JP2005012091A - 光ファイバ用ledおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のLEDチップでは発光面の中心にボンディングパッドが位置していたので、光ファイバーと発光面とを正対させるのが困難となり、光ファイバー内に充分な光量が取込めない問題点を生じていた。
【解決手段】本発明により、第一には、ボンディングパッドをLEDチップの一つのコーナー部に設けることで、発光面に広い面積の部分が存在するものとして光ファイバーとの正対を容易に行えるものとし、第二には、エッチングにより活性層を除去した位置にボンディングパッドを形成するものとしてボンディングパッド背面での発光をなくして発光効率を向上させ、両者の総合で光ファイバーへの入射光量を格段に向上させて課題を解決するものである。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明により、第一には、ボンディングパッドをLEDチップの一つのコーナー部に設けることで、発光面に広い面積の部分が存在するものとして光ファイバーとの正対を容易に行えるものとし、第二には、エッチングにより活性層を除去した位置にボンディングパッドを形成するものとしてボンディングパッド背面での発光をなくして発光効率を向上させ、両者の総合で光ファイバーへの入射光量を格段に向上させて課題を解決するものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LED(light emitting diode)に関するものであり、詳細には近年、車両の制御、例えばエンジンの制御をコンピュータで行う際にプラスチック光ファイバーを用いて信号を伝達するものとして、電磁雑音による誤動作を厳重なシールドを行うことなく生じないものとするときに、前記プラスチック光ファイバーに効率良く光信号を与えるのに適したLEDの構成に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のLEDにおいては、LEDチップの底面には第一の電極を設け、P型クラッド層の上面の中心に第二の電極(ボンディングパッド)を設け、前記第一の電極で基板などにダイマウントし、第二の電極にワイヤーボンドなどによる配線を行い、上記2つの電極間に直流電源を印加することで点灯させるものであった。
【0003】
このときに、前記LEDチップの中心の狭い範囲に設けられている第二の電極では電流の集中を生じるものとなり、この第二の電極の直下で最大の明るさが得られるものとなるが、前記第二の電極は不透明部材で形成されているものであるので遮蔽され、その明るさを充分に外部に取出すことができず、駆動電流に対する明るさ出力、即ち、発光効率が低下するものとなっている。
【0004】
この点を解決すべく、従来は第二の電極とLEDチップの間に電流拡散層を介して電流阻止層を設け、第二の電極からの電流をLEDチップの周縁に誘導して、周縁の部分がより明るく発光するようにし、前記第二の電極で遮蔽される光量の割合を減じることで見かけの発光効率の向上を図るものがある。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
尚、第二の電極の外周に、例えばLEDチップの周縁に向かう放射状に細線状の第三の電極を設け、より積極的に電流を誘導しLEDチップの周縁の輝度の向上を図るものもあり、この場合、第三の電極は前記第二の電極と一体化して同一部材で形成される場合もあり、あるいは、前記LEDチップとの接触効率を向上させるなどの目的で適宜の別部材で形成される場合もある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−64221号公報(段落「0053」〜段落「0074」、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のLEDでプラスチック光ファイバーに信号光を入射させようとしたときには、上記のようにLEDチップの中心に影となる第二の電極が位置し、その周縁にリング状に広がって明るい発光部位が存在している形状では、小さな円形状の開口部を有する光ファイバー内に取込むのには、形状的にも無理を生じ、単に見かけの発光効率を向上させたのみの従来のLEDでは依然として取込み効率を向上させることができないという問題点を生じていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した従来の課題を解決するための具体的手段として、LEDチップのチップ外周の一部分にはほぼ半導体基板部に至る深さにエッチングが行われ、このエッチングが行われた半導体基板部面から前記エッチングにより生じたメサ端面を経由してP型クラッド層の面上に至る絶縁層が形成されており、前記絶縁層の前記半導体基板部上となる位置にはボンディングパッドが形成されると共に、該ボンディングパッドと前記P型クラッド層の発光領域面上に敷設されたオーミック電極とは、前記絶縁層上を経由する渡り線部により電気的接続が行われていることを特徴とする光ファイバ用LED、および、その製造方法を提供することで課題を解決するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に符号1で示すものは本発明に係る光ファイバ用LEDのLEDチップであり、このLEDチップ1は実際にはハウジングなどが取付けられて光ファイバ用LEDとしての商品化が行われているものであるが、ここでは説明を単純化し理解を容易とするためにLEDチップ1の状態で示してある。
【0010】
本発明に係るLEDチップ1においては、先ず、P型クラッド層2の表面に略網目状としたオーミック電極6が敷設される。このときに前記オーミック電極6は、P型クラッド層2が残余する発光領域1aの全面に電流が均一に注入されるように形状が最適化されると共に、オーミック電極6自体が過剰に発光を遮ることが無いように、発光領域に占めるオーミック電極6の面積を20%以下(但し線幅が10μm程度の場合)の範囲に設定することが好ましい。また、LEDチップ1の底面に、このLEDチップ1をリードフレーム(図示は省略する)などにダイボンドを行うためのベース電極7も設けておく。
【0011】
上記のようにオーミック電極6の敷設が行われた後には、図2の断面図でも明らかなように、活性層3を挟むP型クラッド層2、および、N型クラッド層4の外周部分にはエッチングが行われ、前記P型クラッド層2およびN型クラッド層4はメサ状に半導体基板部5上に突出するものとされている。尚、図2ではエッチングは半導体基板部5に達する深さまで行われたものとして示してあるが、実際には、活性層3が完全に除去されれば、本発明が期待する作用は達せられるものとなる。
【0012】
また、本発明においては、上記に説明したLEDチップ1の外周部分のエッチングを行う際に、同時に前記LEDチップ1のチップ外周の一部分、例えば、一つのコーナー部分にも適宜な面積、形状としてエッチングを行いパッド形成用凹部5aを形成するものであり、そのパッド形成用凹部5aの面積、形状は、後にこの凹部5aに形成されるボンディングパッド9の機能に対して必要でかつ充分な面積、形状とされている。
【0013】
上記のようにしてエッチングが行われた後には、前記パッド形成用凹部5aの部分に対して、前記P型クラッド層2の表面の一部から、メサ端面を経由し、前記半導体基板部5の表面に至り覆う絶縁層8が、例えば、SiO2膜などの絶縁性部材により形成される。
【0014】
そして、前記絶縁層8上であり、且つ、前記半導体基板部5上となる位置にはボンディングパッド9が、例えば、Ti/AuあるいはTi/Pt/Auなどのの組成をもって形成されている。このときに、前記絶縁層8がEB法で形成されたポーラスなSiO2膜である場合には、時間の経過と共にZnに拡散を生じて前記絶縁層8にリークを生じるものとなるので、前記ボンディングパッド9を形成する組成としてZnを含む金属部材は使用不可である。
【0015】
また、前記ボンディングパッド9の形成にあたっては、前記絶縁層8上に敷設され、このボンディングパッド9と前記オーミック電極6とを電気的に接続するための渡り線部9aが、ボンディングパッド9と同一組成をもって、同一工程で形成されている。
【0016】
次いで、上記の構成とした本発明の光ファイバ用LED(LEDチップ1)の作用および効果について説明する。先ず、第一には、ボンディングパッド9をLEDチップ1のチップ外周の一部分に設けるものとしたことで、発光領域1aの中心にボンディングパッド9が存在することをなくし、図2にも示すように、光ファイバー10の端部とLEDチップ1の発光領域1aとの対峙がボンディングパッド9に遮られることなく行えるものとして、光ファイバー10に取込める光量を格段に増加させられるものとする。
【0017】
以上を更に具体的に説明すれば、従来は240μm×240μmの発光領域1a中に占めるボンディングパッド9(直径100μm)および、それに付随する放射状の電極との面積の割合は約21%であったのに対し、本発明により発光領域1aの中心からボンディングパッド9を移動させ、発光領域1aには略網目状としたオーミック電極6のみが存在するものとしたことで、14%まで低減が可能であった。
【0018】
また、第二には、エッチングにより活性層3(P型クラッド層2、N型クラッド層4を含み)を除去し、更には、絶縁層8を設けて、LEDチップ1の発光領域1aとは全く関与しない状態としてボンディングパッド9を形成したことで、従来例のLEDチップのようにボンディングパッド9の裏面、言い換えれば、実質的に光を取出すことができない部分に電流が流れるのを防止する。
