JP2005012903A - チャージポンプ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路構成の複雑化や回路規模の増大を招くことなく、耐圧に関わらず破損を防止することができるチャージポンプ回路を提供する。
【解決手段】チャージポンプ回路1は、基準電圧端と出力端との間に直列に接続された昇圧段回路P1,P2と、振幅を調整したクロック信号CK1a,CKB1aを各昇圧段回路P1,P2に供給する調整回路10とを備え、クロック信号CK1a,CKB1aの振幅に応じた電圧ステップにて昇圧電圧を出力する。昇圧段回路P1,P2は、トランジスタTp2,Tp3とコンデンサC1,C2とが直列に接続され、隣接する昇圧段回路P1,P2の接続は各昇圧段回路P1,P2内のトランジスタTp2,Tp3が直列に接続される。それと共に、各昇圧段回路P1,P2内のコンデンサC1,C2のトランジスタTp2,Tp3に接続されていない他方の端子は、調整回路10内に接続されている。
【選択図】図1
【解決手段】チャージポンプ回路1は、基準電圧端と出力端との間に直列に接続された昇圧段回路P1,P2と、振幅を調整したクロック信号CK1a,CKB1aを各昇圧段回路P1,P2に供給する調整回路10とを備え、クロック信号CK1a,CKB1aの振幅に応じた電圧ステップにて昇圧電圧を出力する。昇圧段回路P1,P2は、トランジスタTp2,Tp3とコンデンサC1,C2とが直列に接続され、隣接する昇圧段回路P1,P2の接続は各昇圧段回路P1,P2内のトランジスタTp2,Tp3が直列に接続される。それと共に、各昇圧段回路P1,P2内のコンデンサC1,C2のトランジスタTp2,Tp3に接続されていない他方の端子は、調整回路10内に接続されている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧を変換するチャージポンプ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気回路等に用いられるチャージポンプ回路が公知であり、最も基本的なチャージポンプ回路としてディクソン(Dickson)チャージポンプ回路が知られている。チャージポンプ回路により、電圧を昇圧したり降圧したりすることができる。
【0003】
先ず、電圧を昇圧するチャージポンプ回路100について説明する。
【0004】
図7に、従来のチャージポンプ回路100の構成の概要を示す。チャージポンプ回路100は、Pチャネル型MOSトランジスタTp1、2段の昇圧段回路を構成する2個のPチャネル型MOSトランジスタTp2,Tp3、2個のコンデンサC1,C2、及び出力コンデンサCout1等を備えて構成される。トランジスタTp1,Tp2,Tp3の間の接続点N1,N2にはコンデンサC1,C2の一方の端子がそれぞれ接続され、コンデンサC1,C2の他方の端子は、クロック信号CK1,CKB1が供給されるバッファ回路B1,B2の出力端子にそれぞれ接続されている。
【0005】
次に、図8を参照して同チャージポンプ回路100の電圧変換動作の概要を説明する。
【0006】
図8に示す時刻t1以前のクロック信号CK1,CK2がLレベル(0ボルト)にある状態においては、トランジスタTp1がオンして接続点N1の電圧Vn1は略Vddとされている。
【0007】
図8に示す時刻t1において、クロック信号CK2のHレベルに基づきトランジスタTp1,Tp3がオフされた状態で、クロック信号CK1がHレベル(電源電圧Vdd)に上昇すると、コンデンサC1により接続点N1の電圧Vn1は略Vddから略2Vddまで引き上げられる。そして、クロック信号CKB2のLレベルに基づきトランジスタTp2がオンされると、このとき、クロック信号CKB1はLレベルなので、接続点N2の電圧Vn2は略2Vddとされる。その後、クロック信号CKB2がHレベルとなり、トランジスタTp2がトランジスタTp1,Tp3と共にオフされる。
【0008】
次に、図8に示す時刻t2において、クロック信号CKB1がHレベルに上昇すると、コンデンサC2により接続点N2の電圧Vn2は略2Vddから略3Vddまで引き上げられる。そして、クロック信号CK2のLレベルに基づきトランジスタTp3がオンされると、出力電圧Voutも略3Vddとされ、出力コンデンサCout1は略3Vddに設定される。また、このとき、トランジスタTp1はオンされており、接続点N1の電圧Vn1は略Vddまで引き上げられる。その後、クロック信号CK2がHレベルとなり、トランジスタTp1,Tp3がトランジスタTp2と共にオフされる。
【0009】
続いて、図8に示す時刻t3においては、時刻t1と同様の動作をし、更に、図8に示す時刻t4においては、時刻t2と同様の動作をする。このような出力コンデンサCout1への充電が繰り返されることによって、チャージポンプ回路100の出力電圧Voutは略3Vddに保持される。
【0010】
次に、電圧を負側に降圧するチャージポンプ回路200について説明する。
【0011】
図9に、従来のチャージポンプ回路200の構成の概要を示し、図10にチャージポンプ回路200の電圧変換動作の概要を示す。チャージポンプ回路200は、Nチャネル型MOSトランジスタTn1、2段の昇圧段回路を構成する2個のNチャネル型MOSトランジスタTn2,Tn3、2個のコンデンサC21,C22、及び出力コンデンサCout2等を備えて構成される。チャージポンプ回路200は、図7に示すチャージポンプ回路100と同様に、基準電圧(グランド電圧)を負側に降圧し、略「―2Vdd」の電位を持つ出力電圧Voutを出力する。
【0012】
上記従来のチャージポンプ回路100,200は、何れの場合も直列接続された昇圧段回路の段数に応じた昇圧電圧(又は降圧電圧)が出力される。即ち、電源電圧Vddの整数倍だけ昇圧(又は降圧)された出力電圧Voutが出力され、任意の値の出力電圧を得ることができない。
【0013】
そこで、昇圧(又は降圧)のためのコンデンサを複数(n個)にて構成すると共に、このn個のコンデンサの接続を直列又は並列に切り換えることができるスイッチを設けたチャージポンプ回路が提案されている(特許文献1参照)。この構成により、各昇圧段回路における昇圧電圧(又は降圧電圧)をVdd/nとすることができる。このように、1段毎の昇圧電圧(電圧ステップ)を電源電圧よりも小さくすることで、所望の出力電圧を得ることができる。例えば、接続点N1に2個のコンデンサを直列又は並列に切り換え可能に接続すれば、接続点N1における1回の昇圧電圧を略0.5Vddとすることができる。
【0014】
また、特許文献1には、出力段にレギュレータを設けたチャージポンプ回路が開示されている。このチャージポンプ回路は、所望の電圧よりも高い電圧を一旦生成し、該電圧をレギュレータにて調整して所望の電圧を出力する。
【0015】
【特許文献1】
特開2001―231249号公報(図1,図10)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のチャージポンプ回路においては、一段毎の昇圧電圧を電源電圧よりも小さくするために接続点に複数のコンデンサ及びこれらのコンデンサを直列又は並列に接続するためのスイッチを設ける必要があり、回路構成の複雑化を招くという問題があった。
【0017】
また、出力段にレギュレータを設けたチャージポンプ回路は、一旦所望の電圧よりも高い値まで昇圧する。このため、チャージポンプ回路の出力電圧Voutに接続されるトランジスタ等の耐圧に余裕がない場合に、それらトランジスタに印加される電圧が耐圧を超えてしまう場合があり、トランジスタが破損してしまうという問題があった。
