JP2005011581A - 燃料電池 - Google Patents

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克三 寺岡
Norihiro Ochi
教博 越智
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Abstract

【課題】各セルの電池特性を均一で高出力にすると共に、経時的な電池特性の低下を抑制して、高効率で小型化されたセルスタック構造の燃料電池を提供すること。
【解決手段】電解質膜(10)を挟んで負極(11)と正極(12)が対向して配置されてなるセル(1)が複数個積層されたセルスタック(3)を備えた燃料電池において、前記セル(1)間にセル間隙間(51)を設け、正極(12)側のカソード側セパレータ(2−1)に大気中の酸素を供給するための酸素供給孔(50)を備えたことを特徴とする燃料電池により、上記の課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に関し、さらに詳しくは、セルが複数個積層されたセルスタック構造の燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、セルスタック構造の燃料電池としては、図5に示すように、電解質膜を挟んで負極と正極が対向して配置されてなる円盤状のセルがセパレータを介して複数個積層されたセルスタックを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このスタック燃料電池は、前記セルスタックと、セルスタックの中央孔部に挿設されるスタック棒と、スタック棒の両端に設けられてセルスタックを挟持する締付具と、セルスタックとスタック棒との間に形成された燃料流通路と、燃料流通路と連通してセルスタックの一端側及び他端側に設けられた燃料取入れ口及び燃料排気口とを備える。
【0004】
この燃料電池では、燃料取入れ口に燃料ガスである水素を供給することにより、燃料流通路を水素が流通して各セルの負極に水素が供給され、一方セルスタックの外周からは大気中の酸素が各セルの正極に供給される。
負極では触媒の作用により水素がプロトンと電子に分解し、プロトンは電解質膜を通って正極へ移動し、電子は図示しない外部回路を通って正極へ移動することにより発電するとともに、正極にて酸素とプロトンと電子が反応して水を生成する(2H+2e+1/2O→HO)。
【0005】
【特許文献1】
US6,316,133B1公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の燃料電池では、下記の問題を生じていた。
▲1▼ 大気中の酸素の正極への供給において、各セルの外径が大きくなると外周から距離が遠くなる中心部ほど酸素律速になり、電池特性が低下する。
【0007】
▲2▼ 正極側で生成された水は正極の外周部から大気中に放出されるが、水が過剰に生成されると、水の一部が電解質膜を満たすとともに、余分な水が電解質膜から負極側の燃料流通路内に漏れ溢れ、時間経過と共に燃料内の水分が増加して燃料濃度を低下させ、それによって、特に下方のセルにおいて、電池特性が経時的に低下する。
【0008】
▲3▼ 大気中の酸素が各セルの外周からのみ正極に供給されるため、正極のガス透過層が厚くなり形状が大型化する。
そこで、本発明の主要な目的は、各セルの電池特性を均一で高出力にすると共に、電池特性の経時的な低下を抑制して、高効率で小型化されたセルスタック構造の燃料電池を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電解質膜を挟んで負極と正極が対向して配置されてなるセルが複数個積層されたセルスタックを備えた燃料電池において、前記セル間にセル間隙間を設け、正極に大気中の酸素が供給されるよう、カソード側セパレータに酸素供給孔を備えた燃料電池が供給される。
このような構成により、空気中の酸素が酸素供給孔から正極全面に均一に供給され、酸素律速が改善されるとともに、正極のガス透過層の厚みを薄くすることができる。
【0010】
また、酸素供給孔は、正極同一面の如何なる部分をとっても単位面積当りの開口率が概略同一になるように設けられることが好ましい。
かかる構成によって、セル正極への酸素供給のみならず、発生した水分の排出が、正極の最外周及び酸素供給孔から充分に均一に行われ、各セルの初期電池特性が均一かつ高出力になると共に、経時的な電池特性の低下を抑制して、高効率な燃料電池を得ることができる。
