JP2005011757A - 二次電池の温度異常検知装置および異常検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却ファンを有するバッテリの温度異常を的確に検知する。
【解決手段】バッテリECU100は、バッテリ200を構成する複数のバッテリセルに設けられた複数のバッテリ温度センサ221〜223と、冷却ファン300とに接続され、冷却ファン300の作動を検知する回路と、バッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の所定時間における温度上昇がしきい値よりも小さい時間が連続している時間が予め定められた時間よりも長くかつ測定されたバッテリ温度の最大値と最小値との差に基づいて求められる冷却ファン300の適正作動時間よりも冷却ファン300が長い時間作動している場合にのみ、バッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の最大値と最小値との偏差に基づいてバッテリ200の温度異常を判定する回路とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】バッテリECU100は、バッテリ200を構成する複数のバッテリセルに設けられた複数のバッテリ温度センサ221〜223と、冷却ファン300とに接続され、冷却ファン300の作動を検知する回路と、バッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の所定時間における温度上昇がしきい値よりも小さい時間が連続している時間が予め定められた時間よりも長くかつ測定されたバッテリ温度の最大値と最小値との差に基づいて求められる冷却ファン300の適正作動時間よりも冷却ファン300が長い時間作動している場合にのみ、バッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の最大値と最小値との偏差に基づいてバッテリ200の温度異常を判定する回路とを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のバッテリセル(単電池)を直列に接続した二次電池に関し、特に、車両に搭載された二次電池の温度異常を検知する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動機により車両の駆動力を得る、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車は、二次電池を搭載している。電気自動車は、この二次電池に蓄えられた電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動する。ハイブリッド自動車は、この二次電池に蓄えられた電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動したり、電動機によりエンジンをアシストして車両を駆動したりする。燃料電池車は、燃料電池による電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動したり、この燃料電池による電力に加えて二次電池に蓄えられた電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動したりする。
【0003】
これらの二次電池は、高電圧高出力を必要とするため、たとえば、1.2V程度のニッケル水素電池のバッテリセルを6個程度直列に接続したバッテリモジュールを、30個程度直列に接続してバッテリパックを形成している。すなわち、このような二次電池は、180個(あるいは200個以上の)バッテリセルを直列に搭載している。
【0004】
内燃機関のみを車両の駆動源としていた従来の車両には搭載されていなかったこのような二次電池を、電気自動車やハイブリッド自動車などは搭載しなければならない。また、従来の車両に搭載されていた補機類(ライト、オーディオ等)用の鉛蓄電池に対しては冷却を考慮する必要は少なかったが、このような二次電池においては、冷却を十分に考慮する必要がある。
【0005】
特に、高温による二次電池の劣化などの不具合の発生を抑制するために二次電池の温度を検知して、必要に応じて冷却する必要がある。しかしながら、上述したように、バッテリパック(組電池)は、多数のバッテリセル(単電池)を直列に接続したものであって、電池温度は単電池ごとに検知される。このため、単電池の電池温度にばらつきがある。たとえば、二次電池が充放電されて温度が上昇して冷却ファンにより冷却空気がバッテリパックに送り込まれると、その冷却ファン側に配置されたバッテリセルとの熱交換が行なわれた空気で、冷却ファンから遠い位置に配置されたバッテリセルとが熱交換される。また、冷却空気との接触面積もバッテリセル毎に同じ面積であるとは限らない。
【0006】
このような状況は、バッテリパックにおけるバッテリセルの配置、冷却ファンの配置、外部熱源の配置などにも起因して発生する。いずれが原因であっても、多数のバッテリセルから構成されるバッテリパックは一様に冷却することが不可能であるので、バッテリパック温度(複数のバッテリセルの温度)を検知して、その温度から電池の温度異常を検知することが困難である。このような二次電池の冷却に関して、以下の公報に開示される技術がある。
【0007】
特開平11−178231号公報(特許文献1)は、高圧組電池のきめ細かい温度管理によりその安全性を向上させるとともに、その使い勝手を向上した電気自動車用組電池の温度管理装置を開示する。この温度管理装置は、直列そして/または並列接続された多数の単電池を共通のケ−ス内に収容してなる組電池内に設けられた多数の電池温度センサと、各電池温度センサの出力信号を処理する信号処理部とを備え、信号処理部は、各電池温度センサの一個だけが残りの電池温度センサより所定温度以上低い温度に相当する低温度抵抗値をもつ場合に、低温度抵抗値をもつ電池温度センサの信号を異常と判定して電池の充放電を許可する回路と、各電池温度センサの一部がそれより多い残りの電池温度センサより所定温度以上高い温度に相当する高温度抵抗値をもつ場合に、電池温度の異常と判定して電池の充放電を禁止する回路とを有する。
【0008】
この温度管理装置によると、各電池温度センサの一個だけが残りの電池温度センサより所定温度以上低い温度に相当する低温度抵抗値をもつ場合に、電池が異常なのではなく、センサが異常であるとして、このセンサの出力を無視して充放電を許可する。すなわち、同じ電池ケース内部で一個だけ低温度であるということは、そのまま充放電を続行してもなんら問題は生じない。さらに、各電池温度センサの一部がそれより多い残りの電池温度センサより所定温度(通常のばらつき範囲)以上高い温度に相当する高温度抵抗値をもつ場合に、電池温度の異常と判定して電池の充放電を禁止する。結局、多数の電池温度センサを用いて電池ケース内各部温度をモニタする場合、一部センサの温度が残りの多数のセンサの温度より高い場合にだけ、一部電池が実際に異常高温となっている危険が存在するわけであり、それ以外の温度ばらつきでは充放電を禁止する必要がない。このように温度管理できるので、無用な充放電禁止を回避できる。
【0009】
特開2001−313092号公報(特許文献2)は、二次電池の冷却装置の異常を検出するとともに、二次電池を適正な温度範囲にする冷却装置を開示する。この冷却装置は、二次電池の充放電電流と冷却性能とから計算される推定温度Teと実際の電池温度Tbとの偏差ΔTがしきい値Trより大きいときには、冷却用のファンをHiモードで駆動して、二次電池の温度の異常な上昇を抑制する回路と、冷却用のファンをHiモードで駆動した状態で所定時間経過しても偏差ΔTがしきい値Trより大きいときには、装置の冷却機能に対する何らかの異常が発生した判断して異常を出力する回路とを含む。
【0010】
この冷却装置によると、二次電池の異常な温度上昇を抑制することができるとともに装置の冷却機能に対する何らかの異常をより適切に検出することができる。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−178231号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2001−313092号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された温度管理装値によると、電池が正常である場合においても、バッテリセル毎の配置の状態の差異により(バッテリパックにおけるバッテリセルと冷却ファンとの位置関係等により)、放熱効率に差異が発生してしまう場合に対応できない。すなわち、このような配置上の理由により電池温度のばらつきが生じた場合であっても、電池温度が異常であると判定することになる。
【0014】
また、特許文献2に開示された冷却装置では、冷却装置の異常を検知するために、Hi、Me、Loの3段階毎に冷却ファンの性能を予め把握する必要がある。また、冷却ファンのこれらのモード毎にしか(すなわち、段階毎にしか)、冷却装置の異常を検知できない。冷却ファンの動作状態が段階的ではなく、連続的に(たとえば、動作電圧を連続的に)変化させる場合には、その異常判断が複雑になる。特に、推定温度の計算には係数を予め設定する必要があり、これらの係数は車両や電池毎に異なるので、係数の設定が困難である。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡単な装置構成で、的確に冷却装置を有する二次電池の温度異常を検知することができる二次電池の異常検知装置および異常検知方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る二次電池の温度異常検知装置は、複数の単電池から構成される二次電池の温度異常を検知する。この異常検知装置は、複数の単電池の中の少なくとも2個の単電池の温度を測定するための測定手段と、単電池の温度を均一にするための温度均一化手段と、温度均一化手段の作動に対応させて、測定手段により測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知するための検知手段とを含む。