【0019】
従って、本発明のLEDチップ1では、ボンディングパッド9に印加が行われた電流の全ては略網目状としたオーミック電極6を介して前記P型クラッド層2に注入されるものとなり、電流の全ては取出し可能な位置で光に変換されるものとなって、発光効率の向上を可能とするものである。
【0020】
図3〜図6は、上記に説明した本発明に係る光ファイバ用LED(LEDチップ1)の製造方法を工程の順に示すものであり、先ず、第一工程としては図3に示すように活性層3を挟みP型クラッド層2とN型クラッド層4とが形成されたLEDチップ1の、発光領域1aとされる位置に相当する前記P型クラッド層2の表面にはオーミック電極6が形成される。このときに、前記オーミック電極6が形成される部材としては、例えば、前記P型クラッド層2がP型のInGaPである場合には、AuZnであることが好ましい。
【0021】
図4は上記したオーミック電極6の敷設工程に続いて行われるエッチング工程であり、このエッチング工程は、前記LEDチップ1のP型クラッド層2の側から行われ、LEDチップ1の周縁と、LEDチップ1のチップ外周の一部分、例えばコーナー部分などに対して行うものとし、このコーナーなどに行うパッド形成用凹部5aを形成するためのエッチングは略円形などとして、後にこの部分に形成するボンディングパッド9に対して必要充分な面積のものとし、総合として図4中に発光領域1aで示した形状となるメサ部を形成する。尚、エッチングの深さについては上記に記載したとおりである。
【0022】
図5は、上記エッチング工程が行われた部分であり、且つ、後にボンディングパッド9の形成が行われる部分に対する短絡防止用の絶縁層8の形成工程であり、この絶縁層8はSiO2膜、Si3N4膜の常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、または、EB(Electro beam)蒸着法により形成する。
【0023】
このときに、EB蒸着法によれば得られる絶縁層8がポーラス状となるので、ボンディングパッド9を形成する部材にZnを含むものとすると、時間の経過と共にZnの拡散を生じて活性層3とに短絡を生じるものとなるので、上記にも記載したように、Znを含むものとする必要があるときには、絶縁層8の形成には常圧CVD法を採用することが好ましいものとなる。
【0024】
図6は、上記のようにして形成された絶縁層8上にボンディングパッド9を形成する工程を示すものであり、このボンディングパッド9は、リードフレーム(図示せず)とLEDチップ1とを金線などにより配線を行うときに、前記金線の接続端子としてLEDチップ1側に設けられるものである。従って、このボンディングパッド9には渡り線部9aが設けられていて、前記オーミック電極6に接続されている。
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明により、LEDチップのチップ外周の一部分にはほぼ半導体基板部に至る深さにエッチングが行われ、このエッチングが行われた半導体基板部面から前記エッチングにより生じたメサ端面を経由してP型クラッド層の面上に至る絶縁層が形成されており、前記絶縁層の前記半導体基板部上となる位置にはボンディングパッドが形成されると共に、該ボンディングパッドと前記P型クラッド層の発光領域面上に敷設されたオーミック電極とは、前記絶縁層上を経由する渡り線部により電気的接続が行われていることを特徴とする光ファイバ用LEDとしたことで、第一には、ボンディングパッドをLEDチップのコーナー部などチップ外周の一部分に設けるものとしたことで、発光部の中心にボンディングパッドが存在することをなくし、且つ、発光部に比較的に広い面積が設定できるものとし、光ファイバーの端部とLEDチップの発光領域との対峙がボンディングパッドに遮られることなく行えるものとして、光ファイバーに取込める光量を格段に増加させられるものとして、少ない駆動電流でよりS/N比の高い光通信の実施を可能として、この種の光ファイバ用LEDの性能向上に極めて優れた効果を奏するものである。
【0026】
また、第二には、エッチングにより活性層(P型クラッド層、N型クラッド層を含み)を除去し、更には、絶縁層を設けて、LEDチップ1の発光領域とは全く関与しない状態としてボンディングパッドを形成したことで、従来例のLEDチップのようにボンディングパッドの裏面、言い換えれば、実質的に光を取出すことができない部分に電流が流れるのを防止する。よって、本発明のLEDチップでは、ボンディングパッドに印加が行われた電流の全ては略網目状としたオーミック電極を介して前記P型クラッド層に注入されるものとなり、電流の全ては取出し可能な位置で光に変換されるものとなって、発光効率の向上を可能とし、上記の光ファイバ用LEDの性能向上を一層確実なものとするのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ用LEDの実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法におけるオーミック電極の敷設工程を示す平面図である。
