JP2005013517A - おろし器 - Google Patents

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勝也 田中
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Abstract

【解決手段】おろし器においては、おろし材を滑らせるスライド面2上に突起刃3を並設し、スライド面2から立ち上がる各突起刃3の周面4にはスライド面2に沿った周方向Xへ互いに並べた複数の刃先縁5を形成している。各突起刃3の各刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両刃面9は、周方向Xで隣接する両刃先縁5を互いに結ぶ両想定平面Pの内側に形成されているとともに、想定平面Pから内側へ凹む凹状に形成されている。凹状刃面9により、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両想定平面P間でなす想定刃先角θPよりも、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両刃面9間でなす実際刃先角θ9を小さく設定している。
【効果】各種形態の突起刃3で可能な限り刃先角θ9を鋭利にして切れ味を良くすることができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、おろし材を滑らせるスライド面上に突起刃を並設したおろし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、おろし器の突起刃としては、下記特許文献1にも示すように、各種形態のものが知られている。この突起刃においては、いずれも、スライド面から立ち上がる周面に複数の刃先縁がスライド面に沿った周方向へ互いに並ぶように形成されている。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−12297号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
各種形態の突起刃においては、周方向で互いに隣接する両刃先縁間の刃面が、この両刃先縁を互いに結ぶ平面状に形成されているため、両刃先縁を挟むように周方向で互いに隣接する両刃面間でなす刃先角は突起刃の形態に応じて自ずと決まってしまう。
【0005】
この発明は、各種形態の突起刃において刃面の形状を改良することにより、各種形態の突起刃で可能な限り刃先角を鋭利にして切れ味を良くすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
後記実施形態の図面(図1〜12)の符号を援用して本発明を説明する。
* 請求項1〜3の発明
請求項1の発明にかかるおろし器は、後記第1〜11実施形態に対応し、下記のように構成されている。
【0007】
このおろし器においては、おろし材を滑らせるスライド面(2)上に突起刃(3)を並設し、このスライド面(2)から立ち上がるこの各突起刃3の周面(4)には、スライド面(2)に沿った周方向(X)へ互いに並べた複数の刃先縁(5)を形成している。前記各突起刃(3)のうち特定の突起刃(3)にあって、周方向(X)で互いに隣接する両特定刃先縁間(5)の特定刃面(9)は、この両特定刃先縁(5)を互いに結ぶ特定想定面(P)の内側(特定想定面P上も含む範囲)に形成されているとともに、この特定想定面(P)から内側へ凹む凹状に形成されている。この凹状特定刃面(9)により、この凹状特定刃面(9)を挟むように周方向(X)で互いに隣接する両側刃面(9)のうち少なくとも一方の片側刃面(9)、またはこの片側刃面(9)を挟む両刃先縁(5)を互いに結ぶ片側想定面(P)と前記特定想定面(P)との間でなす想定刃先角(θP)よりも、この凹状特定刃面(9)を挟むように周方向(X)で互いに隣接する両側刃面(9)のうち少なくとも一方の片側刃面(9)とこの凹状特定刃面(9)との間でなす実際刃先角(θ9)を小さく設定している。
【0008】
請求項2の発明にかかるおろし器は、後記第1〜11実施形態のうち第9実施形態を除く各実施形態に対応し、下記のように構成されている。
このおろし器においては、おろし材を滑らせるスライド面(2)上に突起刃(3)を並設し、このスライド面(2)から立ち上がるこの各突起刃(3)の周面(4)には、スライド面(2)に沿った周方向(X)へ互いに並べた複数の刃先縁(5)を形成している。前記各突起刃(3)のうち特定の突起刃(3)における各刃先縁(5)のうち、特定刃先縁(5)を挟むように周方向(X)で互いに隣接する両特定刃面(9)は、この特定刃先縁(5)とこの特定刃先縁(5)に対し周方向(X)で隣接する両刃先縁(5)とを互いに結ぶ両特定想定面(P)の内側(特定想定面P上も含む範囲)に形成されているとともに、この両特定刃面(9)のうち少なくとも一方の特定刃面(9)は、この特定想定面(P)から内側へ凹む凹状に形成されている。この凹状特定刃面(9)により、この特定刃先縁(5)を挟むように周方向(X)で互いに隣接する前記両特定想定面(P)間でなす想定刃先角(θP)よりも、この特定刃先縁(5)を挟むように周方向(X)で互いに隣接する前記両特定刃面(9)間でなす実際刃先角(θ9)を小さく設定している。