【0018】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、回路構成の複雑化や回路規模の増大を招くことなく、耐圧に関わらず破損を防止することができるチャージポンプ回路を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、基準電圧端と出力端との間に直列に接続された昇圧段回路と、振幅を調整したクロック信号を前記各昇圧段回路に供給する調整回路とを備え、前記クロック信号の振幅に応じた電圧ステップにて昇圧電圧を出力することを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のチャージポンプ回路において、前記昇圧段回路は、トランジスタとコンデンサとが直列に接続され、隣接する昇圧段回路の接続は前記各昇圧段回路内のトランジスタが直列に接続されると共に、前記各昇圧段回路内のコンデンサのトランジスタに接続されていない他方の端子は、前記調整回路に接続されていることを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のチャージポンプ回路において、前記基準電圧端をグランドとすると共に、前記調整回路は前記クロック信号の振幅を電源電圧に依存させないことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態のチャージポンプ回路1について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態のチャージポンプ回路1の構成を示すもので、本実施形態にかかるチャージポンプ回路1は、3個のトランジスタTp1,Tp2,Tp3、2個のコンデンサC1,C2、出力コンデンサCout1、レベルシフト回路L1,L2,L3、調整回路10等を備えて構成される。調整回路10は、レギュレータ11とバッファ回路B1,B2とを備える。本実施形態では、レベルシフト回路L2とトランジスタTp2とコンデンサC1とが昇圧段回路P1を構成し、レベルシフト回路L3とトランジスタTp3とコンデンサC2とが昇圧段回路P2を構成する。
【0024】
トランジスタTp1,Tp2,Tp3は、Pチャネル型MOSトランジスタにて構成される。トランジスタTp1,Tp2,Tp3は基準電圧(電源電圧Vdd)端と出力端との間に直列接続されている。トランジスタTp1,Tp3のゲートには、クロック信号CK2が供給されるレベルシフト回路L1,L3の出力信号がそれぞれ供給され、トランジスタTp2のゲートにはクロック信号CKB2が供給されるレベルシフト回路L2の出力信号が供給される。各レベルシフト回路L1,L2,L3は、低電位側電源端子が低電位電源(本実施形態ではグランド)に接続され、高電位側電源端子が対応する各トランジスタTp1,Tp2,Tp3の出力側端子に接続されている。従って、各レベルシフト回路L1,L2,L3は、クロック信号CK2,CKB2,CK2から、対応するトランジスタTp1,Tp2,Tp3の出力端側端子の電圧とグランドとの間の電位差を振幅とする信号を、対応するトランジスタTp1,Tp2,Tp3のゲートに供給する。
【0025】
トランジスタTp1,Tp2,Tp3の間の接続点N1,N2にはコンデンサC1,C2の一方の端子がそれぞれ接続され、コンデンサC1,C2の他方の端子は、クロック信号CK1,CKB1が供給されるバッファ回路B1,B2の出力端子にそれぞれ接続されている。バッファ回路B1,B2は、高電位側電源端子が調整回路10を構成するレギュレータ11に接続され、低電位側電源端子が低電位電源(グランド)に接続されている。
【0026】
レギュレータ11は、電源端子電圧として、高電位電源(電源電圧Vdd)と低電位電源(グランド)との間に接続されている。レギュレータ11は、電源電圧Vddをレギュレートして生成した所望の出力電圧Vrをバッファ回路B1,B2にそれらの駆動電源として供給する。出力電圧Vrの電圧値は、チャージポンプ回路1の出力電圧Voutが供給される負荷(内部回路)に応じて設定され、本実施形態では「0.8Vdd」に設定されている。
【0027】
従って、バッファ回路B1,B2は「0.8Vdd」の電位を持つ出力電圧Vrとグランドとを駆動電源として動作する。そして、それぞれに入力されるクロック信号CK1,CKB1を、出力電圧Vrとグランドとの間の電位差を振幅とするクロック信号CK1a,CKB1aとして昇圧段回路P1,P2(コンデンサC1,C2)にそれぞれ出力する。
【0028】
レギュレータ11の一例を図2に従って説明する。
【0029】
レギュレータ11は、オペアンプ12、インバータ13、トランスファゲートTG1,TG2、抵抗R1,R2,R3等を備えて構成されている。
【0030】
レギュレータ11の出力端子は直列接続された抵抗R1,R2,R3を介してグランドに接続されている。抵抗R1,R2間のノードと抵抗R2,R3間のノードは、それぞれ制御信号ΦによりオンオフされるトランスファゲートTG1,TG2を介してオペアンプ12の反転入力端子に接続される。こうして、レギュレータ11の出力電圧Vrを抵抗R1,R2,R3により分圧した抵抗R1,R2間のノード電圧V1、又は抵抗R2,R3間のノード電圧V2が、オペアンプ12の反転入力端子に帰還される。また、オペアンプ12の非反転入力端子には基準電圧e1が入力される。オペアンプ12は、出力電圧Vrに応じたノード電圧V1又はV2と基準電圧e1とを比較し、出力電圧Vrを所望の電圧に保つように動作する。
【0031】
また、レギュレータ11は、制御信号Φによりノード電圧V1,V2が適宜選択されることで、出力電圧Vrを変更するように構成されている。詳しくは、制御信号Φにより、トランスファゲートTG1,TG2の何れか一方がスイッチングされてノード電圧V1とノード電圧V2とを選択可能とされている。
【0032】
上記の構成により、レギュレータ11への制御信号Φを変更したり、抵抗R1,R2,R3の抵抗比を調節したりすることで、レギュレータ11から所望の出力電圧Vrを得ることができる。これにより、バッファ回路B1,B2を介してコンデンサC1,C2に供給されるクロック信号CK1a,CKB1aの振幅(詳しくはHレベルの電圧)を任意の電圧に調整することができる。
【0033】
本実施形態では、レギュレータ11への制御信号ΦによりトランスファゲートTG1,TG2のスイッチングを選択し、抵抗R1,R2,R3の分圧比により出力電圧Vrとして0.8Vddを出力するように構成されている。具体的には、例えば、レギュレータ11にHレベルの制御信号Φを入力しトランスファゲートTG2をオンさせて、基準電圧e1を0.4Vddとし、(R1+R2+R3)/R3=2とすることで、レギュレータ11の出力電圧Vrを電源電圧Vddに対して0.8Vddとすることができる。
【0034】
次に、上記の構成のチャージポンプ回路1による電圧の発生動作の概要を図3のタイミングチャートを参照して説明する。
【0035】
図3に示す時刻t1以前のクロック信号CK1a,CK2がLレベル(0ボルト)にある状態においては、トランジスタTp1がオンして接続点N1の電圧Vn1は略Vddとされている。
【0036】
図3に示す時刻t1において、クロック信号CK2のHレベルに基づきトランジスタTp1,Tp3がオフされた状態で、クロック信号CK1aがHレベル(0.8Vdd)に上昇すると、コンデンサC1により接続点N1の電圧Vn1は略「Vdd」から略「1.8Vdd」まで引き上げられる。そして、クロック信号CKB2のLレベルに基づきトランジスタTp2がオンされると、このとき、クロック信号CKB1aはLレベルなので、接続点N2の電圧Vn2は略「1.8Vdd」とされる。その後、クロック信号CKB2がHレベルとなり、トランジスタTp2がトランジスタTp1,Tp3と共にオフされる。