【0017】
第1の発明によると、温度均一化手段により、たとえば冷却空気が二次電池の筐体内に送込まれて、単電池を冷却して単電池の温度を均一にする。このような状態で、すなわち、温度均一化手段が十分に作動している状態で、検知手段は、測定手段により測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知する。このとき、たとえば、測定された2個以上の単電池の温度偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であることを検知する。このため、検知手段により二次電池の温度異常が判断されるのは、単電池の温度が十分に均一化されたときのみであって、単電池と冷却ファンなどとの位置関係に基づく電池の放電効率の違いによる異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。その結果、簡単な装置構成で、的確に冷却装置を有する二次電池の温度異常を検知することができる、二次電池の温度異常検知装置を提供することができる。
【0018】
第2の発明に係る二次電池の温度異常検知装置においては、第1の発明の構成に加えて、温度均一化手段は、複数の単電池に冷却媒体を供給することにより単電池を冷却して単電池の温度を均一にするための手段を含む。異常検知装置は、冷却媒体による二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するための判定手段をさらに含む。検知手段は、冷却媒体による二次電池の冷却状態が判定手段により十分であると判定されたことに対応させて、二次電池の温度異常を検知するための手段を含む。
【0019】
第2の発明によると、検知手段により二次電池の温度異常が判断されるのは、二次電池が冷却媒体により十分に冷却されて単電池の温度が均一化されたときのみである。このため、判定手段により二次電池が十分に冷却されていると判定されたときに単電池間の温度偏差などに基づいて二次電池の温度異常を検知することができ、単電池の放電効率の違いによる二次電池の異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。
【0020】
第3の発明に係る二次電池の温度異常検知装置においては、第2の発明の構成に加えて、判定手段は、測定手段により測定された単電池間の温度差と、予め記憶された、温度差と冷却時間との関係に基づいて、二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出するための手段と、温度均一化手段の作動時間を検知するための手段と、算出された冷却時間と検知された作動時間とに基づいて、二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するための手段とを含む。
【0021】
第3の発明によると、冷却時間が長いほど温度差が少なくなるという傾向を利用して、予め温度差と冷却時間との関係を記憶しておく。測定した単電池間の温度差から二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出する。この冷却時間以上、二次電池が冷却されている状態であると、単電池の温度は均一化されているはずである。この状態において、単電池間の温度の偏差が大きいと、二次電池の温度が異常であることを検知できる。
【0022】
第4の発明に係る二次電池の温度異常検知装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、測定手段ごとに、測定された温度の所定時間内における温度上昇を検知して、温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知手段による二次電池の温度異常を検知するように、検知手段を制御するための制御手段をさらに含む。
【0023】
第4の発明によると、測定手段ごとにおいて、測定された温度の所定時間内における温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行われていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御手段により検知手段が制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0024】
第5の発明に係る二次電池の温度異常検知装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、測定手段ごとに、測定された温度の所定時間の温度上昇を検知して、全ての測定手段において温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知手段による二次電池の温度異常を検知するように、検知手段を制御するための制御手段をさらに含む。
【0025】
第5の発明によると、全ての測定手段ごとにおいて、測定された温度の所定時間内における温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行なわれていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御手段により検知手段が制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0026】
第6の発明に係る二次電池の温度異常検知装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、検知手段は、2以上の測定手段により測定された温度の偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると検知するための手段を含む。
【0027】
第6の発明によると、たとえば測定手段が2個であるとその2個の測定手段により測定された温度の差、測定手段が3個であると3個の測定手段により測定された温度の最大値と最小値との差が、予め定められたしきい値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると判断できる。
【0028】
第7の発明に係る二次電池の温度異常検知方法は、複数の単電池から構成される二次電池の温度異常を検知する。この異常検知方法は、複数の単電池の中の少なくとも2個の単電池の温度を測定する測定ステップと、単電池の温度を均一にする温度均一化ステップと、温度均一化ステップの実行に対応させて、測定ステップにより測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知する検知ステップとを含む。
【0029】
第7の発明によると、温度均一化ステップにて、たとえば冷却空気が二次電池の筐体内に送り込まれて、単電池を冷却して単電池の温度を均一にする。このような状態で、すなわち、温度均一化ステップが十分に実行されている状態で、検知ステップは、測定ステップにより測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知する。このとき、たとえば、測定された2個以上の単電池の温度偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であることを検知する。このため、検知ステップにより二次電池の温度異常が判断されるのは、単電池の温度が十分に均一化されたときのみであって、単電池と冷却ファンなどとの位置関係に基づく電池の放電効率の違いによる異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。その結果、簡単な方法構成で、的確に冷却方法を有する二次電池の温度異常を検知することができる、二次電池の温度異常検知方法を提供することができる。
【0030】
第8の発明に係る二次電池の温度異常検知方法においては、第7の発明の構成に加えて、温度均一化ステップは、複数の単電池に冷却媒体を供給することにより単電池を冷却して単電池の温度を均一にするステップを含む。異常検知方法は、冷却媒体による二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定する判定ステップをさらに含む。検知ステップは、冷却媒体による二次電池の冷却状態が判定ステップにて十分であると判定されたことに対応させて、二次電池の温度異常を検知するステップを含む。
【0031】
第8の発明によると、検知ステップにて二次電池の温度異常が判断されるのは、二次電池が冷却媒体により十分に冷却されて単電池の温度が均一化されたときのみである。このため、判定ステップにより二次電池が十分に冷却されていると判定されたときに単電池間の温度偏差などに基づいて二次電池の温度異常を検知することができ、単電池の放電効率の違いによる二次電池の異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。
【0032】
第9の発明に係る二次電池の温度異常検知方法においては、第8の発明の構成に加えて、判定ステップは、測定ステップにて測定された単電池間の温度差と、予め記憶された、温度差と冷却時間との関係に基づいて、二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出するステップと、温度均一化ステップの作動時間を検知するステップと、算出された冷却時間と検知された作動時間とに基づいて、二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するステップとを含む。
【0033】
