JP2005013169A - 冷凍パン生地の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リーンな配合のパン生地を生地中心温度が−1〜−5℃になる迄冷却速度−0.5〜−2.0℃/minの条件下で冷却した後、次いで冷凍速度を−0.5℃/min以下の条件下で冷凍する、冷凍パン生地の製造法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍パン生地の製造法に関する。
【0002】
従来、パン生地の冷凍保存法としては、未発酵パン生地を、生地中心温度が−5〜−10℃になる迄急速冷凍し、次いで−15〜−20℃の庫温で冷凍保存するパン生地の冷凍保存法(特許文献1)あるいはベンチタイムを採ったパン生地を、生地中心温度が−5〜−10℃になるまで生地1g当りの品温降下速度を0.033℃/分〜0.046℃/分にて急速冷凍し、次いで−15〜−20℃の庫温で冷凍保存するパン生地の冷凍保存法(特許文献2)が知られている。
しかしながらこれらのパン生地の2段冷凍法は、それ迄の1段冷凍法に比べれば優れた方法であるが、常に一定した品質のパン類が得られない欠点があった。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−11134号公報
【特許文献2】
特開平5−219876号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、さらに品質が一定し優れたパン類を得るための冷凍方法について種々検討した結果、パン生地の配合によって、その冷凍過程の条件が、従来方法とはまったく異なることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、リーンな配合のパン生地を生地中心温度が−1〜−5℃になる迄冷却速度−0.5〜−2.0℃/minの条件下で冷却した後、次いで冷凍速度を−0.5℃/min以下の条件下で冷凍することを特徴とする冷凍パン生地の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、リーンな配合のパン生地を対象とする冷凍パン生地の製造法である。本発明におけるリーンな配合のパン生地とは、配合する食塩、糖類、乳製品(固形物換算)および油脂の合計量が穀粉に対して10重量%以下のものを指称するものである。
【0007】
本発明のパン生地に用いられる製パン原料としては、穀粉、食塩、糖類、乳製品、卵類、乳化剤、油脂、イースト、イーストフード等が挙げられる。
【0008】
穀粉としては、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、セモリナ、全粒粉等の小麦粉、ライ麦粉、オーツ粉、米粉、コーン類、豆類等が挙げられる。
【0009】
糖類としては、砂糖、糖蜜、はちみつ、ブドウ糖、あめ類等が挙げられる。
【0010】
乳製品としては牛乳、粉乳、調整粉乳、練乳、ヨーグルト、生クリーム、チーズ、ホエー等が挙げられる。
【0011】
卵類としては、割卵、冷凍卵、乾燥卵、濃縮卵等が挙げられる。
【0012】
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、大豆リン脂質、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0013】
油脂類としては、大豆油、綿実油、落花生油、ごま油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、菜種油、米糠油、コーン油、バター、ラード、ヘッド、魚油、マーガリン、ショートニング等が挙げられる。
【0014】
イースト類としては、生イースト、ドライイースト等が挙げられる。
【0015】
イーストフード類としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、第1リン酸カルシウム、過硫酸アンモニウム、アスコルビン酸、グルタチオン、システイン、アミラーゼ、プロテアーゼ等が挙げられる。
【0016】
前記の製パン原料を適宜用いて調製したリーンな配合のパン生地を、その生地中心温度の冷却速度を−0.5〜−2.0℃/minの条件下で、−1〜−5℃、好ましくは−1〜−4.5℃に達する迄冷却する。
この冷却速度が−0.5℃/minより遅いと全体としての作業時間の延長により生地の経時劣化を招き、一方−2.0℃/minより速くなると急速な温度変化による生地の収縮によって生地の組織構造がダメージを受けるため好ましくない。
【0017】
またパン生地の中心温度が冷却した結果−1℃に達しない場合は、保存時の温度変化に対する耐性が劣り、製品表面に冷凍障害が生じる。一方パン生地の中心温度が−5℃以上の場合は、ガス発生力、ガス保持力が低下し、製品の内相劣化や体積減少が生起するようになるので好ましくない。
