JP2005011410A - トラックジャンプ制御装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加速時間に応じて、光学式ピックアップを減速させて、トラックジャンプさせることができるようにする。
【解決手段】加速時間計測部61は、トラックジャンプ開始の指令が入力されると、ゼロクロス信号生成部20から供給されるHのゼロクロス信号がLに反転するまでの加速時間を計測する。ジャンプパルス生成部62は、トラックジャンプ開始の指令が入力されると、加速パルスの生成と、そのスイッチ17への出力を開始する。ジャンプパルス生成部62は、ゼロクロス信号生成部20から供給されるHのゼロクロス信号がLに反転したとき、加速パルスに代えて、減速パルスの生成と、そのスイッチ17への出力を開始する。そしてジャンプパルス生成部62は、このとき加速時間計測部61から通知された加速時間と基準加速時間の差分に応じた減速時間だけ、減速パルスの生成、出力を行う。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラックジャンプ制御装置および方法に関し、特に、トラックジャンプを適切に行うことができるようにしたトラックジャンプ制御装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、従来の光ディスク記録再生装置のトラックジャンプ制御装置1の構成例を示している。
【0003】
スピンドルモータ11は、光ディスク2を回転駆動する。光学式ピックアップ12は、光ディスク2に対してレーザ光を照射し、その反射光に対応する信号を、フォーカスサーボ制御部13およびトラッキングエラー信号生成部15のそれぞれに出力する。
【0004】
光学式ピックアップ12は、フォーカスドライブ14からのフォーカスドライブ信号に応じてフォーカスサーボ動作を行う。光学式ピックアップ12はまた、トラッキングドライブ18からのトラッキングドライブ信号に応じてトラッキングサーボ動作を行ったり、トラックジャンプを行う。
【0005】
フォーカスサーボ制御部13は、光学式ピックアップ12からの信号からフォーカスエラー信号FEを生成し、フォーカスドライブ14に供給する。フォーカスドライブ14は、フォーカスエラー信号FEから、光学式ピックアップ12にフォーカスサーボ動作させるためのフォーカスドライブ信号を生成し、光学式ピックアップ12に供給する。
【0006】
トラッキングエラー信号生成部15は、光学式ピックアップ12からの信号に基づいて、トラッキングエラー信号TEを生成し、トラッキングフィルタ16およびゼロクロス信号生成部20のそれぞれに供給する。
【0007】
トラッキングフィルタ16は、トラッキングエラー信号生成部15から供給されたトラッキングエラー信号TEに対して所定のフィルタ処理を施し、スイッチ17に供給する。
【0008】
スイッチ17は、トラックジャンプが行われていないとき(通常の記録再生中)、トラックジャンプ制御部21からの指令に従って、トラッキングフィルタ16とトラッキングドライブ18を接続させる。一方、トラックジャンプが行われているとき、スイッチ17は、トラックジャンプ制御部21からの指令に従って、ジャンプパルス生成部19とトラッキングドライブ18を接続させる。
【0009】
すなわち通常の記録再生中は、トラッキングフィルタ16によりフィルタ処理が施されたトラッキングエラー信号TEがトラッキングドライブ18に供給され、トラックジャンプ中は、ジャンプパルス生成部19により生成された、トラックジャンプさせるためのジャンプパルス(後述)がトラッキングドライブ18に供給される。
【0010】
トラッキングドライブ18は、スイッチ17を介して供給される、フィルタ処理が施されたトラッキングエラー信号TEまたはジャンプパルスに基づいてトラッキングドライブ信号を生成し、光学式ピックアップ12に供給する。
【0011】
ジャンプパルス生成部19は、トラックジャンプ制御部21から、トラックジャンプ開始の指令が入力されると、はじめに光学式ピックアップ12を内周方向または外周方向に向かって加速させるためのジャンプパルス(以下、加速パルスと称する)の生成と、そのスイッチ17への出力を開始し、それを、後述するゼロクロス信号生成部20から供給されるゼロクロス信号が、光学式ピックアップ12が移動元のトラックと移動先のトラックの中間領域(いわゆるミラー領域)まで達したことを示すときまで継続する。なお、以下において、この加速パルスが出力されている時間(光学式ピックアップ12が加速される時間)を、加速時間Taccと称する。
【0012】
そして光学式ピックアップ12がミラー領域に到達したとき、ジャンプパルス生成部19は、加速パルスの生成出力に代えて、光学式ピックアップ12を減速させるためのジャンプパルス(以下、減速パルスと称する)の生成と、そのスイッチ17への出力を開始し、それを、一定減速時間Tredだけ継続する。
【0013】
