JP2005013007A - 水肥施肥作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】自走式の水肥施肥作業機について、作業機台車のフレーム及び走行駆動機構などの基本機構を簡略にし、水肥タンクの容量を可及的に大きくするとともに水肥タンクで車体剛性を補強するようにし、ポンプを用いてタンク内水肥を循環させることができ、また、固定タンクから作業台車の水肥タンクに水肥をくみ上げることができるように配管構造を工夫すること。
【解決手段】中空門形フレーム12の下端を左右の走行用フレーム11に連結して車体フレームを構成し、走行フレームにクローラ走行輪18を装着し、一方の走行用フレーム11と中空門形フレームとに逆L形の水肥タンクTを固定し、上記水肥タンクTの下端に水肥取り出し口を設け、上部に水肥戻り口を設け、上記水肥取り出し口をポンプPの吸入口に接続し、上記水肥戻り口を3方コックを介してポンプの吐出口に接続し、当該3方コックV2の第3のポートを放出ホースに接続したこと。
【選択図】図4

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、曝気済みの家畜糞尿、化学肥料等の水肥を農作物の根元に集中的に散布するための自走式作業機に関するものであり、作業者一人で極めて簡便かつ能率的に水肥施肥作業を行うことができ、さとうきび、トウモロコシ、サツマ芋などの作物の根元に集中的に水肥を施肥することによって施肥効果を高めることができ、また、水肥施肥作業の他、作物の根を傷める線虫などの害虫駆除のための消毒薬の散布、集中灌水作業をも行うことができ、これらの作業を能率的に行うことができるものである。
【0002】
【従来の技術】
家畜糞尿は、個々の農家が汚水処理装置で処理するか、あるいは、バキュームカーでくみ取り、大型の糞尿処理装置で処理しているのが大方の現状であるが、家畜糞尿の処理コスト低減、当該糞尿の有効利用による肥料コスト低減の観点から、曝気処理した家畜糞尿をさとうきび、トウモロコシの若木、サツマ芋等の比較的背丈が低い農作物に施肥したいという農家の要求が強く、また、作物の根の消毒作業、集中灌水作業を楽にかつ能率的に行える作業機の開発が求められている。
他方、文献に記載されている家畜糞尿散布作業機として、特開平6−166583号公報に記載されているものがあるが、しかし、このものは、糞尿を圃場に撒き散らすもので、極めて大形の作業機であるので、さとうきびの若木等の比較的背丈の低い作物の根元に家畜糞尿を集中施肥する作業には用いられない。
【0003】
また、バキュームカーに長いホースを接続して、これを20〜30mまで引き出して家畜糞尿を散布することが実際に試みられているが、糞尿が流通しているホースは重いのでその取扱が困難で、ホースを引きずることになり、その結果、ホースで農作物を傷めてしまう。仮に、ホースで作物を傷めることがないように何等かの工夫をしても、施肥作業がホースの届く範囲に限られるので、実用性に極めて乏しい。
他方、農作物に対する薬剤散布機のようにして、糞尿タンクと加圧ポンプと噴射管等を設けたアタッチメントをトラクタに牽引させ、噴射管から糞尿を噴射させて施肥することも考えられるが、極めて大掛かりな作業機で高価なものになり、また、作物が植え付けられている圃場をトラクタで踏み固め、作物の根を傷めるおそれがあるばかりでなく、小回りがきかず、作物の根元に集中的に施肥する施肥作業には適しない。
【0004】
以上のようなことから、自走台車にタンクを搭載した家畜糞尿等の水肥の施肥作業機を筋状に植え付けられた作物を跨いで走行させて、上記タンク内の糞尿をポンプで移送させながら作物の根元にホースで散布するのが、その作業性、作業能率等の観点から最も望ましい。
【0005】
そしてまた、曝気処理した家畜糞尿又はその他の水肥(以下、これらを「水肥」という)の施肥作業機については、施肥の作業性を一層向上させ、また、作業能率を一層向上させるためには、次の点を技術的に解決することが必要である。
(1)作業機の低価格化のために、自走台車の機構構造を可及的に簡略にすること、
