JP2001286125A - チャージポンプ回路 - Google Patents
チャージポンプ回路Info
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Abstract
供する。 【解決手段】前段2つの電荷転送用MOSトランジスタ
M1、M2をNチャネル型で構成し、後段2つの電荷転
送用MOSトランジスタM3、M4をPチャネル型で構
成する。また、中間電位の出力を可能にした反転レベル
シフト回路S1とS2、非反転レベルシフト回路S3と
S4を設けた。これらの構成により、高効率で大出力電
流のチャージポンプ回路を実現できると共に電荷転送用
トランジスタM1〜M4のゲート・ソース間電圧Vgs
(トランジスタがオン状態の時)を2Vddに揃えるこ
とができる。
Description
られるチャージポンプ回路に関し、特に高効率、大電流
出力を可能としたチャージポンプ回路に関する。
カメラ(DSC)、DSCフォーン等の映像機器は、その映像
を取り込むためにCCD(Charge Coupled Devices)を使
用している。CCDを駆動するためのCCD駆動回路は、プラ
ス、マイナスの高電圧(十数V)で且つ大電流(数mA)
の電源回路を必要とする。現在、この高電圧はスイッチ
ングレギュレータを用いて生成している。
高い電力効率(出力電力/入力電力)にて、高電圧を生
成することができる。しかし、この回路は電流のスイッ
チング時に高調波ノイズを発生する欠点があり、電源回
路をシールドして用いなければならない。更に外部部品
としてコイルを必要とする。
電圧を生成できるが、従来より電力効率が悪いという欠
点があり、電力効率を最優先の仕様とする携帯機器の電
源回路として、これを使用することはできない。そこ
で、高性能のチャージポンプ回路が実現できれば、携帯
機器の小型化に貢献できる。
してディクソン(Dickson)チャージポンプ回路が知ら
れいる。この回路は、例えば技術文献「John F.Dickson
“On-chip High-Voltage Generation in MNOS Integra
ted Circuits Using an Improved Voltage Multiplier
Technique” IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,V
OL.SC-11,NO.3 pp.374-378 JUNE 1976.」に詳しく記載
されている。
プ回路を示す概略回路図である。図11において5つの
ダイオードが直列接続されている。Cは結合容量、CL
は出力容量、CLKとCLKBは互いに逆相の入力クロックパ
ルスである。また、51はクロックドライバー、52は
電流負荷である。
れる場合、チャージポンプ回路への入力電流は、入力電
圧Vinからの電流とクロックドライバーから供給され
る電流となる。これらの電流は、寄生容量への充放電電
流を無視すると次のようになる。Φ1= ハイ(High)、
Φ2=ロウ(Low)の期間、図中の実線矢印の方向に2Io
utの平均電流が流れる。また、Φ1=ロウ(Low)、Φ2=
ハイ(High)の期間、図の破線矢印の方向に2Ioutの
平均電流が流れる。クロックサイクルでのこれらの平均
電流は全てIoutとなる。安定状態におけるチャージポン
プ回路の昇圧電圧Voutは以下のように表わされる。
クロックパルスの変化に伴い結合容量によって生じる電
圧振幅である。Vlは出力電流Ioutによって生じる電圧降
下、Vinは入力電圧であり、通常プラス昇圧では電源
電圧Vdd、マイナス昇圧では0Vとしている。Vdは順
方向バイアスダイオード電圧(Fo rward bias diodevol
tage)nはポンピング段数である。更に、Vl とVφ’は
次式で表される。
pling capacitance)、CSは各接続ノードにおける寄生
