JP2005011166A - 情報処理装置 - Google Patents

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直彦 入江
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久義 井出
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Abstract

【課題】電源遮断による低いスタンバイ電流と割り込みによるスタンバイからの高速復帰を両立させる機構を実現する。
【解決手段】中央処理装置CPUと周辺回路モジュールIP1,IP2とを含む第1領域AE1と、周辺回路モジュールIP1,IP2に含まれるレジスタREG1,2の値を保持するための情報保持回路URAM,BUREGを有する第2領域AE2と、第1領域AE1への電流の供給を制御するための第1電源スイッチSW1とを具備する情報処理装置であって、情報処理装置が第1モードで動作する場合に、第1領域AE1及び第2領域AE2は、動作電流が供給され、情報処理装置が第2モードで動作する場合に、第1電源スイッチSW1は、第1領域AE1に電流の供給を遮断するように制御され、第2領域AE2への電流供給は継続される。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置に関するものであり、特にシステムLSI又はマイクロプロセッサに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
今日の携帯電話などの携帯情報端末向けシステムLSIでは、バッテリによる長時間駆動を実現する必要があるため、低消費電流化が重要である。特に、行う処理がない状態での消費電流であるスタンバイ電流は、携帯情報端末の待ち受け時間を決定するため、その削減が特に重要である。そのため、現在種々のスタンバイ電流削減手法が提案、実現されている。
【0003】
まず、一つ目として待ち受け時にシステムLSI内の全クロックを停止する手法(以後、ソフトウェアスタンバイと呼ぶ)がある。この手法では、待ち受け状態に入るとシステムLSI内部のクロックが停止するため、システムLSI内の回路動作による消費電流がほぼ0となる。その結果、スタンバイ電流を漏れ電流による消費電流のみにできる。さらに、この手法では、システムLSIの内部状態(レジスタの値など)をスタンバイ中でも保持できるため、スタンバイからの復帰を割り込み処理で行うことが可能である。その結果、復帰はクロック再開に必要な時間程度で高速に完了する。
【0004】
しかし、近年の微細化したプロセスでは、漏れ電流が非常に大きいため、漏れ電流による消費電流が無視できない。そこで、非特許文献1で示されているような待ち受け時にシステムLSIの電源を遮断する手法(以後、Uスタンバイと呼ぶ)が提案されている。この手法では、待ち受け状態に入ると復帰処理に必要な最低限の回路を除いて電源が遮断される。その結果、回路動作による消費電流のみでなく、漏れ電流による消費電流もほぼ0となり、スタンバイ電流をほぼ0にできる。
【0005】
【非特許文献1】
Yamada et al.,”A 133MHz 170mW 10μA Standby Application Processor for 3G Cellular Phones”,ISSCC 2002,February 6, pp.370−371
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者等は、本願発明をするに当たって、上記2つのスタンバイモードについて検討したところ、以下のような課題があることに気が付いた。
【0007】
Uスタンバイモードでは、回路動作による消費電流のみならず漏れ電流による消費電流もほぼ0とすることができるが、電源の遮断によりシステムLSIの内部状態がすべて破壊されるため、スタンバイからの復帰を割り込み処理で行うことができず、復帰をリセット処理で行う必要がある。リセット処理では、システムLSIの初期設定やソフトウェアの立ち上げを行うため、復帰に必要な時間が長くなってしまう。特に、ソフトウェアの立ち上げは、実行すべき命令数が多いため処理時間が長くなってしまう。具体的には、Uスタンバイモードから復帰する際には、割り込み要求があったにも関わらず、そのまま割り込み処理を行うことができず、一旦リセット処理を行いソフトウェアを立ち上げた後に上記割り込み要求に応じた処理を行うことになる。
【0008】
それに対し、ソフトウェアスタンバイでは、内部状態を保持しているためソフトウェアの立ち上げ等を行わずに済み、高速にスタンバイ状態から高速に復帰することが可能となるが、上述のように漏れ電流による消費電流が大きくなってしまう。
【0009】
このように、現在、提案されている技術では、低いスタンバイ電流と高速なスタンバイからの復帰を両立させることが困難であることを本願発明者は見出した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための一つの手段として、中央処理装置と周辺回路モジュールとを含む第1領域と、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値を保持するための情報保持回路を有する第2領域と、前記第1領域への電流の供給を制御するための第1電源スイッチとを具備する情報処理装置であって、前記情報処理装置が第1モードで動作する場合に、前記第1領域及び前記第2領域は、動作電流が供給され、前記情報処理装置が第2モードで動作する場合に、前記第1電源スイッチは、前記第1領域に電流の供給を遮断するように制御され、前記第2領域への電流供給は継続されるように構成する。
【0011】
更に望ましくは、前記情報保持回路は、ゲート回路を有し、前記ゲート回路は、前記第1モードにおいて、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値を前記情報保持回路に伝達し、前記第2モードにおいて、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値の前記情報保持回路への伝達を制限するように構成する。
【0012】
また、他の一つの手段として、中央処理装置と周辺回路モジュールとを具備する情報処理装置であって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置の初期状態を設定するリセット処理と、前記情報処理装置の外部から割り込み要求が通知された場合に、前記割り込み要求に対応した処理を行う割り込み処理とを実行可能であり、前記中央処理装置と前記周辺回路モジュールとに電流を供給する第1動作モードと、前記中央処理装置及び前記周辺回路モジュールへの電流供給が停止している第2動作モードとを有し、前記第2動作モードで動作していている際に前記情報処理装置の外部から割り込み要求が通知された場合に、退避された情報を前記中央処理装置及び前記周辺回路モジュールに復帰させた後、前記割り込み要求に対応する割り込み処理を行うことが可能であるように構成する。
【0013】
更に、他の一つの手段として、中央処理装置と、周辺回路モジュールと、ブートアドレスレジスタとを具備する情報処理装置であって、前記情報処理装置は、第1動作モードと前記第1動作モードより消費電流が小さい第2動作モードとを有し、前記ブートアドレスレジスタは、前記第1動作モードから前記第2動作モードに移行する際に、前記第2動作モードから前記第1動作モードに復帰する際に最初に実行すべき命令が格納されるアドレスを前記ブートアドレスレジスタに設定されるために設けられるように構成する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る情報処理装置の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。特に制限されないが、実施例の各ブロックを構成する回路素子は、公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)やバイポーラトランジスタ等の半導体集積回路技術によって、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上に形成される。
【0015】
図1は、本発明の低電流モード(以下、Rスタンバイモードと呼ぶ)を実現するための一つの実施例である。図1は、情報処理装置、特にシステムLSI(又はマイクロプロセッサ。以下、同じ。)に適用した場合の構成の概念図を示している。特に制限されないが、当該システムLSIは単一の半導体基板上に形成される。
【0016】
このシステムLSIには独立に電源を制御できる領域として、第1領域AE1、第2領域AE2、第3領域AE3がある。まず、第1領域AE1は、中央処理装置CPU(以下、CPUと呼ぶ)、周辺回路モジュールIP1,IP2、システムバスSYSBUS、クロック発生回路CPGを含み、電源スイッチSW1により電流の供給が制御される。次に、第2領域AE2は、内部メモリURAM(以下、URAMと呼ぶ)、バックアップレジスタBUREGを含み、電源スイッチSW2により電流の供給が制御される。最後に、第3領域AE3は、スタンバイ制御回路STBYCが含まれ、常に通電される。ここで、電源スイッチSW1及びSW2は、接地電位Vssと各領域の間に配置され、電流の供給を制御しているが、当然に動作電位Vddと各領域の間に配置されてもよい。また、接地電位Vssと各領域の間及び動作電位Vddと各領域の間の両方に配置しても構わない。
【0017】
CPUは、システムLSIの全体を制御する。また、周辺回路モジュールIP1は、特に制限されないが、MPEGアクセラレータ等のCPUが命令をフェッチする際に必要とならない周辺回路モジュールである。周辺回路モジュールIP2は、特に制限されないが、バスステートコントローラ等、CPUが命令をフェッチする際に必要となる周辺回路モジュールである。システムバスSYSBUSは、CPUを含む各回路モジュールが接続され、図示しないがデータバス及びアドレスバスを含む。クロック発生回路CPGは、外部から供給されるクロック信号RCLKを受けて内部クロック信号ICLKを発生する。内部クロック信号ICLKは、各回路モジュールに供給され、システムLSIは、内部クロック信号ICLKに従って動作する。URAMは、大容量の内部メモリであり現在処理しているデータ等、必要な情報を保持する。バックアップレジスタBUREGは、Rスタンバイモード時に周辺回路モジュールIP2に含まれるレジスタREG2の値を保持する。本願発明では、領域1AE1に含まれる各回路モジュールをまとめて配置し、領域2AE2に含まれる各回路モジュールをまとめて配置している。このように配置することにより、複数の回路モジュールに対して電源スイッチSW1、SW2を共通に設けることができるため面積を小さくすることができる。
【0018】
システムLSIがRスタンバイモードに遷移すると、電源スイッチSW1は、オフ状態とされ、電源スイッチSW2は、オン状態とされる。従って、CPU、周辺モジュールIP1,IP2、クロック発生回路CPGに対する電流の供給は遮断されるため消費電流を低減できる。
【0019】
Rスタンバイモードに遷移する場合には、システムLSIの内部情報をURAM又はバックアップレジスタBUREGに退避させる。その後、電源スイッチ制御信号SW1−Cにより電源スイッチSW1をオフ状態とし、第1領域AE1に含まれる各回路モジュールへの電流の供給を停止する。電源スイッチSW2は、オン状態とされる。従って、第2領域AE2に含まれる回路モジュールには電流が供給されるため退避されたシステムLSIの内部情報は保持されることになり、外部からの割込み要求によりURAMやバックアップレジスタBUREGに保持された情報をCPU,IP1,IP2に復帰させることで、スタンバイモードからの復帰時に割り込み処理を行うことが可能となる。割り込み要求があった場合は、スタンバイ制御回路STBYCにより、電源スイッチSW1をオン状態とし、第1領域AE1へ電流を供給後、退避したシステムLSIの内部情報をCPUやIP1,IP2へ復帰させることにより行われる。この動作は、OS等のソフトウェアの立ち上げを行うリセット処理に比べて短時間で行われるので、Uスタンバイモードに比べて高速に復帰することが可能となる。なお、システムLSIの内部情報は、外部メモリに退避してもよい。
【0020】
即ち、本願発明の一つの特徴は、Rスタンバイモードに遷移した際に、CPUや周辺回路モジュールIP1,IP2への電流の供給を遮断し、URAM又はバックアップレジスタBUREG等の情報保持回路への電流の供給を継続することが可能となるように領域分けをすることにある。これにより、Rスタンバイモードから高速に復帰するために必要な情報を保持することが可能となる。