【0009】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3発明において、前記各刃先縁(5)は、スライド面(2)から立ち上がり、突起刃(3)の周面(4)を経て、スライド面(2)に対し離間して形成した突起刃(3)の最高面(7)に至る。
【0010】
ちなみに、前記突起刃(3)としては、例えば、請求項4〜8の発明のような錐状形態や、請求項9の発明ような錐台状形態や、請求項10の発明のような横三角柱状形態や、後記実施形態のような柱状形態等、各種形態のものを採用することができる。また、突起刃(3)の底面(8)や周面(4)や最高面(7)についてそれらの形状を適宜変更することもできる。
【0011】
請求項1〜3の発明では、各種形態の突起刃(3)で可能な限り刃先角(θ9)を鋭利にして切れ味を良くすることができる。
* 請求項4〜8の発明(後記第1,2実施形態に対応)
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記各突起刃(3)のうち特定の突起刃(3)は、各刃先縁(5)が互いに交差する頂部(6)を有し、前記突起刃(3)の最高面(7)はこの頂部(6)に形成されている。
【0012】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記各突起刃(3)のうち特定の突起刃(3)は三角錐状または四角錐状に形成されている。
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記各突起刃(3)のうち特定の突起刃(3)の頂部(6)を通り且つスライド面(2)上における特定突起刃(3)の底面(8)に垂直である軸線(L)は、この底面(8)の三点を結ぶ三角形状範囲またはこの底面(8)の四点を結ぶ四角形状範囲で交差する。
【0013】
請求項6の発明を前提とする請求項7の発明において、前記軸線(L)は特定突起刃(3)の底面(8)の図心(LC)を通る。
請求項3または請求項6または請求項7の発明を前提とする請求項8の発明において、前記特定突起刃(3)の各刃先縁(5)は、特定突起刃(3)の底面(8)に対し鋭角(α)をなすように傾斜している。
【0014】
請求項4〜8の発明では、三角錐状または四角錐状などの錐状形態である突起刃(3)において、請求項1〜3の発明の効果を発揮させることができる。
* 請求項9の発明(後記第3,4実施形態に対応)
請求項3の発明を前提とする請求項9の発明において、前記各突起刃(3)のうち特定の突起刃(3)は錐台状に形成されている。請求項9の発明では、三角錐台状または四角錐台状などの錐台状形態である突起刃(3)において、請求項1〜3の発明の効果を発揮させることができる。
【0015】
* 請求項10の発明(後記第7実施形態に対応)
請求項3の発明を前提とする請求項10の発明において、前記各突起刃(3)のうち特定の突起刃(3)でスライド面(2)上における底面(8)は四角形状であり、この特定突起刃(3)の周面(4)でこの底面(8)の四辺から立ち上がる各刃面(9)のうち、一方の対辺になる二辺から立ち上がる刃面(9)は三角形状であり、他方の対辺になる二辺から立ち上がる刃面(9)は四角形状であり、この三角形状の両刃面(9)の頂点(10a)間を結ぶ頂上線部(10)はこの四角形状の両刃面(9)の最高辺部であり、前記最高面(7)はこの頂上線部(10)に形成されている。請求項10の発明では、上述した横三角柱状形態である突起刃(3)において、請求項1〜3の発明の効果を発揮させることができる。
【0016】
* 請求項11〜12の発明(後記第1〜11実施形態に対応)
請求項1から請求項10のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項11の発明において、前記凹状特定刃面(9)で特定刃先縁(5)とこの特定刃先縁(5)に対し周方向(X)で隣接する刃先縁(5)とを結ぶ内縁(9a)のうち、スライド面(2)上における特定突起刃(3)の底面(8)に平行な内縁(9a)は、特定突起刃(3)の底面(8)から最高面(7)にわたり凹状に形成されている。
【0017】
請求項1から請求項11のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項12の発明において、前記凹状特定刃面(9)で特定刃先縁(5)とこの特定刃先縁(5)に対し周方向(X)で隣接する刃先縁(5)とを結ぶ内縁(9a)のうち、スライド面(2)上における特定突起刃(3)の底面(8)に平行な内縁(9a)は、凹曲線状に形成されている。
【0018】
請求項11〜12の発明では、凹状特定刃面(9)でおろし材の流れが円滑になり、切れ味を良くすることができる。
* 請求項13の発明(後記第1〜6実施形態に対応)
請求項1から請求項12のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項13の発明において、前記凹状特定刃面(9)は、特定突起刃(3)の周面(4)でスライド面(2)に沿った周方向(X)へ互いに並べたすべての刃面(9)である。請求項13の発明では、すべての刃面(9)で切れ味を良くすることができる。
【0019】
* 請求項14の発明(後記第1〜11実施形態に対応)
