JP2005013093A - 食物繊維摂取用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維、(B)大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維、(C)難消化性オリゴ糖、および(D)水の4成分を含有する食物繊維摂取用組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は便通改善用食品として有用な食物繊維摂取用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの消化管内で消化吸収を受けず、大腸まで到達する難消化性糖類のうち、高分子量のものは食物繊維、低分子量のものは難消化性オリゴ糖に分類される。また、一般に食物繊維のうち腸内細菌によって発酵を受けるものは発酵性食物繊維、発酵を受けないものは難発酵性食物繊維に分類される。発酵性食物繊維や難消化性オリゴ糖は、腸内の有用菌を増加させて腸内環境を整えるとともに、腸内細菌の発酵生成物である短鎖脂肪酸を介して大腸運動を促進し、便通を促す機能を有することが知られている。
【0003】
難消化性オリゴ糖は発酵性食物繊維に比較して腸内で発酵される速度が速いため、即効的な腸内環境改善効果に優れている。また、粘度が低いため口腔内で違和感がなく摂取しやすいという特徴を有している。ただし、難消化性オリゴ糖は急激な発酵や、浸透圧に伴い腹痛や膨満感を誘発しやすいという欠点がある。一方、発酵性食物繊維は難消化性オリゴ糖に比較して腸内でゆっくりと発酵されるため、大腸の末端まで発酵生成物である短鎖脂肪酸を行き渡らせることが可能である。また、浸透圧にほとんど影響しないために腹痛などを誘発し難い。短鎖脂肪酸は大腸上皮細胞のエネルギー源となる。また、それ自体が大腸運動を促進するため、大腸末端に短鎖脂肪酸を運搬する発酵性食物繊維は大腸を健康に保ち、排便を促進するために重要と考えられている。難発酵性食物繊維は便の骨格を形成し、便嵩と便水分を適正に保ち便通を促す機能を有している。また、充分な水分を摂取することは便秘の予防と解消に有効であることが知られている。
【0004】
快適な排便習慣を確立するためには、バランスの良い食事を規則正しく摂り、上記の異なる作用の食物繊維や難消化性オリゴ糖および水分をバランス良く充分量摂取することが重要である。しかしながら、現代人には食生活の乱れが原因となり便秘悩みを有する人も多く、便通を効果的に促進でき、なおかつ副作用の少ない食物繊維食品等の提案が望まれている。
【0005】
難消化性オリゴ糖が腸内細菌の栄養になることに着目し、腸内細菌叢を改善して便通を改善するための食品が開発されている。そして、難消化性オリゴ糖とポリデキストロース、難消化性デキストリン等の食物繊維とを組み合わせた食品(特許文献1、2)も報告されている。しかしながら、これらの組成物は、便量は増加するが急な膨満感や軟便、下痢等の副作用が生じるといった問題がある。
【0006】
一方、複数の食物繊維を配合する便通改善食品として、難水溶性食物繊維と水溶性食物繊維を配合したものが知られているが(特許文献3)、セルロースを主体とする難水溶性食物繊維の保水性は弱く、便性状を良好に保つために十分とは言い難い。便性状の良好化は便通改善作用には必須であり、この点から上記食品は充分な便通改善作用を発現し難い。加えて、最も摂取し易いと考えられる飲料形態では、難水溶性食物繊維を成分とする場合は配合上不利である。また、発酵性食物繊維と発酵性食物繊維を配合したもの(特許文献4)も報告されているが、便通改善効果発現の即効性に劣るといった欠点がある。
【0007】
また、複数の食物繊維と難消化性オリゴ糖を含む栄養補助食品が報告されているが(特許文献5)、ほとんど水を含まないため発酵性食物繊維、難発酵性食物繊維ともに消化管内で充分に分子が広がらず、充分な保水性や短鎖脂肪酸生成能が発現しにくく、便通改善作用が劣る。また、水を含まないためにそのままでは摂取しにくく、摂取しやすい形態に加工するには時間がかかるといった問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−220169号公報
【特許文献2】
特開平2−276556号公報
【特許文献3】
特公平7−12294号公報
【特許文献4】
国際公開第01/95746号パンフレット
【特許文献5】
特開2003−93017号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、食物繊維と難消化性オリゴ糖を組み合わせた食品は、急な膨満感や軟便、下痢等の副作用が生じるといった点で、一方、複数の食物繊維を組み合わせた食品は、便通改善作用の即効性や摂取しやすさの点で、また、複数の食物繊維と難消化性オリゴ糖を含有し水を含まない食品は便通改善作用と摂取しやすさの点で問題があった。