(2)走行輪の接地圧を低くするとともに、方向転換のための旋回半径を小さくするためにクローラを走行輪とすること、
(3)作業機の重量を可及的に小さくするために、自走台車の車体重量を可及的に低減しつつ、搭載タンク容量をできるだけ大きくできるように、車体フレーム及び水肥タンクの機構・構造を工夫すること、
(4)水肥タンク内での固形物の沈降による水肥移送不良を回避するとともにポンプ駆動機構を簡略にするために、作業機運転中はポンプを停止させないようにし、かつ水肥タンク内の水肥の流れを停滞させないようにすること、
(5)圃場に付設されている固定タンク(水肥貯槽)から、施肥作業機自身の動力を利用して作業機のタンクに水肥を補充できるようにすること。
【0006】
【公知文献】
【特許文献1】特開平6−166583号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
そこで、この発明は上記要請に応えるために、作業機台車のフレーム及び走行駆動機構などの基本機構を簡略にし、水肥タンクの容量を可及的に大きくするとともに水肥タンクで車体剛性を補強するようにし、ポンプを用いてタンク内水肥を循環させることができ、また、固定タンクから作業台車の水肥タンクに水肥をくみ上げることができるように配管構造を工夫することをその課題とするものである。
【0008】
【課題解決のために採用した構成】
上記課題を解決するために採用した構成は、次の(イ)〜(ニ)によるものである。
(イ)中空門形フレームの左右の下端を左右の走行用フレームにそれぞれ連結して車体フレームを構成し、走行フレームにクローラ走行輪を装着したこと、
(ロ)左右の走行用フレームの一方にエンジン、伝動装置、ポンプ等からなる動力装置及び作業者用のシートを搭載し、他方の走行用フレームと中空門形フレームとに逆L形の水肥タンクを固定したこと、
(ハ)上記門形フレームの水平部に横軸を設け、当該横軸の両端にチェンスプロケットを設け、門形フレームの左右の縦部にチェンを配置して、上記エンジンの動力を上記他方の走行フレームへ伝動する伝動機構を構成したこと、
(ニ)上記水肥タンクの下端に水肥取り出し口を設け、上部に水肥戻り口を設け、上記水肥取り出し口をポンプの吸入口に接続し、上記水肥戻り口を3方コックを介してポンプの吐出口に接続し、当該3方コックの第3のポートを放出ホースに接続したこと。
【0009】
【作用】
この施肥作業機は自走式であって小型軽量に構成され、走行輪はクローラであって接地圧が低いから、圃場を踏み固めることも、また農作物の根を傷めることもない。
また、走行輪はクローラであるから、方向転換のための旋回半径も小さい。
左右の走行フレームを門形フレームで繋いで車体フレームが構成されているから、さとうきびの若木などの比較的背丈の低い作物を跨いで走行することができる。
また、ポンプで加圧し、ホースで散布するものであるから、スラリー状の水肥を、タンク内残量の如何にかかわらず、安定して一定流量でスムーズに散布することができる。
【0010】
また、車体フレームは左右の走行フレームを中空門形フレームで連結した構造であるから、軽量であり、それ自体の強度・剛性は高くないが、一方の走行フレームと門形フレームに逆L形の水肥タンクを固定したことで、門形フレームが水肥タンクによって補強される。また、水肥を満載した状態での水肥タンクは比較的重量が大きいが、しかし、これは逆L形であり、その縦部分の下端が他方の走行フレームに直接固定されており、その水平部が中空門形フレームの水平部に固定されているので、重量が上記他方の走行フレームと門形フレームとに分散される。したがって、水肥タンクの重量のために、車体フレームが走行中に大きく変形することはない。そしてまた、水肥タンクが逆L形であるから、左右の走行フレームと中間の門形フレームとからなる車体フレームの一側方の空間と上方の空間とを有効に利用してこれを車体フレームに配置することができ、この水肥タンクの下端に水肥取り出し口を設けたことでタンク内水肥料を支障なく完全に取り出すことでき、また容量が可及的に大きな水肥タンクをコンパクトな状態で車体フレームに搭載することができる。
【0011】