【0011】
酸素供給孔は、円滑な酸素供給のためには直径0.1mm以上必要で、余剰水分の円滑な排出のためには直径0.2mm以上必要である。また、その開口率は、円滑な酸素供給のためには大きい方が好ましい。しかし、これらの値が大きすぎると、カソード側セパレータとガス透過層間での電子の移動が悪くなる。したがって、酸素供給孔の直径は0.2mm以上、3mm以下の範囲、開口率は20%以上、50%以下の範囲であることが好ましい。
【0012】
酸素供給孔がこれらの数値範囲を有することによって、各セルの正極での酸素供給及び余剰水分の排出が、正極の最外周及び側面の酸素供給孔から充分に均一に行われる。
なお、セルの外形が大きくなるとセル間隙間を一定に保持することが困難になる為、円滑な酸素供給および余剰水分の円滑な排出を目的として、セル間隙間スペーサをセル間に設けることが好ましい。
【0013】
セル間隙間は、円滑な酸素供給のためには0.1mm以上必要で、余剰水分の円滑な排出のためには0.2mm以上必要であるが、小型化などを考慮すると、好ましい範囲は0.2mm以上、3mm以下である。
また、負極側のアノード側セパレータに燃料を供給するためのセル燃料流通路を設けることにより、負極面全体に均一に燃料を供給することができる。
【0014】
セルが構成部材を固定するための単セル締め具を備える際には、セルの密閉構造が確実になると共に、燃料漏れや電気的接触抵抗の特性劣化、ならびに長時間使用時の緩みが防止され、経時的な性能低下が抑制されて全体としての発電効率が向上し、高出力の燃料電池を得ることができる。
さらに、アノード側セパレータを共用して、その両側にセルを設けた構造にすることにより、更に小型化された高効率の燃料電池を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳説する。ここでは、燃料として水素を用いた実施の形態を詳説するが、メタノール等の他の燃料の適用も本発明に含まれ、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
[第一の実施の形態]
図1は本発明の第一の実施の形態のスタック燃料電池を示し、同図(a)は上部軸心方向から見た半平面図、同図(b)は正面半截断面図、同図(c)は下部軸心方向から見た半平面図であり、図2は同実施の形態のセル(1)の拡大半截断面図である。図1、図2において、実線矢印は燃料ガスの流れ、及び大気中の酸素の流れを表している。
【0017】
この第一の実施の形態の燃料電池は、複数個(この場合は5個)のセル(1)がセル間隙間(51)を有し積層された筒状のセルスタック(3)と、セルスタック(3)の中心孔部(3a)に挿設されたスタック棒(4a)と、スタック棒(4a)の一端側と他端側に設けられてセルスタック(3)を両側から締付けて固定する締付具(5)、(6)とを備えている。なお、セルスタック(3)の両端のアノード側セパレータ(2−2)とカソード側セパレータ(2−1)には、電力を取り出すための端子(2a)が設けられている。また、各セル(1)積層部には、燃料の漏れを防止するための単セルパッキン(52)が設置されている。
【0018】
セル(1)は、外形65mmで全体として中心孔部(3a)を有する円盤形であって、電解質膜(10)を挟んで負極(11)とアノード側セパレータ(2−2)及び正極(12)とカソード側セパレータ(2−1)が対向して配置されている。負極(11)は、電解質膜(10)側から順に触媒層(11a)、ガス透過層(11b)が積層された構造である。一方、正極(12)も、電解質膜(10)側から順に触媒層(12a)、ガス透過層(12b)が積層された構造である。負極(11)の外周部には燃料ガス(水素)を外部に逃がさないように負極ガスケット(13)が備えられ、正極(12)の内周部には、燃料ガスが正極(12)の内周部から吸収されないように正極ガスケット(14)が備えられる。
【0019】
上記セル(1)の構成部材は、単セル締め具(53)にて挟持される。単セル締め具(53)はセル(1)の密閉を確実にするための密封構造体であり、その一部には燃料流通経路(3b)から負極(11)に燃料を導くガス穴(54)が設けられている。
以下に、セル(1)を構成する各部について詳述する。
【0020】
カソード側セパレータ(2−1)は、正極(12)と面する部分の厚み0.5mm、段部(a)0.5mmの合計1mm厚の円盤であり、空気及び燃料の隔離と集電の機能を兼ね備えている。段部(a)は、積層されたセル(1)間にセル間隙間(51)0.5mmを生ずるよう形成されてもよい。