従って、本発明の目的は、良好な便通改善効果を有し、なおかつ、副作用を生じず、摂取し易い食物繊維摂取用組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、数多くの食物繊維や難消化性オリゴ糖を含む食品素材を用いて便通改善作用を検討してきたところ、大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維、大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維、難消化性オリゴ糖、および水の4成分を組み合わせて配合することにより、良好な便通改善効果を有し、副作用がなく、摂取し易い食物繊維摂取用組成物が得られることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、(A)大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維、(B)大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維、(C)難消化性オリゴ糖、および(D)水を含有する食物繊維摂取用組成物を提供することにある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維(A)とは、酸性多糖系食物繊維のうち大腸における発酵分解率が25%未満のものを指す。酸性多糖系食物繊維とは、カルボキシル基、スルホニル基、硫酸残基等の酸性基を多く有する食物繊維である。本発明に用いられる酸性多糖系食物繊維の1重量%溶液1mLに0.02Nの硫酸ナトリウム水溶液1mLと1重量%のセチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液1mLを添加すると白色沈殿が認められる。
また、大腸における発酵分解率が25%未満の食物繊維は、厚生労働省通知「食新発第0217002号」において、エネルギー換算係数として0kcal/gが与えられている。一般的に大腸における発酵分解率が低くほとんどエネルギー源として利用されない食物繊維は、難発酵性食物繊維として知られている。
さらに、本発明に用いられる大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維は、AOAC公定法の食物繊維測定法(プロスキー法)にて定量される。すなわち、所定の条件下で一連の酵素処理後、約80%のエタノール中で沈殿する残渣重量から非消化性タンパクと灰分を差し引いて測定される重量部である。
【0013】
本発明に用いられる大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維(A)は、植物、海藻または菌体から抽出、分解、精製工程を経て得られる。具体的には、アルギン酸、カラギーナン、フコイダン、ポルフィラン、アガロペクチン、カラヤガム、ジェランガム、キサンタンガムおよびこれらの塩類が挙げられる。当該酸性多糖系食物繊維は、大腸における発酵分解率が25%未満の他の食物繊維に比較して優れた保水性を示し、便の水分量を適正に保ち、便性状を良好な状態に保つ性質を有している。
【0014】
また、当該酸性多糖系食物繊維(A)の水溶液の粘度は特に規定はないが、例えば低濃度でゲル化あるいは、高い粘度を有する当該酸性多糖系食物繊維を摂取しやすくするためには、水分や糖など他の構成要素で希釈する必要性が生じ、結果として組成物の量が多くなり、摂取しにくくなる。したがって、組成物を摂取しやすい形態とするために、当該酸性多糖系食物繊維(A)は1重量%の水溶液が室温で流動性を有するものが好ましい。ここで流動性を有するとは、ビーカー内で調整した1重量%の水溶液が室温でビーカーを逆さにしたとき当該水溶液が流れ出る性質を有することをいう。また、その1重量%水溶液の粘度は200mPa・s以下、特に50mPa・s以下が好ましい。なお、粘度はB型粘度計を用い、回転子(ローターNo.2)に1分間あたり60回の回転速度を加えて測定される。
【0015】
本発明に用いられる大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維(B)は、厚生労働省通知「食新発第0217002号」において、エネルギー換算係数として1または2kcal/gが与えられている。一般的に大腸において発酵、分解を受ける食物繊維は、発酵性食物繊維として知られている。
さらに、本発明に用いられる大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維は、AOAC公定法の食物繊維測定法(プロスキー法)にて定量される。すなわち、所定の条件下で一連の酵素処理後、約80%のエタノール中で沈殿する残渣重量から非消化性タンパクと灰分を差し引いて測定される重量部である。
【0016】