また、上記中空門形フレームの水平部に横軸を設け、当該横軸の両端にチェンスプロケットを設け、中空門形フレームの左右の縦部にチェンを配置して、上記エンジンの動力を上記他方の走行フレームへ伝動する伝動機構を構成しているので、走行中の車体フレームの変形(弾性領域での変形)に関わらず、一方の走行フレーム上のエンジンの動力を他方の走行フレームの駆動輪(クローラ走行輪を駆動する駆動輪)に、スムーズに伝動することができる。
さらに、上記水肥タンクの下部に水肥取り出し口を設け、上部に戻り口を設け、上記取り出し口をポンプの吸入口に接続し、上記戻り口を3方コックを介してポンプの吐出口に接続し、当該3方コックの第3のポートを放出ホースに接続しているので、当該3方コックの切り換えによって、ポンプから吐出される水肥を選択的に水肥タンクに戻し、あるいは放出ホースから放出させることができる。
そして、水肥タンクが空の状態ではポンプを停止させるとしても、水肥タンクが空でない状態では水肥散布停止中も水肥を上記ポンプ、3方コックを通って循環させることができるので、水肥タンク内の水肥の流れが停滞することはなく、したがって、タンクの底に固形物が沈降することはなく、常に安定的にかつスムーズに水肥タンクから取り出される。
【0012】
【実施態様1】
実施態様1は、上記逆L形タンクの上記水肥取り出し口を3方コックを介してポンプの吸込口に接続し、上記3方コックの第3のポートに補助ホースを接続するようにしたものである。
【作用】
上記3方コックを切り換えることによって、ポンプ吸込口を水肥タンクの取り出し口と上記補助ホースとに選択的に連通させることができる。
そして、ポンプの吸込口を水肥タンクの取り出し口に連通させることによって、水肥タンク内の水肥を放出ホースから放出することができ、他方、ポンプの吸込口を補助ホースに連通させることによって、補助ホースを用いて固定タンク(水肥貯槽)から上記3方コックを介して水肥をポンプで吸い上げて、ポンプ吐出口側の3方コックを介して作業機の水肥タンクに補充することができる。
なお、この水肥散布作業機を集中灌水作業に用いる場合は、上記補助ホースを用いて、貯水タンクから水肥タンクに水を補充すればよい。
【0013】
【実施態様2】
実施態様2は、実施態様1の吸込側の3方コックと吐出側の3方コックとを一体にし、吸込側の補助ホースがポンプ吸い込み口に連通される操作位置においてはポンプ吐出口が水肥タンクに連通されるようにポートの位置を設定し、コック弁体の回転方向の違いによって、吸込側の切り換え、吐出側の切り換えがそれぞれ行われるようにしたことである。
【作用】
補充作業では、吐出側3方コックを循環位置に切り替え、吸込側3方コックを補充位置に切り換えなければならないが、この実施態様によれば、一つのコックの回転方向の違い(右方向か左方向かの違い)によって、吐出側における上記切り換えと、吸込側の切り換えとが行われるので、コック切り換え操作が単純化されて操作性が向上する。
【0014】
【実施態様3】
実施態様3は、実施態様1又は実施態様2の吸込側3方コックが、補助ホースを接続した第3のポートを選択的に大気に解放する第4のポートを有するものである。
【作用】
補助ホースを用いて水肥補充を完了したとき、上記第4のポートを第3のポートに連通させることができ、これによって、補助ホースを固定水肥タンク(水肥貯槽)に投入したままで補助ホース内の水肥が水肥貯槽に戻されるので、補助ホースの水肥貯槽からの引上げ、収納作業を容易に行うことができる。
【0015】
【実施態様4】
実施態様4は、上記逆L形タンクの走行方向長さを走行用フレームの長さとほぼ等しくしたことである。
【作用】
上記逆L形タンクの走行方向長さを走行用フレームの長さとほぼ等しくすることで、その先端、後端が走行フレームの先端、後端に揃えられるから、タンク容量を大きくしつつ、車体の前後方向安定性を確保することができる。
【0016】
【実施態様5】
実施態様5は、上記逆L形タンクが多数の中仕切りを有し、各中仕切りの左右空間がその下部において連通している構造であることである。
【作用】