【0021】
また、別の観点から考えると、CPUや周辺回路モジュールIP1,IP2に対して電流の供給を遮断されることにより内部状態を示すレジスタの値が破壊されているにも関わらず、復帰時に割り込み処理が可能であることである。これにより、低消費電流のスタンバイモードを実現しながらもOS等のソフトウェアの立ち上げを行わずに済むため高速に復帰することが可能となる。
【0022】
また、本実施例では、他の低電流モード、例えばソフトウェアスタンバイモードやUスタンバイモードも採用することが可能であり、システムLSIの使用状態により柔軟に低電流モードを設定することが可能である。ソフトウェアスタンバイモードでは、電源スイッチSW1,SW2ともオン状態とし、CPUや周辺回路モジュールIP1,IP2には電流が供給されたまま、内部クロック信号ICLKの供給が停止され、回路動作が停止する。これにより回路動作は停止されるため動作電流が低減される。次に、Uスタンバイモードでは、電源スイッチSW1,SW2の両方がオフ状態とされ、回路動作が停止すると共に電流の供給も遮断される。従って、回路動作に伴う消費電流のほかに漏れ電流による消費電流も低減することができる。
【0023】
なお、本発明の方式は、プロセッサCPUや周辺回路モジュールIP1,IP2の種類、個数、電源領域の数によって制限されず、ここに示した以外の構成でも実施できる。例えば、本実施例では低電流モードとしてソフトウェアスタンバイモード、Uスタンバイモード、Rスタンバイモードを有する構成としたため電源領域を3つに分けたが、Uスタンバイモードを省略することも可能である。この場合、第2領域AE2と第3領域AE3を一つとし、常に通電する構成としてもよい。この場合でも、スタンバイモードからの高速復帰と低電流の両立を実現することが可能である。また、本実施例ではシステムLSI内部におかれたスイッチによる電源遮断を行うが、システムLSIの外部に置かれた電源制御回路により電源を遮断する構成を取ることも可能である。
【0024】
図2は、図1のように領域分けをした場合のレイアウトについて説明するためのものであり、図1で示した領域1AE1のレイアウト配置例を示している。RUSRは領域AE1に含まれる各回路モジュールを構成しているMOSトランジスタを配置する領域である。RPWR1、RPWR2、RPWR3、RPWR4、RPWR5、RPWR6、RPWR7、RPWR8で構成されるリング状の領域は、電源線VDD、接地線VSS、仮想接地線VSSMなどの電源幹線が、比較的太い配線幅の配線で周回して配置されており、電源リングを形成している。これにより、各回路モジュールを構成しているMOSトランジスタに供給される電源線、接地線、仮想接地線を低抵抗化している。上記の電源スイッチSW1は、接地線及び仮想接地線の間に接続され、各回路モジュールへの電流供給は、仮想接地線VSSMを介して行われる。なお、ここでは領域1AE1のみを説明するが領域2AE2についても同様に構成される。また、本実施例では、接地線と仮想接地線の間に電源スイッチSW1を配置したが、仮想電源線を設け、電源線VDDと上記の仮想電源線の間に電源SW1を設けてもよい。この場合、接地線と仮想接地線の間に電源スイッチSW1を設けても、設けなくてもよい。
【0025】
電源スイッチSW1は上記電源リングの四辺の領域(RPWR2、RPWR4、RPWR6、RPWR8)に配置することが望ましい。特に電源スイッチSW1は、領域RPWR4, RPWR8に配置することが望ましい。図3に示すように、各回路モジュールに電源、接地を供給する電源線VDD105(M1)、仮想接地線VSSM105(M1)は、横方向に延伸している。そのため、領域RPWR4, RPWR8に電源スイッチSW1を配置することにより、配線抵抗の影響を小さくできる。一方、電源スイッチSW1を領域RPWR2, RPWR6に配置する場合には、領域RPWR4, RPWR8に配置される電源線VDD、接地線VSSの配線抵抗の影響が大きくなる。そのため、領域RPWR4, RPWR8に電源スイッチSW1を優先的に配置し、さらに電源スイッチSW1のオン抵抗の影響を減らしたい場合にさらに領域RPWR2, RPWR6にも電源スイッチSW1を配置することが望ましい。
【0026】
図3は、図2のR14の部分について、より具体的な電源線VDD、接地線VSS、仮想接地線VSSMのレイアウトを図示したものである。VDD100〜VDD110は電源線、VSS101〜VSS103およびVSS107〜VSS113は接地線、VSSM101〜VSSM107は仮想接地線を示している。SIG100は縦方向に電源リングを横断する配線を代表して一本だけ示したものであり、SIG101は横方向に電源リングを横断する配線を代表して一本だけ示したものである。図3で各記号の後の括弧内に記述しているM1〜M4の記号は、その配線を設置するために使用した配線層名を示している。複数記述されている場合には、それらの複数の配線層で配線されていることを示している。M4はM3よりも、M3はM2よりも、M2はM1よりも半導体基板から見て上層の配線層である。また、×印入りの四角印の記号は各配線層を接続するためのビア(VIA)を示している。RPWRで示している部分が電源リング領域であり、RUSRで示している部分が各回路モジュールを構成しているMOSトランジスタを配置する領域である。
【0027】
電源リングは半導体基板より比較的上層の配線層M2乃至M4によって、VDD101〜VDD103、VSS101〜VSS103、VSSM101〜VSSM103、VSS111〜VSS113によって構成されている。半導体基板より比較的上層の配線層は下層の配線層と比較してピッチを広くすることができるために配線層厚さを厚くでき、シート抵抗を小さくできて低抵抗な配線が実現できる。電源リングにこのような低抵抗な配線を用いることで、電源リングを低抵抗に形成することができ、いわゆる電圧ドロップを小さく抑えることができる。
【0028】