容量(stray capacitance at each node)、Vφはクロッ
クパルスの振幅(clock pulse amplitude)、fはクロ
ックパルスの周波数、Tはクロック周期(clock period)
である。チャージポンプ回路の電力効率は、クロックド
ライバーから寄生容量に流れる充放電電流を無視し、V
in=Vddとすると以下の式で表される。
は、ダイオードを電荷転送素子(charge transfer devic
e) として用いて電荷を次段へと次々に転送することに
より昇圧を行っている。しかし、MOS集積回路への搭
載を考えるとプロセスへの適合性からpn接合のダイオ
ードよりMOSトランジスタを使用する方が実現しやす
い。そこで、電荷転送用素子としてダイオードの代わり
にMOSトランジスタを用いることが提案された。この
場合は式(1)において、VdはMOSトランジスタの
閾値電圧(threshold voltage)Vtとなる。
loss)を無くし、高性能チャージポンプ回路を実現する
には、Ioutの値に対応して電荷転送用MOSトランジス
タのインピーダンスを下げねばならない。そのために
は、電荷転送用MOSトランジスタのチャネル幅を最適
化すると同時に、そのゲート・ソース間電圧Vgsを電
源電圧Vdd以上に上げることが効果的である。これを
実現したチャージポンプ回路は例えば、技術文献「Jieh
-Tsorng Wu “MOS Charge Pumps for Low-Voltage Oper
ation” IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS.VOL.3
3,NO.4 APRIL 1998」に詳細に記載されている。
献のチャージポンプ回路を検討したところ、以下の問題
点を見出した。同文献に掲載された1つのチャージポン
プ回路の回路図を図12に示す。図中、MD1〜MD4
は各ポンプノードの初期設定用のダイオードでありポン
ピング動作には寄与しない。この回路の特徴は電荷転送
用MOSトランジスタMS1〜MS3のゲート・ソース
間電圧Vgsとして昇圧した後段のポンピングノードの
電圧を戻して、2Vddを与えている点である。しか
し、最終段の電荷転送用MOSトランジスタMS4につ
いてはVgsとして2Vddを与えるのが困難であり、
電圧ロスが生じるのを避けられない。
回路は図13に示すダイナミック方式のチャージポンプ
回路である。この回路は、MOSトランジスタMD4の
VgsがVdd+(Vdd-Vth)、更にMOSトラン
ジスタMD0のVgsが(Vdd−Vth)と低下する
のを回避するためにブートストラップ(boot-strap)方式
の高電圧クロック発生器(High-voltage clock generat
or)を用いている。また、全ての電荷転送用MOSトラ
ンジスタMS1〜MS4はNチャネル型で構成されてい
る。
荷転送用MOSトランジスタサイズが小さく、即ちゲー
ト寄生容量が小さいので効果的である。しかし大電流出
力のチャージポンプ回路を実現するためには、電荷転送
用MOSトランジスタのチャネル幅を数mmとしなけれ
ばならず、この結果MOSトランジスタのゲート寄生容
量が大(数pF)となり、ブートストラップ方式により
2Vddのクロックを作ることが至難となる。また、後
段の電荷転送用MOSトランジスタのゲート・ソース間
電圧Vgsとして、電源電圧Vdd以上の電圧を印加す
る手法を別途考案しなければならないという欠点があっ
た。
課題に鑑みて為されたものであり、電荷転送用MOSト
ランジスタの閾値電圧Vtに起因する電圧ロスを無くし
て高効率かつ大出力電流のチャージポンプ回路を提供す
ることを目的とする。また、本発明は全ての電荷転送用
MOSトランジスタのゲートソース間電圧Vgsの絶対
値を2Vddとすることによりゲート酸化膜耐圧を確保
すると共に電荷転送用MOSトランジスタの最適設計を
可能にすることを目的とする。
