JP2005013942A - 汚染土壌の浄化可能なドライヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライヤから排出する土壌を開放式の搬送装置にて良好に搬送できるように構成した汚染土壌の浄化可能なドライヤを提供する。
【解決手段】ドライヤ1の排出シュート19に排出中の土壌表面へ水を添加する水噴霧ノズル23を備える。そして、ドライヤ1にて汚染土壌を浄化処理した場合には、浄化処理を終えた土壌を排出シュート19より排出する際に水噴霧ノズル23より水を噴霧し、加熱乾燥した土壌表面に水を添加して適度に湿潤させながら排出していく。こうすることにより、浄化処理した土壌からの粉塵の発生を極力防止することができ、ベルトコンベヤ22などの開放式の搬送装置でも良好に搬送することが可能となり、搬送中における噛み込みなどのおそれもなくてメンテナンスが楽である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽油、重油などの油分を含んだ汚染土壌を熱風に晒して浄化処理可能としたドライヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業活動に伴って各事業所の敷地内やその周辺地域の土壌が油などの揮発性汚染物質の廃液によって汚染され、その土壌の地下を流れる地下水にまで汚染が及んでいるといったことが取り沙汰されて問題となっている。このように油を含有する土壌を処理するために、一つの方法として、その土壌を掘削して汚染土壌の浄化処理プラントにて加熱処理し、土壌にしみ込んでいる揮発性汚染物質を燃焼分解させることによって土壌の浄化処理を行うようにしたものがある。
【0003】
本出願人は、汚染土壌を加熱浄化処理する装置としてアスファルト混合物製造用のアスファルトプラントの利用に着目し、これらの設備を利用して汚染土壌の浄化可能なアスファルトプラントを構築し、少ない設備投資で汚染土壌の浄化処理が実現できると考え、これに関して本出願人は既に特許出願している(特開2003−80226号公報)。
【0004】
特開2003−80226号公報には、アスファルトプラントの骨材加熱用ドライヤに汚染土壌を供給して加熱浄化処理し、加熱浄化処理を終えて乾燥した土壌をドライヤの骨材排出シュートを介してプラントの垂直搬送装置である密閉式のバケットエレベータなどに投入し、該バケットエレベータによってプラント上部まで一旦持ち上げた後、バケットエレベータ上部の排出シュート途中に備えた密閉式の分岐シュート内を落下させて土壌冷却装置へ供給し、高温で乾燥した土壌に水を噴霧して取り扱いやすい温度に、かつ適度に湿潤させるようにしている。
【0005】
このように、ドライヤにて加熱浄化処理した直後の土壌は乾燥しており、非常に粉塵が生じやすい状態であるため、少なくとも土壌冷却装置にて湿潤処理を終えるまでは、搬送の際に上記バケットエレベータや分岐シュートのような密閉式の搬送手段を採用する必要がある。
【0006】
ところで、各装置の配置の関係などから、上記のようにバケットエレベータの排出シュート途中に分岐シュートを備えることができない場合がある。そのような場合には、例えば、ドライヤの排出シュート途中に振り分け手段を備え、該振り分け手段にて振り分けた土壌を別途配設した密閉式のスクリューコンベヤなどで搬送し、土壌冷却装置へ供給するという装置構成が考えられる。そして、このような装置構成であれば、非常にシンプルなものであるためコストも安く済むという大きな利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、土壌の搬送には上記のような密閉式のスクリューコンベヤなどでは噛み込みなどが生じやすくて不向きである。