水肥施肥作業機は、凸凹した走行面を走行するために走行中に前後、左右に傾動し、この傾動によってタンク内水肥が、前後、左右に大きく揺れる(いわゆる「がぶり」現象)。タンク内の水肥重量は車体重量に比して重く、逆L形タンクの重心位置は比較的高いので、タンク内水肥の前後、左右方向への揺れが、作業機の安定性、走行の安定性を害するが、中仕切りによってタンク内を仕切ることで、タンク内水肥の揺れ(がぶり)が極力抑制されるので、逆L形タンクの重心位置が比較的高いにも関わらず、作業機の安定性、走行の安定性が確保される。
また、中仕切りによって水肥タンクの剛性が強化されるので、車体フレームに対する水肥タンクによる補強効果が増大する。
【0017】
【実施態様6】
実施態様6は、解決手段乃至実施態様3におけるポンプがモノフレックスポンプであることである。
【作用】
モノフレックスポンプはポンプ翼が硬質ゴム等の可撓性を有する材料で作られているもので、呼び水が不要なポンプであり、汚泥移送用などに汎用されているものであって新規なものではないが、これを水肥移送ポンプに用いることによって、水肥が家畜糞尿等のようにその性状が一定しないものであっても、これを上記放出ホースから安定的にかつスムーズに放出することができ、かつ水肥移送ポンプの耐久性を高くすることができる。
また、実施態様3においては、水肥貯槽に補助ホースを投入して同貯槽内の水肥を汲み上げて水肥タンクに補充するのであるが、そのポンプがモノフレックスポンプであるから、呼び水を入れることなしにそのままで汲み上げを開始することができる。また、補助ホースの先端に逆流防止バルブ等を設ける必要はないから、水肥タンクへの補充後は、補助ホース内の水肥を水肥貯槽に完全に戻した状態で補助ホースを収納することができるので、その収納作業が簡単容易である。
【0018】
【実施例】
この発明による水肥施肥作業機の大きさは、作物の種類などに応じて様々であるが、さとうきびの若木に施肥することを主な目的とするこの実施例(水肥散布作業機の一例)の主な仕様は、その地面からのクリアランスが130cmで、車体幅165cm、車体長さ160cm、水肥タンク容量は700l、散布走行速度は2km/hrであり、ポンプは1000rpmで200l/分のモノフレックスポンプを使用している。
【0019】
次いで、この実施例の機構構造を図面を参照しながら説明する。
左右の走行フレーム11,11に中空の門形フレーム12の両下端を固定して車体フレームを構成している。走行フレームにクローラ走行輪18が取り付けられており、走行方向前方からみて左側(走行方向後方からみて右側)の走行フレームにエンジンE、ポンプP、伝動装置M等からなる動力装置が搭載されており、また作業者用のシートSが設けられている。門形フレーム12の左右の縦部分12v、水平部分12hはともに中空であり、この中空部に中間伝動機構が次のように内装されている。
すなわち、水平部分12hに中間軸15bが配置されており、その両端にチェンスプロケット15a,15cが固定されており、縦部分12v内にチェン16,16が配置されている。そのうちの一方のチェン16は伝動装置Mの走行駆動スプロケットMyと上記チェンスプロケット15aとに巻き掛けられ、他方のチェン16は、上記チェンスプロケット15cと下端の被動スプロケット15dとに巻き掛けられている。被動スプロケット15dは中間軸15eの一端に固定されており、中間軸15eの多端にスプロケット15fが固定されている。
【0020】
伝動装置Mは2つの走行駆動スプロケットMx,Myを備えており、走行駆動スプロケットMxによってチェン17を介して左側のクローラ走行輪18が駆動され、走行駆動スプロケットMyによって、チェン16、中間軸15b等からなる中間伝動機構15を介して、右側のクローラ走行輪18が駆動される。
伝導装置Mの切り換え操作によって、左右のクローラ走行輪18,18は、同時にあるいは個別に前進方向、あるいは進後方向に回転する。
なお、伝動装置Mは走行速度を切り変えるための変速機構を備えていて、この変速機構によって走行駆動スプロケットMx,Myの回転速度を低速と高速に切り変えることができる。
【0021】