【0037】
次に、図3に示す時刻t2において、クロック信号CKB1aがHレベルに上昇すると、コンデンサC2により接続点N2の電圧Vn2は略「1.8Vdd」から略「2.6Vdd」まで引き上げられる。そして、クロック信号CK2のLレベルに基づきトランジスタTp3がオンされると、出力電圧Voutも略「2.6Vdd」とされ、出力コンデンサCout1は略「2.6Vdd」に設定される。また、このとき、トランジスタTp1はオンされており、接続点N1の電圧Vn1は略Vddまで引き上げられる。その後、クロック信号CK2がHレベルとなり、トランジスタTp1,Tp3がトランジスタTp2と共にオフされる。
【0038】
続いて、図3に示す時刻t3においては、時刻t1と同様の動作をし、更に、図3に示す時刻t4においては、時刻t2と同様の動作をする。このような出力コンデンサCout1への充電が繰り返されることによって、チャージポンプ回路1においては、電源電圧Vddが電圧ステップ「0.8Vdd」にて昇圧され、出力電圧Voutが略「2.6Vdd」に保持される。この「2.6Vdd」の電位を持つ出力電圧Voutは、それが供給される負荷(内部回路)に必要な電圧に対応しており、その出力端に接続されたトランジスタTp3の耐圧よりも確実に低い。
【0039】
ここで、他の一例のレギュレータ21を、図4に従って説明する。
【0040】
レギュレータ21は、インバータ13、トランスファゲートTG1,TG2、電流制限トランジスタ24、ダイオードD1,D2等を備えて構成されている。
【0041】
電源電圧Vddに接続された電流制限トランジスタ24は、更に直列接続されたダイオードD1,D2を介してグランドに接続されている。
【0042】
電流制限トランジスタ24,ダイオードD1間のノード電圧V21と、ダイオードD1,D2間のノード電圧V22とが、制御信号Φにより、トランスファゲートTG1,TG2を介して択一的に選択されて出力電圧Vrに供給されるのは、図2に示すレギュレータ11と同様である。
【0043】
このとき、ダイオードD1,D2の閾値電圧をVtとすると、ノード電圧V21は「2Vt」、ノード電圧V22は「1Vt」となり、電源電圧Vddに依存しない。例えば、図4でノード電圧V21が出力電圧Vrに供給されるようなレギュレータ21を、図1のチャージポンプ回路1に示すレギュレータ11に代えて適用すると、チャージポンプ回路1からの出力電圧Voutは、基準電圧(電源電圧Vdd)から4Vtだけ昇圧され、「Vdd+4Vt」となる。
【0044】
従って、本実施形態のチャージポンプ回路1によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0045】
(1)本実施形態では、出力電圧Voutに応じてその振幅を調整したクロック信号CK1a,CKB1aに基づいてコンデンサC1,C2の昇圧を行うため、最終段のトランジスタTp3まで昇圧を行うことで所望の出力電圧Voutを得ることができる。この結果、チャージポンプ回路1から所望の電圧よりも高い電圧を出力させてレギュレートする必要がなく、回路構成の複雑化や回路規模の増大を抑制することができる。
【0046】
(2)本実施形態では、基準電圧(電源電圧Vdd)が各昇圧段回路P1,P2で昇圧されながら最終段のコンデンサCout1に至るまでに、所望の電圧よりも昇圧されることがないため、チャージポンプ回路1の出力端に接続されるトランジスタTp3等の破損を防止することができる。
【0047】
(3)本実施形態では、調整回路10(レギュレータ11)により、クロック信号CK1,CKB1の振幅を、電源電圧「Vdd」から任意の値の電圧「0.8Vdd」に調整することができる。このため、出力コンデンサCout1から高精度で設定された所望の出力電圧Vout(略「2.6Vdd」)を得ることができる。
【0048】
(4)本実施形態では、調整回路10(レギュレータ21)により、クロック信号CK1,CKB1の振幅を電源電圧「Vdd」から任意の電圧「2Vt」に調整することもできる。このため、電源電圧Vddに依存しない略「4Vt」だけ基準電圧(電源電圧Vdd)から昇圧することができ、出力コンデンサCout1から所望の出力電圧(略「Vdd+4Vt」)を得ることができる。特に、基準電圧を電源電圧Vddではなく、グランドとすることで、出力コンデンサCout1からは電源電圧Vddに依存しない昇圧電圧を得ることも可能である。
【0049】
(5)本実施形態では、クロック信号CK1a、及び該クロック信号CK1aと相補なクロック信号CKB1aの振幅の上限電圧が、「Vdd」から同じ値の電圧「0.8Vdd」に調整される。このため、1つのレギュレータ11で、クロック信号CK1と該クロック信号CK1と相補なクロック信号CKB1とを調整することができ、効率のよい回路構成とすることができる。
【0050】
(6)本実施形態では、レギュレータ11,21により調整される値は複数設定されており選択可能とされている。このため、チャージポンプ回路1を構成するコンデンサC1,C2、及び出力コンデンサCout1の耐圧によって調整する値を変更することができる。
【0051】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態のチャージポンプ回路2について、図5及び図6を参照して説明する。
【0052】
図5は、本実施形態のチャージポンプ回路2の構成を示すもので、チャージポンプ回路2は、3個のトランジスタTn1,Tn2,Tn3、2個のコンデンサC21,C22、出力コンデンサCout2、レベルシフト回路L21,L22,L23、調整回路20等を備えて構成される。調整回路20は、レギュレータ31とバッファ回路B21,B22とを備える。本実施形態では、レベルシフト回路L22とトランジスタTn2とコンデンサC21とが昇圧段回路P21を構成し、レベルシフト回路L23とトランジスタTn3とコンデンサC22とが昇圧段回路P22を構成する。
【0053】
トランジスタTn1,Tn2,Tn3は、Nチャネル型MOSトランジスタにて構成される。トランジスタTn1,Tn2,Tn3は、基準電圧(グランド電圧)端と出力端との間に直列に接続されている。トランジスタTn1,Tn3のゲートには、クロック信号CK2が入力されるレベルシフト回路L21,L23の出力信号がそれぞれ供給され、トランジスタTn2のゲートにはクロック信号CKB2が入力されるレベルシフト回路L22の出力信号が供給される。各レベルシフト回路L21,L22,L23は、低電位側電源端子が対応する各トランジスタTn1,Tn2,Tn3の入力側端子に接続され、高電位側電源端子には電源電圧Vddが供給されている。従って、各レベルシフト回路L21,L22,L23は、クロック信号CK2,CKB2,CK2から、対応するトランジスタTn1,Tn2,Tn3の入力端側端子の電圧と電源電圧Vddとの間の電位差を振幅とする信号を、対応するトランジスタTn1,Tn2,Tn3のゲートに供給する。
【0054】
トランジスタTn1,Tn2,Tn3の間の接続点N1,N2にはコンデンサC21,C22の一方の端子がそれぞれ接続され、コンデンサC21,C22の他方の端子は、クロック信号CK1,CKB1が入力されるバッファ回路B21,B22の出力端子にそれぞれ接続されている。バッファ回路B21,B22は、高電位側電源端子が調整回路20を構成するレギュレータ31に接続され、低電位側電源端子が低電位電源(グランド)に接続されている。
【0055】
レギュレータ31は、前述のレギュレータ11と同様の構成であり、本実施形態ではレギュレータ31からの出力電圧Vrは「0.8Vdd」に設定されている。
【0056】