一方、開放式のベルトコンベヤなどを採用すればメンテナンス面で有利となるものの、上記したように、粉塵のために採用することができない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑み、ドライヤから排出する土壌を開放式の搬送装置にて良好に搬送できるように構成した汚染土壌の浄化可能なドライヤを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の汚染土壌の浄化可能なドライヤにあっては、円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、該ドラムの一端部に配設したバーナよりドラム内に熱風を送り込み、この熱風にドラム内に供給した汚染土壌を晒して加熱浄化処理できるようにしたドライヤにおいて、該ドライヤに備えた排出シュートに排出中の土壌表面へ水を添加する水添加手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る汚染土壌の浄化可能なドライヤによれば、ドライヤのドラム内に汚染土壌を供給すると、汚染土壌はドラム内を転動流下する間にバーナからの熱風に晒され、土壌中の油などの揮発性汚染物質は揮発分離、または燃焼分解され、更には土壌微粒分に付着したまま排ガスと同伴して下流へと導出されるなどして浄化される。そして、浄化処理を終えた土壌は排出シュートから排出していく。このとき、排出シュートに備えた水添加手段である水噴霧ノズルより水を噴霧し、排出中の土壌表面に水を添加していく。こうすることにより、加熱によって乾燥して粉塵が生じやすい状態にある土壌表面を適度に湿潤させ、粉塵が生じにくい状態に調整することができる。
【0011】
このように、ドライヤにて浄化処理を終えた土壌の排出の際に水を添加するようにしたので、粉塵の発生を極力抑えることができ、ドライヤからの排出直後でも開放式のベルトコンベヤなどで良好に搬送することが可能となり、搬送中における噛み込みなどのおそれもなくてメンテナンスが楽である。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、アスファルトプラントのドライヤに、骨材の加熱と併せて汚染土壌の浄化も可能な本発明のドライヤ1を採用すると共に、その他の汚染土壌浄化処理設備を追加して汚染土壌の浄化もできるようにしたアスファルトプラントの概要図である。図1において、公知のアスファルトプラントとして本来備えている主な装置は、前記ドライヤ1以外に、ドライヤ1にて加熱した骨材をプラント本体上部まで持ち上げる垂直搬送装置2、篩い分け・貯蔵・計量・混合機能を備えたプラント本体3、前記ドライヤ1に供給する骨材を貯蔵する骨材貯蔵ホッパ4、ドライヤ1から導出される微粒分を捕捉する集塵機5等である。
【0014】
一方、汚染土壌を浄化処理するのにアスファルトプラントに追加した主な設備は、ドライヤ1にて加熱した高温の土壌を取り扱い易い温度まで低下させる土壌冷却装置6、汚染土壌加熱浄化時にドライヤ1から飛散した揮発性油分を燃焼除去する脱臭炉7、ドライヤ1に供給する汚染土壌を貯蔵する汚染土壌貯蔵ホッパ8等である。
【0015】
前記ドライヤ1は、アスファルト混合物の素材である骨材、或いは汚染土壌を加熱する兼用の加熱装置として使用される。このドライヤ1は、内周部に多数の掻き上げ羽根9を周設した円筒状のドラム10を機台11上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置12にて所定の速度で回転させるようにしており、ドラム10の一端部の排出ホッパ13に配設したバーナ14よりドラム10内に熱風を送り込む一方、他端部の投入ホッパ15には排気煙道16を連結し、該排気煙道16下流に介在させた排風機17にて排ガスを吸引してドラム10内を通過する高温ガス流を維持すると共に、バグフィルタなどの集塵機5を経由させて排ガス中の微粒分を捕捉して煙突18より放出している。
【0016】
また、前記排出ホッパ13の垂直搬送装置2側の側面部には、図2に示すように、排出シュート19を配設しており、その排出先である先端部を垂直搬送装置2の投入口へ連結している。また、前記排出シュート19の途中には分岐シュート20を配設しており、該分岐シュート20の分岐部には排出シュート19に排出されてくる材料が骨材か土壌かに応じて排出方向を振り分ける経路変更用ダンパー21を回動自在に配設していると共に、分岐シュート20の排出先であるシュート先端部の下位には、搬送するものが土壌などでも噛み込みのおそれのない開放式の搬送装置であるベルトコンベヤ22を配設している。また、排出シュート19には、ドライヤ1から排出される土壌表面に水を添加する水添加手段として水噴霧ノズル23を備えており、ドライヤ1での加熱処理によって乾燥した土壌表面を適当に湿潤させて粉塵の発生を抑えるように図っている。