第9の発明によると、冷却時間が長いほど温度差が少なくなるという傾向を利用して、予め温度差と冷却時間との関係を記憶しておく。測定した単電池間の温度差から二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出する。この冷却時間以上、二次電池が冷却されている状態であると、単電池の温度は均一化されているはずである。この状態において、単電池間の温度の偏差が大きいことに基づいて、二次電池の温度が異常であることを検知できる。
【0034】
第10の発明に係る二次電池の温度異常検知方法は、第7〜9のいずれかの発明の構成に加えて、測定ステップごとに、測定された温度の所定時間内の温度上昇を検知して、温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知ステップにて二次電池の温度異常を検知するように、検知ステップを制御する制御ステップをさらに含む。
【0035】
第10の発明によると、測定ステップにて、測定された温度の所定時間内の温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行なわれていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御ステップにより検知ステップが制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0036】
第11の発明に係る二次電池の温度異常検知方法は、第7〜9のいずれかの発明の構成に加えて、測定ステップごとに、測定された温度の所定時間内の温度上昇を検知して、全ての測定ステップにおいて温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知ステップによる二次電池の温度異常を検知するように、検知ステップを制御する制御ステップをさらに含む。
【0037】
第11の発明によると、全ての測定ステップにて、測定された温度の所定時間内における温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行なわれていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御ステップにより検知ステップが制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0038】
第12の発明に係る二次電池の温度異常検知方法においては、第7〜11のいずれかの発明の構成に加えて、検知ステップは、2以上の測定ステップにより測定された温度の偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると検知するステップを含む。
【0039】
第12の発明によると、たとえば測定ステップが2個であるとその2個の測定ステップにより測定された温度の差、測定ステップが3個であると3個の測定ステップにより測定された温度の最大値と最小値との差が、予め定められたしきい値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると判断できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0041】
図1に、本発明の実施の形態に係るバッテリ冷却システムのブロック図を示す。図1に示すように、この冷却システムは、バッテリECU(Electronic Control Unit)100と、バッテリ200と、バッテリ200に冷却空気を送込む冷却ファン300とを含む。なお、冷却ファン300は、バッテリ200から冷却空気を吸出すようにしてもよい。
【0042】
バッテリECU100は、後述するプログラムなどを実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUで実行されるプログラムやプログラムで使用される各種のしきい値や後述するマップを記憶するメモリと、プログラムにおいて各種変数をカウントするカウンタと、温度センサや冷却ファン300との間における信号の送受信のためのインターフェイスとを含む。CPU、メモリ、カウンタおよびインターフェイスとは、内部バスで接続されている。
【0043】
なお、このような構成を有するバッテリECU100は一例であって、この構成に限定されるものではない。たとえば、カウンタはCPUの内部にあってもよいし、バッテリECU100の中が内部バスで接続されていなくてもよい。
【0044】
バッテリ200は、1.2V程度のニッケル水素電池セルを直列に6個程度接続したバッテリモジュールを30個程度直列に積層した構造を有する。ただし、本発明において、バッテリの種類は、このニッケル水素電池に限定されるものではない。
【0045】
バッテリ200には、車室内の空気を吸込んで、バッテリ200に送り込むことにより、バッテリ200を冷却する冷却ファン300が、冷却通路を介して接続されている。図1に示すように、バッテリ200の温度をバッテリセルごとに検知するバッテリ温度センサ221〜223と、バッテリ200を冷却する空気の温度を検知するバッテリ冷却風温度センサ220とが設けられている。これらのバッテリ温度センサ221〜223は、図1においては3個としたが、本発明はこの3個に限定されない。
【0046】
冷却ファン200の上流側(バッテリ200の反対側)には、たとえばエアコンディショナ(以下、エアコンという)が設けられる。このエアコンは、車室内の空気を冷却/暖気する空調装置である。エアコンで温度調整された車室内の空気は、冷却ファン300により、バッテリ200に供給される。このエアコンにより調整された車室内の温度が、バッテリ冷却風温度センサ220により検知される。
【0047】
これらの、バッテリ冷却風温度センサ220およびバッテリ温度センサ221〜223、たとえば、測温素子(サーミスタ)により構成される。
【0048】
図2を参照して、図1のバッテリECU100のメモリに記憶されるマップについて、説明する。
【0049】
図2に示すように、バッテリECU100のメモリに記憶されるマップの横軸は、バッテリ温度センサ221〜223の中で計測された最大のバッテリ温度と最小のバッテリ温度の温度差である。縦軸は、冷却ファン作動時間(FANCOOL)である。図2に示すように、バッテリ温度センサにおけるバッテリセル間の温度差が大きいほど冷却ファン作動時間が長くなるように、このマップは記憶されている。
【0050】
図2に示すマップは、後述するプログラムにおいてバッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリセル間における温度差に基づいて冷却ファン作動時間を算出し、算出された冷却ファン作動時間以上の間、冷却ファン300が作動しているか否かを判断して、冷却ファン300が図2に示す冷却ファン作動時間(FANCOOL)を越えているとバッテリ200の温度異常が発生しているか否かの判断を行なう。
【0051】
図3および図4を参照して、本実施形態に係るバッテリ冷却システムのバッテリECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0052】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、バッテリECU100は、各種変数を初期化(t_cool=0、tΔT=0、tΔTΔt=0)する。S200にて、バッテリECU100は、変数tΔTに1を加算する。
【0053】
S300にて、バッテリECU100は、変数tΔTが予め定められた時間A(sec)よりも大きいか否かを判断する。変数tΔTが予め定められた時間A(sec)よりも大きい場合には(S300にてYES)、処理はS400へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理は図4のS900へ移される。
【0054】
S400にて、バッテリECU100は、バッテリ温度T1、T2、Tnを検知する。このとき、バッテリECU100は、バッテリ温度センサ221〜223から入力された温度信号に基づいてバッテリ温度を検知する。なお、以下の説明においてはn=3として説明する。
【0055】
S500にて、バッテリECU100は、(T1−T1last)が予め定められたしきい値B(℃)よりも小さく、(T2−T2last)が予め定められたしきい値B(℃)よりも小さく、(Tn−Tnlast)が予め定められたしきい値B(℃)よりも小さいか否かを判断する。すなわち、バッテリ温度センサ221〜223において測定された1サンプリングタイム前の温度と現在測定された温度との差が、予め定められたしきい値B(℃)よりも小さいということがすべてのバッテリ温度センサ221〜223において成立するか否かが判断される。(T1−T1last)がB(℃)よりも小さく、(T2−T2last)がB(℃)よりも小さく、(Tn−Tnlast)がB(℃)よりも小さいと(S500にてYES)、処理はS600へ移される。もしそうでないと(S500にてNO)、処理はS700へ移される。なお、バッテリ温度センサごとにしきい値を変更するようにしてもよい。
【0056】
S600にて、バッテリECU100は、変数tΔTΔtに1を加算する。その後、処理はS800へ移される。
【0057】
S700にて、バッテリECU100は、tΔTΔtに0を代入する。その後、処理はS800へ移される。
【0058】
S800にて、バッテリECU100は、変数tΔTに0を代入し、T1lastにT1を代入し、T2lastにT2を代入し、TnlastにTnを代入する。その後、処理は図4のS900へ移される。
【0059】
S900にて、バッテリECU100は、冷却ファンが作動中であるか否かを判断する。この判断は、冷却ファン300から入力される作動状態信号に基づいて行なわれる。冷却ファン300が作動していると(S900にてYES)、処理はS1000へ移される。もしそうでないと(S900にてNO)、処理はS1100へ移される。
【0060】
S1000にて、バッテリECU100は、変数t_coolに1を加算する。S1100にて、バッテリECU100は、t_coolに0を代入する。このS1000および1100の処理の後、処理はS1200へ移される。