請求項1から請求項13のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項14の発明において、前記各突起刃(3)の内部は中実状態になっている。請求項14の発明では、突起刃(3)の強度を高めることができる。
【0020】
* 第15の発明(後記第1〜11実施形態に対応)
請求項1から請求項14のうちいずれかの請求項の発明を前提とする第15の発明において、前記実際刃先角(θ9)の一部または全部は、鋭角であり、例えば60度未満に設定されている。第15の発明では、刃先角(θ9)を鋭利にして切れ味を良くすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第1実施形態にかかるおろし器について図1〜2を参照して説明する。
【0022】
図1(a)に示すおろし器は陶器または合成樹脂により成形されている。このおろし器のおろし台1上においておろし材を滑らせるスライド面2上には多数の突起刃3が並設されている。各突起刃3は図1(b)に示すように略正三角錐状をなし、各突起刃3の内部が中実状態(中空部がない状態)になっている。このスライド面2から立ち上がる突起刃3の周面4には、このスライド面2に沿った周方向Xへ互いに並べた三つの刃先縁5が形成されている。この各刃先縁5は、スライド面2から立ち上がり、突起刃3の周面4を経て、スライド面2に対し離間した突起刃3の頂部6で互いに交差している。なお、この頂部6は、尖端形状ばかりではなく、若干丸みのある形状も含み、その頂部6上の面が最高面7になっている。この頂部6を通り且つスライド面2上における突起刃3の底面8(スライド面2上に想定した面)に垂直である軸線Lは、この底面8の三つの角点を結ぶ略正三角形状範囲内でこの底面8の図心LCを通って交差する。この各刃先縁5は、図2(b)(c)(d)に示すようにこの底面8に対し傾斜角α(鋭角)をなすように傾斜している。
【0023】
前記各突起刃3(特定突起刃)において各刃先縁5(特定刃先縁)間には周方向Xで互いに隣接する三つの刃面9(特定刃面、片側刃面)が形成されている。この各刃面9は、略正三角形状であり、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面P(特定想定面、片側想定面)の内側に形成されているとともに、この想定平面Pから凹む凹状に形成されている。この凹状刃面9(凹状特定刃面)において両刃先縁5を結ぶ内縁9aのうち、底面8に平行な内縁9aは、図1(c)及び図2(a)に示すように底面8から頂部6にわたり凹曲線状に形成され、図2(b)(c)(d)に示すように底面8でスライド面2に開放されるとともに頂部6に収束する。なお、図2(e)に示すように、この内縁9aをスライド面2上に対し滑らかに連続させてもよい。この内縁9aにおいて想定平面Pからの深さSは、両刃先縁5間の中間部ほど大きく、両刃先縁5に接近するほど小さくなっている。ちなみに、底面8に平行な面における突起刃3の最大幅をMとし、底面8からの突起刃3の最大高さをNとした場合、1.5mm≦M≦8mm、1.2mm≦N≦6.6mmに設定されている。その場合、前記深さSについては、0.3mm≦S≦2mm、2.5≦M/S≦5、2≦N/S≦4に設定されている。
【0024】
この凹状刃面9により、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両想定平面P間でなす想定刃先角θP(60度)よりも、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両刃面9間でなす実際刃先角θ9が小さく設定される。ちなみに、この各実際刃先角θ9は、60度未満の鋭角であり、好ましくは30〜55度に設定されている。なお、刃先縁5については、刃先として機能し得る範囲で微妙な丸みを有していてもよい。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態にかかるおろし器について第1実施形態との相違点を中心に図3を参照して説明する。
各突起刃3は図3(a)に示すように略正四角錐状をなす。図3(b)(c)に示すように、突起刃3の周面4には周方向Xへ互いに並べた四つの刃先縁5が形成されている。頂部6を通り底面8に垂直である軸線Lは、この底面8の四つの角点を結ぶ略正四角形状範囲内でこの底面8の図心LCを通って交差する。各突起刃3において各刃先縁5間には周方向Xで互いに隣接する四つの刃面9が形成されている。この各刃面9は、略二等辺三角形状であり、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面Pの内側に形成されているとともに、この想定平面Pから凹む凹状に形成されている。この凹状刃面9により、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両想定平面P間でなす想定刃先角θP(90度)よりも、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両刃面9間でなす実際刃先角θ9が小さく設定される。ちなみに、この各実際刃先角θ9は、90度未満の鋭角であり、好ましくは45〜85度に設定されている。
【0026】
次に、本発明の第3実施形態にかかるおろし器について第1実施形態との相違点を中心に図4を参照して説明する。なお、第1実施形態の図1(b)(c)及び図2(b)(c)(d)が、それぞれ、第2実施形態の図4(a)(b)(c)(d)(e)に対応する。