図3では、上記電源リングを縦方向にシャントする縦方向電源幹線RPWRVを、VDD106およびVSSM106によって形成している。また、電源リングを横方向にシャントする横方向電源幹線RPWRHを、VDD107、VSS107、VSSM107によって形成している。これらにより、さらに電源リングを低抵抗化できる。ここでは縦方向電源幹線RPWRVの横方向の配置間隔および、横方向電源幹線RPWRHの縦方向の配置間隔は特に限定しないが、縦方向電源幹線RPWRVには比較的下層のM2配線層を用いているため、あまり多くの縦方向電源幹線RPWRVを配置すると、回路モジュールを構成しているMOSトランジスタの信号線配線のためのチャネルを少なくしてしまうことになる。したがって、例えば約100μmおきに配置するのが適当である。一方、横方向電源幹線RPWRHには比較的上層のM4配線層を用いているため上記信号線配線のためのチャネルを少なくすることは少ない。そのため、多くの数の横方向電源幹線RPWRHを配置できる。
【0029】
上記電源リングから各回路モジュールを構成しているMOSトランジスタへの電源供給線RIPはM1配線層を用いて、VDD105およびVSSM105によって行っている。なお、各回路モジュールを構成しているMOSトランジスタの信号線を配線するためのチャネルは、主にM1〜M3の配線層を用いる。同様な理由で、電源リングの四隅の領域には、電源線、接地線にはM4の配線層を用いてそれより下層の配線を用いていない。
【0030】
簡単のために、VDD100とVDD103を電気的に接続するための配線VDD108は一本だけが図示されているが、実際にはある間隔で多数配置して低抵抗に接続するのが適当である。また、VDD108のごとくVDD100とVDD101を縦方向に直接電気的に接続する配線が図示されていないが、M2配線層を用いてVDD108と同様に配置することが望ましい。また、簡単のために、VSS103とVSS113を電気的に接続するための配線VSS108は一本だけが図示されているが、実際にはある間隔で多数配置して低抵抗に接続するのが適当である。また、VSS108のごとくVSS101とVSS111を縦方向に直接電気的に接続する配線が図示されていないが、M3配線層を用いてVSS108と同様に配置することが望ましい。
【0031】
上記レイアウトにより、配線層を効率良く使用して、各回路モジュールへの低インピーダンスな電源供給が可能になる。なお、図3は配線層が4層ある場合の構成例であるが、より多くの配線層がある場合には、図3の構成図でさらにその配線層を用いて電源リングをさらに低抵抗に構成することができる。その配線層の具体的な使用方法は限定しないが、最上層の配線層(図3の場合M4)と最下層の配線層(図3の場合M1)を用いて電源リング外部から電源リングへの電源および接地の供給を行うのが適当である。また、横方向電源幹線RPWRHは最上位層の配線層(図3の場合M4)を用いて実現した方がよい。各回路モジュールを構成しているMOSトランジスタの信号線を配線するためのチャネルを多く取れるためである。
【0032】
図4は、上記低電流モードへの遷移・復帰を制御するためのスタンバイ制御回路STBYCの構成を示している。スタンバイ制御回路STBYCには、内部レジスタの読み書きを行うためシステムバスSYSBUSが接続され、割り込み要求信号IRQ、リセット信号RST、クロック信号RCLKが入力される。スタンバイ制御回路STBYCの出力は、バックアップレジスタライトイネーブル信号BU−WE、Rスタンバイモードからの復帰後にCPUへ割り込みを通知する割り込み信号INTR、リセット後のCPU実行開始アドレスRST−VEC、第1領域AE1のリセット信号RST1と電源スイッチSW1の制御信号SW1−C、第2領域AE2のリセット信号RST2と電源スイッチSW2の制御信号SW2−Cである。なお、図1において割り込み信号INTRがCPUに直接接続されているが、割り込みコントローラ等を介してCPUと接続してもよい。
【0033】
スタンバイ制御回路STBYCは、システムバスSYSBUSから読み書きできるレジスタとしてスタンバイモード制御レジスタSTBCRとブートアドレスレジスタBARを持つ。システムバスSYSBUSからの読み書き操作はデコーダDECにより制御する。スタンバイモード制御レジスタSTBCRは現在のスタンバイモードに対応する値を保持する。また、スタンバイモード制御レジスタSTBCRへのシステムバスSYSBUSからの書き込みが対応する各低電流モードへの遷移要求となる。本実施例におけるスタンバイ制御回路STBYCは、ソフトウェアスタンバイモード、Uスタンバイモード、Rスタンバイモードへの遷移又はこれらのモードからの復帰を制御するように構成されているが、ソフトウェアスタンバイモードへの遷移または復帰は、CPUがCPGに直接クロック停止を指示することでも可能である。
【0034】
ブートアドレスレジスタBARは、Rスタンバイモードから復帰し、リセットを解除した際、CPUが最初に実行する命令のアドレスを保持する。なお、本実施例では、Rスタンバイモードへの遷移要求をスタンバイモード制御レジスタSTBCRへの書き込みにより与えるが、スリープ命令やスタンバイ命令などの専用命令の利用やスタンバイモード制御レジスタSTBCRと専用命令との組み合わせにより遷移を要求することも可能である。その場合、CPUがスタンバイ制御回路STBYCに遷移要求を図示しないスリープ要求応答線を介して伝えることで実現可能である。
【0035】
スタンバイ制御回路STBYCに含まれる同期化回路SYNCはチップ外部からの割り込み要求IRQを外部クロック信号RCLKに同期化する。電流モード制御順序回路STBYC−FSMはスタンバイモードの遷移・復帰の必要性を判別し、必要ならば遷移・復帰のシーケンスを出力する。入力はスタンバイモードレジスタSTBCRの値、割り込み要求IRQ、遷移・復帰時のシーケンスの中でどのステップを実行しているかを示す状態保持レジスタSTATE、出力はスタンバイ制御回路STBYCの出力と、現在Rスタンバイモードかどうかを示すRスタンバイモード信号RSTBY−MODEである。
【0036】