【0061】
S1200にて、バッテリECU100は、変数t_coolが1であるか否かを判断する。変数t_coolが1であると(S1200にてYES)、処理はS1300へ移される。もしそうでないと(S1200にてNO)、処理はS1500へ移される。
【0062】
S1300にて、バッテリECU100は、バッテリ温度の偏差を算出する。このとき、バッテリセンサ221〜223で測定されたバッテリ温度の最大値であるTmaxからバッテリ温度の最小値Tminを減算した値がバッテリ温度偏差Xとして算出される。S1400にて、バッテリECU100は、偏差Xに応じて冷却時間FANCOOLを図2に示すマップから算出する。その後、処理はS1500へ移される。
【0063】
S1500にて、バッテリECU100は、変数t_coolが冷却時間FANCOOLよりも大きく、変数tΔTΔtが予め定められたしきい値C(sec)よりも大きく、電池冷却温度T_coolが予め定められたしきい値D(℃)とE(℃)との間にあって、バッテリ温度最大値Tmaxが予め定められたしきい値F(℃)とG(℃)との間にあって、バッテリ温度最小値Tminが予め定められたH(℃)より小さいか否かを判断する。これらのすべての条件が成立していると(S1500にてYES)、処理はS1600へ移される。もしそうでないと(S1500にてNO)、処理はS1800へ移される。
【0064】
S1600にて、バッテリECU100は、バッテリ温度の偏差が大きいか否かを判断する。このとき、バッテリ温度センサ221〜223で測定されたバッテリ温度の最大値Tmaxからバッテリ温度センサ221〜223で測定されたバッテリ温度の最小値Tminを減算した値が予め定められたしきい値I(℃)よりも大きいか否かを判断する。バッテリ温度偏差がしきい値I(℃)大きいと(S1600にてYES)、処理はS1700へ移される。もしそうでないと(S1600にてNO)、処理はS1800へ移される。
【0065】
S1700にて、バッテリECU100は、バッテリ200の温度が異常であると判定する。その後、処理はS1800へ移される。
【0066】
S1800にて、バッテリECU100は、図示しないイグニッションスイッチからの信号に基づいて、イグニッションスイッチがオフにされたか否かを判断する。イグニッションスイッチがオフにされると(S1800にてYES)、この処理を終了する。もしそうでないと(S1800にてNO)、処理は図3のS200へ戻される。
【0067】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るバッテリ冷却システムの動作について説明する。
【0068】
イグニッションスイッチがオンにされると各種変数が初期化される(S100)。変数tΔTが予め定められた時間A(sec)以上であると(S300にてYES)、バッテリ温度がバッテリ温度センサ221〜223により、バッテリ温度T1、T2、Tnとして検知される(S400)。それぞれのバッテリ温度センサ221、222、223毎に、1サンプリング前のバッテリ温度とS400にて検知された現在のバッテリ温度との差が、予め定められたしきい値B(℃)よりも小さいと(S500にてYES)、変数tΔTΔtに1が加算される。すなわち、バッテリセンサ221〜223毎にバッテリ温度の所定時間内における温度上昇が小さいという条件を満足する限り、変数tΔTΔtが次第に大きくなる。
【0069】
次のサンプリングタイムのときにバッテリ温度の所定時間内における温度上昇を算出するために、T1lastにT1が、T2lastにT2が、TnlastにTnがそれぞれ代入される(S800)。
【0070】
冷却ファン300が作動していると(S900にてYES)、変数t_coolに1が加算され、t_coolが1であると(S1200にてYES)、バッテリ温度偏差Xが算出される(S1300)。バッテリ温度偏差Xに応じて図2に示すマップから冷却時間FANCOOLが算出される(S1400)。バッテリ温度偏差Xに対応する冷却時間FANCOOLは、バッテリ温度センサ221〜223により測定された電池温度偏差がI(℃)以内にするために必要な冷却ファン300の冷却時間を表わしている。
【0071】
このような処理が繰返し行なわれ、以下の条件を満足するか否かが判断される(S1500)。すなわち、第1に、変数t_coolがFANCOOLよりも大きいこと(すなわち、十分に冷却時間を経過していること)を満足しているか否か、第2に、変数tΔTΔtが予め定められたしきい値C(sec)よりも大きいこと(すべてのバッテリ温度センサの所定時間内における温度上昇がしきい値B(℃)よりも小さい時間が時間C(sec)よりも長く連続して継続していること)を満足しているか否か、第3に、バッテリ冷却風温度センサ220で検知されたバッテリ冷却風温度T_coolが予め定められたしきい値D(℃)とE(℃)との間にあること(バッテリ冷却風温度が著しく高かったり低かったりしないこと)を満足しているか否か、第4に、バッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の最大値Tmaxが予め定められたしきい値F(℃)とG(℃)との間にあることを満足しているか否か、第5にバッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の最小値Tminが予め定められたしきい値H(℃)よりも小さいことを満足しているか否かについて、すべて満足すると(S1500にてYES)、バッテリ200の温度異常が発生しているか否かが判断される。
【0072】
バッテリ温度の偏差が大きいと(S1600にてYES)、バッテリ200の温度が異常であると判定される(S1700)。このとき、バッテリ温度センサ221〜223にて測定されたバッテリ温度の最大値であるTmaxから最小値であるTminを減算した値が予め定められたしきい値I(℃)よりも大きいとバッテリ200の温度異常と判定される。
【0073】
以上のようにして、本実施の形態に係る冷却システムによると、複数のバッテリセルを接続したバッテリにおいて、バッテリセル毎にバッテリ温度を計測する。バッテリ温度センサ毎にバッテリ温度の所定時間内における温度上昇を検知して、それぞれのバッテリセンサにおける温度の温度上昇が予め定められたしきい値よりも小さい状態が予め定められた時間よりも長く継続している場合にのみバッテリの温度の異常判定を行なう。
【0074】
このような条件に加えて、バッテリを冷却するファンが作動しており、かつバッテリ温度偏差に見合うだけの十分な冷却時間継続して冷却ファンが作動している場合のみバッテリの温度が異常であるか否かを判定する。また、バッテリを冷却する冷却風の温度が予め定められた範囲内にあること、バッテリ温度センサの最大値が予め定められた範囲内にあること、バッテリ温度センサにより測定されたバッテリ温度の最小値が予め定められたしきい値よりも小さいことのすべての条件を満足している場合においてのみバッテリの温度が異常であるか否かが判定される。
【0075】
その結果、冷却ファンにより冷却空気がバッテリのパック内に送り込まれてバッテリセルを冷却してバッテリセルの温度を均一にする。このような状態が予め定められた時間(マップにより求められる時間)作動している状態で、バッテリ温度センサがバッテリ温度の最大値と最小値とに基づいてバッテリセルの温度の偏差に基づくバッテリの温度異常を判定する。
【0076】
また、このときバッテリセンサ毎の所定時間内における温度上昇を検知しておき、その変化量が予め定められたしきい値よりも小さい場合のみバッテリの温度異常を判定する。その結果、急激な充放電によるバッテリの過渡的な温度変化に影響を受けることなく、バッテリセルの温度異常を検知することができる。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るバッテリ冷却システムのブロック図である。
【図2】図1のバッテリECUのメモリで記憶されるマップを示す図である。
【図3】図1のバッテリECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。
【図4】図1のバッテリECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
100 バッテリECU、200 バッテリ、220 バッテリ冷却風温度センサ、221〜223 バッテリ温度センサ、300 冷却ファン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のバッテリセル(単電池)を直列に接続した二次電池に関し、特に、車両に搭載された二次電池の温度異常を検知する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動機により車両の駆動力を得る、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車は、二次電池を搭載している。電気自動車は、この二次電池に蓄えられた電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動する。ハイブリッド自動車は、この二次電池に蓄えられた電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動したり、電動機によりエンジンをアシストして車両を駆動したりする。燃料電池車は、燃料電池による電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動したり、この燃料電池による電力に加えて二次電池に蓄えられた電力を用いて電動機を駆動して車両を駆動したりする。
【0003】
これらの二次電池は、高電圧高出力を必要とするため、たとえば、1.2V程度のニッケル水素電池のバッテリセルを6個程度直列に接続したバッテリモジュールを、30個程度直列に接続してバッテリパックを形成している。すなわち、このような二次電池は、180個(あるいは200個以上の)バッテリセルを直列に搭載している。