【0027】
各突起刃3は略正三角錐台状をなす。最高面7は、底面8と同様に略正三角形状をなし、底面8に対し平行であるが、底面8に対し傾斜していてもよい。各突起刃3において各刃先縁5間には周方向Xで互いに隣接する三つの刃面9が形成されている。各刃面9は、略台形状であり、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面Pの内側に形成されているとともに、この想定平面Pから凹む凹状に形成されている。刃面9において底面8に平行な内縁9aは、底面8から最高面7にわたり凹曲線状に形成され、底面8でスライド面2に開放されるとともに最高面7にも開放される。この凹状刃面9により、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両想定平面P間でなす想定刃先角θP(60度)よりも、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両刃面9間でなす実際刃先角θ9(60度未満の鋭角)が小さく設定される。
【0028】
次に、本発明の第4実施形態にかかるおろし器について第2実施形態との相違点を中心に図5を参照して説明する。なお、第2実施形態の図3(a)(b)(d)(e)が、それぞれ、第4実施形態の図5(a)(b)(c)(d)に対応する。
【0029】
各突起刃3は略正四角錐台状をなす。最高面7は、底面8と同様に略正四角形状をなし、底面8に対し平行であるが、底面8に対し傾斜していてもよい。各突起刃3において各刃先縁5間には周方向Xで互いに隣接する四つの刃面9が形成されている。この各刃面9は、略台形状であり、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面Pの内側に形成されているとともに、この想定平面Pから凹む凹状に形成されている。刃面9において底面8に平行な内縁9aは、底面8から最高面7にわたり凹曲線状に形成され、底面8でスライド面2に開放されるとともに最高面7にも開放される。この凹状刃面9により、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両想定平面Pでなす想定刃先角θP(90度)よりも、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両刃面9間でなす実際刃先角θ9(90度未満の鋭角)が小さく設定される。
【0030】
次に、本発明の第5実施形態にかかるおろし器について第1,3実施形態との相違点を中心に図6を参照して説明する。
各突起刃3は略正三角柱状をなす。最高面7は、底面8と同様に略正三角形状をなし、底面8に対し平行である。各刃面9は略四角形状である。
【0031】
次に、本発明の第6実施形態にかかるおろし器について第2,4実施形態との相違点を中心に図7を参照して説明する。
各突起刃3は略正四角柱状をなす。最高面7は、底面8と同様に略正四角形状をなし、底面8に対し平行である。各刃面9は略四角形状である。
【0032】
次に、本発明の第7実施形態にかかるおろし器について第1実施形態との相違点を中心に図8を参照して説明する。
各突起刃3において、底面8は略四角形状であり、周面4でこの底面8の四辺から立ち上がる各刃面9のうち、一方の対辺になる二辺から立ち上がる刃面9は略正三角形状であり、他方の対辺になる二辺から立ち上がる刃面9は略四角形状である。略正三角形状の両刃面9の頂点10a間を結ぶ頂上線部10は略四角形状の両刃面9の最高辺部であり、最高面7はこの頂上線部10に形成されている。この各刃面9のうち、略正三角形状の両刃面9は、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面Pの内側に形成されているとともに、この想定平面Pから凹む凹状に形成されている。また、略四角形状の両刃面9は、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面P上に形成されている。この凹状刃面9により、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両想定平面P間でなす想定刃先角θP(90度)よりも、刃先縁5を挟むように周方向Xで互いに隣接する両刃面9間でなす実際刃先角θ9(90度未満の鋭角)が小さく設定される。
【0033】
次に、本発明の第8実施形態にかかるおろし器について第5,6実施形態との相違点を中心に図9を参照して説明する。
各突起刃3は円柱を変形した形状をなす。最高面7は、底面8と同様に円形を変形した形状をなし、底面8に対し平行である。周面4には底面8から最高面7にわたり両刃先縁5が形成され、この両刃先縁5間で周面4には略四角形状の刃面9と略円弧面の刃面9とが形成されている。略四角形状の刃面9は、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面Pの内側に形成されているとともに、この想定平面Pから凹む凹状に形成されている。この凹状刃面9により、略円弧面の刃面9と想定平面Pとの間でなす想定刃先角θPよりも、略円弧面の刃面9と凹状刃面9との間でなす実際刃先角θ9が小さく設定される。
【0034】
