この制御バルブは、ブーム操作装置12やウインチ操作装置13の操作による操作信号がコントローラ30に入力されると、コントローラ30からの制御信号によってバルブの開度が制御される電磁制御バルブである。そしてブームアクチュエータ71やウインチ駆動モータ50の作動は油圧ポンプから吐出される作動油を制御バルブが給排制御することで行われる。
【0020】
【第1の実施の形態】
ここで、本発明に係る高所作業装置を用いた第1の実施の形態について図3から図5を用いて説明する。まず、図3に示すように、高所作業装置に備えられた補助作業装置を吊り上げ作業を行うための吊り上げ装置40として用いた場合について説明する。この装置40では、垂直ポスト部材8の上端部に垂直ポスト部材8に対して水平旋回自在に旋回ベース14が取り付けられ、この旋回ベース14に作業者が枢結ピン41を中心として上下に揺動させて起伏動させることが可能な支持ブラケット42が枢結されている。
【0021】
この支持ブラケット42には、支持ブラケット42を旋回ベース14に取り付けるための複数のピン孔54が開いており、複数のピン孔54のうちいずれかを旋回ベース14に形成されたピン孔54に一致させた状態で固定ピン55を挿入することで、作業者が支持ブラケット42を旋回ベース14に対して所望の角度に起伏動させた状態で固定できるようになっている。
【0022】
支持ブラケット42には、ウインチアーム43が長手軸方向にスライド移動可能に取り付けられており、支持ブラケット42の起伏動にともなってウインチアーム43を起伏動させることができる。このウインチアーム43は、ウインチアーム43の側面に設けられた複数のピン孔44のうちいずれかを支持ブラケット42に形成されたピン孔44に一致させた状態で固定ピン45を挿入することで、ウインチアーム43をその長手方向にスライド移動させて所望のスライド位置に調節した状態で支持ブラケット42に固定できるようになっている。
【0023】
また、支持ブラケット42から後述するウィンチドラム48側に突出する突出部分42aにウィンチドラム48を回転自在に挟持する支持フレーム52が枢結ピン53を介して取り付けられている。この支持フレーム52は、枢結ピン53を中心としてウインチアーム44の起伏角度面内において回動自在になっている。さらに図3に示すように枢結ピン53は(すなわち支持フレーム52の回動中心は)、ウインチドラム48の回転軸からウインチアーム43の長手軸方向に沿って延ばしたL1線上の位置に位置する。
【0024】
支持フレーム52にはロープ47を巻き取りまたは繰り出し自在に構成されたウィンチドラム48が設けられている。支持フレーム52の外壁面には図示しない油圧ポンプからの油圧力により駆動するウインチ駆動モータ50が取り付けられている。このウインチ駆動モータ50が回転駆動すると、図示しない減速機を介して支持フレーム52内のウィンチドラム48に駆動力が伝達されてウィンチドラム48が回転し、ロープ47の巻き取りまたは繰り出しがなされる。
【0025】
ウィンチドラム48により巻き取りや繰り出しをされるロープ47は、ウィンチアーム43の先端部に着脱自在に取り付けられたシーブブラケット49に回転自在に取り付けられたシーブ46に掛け渡されている。シーブ46から垂下したロープ47の先端部には、重量物を懸けるためのフック51が取り付けられている。
【0026】
支持ブラケット42と支持フレーム52との間には、支持ブラケット42と支持フレーム52のいずれにも接触するように荷重検出器21(ロードセル)が取り付けられている。吊り上げ装置40が重量物を吊り上げたとき、ウインチドラム48を介してロープ47を繰り出そうとする向きに支持フレーム52に作用する張力T(すなわち吊り上げ荷重W)により支持フレーム52が枢結ピン53を中心として支持ブラケット42の方向に回動しようとする。このとき、支持ブラケット42および支持フレーム52に挟まれた荷重検出器21がこれらから押圧され、荷重検出器21は押圧されるときの圧縮力を検出して荷重信号(アナログ信号)を出力する。
【0027】
また、高所作業装置に備えられた補助作業装置は配線作業等のときの仮支持作業を行うための仮支持装置80として用いることも可能である。図4に示すように、この装置80では、作業者がウィンチアーム43の先端部からシーブブラケット49を取り外して、その代わりに仮支持アーム81が取り付ける。そして、フック51をウィンチアーム43の基端部に取り付けられたワイヤ取り付けピン56に引っ掛けて、ウィンチアーム43を起仰させた状態で固定ピン55を挿入して鉛直状態に保持する。そして電線D(図では断面を示す)は、図に示すように仮支持アーム81に取り付けられた電線保持具82で保持され、ウィンチドラム48の駆動によりロープ47が巻き取られるとウィンチアーム43を支持ブラケット42に対して上方に摺動させて電線Dを上方に押し上げることが可能である。
【0028】
ウィンチアーム43が電線Dを上方に押し上げて仮支持アーム81が電線Dを支持した状態で、ウインチアーム43に垂直下方に作用する垂直荷重Fに抗して駆動しているウインチドラム48がウインチアーム43を支持すると、ウインチドラム48を介してロープ47を繰り出そうとする向きに支持フレーム52に作用するロープ47の張力により、支持フレーム52が枢結ピン53を中心として支持ブラケット42の方向に回動しようとする。このため、支持ブラケット42および支持フレーム52に挟まれた荷重検出器21は押圧され、荷重検出器21は押圧されるときの圧縮力を検出して荷重信号(アナログ信号)を出力する。