【図4】同じく本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法におけるエッチング工程を示す平面図である。
【図5】同じく本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法における絶縁層の形成工程を示す平面図である。
【図6】同じく本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法におけるボンディングパッドの形成工程を示す平面図である。
【符号の説明】
1……LEDチップ(光ファイバ用LED)
1a……発光領域
2……P型クラッド層
3……活性層
4……N型クラッド層
5……半導体基板部
5a……パッド形成用凹部
6……オーミック電極
7……ベース電極
8……絶縁層
9……ボンディングパッド
9a……渡り線部
10……光ファイバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、LED(light emitting diode)に関するものであり、詳細には近年、車両の制御、例えばエンジンの制御をコンピュータで行う際にプラスチック光ファイバーを用いて信号を伝達するものとして、電磁雑音による誤動作を厳重なシールドを行うことなく生じないものとするときに、前記プラスチック光ファイバーに効率良く光信号を与えるのに適したLEDの構成に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のLEDにおいては、LEDチップの底面には第一の電極を設け、P型クラッド層の上面の中心に第二の電極(ボンディングパッド)を設け、前記第一の電極で基板などにダイマウントし、第二の電極にワイヤーボンドなどによる配線を行い、上記2つの電極間に直流電源を印加することで点灯させるものであった。
【0003】
このときに、前記LEDチップの中心の狭い範囲に設けられている第二の電極では電流の集中を生じるものとなり、この第二の電極の直下で最大の明るさが得られるものとなるが、前記第二の電極は不透明部材で形成されているものであるので遮蔽され、その明るさを充分に外部に取出すことができず、駆動電流に対する明るさ出力、即ち、発光効率が低下するものとなっている。
【0004】
この点を解決すべく、従来は第二の電極とLEDチップの間に電流拡散層を介して電流阻止層を設け、第二の電極からの電流をLEDチップの周縁に誘導して、周縁の部分がより明るく発光するようにし、前記第二の電極で遮蔽される光量の割合を減じることで見かけの発光効率の向上を図るものがある。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
尚、第二の電極の外周に、例えばLEDチップの周縁に向かう放射状に細線状の第三の電極を設け、より積極的に電流を誘導しLEDチップの周縁の輝度の向上を図るものもあり、この場合、第三の電極は前記第二の電極と一体化して同一部材で形成される場合もあり、あるいは、前記LEDチップとの接触効率を向上させるなどの目的で適宜の別部材で形成される場合もある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−64221号公報(段落「0053」〜段落「0074」、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のLEDでプラスチック光ファイバーに信号光を入射させようとしたときには、上記のようにLEDチップの中心に影となる第二の電極が位置し、その周縁にリング状に広がって明るい発光部位が存在している形状では、小さな円形状の開口部を有する光ファイバー内に取込むのには、形状的にも無理を生じ、単に見かけの発光効率を向上させたのみの従来のLEDでは依然として取込み効率を向上させることができないという問題点を生じていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した従来の課題を解決するための具体的手段として、LEDチップのチップ外周の一部分にはほぼ半導体基板部に至る深さにエッチングが行われ、このエッチングが行われた半導体基板部面から前記エッチングにより生じたメサ端面を経由してP型クラッド層の面上に至る絶縁層が形成されており、前記絶縁層の前記半導体基板部上となる位置にはボンディングパッドが形成されると共に、該ボンディングパッドと前記P型クラッド層の発光領域面上に敷設されたオーミック電極とは、前記絶縁層上を経由する渡り線部により電気的接続が行われていることを特徴とする光ファイバ用LED、および、その製造方法を提供することで課題を解決するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に符号1で示すものは本発明に係る光ファイバ用LEDのLEDチップであり、このLEDチップ1は実際にはハウジングなどが取付けられて光ファイバ用LEDとしての商品化が行われているものであるが、ここでは説明を単純化し理解を容易とするためにLEDチップ1の状態で示してある。