【0017】
そして、図2に示すように、骨材加熱時には、前記経路変更用ダンパー21を図中の二点差線で示す位置に回動させた後、ドラム10を矢印方向に回転させ、排出ホッパ13内に位置する図示しない排出羽根によって骨材を掻き上げ、排出シュート19から排出させて垂直搬送装置2へと投入していく。
【0018】
一方、汚染土壌加熱浄化時には、経路変更用ダンパー21を図中の実線で示す位置に回動させた後、骨材加熱時と同様にドラム10を矢印方向に回転させ、図示しない排出羽根によって土壌を掻き上げ、排出シュート19から排出させていく。そして、排出シュート19から排出された土壌は、経路変更用ダンパー21によって分岐シュート20側へと流れていってベルトコンベヤ22上へ排出されていく。このとき、図示しない水供給源から供給する水を水噴霧ノズル23より土壌の流量に応じて噴霧しており、ドライヤ1での加熱処理によって乾燥した土壌表面を適度に湿潤させ、土壌が開放式のベルトコンベヤ22上へ排出された際や、ベルトコンベヤ22での搬送中に周囲に粉塵が舞い上がるのを防止している。なお、高温の土壌に対して水を噴霧した際に生じる水蒸気は、排風機17の吸引によって負圧となっているドラム10内へと引き込まれ、排ガスと共に排気煙道16側へと流れていく。
【0019】
ベルトコンベヤ22の搬送先下位には土壌冷却装置6を配設しており、該土壌冷却装置6は、ケーシング24内に撹拌羽根25を適宜間隔で取り付けた軸体26を貫通させて両端部を回転自在に軸支し、駆動装置(図示せず)にて所定速度で回転させるようにすると共に、ケーシング24の一端に土壌の投入口27を、他端に排出口28を備えている。
【0020】
また、前記ケーシング24にも前記水噴霧ノズル23と同様の水噴霧ノズル29を備えており、ケーシング24内に投入した高温の土壌を撹拌羽根25にて撹拌しながら、図示しない水供給源より供給する水を水噴霧ノズル29から噴霧し、適当に湿潤、冷却して取り扱いに適した状態として排出口28から順次排出する。また、ケーシング24にて発生する水蒸気は排気ダクト30を介して排気煙道16へと導出している。なお、ベルトコンベヤ22の先端部や途中にも別途水噴霧ノズルを配置すれば、ベルトコンベヤ22から排出されて土壌冷却装置6内へ落下して投入されていく土壌からの粉塵をより確実に防止することができて好適である。
【0021】
脱臭炉7は、バーナ31によって排ガス中に含まれる油などの揮発性汚染物質を燃焼分解してから煙突18より排気するもので、排ガス熱を有効利用するために熱交換器32、33を配設している。熱交換器32はドライヤ1から脱臭炉7へ導入する排ガスの予熱を、また熱交換器33は燃焼用空気供給ファン34から脱臭炉7のバーナ31へ供給する燃焼用空気の予熱を図っている。なお、脱臭炉7は汚染土壌加熱時には必要だが、骨材加熱時には不要であるので、このときには排ガスをバイパス回路35によって脱臭炉7を経由しないで煙突18へ直接流すようにすると好ましい。
【0022】
しかして、本発明のドライヤを採用した汚染土壌の浄化可能なアスファルトプラントにおいては、アスファルト混合物を製造していないときに汚染土壌を浄化処理する。汚染土壌を浄化処理するときには、先ず、排出シュート19に備えた経路変更用ダンパー21を図中の実線位置に回動させた後、汚染土壌貯蔵ホッパ8から汚染土壌をベルトコンベヤを介してドライヤ1のドラム内10に投入し、バーナ14からの熱風に晒して汚染土壌を所定温度まで加熱する。この加熱によって汚染土壌中の揮発性汚染物質は、揮発分離または燃焼分解される一方、ドライヤ1内を通過するガス流に乗って土壌中の揮発性汚染物質を多く含む微粒分がドライヤ1下流へと飛散し、汚染土壌中の汚染物質が減少して浄化される。
【0023】
そして、ドライヤ1から導出される排ガスは集塵機5へと導かれ、汚染物質を多く含む微粒分が捕捉される。そして集塵機5を通過した排ガスは、脱臭炉7へと導かれて炉内の高温雰囲気に晒され、排ガス中に残る揮発性汚染物質が完全に燃焼分解される。
【0024】