【0004】
内燃機関のみを車両の駆動源としていた従来の車両には搭載されていなかったこのような二次電池を、電気自動車やハイブリッド自動車などは搭載しなければならない。また、従来の車両に搭載されていた補機類(ライト、オーディオ等)用の鉛蓄電池に対しては冷却を考慮する必要は少なかったが、このような二次電池においては、冷却を十分に考慮する必要がある。
【0005】
特に、高温による二次電池の劣化などの不具合の発生を抑制するために二次電池の温度を検知して、必要に応じて冷却する必要がある。しかしながら、上述したように、バッテリパック(組電池)は、多数のバッテリセル(単電池)を直列に接続したものであって、電池温度は単電池ごとに検知される。このため、単電池の電池温度にばらつきがある。たとえば、二次電池が充放電されて温度が上昇して冷却ファンにより冷却空気がバッテリパックに送り込まれると、その冷却ファン側に配置されたバッテリセルとの熱交換が行なわれた空気で、冷却ファンから遠い位置に配置されたバッテリセルとが熱交換される。また、冷却空気との接触面積もバッテリセル毎に同じ面積であるとは限らない。
【0006】
このような状況は、バッテリパックにおけるバッテリセルの配置、冷却ファンの配置、外部熱源の配置などにも起因して発生する。いずれが原因であっても、多数のバッテリセルから構成されるバッテリパックは一様に冷却することが不可能であるので、バッテリパック温度(複数のバッテリセルの温度)を検知して、その温度から電池の温度異常を検知することが困難である。このような二次電池の冷却に関して、以下の公報に開示される技術がある。
【0007】
特開平11−178231号公報(特許文献1)は、高圧組電池のきめ細かい温度管理によりその安全性を向上させるとともに、その使い勝手を向上した電気自動車用組電池の温度管理装置を開示する。この温度管理装置は、直列そして/または並列接続された多数の単電池を共通のケ−ス内に収容してなる組電池内に設けられた多数の電池温度センサと、各電池温度センサの出力信号を処理する信号処理部とを備え、信号処理部は、各電池温度センサの一個だけが残りの電池温度センサより所定温度以上低い温度に相当する低温度抵抗値をもつ場合に、低温度抵抗値をもつ電池温度センサの信号を異常と判定して電池の充放電を許可する回路と、各電池温度センサの一部がそれより多い残りの電池温度センサより所定温度以上高い温度に相当する高温度抵抗値をもつ場合に、電池温度の異常と判定して電池の充放電を禁止する回路とを有する。
【0008】
この温度管理装置によると、各電池温度センサの一個だけが残りの電池温度センサより所定温度以上低い温度に相当する低温度抵抗値をもつ場合に、電池が異常なのではなく、センサが異常であるとして、このセンサの出力を無視して充放電を許可する。すなわち、同じ電池ケース内部で一個だけ低温度であるということは、そのまま充放電を続行してもなんら問題は生じない。さらに、各電池温度センサの一部がそれより多い残りの電池温度センサより所定温度(通常のばらつき範囲)以上高い温度に相当する高温度抵抗値をもつ場合に、電池温度の異常と判定して電池の充放電を禁止する。結局、多数の電池温度センサを用いて電池ケース内各部温度をモニタする場合、一部センサの温度が残りの多数のセンサの温度より高い場合にだけ、一部電池が実際に異常高温となっている危険が存在するわけであり、それ以外の温度ばらつきでは充放電を禁止する必要がない。このように温度管理できるので、無用な充放電禁止を回避できる。
【0009】
特開2001−313092号公報(特許文献2)は、二次電池の冷却装置の異常を検出するとともに、二次電池を適正な温度範囲にする冷却装置を開示する。この冷却装置は、二次電池の充放電電流と冷却性能とから計算される推定温度Teと実際の電池温度Tbとの偏差ΔTがしきい値Trより大きいときには、冷却用のファンをHiモードで駆動して、二次電池の温度の異常な上昇を抑制する回路と、冷却用のファンをHiモードで駆動した状態で所定時間経過しても偏差ΔTがしきい値Trより大きいときには、装置の冷却機能に対する何らかの異常が発生した判断して異常を出力する回路とを含む。
【0010】
この冷却装置によると、二次電池の異常な温度上昇を抑制することができるとともに装置の冷却機能に対する何らかの異常をより適切に検出することができる。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−178231号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2001−313092号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された温度管理装値によると、電池が正常である場合においても、バッテリセル毎の配置の状態の差異により(バッテリパックにおけるバッテリセルと冷却ファンとの位置関係等により)、放熱効率に差異が発生してしまう場合に対応できない。すなわち、このような配置上の理由により電池温度のばらつきが生じた場合であっても、電池温度が異常であると判定することになる。
【0014】
また、特許文献2に開示された冷却装置では、冷却装置の異常を検知するために、Hi、Me、Loの3段階毎に冷却ファンの性能を予め把握する必要がある。また、冷却ファンのこれらのモード毎にしか(すなわち、段階毎にしか)、冷却装置の異常を検知できない。冷却ファンの動作状態が段階的ではなく、連続的に(たとえば、動作電圧を連続的に)変化させる場合には、その異常判断が複雑になる。特に、推定温度の計算には係数を予め設定する必要があり、これらの係数は車両や電池毎に異なるので、係数の設定が困難である。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡単な装置構成で、的確に冷却装置を有する二次電池の温度異常を検知することができる二次電池の異常検知装置および異常検知方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る二次電池の温度異常検知装置は、複数の単電池から構成される二次電池の温度異常を検知する。この異常検知装置は、複数の単電池の中の少なくとも2個の単電池の温度を測定するための測定手段と、単電池の温度を均一にするための温度均一化手段と、温度均一化手段の作動に対応させて、測定手段により測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知するための検知手段とを含む。
【0017】
第1の発明によると、温度均一化手段により、たとえば冷却空気が二次電池の筐体内に送込まれて、単電池を冷却して単電池の温度を均一にする。このような状態で、すなわち、温度均一化手段が十分に作動している状態で、検知手段は、測定手段により測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知する。このとき、たとえば、測定された2個以上の単電池の温度偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であることを検知する。このため、検知手段により二次電池の温度異常が判断されるのは、単電池の温度が十分に均一化されたときのみであって、単電池と冷却ファンなどとの位置関係に基づく電池の放電効率の違いによる異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。その結果、簡単な装置構成で、的確に冷却装置を有する二次電池の温度異常を検知することができる、二次電池の温度異常検知装置を提供することができる。
【0018】
第2の発明に係る二次電池の温度異常検知装置においては、第1の発明の構成に加えて、温度均一化手段は、複数の単電池に冷却媒体を供給することにより単電池を冷却して単電池の温度を均一にするための手段を含む。異常検知装置は、冷却媒体による二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するための判定手段をさらに含む。検知手段は、冷却媒体による二次電池の冷却状態が判定手段により十分であると判定されたことに対応させて、二次電池の温度異常を検知するための手段を含む。
【0019】
第2の発明によると、検知手段により二次電池の温度異常が判断されるのは、二次電池が冷却媒体により十分に冷却されて単電池の温度が均一化されたときのみである。このため、判定手段により二次電池が十分に冷却されていると判定されたときに単電池間の温度偏差などに基づいて二次電池の温度異常を検知することができ、単電池の放電効率の違いによる二次電池の異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。
【0020】
第3の発明に係る二次電池の温度異常検知装置においては、第2の発明の構成に加えて、判定手段は、測定手段により測定された単電池間の温度差と、予め記憶された、温度差と冷却時間との関係に基づいて、二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出するための手段と、温度均一化手段の作動時間を検知するための手段と、算出された冷却時間と検知された作動時間とに基づいて、二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するための手段とを含む。
【0021】
第3の発明によると、冷却時間が長いほど温度差が少なくなるという傾向を利用して、予め温度差と冷却時間との関係を記憶しておく。測定した単電池間の温度差から二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出する。この冷却時間以上、二次電池が冷却されている状態であると、単電池の温度は均一化されているはずである。この状態において、単電池間の温度の偏差が大きいと、二次電池の温度が異常であることを検知できる。
【0022】