水肥タンクTは、全体形状が逆L形状(Lを上下反転させた形状)であり、縦部分Tvの前後方向長さがクローラ走行輪18の全長にほぼ等しく、その先端がクローラ走行輪18の先端とほぼ一致しており、また、その縦部分Tvの下端が右側の走行フレーム11に固定されている。水肥タンクTの水平部分Thは門形フレーム12よりも前方に配置されており、門形フレーム12の水平部分12hに固定されている。門形フレーム12から後方には水平部分Thはない。
門形フレーム12で作物を跨いで走行して、放出ホースH2によって、門形フレーム12を通過する作物の根元に水肥が散布される。
この実施例では、エンジンE、ポンプP、伝動装置Mからなる動力装置の後方において、左側の走行フレーム上に運転席Sが設けられており、施肥作業者は運転席(シート)Sに着座した状態で、水肥タンクTの水平部分Thの先端の下方の空間から前方を見通しながら運転する。
【0022】
ポンプPから吐出された水肥は3方コックV2が中立位置にあるとき、3方コックV2を経てタンクTに還流するが、3方コックV2が放出位置に切り換えられると、放出ホースH2から放出される。放出ホースH2は左方の走行フレーム18から下方に垂れ下がっている(図3参照)ので、放出される水肥は、門形フレームを通り抜ける作物の根元に散布されることになる。
この実施例では、タンクTの上面に注入口T3を設け、水平部分の側面に戻り口T2を設けてあり(図4参照)、注入口T3にバキュームカーの放出ホースを挿入して水肥を補充する形態を採用しているだけであり、特に吸込側3方コック及び補助ホースを設けてはいない。
【0023】
なお、この実施例は放出ホースが一つであり、したがって、一条散布方式のものであるが、図3に2点鎖線で示すように、水肥タンクTの左右両側端に第2、第3の放出ホースを設けて多条散布方式にすることもできる。
【0024】
次いで、吸込側3方コックを設ける場合の水肥の移送回路の例を模式図6を参照して説明する。
この実施例の水肥移送回路の基本は図6に示すとおりであり、水肥タンクTには取り出し口T1、戻り口T2、注入口T3があり、取り出し口T1は吸込側3方コックV1を介してポンプPの吸込口に接続されており、戻り口T2は吐出側3方コックV2を介してポンプPの吐出口に接続されている。他方、上記吸込側3方コックV1の第3ポート21に補助ホース(内径50mmのプラスチック製可撓ホース)H2が接続されており、吐出側3方コックV2の第3ポートに放出ホース(内径50mmのプラスチック製可撓ホース)H1が接続されている。
ポンプPは、中間軸、テンションローラRによるテンションクラッチを介して、エンジンで駆動されているので、上記テンションクラッチが切れていない限り、エンジンによってポンプPが常時駆動されていて、ポンプPから水肥が吐出される。このとき、ポンプ吐出側3方コックV2を循環位置にすることで、吐出された水肥がコックV2を介して水肥タンクTの戻り口T2に戻され、同タンクTとポンプ間で循環する。他方、吐出側3方コックV2を放出位置にすると、水肥が吐出側3方コックV2を介して放出ホースH1から放出される。
【0025】
注入ホースを上記注入口T3(図1参照)に挿入してバキュームタンク等から水肥タンクTに注入することができるが、吸込側3方コックV1を補充位置にして補助ホースH2を水肥貯槽に投入し、吐出側3方コックV2を循環位置にすることによって、ポンプPで水肥貯槽Dから水肥を汲み上げて、吸込み側3方コックV1、ポンプP、吐出側3方コックV2を介して水肥タンクTに補充することができる。
この実施例は吸込側3方コックV1と吐出側3方コックV2とを別体で構成しているので、両3方コックが別個に操作されることになる。水肥補充のために水肥貯槽の方へ走行するときは、水肥放出を停止しなければならないから、吐出側3方コックV2は循環位置に切り換えられる。そして、水肥貯槽に到達して補助ホースH2を水肥貯槽に投入してから、吸込側3方コックV1を補充位置に切り換えると、上記の補充運転がなされる。
【0026】
吸込側3方コックと吐出側3方コックを一体にした例を図7を参照して説明する。