ゼロクロス信号生成部20は、トラックジャンプ制御部21からトラックジャンプ開始の指令が入力されると、例えば、Hのゼロクロス信号TZCを発生させるとともに、トラッキングエラー信号TEの基準電位に対する大小関係に応じて、Lに反転させ、またHに戻す。ゼロクロス信号生成部20は、このゼロクロス信号TZCに対して、ノイズを除去するなどの信号処理を施した後、ジャンプパルス生成部19に供給する。
【0014】
トラックジャンプ制御部21は、スイッチ17、ジャンプパルス生成部19、およびゼロクロス信号生成部20のそれぞれを制御し、トラックジャンプの実行を制御する。
【0015】
次に、図2を参照して、トラッキングドライブ18、ジャンプパルス生成部19、ゼロクロス信号生成部20、およびトラックジャンプ制御部21の動作を説明する。
【0016】
トラックジャンプ制御部21は、例えば、時刻t1に、トラックジャンプ開始を、スイッチ17、ジャンプパルス生成部19、およびゼロクロス信号生成部20に指令する。
【0017】
それによりジャンプパルス生成部19は、加速パルスの生成、出力を開始する。その結果、トラッキングドライブ18から光学式ピックアップ12への、加速パルスに基づいて生成されたドライブ信号(以下、加速ドライブ信号TDaと称する)(光学式ピックアップ12を加速させるためのドライブ信号)の供給が開始される(時刻t1)。それにより光学式ピックアップ12は、移動先のトラックに向かって移動を開始する。
【0018】
このときゼロクロス信号生成部20は、Hのゼロクロス信号TZCを発生し、その出力を開始する(時刻t1)。
【0019】
光学式ピックアップ12が移動を開始し(時刻t1)、トラックから外れると、トラッキングエラー信号TEは、基準電位Uより大きくなるが、その後、光学式ピックアップ12がミラー領域に到達すると、基準電位Uに戻る(時刻t2)。そしてさらに減少する。
【0020】
ゼロクロス信号生成部20は、基準位置Uより大きかったトラッキングエラー信号TEが、基準位置Uを通過したとき(光学式ピックアップ12がミラー領域に到達したとき)(時刻t2)、Hのゼロクロス信号TZCを、Lに反転させる。
【0021】
ジャンプパルス生成部19は、ゼロクロス信号生成部19からのHのゼロクロス信号TZCがLに反転されるまで(光学式ピックアップ12がミラー領域に到達するまで)(時刻t2)、加速パルスの生成、出力を継続する(加速時間Taccの間継続する)が、ゼロクロス信号TZCがLに反転されたとき(光学式ピックアップ12がミラー領域に到達したとき)、減速パルスの生成、出力を開始し、それを一定の減速時間Tredだけ継続する。
【0022】
その結果、光学式ピックアップ12がミラー領域に到達したときから、トラッキングドライブ18から光学式ピックアップ12への、減速パルスに基づいて生成されたドライブ信号(以下、減速ドライブ信号TDbと称する)(光学式ピックアップ12を減速させるためのドライブ信号)の供給が開始され(時刻t2)、それが減速時間Tredのだけ継続される。光学式ピックアップ12は、その間減速され、減速が終了すると(時刻t3)、その後余力で移送先のトラックに到達する(時刻t4)。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようにしてトラックジャンプ動作は制御されるが、例えば、図3に示すように、ゼロクロス信号生成部20で生成されるゼロクロス信号TZCの位相が、ゼロクロス信号生成部20におけるノイズ除去処理等の処理時間Td分だけ実際のゼロクロスのタイミングより遅延すると、その分実際の加速時間Taccが、本来必要とされる加速時間Tacc−m(図2におけるTacc)より長くなる。その結果、光学式ピックアップ12は加速過多となるため、その後、減速時間Tredだけ減速させても、光学式ピックアップ12の速度が十分に落ちず、光学式ピックアップ12は、移動先のトラック位置より行き過ぎてしまい(オーバーシュート(図中、点線で囲まれている部分)が発生し)、トラッキングサーボの整定が悪化する。
【0024】
ゼロクロス信号の移相を、その遅延時間分だけ進めたり、ゼロクロスの判定に一定の幅を持たせることも考えられているが(特許文献参照)、その場合、位相を進める装置が別途必要となったり、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)といったピッチが異なり、トラッキングエラー信号TE付近の周波数が異なる光ディスク2のそれぞれに対応する場合、それらに応じた装置が必要となる。
【0025】
また、光ディスク2の偏心成分により、図4に示すように、光学式ピックアップ12から見て、光ディスク2が、ジャンプ方向(図4の矢印cが示す方向)と同じ方向(図4の矢印aが示す方向)に動く場合、光ディスク2と光学式ピックアップ12の相対的な速度は小さくなるので、図5に示すように、光学式ピックアップ12がミラー領域に到達するまでの時間、すなわちこのときの加速時間Taccが、偏心成分が存在しない場合の加速時間Tacc−m(例えば、図2に示すTacc)に比べ長くなる。その結果、図3の場合と同様に、オーバーシュートが発生する。