外部からの割り込み要求信号IRQを受けてRスタンバイモードから復帰する際には、URAMや外部メモリに退避された情報をCPU等の領域1AE1にある各回路モジュールに戻した後に当該割り込み要求信号IRQに対応した割り込み処理を行う必要がある。この処理は、所定の命令を実行することにより行われる。即ち、Rスタンバイモードから復帰する際には、最初に実行すべき命令が格納されているメモリのアドレスを保持しておく必要がある。そこで、本願発明では、Rスタンバイモードから復帰する際に最初に実行する命令を格納しているメモリのアドレスを保持するためのブートアドレスレジスタBARを設け、Rスタンバイモードに遷移する際にブートアドレスレジスタBARに実行開始アドレスを設定する構成としている。ここで、Rスタンバイモードから復帰する際の実行開始アドレスは、常に同じにすることも可能なため、ハードワイヤードで構成し、Rスタンバイモードへの遷移時の実行アドレスの設定を省略することも可能である。しかし、本実施例では、ブートアドレスレジスタBARを設けることで、ソフトウェア作成者が上記の実行開始アドレスを自由に設定することを可能とし、Rスタンバイモード復帰時に必要なプログラムをメモリ空間の任意の位置に配置することが可能としている。
【0037】
それに対し、Uスタンバイモードからの復帰は、常にリセット処理であるためブートアドレスINIT−VECが最初に実行される。本願発明では、セレクタSEL1を設け、電流モード制御順序回路STBYC−FSMよりRスタンバイモード信号RSTBY−MODEを出力し、RST−VECをBARと通常リセット時のブートアドレスINIT−VECのどちらにするかを選択する構成を採用している。これにより、Uスタンバイモードから復帰するためにリセット処理をする際には、ブートアドレスINIT−VECを出力し、Rスタンバイモードからの復帰時だけ、ブートアドレスレジスタBARに保持されるアドレスから命令を実行する機能が実現される。なお、ソフトウェアスタンバイからの復帰は、内部クロック信号を供給開始した後、通常動作モード時の割り込み処理と同様に割込み要求IRQの種類に対応したアドレスから命令が読み出される。
【0038】
また、本実施例では、Rスタンバイモード又はUスタンバイモードから復帰する際の実行開始アドレスをスタンバイ制御回路STBYCで決定し、CPUに入力する構成を取っているが、CPUに復帰後の実行開始アドレスを保持するレジスタを設け、このレジスタをバックアップレジスタBUREGを使用してハードウェアで退避回復する構成を取ることも可能である。
【0039】
図5は、スタンバイ制御回路STBYCの別の実施例である。図4と異なる点は、複数の割込み要求信号が並列に入力された際に、どの割り込み要求を優先的に受け付けるかを決定するための優先順位判定回路MAPRIを設け、複数の割込み要求に対応できるようにした点である。即ち、図4では、Rスタンバイモード又はUスタンバイモードからの復帰は、一つの割り込み要求信号IRQのみに対応していたのに対して、本実施例では、複数の割り込み要求から復帰することが可能となる。また、本実施例では、マスクレジスタIMREGを設けている。各スタンバイモードへの遷移する際にマスクする割込み要求をマスクレジスタIMREGに設定することにより、遷移したスタンバイモード毎に受け付ける割込み要求を変更することができ、組み込まれたシステムに柔軟に対応することが可能となる。なお、図5では、省略したが、図4と同様にブートアドレスレジスタBAR及びスタンバイモード制御レジスタSTBCRは、システムバスSYSBUSを介してリード・ライトが可能である。また、マスクレジスタIMREGも同様にシステムバスSYSBUSを介してリード・ライト可能である。
【0040】
図6はRスタンバイモードに遷移する際の状態保存を行うバックアップレジスタBUREGの構成を示している。バックアップレジスタBUREGは第2領域AE2にあり、Rスタンバイモード中でも通電され、値を保持する。一方、周辺回路モジュールIP2のレジスタREG2は第1領域AE1にあるため、Rスタンバイモード中には電源が遮断され、値が破壊される。Rスタンバイモードから復帰する際にCPUのリセットが解除されるとブートアドレスレジスタBARのアドレスから命令フェッチが開始される。そのため、CPUが命令をフェッチするのに必要となる周辺回路モジュールIP2やシステムLSIが持つピンの状態を決定するモジュールの設定レジスタは、ハードウェアで退避、回復する。このような周辺回路モジュールとしては、クロック生成回路やバスコントローラ、メモリコントローラ、割り込みコントローラ、ピン機能コントローラなどがある。また、ソフトウェアでは読み書きできないレジスタについても、CPUが命令フェッチを行うために必要であればハードウェアによる退避、回復が必要である。
【0041】
バックアップレジスタBUREG中の保持ラッチHOLDはREGの値を保存するラッチであり、BU−WEの立ち上がりで値を記憶する。ゲートG1は第1領域AE1の電源遮断時にREGが出力する不定値をマスクする。本実施例では、第1領域AE1の電源遮断時に第1領域AE1のリセット信号RST1が1に固定されることを利用して不定値をマスクしている。なお、レジスタが出力する不定値をマスクすることができるならば、この部分は自由に構成できる。
【0042】
一方、周辺回路モジュールIP2のレジスタREG2では、レジスタREGの入力にセレクタSEL2,SEL3が挿入してあり、レジスタREGへの書き込み値を通常動作時の値NORMV、電源遮断直前の値HOLDV、リセット時の初期値INITVから選択する。セレクタSEL2,SEL3の選択信号には第1領域のリセット信号RST1と第2領域のリセット信号RST2を用いている。まず、第1領域のリセット信号RST1が0の場合、周辺回路モジュールIP2の含まれる第1領域AE1は通常動作しているため、セレクタSEL2がNORMVをREGに書き込む値として選ぶ。次に、第1領域AE1のリセット信号RST1が1で第2領域のリセット信号RST2が0の場合、Rスタンバイモード中であるため、REGに書き込む値としてHOLDVを選択する。リセット信号RST1、RST2が共に1の場合、第1領域AE1、第2領域AE2共に初期化中であるため、REGに書き込む値としてINITVが選択される。なお、本実施例では、リセット信号を利用してセレクタを制御しているが、スタンバイ制御回路STBYCから選択信号を出力することもできる。このようにバックアップレジスタを構成することによりRスタンバイモードへの遷移又はRスタンバイモードからの復帰時のレジスタの退避・復帰を高速に実現することができる。また、ソフトウェアによる読み出しが不可能なレジスタに保持される情報もバックアップレジスタBUREGに退避可能となる。なお、本実施例では、命令をフェッチする際に必要となるIP2のレジスタのみバックアップレジスタBUREGに退避する構成としたが、命令をフェッチする際に必要とならないIP1のレジスタもバックアップレジスタBUREGに退避しても構わない。その場合、面積が大きくなるが、URAMや外部メモリへのソフトウェアによる退避・復帰が必要でなくなるため高速動作が可能となる。