カソード側セパレータ(2−1)は、正極(12)全面に均一に大気中の酸素を供給できるよう、複数個の酸素供給孔(50)を備える。
【0021】
酸素供給孔(50)は、正極(12)同一面の如何なる部分をとっても単位面積当りの開口率が概略同一になるように、その孔径がセルの外周側から内周側に向かうに伴って小さくなるか、又は同孔径で数が少なくなるよう設定することが好ましい。
円滑な酸素供給および余剰水分の円滑な排出のためには、酸素供給孔(50)において0.2mm以上、3mm以下の範囲の直径、20%以上、50%以下の範囲の開口率が好ましいことは、前述のとおりである。
当実施の形態では、直径2mmの穴を開口率が35%となるように作製した。
【0022】
なお、正極(12)の外周部は大気中の酸素が供給(吸収)できるように開放されるが、確実にセル間隙間(51)を一定に保持することを目的として、0.2mm以上、3mm以下の範囲でセル間隙間スペーサ(56)をセル(1)間に設けることができる。
例えば、セル間隙間スペーサ(56)は、カソード側セパレータ(2−1)の最外周部に90度間隔で4箇所(直径1mm、高さ0.5mm)設けられる。
【0023】
一方、アノード側セパレータ(2−2)は、負極(11)と面する部分の厚み0.5mmの円盤であり、カソード側セパレータと同様、空気及び燃料の隔離と集電の機能を兼ね備える。負極(11)側には、燃料が隅々に行渡るようにセル燃料流通路(4)が形成されている。
これらセパレータの材料は、水素ガス又はメタノール等の燃料を透過することなく燃料と空気とを分離でき、導電性を有する材料であればよく、公知のものを使用できる。例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。
また、セル間隙間スペーサ(56)は、セル間隙間(51)を保持できるものであれば、非導電材料からなってもよい。
【0024】
電解質膜(10)は、イオン導電性を有する固体高分子膜であればよく、例えば含フッ素高分子を骨格とするスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン基などの基を有する樹脂を挙げることができる。
電解質膜(10)の厚みは抵抗として発電効率に大きく影響を及ぼすため、電池性能向上のためにはクロスオーバーが起こらない範囲でより薄いものが求められる。したがって、膜厚としては5〜50μmが好適であり、10〜30μmのものがさらに好適である。
【0025】
負極(11)及び正極(12)の触媒層(11a)(12a)は、特に限定されないが、触媒粒子とイオン導電性樹脂、一般的には触媒粒子を担持した導電剤を含むものが挙げられる。触媒粒子は、白金その他の貴金属のほか、鉄、クロム、ニッケル、又は、それらの合金など、水素やメタノールとの酸化反応あるいは酸素の還元反応に触媒作用を有するものであればよい。導電剤としては炭素系粒子、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、活性炭などが挙げられ、特に微粉末状粒子が好適に用いられる。
【0026】
具体的には、表面積20m/g以上のカーボンブラック粒子に貴金属粒子、特に白金または白金と他の金属との合金を担持したものが代表的な触媒の例であり、触媒層11a、12aに0.01〜1.0mg/cm、好ましくは0.1〜0.5mg/cmの量で含まれる。
負極(11)及び正極(12)のガス透過層(11b)、(12b)としては、通気性及び電子伝導性を有するものであれば、公知の材料を使用できる。
また、負極ガスケット(13)、正極ガスケット(14)及び単セルパッキン(52)の材料としては、水素ガスやメタノール等の燃料と空気を分離できる材料であれば用いることができ、天然ゴム、合成ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など公知の材料を好適に使用できる。
【0027】
負極ガスケット(13)と正極ガスケット(14)の厚さは各極用のガス透過層よりも厚く、また単セルパッキン(52)は挿入ロよりも高い位置にあることが、シール性を確保するためには好ましい。
上記のようにして構成されるセル(1)の厚みは、カソード側セパレータ(2−1)1mm、ガス透過層(12b)0.5mm、電解質膜(10)+触媒層(11a)+(12a)=0.05mm、ガス透過層(11b)0.5mm、アノード側セパレータ(2−2)0.5mmの合計2.55mmである。
【0028】