次に、上記の構成のチャージポンプ回路2による電圧の発生動作の概要を図6のタイミングチャートを参照して説明する。
【0057】
図6に示す時刻t1以前のクロック信号CK2がHレベルにある状態においては、トランジスタTn1がオンして接続点N1の電圧Vn1はグランド電圧(0ボルト)とされている。
【0058】
図6に示す時刻t1において、クロック信号CK2のLレベルに基づきトランジスタTn1,Tn3がオフされた状態で、クロック信号CK1bがLレベルに低下すると、コンデンサC21により接続点N1の電圧Vn1は0ボルトから略「―0.8Vdd」まで引き下げられる。そして、クロック信号CKB2のHレベルに基づきトランジスタTn2がオンされると、このとき、クロック信号CKB1bはHレベルなので、接続点N2の電圧Vn2は略「―0.8Vdd」とされる。その後、クロック信号CKB2がLレベルとなり、トランジスタTn2がトランジスタTn1,Tn3と共にオフされる。
【0059】
次に、図6に示す時刻t2において、クロック信号CKB1bがLレベルに低下すると、コンデンサC22により接続点N2の電圧Vn2は略「―0.8Vdd」から略「―1.6Vdd」まで引き下げられる。そして、クロック信号CK2のHレベルに基づきトランジスタTn3がオンされると、出力電圧Voutも略「―1.6Vdd」とされ、出力コンデンサCout2は略「―1.6Vdd」に設定される。また、このとき、トランジスタTn1はオンされており、接続点N1の電圧Vn1はグランド電圧に設定される。その後、クロック信号CK2がLレベルとなり、トランジスタTn1,Tn3がトランジスタTn2と共にオフされる。
【0060】
続いて、図6に示す時刻t3においては、時刻t1と同様の動作をし、更に、図6に示す時刻t4においては、時刻t2と同様の動作をする。このような出力コンデンサCout2への電荷の引き抜きが繰り返されることによって、チャージポンプ回路2においては、グランド電圧(0ボルト)が電圧ステップ「0.8Vdd」にて降圧されて、出力電圧Voutは略「―1.6Vdd」に保持される。この「―1.6Vdd」の電位を持つ出力電圧Voutは、それが供給される負荷(内部回路)に必要な電圧に対応しており、その出力端に接続されたトランジスタTn3の耐圧よりも確実に低い。
【0061】
本実施形態のチャージポンプ回路2についても、上記のチャージポンプ回路1と同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、上記両実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
【0063】
・上記第1実施形態では、昇圧段回路P1,P2にPチャネル型MOSトランジスタTp2,Tp3を用い、上記第2実施形態では昇圧段回路P21,P22にNチャネル型MOSトランジスタTn2,Tn3を用いる場合について説明した。しかし、トランジスタとしてNチャネル及びPチャネル型MOSトランジスタを併用しても、本発明のチャージポンプ回路を構成することはできる。また、昇圧段回路に用いられるのはトランジスタに限らず、逆方向電流が防止できるものであればダイオード等でもよい。
【0064】
・上記両実地形態では、昇圧段回路の段数をそれぞれ2段としたが、昇圧段回路の段数は任意であり、それぞれ所望の出力電圧Voutを得るに必要な段数を適宜設けるようにすればよい。
【0065】
・上記第1実施形態では、クロック信号CK1,CKB1をレギュレータ11により調整し、クロック信号CK1a,CKB1aとして昇圧段回路P1,P2に入力する。また、上記第2実施形態においては、クロック信号CK1,CKB1をレギュレータ31により調整し、クロック信号CK1b,CKB1bとして昇圧段回路P21,P22に入力する。しかし、両実施形態のチャージポンプ回路1,2において出力端からの出力電圧Voutを所望の所定電圧とすることができるのであれば、レギュレータ11,31により調整するのはクロック信号CK1か又はクロック信号CKB1かのどちらか一方のみにしてもよい。
【0066】
・上記両実施形態では、レギュレータ11,31によりクロック信号CK1,CKB1の振幅が電源電圧Vddから略「0.8Vdd」に調整されてからバッファ回路B1,B2,B21,B22に出力される構成とした。つまり、昇圧段回路P1,P2,P21,P22での昇圧ステップは「0.8Vdd」とされている。しかし、チャージポンプ回路1,2の出力端から所望の出力電圧が得られるのであれば、レギュレータ11,21,31によりクロック信号CK1,CKB1をどのように調整してもよい。
【0067】
例えば、第1実施形態のチャージポンプ回路1において、クロック信号CK1のみをレギュレータにより調整するように構成し、クロック信号CK1を電源電圧Vddから略「0.6Vdd」ボルトとなるように調整すれば、チャージポンプ回路1からの出力電圧として「2.6Vdd」ボルトを得ることができる。
【0068】
・上記両実施形態においては、トランジスタTp1,Tp2,Tp3,Tn1,Tn2,Tn3のソース及びドレインについてこれを図1或いは図5のごとく定めたが、これらの態様に固定されるものではない。
【0069】
・上記両実施形態では、バッファ回路B1,B2,B21,B22の低電位側電源端子がグランドに接続されているものとしたが、低電位側電源をグランド電圧としなくてもよい。バッファ回路の低電位側電源端子を所定電圧とすれば、この所定電圧とレギュレータ11,31からの出力電圧Vrとの間を振幅とするクロック信号が出力されることとなる。バッファ回路の低電位側電源端子の電圧を調整することで、昇圧段回路に供給するクロック信号の振幅を調整することもできる。
【0070】
次に、上記両実施形態及び別例から把握できる請求項以外の技術的思想及びその作用効果を追記する。
【0071】
(イ)請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のチャージポンプ回路において、前記調整回路は複数の分圧電圧の何れかを選択することで前記クロック信号の振幅を調整することを特徴とするチャージポンプ回路。そうすると、任意の昇圧電圧を得ることができる。
【0072】
(ロ)請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のチャージポンプ回路において、前記クロック信号は相補に出力するものとされており、少なくとも一つのクロック信号が前記調整手段により調整されていることを特徴とするチャージポンプ回路。そうすると、当該チャージポンプ回路からの出力信号に応じて、必要なクロック信号だけが調整手段により調整され、効率のよい回路構成とすることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項3に記載のチャージポンプ回路によれば、回路構成の複雑化や回路規模の増大を招くことなく、耐圧に関わらず破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるチャージポンプ回路についてその第1実施形態を示す回路図。
【図2】同実施形態のレギュレータの説明図。
【図3】同実施形態の回路の動作を示すタイミングチャート。
【図4】同実施形態の別例のレギュレータの説明図。
【図5】本発明にかかるチャージポンプ回路についてその第2実施形態を示す回路図。
【図6】同実施形態の回路の動作を示すタイミングチャート。
【図7】従来のチャージポンプ回路の回路図。
【図8】同じく回路の動作を示すタイミングチャート。
【図9】従来のチャージポンプ回路の回路図。