【0026】
また、光ディスク2の偏心成分により、光学式ピックアップ12から見て、光ディスク2が、ジャンプ方向(図4の矢印cが示す方向)とは逆方向(図4の矢印bが示す方向)に動く場合、両者の相対的な速度は大きくなるので、図6に示すように、光学式ピックアップ12がミラー領域に到達する時間、すなわちこのときの加速時間Taccが、偏心成分が存在しない場合の加速時間Tacc−mに比べ短くなり、光学式ピックアップ12の加速が不足する。その結果、光学式ピックアップ12が、移動先のトラックにたどり着くのに時間がかかってしまう。
【0027】
このように従来のトラックジャンプ制御装置1では、簡単に、かつ、適切にトラックジャンプを行うことができなかった。
【0028】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡単に、かつ、適切に、トラックジャンプを行うことができるようにするものである。
【0029】
【特許文献】
特開平9−212879号公報
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明のトラックジャンプ制御装置は、トラックジャンプのための加速が開始された光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示す到達信号を生成する生成手段と、光学式ピックアップに対してのトラックジャンプのための加速が開始されたときから、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまでの加速時間を計測する計測手段と、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまで、光学式ピックアップを加速するとともに、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示したときから、計測手段により計測された加速時間に基づいて、光学式ピックアップを減速する加減速制御手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
加減速制御手段は、加速時間に応じた減速時間だけ、光学式ピックアップを減速することができる。
【0032】
加減速制御手段は、加速時間に応じた電圧のトラッキングドライブ信号で、光学式ピックアップを加減速させることができる。
【0033】
加減速制御手段は、トラッキングドライブ信号の電圧を、基準電位から加減速時間に応じた電位に、段階的に高くまたは低くさせて、光学式ピックアップを加減速させることができる。
【0034】
加減速制御手段は、加速時間に応じた減速時間だけ、加速時間に応じた電圧のトラッキングドライブ信号で、光学式ピックアップを加減速させることができる。
【0035】
本発明のトラックジャンプ制御方法は、トラックジャンプのための加速が開始された光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示す到達信号を生成する生成ステップと、光学式ピックアップに対してのトラックジャンプのための加速が開始されたときから、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまでの加速時間を計測する計測ステップと、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまで、光学式ピックアップを加速するとともに、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示したときから、計測ステップの処理で計測された加速時間に基づいて、光学式ピックアップを減速する加減速制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0036】
本発明のトラックジャンプ制御装置および方法においては、トラックジャンプのための加速が開始された光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示す到達信号が生成され、光学式ピックアップに対してのトラックジャンプのための加速が開始されたときから、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまでの加速時間が計測され、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまで、光学式ピックアップを加速するとともに、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示したときから、計測された加速時間に基づいて、光学式ピックアップが減速される。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、特許請求の範囲に記載の発明の各手段と以下の実施の形態との対応関係を明らかにするために、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但し一例)を付加して本発明の特徴を記述すると、次のようになる。但し勿論この記載は、各手段を記載したものに限定することを意味するものではない。