ものの概要を説明すれば、以下のとおりである。
転送MOSトランジスタに所定の入力電圧が印加される
と共に直列接続された(n+2)個の電荷転送用MOS
トランジスタと、電荷転送用MOSトランジスタの各接
続点に一端が接続された結合コンデンサと、結合コンデ
ンサの他端に交互に逆相のクロックパルスを供給するク
ロックドライバーとを備え、後段の電荷転送用MOSト
ランジスタから正の昇圧電圧を出力するチャージポンプ
回路において、後段2個の電荷転送用MOSトランジス
タをPチャネルで構成し残余のn個の電荷転送用MOS
トランジスタをNチャネル型で構成すると共に、電荷転
送用MOSトランジスタがオンする時にゲート・ソース
間電圧が一定値となるようなゲート電圧を印加する回路
手段を設けたものである。
ランジスタの閾値電圧Vtに起因する電圧ロスを無くし
て高効率かつ大出力電流のチャージポンプ回路を提供す
ることができる。しかも、全ての電荷転送用MOSトラ
ンジスタのゲートソース間電圧Vgsの絶対値を一定値
(例えば、2Vdd)とすることによりゲート酸化膜耐
圧を安定して確保することができると共に電荷転送用M
OSトランジスタの最適設計が可能になる。
ージポンプ回路において、回路手段は、クロックパルス
に応じてNチャネル型の電荷転送用MOSトランジスタ
のオンオフを制御する反転レベルシフト回路と、クロッ
クパルスに応じてPチャネル型の電荷転送用MOSトラ
ンジスタのオンオフを制御する非反転レベルシフト回路
と、を備え、反転レベルシフト回路の高電位側の電源と
して昇圧された後段の接続点の電圧を用いると共に、非
反転レベルシフト回路の低電位側の電源として前段の接
続点の電圧を用いるものである。
路と非反転レベルシフト回路とにより、電荷転送用MO
Sトランジスタのオンオフを制御して昇圧を可能にする
と共に、全ての電荷転送用MOSトランジスタのゲート
ソース間電圧Vgsを一定値にすることができる。
ージポンプ回路において、反転レベルシフト回路の高電
位側の電源として1段後の接続点の電圧を用いると共
に、非反転レベルシフト回路の低電位側の電源として1
段前の接続点の電圧を用いるものである。
OSトランジスタのゲートソース間電圧Vgsを2Vd
dとすることができる。
ージポンプ回路において、中間段の電荷転送用MOSト
ランジスタの昇圧電圧を出力して他の回路の電源として
用いるものである。
他の回路の電源回路を省略することができ、集積回路の
設計上効率化が図れる。
ジポンプ回路において、結合コンデンサに供給されるク
ロックパルスと反転レベルシフト回路と非反転レベルシ
フト回路に供給されるクロックパルスのデューティを異
ならしめることにより、電荷転送用MOSトランジスタ
の逆方向電流を防止したものである。
止できる。
て、図1〜図9を参照しながら説明する。図1は、本発
明の第1の実施形態に係る3段チャージポンプ回路を示
す概略回路図である。
ランジスタM1〜M4は直列接続されている。前段のM
1、M2はNチャネル型、後段のM3、M4はPチャネ
ル型である点が1つの特徴である。M1〜M4のゲート
・基板間電圧Vgbはゲート・ソース間電圧Vgsと同
一値となるように、ソースと基板が同電位となるように
接続されている。 また、M1のソースには入力電圧V
inとして電源電圧Vddが供給されている。また、M
4のドレインからの昇圧電圧Voutが出力され、電流
負荷Lに供給される。
ンジスタM1〜M4の接続点(ポンピングノード)に一
端が接続された結合コンデンサである。結合コンデンサ
C1〜C3の他端にはクロックパルスCLKとこれと逆
相のクロックパルスCLKBが交互に印加される。クロ
ックパルスCLK、CLKBは不図示のクロックドライ
バーから出力される。このクロックドライバーには電源
電圧Vddが供給されているものとする。
の各ゲートには反転レベルシフト回路S1とS2の出力
が供給されている。また、電荷転送用MOSトランジス