図1に示すように、スタック棒(4a)は、セルスタック(3)に挿入され、その両端が、セルスタック(3)を挟持する一対の締付具(5)と(6)の中心穴径部に挿入され固定されることによって、セルスタック(3)の中心孔部(3a)内に配置される。このスタック棒(4a)は、例えば外径4mm、長さ25mmのステンレス製である。
【0029】
一対の締付具(5)(6)はそれぞれ、内部に略L字形貫通孔を設け、更にスタック棒4aの外径と略等しい中心穴径部を設けている。略L字形貫通孔の締付具(5)における開口部は燃料取入れ口(5a)、締付具(6)における開口部は弁(6b)を設けた燃料排出口(6a)とすることができ、燃料としてメタノール等の液体が使用される場合、負極(11)で発生する二酸化炭素等は燃料排出口(6a)から排出される。
次に、この燃料電池の作用について説明する。
【0030】
燃料取入れ口(5a)から水素ガス又はメタノール等の燃料が供給されると、スタック棒(4a)とセル(1)の中心孔部(3a)の隙間である燃料流通経路(3b)の間隙を介して、燃料流通方向の上流側から下流側までの各セル(1)に均一に燃料圧力差がない新鮮な燃料が供給される。供給された燃料は、負極(11)の最内周部及びアノード側セパレータ(2−2)の負極(11)側に設けられたセル燃料流通路(4)を経て負極(11)面全体に均一に供給される。
【0031】
一方、正極(12)には、外気(空気)中の酸素が、正極(12)の最外周部及びカソード側セパレータ(2−1)に設けられた酸素供給孔(50)から自然対流により正極(12)全面に均一に供給される。
各セル(1)における発電作用は、負極(11)に吸収された水素ガス又はメタノール等の燃料が触媒層(11a)の触媒作用によりプロトンと電子に分解され、プロトンが電解質膜(10)を通過して正極(12)の触媒層(12a)へ移動し、電子は図示しない外部回路を通って正極へ移動することにより行われ、かつ正極にて酸素とプロトンと電子が反応して水を生成する(2H+2e+1/2O→HO)。
【0032】
図3は、本発明の第一の実施の形態の燃料電池で得られた発電性能を示すグラフであって、同図(a)は経過時間とスタック電圧との関係を表し、同図(b)は1時間経過後の各セル電圧を表し、同図(c)は5時間経過後の各セル電圧を表している。
燃料電池に0.07MPaで水素を供給し、3Aの定電流負荷をかけたところ、図3(a)に示すように、スタック起電圧は初期段階で3.8Vを示した。
また、初期段階、即ち1時間経過後の各セル電圧を確認したところ、図3(b)に示すように、最上流から最下流までの全てのセルが0.75Vを示し、均一で高効率な状態に維持されていた。
【0033】
さらに、図3(a)に示すように、長時間使用、例えば300分経過後にもスタック電圧が3.8Vを示し殆ど低下しないことから、5時間経過後の各セルの電圧を測定したところ、図3(c)に示すように、最上流セル#1は0.75V、最下流セル#5も0.75Vであった。
比較例として、厚み2.05mm(カソード側セパレータ(2−1)0.5mm、アノード側セパレータ(2−2)0.5mm、電解質膜(10)+触媒層(11a)+触媒層(12a)=0.05mm、ガス透過層(12b)0.5mm、ガス透過層(11b)0.5mm)、直径65mmのセル(1)を本発明の第一の実施の形態と同様に5個積層した従来のスタック燃料電池を作製し、その性能について図6の結果を得た。
【0034】
このスタック燃料電池では、本発明の第一の実施の形態と同一条件下、図6(a)に示すように、当初2.4Vであったスタック電圧が200分経過後低下し始め、300分経過後には0.9Vまで低下した。
また、1時間経過後の各セル電圧は、図6(b)に示すように、最上流の#1セルでは0.5V、最下流の#5セルでは0.45Vを示した。さらに、図6(c)に示すように、5時間経過後の各セル電圧は、初期段階に比べ最上流#1セルで0.25Vと低下し、下流になるほど顕著に低下し、セルスタック中央部の#3セルでは0.2V、最下流#5セルでは0.1Vを示した。
【0035】
このように従来の電池において各セル電圧が時間経過と共に低下する要因は、大気中の酸素が各セルの正極に供給される際、各セルの外周から距離が遠くなるセルの中心部ほど酸素律速になること(上記▲1▼)、また高出力での長時間発電などにより正極側で過剰に生成した水が、電解質膜(10)から負極側の燃料内に漏れ溢れ、触媒(12a)・電解質膜(10)及びガス透過層(12b)を覆って、経時的に燃料濃度を低下させ、特に下流側セル(1)の起電力を低下させること(上記▲2▼)を一因とする。