【0038】
本発明のトラックジャンプ制御装置は、トラックジャンプのための加速が開始された光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示す到達信号を生成する生成手段(例えば、図7のゼロクロス信号生成部20)と、光学式ピックアップに対してのトラックジャンプのための加速が開始されたときから、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまでの加速時間を計測する計測手段(例えば、図7の加速時間計測部61)と、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまで、光学式ピックアップを加速するとともに、到達信号が、光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示したときから、計測手段により計測された加速時間に基づいて、光学式ピックアップを減速する加減速制御手段(例えば、図7のジャンプパルス生成部62およびトラッキングドライブ18)とを備えることを特徴とする。
【0039】
加減速制御手段は、加速時間(例えば、図8,9のTacc)に応じた減速時間(例えば、図8,9のTred1,Tred2)だけ、光学式ピックアップを減速することができる。
【0040】
加減速制御手段は、加速時間に応じた電圧(例えば、図10,11のV1,V2)のトラッキングドライブ信号(例えば、図10,11のTDb)で、光学式ピックアップを加減速させることができる。
【0041】
加減速制御手段は、トラッキングドライブ信号の電圧を、基準電位から加減速時間に応じた電位に、段階的に高くまたは低くさせて(例えば、図12,13のTDb)、光学式ピックアップを加減速させることができる。
【0042】
加減速制御手段は、加速時間に応じた減速時間(例えば、図14,15のTred11,Tred12)だけ、加速時間に応じた電圧(例えば、図14,15のV11,V12)のトラッキングドライブ信号で、光学式ピックアップを加減速させることができる。
【0043】
図7は、本発明を適用した光ディスク記録再生装置のトラックジャンプ制御装置51の構成例を示している。このトラックジャンプ制御装置51には、図1のトラックジャンプ制御装置1に、加速時間計測部61がさらに設けられ、ジャンプパルス生成部19に代えてジャンプパルス生成部62が設けられている。他の部分については、図1における場合と同様であるので、その説明は適宜省略する。
【0044】
加速時間計測部61は、トラックジャンプ制御部21から、トラックジャンプ開始の指令が入力されると、ゼロクロス信号生成部20から供給されるHのゼロクロス信号TZCがLに反転するまでの時間(加速時間Tacc)を計測し、その計測結果を、ジャンプパルス生成部62に通知する。
【0045】
ジャンプパルス生成部62は、トラックジャンプ制御部21から、トラックジャンプ開始の指令が入力されると、加速パルスの生成と、そのスイッチ17への出力を開始する。
【0046】
またジャンプパルス生成部62は、ゼロクロス信号生成部20から供給されるHのゼロクロス信号TZCがLに反転したとき、加速パルスに代えて、減速パルスの生成と、そのスイッチ17への出力を開始する。そしてジャンプパルス生成部62は、このとき加速時間計測部61から通知された加速時間Taccと基準加速時間Tacc−mの差分に応じた減速時間Tredだけ、減速パルスの生成、出力を行う。
【0047】
例えば、加速時間Taccが基準加速時間Tacc−mより長い場合、ジャンプパルス生成部62は、その差分に応じた時間だけ、基準減速時間Tred−mより長い減速時間Tred1の間、減速パルスの生成、出力を行う。一方、加速時間Taccが、基準加速時間Tacc−mより短い場合、ジャンプパルス生成部62は、その差分に応じた時間だけ、基準減速時間Tred−mより短い減速時間Tred2の間、減速パルスの生成、出力を継続する。
【0048】
なお、基準加速時間Tacc−mおよび基準減速時間Tred−mは、ゼロクロス信号生成部20におけるノイズ除去処理等による遅延や、光ディスク2の偏心成分がない場合の加速時間Tacc(例えば、図2に示す加速時間Tacc)および減速時間(例えば、図2に示す減速時間Tred)とされている。
【0049】
このように、加速時間Taccの長さに応じた減速時間Tredだけ減速パルスを生成、出力するようにしたので、例えば、図3に示すように、ゼロクロス信号TZCの位相が時間Tdだけ遅れ、加速時間Taccが基準加速時間Tacc−mより長くなくなり、加速過多となっても、基準減速時間Tred−m(図2中、Tred)より長い減速時間Tred2だけ、減速パルスが生成、出力されるので(減速ドライブ信号TDbが出力されるので)、光学式ピックアップ12を十分減速することができる。その結果、オーバーシュートを防止し、トラックジャンプ後の整定を良好に保つことができる。