【図10】同じく回路の動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1…チャージポンプ回路、P1,P2…昇圧段回路、10…調整回路、Tp1,Tp2,Tp3…トランジスタ、C1,C2…コンデンサ、CK1a,CKB1a…クロック信号、2…チャージポンプ回路、P21,P22…昇圧段回路、20…調整回路、Tn1,Tn2,Tn3…トランジスタ、C21,C22…コンデンサ、CK1b,CKB1b…クロック信号。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧を変換するチャージポンプ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気回路等に用いられるチャージポンプ回路が公知であり、最も基本的なチャージポンプ回路としてディクソン(Dickson)チャージポンプ回路が知られている。チャージポンプ回路により、電圧を昇圧したり降圧したりすることができる。
【0003】
先ず、電圧を昇圧するチャージポンプ回路100について説明する。
【0004】
図7に、従来のチャージポンプ回路100の構成の概要を示す。チャージポンプ回路100は、Pチャネル型MOSトランジスタTp1、2段の昇圧段回路を構成する2個のPチャネル型MOSトランジスタTp2,Tp3、2個のコンデンサC1,C2、及び出力コンデンサCout1等を備えて構成される。トランジスタTp1,Tp2,Tp3の間の接続点N1,N2にはコンデンサC1,C2の一方の端子がそれぞれ接続され、コンデンサC1,C2の他方の端子は、クロック信号CK1,CKB1が供給されるバッファ回路B1,B2の出力端子にそれぞれ接続されている。
【0005】
次に、図8を参照して同チャージポンプ回路100の電圧変換動作の概要を説明する。
【0006】
図8に示す時刻t1以前のクロック信号CK1,CK2がLレベル(0ボルト)にある状態においては、トランジスタTp1がオンして接続点N1の電圧Vn1は略Vddとされている。
【0007】
図8に示す時刻t1において、クロック信号CK2のHレベルに基づきトランジスタTp1,Tp3がオフされた状態で、クロック信号CK1がHレベル(電源電圧Vdd)に上昇すると、コンデンサC1により接続点N1の電圧Vn1は略Vddから略2Vddまで引き上げられる。そして、クロック信号CKB2のLレベルに基づきトランジスタTp2がオンされると、このとき、クロック信号CKB1はLレベルなので、接続点N2の電圧Vn2は略2Vddとされる。その後、クロック信号CKB2がHレベルとなり、トランジスタTp2がトランジスタTp1,Tp3と共にオフされる。
【0008】
次に、図8に示す時刻t2において、クロック信号CKB1がHレベルに上昇すると、コンデンサC2により接続点N2の電圧Vn2は略2Vddから略3Vddまで引き上げられる。そして、クロック信号CK2のLレベルに基づきトランジスタTp3がオンされると、出力電圧Voutも略3Vddとされ、出力コンデンサCout1は略3Vddに設定される。また、このとき、トランジスタTp1はオンされており、接続点N1の電圧Vn1は略Vddまで引き上げられる。その後、クロック信号CK2がHレベルとなり、トランジスタTp1,Tp3がトランジスタTp2と共にオフされる。
【0009】
続いて、図8に示す時刻t3においては、時刻t1と同様の動作をし、更に、図8に示す時刻t4においては、時刻t2と同様の動作をする。このような出力コンデンサCout1への充電が繰り返されることによって、チャージポンプ回路100の出力電圧Voutは略3Vddに保持される。
【0010】
次に、電圧を負側に降圧するチャージポンプ回路200について説明する。
【0011】
図9に、従来のチャージポンプ回路200の構成の概要を示し、図10にチャージポンプ回路200の電圧変換動作の概要を示す。チャージポンプ回路200は、Nチャネル型MOSトランジスタTn1、2段の昇圧段回路を構成する2個のNチャネル型MOSトランジスタTn2,Tn3、2個のコンデンサC21,C22、及び出力コンデンサCout2等を備えて構成される。チャージポンプ回路200は、図7に示すチャージポンプ回路100と同様に、基準電圧(グランド電圧)を負側に降圧し、略「―2Vdd」の電位を持つ出力電圧Voutを出力する。
【0012】
上記従来のチャージポンプ回路100,200は、何れの場合も直列接続された昇圧段回路の段数に応じた昇圧電圧(又は降圧電圧)が出力される。即ち、電源電圧Vddの整数倍だけ昇圧(又は降圧)された出力電圧Voutが出力され、任意の値の出力電圧を得ることができない。
【0013】
そこで、昇圧(又は降圧)のためのコンデンサを複数(n個)にて構成すると共に、このn個のコンデンサの接続を直列又は並列に切り換えることができるスイッチを設けたチャージポンプ回路が提案されている(特許文献1参照)。この構成により、各昇圧段回路における昇圧電圧(又は降圧電圧)をVdd/nとすることができる。このように、1段毎の昇圧電圧(電圧ステップ)を電源電圧よりも小さくすることで、所望の出力電圧を得ることができる。例えば、接続点N1に2個のコンデンサを直列又は並列に切り換え可能に接続すれば、接続点N1における1回の昇圧電圧を略0.5Vddとすることができる。
【0014】
また、特許文献1には、出力段にレギュレータを設けたチャージポンプ回路が開示されている。このチャージポンプ回路は、所望の電圧よりも高い電圧を一旦生成し、該電圧をレギュレータにて調整して所望の電圧を出力する。
【0015】
【特許文献1】
特開2001―231249号公報(図1,図10)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のチャージポンプ回路においては、一段毎の昇圧電圧を電源電圧よりも小さくするために接続点に複数のコンデンサ及びこれらのコンデンサを直列又は並列に接続するためのスイッチを設ける必要があり、回路構成の複雑化を招くという問題があった。
【0017】
また、出力段にレギュレータを設けたチャージポンプ回路は、一旦所望の電圧よりも高い値まで昇圧する。このため、チャージポンプ回路の出力電圧Voutに接続されるトランジスタ等の耐圧に余裕がない場合に、それらトランジスタに印加される電圧が耐圧を超えてしまう場合があり、トランジスタが破損してしまうという問題があった。
【0018】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、回路構成の複雑化や回路規模の増大を招くことなく、耐圧に関わらず破損を防止することができるチャージポンプ回路を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、基準電圧端と出力端との間に直列に接続された昇圧段回路と、振幅を調整したクロック信号を前記各昇圧段回路に供給する調整回路とを備え、前記クロック信号の振幅に応じた電圧ステップにて昇圧電圧を出力することを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のチャージポンプ回路において、前記昇圧段回路は、トランジスタとコンデンサとが直列に接続され、隣接する昇圧段回路の接続は前記各昇圧段回路内のトランジスタが直列に接続されると共に、前記各昇圧段回路内のコンデンサのトランジスタに接続されていない他方の端子は、前記調整回路に接続されていることを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のチャージポンプ回路において、前記基準電圧端をグランドとすると共に、前記調整回路は前記クロック信号の振幅を電源電圧に依存させないことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態のチャージポンプ回路1について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態のチャージポンプ回路1の構成を示すもので、本実施形態にかかるチャージポンプ回路1は、3個のトランジスタTp1,Tp2,Tp3、2個のコンデンサC1,C2、出力コンデンサCout1、レベルシフト回路L1,L2,L3、調整回路10等を備えて構成される。調整回路10は、レギュレータ11とバッファ回路B1,B2とを備える。本実施形態では、レベルシフト回路L2とトランジスタTp2とコンデンサC1とが昇圧段回路P1を構成し、レベルシフト回路L3とトランジスタTp3とコンデンサC2とが昇圧段回路P2を構成する。