【0043】
図7と図8はRスタンバイモードへの遷移と通常動作への復帰のシーケンスを示している。まず、図7は通常動作状態(NORMAL)からRスタンバイモードRSTBYに遷移するシーケンスである。サイクル1−1においてシステムバスからスタンバイモード制御レジスタSTBCRにRスタンバイモードを意味する値RSTBYが書き込まれる。スタンバイ制御回路は、STBYCは1−2においてその値を読み、サイクル1−3においてバックアップライトイネーブル信号BU−WEを1にして、周辺回路モジュールIP2のレジスタREG2の値をバックアップレジスタBUREGに保存する。その結果、サイクル1−3で保持ラッチの値HOLDVがRスタンバイモード遷移前の周辺回路モジュールIP2のレジスタREG2の値となる。次に、サイクル1−4においてRスタンバイモード信号RSTBY−MODEと第1領域のリセット信号RST1が1となるので、第1領域AE1にあるモジュールはリセットされ停止する。その後、サイクル1−5で電源スイッチSW1の制御信号SW1−Cが0となり、第1領域AE1の電源が遮断され、遷移が完了する。
【0044】
次に、図8はRスタンバイモードから割り込みにより復帰するシーケンスである。サイクル2−1で割込みが発生し割り込み要求信号IRQが1になる。スタンバイ制御回路STBYCはサイクル2−2においてこれを受理し、Rスタンバイモード復帰後の割り込み要求INTRをアサートすると同時に、電源SW1の制御信号SW1−Cを1にして第1領域AE1の電源を投入する。その後、サイクル2−3でリセット信号RST1を0にすると、第1領域AE1のリセットが解除され、サイクル2−4からCPUの動作が開始する。このとき、RST−VECの値はブートアドレスレジスタBARのアドレスなので、CPUの動作開始アドレスはINIT−RST−VECではなくブートアドレスレジスタBARのアドレスになる。その後、サイクル2−5でRスタンバイモード信号RSTABY−MODEを0、スタンバイモード制御レジスタSTBCRの値を通常動作モードを示すNORMALに更新し、復帰が完了する。
【0045】
本実施例では、Rスタンバイモードに遷移しても電源遮断されない第2領域AE2にURAMがあり、この内容はRスタンバイモード中でも保持される。そのため、URAMを用いてハードウェアによる退避回復を行わない周辺回路モジュールのレジスタも退避回復することができる。まず、レジスタ値の退避は、Rスタンバイモードへの遷移を指示するスタンバイモード制御レジスタSTBCRへの書き込み以前に退避、回復したいレジスタの値をURAMへ転送するようなプログラムを実行することで可能となる。この場合、レジスタ値を回復するために、ブートアドレスレジスタBARに設定したアドレスにURAMの値を回復するレジスタへ転送するプログラムを置くことになる。なお、Rスタンバイモード中に値を保持する必要のないレジスタに対してはこれらの退避、回復処理が不要である。そのため、より高速にRスタンバイモードから復帰したい場合には、退避回復するレジスタの数を絞ることができる。
【0046】
図9と図10はRスタンバイモードへの遷移と復帰の際、ソフトウェアが行う処理を示している。図9は遷移時の処理フローを示している。このフローでは、まず割り込みを禁止し、退避したいレジスタの値が変化しないようにする。続いて、キャッシュの内容をメモリに書き戻し、キャッシュを無効化する。次に、ハードウェアで退避回復されないレジスタの値をURAMに転送し、Rスタンバイモードから復帰して最初に実行される命令のアドレスをブートアドレスレジスタBARに設定する。その後、スタンバイモード制御レジスタSTBCRにRスタンバイモードを意味する値を書き込むとRスタンバイモードへの遷移が行われる。なお、追加命令(スリープ命令SLEEPやスタンバイ命令STBYなど)によりRスタンバイモードへの遷移を指示する場合は、この段階でその命令を実行することになる。
【0047】
次の図10はRスタンバイモードからの復帰時の処理フローである。この処理はRスタンバイモード遷移処理で設定したブートアドレスレジスタBARに設定されたアドレスに置く。まず、遷移処理の際にURAMに保存したレジスタの値を各レジスタへ転送する。これにより、ソフトウェアで退避したレジスタの値が復帰される。続いて、キャッシュを有効化する。その後、割り込みを有効にすると、スタンバイ制御回路STBYCが出力している割り込み要求INTRが受理され、通常の割り込み処理が行われる。この割り込み処理が終了すると、Rスタンバイモード復帰処理が完了する。なお、ここで示した処理はソフトウェアで実行されるので、他に必要となる処理の追加や不要な処理の削除が自由に行える。
【0048】
ここまで、本実施例におけるRスタンバイモードの実現について述べたが、同じ構成のままでソフトウェアスタンバイモードやUスタンバイモードも実現可能である。まず、ソフトウェアスタンバイは従来と同様にクロックの停止を行うことで実現する。次に、Uスタンバイモードはスタンバイ制御回路STBYCで遷移の際に第1領域AE1のみでなく第2領域AE2の電源も遮断し、その復帰は外部からのリセットで行うようにすることで実現できる。
【0049】
図11は、各スタンバイでの電源遮断の有無、遷移と復帰の手法、復帰時間、消費電流の比較の一例を示す。Rスタンバイモードでは、ソフトウェアスタンバイ(Sスタンバイ)と比較して復帰時間が約10倍程度となるが、消費電流は1/100となる。また、Uスタンバイモードと比較すると、消費電流は約10倍程度となるが復帰時間は1/100程度となる。
【0050】
図12は、各動作モード間の遷移図を示す。Rスタンバイモードから通常動作モードへは、外部割込み又はリセットにより遷移する。但、外部割込みの場合は、それに対応した割り込み処理を行い、リセットの場合は、リセット処理を行う。Uスタンバイモードから通常動作モードへは、リセット処理により遷移する。
【0051】