【0050】
また、図8に示すように、光ディスク2の偏心成分により、加速時間Taccが、基準加速時間Tacc−mより長くなっても、基準減速時間Tred−mより長い減速時間Tred1だけ光学式ピックアップ12を減速することができるので、同様に、オーバーシュートの発生を防止し、トラックジャンプ後の整定を良好に保つことができる。
【0051】
また、図9に示すように、光ディスク2の偏心成分により、加速時間Taccが基準加速時間Tacc−mより短くなっても、基準減速時間Tred−mより短い減速時間Tred2だけ、光学式ピックアップ12が減速されるので、光学ピックアップ12を適切に移動先のトラックに到達させることができる。
【0052】
なお、以上においては、計測された加速時間Tacc(実際の加速時間)に応じた減速時間Tredだけ、光学式ピックアップ12を減速するものとしたが、加速時間Taccに応じて減速ドライブ信号TDbの電圧を調整することもできる。
【0053】
図10に示すように、光ディスク2の偏心成分により、加速時間Taccが基準加速時間Tacc−mより長くなった場合、ジャンプパルス生成部62は、基準減速時間Tred−mの間、加速時間Taccと基準加速時間Tacc−mとの差分に対応する分だけ、基準電圧V−mより高い電圧v1の減速ドライブ信号TDbが生成される減速パルスを生成する。一方、図11に示すように、加速時間Taccが、基準加速時間Tacc−mより短くなった場合、ジャンプパルス生成部62は、基準減速時間Tred−mの間、加速時間Taccと基準加速時間Tacc−mとの差分に対応する分だけ、基準電圧v−mより低い電圧v2の減速ドライブ信号TDbが生成される減速パルスを生成する。
【0054】
また、計測された加速時間Taccが基準加速時間Tacc−mより長くなった場合、図12に示すように、はじめは基準電圧V−mであるが、電圧が段階的に高くなる減速ドライブ信号TDbが出力される減速パルスを生成することもできる。これにより、急激な逆起電圧が印加されることにより装置の破損を防止することができる。また基準加速時間Tacc−mより短かった場合、図13に示すように、はじめは基準電圧V−mであるが、電圧が段階的に低くなる減速ドライブ信号TDbが出力される減速パルスを生成することもできる。
【0055】
さらに、加速時間Taccの長さに応じて、減速時間Tredの長さと減速ドライブ信号TDbの電圧の両方を変えるようにすることもできる。
【0056】
例えば、図14に示すように、加速時間Taccが基準加速時間Tacc−mより長かった場合、基準減速時間Tred−mより長い減速時間Tred11(ただし、図8に示す減速時間Tred1よりは短い時間)だけ、電圧が基準電圧v−mより高い電圧v11(ただし、図10に示す電圧v1より低い電圧)の減速ドライブ信号TDbが生成される減速パルスを生成することができる。また、図15に示すように、加速時間Taccが基準加速時間Tacc−mより短かった場合、基準減速時間Tred−mより短い減速時間Tred12(ただし、図9の減速時間Tred2より長い時間)だけ、基準電圧v−mより低い電圧v12(ただし、図11に示す電圧v2より高い電圧)の減速ドライブ信号TDbが生成される減速パルスを生成することができる。
【0057】
なお、以上においては、ジャンプパルス生成部62が、加速時間Taccに応じた減速方法を判断し、それに応じた減速パルスを生成するものとして説明したが、トラックジャンプ制御部21が、ゼロクロス信号生成部20により生成されたゼロクロス信号、および加速時間計測部61により計測された加速時間に基づいて、減速方法を決定し、決定した減速方法で光学式ピックアップ12の減速がなされるようにジャンプパルス生成部62を制御することもできる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単に、かつ、適切にトラックジャンプを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のトラックジャンプ制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する図である。
【図3】図1のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図4】図1の光ディスクの偏心成分の影響を説明する図である。
【図5】図1のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図6】図1のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図7】本発明を適用したトラックジャンプ制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する図である。