【0010】
本発明に係るLEDチップ1においては、先ず、P型クラッド層2の表面に略網目状としたオーミック電極6が敷設される。このときに前記オーミック電極6は、P型クラッド層2が残余する発光領域1aの全面に電流が均一に注入されるように形状が最適化されると共に、オーミック電極6自体が過剰に発光を遮ることが無いように、発光領域に占めるオーミック電極6の面積を20%以下(但し線幅が10μm程度の場合)の範囲に設定することが好ましい。また、LEDチップ1の底面に、このLEDチップ1をリードフレーム(図示は省略する)などにダイボンドを行うためのベース電極7も設けておく。
【0011】
上記のようにオーミック電極6の敷設が行われた後には、図2の断面図でも明らかなように、活性層3を挟むP型クラッド層2、および、N型クラッド層4の外周部分にはエッチングが行われ、前記P型クラッド層2およびN型クラッド層4はメサ状に半導体基板部5上に突出するものとされている。尚、図2ではエッチングは半導体基板部5に達する深さまで行われたものとして示してあるが、実際には、活性層3が完全に除去されれば、本発明が期待する作用は達せられるものとなる。
【0012】
また、本発明においては、上記に説明したLEDチップ1の外周部分のエッチングを行う際に、同時に前記LEDチップ1のチップ外周の一部分、例えば、一つのコーナー部分にも適宜な面積、形状としてエッチングを行いパッド形成用凹部5aを形成するものであり、そのパッド形成用凹部5aの面積、形状は、後にこの凹部5aに形成されるボンディングパッド9の機能に対して必要でかつ充分な面積、形状とされている。
【0013】
上記のようにしてエッチングが行われた後には、前記パッド形成用凹部5aの部分に対して、前記P型クラッド層2の表面の一部から、メサ端面を経由し、前記半導体基板部5の表面に至り覆う絶縁層8が、例えば、SiO2膜などの絶縁性部材により形成される。
【0014】
そして、前記絶縁層8上であり、且つ、前記半導体基板部5上となる位置にはボンディングパッド9が、例えば、Ti/AuあるいはTi/Pt/Auなどのの組成をもって形成されている。このときに、前記絶縁層8がEB法で形成されたポーラスなSiO2膜である場合には、時間の経過と共にZnに拡散を生じて前記絶縁層8にリークを生じるものとなるので、前記ボンディングパッド9を形成する組成としてZnを含む金属部材は使用不可である。
【0015】
また、前記ボンディングパッド9の形成にあたっては、前記絶縁層8上に敷設され、このボンディングパッド9と前記オーミック電極6とを電気的に接続するための渡り線部9aが、ボンディングパッド9と同一組成をもって、同一工程で形成されている。
【0016】
次いで、上記の構成とした本発明の光ファイバ用LED(LEDチップ1)の作用および効果について説明する。先ず、第一には、ボンディングパッド9をLEDチップ1のチップ外周の一部分に設けるものとしたことで、発光領域1aの中心にボンディングパッド9が存在することをなくし、図2にも示すように、光ファイバー10の端部とLEDチップ1の発光領域1aとの対峙がボンディングパッド9に遮られることなく行えるものとして、光ファイバー10に取込める光量を格段に増加させられるものとする。
【0017】
以上を更に具体的に説明すれば、従来は240μm×240μmの発光領域1a中に占めるボンディングパッド9(直径100μm)および、それに付随する放射状の電極との面積の割合は約21%であったのに対し、本発明により発光領域1aの中心からボンディングパッド9を移動させ、発光領域1aには略網目状としたオーミック電極6のみが存在するものとしたことで、14%まで低減が可能であった。
【0018】
また、第二には、エッチングにより活性層3(P型クラッド層2、N型クラッド層4を含み)を除去し、更には、絶縁層8を設けて、LEDチップ1の発光領域1aとは全く関与しない状態としてボンディングパッド9を形成したことで、従来例のLEDチップのようにボンディングパッド9の裏面、言い換えれば、実質的に光を取出すことができない部分に電流が流れるのを防止する。
【0019】