【0036】
また、従来のスタック燃料電池では、セルスタック103をスタック棒104とスタック棒104の両端に設けられた締付具105と106にて挟持しているため、長時間使用に伴いセル部材が緩みを生じ、燃料漏れや電気的接触抵抗が大きくなり、電池特性が低下する問題や、正極への酸素供給のためガス透過層(12b)の厚みを大きくする必要があり、小型で高密度の燃料電池の具現化は困難(上記▲3▼)という問題がある。
しかし、本発明では、カソード側セパレータ(2−1)に設けた酸素供給孔(50)から空気中の酸素を正極(12)全面に均一に供給し、酸素律速を改善するのみならず、正極(12)のガス透過層(12b)を薄くすることができる。
【0037】
また、過剰に生成された水が、触媒(12a)・電解質膜(10)及びガス透過層(12b)を覆うことなく酸素供給孔(50)から放出されることにより、燃料濃度を低下させることなく、電池特性を維持することができる。
これらの効果は、直径など所定の範囲内にある酸素供給孔(50)及びセル間隙間スペーサ(56)を備えることで、より確実に奏することができる。
【0038】
また、本発明の燃料電池では、新鮮な水素をセル燃料流通路(4)から負極(11)全面に均一に供給し、水素律速を改善するとともに、単セル締め具(53)により、セルスタック(3)を構成するセル(1)の各構成部材が固定され、長時間使用時にも緩みを生じない密閉構造が確実になり、燃料漏れや電気的接触抵抗の特性劣化が防止される。
以上の如く空気供給構造及び燃料供給構造などが改善された結果、経時的な電池特性の性能低下が抑制され、各セル(1)の初期電池特性が均一かつ高出力となり、その結果、全体としての初期発電効率が大幅に向上し、高出力の燃料電池を得ることができる。
【0039】
上記作用を奏する本発明のセル(1)の厚みは、2.55mmである。本発明の発電特性を得ることを目的として、セル(1)の厚みを7.05mm(カソード側セパレータ(2−1)0.5mm、アノード側セパレータ(2−2)0.5mm、電解質膜(10)+触媒層(11a)+触媒層(12a)=0.05mm、ガス透過層(12b)5mm、ガス透過層(11b)1mm)と厚くした従来のスタック燃料電池を作製しても、同等の性能を得ることはできなかった。
したがって、本発明の燃料電池は、従来型燃料電池に比べ大幅に小型化・高密度化を図ることもできる。
【0040】
[第二の実施の形態]
図4は、本発明の第二の実施の形態の燃料電池における要部の拡大半截断面図である。
この燃料電池は、アノード側セパレータ(2−2)の両側にセル燃料流通路(4)を形成し、そのアノード側セパレータ(2−2)の両側にセル(1)を設け、2個のセル(1)が積層したセル組品(S)から構成される。
セル組品(S)の片面はカソード側セパレータ(2−1)、他面はカソード側セパレータB(2−3)が配置される。セル組品(S)を積層しセルスタック(3)を構成した際、セル間隙間(51)が形成されるように、カソード側セパレータ(2−1)には、段部(a)が設けられている。
【0041】
なお、セル(1)の外形が大きくなると、前記セル間隙間(51)を一定に保持することが困難になる。その為、第一の実施の形態と同様に、セル間隙間スペーサ(56)をカソード側セパレータ(2−1)の最外周部に設けてもよい。
セル組品(S)の両面であるカソード側セパレータ(2−1)及びカソード側セパレータB(2−3)は電気的に正極となり、中央のアノード側セパレータ(2−2)は負極になる。したがって、セル組品(S)を積層しセルスタック(3)を形成する際は、ポリエステルフイルム等からなる電気絶縁板(55)を介して積層する。回路的にはセル組品(S)の二個のセル(1)を並列結線し、発電された電力を図示しない外部回路を介して外部に取りだす。
【0042】
第二の実施の形態の燃料電池のセル(1)の厚みは、セル組品(S)の2個のセル(1)の厚みが4.3mm(カソード側セパレータ(2−1)1.0mm、カソード側セパレータB(2−3)0.5mm、アノード側セパレータ(2−2)0.5mm、(電解質膜(10)+触媒層(11a)+触媒層(12a))×2枚=0.1mm、ガス透過層(12b)×2枚=1mm、ガス透過層(11b)×2枚=1mm、電気絶縁板(55)×2枚=0.2mm))であることから、2.15mmとなり、第一の実施の形態の燃料電池の1セル分の厚み2.55mmに比べて更なる小型化・高密度化を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】