第4の発明に係る二次電池の温度異常検知装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、測定手段ごとに、測定された温度の所定時間内における温度上昇を検知して、温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知手段による二次電池の温度異常を検知するように、検知手段を制御するための制御手段をさらに含む。
【0023】
第4の発明によると、測定手段ごとにおいて、測定された温度の所定時間内における温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行われていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御手段により検知手段が制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0024】
第5の発明に係る二次電池の温度異常検知装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、測定手段ごとに、測定された温度の所定時間の温度上昇を検知して、全ての測定手段において温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知手段による二次電池の温度異常を検知するように、検知手段を制御するための制御手段をさらに含む。
【0025】
第5の発明によると、全ての測定手段ごとにおいて、測定された温度の所定時間内における温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行なわれていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御手段により検知手段が制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0026】
第6の発明に係る二次電池の温度異常検知装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、検知手段は、2以上の測定手段により測定された温度の偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると検知するための手段を含む。
【0027】
第6の発明によると、たとえば測定手段が2個であるとその2個の測定手段により測定された温度の差、測定手段が3個であると3個の測定手段により測定された温度の最大値と最小値との差が、予め定められたしきい値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると判断できる。
【0028】
第7の発明に係る二次電池の温度異常検知方法は、複数の単電池から構成される二次電池の温度異常を検知する。この異常検知方法は、複数の単電池の中の少なくとも2個の単電池の温度を測定する測定ステップと、単電池の温度を均一にする温度均一化ステップと、温度均一化ステップの実行に対応させて、測定ステップにより測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知する検知ステップとを含む。
【0029】
第7の発明によると、温度均一化ステップにて、たとえば冷却空気が二次電池の筐体内に送り込まれて、単電池を冷却して単電池の温度を均一にする。このような状態で、すなわち、温度均一化ステップが十分に実行されている状態で、検知ステップは、測定ステップにより測定された単電池の温度に基づいて、二次電池の温度異常を検知する。このとき、たとえば、測定された2個以上の単電池の温度偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であることを検知する。このため、検知ステップにより二次電池の温度異常が判断されるのは、単電池の温度が十分に均一化されたときのみであって、単電池と冷却ファンなどとの位置関係に基づく電池の放電効率の違いによる異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。その結果、簡単な方法構成で、的確に冷却方法を有する二次電池の温度異常を検知することができる、二次電池の温度異常検知方法を提供することができる。
【0030】
第8の発明に係る二次電池の温度異常検知方法においては、第7の発明の構成に加えて、温度均一化ステップは、複数の単電池に冷却媒体を供給することにより単電池を冷却して単電池の温度を均一にするステップを含む。異常検知方法は、冷却媒体による二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定する判定ステップをさらに含む。検知ステップは、冷却媒体による二次電池の冷却状態が判定ステップにて十分であると判定されたことに対応させて、二次電池の温度異常を検知するステップを含む。
【0031】
第8の発明によると、検知ステップにて二次電池の温度異常が判断されるのは、二次電池が冷却媒体により十分に冷却されて単電池の温度が均一化されたときのみである。このため、判定ステップにより二次電池が十分に冷却されていると判定されたときに単電池間の温度偏差などに基づいて二次電池の温度異常を検知することができ、単電池の放電効率の違いによる二次電池の異常検知や、冷却ファンが作動しない時に拡大した温度偏差による異常検知を回避することができる。
【0032】
第9の発明に係る二次電池の温度異常検知方法においては、第8の発明の構成に加えて、判定ステップは、測定ステップにて測定された単電池間の温度差と、予め記憶された、温度差と冷却時間との関係に基づいて、二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出するステップと、温度均一化ステップの作動時間を検知するステップと、算出された冷却時間と検知された作動時間とに基づいて、二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するステップとを含む。
【0033】
第9の発明によると、冷却時間が長いほど温度差が少なくなるという傾向を利用して、予め温度差と冷却時間との関係を記憶しておく。測定した単電池間の温度差から二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出する。この冷却時間以上、二次電池が冷却されている状態であると、単電池の温度は均一化されているはずである。この状態において、単電池間の温度の偏差が大きいことに基づいて、二次電池の温度が異常であることを検知できる。
【0034】
第10の発明に係る二次電池の温度異常検知方法は、第7〜9のいずれかの発明の構成に加えて、測定ステップごとに、測定された温度の所定時間内の温度上昇を検知して、温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知ステップにて二次電池の温度異常を検知するように、検知ステップを制御する制御ステップをさらに含む。
【0035】
第10の発明によると、測定ステップにて、測定された温度の所定時間内の温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行なわれていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御ステップにより検知ステップが制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0036】
第11の発明に係る二次電池の温度異常検知方法は、第7〜9のいずれかの発明の構成に加えて、測定ステップごとに、測定された温度の所定時間内の温度上昇を検知して、全ての測定ステップにおいて温度上昇が予め定められた変化量以下であると、検知ステップによる二次電池の温度異常を検知するように、検知ステップを制御する制御ステップをさらに含む。
【0037】
第11の発明によると、全ての測定ステップにて、測定された温度の所定時間内における温度上昇が予め定められた変化量以下であると、大きな電流値での充放電が行なわれていないか、大きな電流値での充放電が行なわれていても十分に冷却されているという状態を示していると考えることができる。このような状態であると、制御ステップにより検知ステップが制御されて二次電池の温度異常を検知する。このため、二次電池の充放電電流が大幅に変化するような過渡的な状態(すなわち単電池間における温度の偏差が過渡的に大きく検知される状態)を避けて、二次電池の温度異常を検知できる。
【0038】
第12の発明に係る二次電池の温度異常検知方法においては、第7〜11のいずれかの発明の構成に加えて、検知ステップは、2以上の測定ステップにより測定された温度の偏差が予め定められた値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると検知するステップを含む。
【0039】
第12の発明によると、たとえば測定ステップが2個であるとその2個の測定ステップにより測定された温度の差、測定ステップが3個であると3個の測定ステップにより測定された温度の最大値と最小値との差が、予め定められたしきい値よりも大きいと、二次電池の温度が異常であると判断できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0041】
図1に、本発明の実施の形態に係るバッテリ冷却システムのブロック図を示す。図1に示すように、この冷却システムは、バッテリECU(Electronic Control Unit)100と、バッテリ200と、バッテリ200に冷却空気を送込む冷却ファン300とを含む。なお、冷却ファン300は、バッテリ200から冷却空気を吸出すようにしてもよい。
【0042】