タM3とM4の各ゲートには非反転レベルシフト回路S
3とS4の出力が供給されている。
成及び動作波形図を図2に示す。図2(a)に示すよう
に、この反転レベルシフト回路は入力インバータIN
V、差動入力MOSトランジスタM11とM12、クロ
ス接続されたMOSトランジスタM13とM14とを備
える。ここまでの構成は従来のレベルシフト回路と同様
である。
えてプルアップ接続されたMOSトランジスタM15、
M16を備えている。そして、MOSトランジスタM1
5のゲートには電圧V12が印加されると共にソースに
は電位Aが印加されている。
にはV12と逆相の電圧V11が印加されると共にソー
スには電位Bが印加されている。ここで、電位A>電位
Bである。M11、M12はNチャネル型、M13〜M
16はPチャネル型である。
成のレベルシフト回路において、MOSトランジスタM
15、M16をインバータ構成とするように変更しても
よい。
作波形を図2(c)に示す。従来のレベルシフト回路が
ハイ(High)電圧と0Vを出力するのに対して、このレベ
ルシフト回路は電位Aと中間電位B(A>B>0V)を
交互に出力する点が特徴である。この回路を用いること
により、後述するように、電荷転送用MOSトランジス
タM1、M2のゲート・ドレイン間電圧の絶対値を一定
電圧(2Vdd)に揃えることが可能になる。
の回路構成及び動作波形図を図3に示す。反転レベルシ
フト回路S1、S2と異なる点は、電位Aにプルアップ
されたMOSトランジスタM15のゲートに電圧V11
が印加され、電位BにプルアップされたMOSトランジ
スタM16のゲートに電圧V12が印加されている点で
ある( 図3(a))。なお、図3(b)に示すよう
に、MOSトランジスタM15、M16をインバータ構
成にしてもよい。
の非反転レベルシフト回路S3、S4は入力電圧INに
対して非反転のレベルシフト動作を行う。このレベルシ
フト回路を用いることにより、後述するように、電荷転
送用MOSトランジスタM3、M4のゲート・ドレイン
間電圧の絶対値を一定電圧(2Vdd)に揃えることが
可能になる。
レベルシフト回路S3、S4とチャージポンプ回路との
接続関係は以下の通りである。反転レベルシフト回路S
1にはクロックパルスCLK’、反転レベルシフト回路
S2にはクロックパルスCLKB’が入力される。クロ
ックパルスCLK’とCLKB’は夫々クロックパルス
CLKとCLKBから作成されるが、電荷転送用MOS
トランジスタM1〜M4に電流が逆流するのを防止する
ために、ロウ(Low)の期間が短くなっている。 すな
わち、電荷転送用MOSトランジスタM1〜M4が完全
にオフしてからクロックパルスCLKとCLKBの変化
により各ポンピングノードの昇圧を行うようにしてい
る。上記クロックパルスの位相関係は図4に示されてい
る。
ベルシフト回路S1の高電位側の電源(電位A)として
は、昇圧された1段後のポンピングノードの電圧V2を
帰還して用いる。同様に反転レベルシフト回路S2の高
電位側の電源(電位A)として昇圧された1段後のポン
ピングノードの電圧V3を帰還して用いる。また、反転
レベルシフト回路S1、S2の低電位側の電源(電位
B)としては、各段の電圧であるVdd、V1が夫々印
加されている。
位側の電源(電位B)としては、1段前のポンピングノ
ードの電圧V1が用いられ、同様に非反転レベルシフト
回路S4の低電位側の電源(電位B)としては、1段前
のポンピングノードの電圧V2が用いられる。また、反
転レベルシフト回路S1、S2の高電位側の電源(電位
A)としては、各段の電圧であるV3、Voutが夫々
印加されている。
回路の特徴を要約すれば以下の通りである。第1に、前
段2つの電荷転送用MOSトランジスタM1、M2はN
チャネル型で構成され、後段2つの電荷転送用MOSト
ランジスタM3、M4はPチャネル型で構成されている
点である。第2に中間電位の出力を可能にした反転レベ