次に、本発明の第9実施形態にかかるおろし器について第8実施形態との相違点を中心に図10を参照して説明する。
各突起刃3は半球を二分割して変形した形状をなす。最高面7は周面4に対し球面の一部で一連につながっている。なお、刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面Pは曲面になる。
【0035】
次に、本発明の第10実施形態にかかるおろし器について第6実施形態との相違点を中心に図11を参照して説明する。
各突起刃3は略四角柱状をなす。最高面7は、底面8と同様に略四角形状をなし、底面8に対し平行である。各刃面9は略四角形状である。この各刃面9のうち、一方の対辺位置にある両刃面9は、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面Pの内側に形成されているとともに、この想定平面Pから凹む凹状に形成されている。また、他方の対辺位置にある両刃面9は、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面P上に形成されている。
【0036】
次に、本発明の第11実施形態にかかるおろし器について第10実施形態との相違点を中心に図12を参照して説明する。
各突起刃3は、第10実施形態の突起刃3と同様に凹状の両刃面9を有する中央柱状部11と、この中央柱状部11の両側に設けられた側柱状部12とからなる。この側柱状部12においては、中央柱状部11の両刃先縁5から延びる刃面9が刃先縁5(凹状刃面9により形成される刃先縁5以外の刃先縁5)で互いに交差している。この側柱状部12の刃面9は、その刃面9を挟む両刃先縁5を互いに結ぶ想定平面P上に形成されている。
【0037】
なお、前記第2〜11実施形態においても、前記最大幅M及び最大高さNについては、1mm≦M≦15mm、1mm≦N≦15mmに設定されている。その場合、前記深さSについては、0.3mm≦S≦5mmに設定されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態に係るおろし器を示す平面図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(c)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図である。
【図2】(a)は図1(c)の突起刃を平面側から見た断面図であり、(b)は図1(c)のA1−A1線断面図であり、(c)は図1(c)のA2−A2線断面図であり、(d)は図1(c)のA3−A3線断面図であり、(e)は第1実施形態の別例を示す断面図である。
【図3】(a)は第2実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)の突起刃を平面側から見た断面図であり、(d)は(b)のB1−B1線断面図であり、(e)は(b)のB2−B2線断面図である。
【図4】(a)は第3実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のC1−C1線断面図であり、(d)は(b)のC2−C2線断面図であり、(e)は(b)のC3−C3線断面図である。
【図5】(a)は第4実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のD1−D1線断面図であり、(d)は(b)のD2−D2線断面図である。
【図6】(a)は第5実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のE1−E1線断面図であり、(d)は(b)のE2−E2線断面図であり、(e)は(b)のE3−E3線断面図である。
【図7】(a)は第6実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のF1−F1線断面図であり、(d)は(b)のF2−F2線断面図である。
【図8】(a)は第7実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のG1−G1線断面図であり、(d)は(b)のG2−G2線断面図である。
【図9】(a)は第8実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のH1−H1線断面図であり、(d)は(b)のH2−H2線断面図である。
【図10】(a)は第9実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)は同おろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のI1−I1線断面図であり、(d)は(b)のI2−I2線断面図である。
【図11】(a)は第10実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のJ1−J1線断面図であり、(d)は(b)のJ2−J2線断面図である。
【図12】(a)は第11実施形態に係るおろし器の突起刃の一つを示す斜視図であり、(b)はこのおろし器の突起刃の一つを示す平面図であり、(c)は(b)のK1−K1線断面図であり、(d)は(b)のK2−K2線断面図である。
【符号の説明】