バッテリECU100は、後述するプログラムなどを実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUで実行されるプログラムやプログラムで使用される各種のしきい値や後述するマップを記憶するメモリと、プログラムにおいて各種変数をカウントするカウンタと、温度センサや冷却ファン300との間における信号の送受信のためのインターフェイスとを含む。CPU、メモリ、カウンタおよびインターフェイスとは、内部バスで接続されている。
【0043】
なお、このような構成を有するバッテリECU100は一例であって、この構成に限定されるものではない。たとえば、カウンタはCPUの内部にあってもよいし、バッテリECU100の中が内部バスで接続されていなくてもよい。
【0044】
バッテリ200は、1.2V程度のニッケル水素電池セルを直列に6個程度接続したバッテリモジュールを30個程度直列に積層した構造を有する。ただし、本発明において、バッテリの種類は、このニッケル水素電池に限定されるものではない。
【0045】
バッテリ200には、車室内の空気を吸込んで、バッテリ200に送り込むことにより、バッテリ200を冷却する冷却ファン300が、冷却通路を介して接続されている。図1に示すように、バッテリ200の温度をバッテリセルごとに検知するバッテリ温度センサ221〜223と、バッテリ200を冷却する空気の温度を検知するバッテリ冷却風温度センサ220とが設けられている。これらのバッテリ温度センサ221〜223は、図1においては3個としたが、本発明はこの3個に限定されない。
【0046】
冷却ファン200の上流側(バッテリ200の反対側)には、たとえばエアコンディショナ(以下、エアコンという)が設けられる。このエアコンは、車室内の空気を冷却/暖気する空調装置である。エアコンで温度調整された車室内の空気は、冷却ファン300により、バッテリ200に供給される。このエアコンにより調整された車室内の温度が、バッテリ冷却風温度センサ220により検知される。
【0047】
これらの、バッテリ冷却風温度センサ220およびバッテリ温度センサ221〜223、たとえば、測温素子(サーミスタ)により構成される。
【0048】
図2を参照して、図1のバッテリECU100のメモリに記憶されるマップについて、説明する。
【0049】
図2に示すように、バッテリECU100のメモリに記憶されるマップの横軸は、バッテリ温度センサ221〜223の中で計測された最大のバッテリ温度と最小のバッテリ温度の温度差である。縦軸は、冷却ファン作動時間(FANCOOL)である。図2に示すように、バッテリ温度センサにおけるバッテリセル間の温度差が大きいほど冷却ファン作動時間が長くなるように、このマップは記憶されている。
【0050】
図2に示すマップは、後述するプログラムにおいてバッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリセル間における温度差に基づいて冷却ファン作動時間を算出し、算出された冷却ファン作動時間以上の間、冷却ファン300が作動しているか否かを判断して、冷却ファン300が図2に示す冷却ファン作動時間(FANCOOL)を越えているとバッテリ200の温度異常が発生しているか否かの判断を行なう。
【0051】
図3および図4を参照して、本実施形態に係るバッテリ冷却システムのバッテリECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0052】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、バッテリECU100は、各種変数を初期化(t_cool=0、tΔT=0、tΔTΔt=0)する。S200にて、バッテリECU100は、変数tΔTに1を加算する。
【0053】
S300にて、バッテリECU100は、変数tΔTが予め定められた時間A(sec)よりも大きいか否かを判断する。変数tΔTが予め定められた時間A(sec)よりも大きい場合には(S300にてYES)、処理はS400へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理は図4のS900へ移される。
【0054】
S400にて、バッテリECU100は、バッテリ温度T1、T2、Tnを検知する。このとき、バッテリECU100は、バッテリ温度センサ221〜223から入力された温度信号に基づいてバッテリ温度を検知する。なお、以下の説明においてはn=3として説明する。
【0055】
S500にて、バッテリECU100は、(T1−T1last)が予め定められたしきい値B(℃)よりも小さく、(T2−T2last)が予め定められたしきい値B(℃)よりも小さく、(Tn−Tnlast)が予め定められたしきい値B(℃)よりも小さいか否かを判断する。すなわち、バッテリ温度センサ221〜223において測定された1サンプリングタイム前の温度と現在測定された温度との差が、予め定められたしきい値B(℃)よりも小さいということがすべてのバッテリ温度センサ221〜223において成立するか否かが判断される。(T1−T1last)がB(℃)よりも小さく、(T2−T2last)がB(℃)よりも小さく、(Tn−Tnlast)がB(℃)よりも小さいと(S500にてYES)、処理はS600へ移される。もしそうでないと(S500にてNO)、処理はS700へ移される。なお、バッテリ温度センサごとにしきい値を変更するようにしてもよい。
【0056】
S600にて、バッテリECU100は、変数tΔTΔtに1を加算する。その後、処理はS800へ移される。
【0057】
S700にて、バッテリECU100は、tΔTΔtに0を代入する。その後、処理はS800へ移される。
【0058】
S800にて、バッテリECU100は、変数tΔTに0を代入し、T1lastにT1を代入し、T2lastにT2を代入し、TnlastにTnを代入する。その後、処理は図4のS900へ移される。
【0059】
S900にて、バッテリECU100は、冷却ファンが作動中であるか否かを判断する。この判断は、冷却ファン300から入力される作動状態信号に基づいて行なわれる。冷却ファン300が作動していると(S900にてYES)、処理はS1000へ移される。もしそうでないと(S900にてNO)、処理はS1100へ移される。
【0060】
S1000にて、バッテリECU100は、変数t_coolに1を加算する。S1100にて、バッテリECU100は、t_coolに0を代入する。このS1000および1100の処理の後、処理はS1200へ移される。
【0061】
S1200にて、バッテリECU100は、変数t_coolが1であるか否かを判断する。変数t_coolが1であると(S1200にてYES)、処理はS1300へ移される。もしそうでないと(S1200にてNO)、処理はS1500へ移される。
【0062】
S1300にて、バッテリECU100は、バッテリ温度の偏差を算出する。このとき、バッテリセンサ221〜223で測定されたバッテリ温度の最大値であるTmaxからバッテリ温度の最小値Tminを減算した値がバッテリ温度偏差Xとして算出される。S1400にて、バッテリECU100は、偏差Xに応じて冷却時間FANCOOLを図2に示すマップから算出する。その後、処理はS1500へ移される。
【0063】
S1500にて、バッテリECU100は、変数t_coolが冷却時間FANCOOLよりも大きく、変数tΔTΔtが予め定められたしきい値C(sec)よりも大きく、電池冷却温度T_coolが予め定められたしきい値D(℃)とE(℃)との間にあって、バッテリ温度最大値Tmaxが予め定められたしきい値F(℃)とG(℃)との間にあって、バッテリ温度最小値Tminが予め定められたH(℃)より小さいか否かを判断する。これらのすべての条件が成立していると(S1500にてYES)、処理はS1600へ移される。もしそうでないと(S1500にてNO)、処理はS1800へ移される。
【0064】
S1600にて、バッテリECU100は、バッテリ温度の偏差が大きいか否かを判断する。このとき、バッテリ温度センサ221〜223で測定されたバッテリ温度の最大値Tmaxからバッテリ温度センサ221〜223で測定されたバッテリ温度の最小値Tminを減算した値が予め定められたしきい値I(℃)よりも大きいか否かを判断する。バッテリ温度偏差がしきい値I(℃)大きいと(S1600にてYES)、処理はS1700へ移される。もしそうでないと(S1600にてNO)、処理はS1800へ移される。
【0065】
S1700にて、バッテリECU100は、バッテリ200の温度が異常であると判定する。その後、処理はS1800へ移される。
【0066】
S1800にて、バッテリECU100は、図示しないイグニッションスイッチからの信号に基づいて、イグニッションスイッチがオフにされたか否かを判断する。イグニッションスイッチがオフにされると(S1800にてYES)、この処理を終了する。もしそうでないと(S1800にてNO)、処理は図3のS200へ戻される。
【0067】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るバッテリ冷却システムの動作について説明する。
【0068】
イグニッションスイッチがオンにされると各種変数が初期化される(S100)。変数tΔTが予め定められた時間A(sec)以上であると(S300にてYES)、バッテリ温度がバッテリ温度センサ221〜223により、バッテリ温度T1、T2、Tnとして検知される(S400)。それぞれのバッテリ温度センサ221、222、223毎に、1サンプリング前のバッテリ温度とS400にて検知された現在のバッテリ温度との差が、予め定められたしきい値B(℃)よりも小さいと(S500にてYES)、変数tΔTΔtに1が加算される。すなわち、バッテリセンサ221〜223毎にバッテリ温度の所定時間内における温度上昇が小さいという条件を満足する限り、変数tΔTΔtが次第に大きくなる。
【0069】
次のサンプリングタイムのときにバッテリ温度の所定時間内における温度上昇を算出するために、T1lastにT1が、T2lastにT2が、TnlastにTnがそれぞれ代入される(S800)。
【0070】