ルシフト回路S1とS2、非反転レベルシフト回路S3
とS4を設けた点である。
スタM1〜M4のゲート・ソース間電圧Vgs(トラン
ジスタがオン状態の時)は以下のとおり2Vddに揃え
ることが導かれる。まず、次式の関係が成り立つ。 Vgs(M1)=V2(High)−Vdd Vgs(M2)=V3(High)−V1(High) Vgs(M3)=V1(Low)−V3(Low) Vgs(M4)=V2(Low)−Vout 次に、定常状態のチャージポンプの昇圧動作から、さら
に以下の関係が成り立つ。 V1(High)=2Vdd、V1(Low)=Vdd V2(High)=3Vdd、V2(Low)=2Vdd V3(High)=4Vdd、V3(Low)=3Vdd、Vou
t=4Vdd これらの関係式から、全ての電荷転送用MOSトランジ
スタのオン時のVgsの絶対値は表1に示すように同一
値2Vddとなることが導かれる。したがって、高いV
gsにより電荷転送用MOSトランジスタM1〜M4の
オン抵抗が下がり、高効率で大出力電流のチャージポン
プ回路が実現できる。また、電荷転送用MOSトランジ
スタM1〜M4のゲート酸化膜厚(thickness of gate o
xide)は一律に2Vddに耐える厚みに設計すれば良い
ので、電荷転送用MOSトランジスタのVgsが不均一
である場合に比べて、オン抵抗(ON-state resistanc
e)を低く設計でき効率が良い。
るためのタイミング図である。電荷転送用MOSトラン
ジスタM1〜M4はクロックパルスに応じて交互にオン
・オフを繰り返す。ここで、反転レベルシフト回路S1
とS2、非反転レベルシフト回路S3とS4に印加され
るクロックパルスCLK’、CLKB’はデューティが
異なる。すなわち、図に示すようにロウ(Low)の期間が
短く設定されている。このため、電荷転送用MOSトラ
ンジスタM1〜M4のオンの期間は短くなる。この理由
は以下の通りである。
はダイオード接続されていないので逆方向電流が流れる
危険があり、これは電力効率を悪化させる。そこで、こ
の逆方向電流を防ぐため、電荷転送用MOSトランジス
タM1〜M4のオンの期間は短くして、オフの期間に、
結合コンデンサC1〜C3に印加されるクロックパルス
CLK、CLKBを変化させてポンピングを行ってい
る。
形V1、V2、V3を示す図である。図中、VΦはクロ
ックパルスCLK’、CLKB’の振幅、ΔVdsはM
OSトランジスタのソースドレイン間電圧である。
OSトランジスタM2から2Vddを取り出す出力回路
が設けられている。この回路は反転レベルシフト回路S
2によって制御されたMOSトランジスタMmとコンデ
ンサCmから構成されている。この回路によれば、2V
ddの安定した直流電圧が得られるので、他の回路、例
えばクロックドライバーの電源として好適である。
ジポンプ回路について説明したが、その段数は3段に限
定されることはない。すなわち、電荷転送用MOSトラ
ンジスタとして後段2段をPチャネル型、残りの前段を
Nチャネル型で構成することにより任意の段数のチャー
ジポンプ回路を実現することができる。
いては電荷転送用MOSトランジスタのVgsの絶対値
を2Vddに揃えることができることを示したが、多段
チャージポンプ回路においては電荷転送用MOSトラン
ジスタのVgsの絶対値として、3Vdd以上に設定す
ることも可能である。
1、S2の高電位側の電源としてより後段の接続ノード
の電圧を利用し、非反転レベルシフト回路S3、S4の
高電位側の電源としてより後段の接続ノードの電圧を利
用すれば良い。ただし、ゲート酸化膜耐圧(breakdown v
oltage of gate oxide)を考慮すれば絶対値2Vddが
最も適している。
ジポンプ回路を説明する。上述したチャージポンプ回路
はプラス昇圧を行うものであるが、図6はマイナス昇圧
(0V以下の昇圧)を行う2段チャージポンプ回路を示
す概略回路図である。この2段チャージポンプ回路は、