【0029】
次に、以上のようにして構成される補助作業装置に備えられた荷重検出器21を用いた荷重算出方法について説明する。荷重検出器21に荷重が掛かったときに、まず、コントローラ30内の演算処理回路31が、圧縮力を受けた荷重検出器21から出力される荷重信号を検出する。そして、演算処理回路31は検出した荷重に加え、図5に示すように、荷重検出器21からL1線に延ばした垂線L2線と枢結ピン53から支持ブラケット42に向かって延ばした垂線L3線との距離X(すなわち支持フレーム52の回動半径)と、繰り出されるロープ47の延長線L4と枢結ピン53との距離Yとから(距離Xおよび距離Yはいずれも既知)、支持フレーム52に作用する捩りモーメントの釣り合いの関係により吊り上げ装置40に作用する吊り上げ荷重(すなわちロープ47に作用する張力T)もしくは仮支持作業時においてウインチアーム44に垂直下方に作用する垂直荷重(すなわち鎖線で示すロープ47´に作用する張力T´)を算出する。そして、算出された荷重はコントローラ30によって荷重表示器32に表示される。
【0030】
【第2の実施の形態】
また、上記の実施例では荷重検出手段として例えば吊り上げ装置40に取り付けたロードセル(荷重検出器21)に作用する圧縮荷重を検出する方法を用いたが、必ずしも上記のような実施形態に限定されるものではなく、以下に説明するように荷重検出手段として例えばリミットスイッチ等を吊り上げ装置40に取り付けて構成したものでもよい。
【0031】
以下にリミットスイッチを荷重検出手段として用いた場合の実施例を示す。本実施例では図6に示すようにボルト57が支持フレーム52の内側から支持ブラケット42側に延びて支持ブラケット42に装入され、支持ブラケット42の内部においてナット58で締結されている。支持フレーム52と支持ブラケット42との隙間のボルト57のねじ部には、バネ59が自然長よりも縮めた状態に被せられている。このバネ59は、支持フレーム52が支持ブラケット42の方向に枢結ピン53を中心に回動しないように支持フレーム52の外側の壁面に当接してボルト57の長手方向で支持ブラケット42とは逆の方向に付勢している。
【0032】
また、支持フレーム52の外側の壁面には、ロッド部22bが支持ブラケット42の側に延びてロッド部22bの先端が支持ブラケット42に当接するスイッチ部22aを有するリミットスイッチ22が取り付けられている。このリミットスイッチは22は、吊り上げ装置40が予め設定された荷重を吊り上げると作動するようになっている。
【0033】
吊り上げ装置40が吊り上げ作業時において重量物を吊り上げたときは、ロープ47の張力Tがウインチドラム48を介して支持フレーム52にロープ46の繰り出される向き(矢印Tの向き)に作用する。この張力Tにより、バネ58による付勢に抗して支持フレーム52が枢結ピン53を中心として支持ブラケット42の方向に回動しようとする。
【0034】
このとき予め設定された値を超える荷重(バネ58の強さを変えることで、設定荷重を変えることができる)の重量物を吊り上げると、ロープ47の張力Tにより支持フレーム52に作用する捩りモーメントが、バネ58の復元力により支持フレーム52に作用する捩りモーメントよりも大きくなる。このため、支持フレーム52が支持ブラケット42の方向に回動しようとして変位し始め、支持ブラケット42に当接しているリミットスイッチ22のスイッチ部22aが支持ブラケット42に押されてロッド部22bが図6において上動し、リミットスイッチ22はオン信号をコントローラ30に出力する。
【0035】
そして、コントローラ30は、リミットスイッチ22からのオン信号を検出することで、吊り上げ装置40が設定荷重以上の荷重を吊り上げたか否かを判断(オン信号を検出しているときは、当該設定荷重以上の荷重を吊り上げている)することができる。このため、吊り上げ装置40の許容荷重以下に設定荷重を設定すれば、吊り上げ装置40に過負荷が掛かることを防止でき、安全に作業を行うことができる。これは仮支持作業時においても同様であり、上記のような構成のリミットスイッチ22を使用することで、ウインチアーム44に垂直下方に作用する垂直荷重(すなわち、図6で鎖線で示すロープ47´に作用するT´)が設定荷重を超えたか否かを判断することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に関する高所作業装置によれば、補助作業装置を仮支持装置から構成するときに、ワイヤの張力から仮支持アームに作用する垂直加重を簡単に算出できる。さらに、補助作業装置に取り付けられた荷重検出器が吊り上げ作業時における吊り上げ荷重と仮支持作業時における垂直荷重の算出を兼用することができる。このため、吊り上げ作業から仮支持作業に移行したり仮支持作業から吊り上げ作業に移行する度に、作業現場において荷重検出器を組立・脱着する必要がなく、仮支持装置を用いた高所作業の作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業装置を備える高所作業車の斜視図である。
【図2】上記高所作業車の作動を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明に係る高所作業装置における補助作業装置を吊り上げ装置として用いる場合を示す図である。
【図4】本発明に係る高所作業装置における補助作業装置を仮支持装置として用いる場合を示す図である。