図13は本発明を適用した携帯電話向けシステムLSIの構成を示している。このシステムLSIは説明した実施例にあるモジュールに加えて、DMAコントローラDMAC、メモリコントローラMEMC、バスコントローラBUSC、割り込みコントローラINTC、MPEGアクセラレータMPEGが第1領域AE1に、LCDコントローラLCDCが第2領域AE2に追加されている。ここで、特に制限されないが、DMAコントローラDMAC、MPEGアクセアレータMPEGは、周辺モジュール回路IP1に対応し、内部状態を保持しなくてもRスタンバイモードから復帰することが可能である。メモリコントローラMEMC、バスステートコントローラBUSC、割り込みコントローラINTCは、周辺回路モジュールIP2に対応し、これらに含まれるレジスタは、バックアップレジスタBUREGに保持される。
【0052】
また、この構成では、Rスタンバイモード中に外部のLCDパネルLCD−PANELの表示を継続するため、LCDコントローラLCDCをRスタンバイでも電源が遮断されない第2領域AE2に追加している。
【0053】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその技術的思想のもとに種々の変形が可能である。例を示すと、第1領域AE1を複数に分割し、CPU、IP1、IP2を別々に電源遮断するモードを設けるなどがある。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、システムLSIの高速動作又は低消費電力が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるシステムの概略説明図である。
【図2】図1に示される領域1のレイアウト例(フロアプラン例)を示す図である。
【図3】図1に示される領域1の電源ネットの一例を示す図である。
【図4】図1に示されるスタンバイ制御回路STBYCの構成の一例を示す図である。
【図5】図1に示されるスタンバイ制御回路STBYCの構成の他の一例を示す図である。
【図6】図1に示されるレジスタバックアップ機構の構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるRスタンバイモードへの遷移シーケンスを示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態によるRスタンバイモードからの復帰シーケンスを示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるRスタンバイ遷移に伴う処理フローを示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態によるRスタンバイ復帰に伴う処理フローを示す図である。
【図11】各スタンバイの比較を説明した図である。
【図12】本発明の一実施の形態による各スタンバイ間の遷移を示した図である。
【図13】本発明を適用した携帯電話向けシステムLSIの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
SW1,SW2・・・電源スイッチ、RCLK・・・外部クロック信号、ICLK・・・内部クロック信号、CPU・・・中央処理装置、IP1,IP2・・・周辺回路モジュール、REG1,REG2,REG3・・・レジスタ、URAM・・・内部メモリ、BUREG・・・バックアップレジスタ、STBYC・・・スタンバイ制御回路、SYSBUS・・・システムバス、RST,RST1,RST2・・・リセット信号、IRQ・・・割込み要求信号、INTR・・・割込み信号、SEL1,SEL2,SEL3・・・セレクタ、BAR・・・ブートアドレスレジスタ、STBCR・・・スタンバイモード制御レジスタ、DEC・・・デコーダ、SYNC・・・同期化回路、STATE・・・状態保持レジスタ、STBYC−FSM・・・電流モード制御順序回路、IMREG・・・マスクレジスタ、MAPRI・・・優先順位判定回路、G1・・・ゲート回路、HOLD・・・保持ラッチ。

Claims (17)

  1. 中央処理装置と周辺回路モジュールとを含む第1領域と、
    前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値を保持するための情報保持回路を有する第2領域と、
    前記第1領域への電流の供給を制御するための第1電源スイッチとを具備する情報処理装置であって、
    前記情報処理装置が第1モードで動作する場合に、前記第1領域及び前記第2領域は、動作電流が供給されるように前記第1及び第2電源スイッチが制御され、前記情報処理装置が第2モードで動作する場合に、前記第1電源スイッチは、前記第1領域に電流の供給を遮断するように制御され、前記第2領域への電流供給は継続されることを特徴とする情報処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記情報保持回路は、ゲート回路を有し、
    前記ゲート回路は、前記第1モードにおいて、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値を前記情報保持回路に伝達し、前記第2モードにおいて、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値の前記情報保持回路への伝達を制限することを特徴とする情報処理装置。
  3. 請求項1において、
    前記情報処理装置が前記第2モードで動作している時に、前記情報処理装置の外部から割り込み要求があった場合、前記情報保持回路に保持された情報を前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタに復帰させた後に前記割り込み要求を処理することを特徴とする情報処理装置。
  4. 請求項1において、
    前記情報処理装置は、前記第2領域への電流の供給を制御するための第2電源スイッチと、スタンバイ制御回路を含む第3領域とを更に具備し、
    前記情報処理装置が前記第1モードで動作する場合に、前記第2電源スイッチは、前記第2領域に電流を供給するように制御され、
    前記情報処理装置が第3モードで動作する場合に、前記第1電源スイッチは、前記第1領域への電流の供給を遮断するように制御され、前記第2電源スイッチは、前記第2領域への電流の供給を遮断するように制御され、前記第3領域は、電流の供給が継続され、