この実施例のコック50は中空円筒状のコック本体51に円柱状の弁体52を回転可能に嵌合させており、第1の入口ポート(水肥タンクTの取り出し口T1が連通する第1ポート)53と第2の入口ポート(補助ホースH2が接続される第3ポート)54をコック本体51の底の近傍の外周に設け、コック本体51の底の中心に第1の出口ポート(ポンプPの吸込側に連通する第2ポート)55が設けられている。さらに、弁体52は上記第1の出口ポート55に常時連通している中心穴52a、半径方向穴52bを有し、当該半径方向穴52bからポート54の方へ延びる円弧状溝52gが弁体52の外周に設けられている。
図示の位置、すなわち中立位置において、弁体54の半径方向穴52bが第1の入口ポート53に連通しており、したがって、水肥タンクTの取り出し口T1が第1の入口ポート53、半径方向穴52b、中心穴52a、第1の出口ポート55を介してポンプPの吸込口に連通している。
【0027】
図示の中立位置から弁体52を右方向に45度回転させると、弁体52の半径方向穴52bが上記円弧状溝52gを介して第2の入口ポート54に連通し、これによって、補助ホースH2が第2の入口ポート54、円弧状溝53g、半径方向穴52b、中心穴52a、第1の出口ポート55を介してポンプPの吸込口に連通する。
【0028】
また、上記第1の入口ポート53から軸方向にずれた位置の外周に第3の入口ポート(ポンプ吐出側に連通する第1ポート)58、第2の出口ポート(タンクTの戻り口T2に連通される第2ポート)57、第3の出口ポート(放出ホースに連通される第3ポート)56が設けられている。
また、弁体52の外周に、上記第3の入口ポート58に常に連通していて上記出口ポート56,57に選択的に連通するC形状溝52gが設けられている。
【0029】
図示の位置、すなわち中立位置においては、ポンプPの吐出口は、第3の入口ポート58、C形状溝52g、第2の出口ポート57を介して、水肥タンクTの戻り口T2に連通している。この状態から弁体52を左方向に30度回転させると、C形状溝52gが第2の出口ポート57から外れ、第3の出口ポート56に連通する。このとき半径方向穴52bは円弧状溝52gを介してポート53と連通しているから、タンクTの取り出し口T1がポンプPの吸込口に連通している。
中立位置から弁体52が右側に45度回転してポート54が円弧状溝52gを介して弁体の半径方向穴52bに連通しているときは、C形状溝52gが図示の位置から右側に45度回転するが、ポート56と57間の中心角度が90度であるので、C形状溝52gはポート57と連通していて、ポート56とは連通していない。したがって、放出ホースH1から水肥が放出されることはない。
【0030】
ポート53,54と同じ円周上に、ポート54に対して中心角度20度の位置に第4のポート60が設けられており、当該第4のポート60は大気に解放している。ポート54が円弧状溝52gを介して半径方向穴52bに連通している状態から、弁体52をさらに右側に20度回動させると、ポート54が円弧状溝52gを介して第4のポート60に連通して大気に解放されるので、補助ホースH2による水肥の吸い上げが停止するとともに、補助ホースH2内の汚水が水肥貯槽に戻り、補助ホースH2は空になる。その後、補助ホースH2を水肥貯槽から引き上げてから、コック本体52を図示の中立位置に戻すことによって、水肥タンクTの水肥の循環(タンクTとポンプ間の循環)が開始される。
【0031】
【発明の効果】
この発明は、左右の走行フレームと門形フレームとで車体フレームを構成したものであるから、車体構造が極めて単純軽量であり、これに逆L形タンクを搭載し、その下端を一方の車体フレームに固定し、その水平部分を門形フレームの水平部分に固定することによって、逆L形タンクと車体フレームとが一体化されるので、車体フレームが逆L形タンクで補強され、必要な強度・剛性が確保される。
【0032】
また、水肥タンクは逆L形で、縦部分と水平部分とからなるものであるから、コンパクトで、かつその容量が大きく、また、他方の走行フレームに動力装置を搭載し、かつ運転者が搭乗するものであるから、前方の見通しがよい状態で施肥作業を行えるとともに、水肥タンクによる偏荷重に対して動力装置及び作業者の重量がバランスするので、作業車全体の左右方向のバランスが保たれる。
【0033】