従って、本発明のLEDチップ1では、ボンディングパッド9に印加が行われた電流の全ては略網目状としたオーミック電極6を介して前記P型クラッド層2に注入されるものとなり、電流の全ては取出し可能な位置で光に変換されるものとなって、発光効率の向上を可能とするものである。
【0020】
図3〜図6は、上記に説明した本発明に係る光ファイバ用LED(LEDチップ1)の製造方法を工程の順に示すものであり、先ず、第一工程としては図3に示すように活性層3を挟みP型クラッド層2とN型クラッド層4とが形成されたLEDチップ1の、発光領域1aとされる位置に相当する前記P型クラッド層2の表面にはオーミック電極6が形成される。このときに、前記オーミック電極6が形成される部材としては、例えば、前記P型クラッド層2がP型のInGaPである場合には、AuZnであることが好ましい。
【0021】
図4は上記したオーミック電極6の敷設工程に続いて行われるエッチング工程であり、このエッチング工程は、前記LEDチップ1のP型クラッド層2の側から行われ、LEDチップ1の周縁と、LEDチップ1のチップ外周の一部分、例えばコーナー部分などに対して行うものとし、このコーナーなどに行うパッド形成用凹部5aを形成するためのエッチングは略円形などとして、後にこの部分に形成するボンディングパッド9に対して必要充分な面積のものとし、総合として図4中に発光領域1aで示した形状となるメサ部を形成する。尚、エッチングの深さについては上記に記載したとおりである。
【0022】
図5は、上記エッチング工程が行われた部分であり、且つ、後にボンディングパッド9の形成が行われる部分に対する短絡防止用の絶縁層8の形成工程であり、この絶縁層8はSiO2膜、Si3N4膜の常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、または、EB(Electro beam)蒸着法により形成する。
【0023】
このときに、EB蒸着法によれば得られる絶縁層8がポーラス状となるので、ボンディングパッド9を形成する部材にZnを含むものとすると、時間の経過と共にZnの拡散を生じて活性層3とに短絡を生じるものとなるので、上記にも記載したように、Znを含むものとする必要があるときには、絶縁層8の形成には常圧CVD法を採用することが好ましいものとなる。
【0024】
図6は、上記のようにして形成された絶縁層8上にボンディングパッド9を形成する工程を示すものであり、このボンディングパッド9は、リードフレーム(図示せず)とLEDチップ1とを金線などにより配線を行うときに、前記金線の接続端子としてLEDチップ1側に設けられるものである。従って、このボンディングパッド9には渡り線部9aが設けられていて、前記オーミック電極6に接続されている。
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明により、LEDチップのチップ外周の一部分にはほぼ半導体基板部に至る深さにエッチングが行われ、このエッチングが行われた半導体基板部面から前記エッチングにより生じたメサ端面を経由してP型クラッド層の面上に至る絶縁層が形成されており、前記絶縁層の前記半導体基板部上となる位置にはボンディングパッドが形成されると共に、該ボンディングパッドと前記P型クラッド層の発光領域面上に敷設されたオーミック電極とは、前記絶縁層上を経由する渡り線部により電気的接続が行われていることを特徴とする光ファイバ用LEDとしたことで、第一には、ボンディングパッドをLEDチップのコーナー部などチップ外周の一部分に設けるものとしたことで、発光部の中心にボンディングパッドが存在することをなくし、且つ、発光部に比較的に広い面積が設定できるものとし、光ファイバーの端部とLEDチップの発光領域との対峙がボンディングパッドに遮られることなく行えるものとして、光ファイバーに取込める光量を格段に増加させられるものとして、少ない駆動電流でよりS/N比の高い光通信の実施を可能として、この種の光ファイバ用LEDの性能向上に極めて優れた効果を奏するものである。
【0026】
また、第二には、エッチングにより活性層(P型クラッド層、N型クラッド層を含み)を除去し、更には、絶縁層を設けて、LEDチップ1の発光領域とは全く関与しない状態としてボンディングパッドを形成したことで、従来例のLEDチップのようにボンディングパッドの裏面、言い換えれば、実質的に光を取出すことができない部分に電流が流れるのを防止する。よって、本発明のLEDチップでは、ボンディングパッドに印加が行われた電流の全ては略網目状としたオーミック電極を介して前記P型クラッド層に注入されるものとなり、電流の全ては取出し可能な位置で光に変換されるものとなって、発光効率の向上を可能とし、上記の光ファイバ用LEDの性能向上を一層確実なものとするのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ用LEDの実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法におけるオーミック電極の敷設工程を示す平面図である。