一方、ドラム10内の土壌は、排出ホッパ13の側面部に備えた排出シュート19から排出されると、経路変更用ダンパー21によって分岐シュート20側へ流れていってベルトコンベヤ22上へ排出される。このとき、水噴霧ノズル23より排出中の土壌表面に対して水を噴霧し、加熱乾燥した土壌表面に水を添加することで適度に湿潤させ、土壌をベルトコンベヤ22などの周囲を密閉していない開放式の搬送装置上へ排出した際や、ベルトコンベヤ22にて搬送する際に周囲に粉塵が舞い上がらないように図っている。こうして、土壌は噛み込みなどのおそれのないベルトコンベヤ22にて搬送されて土壌冷却装置6に投入されていく。土壌冷却装置6に投入された土壌は、撹拌羽根25によって撹拌されながら水噴霧ノズル29より再度水を噴霧され、適当に湿潤・冷却されて取り扱いに適した状態となって順次排出されていく。
【0025】
このように、ドライヤ1の排出シュート19に、加熱乾燥した土壌表面に水を添加して湿潤させる水添加手段である水噴霧ノズル23を備えたので、土壌からの粉塵の発生を極力抑えられ、ドライヤ1からの排出直後でも土壌などの搬送に適した開放式の搬送装置であるベルトコンベヤ22などで良好に搬送することが可能となり、噛み込みなどのおそれもなくてメンテナンス面で有利であると共に、スクリューコンベヤなどよりも比較的自由に配置や長さ調整ができて設置場所を選ばない。また、上記のごときごくシンプルな構成であるため、既設のドライヤに対して簡単かつ低コストにて改造を行うことができる。
【0026】
なお、上記実施例では、水添加手段である水噴霧ノズル23を排出シュート19に配設したが、分岐シュート20に配設しても良い。また、土壌を加熱浄化する加熱装置として骨材加熱用のドライヤを使用したが、アスファルト舗装廃材加熱用のドライヤを使用しても良いし、更には土壌加熱浄化専用のドライヤを使用しても良いことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明の汚染土壌の浄化可能なドライヤによれば、円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、該ドラムの一端部に配設したバーナよりドラム内に熱風を送り込み、この熱風にドラム内に供給した汚染土壌を晒して加熱浄化処理できるようにしたドライヤにおいて、該ドライヤに備えた排出シュートに排出中の土壌表面へ水を添加する水添加手段を備え、ドライヤにて浄化処理を終えた土壌の排出の際に水を添加するようにしたので、粉塵の発生を極力抑えながら土壌を排出することができ、ドライヤでの加熱直後でもベルトコンベヤなどの開放式の搬送装置にて良好に搬送することが可能となり、搬送中における噛み込みなどのおそれもなくてメンテナンスが楽である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汚染土壌の浄化可能なドライヤを採用したアスファルトプラントの概容を説明する図である。
【図2】本発明に係る汚染土壌の浄化可能なドライヤの一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…ドライヤ 2…垂直搬送装置
3…プラント本体 4…骨材貯蔵ホッパ
5…集塵機 6…土壌冷却装置
7…脱臭炉 8…汚染土壌貯蔵ホッパ
10…ドラム 19…排出シュート
20…分岐シュート 21…経路変更用ダンパー
22…ベルトコンベヤ 23…水噴霧ノズル(水添加手段)

Claims (1)

  1. 円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、該ドラムの一端部に配設したバーナよりドラム内に熱風を送り込み、この熱風にドラム内に供給した汚染土壌を晒して加熱浄化処理できるようにしたドライヤにおいて、該ドライヤに備えた排出シュートに排出中の土壌表面へ水を添加する水添加手段を備えたことを特徴とする汚染土壌の浄化可能なドライヤ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016090121A (ja) * 2014-11-04 2016-05-23 日工株式会社 粉粒体の加熱処理装置
CN113906848A (zh) * 2021-10-13 2022-01-11 浙江博睿空间规划设计有限公司 一种耕作层土壤的剥离装置及其剥离方法

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