【0024】
トランジスタTp1,Tp2,Tp3は、Pチャネル型MOSトランジスタにて構成される。トランジスタTp1,Tp2,Tp3は基準電圧(電源電圧Vdd)端と出力端との間に直列接続されている。トランジスタTp1,Tp3のゲートには、クロック信号CK2が供給されるレベルシフト回路L1,L3の出力信号がそれぞれ供給され、トランジスタTp2のゲートにはクロック信号CKB2が供給されるレベルシフト回路L2の出力信号が供給される。各レベルシフト回路L1,L2,L3は、低電位側電源端子が低電位電源(本実施形態ではグランド)に接続され、高電位側電源端子が対応する各トランジスタTp1,Tp2,Tp3の出力側端子に接続されている。従って、各レベルシフト回路L1,L2,L3は、クロック信号CK2,CKB2,CK2から、対応するトランジスタTp1,Tp2,Tp3の出力端側端子の電圧とグランドとの間の電位差を振幅とする信号を、対応するトランジスタTp1,Tp2,Tp3のゲートに供給する。
【0025】
トランジスタTp1,Tp2,Tp3の間の接続点N1,N2にはコンデンサC1,C2の一方の端子がそれぞれ接続され、コンデンサC1,C2の他方の端子は、クロック信号CK1,CKB1が供給されるバッファ回路B1,B2の出力端子にそれぞれ接続されている。バッファ回路B1,B2は、高電位側電源端子が調整回路10を構成するレギュレータ11に接続され、低電位側電源端子が低電位電源(グランド)に接続されている。
【0026】
レギュレータ11は、電源端子電圧として、高電位電源(電源電圧Vdd)と低電位電源(グランド)との間に接続されている。レギュレータ11は、電源電圧Vddをレギュレートして生成した所望の出力電圧Vrをバッファ回路B1,B2にそれらの駆動電源として供給する。出力電圧Vrの電圧値は、チャージポンプ回路1の出力電圧Voutが供給される負荷(内部回路)に応じて設定され、本実施形態では「0.8Vdd」に設定されている。
【0027】
従って、バッファ回路B1,B2は「0.8Vdd」の電位を持つ出力電圧Vrとグランドとを駆動電源として動作する。そして、それぞれに入力されるクロック信号CK1,CKB1を、出力電圧Vrとグランドとの間の電位差を振幅とするクロック信号CK1a,CKB1aとして昇圧段回路P1,P2(コンデンサC1,C2)にそれぞれ出力する。
【0028】
レギュレータ11の一例を図2に従って説明する。
【0029】
レギュレータ11は、オペアンプ12、インバータ13、トランスファゲートTG1,TG2、抵抗R1,R2,R3等を備えて構成されている。
【0030】
レギュレータ11の出力端子は直列接続された抵抗R1,R2,R3を介してグランドに接続されている。抵抗R1,R2間のノードと抵抗R2,R3間のノードは、それぞれ制御信号ΦによりオンオフされるトランスファゲートTG1,TG2を介してオペアンプ12の反転入力端子に接続される。こうして、レギュレータ11の出力電圧Vrを抵抗R1,R2,R3により分圧した抵抗R1,R2間のノード電圧V1、又は抵抗R2,R3間のノード電圧V2が、オペアンプ12の反転入力端子に帰還される。また、オペアンプ12の非反転入力端子には基準電圧e1が入力される。オペアンプ12は、出力電圧Vrに応じたノード電圧V1又はV2と基準電圧e1とを比較し、出力電圧Vrを所望の電圧に保つように動作する。
【0031】
また、レギュレータ11は、制御信号Φによりノード電圧V1,V2が適宜選択されることで、出力電圧Vrを変更するように構成されている。詳しくは、制御信号Φにより、トランスファゲートTG1,TG2の何れか一方がスイッチングされてノード電圧V1とノード電圧V2とを選択可能とされている。
【0032】
上記の構成により、レギュレータ11への制御信号Φを変更したり、抵抗R1,R2,R3の抵抗比を調節したりすることで、レギュレータ11から所望の出力電圧Vrを得ることができる。これにより、バッファ回路B1,B2を介してコンデンサC1,C2に供給されるクロック信号CK1a,CKB1aの振幅(詳しくはHレベルの電圧)を任意の電圧に調整することができる。
【0033】
本実施形態では、レギュレータ11への制御信号ΦによりトランスファゲートTG1,TG2のスイッチングを選択し、抵抗R1,R2,R3の分圧比により出力電圧Vrとして0.8Vddを出力するように構成されている。具体的には、例えば、レギュレータ11にHレベルの制御信号Φを入力しトランスファゲートTG2をオンさせて、基準電圧e1を0.4Vddとし、(R1+R2+R3)/R3=2とすることで、レギュレータ11の出力電圧Vrを電源電圧Vddに対して0.8Vddとすることができる。
【0034】
次に、上記の構成のチャージポンプ回路1による電圧の発生動作の概要を図3のタイミングチャートを参照して説明する。
【0035】
図3に示す時刻t1以前のクロック信号CK1a,CK2がLレベル(0ボルト)にある状態においては、トランジスタTp1がオンして接続点N1の電圧Vn1は略Vddとされている。
【0036】
図3に示す時刻t1において、クロック信号CK2のHレベルに基づきトランジスタTp1,Tp3がオフされた状態で、クロック信号CK1aがHレベル(0.8Vdd)に上昇すると、コンデンサC1により接続点N1の電圧Vn1は略「Vdd」から略「1.8Vdd」まで引き上げられる。そして、クロック信号CKB2のLレベルに基づきトランジスタTp2がオンされると、このとき、クロック信号CKB1aはLレベルなので、接続点N2の電圧Vn2は略「1.8Vdd」とされる。その後、クロック信号CKB2がHレベルとなり、トランジスタTp2がトランジスタTp1,Tp3と共にオフされる。
【0037】
次に、図3に示す時刻t2において、クロック信号CKB1aがHレベルに上昇すると、コンデンサC2により接続点N2の電圧Vn2は略「1.8Vdd」から略「2.6Vdd」まで引き上げられる。そして、クロック信号CK2のLレベルに基づきトランジスタTp3がオンされると、出力電圧Voutも略「2.6Vdd」とされ、出力コンデンサCout1は略「2.6Vdd」に設定される。また、このとき、トランジスタTp1はオンされており、接続点N1の電圧Vn1は略Vddまで引き上げられる。その後、クロック信号CK2がHレベルとなり、トランジスタTp1,Tp3がトランジスタTp2と共にオフされる。
【0038】
続いて、図3に示す時刻t3においては、時刻t1と同様の動作をし、更に、図3に示す時刻t4においては、時刻t2と同様の動作をする。このような出力コンデンサCout1への充電が繰り返されることによって、チャージポンプ回路1においては、電源電圧Vddが電圧ステップ「0.8Vdd」にて昇圧され、出力電圧Voutが略「2.6Vdd」に保持される。この「2.6Vdd」の電位を持つ出力電圧Voutは、それが供給される負荷(内部回路)に必要な電圧に対応しており、その出力端に接続されたトランジスタTp3の耐圧よりも確実に低い。
【0039】
ここで、他の一例のレギュレータ21を、図4に従って説明する。
【0040】