【図4】同じく本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法におけるエッチング工程を示す平面図である。
【図5】同じく本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法における絶縁層の形成工程を示す平面図である。
【図6】同じく本発明に係る光ファイバ用LEDの製造方法におけるボンディングパッドの形成工程を示す平面図である。
【符号の説明】
1……LEDチップ(光ファイバ用LED)
1a……発光領域
2……P型クラッド層
3……活性層
4……N型クラッド層
5……半導体基板部
5a……パッド形成用凹部
6……オーミック電極
7……ベース電極
8……絶縁層
9……ボンディングパッド
9a……渡り線部
10……光ファイバー
Claims (2)
- LEDチップのP型クラッド層の面上にチップ外周の一部分を除く形状として発光部の領域を設定し、この発光部に相当する部分に略網目状としたオーミック電極を敷設する第一の工程と、前記ボンディングパッドが設けられる前記LEDチップの前記コーナー部分にほぼ半導体基板部に至るエッチングを行い発光部を除去する第二の工程と、前記第二の工程により露出したメサ端面を含み前記P型クラッド層の表面からエッチングが行われ発光部が除去された前記半導体基板部の表面に至る絶縁層を敷設する第三の工程と、前記絶縁層上で且つ発光部が除去された基板面上に設けられるボンディングパッド、および、このボンディングパッドから前記絶縁層上をメサ端面を経由し前記オーミック電極に接続する渡り線部を形成する第四の工程とを含むことを特徴とする光ファイバ用LEDの製造方法。
- LEDチップのチップ外周の一部分にはほぼ半導体基板部に至る深さにエッチングが行われ、このエッチングが行われた半導体基板部面から前記エッチングにより生じたメサ端面を経由してP型クラッド層の面上に至る絶縁層が形成されており、前記絶縁層の前記半導体基板部上となる位置にはボンディングパッドが形成されると共に、該ボンディングパッドと前記P型クラッド層の発光領域面上に敷設されたオーミック電極とは、前記絶縁層上を経由する渡り線部により電気的接続が行われていることを特徴とする光ファイバ用LED。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003176576A JP2005012091A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 光ファイバ用ledおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003176576A JP2005012091A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 光ファイバ用ledおよびその製造方法 |
Publications (1)
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JP2005012091A true JP2005012091A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34099429
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005012091A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2333849A3 (en) * | 2009-12-14 | 2013-05-08 | Seoul Opto Device Co., Ltd. | Light emitting diode having electrode pads |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003176576A patent/JP2005012091A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2333849A3 (en) * | 2009-12-14 | 2013-05-08 | Seoul Opto Device Co., Ltd. | Light emitting diode having electrode pads |
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