【図5】本発明に係る高所作業装置の第1の実施の形態におけるウインチ機構近傍の拡大図である。
【図6】本発明に係る高所作業装置の第2の実施の形態におけるウインチ機構近傍の拡大図である。
【符号の説明】
1 高所作業車(高所作業装置)
2 車体(基台)
5 ブーム
21 荷重検出器(荷重検出手段)
22 リミットスイッチ(荷重検出手段)
40 吊り上げ装置(補助作業装置)
42 支持ブラケット
43 ウインチアーム(サブブーム)
46 シーブ
47 ワイヤ
47´ ワイヤ
48 ウインチドラム(ウインチ機構)
52 支持フレーム(ウインチ機構)
56 ワイヤ取り付けピン(ワイヤ取り付け部材)
80 仮支持装置(補助作業装置)
81 仮支持アーム
Claims (2)
- 基台に起伏動自在に設けられたブームと、前記ブームの先端部に取り付けられた補助作業装置とを有する高所作業装置において、
前記補助作業装置が前記ブームの先端部に起伏動自在に取り付けられた支持ブラケットと、前記支持ブラケットに長手方向に摺動自在に取り付けられたサブブームと、前記支持ブラケットに前記支持ブラケットの起伏面内において揺動自在に枢結されたウインチ機構と、前記ウインチ機構により巻き取りおよび繰り出しが行われるワイヤと、前記支持ブラケットおよび前記ウインチ機構との間に挟まれて取り付けられた荷重検出手段とから構成され、
前記ウインチ機構が前記支持ブラケットとの枢結部を中心として前記支持ブラケットの側に揺動するときに前記荷重検出手段により前記ウインチ機構および前記支持ブラケットから受ける圧縮力を検出し、この検出値に基いて前記ウインチ機構に作用する前記ワイヤからの張力を算出するように構成され、
前記補助作業装置が、前記サブブームの先端に取り付けられ支持対象を仮支持する仮支持アームと前記サブブームの基端に取り付けられ前記ウインチ機構から延びる前記ワイヤの先端を前記サブブームに係止させるワイヤ取り付け部材とを有する仮支持装置を構成し、
前記サブブームの先端に取り付けられた前記仮支持装置により支持対象を仮支持し、且つ前記ワイヤ取り付け部材に係止された前記ワイヤを前記ウインチ機構により保持して前記サブブームを支持した状態で、前記荷重検出手段の検出値に基いて算出された前記ワイヤの張力から前記仮支持アームに作用する垂直荷重を算出することを特徴とする高所作業装置。 - 前記仮支持装置に代えて前記補助作業装置として、前記サブブームの先端に取り付けられ前記ウインチ機構から吊上対象に延びる前記ワイヤを支持するシーブを有する吊り上げ装置を用いることが可能であり、
前記吊り上げ装置により吊上対象を吊り上げたときに、前記荷重検出手段の検出値に基いて算出された前記ワイヤの張力から吊り上げ荷重を算出することを特徴とする請求項1に記載の高所作業装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003186511A JP2005015219A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 高所作業装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003186511A JP2005015219A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 高所作業装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005015219A true JP2005015219A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34185616
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003186511A Pending JP2005015219A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 高所作業装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005015219A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227837A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Kyc Machine Industry Co Ltd | 昇降式足場装置 |
JP2016116331A (ja) * | 2014-12-15 | 2016-06-23 | 株式会社中電工 | 高所作業車 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003186511A patent/JP2005015219A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227837A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Kyc Machine Industry Co Ltd | 昇降式足場装置 |
JP2016116331A (ja) * | 2014-12-15 | 2016-06-23 | 株式会社中電工 | 高所作業車 |
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