レギュレータ21は、インバータ13、トランスファゲートTG1,TG2、電流制限トランジスタ24、ダイオードD1,D2等を備えて構成されている。
【0041】
電源電圧Vddに接続された電流制限トランジスタ24は、更に直列接続されたダイオードD1,D2を介してグランドに接続されている。
【0042】
電流制限トランジスタ24,ダイオードD1間のノード電圧V21と、ダイオードD1,D2間のノード電圧V22とが、制御信号Φにより、トランスファゲートTG1,TG2を介して択一的に選択されて出力電圧Vrに供給されるのは、図2に示すレギュレータ11と同様である。
【0043】
このとき、ダイオードD1,D2の閾値電圧をVtとすると、ノード電圧V21は「2Vt」、ノード電圧V22は「1Vt」となり、電源電圧Vddに依存しない。例えば、図4でノード電圧V21が出力電圧Vrに供給されるようなレギュレータ21を、図1のチャージポンプ回路1に示すレギュレータ11に代えて適用すると、チャージポンプ回路1からの出力電圧Voutは、基準電圧(電源電圧Vdd)から4Vtだけ昇圧され、「Vdd+4Vt」となる。
【0044】
従って、本実施形態のチャージポンプ回路1によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0045】
(1)本実施形態では、出力電圧Voutに応じてその振幅を調整したクロック信号CK1a,CKB1aに基づいてコンデンサC1,C2の昇圧を行うため、最終段のトランジスタTp3まで昇圧を行うことで所望の出力電圧Voutを得ることができる。この結果、チャージポンプ回路1から所望の電圧よりも高い電圧を出力させてレギュレートする必要がなく、回路構成の複雑化や回路規模の増大を抑制することができる。
【0046】
(2)本実施形態では、基準電圧(電源電圧Vdd)が各昇圧段回路P1,P2で昇圧されながら最終段のコンデンサCout1に至るまでに、所望の電圧よりも昇圧されることがないため、チャージポンプ回路1の出力端に接続されるトランジスタTp3等の破損を防止することができる。
【0047】
(3)本実施形態では、調整回路10(レギュレータ11)により、クロック信号CK1,CKB1の振幅を、電源電圧「Vdd」から任意の値の電圧「0.8Vdd」に調整することができる。このため、出力コンデンサCout1から高精度で設定された所望の出力電圧Vout(略「2.6Vdd」)を得ることができる。
【0048】
(4)本実施形態では、調整回路10(レギュレータ21)により、クロック信号CK1,CKB1の振幅を電源電圧「Vdd」から任意の電圧「2Vt」に調整することもできる。このため、電源電圧Vddに依存しない略「4Vt」だけ基準電圧(電源電圧Vdd)から昇圧することができ、出力コンデンサCout1から所望の出力電圧(略「Vdd+4Vt」)を得ることができる。特に、基準電圧を電源電圧Vddではなく、グランドとすることで、出力コンデンサCout1からは電源電圧Vddに依存しない昇圧電圧を得ることも可能である。
【0049】
(5)本実施形態では、クロック信号CK1a、及び該クロック信号CK1aと相補なクロック信号CKB1aの振幅の上限電圧が、「Vdd」から同じ値の電圧「0.8Vdd」に調整される。このため、1つのレギュレータ11で、クロック信号CK1と該クロック信号CK1と相補なクロック信号CKB1とを調整することができ、効率のよい回路構成とすることができる。
【0050】
(6)本実施形態では、レギュレータ11,21により調整される値は複数設定されており選択可能とされている。このため、チャージポンプ回路1を構成するコンデンサC1,C2、及び出力コンデンサCout1の耐圧によって調整する値を変更することができる。
【0051】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態のチャージポンプ回路2について、図5及び図6を参照して説明する。
【0052】
図5は、本実施形態のチャージポンプ回路2の構成を示すもので、チャージポンプ回路2は、3個のトランジスタTn1,Tn2,Tn3、2個のコンデンサC21,C22、出力コンデンサCout2、レベルシフト回路L21,L22,L23、調整回路20等を備えて構成される。調整回路20は、レギュレータ31とバッファ回路B21,B22とを備える。本実施形態では、レベルシフト回路L22とトランジスタTn2とコンデンサC21とが昇圧段回路P21を構成し、レベルシフト回路L23とトランジスタTn3とコンデンサC22とが昇圧段回路P22を構成する。
【0053】
トランジスタTn1,Tn2,Tn3は、Nチャネル型MOSトランジスタにて構成される。トランジスタTn1,Tn2,Tn3は、基準電圧(グランド電圧)端と出力端との間に直列に接続されている。トランジスタTn1,Tn3のゲートには、クロック信号CK2が入力されるレベルシフト回路L21,L23の出力信号がそれぞれ供給され、トランジスタTn2のゲートにはクロック信号CKB2が入力されるレベルシフト回路L22の出力信号が供給される。各レベルシフト回路L21,L22,L23は、低電位側電源端子が対応する各トランジスタTn1,Tn2,Tn3の入力側端子に接続され、高電位側電源端子には電源電圧Vddが供給されている。従って、各レベルシフト回路L21,L22,L23は、クロック信号CK2,CKB2,CK2から、対応するトランジスタTn1,Tn2,Tn3の入力端側端子の電圧と電源電圧Vddとの間の電位差を振幅とする信号を、対応するトランジスタTn1,Tn2,Tn3のゲートに供給する。
【0054】
トランジスタTn1,Tn2,Tn3の間の接続点N1,N2にはコンデンサC21,C22の一方の端子がそれぞれ接続され、コンデンサC21,C22の他方の端子は、クロック信号CK1,CKB1が入力されるバッファ回路B21,B22の出力端子にそれぞれ接続されている。バッファ回路B21,B22は、高電位側電源端子が調整回路20を構成するレギュレータ31に接続され、低電位側電源端子が低電位電源(グランド)に接続されている。
【0055】
レギュレータ31は、前述のレギュレータ11と同様の構成であり、本実施形態ではレギュレータ31からの出力電圧Vrは「0.8Vdd」に設定されている。
【0056】
次に、上記の構成のチャージポンプ回路2による電圧の発生動作の概要を図6のタイミングチャートを参照して説明する。
【0057】
図6に示す時刻t1以前のクロック信号CK2がHレベルにある状態においては、トランジスタTn1がオンして接続点N1の電圧Vn1はグランド電圧(0ボルト)とされている。
【0058】
図6に示す時刻t1において、クロック信号CK2のLレベルに基づきトランジスタTn1,Tn3がオフされた状態で、クロック信号CK1bがLレベルに低下すると、コンデンサC21により接続点N1の電圧Vn1は0ボルトから略「―0.8Vdd」まで引き下げられる。そして、クロック信号CKB2のHレベルに基づきトランジスタTn2がオンされると、このとき、クロック信号CKB1bはHレベルなので、接続点N2の電圧Vn2は略「―0.8Vdd」とされる。その後、クロック信号CKB2がLレベルとなり、トランジスタTn2がトランジスタTn1,Tn3と共にオフされる。
【0059】
次に、図6に示す時刻t2において、クロック信号CKB1bがLレベルに低下すると、コンデンサC22により接続点N2の電圧Vn2は略「―0.8Vdd」から略「―1.6Vdd」まで引き下げられる。そして、クロック信号CK2のHレベルに基づきトランジスタTn3がオンされると、出力電圧Voutも略「―1.6Vdd」とされ、出力コンデンサCout2は略「―1.6Vdd」に設定される。また、このとき、トランジスタTn1はオンされており、接続点N1の電圧Vn1はグランド電圧に設定される。その後、クロック信号CK2がLレベルとなり、トランジスタTn1,Tn3がトランジスタTn2と共にオフされる。