▲1▼ セル(1)間にセル間隙間(51)を設け、カソード側セパレータ(2−1)の正極(12)側に大気中の酸素を正極(12)に供給するための酸素供給孔(50)を備えることにより、大気中の酸素が各セル(1)の正極(12)に均一に充分に供給され、その結果発電効率が向上し、高出力の燃料電池を得ることができる。
▲2▼ 酸素供給孔(50)を備えることにより、発生した余剰水分を正極面全体からも外部に放出し、燃料側への水分洩れによる経時的な発電効率の低下を抑制することができる。その結果、初期発電特性が向上し、高出力の燃料電池を得ることができる。
▲3▼ 酸素供給孔(50)を備えることにより、正極(12)のガス透過層(12b)を薄くすることができる。また、アノード側セパレータ(2−2)を共用し両面にセル(1)を構成することにより、更に高出力で、小型化・高密度化された燃料電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の燃料電池を示す。(a)は上部軸心方向から見た半平面図、図(b)は正面半截断面図、図(c)は下部軸心方向から見た半平面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の燃料電池における要部の拡大半截断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態の燃料電池の発電性能を示すグラフである。(a)は経過時間とスタック電圧の関係を示すグラフ、図(b)は1時間経過後の各セル電圧を示すグラフ、図(c)は5時間経過後の各セル電圧を示すグラフである。
【図4】本発明の第二の実施の形態の燃料電池における要部の拡大半截断面である。
【図5】従来の燃料電池を示す正面断面図である。
【図6】従来の燃料電池の発電性能を示すグラフである。図(a)は経過時間とスタック電圧との関係を示すグラフ、図(b)は1時間経過後の各セル電圧を示すグラフ、図(c)は5時間経過後の各セル電圧を示すグラフである。
【符号の説明】
1 セル
2−1 カソード側セパレータ
2−2 アノード側セパレータ
2−3 カソード側セパレータB
2a 端子
a 段部
3 セルスタック
3a 中心孔部
3b 燃料流通経路
4 セル燃料流通路
4a スタック棒
5,6 締付具
5a 燃料取入れ口
6a 燃料排出口
6b 弁
S セル組品
10 電解質膜
11 負極
11a 触媒層
11b ガス透過層
12 正極
12a 触媒層
12b ガス透過層
13 負極ガスケット
14 正極ガスケット
50 酸素供給孔
51 セル間隙間
52 単セルパッキン
53 単セル締め具
54 ガス穴
55 電気絶縁板
56 セル間隙間スペーサ
100 セル
102 セパレータ
103 セルスタック
104 スタック棒
105、106 締付具
107 燃料流通路
108 燃料取入れ口
109 燃料排気口

Claims (6)

  1. 電解質膜を挟んで負極と正極が対向して配置されてなるセルが複数個積層されたセルスタックを備えた燃料電池において、前記セル間にセル間隙間を設け、正極側のカソード側セパレータに大気中の酸素を供給するための酸素供給孔を備えたことを特徴とする燃料電池。
  2. 酸素供給孔の直径が0.2mm以上、3mm以下の範囲、開口率が20%以上、50%以下の範囲である請求項1に記載の燃料電池。
  3. セル間隙間を一定に保持する為のセル間隙間スペーサをセル間に設けた請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 負極側のアノード側セパレータに燃料を供給するためのセル燃料流通路を設けた請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料電池。
  5. セルが、構成部材を固定するための単セル締め具を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料電池。
  6. アノード側セパレータを共用して、その両側にセルを設けた請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007280089A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Hitachi Ltd 容量拡張ボリュームの移行方法

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