−2Vddの昇圧電圧を出力するものであり、例えば−
6.5Vの昇圧を行うのに適している。
CLKB’とレベルシフト回路の組み合わせを変更して
いる。すなわち、電荷転送用MOSトランジスタM
1’、M2’、M3’が直列接続され、その接続ノード
に結合コンデンサC1’、C2’が接続されている。M
1’はPチャネル型でソースに接地電位(0V)が印加
されている。M2’、M3’はNチャネル型である。
ト回路S1’の出力が印加され、M2’、M3’のゲー
トには非反転レベルシフト回路S2’、S3’の出力が
印加されている。そして、電荷転送用MOSトランジス
タM3’のドレインからマイナス昇圧電圧−Voutが
出力され、電流負荷Lに供給される。
2’のゲート・ソース間電圧Vgs(オン時)を2Vd
dとするために、非反転レベルシフト回路S2’の高電
位側の電源をVddとした。これにより、全ての電荷転
送用MOSトランジスタM1’、M2’、M3’のゲー
ト・ソース間電圧Vgs(オン時)の絶対値を2Vdd
とすることができる。
OSトランジスタM2’から−Vddを取り出す出力回
路が設けられている。この回路は非反転レベルシフト回
路S2’によって制御されたMOSトランジスタMm’
とコンデンサCm’から構成されている。この回路によ
れば、−Vddの安定した直流電圧が得られるので他の
回路に用いることができる。
作を説明するためのタイミング図である。電荷転送用M
OSトランジスタM1’、M2’、M3’のゲートに印
加される電圧Vgs(M1)〜Vgs(M3)により、
M1’、M2’、M3’は交互にオンオフを繰り返す。
ここで、クロックパルスCLK’、CLKB’はロウ
(Low)の期間を短くすることにより、電流の逆流を防
止している。なお、図8に各ポンピングノードの電圧波
形V1、V2を示した。
ジポンプ回路を説明する。図9はマイナス昇圧を行う3
段チャージポンプ回路を示す概略回路図である。この回
路の構成は基本的には図1に示したチャージポンプ回路
の構成要素の極性を逆転させたものである。すなわち、
前段2段の電荷転送用MOSトランジスタM1’、M
2’はPチャネル型、後段2段の電荷転送用MOSトラ
ンジスタM3’、M4’はNチャネル型で構成してい
る。
電源(電位B)としては、昇圧された1段後のポンピン
グノードの電圧V2’を戻して用いる。同様に反転レベ
ルシフト回路S2’の低電位側の電源(電位B)は昇圧
された1段後のポンピングノードの電圧V3’を戻して
用いる。また、反転レベルシフト回路S1’、S2’の
高電位側の電源(電位A)としては、各段の電圧である
Vss、V1’が夫々印加されている。
電位側の電源(電位A)としては、1段前のポンピング
ノードの電圧V1’が用いられ、同様に非反転レベルシ
フト回路S4’の高電位側の電源(電位A)としては、
1段前のポンピングノードの電圧V2’が用いられてい
る。また、反転レベルシフト回路S3’、S4’の低電
位側の電源(電位B)としては、各段の電圧であるV
3’、−Voutが夫々印加されている。
2’の構成は図2に示すものと同一であり、非反転レベ
ルシフト回路S3’とS4’の構成は図3に示すものと
同一である。また、このチャージポンプ回路の動作は既
に説明したプラス昇圧のチャージポンプ回路の動作と同
様に理解できるので詳細な説明は省略する。
OSトランジスタM1’〜M4’のVgsの絶対値は同
一値2Vddとなる。したがって、高いVgsにより電
荷転送用MOSトランジスタM1’〜M4’のオン抵抗
が下がり、高効率で大出力電流のマイナス昇圧のチャー
ジポンプ回路が実現できる。また、電荷転送用MOSト
ランジスタM1’〜M4’のゲート酸化膜厚は一律に2
Vddに耐える厚みに設計すれば良いので、電荷転送用
MOSトランジスタのVgsが不均一である場合に比べ
て、オン抵抗を低く設計でき効率が良い。
ンプ回路について説明したが、その段数は3段に限定さ
れることはない。すなわち、電荷転送用MOSトランジ