1…おろし台、2…スライド面、3…突起刃、4…周面、5…刃先縁、6…頂部、7…最高面、8…底面、9…刃面、9a…内縁、10…頂上線部、10a…頂点、P…想定平面(想定面)、θP…想定刃先角、θ9…実際刃先角、α…傾斜角、L…軸線、LC…図心、X…周方向。

Claims (14)

  1. おろし材を滑らせるスライド面上に突起刃を並設し、このスライド面から立ち上がるこの各突起刃の周面には、スライド面に沿った周方向へ互いに並べた複数の刃先縁を形成したおろし器において、
    前記各突起刃のうち特定の突起刃にあって、周方向で互いに隣接する両特定刃先縁間の特定刃面は、この両特定刃先縁を互いに結ぶ特定想定面の内側に形成されているとともに、この特定想定面から内側へ凹む凹状に形成され、
    この凹状特定刃面により、この凹状特定刃面を挟むように周方向で互いに隣接する両側刃面のうち少なくとも一方の片側刃面、またはこの片側刃面を挟む両刃先縁を互いに結ぶ片側想定面と前記特定想定面との間でなす想定刃先角よりも、この凹状特定刃面を挟むように周方向で互いに隣接する両側刃面のうち少なくとも一方の片側刃面とこの凹状特定刃面との間でなす実際刃先角を小さく設定したことを特徴とするおろし器。
  2. おろし材を滑らせるスライド面上に突起刃を並設し、このスライド面から立ち上がるこの各突起刃の周面には、スライド面に沿った周方向へ互いに並べた複数の刃先縁を形成したおろし器において、
    前記各突起刃のうち特定の突起刃における各刃先縁のうち、特定刃先縁を挟むように周方向で互いに隣接する両特定刃面は、この特定刃先縁とこの特定刃先縁に対し周方向で隣接する両刃先縁とを互いに結ぶ両特定想定面の内側に形成されているとともに、この両特定刃面のうち少なくとも一方の特定刃面は、この特定想定面から内側へ凹む凹状に形成され、
    この凹状特定刃面により、この特定刃先縁を挟むように周方向で互いに隣接する前記両特定想定面間でなす想定刃先角よりも、この特定刃先縁を挟むように周方向で互いに隣接する前記両特定刃面間でなす実際刃先角を小さく設定した
    ことを特徴とするおろし器。
  3. 前記各刃先縁は、スライド面から立ち上がり、突起刃の周面を経て、スライド面に対し離間して形成した突起刃の最高面に至ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のおろし器。
  4. 前記各突起刃のうち特定の突起刃は、各刃先縁が互いに交差する頂部を有し、前記突起刃の最高面はこの頂部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のおろし器。
  5. 前記各突起刃のうち特定の突起刃は三角錐状または四角錐状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のおろし器。
  6. 前記各突起刃のうち特定の突起刃の頂部を通り且つスライド面上における特定突起刃の底面に垂直である軸線は、この底面の三点を結ぶ三角形状範囲またはこの底面の四点を結ぶ四角形状範囲で交差することを特徴とする請求項5に記載のおろし器。
  7. 前記軸線は特定突起刃の底面の図心を通ることを特徴とする請求項6に記載のおろし器。
  8. 前記特定突起刃の各刃先縁は、特定突起刃の底面に対し鋭角をなすように傾斜していることを特徴とする請求項3または請求項6または請求項7に記載のおろし器。
  9. 前記各突起刃のうち特定の突起刃は錐台状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のおろし器。
  10. 前記各突起刃のうち特定の突起刃においてスライド面上における底面は四角形状であり、この特定突起刃の周面でこの底面の四辺から立ち上がる各刃面のうち、一方の対辺になる二辺から立ち上がる刃面は三角形状であり、他方の対辺になる二辺から立ち上がる刃面は四角形状であり、この三角形状の両刃面の頂点間を結ぶ頂上線部はこの四角形状の両刃面の最高辺部であり、前記最高面はこの頂上線部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のおろし器。
  11. 前記凹状特定刃面において特定刃先縁とこの特定刃先縁に対し周方向で隣接する刃先縁とを結ぶ内縁のうち、スライド面上における特定突起刃の底面に平行な内縁は、特定突起刃の底面から最高面にわたり凹状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれかの請求項に記載のおろし器。
  12. 前記凹状特定刃面において特定刃先縁とこの特定刃先縁に対し周方向で隣接する刃先縁とを結ぶ内縁のうち、スライド面上における特定突起刃の底面に平行な内縁は、凹曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれかの請求項に記載のおろし器。
  13. 前記凹状特定刃面は、特定突起刃の周面でスライド面に沿った周方向へ互いに並べたすべての刃面であることを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれかの請求項に記載のおろし器。
  14. 前記各突起刃の内部は中実状態になっていることを特徴とする請求項1から請求項13のうちいずれかの請求項に記載のおろし器。
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