    前記第1電源スイッチ及び第2電源スイッチの動作制御は、前記スタンバイ制御回路により行われることを特徴とする情報処理装置。
  5. 請求項4において、
    前記情報処理装置は、前記第2モードから前記第1モードに移行する際に、前記中央処理装置が最初に実行すべき命令が格納されるアドレスを保持するブートアドレスレジスタを更に具備し、
    前記スタンバイ制御回路は、前記ブートアドレスレジスタから出力されるアドレスとリセット処理をするための命令が格納されるアドレスとを選択するセレクタを有し、
    前記セレクタは、前記情報処理装置が前記第2モードから前記第1モードに移行する場合に、前記ブートアドレスレジスタから出力されるアドレスを選択し、前記情報処理装置が前記第3モードから前記第1モードに移行する場合に、前記リセット処理するための命令が格納されるアドレスを選択することを特徴とする情報処理装置。
  6. 請求項1において、
    前記情報処理装置は、前記外部から入力されたクロック信号を受けて前記周辺回路モジュールに供給する内部クロックを発生するクロック発生回路を更に具備し、
    前記クロック発生回路は、前記第1領域に含まれ、
    前記情報処理装置は、第4モードにおいて、前記第1領域及び第2領域に電流が供給され、前記周辺回路モジュールには前記内部クロック信号の供給が停止されることを特徴とする情報処理装置。
  7. 請求項1において、
    前記情報処理装置は、前記第2モードから前記第1モードに移行する際に、前記中央処理装置が最初に実行すべき命令が格納されるアドレスを保持するブートアドレスレジスタを更に具備することを特徴とする情報処理装置。
  8. 中央処理装置と周辺回路モジュールとを具備する情報処理装置であって、
    前記情報処理装置は、前記情報処理装置の初期状態を設定するリセット処理と、前記情報処理装置の外部から割り込み要求が通知された場合に、前記割り込み要求に対応した処理を行う割り込み処理とを実行可能であり、
    前記中央処理装置と前記周辺回路モジュールとに電流を供給する第1動作モードと、前記中央処理装置及び前記周辺回路モジュールへの電流供給が停止している第2動作モードとを有し、
    前記第2動作モードで動作していている際に前記情報処理装置の外部から割り込み要求が通知された場合に、退避された情報を前記中央処理装置及び前記周辺回路モジュールに復帰させた後、前記割り込み要求に対応する割り込み処理を行うことが可能であることを特徴とする情報処理装置。
  9. 請求項8において、
    前記情報処理装置は、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値を保持するための情報保持回路を更に具備し、前記中央処理装置、前記周辺回路モジュール及び前記情報保持回路への電流の供給を停止する第3動作モードを更に有し、
    前記情報保持回路は、前記第2動作モードにおいて、電流が供給されることを特徴とする情報処理装置。
  10. 請求項9において、
    前記中央処理装置は、前記第2動作モードから前記第1動作モードに移行する際に前記リセット処理を行わず、前記第3動作モードから前記第1動作モードに移行する際に前記リセット処理を行うことを特徴とする情報処理装置。
  11. 請求項8において、
    前記情報処理装置は、前記第2動作モードから前記第1動作モードに移行する際に、前記中央処理装置が最初に実行する命令を格納するアドレスを保持するためのブートアドレスレジスタを更に具備することを特徴とする情報処理装置。
  12. 請求項8において、
    前記情報処理装置は、前記中央処理装置及び前記周辺回路モジュールに電流を供給する第4動作モードを更に有し、
    前記中央処理装置は、前記第1動作モードにおいて、内部クロック信号を供給され、前記第4動作モードにおいて、前記内部クロック信号の供給が停止されることを特徴とする情報処理装置。
  13. 請求項8において、
    前記情報処理装置は、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの値を保持するための情報保持回路を更に具備し、
    前記情報保持回路は、前記第2動作モードおいて、前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタの情報を保持し、前記第2動作モードから前記第1動作モードに移行する場合に、前記情報保持回路に保持された情報を前記周辺回路モジュールに含まれるレジスタに転送することを特徴とする情報処理装置。
  14. 中央処理装置と、周辺回路モジュールと、ブートアドレスレジスタとを具備する情報処理装置であって、
    前記情報処理装置は、第1動作モードと前記第1動作モードより消費電流が小さい第2動作モードとを有し、
    前記ブートアドレスレジスタは、前記第1動作モードから前記第2動作モードに移行する際に、前記第2動作モードから前記第1動作モードに復帰する際に最初に実行すべき命令が格納されるアドレスを前記ブートアドレスレジスタに設定されるために設けられたことを特徴とする情報処理装置。
  15. 請求項14において、
    前記情報処理装置は、前記第2動作モードにおいて、前記情報処理装置の外部から割り込み要求が通知された場合に、前記割り込み要求に対応した割り込み処理を行うことを特徴とする情報処理装置。
  16. 請求項14において、
    前記中央処理装置及び前記周辺回路モジュールは、前記第2動作モードにおいて、電流の供給が停止されるように制御され、
    前記ブートアドレスレジスタは、前記第2動作モードにおいて、電流の供給がされるように制御されることを特徴とする情報処理装置。
  17. 請求項16において、
    前記情報処理装置は、前記第2動作モードより消費電流の小さい第3動作モードを更に有し、
    前記中央処理装置、前記周辺回路モジュールは、前記第3動作モードにおいて、電流の供給が停止されるように制御され、
    前記中央処理装置は、前記第3動作モードにおいて、前記情報処理装置の外部から割り込み要求が通知された場合に、前記情報処理装置の初期状態を設定するリセット処理を行うことを特徴とする情報処理装置。
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