スタとして前段2段をPチャネル型、残りの後段をNチ
ャネル型で構成することにより任意の段数のマイナス昇
圧を行うチャージポンプ回路を実現することができる。
ポンプ回路を説明する。図10はマイナス昇圧を行う2
段チャージポンプ回路を示す概略回路図である。図6に
示した第2の実施形態に係る第2段チャージポンプ回路
と異なる点は次の2点である。 1)電荷転送用MOSトランジスタM1,M2,M3が
すべてNチャネル型である。 2)電荷転送用MOSトランジスタのオン電圧(オン時
のゲート電圧)としてVddまたはGNDを用いる。す
なわち、非反転レベルシフト回路S1,S2,S3の高
電位側の電源として、それぞれVdd、Vdd、GND
が用いられている。
て、電荷転送MOSトランジスタのオン時のVgsとし
ては、M1についてはVdd、M2及びM3については
2Vddとなる。このように、本実施形態のチャージポ
ンプ回路では、第2の実施形態に係る第2段チャージポ
ンプ回路と異なり、全ての電荷転送MOSトランジスタ
のオン時のVgsを同一値にすることはできない。
タを全て同一チャネル型で形成しているので、第2の実
施形態に比して製造プロセス(manufacturing process)
を簡略化できる利点が大きい。具体的には、第2の実施
形態ではトリプルウエル構造(triple well structure)
が必須であるのに対して、本実施形態によれば、ツイン
ウエル構造(twin well structure)で足りるので、その
分製造工数を少なくすることができる。
ンジスタのゲート・ソース間電圧Vgsとして閾値電圧
以上の高い電圧を印加できるので、電圧ロスの無い高効
率のチャージポンプ回路を提供することができる。
ソース間電圧Vgsにより電荷転送用MOSトランジス
タM1〜M4のオン抵抗が下がり、高効率で大出力電流
のチャージポンプ回路が実現できる。
ゲート・ソース間電圧、ゲート・基板間電圧を一定電圧
(例えば、絶対値で2Vdd)に揃えることができるの
で、ゲート酸化膜厚は一律に絶対値で2Vddに耐える
厚みに設計すれば良い。これにより、電荷転送用MOS
トランジスタのゲート・ソース間電圧Vgsが不均一で
ある場合に比べて、オン抵抗を低く設計することができ
る。
とマイナス昇圧のチャージポンプ回路を提供することが
でき、しかもそのチャージポンプ段数を任意に設定可能
なので、所望の昇圧電圧を得ることが可能となる。
回路を示す概略回路図である。
す図である。
示す図である。
回路の動作を説明するためのタイミング図である。
回路の各ポンピングノードの電圧波形を示す図である。
回路を示す概略回路図である。
回路の動作を説明するためのタイミング図である。
回路の各ポンピングノードの電圧波形を示す図である。
回路を示す概略回路図である。
プ回路を示す概略回路図である。
図である。
図である。
図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 初段の電荷転送MOSトランジスタに所
定の入力電圧が印加されると共に直列接続された(n+
2)個の電荷転送用MOSトランジスタと、前記電荷転
送用MOSトランジスタの各接続点に一端が接続された
結合コンデンサと、前記結合コンデンサの他端に交互に
逆相のクロックパルスを供給するクロックドライバーと
を備え、後段の電荷転送用MOSトランジスタから正の
昇圧電圧を出力するチャージポンプ回路において、 後段2個の電荷転送用MOSトランジスタをPチャネル
で構成し残余のn個の電荷転送用MOSトランジスタを
Nチャネル型で構成すると共に、前記電荷転送用MOS
トランジスタがオンする時にゲート・ソース間電圧が一
定値となるようなゲート電圧を印加する回路手段を設け
たことを特徴とするチャージポンプ回路。 - 【請求項2】 請求項1に記載のチャージポンプ回路に
おいて、 前記回路手段は、前記クロックパルスに応じて前記Nチ