【0060】
続いて、図6に示す時刻t3においては、時刻t1と同様の動作をし、更に、図6に示す時刻t4においては、時刻t2と同様の動作をする。このような出力コンデンサCout2への電荷の引き抜きが繰り返されることによって、チャージポンプ回路2においては、グランド電圧(0ボルト)が電圧ステップ「0.8Vdd」にて降圧されて、出力電圧Voutは略「―1.6Vdd」に保持される。この「―1.6Vdd」の電位を持つ出力電圧Voutは、それが供給される負荷(内部回路)に必要な電圧に対応しており、その出力端に接続されたトランジスタTn3の耐圧よりも確実に低い。
【0061】
本実施形態のチャージポンプ回路2についても、上記のチャージポンプ回路1と同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、上記両実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
【0063】
・上記第1実施形態では、昇圧段回路P1,P2にPチャネル型MOSトランジスタTp2,Tp3を用い、上記第2実施形態では昇圧段回路P21,P22にNチャネル型MOSトランジスタTn2,Tn3を用いる場合について説明した。しかし、トランジスタとしてNチャネル及びPチャネル型MOSトランジスタを併用しても、本発明のチャージポンプ回路を構成することはできる。また、昇圧段回路に用いられるのはトランジスタに限らず、逆方向電流が防止できるものであればダイオード等でもよい。
【0064】
・上記両実地形態では、昇圧段回路の段数をそれぞれ2段としたが、昇圧段回路の段数は任意であり、それぞれ所望の出力電圧Voutを得るに必要な段数を適宜設けるようにすればよい。
【0065】
・上記第1実施形態では、クロック信号CK1,CKB1をレギュレータ11により調整し、クロック信号CK1a,CKB1aとして昇圧段回路P1,P2に入力する。また、上記第2実施形態においては、クロック信号CK1,CKB1をレギュレータ31により調整し、クロック信号CK1b,CKB1bとして昇圧段回路P21,P22に入力する。しかし、両実施形態のチャージポンプ回路1,2において出力端からの出力電圧Voutを所望の所定電圧とすることができるのであれば、レギュレータ11,31により調整するのはクロック信号CK1か又はクロック信号CKB1かのどちらか一方のみにしてもよい。
【0066】
・上記両実施形態では、レギュレータ11,31によりクロック信号CK1,CKB1の振幅が電源電圧Vddから略「0.8Vdd」に調整されてからバッファ回路B1,B2,B21,B22に出力される構成とした。つまり、昇圧段回路P1,P2,P21,P22での昇圧ステップは「0.8Vdd」とされている。しかし、チャージポンプ回路1,2の出力端から所望の出力電圧が得られるのであれば、レギュレータ11,21,31によりクロック信号CK1,CKB1をどのように調整してもよい。
【0067】
例えば、第1実施形態のチャージポンプ回路1において、クロック信号CK1のみをレギュレータにより調整するように構成し、クロック信号CK1を電源電圧Vddから略「0.6Vdd」ボルトとなるように調整すれば、チャージポンプ回路1からの出力電圧として「2.6Vdd」ボルトを得ることができる。
【0068】
・上記両実施形態においては、トランジスタTp1,Tp2,Tp3,Tn1,Tn2,Tn3のソース及びドレインについてこれを図1或いは図5のごとく定めたが、これらの態様に固定されるものではない。
【0069】
・上記両実施形態では、バッファ回路B1,B2,B21,B22の低電位側電源端子がグランドに接続されているものとしたが、低電位側電源をグランド電圧としなくてもよい。バッファ回路の低電位側電源端子を所定電圧とすれば、この所定電圧とレギュレータ11,31からの出力電圧Vrとの間を振幅とするクロック信号が出力されることとなる。バッファ回路の低電位側電源端子の電圧を調整することで、昇圧段回路に供給するクロック信号の振幅を調整することもできる。
【0070】
次に、上記両実施形態及び別例から把握できる請求項以外の技術的思想及びその作用効果を追記する。
【0071】
(イ)請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のチャージポンプ回路において、前記調整回路は複数の分圧電圧の何れかを選択することで前記クロック信号の振幅を調整することを特徴とするチャージポンプ回路。そうすると、任意の昇圧電圧を得ることができる。
【0072】
(ロ)請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のチャージポンプ回路において、前記クロック信号は相補に出力するものとされており、少なくとも一つのクロック信号が前記調整手段により調整されていることを特徴とするチャージポンプ回路。そうすると、当該チャージポンプ回路からの出力信号に応じて、必要なクロック信号だけが調整手段により調整され、効率のよい回路構成とすることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項3に記載のチャージポンプ回路によれば、回路構成の複雑化や回路規模の増大を招くことなく、耐圧に関わらず破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるチャージポンプ回路についてその第1実施形態を示す回路図。
【図2】同実施形態のレギュレータの説明図。
【図3】同実施形態の回路の動作を示すタイミングチャート。
【図4】同実施形態の別例のレギュレータの説明図。
【図5】本発明にかかるチャージポンプ回路についてその第2実施形態を示す回路図。
【図6】同実施形態の回路の動作を示すタイミングチャート。
【図7】従来のチャージポンプ回路の回路図。
【図8】同じく回路の動作を示すタイミングチャート。
【図9】従来のチャージポンプ回路の回路図。
【図10】同じく回路の動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1…チャージポンプ回路、P1,P2…昇圧段回路、10…調整回路、Tp1,Tp2,Tp3…トランジスタ、C1,C2…コンデンサ、CK1a,CKB1a…クロック信号、2…チャージポンプ回路、P21,P22…昇圧段回路、20…調整回路、Tn1,Tn2,Tn3…トランジスタ、C21,C22…コンデンサ、CK1b,CKB1b…クロック信号。
Claims (3)
- 基準電圧端と出力端との間に直列に接続された昇圧段回路と、
振幅を調整したクロック信号を前記各昇圧段回路に供給する調整回路と
を備え、
前記クロック信号の振幅に応じた電圧ステップにて昇圧電圧を出力することを特徴とするチャージポンプ回路。 - 前記昇圧段回路は、トランジスタとコンデンサとが直列に接続され、隣接する昇圧段回路の接続は前記各昇圧段回路内のトランジスタが直列に接続されると共に、前記各昇圧段回路内のコンデンサのトランジスタに接続されていない他方の端子は、前記調整回路に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のチャージポンプ回路。
- 前記基準電圧端をグランドとすると共に、前記調整回路は前記クロック信号の振幅を電源電圧に依存させないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチャージポンプ回路。
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