本発明に用いられる大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維(B)は、植物、海藻または菌体から抽出、分解、精製工程を経て得られる。具体的には、難消化性デキストリン、アラビアガム、グアーガム、グアーガム分解物、プルラン、水溶性コーンファイバー、ヘミセルロース、低分子ヘミセルロース、ペクチン、低分子ペクチン、大豆食物繊維、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、ガードラン等が挙げられる。当該食物繊維は、大腸において発酵分解を受け、短鎖脂肪酸を生成する。特に当該食物繊維は難消化性オリゴ糖に比較して、ゆっくりと発酵されるため大腸末端にまで短鎖脂肪酸を行き渡らせることが可能である。大腸内で便形状を保持させ、腸管に物理的刺激を与える大腸での発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維と、大腸末端に短鎖脂肪酸を生成させ、化学的刺激を与える大腸での発酵分解率が25%以上の食物繊維の両方が作用することにより高い便通改善作用が得られることが確認された。
【0017】
また、当該食物繊維(B)の水溶液の粘度は特に規定はないが、例えば低濃度でゲル化あるいは、高い粘度を有する当該食物繊維を摂取しやすくするためには、水分や糖など他の構成要素で希釈する必要性が生じ、結果として組成物の量が多くなり、摂取しにくくなる。したがって、組成物を摂取しやすい形態とするために、当該食物繊維(B)は1重量%の水溶液が室温で流動性を有するものが好ましい。また、その1重量%水溶液の粘度は200mPa・s以下、特に50mPa・s以下が好ましい。なお、粘度はB型粘度計を用い、回転子(ローターNo.2)に1分間あたり60回の回転速度を加えて測定される。
【0018】
本発明に用いられる難消化性オリゴ糖(C)は、AOAC公定法の食物繊維測定法(プロスキー法)において、一連の酵素処理後約80%のエタノール中で沈殿しない3糖以上の分子量を有する難消化部である。このような難消化性オリゴとしては、ラフィノース系オリゴ糖、ガラクトース系オリゴ糖、レジスタントスターチ由来オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖等が挙げられる。難消化性オリゴ糖は腸内で速やかに発酵され、腸内有用菌の増殖を助け、腸内環境を整える。また、特に大腸の上部において発酵生成物である短鎖脂肪酸は腸内細菌の発酵生成物である短鎖脂肪酸を介して大腸運動を促進し、便通を促す機能を有している。また、正確な作用機序は明らかではないが、大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維(A)と大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維(B)と難消化性オリゴ糖(C)を併用することにより、難消化性オリゴ糖の整腸作用と即効的な便秘改善作用を阻害することなく、急激な膨満感や腹痛といった副作用を低減させることが確認された。
【0019】
大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維と難消化性オリゴ糖の合計量が、大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維に対して高すぎる組成物は、摂取しても便形状の良好化が発現しにくく、大腸内で物理的な刺激が充分でなく、結果として良好な便通改善作用が発現しにくい。また、大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維と難消化性オリゴ糖の合計量が、大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維に対して低すぎる組成物は、摂取しても充分な整腸作用や短鎖脂肪酸による化学的な刺激が充分でなく、結果として良好な便通改善作用が発現しにくい。このように、副作用なく、良好な便通改善作用と整腸作用を発現するために、本発明組成物中の発酵分解率が25%以上の食物繊維と難消化性オリゴ糖の合計量は、大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維1重量部に対して、0.1〜3重量部、さらに0.3〜3重量部、特に0.5〜2重量部が好ましい。
【0020】
難消化性オリゴ糖の含有量が、大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維に対して高すぎる組成物は、膨満感や腹痛といった副作用を生じる。また、難消化性オリゴ糖の含有量が、大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維に対して低すぎる組成物は、整腸効果が弱く、また、即効的な便通改善効果に欠ける。このように、整腸効果と即効性、および副作用の点から、本発明組成物中の難消化性オリゴ糖の含有量は大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維1重量部に対して0.05〜5重量部、さらに0.2〜4重量部、特に0.3〜4重量部が好ましい。
【0021】