冷却ファン300が作動していると(S900にてYES)、変数t_coolに1が加算され、t_coolが1であると(S1200にてYES)、バッテリ温度偏差Xが算出される(S1300)。バッテリ温度偏差Xに応じて図2に示すマップから冷却時間FANCOOLが算出される(S1400)。バッテリ温度偏差Xに対応する冷却時間FANCOOLは、バッテリ温度センサ221〜223により測定された電池温度偏差がI(℃)以内にするために必要な冷却ファン300の冷却時間を表わしている。
【0071】
このような処理が繰返し行なわれ、以下の条件を満足するか否かが判断される(S1500)。すなわち、第1に、変数t_coolがFANCOOLよりも大きいこと(すなわち、十分に冷却時間を経過していること)を満足しているか否か、第2に、変数tΔTΔtが予め定められたしきい値C(sec)よりも大きいこと(すべてのバッテリ温度センサの所定時間内における温度上昇がしきい値B(℃)よりも小さい時間が時間C(sec)よりも長く連続して継続していること)を満足しているか否か、第3に、バッテリ冷却風温度センサ220で検知されたバッテリ冷却風温度T_coolが予め定められたしきい値D(℃)とE(℃)との間にあること(バッテリ冷却風温度が著しく高かったり低かったりしないこと)を満足しているか否か、第4に、バッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の最大値Tmaxが予め定められたしきい値F(℃)とG(℃)との間にあることを満足しているか否か、第5にバッテリ温度センサ221〜223により測定されたバッテリ温度の最小値Tminが予め定められたしきい値H(℃)よりも小さいことを満足しているか否かについて、すべて満足すると(S1500にてYES)、バッテリ200の温度異常が発生しているか否かが判断される。
【0072】
バッテリ温度の偏差が大きいと(S1600にてYES)、バッテリ200の温度が異常であると判定される(S1700)。このとき、バッテリ温度センサ221〜223にて測定されたバッテリ温度の最大値であるTmaxから最小値であるTminを減算した値が予め定められたしきい値I(℃)よりも大きいとバッテリ200の温度異常と判定される。
【0073】
以上のようにして、本実施の形態に係る冷却システムによると、複数のバッテリセルを接続したバッテリにおいて、バッテリセル毎にバッテリ温度を計測する。バッテリ温度センサ毎にバッテリ温度の所定時間内における温度上昇を検知して、それぞれのバッテリセンサにおける温度の温度上昇が予め定められたしきい値よりも小さい状態が予め定められた時間よりも長く継続している場合にのみバッテリの温度の異常判定を行なう。
【0074】
このような条件に加えて、バッテリを冷却するファンが作動しており、かつバッテリ温度偏差に見合うだけの十分な冷却時間継続して冷却ファンが作動している場合のみバッテリの温度が異常であるか否かを判定する。また、バッテリを冷却する冷却風の温度が予め定められた範囲内にあること、バッテリ温度センサの最大値が予め定められた範囲内にあること、バッテリ温度センサにより測定されたバッテリ温度の最小値が予め定められたしきい値よりも小さいことのすべての条件を満足している場合においてのみバッテリの温度が異常であるか否かが判定される。
【0075】
その結果、冷却ファンにより冷却空気がバッテリのパック内に送り込まれてバッテリセルを冷却してバッテリセルの温度を均一にする。このような状態が予め定められた時間(マップにより求められる時間)作動している状態で、バッテリ温度センサがバッテリ温度の最大値と最小値とに基づいてバッテリセルの温度の偏差に基づくバッテリの温度異常を判定する。
【0076】
また、このときバッテリセンサ毎の所定時間内における温度上昇を検知しておき、その変化量が予め定められたしきい値よりも小さい場合のみバッテリの温度異常を判定する。その結果、急激な充放電によるバッテリの過渡的な温度変化に影響を受けることなく、バッテリセルの温度異常を検知することができる。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るバッテリ冷却システムのブロック図である。
【図2】図1のバッテリECUのメモリで記憶されるマップを示す図である。
【図3】図1のバッテリECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。
【図4】図1のバッテリECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
100 バッテリECU、200 バッテリ、220 バッテリ冷却風温度センサ、221〜223 バッテリ温度センサ、300 冷却ファン。
Claims (12)
- 複数の単電池から構成される二次電池の温度異常を検知する装置であって、
前記複数の単電池の中の少なくとも2個の単電池の温度を測定するための測定手段と、
前記単電池の温度を均一にするための温度均一化手段と、
前記温度均一化手段の作動に対応させて、前記測定手段により測定された単電池の温度に基づいて、前記二次電池の温度異常を検知するための検知手段とを含む、異常検知装置。 - 前記温度均一化手段は、前記複数の単電池に冷却媒体を供給することにより前記単電池を冷却して前記単電池の温度を均一にするための手段を含み、
前記異常検知装置は、前記冷却媒体による前記二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するための判定手段をさらに含み、
前記検知手段は、前記冷却媒体による前記二次電池の冷却状態が前記判定手段により十分であると判定されたことに対応させて、前記二次電池の温度異常を検知するための手段を含む、請求項1に記載の異常検知装置。 - 前記判定手段は、
前記測定手段により測定された単電池間の温度差と、予め記憶された、温度差と冷却時間との関係に基づいて、前記二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出するための手段と、
前記温度均一化手段の作動時間を検知するための手段と、
前記算出された冷却時間と前記検知された作動時間とに基づいて、前記二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するための手段とを含む、請求項2に記載の異常検知装置。 - 前記異常検知装置は、前記測定手段ごとに、測定された温度の所定時間における温度上昇を検知して、前記温度上昇が予め定められた変化量以下であると、前記検知手段による前記二次電池の温度異常を検知するように、前記検知手段を制御するための制御手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の異常検知装置。
- 前記異常検知装置は、前記測定手段ごとに、測定された温度の所定時間における温度上昇を検知して、全ての測定手段において前記温度上昇が予め定められた変化量以下であると、前記検知手段による前記二次電池の温度異常を検知するように、前記検知手段を制御するための制御手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の異常検知装置。
- 前記検知手段は、前記2以上の測定手段により測定された温度の偏差が予め定められた値よりも大きいと、前記二次電池の温度が異常であると検知するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の異常検知装置。
- 複数の単電池から構成される二次電池の温度異常を検知する方法であって、
前記複数の単電池の中の少なくとも2個の単電池の温度を測定する測定ステップと、
前記単電池の温度を均一にする温度均一化ステップと、
前記温度均一化ステップの実行に対応させて、前記測定ステップにより測定された単電池の温度に基づいて、前記二次電池の温度異常を検知する検知ステップとを含む、異常検知方法。 - 前記温度均一化ステップは、前記複数の単電池に冷却媒体を供給することにより前記単電池を冷却して前記単電池の温度を均一にするステップを含み、
前記異常検知方法は、前記冷却媒体による前記二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定する判定ステップをさらに含み、
前記検知ステップは、前記冷却媒体による前記二次電池の冷却状態が前記判定ステップにて十分であると判定されたことに対応させて、前記二次電池の温度異常を検知するステップを含む、請求項7に記載の異常検知方法。 - 前記判定ステップは、
前記測定ステップにて測定された単電池間の温度差と、予め記憶された、温度差と冷却時間との関係に基づいて、前記二次電池が十分に冷却される冷却時間を算出するステップと、
前記温度均一化ステップの作動時間を検知するステップと、
前記算出された冷却時間と前記検知された作動時間とに基づいて、前記二次電池の冷却状態が十分であるか否かを判定するステップとを含む、請求項8に記載の異常検知方法。 - 前記異常検知方法は、前記測定ステップごとに、測定された温度の所定時間における温度上昇を検知して、前記温度上昇が予め定められた変化量以下であると、前記検知ステップにて前記二次電池の温度異常を検知するように、前記検知ステップを制御する制御ステップをさらに含む、請求項7〜9のいずれかに記載の異常検知方法。
- 前記異常検知方法は、前記測定ステップごとに、測定された温度の所定時間における温度上昇を検知して、全ての測定ステップにて前記温度上昇が予め定められた変化量以下であると、前記検知ステップにて前記二次電池の温度異常を検知するように、前記検知ステップを制御する制御ステップをさらに含む、請求項7〜9のいずれかに記載の異常検知方法。
- 前記検知ステップは、前記2以上の測定ステップにより測定された温度の偏差が予め定められた値よりも大きいと、前記二次電池の温度が異常であると検知するステップを含む、請求項7〜11のいずれかに記載の異常検知方法。
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