【0018】
前記のようにして冷凍処理されたパン生地は、次に冷凍速度を−0.5℃/min以下の条件下で冷凍する。この冷凍速度が−0.5℃/minを超えるとガス発生力およびガス保持力が低下するので好ましくない。またこの冷凍処理はパン生地の中心温度が−20℃に達する迄冷凍することが好ましい。このような条件下で冷凍することによって、イーストの活性が高くなり、ガス保持能力も向上することから、製品の体積、外観、内相等の品質の優れたパン類を得ることができる。
【0019】
本発明方法に用いるパン生地としては、中種あるいは本捏生地、フロアータイムをとった後の生地、ベンチタイムをとった後の生地、成型後の生地、ホイロをとった後の生地等の種々の状態のパン生地を用いることができる。
【0020】
本発明のリーンな配合の冷凍パン生地から得られるパン類としては、フランスパン、ハードロール、バゲット、イタリアンブレッド、グリシニー、ロッゲンミッシブロード、カイザロール、ソルトスティック、プレッツエル、イングリッシュマフィン等が挙げられる。
【0021】
【実施例】
次に本発明をさらに具体的に説明するために、実施例を掲げるが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0022】
実施例1
小麦粉(「ミリオン」日清製粉株式会社製商品名)100重量部、生地改良剤1.5重量部、ユーロモルト0.3重量部および水62重量部を低速で1分間、中速で3分間、中高速で1分間混捏した後、生イースト5重量部を加えて、中高速で3分間混捏した後食塩2重量部を加えて高速で4分間混捏した(生地温度24℃)。
得られたパン生地を温度27℃および湿度75%の条件下で15分間発酵させた。このパン生地を1個120gに分割し、ワンローフ型の容器に詰めた後冷凍庫に入れ冷却速度を−1.8℃/minの条件下で冷却し、生地中心温度が−3.2℃になる迄冷却した。
次いで、この冷却したパン生地における生地中心温度の冷凍速度を−0.2℃/minの条件下で生地中心温度が−20℃になる迄冷凍して冷凍パン生地を得た。
この冷凍パン生地を−20℃の冷凍庫に入れ保存した。
【0023】
比較例1
小麦粉(「ミリオン」日清製粉株式会社製商品名)100重量部、生地改良剤1.5重量部、ユーロモルト0.3重量部および水62重量部を低速で1分間、中速で3分間、中高速で1分間混捏した後、生イースト5重量部を加えて、中高速で3分間混捏した後食塩2重量部を加えて高速で4分間混捏した(生地温度24℃)。
得られたパン生地を温度27℃および湿度75%の条件下で15分間発酵させた。このパン生地を1個120gに分割し、ワンローフ型の容器に詰めた後、−40℃の冷凍庫に入れ、生地中心温度が−18℃になる迄冷却した。
次いでこの冷却したパン生地を−20℃の冷凍庫に入れ、生地中心温度が−20℃になる迄冷凍して冷凍パン生地を得た。
この冷凍パン生地を−20℃の冷凍庫に入れ保存した。
【0024】
比較例2
小麦粉(「ミリオン」日清製粉株式会社製商品名)100重量部、生地改良剤1.5重量部、ユーロモルト0.3重量部および水62重量部を低速で1分間、中速で3分間、中高速で1分間混捏した後、生イースト5重量部を加えて、中高速で3分間混捏した後食塩2重量部を加えて高速で4分間混捏した(生地温度24℃)。
得られたパン生地を温度27℃および湿度75%の条件下で15分間発酵させた。このパン生地を1個120gに分割し、ワンローフ型の容器に詰めた後、−40℃の冷凍庫に入れ、生地中心温度が−10℃になる迄冷却した。
このパン生地を−20℃の冷凍庫に入れ保存した。
【0025】
試験例
実施例1および比較例1〜2で得られた冷凍パン生地を3ヶ月間保存した後冷凍庫から取り出し、生地温度が−5〜−6℃になる迄室温に放置して解凍した。
この解凍したパン生地を温度35℃および湿度80%の条件下で70分間ホイロをとった後220℃のロータリーオーブンで18分間焼成してパンを得た。
なおホイロ時のガス発生量およびパンの品質を調べた結果は表1のとおりであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明方法で冷凍した冷凍パン生地は長期間保存してもイーストの活性が高く維持され、ガス保持能力にも優れ、体積、外観、内相などの品質の良いリーンな配合のパン類を得ることができる。
Claims (1)
- リーンな配合のパン生地を生地中心温度が−1〜−5℃になる迄冷却速度−0.5〜−2.0℃/minの条件下で冷却した後、次いで冷凍速度を−0.5℃/min以下の条件下で冷凍することを特徴とする冷凍パン生地の製造法。
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