前記2種類の食物繊維と難消化性オリゴ糖の含有量が高すぎる組成物は、食感が悪くなり摂取し難くなる。また、前記2種類の食物繊維と難消化性オリゴ糖の含有量が低すぎる組成物を用いて、充分な便通改善効果を得るためには、組成物の多量摂取が必要であり利用者に苦痛を生じさせる。このように、便通改善作用および日常の摂取しやすさの点から、本発明組成物中の大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維(A)、大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維(B)、難消化性オリゴ糖(C)の合計含有量は食物繊維摂取用組成物全体の1〜50重量%、さらに2〜20重量%、特に3〜10重量%が好ましい。
【0022】
本発明に用いられる水(D)は、前記2種の食物繊維を組成物内に均一に分散させ、かつ充分に膨潤させ、消化管内でそれぞれの作用を充分に発現させるために必要である。前記2種類の食物繊維は、あらかじめ水に充分に膨潤させてから摂取することにより、大腸内で保水性、保形性、および発酵性が最も良く発揮される。前記2種類の食物繊維を充分に膨潤させ、機能を発現させるという点から、水は食物繊維摂取用組成物中全体の少なくとも40重量%以上、さらに65重量%以上、特に80重量%以上が好ましい。水に充分に膨潤していない成分(A)は、保水性が劣り、水に充分に膨潤していない成分(B)は、大腸内で発酵しにくい。(A)(B)(C)(D)の4成分を組み合わせて配合することにより、摂取し易い食物繊維摂取用組成物が得られ、同時に副作用の少ない良好な便通改善効果を有する。
【0023】
本発明組成物の形態は、食物繊維を経口で摂取できる形態であれば特に限定されず、機能性食品、健康食品、スナック食品等の食品、医薬品等とすることができる。食品としては、パイ、クリーム、ゼリー、プリンといった生菓子や洋生菓子の他、飲料やゼリー飲料の形態が挙げられるが、特に摂取のし易さの点から飲料やゼリー飲料、ゼリーの形態が好ましい。
【0024】
本発明組成物を食品等の形態にするには、前記4種の成分以外に、他の食物繊維、糖類(例えばデンプン、デキストリン、ショ糖等)、タンパク質(カゼイン、大豆タンパク質、卵白等)、ミネラル類(炭酸カルシウム、乳酸鉄等)、ビタミン類(ビタミンA、B1、B2、B12、C等)、米、大麦、小麦、大豆、とうもろこし、各種野菜、肉類、食用油、調味料等を適宜単独または組み合わせて配合することができる。
【0025】
近年の日本人の食物繊維不足量を考慮すると、本発明組成物の摂取量は、1回(1食)当たりの食物繊維量として1〜10gとするのが好ましい。また、本発明組成物の摂取形態としては、飲料やゼリー飲料、ゼリーが適している。特に、長期間摂取し続けることを考慮すると、低粘度で風味的にも飲みやすい飲料形態とすることが好ましい。
【0026】
【実施例】
実施例1
表1に示す処方により、容量125gの飲料を製造した。
【0027】
【表1】
【0028】
比較例1
表2に示す処方により、アルギン酸ナトリウムと難消化性デキストリンの配合比が国際公開番号WO 01/95746A1記載の配合比である容量125gの飲料を製造した。
【0029】
【表2】
【0030】
比較例2
表3に示す処方により、ポリデキストロースと難消化性オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖)の配合比が特開昭62−220169号記載の配合比である容量125gの飲料を製造した。
【0031】
【表3】
【0032】
慢性的に便秘悩みを有する女性24名を対象とし、実施例1、比較例1、比較例2で示した3種類の飲料を1日1回、7日間連続摂取させる試験をクロスオーバーデザインで実施した。摂取終了後、対象者に飲料の便秘改善効果と膨満感や放屁などの不快感、便形状および風味について評価させた。その結果を表4に示した。実施例1の飲料の摂取により、便秘改善効果を感じた人は16名であり、便秘改善効果を感じなかった人(5名)を大きく上回った。特に、摂取開始後3日以内に便秘改善効果を感じた人(11名)は、感じなかった人(5名)を上回っており、実施例1の飲料は短期間で便秘改善効果をもたらすことが確認された。また、実施例1の飲料の摂取により、不快感を感じた人とお腹がゆるくなった人はそれぞれ4名、1名と少ないことが確認された。さらに、実施例1の飲料の風味について、毎日飲み続けられそうと思った人は18名であり、そう思わなかった人(5名)を大きく上回ることが確認された。これらの結果から実施例1の飲料は便秘症状の改善に有効であるとともに、短期間で改善効果を実感でき、摂取しやすく、不快な膨満感や放屁、軟便といった副作用を誘引しにくいことが確認された。実施例1が、比較例1、2よりも短期間で便秘症状を改善する効果に優れていることは明らかである。また、実施例1が比較例2よりも、便秘症状を改善する効果、および副作用を誘引しにくい効果に優れていることは明らかである。
【0033】
【表4】
【0034】
実施例2