【図9】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図10】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図11】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図12】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図13】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図14】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【図15】図7のトラッキングドライブ、ジャンプパルス生成部、ゼロクロス信号生成部の動作を説明する他の図である。
【符号の説明】
2 光ディスク, 12 光学式ピックアップ, 15 トラッキングエラー信号生成部, 18 トラッキングドライブ, 20 ゼロクロス信号生成部,21 トラックジャンプ制御部, 51 トラックジャンプ制御装置, 61加速時間計測部, 62 ジャンプパルス生成部

Claims (6)

  1. 光ディスクに対して情報の記録再生を行う光学式ピックアップを加減速させて、トラックジャンプの実行を制御するトラックジャンプ制御装置において、
    トラックジャンプのための加速が開始された前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示す到達信号を生成する生成手段と、
    前記光学式ピックアップに対してのトラックジャンプのための加速が開始されたときから、前記到達信号が、前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまでの加速時間を計測する計測手段と、
    前記到達信号が、前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまで、前記光学式ピックアップを加速するとともに、前記到達信号が、前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示したときから、前記計測手段により計測された前記加速時間に基づいて、前記光学式ピックアップを減速する加減速制御手段と
    を備えることを特徴とするトラックジャンプ制御装置。
  2. 前記加減速制御手段は、前記加速時間に応じた減速時間だけ、前記光学式ピックアップを減速する
    ことを特徴とする請求項1に記載のトラックジャンプ制御装置。
  3. 前記加減速制御手段は、前記加速時間に応じた電圧のトラッキングドライブ信号で、前記光学式ピックアップを加減速させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のトラックジャンプ制御装置。
  4. 前記加減速制御手段は、トラッキングドライブ信号の電圧を、基準電位から前記加減速時間に応じた電位に、段階的に高くまたは低くさせて、前記光学式ピックアップを加減速させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のトラックジャンプ制御装置。
  5. 前記加減速制御手段は、前記加速時間に応じた減速時間だけ、前記加速時間に応じた電圧のトラッキングドライブ信号で、前記光学式ピックアップを加減速させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のトラックジャンプ制御装置。
  6. 光ディスクに対して情報の記録再生を行う光学式ピックアップを加減速させて、トラックジャンプの実行を制御するトラックジャンプ制御装置のトラックジャンプ制御方法において、
    トラックジャンプのための加速が開始された前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示す到達信号を生成する生成ステップと、
    前記光学式ピックアップに対してのトラックジャンプのための加速が開始されたときから、前記到達信号が、前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまでの加速時間を計測する計測ステップと、
    前記到達信号が、前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示すまで、前記光学式ピックアップを加速するとともに、前記到達信号が、前記光学式ピックアップが所定の位置に到達したことを示したときから、前記計測ステップの処理で計測された前記加速時間に基づいて、前記光学式ピックアップを減速する加減速制御ステップと
    を含むことを特徴とするトラックジャンプ制御方法。
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