ャネル型の電荷転送用MOSトランジスタのオンオフを
制御する反転レベルシフト回路と、前記クロックパルス
に応じて前記Pチャネル型の電荷転送用MOSトランジ
スタのオンオフを制御する非反転レベルシフト回路と、
を備え、 前記反転レベルシフト回路の高電位側の電源として昇圧
された後段の接続点の電圧を用いると共に、前記非反転
レベルシフト回路の低電位側の電源として前段の接続点
の電圧を用いることを特徴とするチャージポンプ回路。 - 【請求項3】 請求項2に記載のチャージポンプ回路に
おいて、 前記反転レベルシフト回路の高電位側の電源として1段
後の接続点の電圧を用いると共に、前記非反転レベルシ
フト回路の低電位側の電源として1段前の接続点の電圧
を用いることを特徴とするチャージポンプ回路。 - 【請求項4】 請求項3に記載のチャージポンプ回路に
おいて、中間段の電荷転送用MOSトランジスタの昇圧
電圧を出力して他の回路の電源として用いることを特徴
とするチャージポンプ回路。 - 【請求項5】 請求項3に記載のチャージポンプ回路に
おいて、前記結合コンデンサに供給されるクロックパル
スと前記反転レベルシフト回路と非反転レベルシフト回
路に供給されるクロックパルスのデューティを異ならし
めることにより、前記電荷転送用MOSトランジスタの
電流の逆流を防止したことを特徴とするチャージポンプ
回路。 - 【請求項6】 初段の電荷転送MOSトランジスタに所
定の入力電圧が印加されると共に直列接続された(n+
2)個の電荷転送用MOSトランジスタと、前記電荷転
送用MOSトランジスタの各接続点に一端が接続された
結合コンデンサと、前記結合コンデンサの他端に交互に
逆相のクロックパルスを供給するクロックドライバーと
を備え、後段の電荷転送用MOSトランジスタから負の
昇圧電圧を出力するチャージポンプ回路において、 後段2個の電荷転送用MOSトランジスタをNチャネル
で構成し残余のn個の電荷転送用MOSトランジスタを
Pチャネル型で構成すると共に、前記電荷転送用MOS
トランジスタがオンする時にゲート・ソース間電圧が一
定値となるようなゲート電圧を印加する回路手段を設け
たことを特徴とするチャージポンプ回路。 - 【請求項7】 請求項6に記載のチャージポンプ回路に
おいて、 前記回路手段は、前記クロックパルスに応じて前記Pチ
ャネル型の電荷転送用MOSトランジスタのオンオフを
制御する反転レベルシフト回路と、前記クロックパルス
に応じて前記Nチャネル型の電荷転送用MOSトランジ
スタのオンオフを制御する非反転レベルシフト回路と、
を備え、前記反転レベルシフト回路の低電位側の電源と
しての昇圧された後段の接続点の電圧を用いると共に、
前記非反転レベルシフト回路の高電位側の電源として前
段の接続点の電圧を用いることを特徴とするチャージポ
ンプ回路。 - 【請求項8】 請求項7に記載のチャージポンプ回路に
おいて、 前記反転レベルシフト回路の低電位側の電源として1段
後の接続点の電圧を用いると共に、前記非反転レベルシ
フト回路の高電位側の電源としての1段前の接続点の電
圧を用いることを特徴とするチャージポンプ回路。 - 【請求項9】 初段の電荷転送MOSトランジスタに入
力電圧が印加されると共に直列接続された複数の同一チ
ャネル型の電荷転送用MOSトランジスタと、前記電荷
転送用MOSトランジスタの各接続点に一端が接続され
た結合コンデンサと、前記結合コンデンサの他端に交互
に逆相のクロックパルスを供給するクロックドライバー
と、前記クロックパルスに応じて、電荷転送用MOSト
ランジスタのゲートに、当該電荷転送用MOSトランジ
スタをオンオフさせるための電圧を供給するレベルシフ
ト回路を備えることを特徴とするチャージポンプ回路。
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-
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