表5の配合処方により、容量125gの飲料を製造した。
【0035】
【表5】
【0036】
比較例3
表6の配合処方により、食物繊維と難消化性オリゴ糖が特開2003−93017号記載の配合比である粉体の食品を調製した。
【0037】
【表6】
【0038】
慢性的に便秘悩みを有する女性20名を対象とし、ランダムに抽出した10名に実施例2で示した飲料を1日1本、7日間連続摂取させた。残りの10名には比較例3で示した粉体食品7gを1日1回摂取直前に100mLの水に溶解させて摂取させた。なお、比較例3の粉体食品7g中には、食物繊維および難消化性オリゴ糖、およびこれらを含有する原材料または商品が6g含有されている。摂取終了後、対象者に便秘改善効果と膨満感や放屁などの不快感、便形状および風味について評価させた。その結果を表7に示した。実施例2の飲料は、比較例3の粉体食品に水を加えたものに比較して、便秘症状の改善効果が顕著であるとともに、摂取しやすいことは明らかである。
【0039】
【表7】
【0040】
実施例3〜6および比較例4、5
表8の配合処方により、アルギン酸ナトリウムとグアーガムおよび難消化性オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖)の合計量が同一で、グアーガムと難消化性オリゴ糖の配合比が異なる125gの飲料を製造した。
【0041】
【表8】
【0042】
慢性的に便秘悩みを有する女性15名を対象とし、実施例3〜6および比較例4、5の6種類の飲料を1日1本、3日間連続摂取させる試験を行った。対象者には全ての種類の飲料を摂取させ、飲料の種類を変更する場合は4日間以上の期間をおいた。摂取終了後、便秘改善効果と膨満感や放屁などの不快感について評価させた。その結果を表9に示した。大腸での発酵分解率が25%以上の食物繊維1重量部に対し、難消化性オリゴ糖を0.5〜5重量部含有する実施例3〜6の飲料は、比較例4および5に比較し、短期間で便秘改善効果を実感できかつ膨満感や放屁などの不快感を誘発しにくいことが確認された。
【0043】
【表9】
【0044】
実施例7
表10に示す処方により、300gの飲料を製造した。
【0045】
【表10】
【0046】
健常成人6人を対象とし、実施例3の飲料を1日1本、7日間摂取させた。その結果、毎日快適な排便があり、なおかつ、不快な膨満感や放屁、および下痢や軟便といった副作用症状は認められなかった。さらに、実施例3の飲料は止渇性に優れ、毎日飲み続けるのに適した風味であることを確認した。
【0047】
実施例8
表11に示す処方により、500gの飲料を製造した。
【0048】
【表11】
【0049】
健常成人6人を対象とし、実施例8の飲料を1日1本、3日間摂取させた。その結果、毎日快適な排便があり、なおかつ、不快な膨満感や放屁、および下痢や軟便といった副作用症状は認められなかった。さらに、実施例8の飲料は止渇性に優れ、毎日飲み続けるのに適した風味であることを確認した。
【0050】
実施例9
表12に示す処方により、ゼリーを製造した。
【0051】
【表12】
【0052】
実施例10
表13に示す処方により、150gのゼリー飲料を調製した。
【0053】
【表13】
【0054】
実施例11
表14に示す処方により、150gのゼリー飲料を調製した。
【0055】
【表14】
【0056】
実施例12
表15に示す処方により、125gの飲料を調製した。
【0057】
【表15】
【0058】
実施例13
表16に示す処方により、125gの飲料を調製した。
【0059】
【表16】
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、良好な便通改善効果を有し、副作用がなく、摂取し易い食物繊維摂取用組成物が提供される。
Claims (8)
- (A)大腸における発酵分解率が25%未満の酸性多糖系食物繊維、(B)大腸における発酵分解率が25%以上の食物繊維、(C)難消化性オリゴ糖および(D)水を含有する食物繊維摂取用組成物。
- 成分(A)、成分(B)および成分(C)を合計で1〜50重量%含有する請求項1記載の食物繊維摂取用組成物。
- 成分(D)を少なくとも40重量%含有する請求項1〜2のいずれか1項記載の食物繊維摂取用組成物。
- 成分(A)1重量部に対して、成分(B)および成分(C)を合計で0.1〜3重量部含有する請求項1〜3記載の食物繊維摂取用組成物。
- 成分(B)1重量部に対して、成分(C)を0.05〜5重量部含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の食物繊維摂取用組成物。
- 形態が食品である請求項1〜5のいずれか1項記載の食物繊維摂取用組成物。
- 形態が飲料である請求項1〜6のいずれか1項記載の食物繊維摂取用組成物。
- 便通改善用食品である請求項1〜7のいずれか1項記載の食物繊維摂取用組成物。
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