さらに、ポンプ吐出側に3方コックを設けて、散布作業中止中もタンク内水肥を循環させるようにしているので、タンク底にスラッジが沈降することは防止される。したがって、施肥作業開始と同時に水肥がスムーズ、確実に放出され、またその放出流量は安定する。
【0034】
さらに、作物を門形フレームで跨いで走行し、門形フレームを通り抜ける作物の根元に放出ホースで集中的に施肥することができるので、水肥が周りに飛散することはなくて衛生的であり、また施肥効果が高められる。
【0035】
さらに、ポンプ吸込側に3方コックを設け、その第3ポートに補助ホースを接続しておくことにより、圃場に付設された水肥貯槽(固定タンク)から作業機の水肥タンクに水肥を容易に補充することができるので施肥作業が簡単容易であり、かつ施肥作業効率が高い。
なお、家畜糞尿を施肥する場合は、十分に曝気処理した家畜糞尿を水肥貯槽で十分に発酵させたものを散布することができるので、施肥効果が高い。
【0036】
さらに、この水肥施肥作業機は、上記特許文献に記載されているような従来の家畜糞尿散布機に比して、極めて小型、簡便なものであるから、廉価で、使いやすく、小回りがきくので、筋状に植え付けられる様々の作物の施肥に利用することができ、さらに、集中灌水作業にも利用でき、作物の根を傷める線虫などの防除作業にも極めて有効であるので、その利用性が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、図1は実施例の側面図である。
【図2】は、正面図である。
【図3】は、実施例の斜め前方からの斜視図である。
【図4】は、実施例の斜め後方からの斜視図である。
【図5】(a)は、水肥タンクの平面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。
【図6】は、図1の実施例における水肥移送管路の模式図である。
【図7】(a)は、吸込側3方コックと吐出側3方コックと一体化した切り換えコックの実施例の断面図、(b)は(a)におけるX−X断面図、(c)は同Y−Y断面図である。
【符号の説明】
11:走行フレーム
12:門形フレーム
12h:門形フレームの水平部分
12v:門形フレームの縦部分
15:中間伝動機構15
18:クローラ走行輪
H1:放出ホース
H2:補助ホース
P:ポンプ
T:水肥タンク
V1:吸込側3方コック
V2:吐出側3方コック

Claims (4)

  1. 自走式の水肥施肥作業機であって、
    中空門形フレームの左右の下端を左右の走行用フレームにそれぞれ連結して車体フレームを構成し、走行フレームにクローラ走行輪を装着してあり、
    左右の走行用フレームの一方にエンジン、伝動装置、ポンプ等からなる動力装置及び作業者用のシートを搭載し、他方の走行用フレームと中空門形フレームとに逆L形の水肥タンクを固定してあり、
    上記門形フレームの水平部に横軸を設け、当該横軸の両端にチェンスプロケットを設け、門形フレームの左右の縦部にチェンを配置して、上記エンジンの動力を上記他方の走行フレームへ伝動する伝動機構を構成してあり、
    上記水肥タンクの下端に水肥取り出し口を設け、上部に戻り口を設け、上記水肥取り出し口をポンプの吸入口に接続し、上記戻り口を3方コックを介してポンプの吐出口に接続し、当該3方コックの第3のポートを放出ホースに接続している水肥施肥作業機。
  2. 上記逆L形タンクの上記水肥取り出し口を3方コックを介してポンプの吸入口に接続し、上記3方コックの第3のポートに補助ホースを接続するようにした請求項1の水肥施肥作業機。
  3. 上記吸込側の3方コックと吐出側の3方コックとを一体にし、吸込側の補助ホースがポンプ吸い込み口に連通される操作位置においてポンプ吐出口が水肥タンクの戻り口に連通されるようにコックポートの位置を設定し、コック弁体の回転方向の違いによって、吸込側の切り換え、吐出側の切り換えがそれぞれ行われるようにした請求項2の水肥施肥作業機。
  4. 上記ポンプがモノフレックスポンプである、請求項1乃至請求項3の水肥施肥作業機。
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