JP2005010771A - 音楽検索装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユーザのイメージに合った検索結果を得ることができる音楽検索装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、楽曲に対する聴者の印象を数量化した印象量を用いて楽曲の検索を行う音楽検索装置である。楽曲データベース1は、複数の楽曲のデータと、各楽曲の特徴を数量化した特徴量とを少なくとも格納する。また、楽曲データベースには、補正テーブルが含まれる。基準テーブル格納部3は、複数のサンプル用楽曲に関して予め求めておいた特徴量と印象量との組を記述した基準テーブルを格納する。更新処理部5は、変更入力があった場合、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との組を補正テーブルに加え、当該印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音楽検索装置に関し、より特定的には、ユーザの主観的評価に応じて音楽データを検索する音楽検索装置に関する。
近年、大容量の記憶装置を有するパソコン等が普及しており、また、音楽データの圧縮技術も進歩していることから、パソコンに多数の音楽データを格納しておくことが可能となっている。このように多数の音楽データを格納することが可能となった状況では、ユーザが多数の楽曲から好みの楽曲を特定するために、単に曲名によって特定するだけでなく、ユーザが曲に持つイメージによって特定することができれば便利である。
そこで、楽曲をユーザの印象によって検索する音楽検索方法が考えられている。この方法では、楽曲のデータから自動的に抽出した音楽的な特徴量(テンポ、ビート等)を、楽曲の印象を数量化した印象量(激しさ、爽快さ等)に変換する。そして、楽曲を検索する際、ユーザが印象量を入力すると、入力された印象量に近い印象量を有する楽曲がユーザに提示される。以上の方法によって、ユーザは、所望のイメージに合った楽曲(音楽データ)を容易に見つけることができる。
なお、特徴量と印象量との間の変換には、写像関数が用いられる。写像関数は、楽曲を実際に評価することによって決定される印象量と、その楽曲から一意に決定される特徴量とから決定される。具体的には、複数の楽曲について印象量および特徴量が決定され、当該複数の楽曲について印象量と特徴量との変換を行うことができるように、写像関数は決定される。このように決定される写像関数を用いれば、未評価の楽曲についても印象量を算出することができる。
特開2002−278547号公報
ここで、人間の感性は一人一人微妙に異なるものである。従って、特定の写像関数を用いても、すべてのユーザにとってイメージに合った変換を行うことはできない。また、写像関数を決定するためには、実際に評価を行う必要がある。従って、評価する楽曲やモニタとなる人間の数が少ない場合には、理想的な(多くのユーザのイメージに合った変換を行うことができる)写像関数を得ることができないおそれがある。以上の理由から、従来の方法では、ユーザが印象量としてある値を入力した結果提示される楽曲は、そのユーザのイメージには合わない場合も考えられる。
しかし、従来の音楽検索方法では、特徴量と印象量とを相互に変換するための写像関数は、予め用意されたものであり、固定的である。従って、検索結果がユーザのイメージに合わない場合でも、ユーザはそれを変更することができなかった。なお、あるユーザにとって理想的な写像関数を求めるためには、そのユーザが多数の楽曲に対する評価作業を実際に行えばよいが、この評価作業には多大な時間および労力を要する。従って、自分に合った写像関数を求めるために、各ユーザが多数の曲を評価することはほぼ不可能である。以上のように、従来の音楽検索方法では、ユーザのイメージに合った検索結果が得ることができない場合があった。また、その場合、ユーザは改善の措置を何らとることができなかった。
それゆえに、本発明の目的は、ユーザのイメージに合った検索結果を得ることができる音楽検索装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。すなわち、本発明は、楽曲に対する聴者の印象を数量化した印象量を用いて楽曲の検索を行う音楽検索装置である。音楽検索装置は、楽曲データ格納部と、基準テーブル格納部と、補正テーブル格納部と、写像関数格納部と、変更受付部と、更新部と、検索部とを備える。楽曲データ格納部は、複数の楽曲のデータと、各楽曲の特徴を数量化した特徴量とを少なくとも格納する。基準テーブル格納部は、複数のサンプル用楽曲に関して予め求めておいた特徴量と印象量との組を記述した基準テーブルを格納する。補正テーブル格納部は、楽曲データ格納部に格納されている楽曲に関する特徴量と印象量との組を記述した補正テーブルを格納するためのものである。写像関数格納部は、基準テーブルおよび補正テーブルに基づいて導出される写像関数を格納する。変更受付部は、写像関数の変更入力として、楽曲データ格納部に格納されている楽曲に対する印象量の入力をユーザから受け付ける。更新部は、変更受付部によって変更入力が受け付けられた場合、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との組を補正テーブルに加え、当該印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する。検索部は、楽曲データの検索命令として印象量の入力をユーザから受け付け、受け付けた印象量と更新部によって更新された写像関数とを用いて、楽曲データ格納部に格納されている楽曲データの検索を行う。
また、印象量は、複数次元のベクトルである第1印象値、または当該第1印象値よりも低い次元のベクトルである第2印象値として表現されるものであってもよい。このとき、写像関数は、特徴量を第2印象値に変換する。基準テーブルおよび補正テーブルは、印象量として第2印象値を記述する。変更受付部は、印象量として第1印象値の入力を受け付けるとともに、受け付けた第1印象値を第2印象値に変換する。更新部は、変更受付部によって変換された第2印象値と当該第2印象値に対応する楽曲の特徴量との対応を補正テーブルに加える。
また、検索部は、検索用データ生成部と、第2印象値受付部とを含んでいてもよい。この場合、検索用データ生成部は、楽曲データ格納部に格納されている各楽曲について、更新部によって更新された写像関数を用いて第2印象値を算出し、当該各楽曲と算出された第2印象値とを対応付けた検索用データを生成する。第2印象値受付部は、印象量として第2印象値の入力を受け付け、受け付けた第2印象値と検索用データとを用いて検索を行う。
また、検索部は、検索用データ生成部と、第1印象値受付部とを含んでいてもよい。この場合、検索用データ生成部は、楽曲データ格納部に格納されている各楽曲について、更新部によって更新された写像関数を用いて第2印象値を算出するとともに、算出された第2印象値を第1印象値に変換し、当該各楽曲と変換された第1印象値とを対応付けた検索用データを生成する。第1印象値受付部は、印象量として第1印象値の入力を受け付け、受け付けた第1印象値と検索用データとを用いて検索を行う。
また、基準テーブルには、複数のサンプル用楽曲に関して、特徴量と印象量とに加えて評価曲重みがさらに対応付けて記述されていてもよい。このとき、更新部は、印象量更新部と、写像関数更新部と、評価曲重み更新部とを含む。印象量更新部は、変更受付部によって変更入力が受け付けられた場合、受け付けられた印象量と所定量の評価曲重みと当該印象量に対応する楽曲の特徴量との対応を補正テーブルに加える。写像関数更新部は、印象量更新部によって印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する。評価曲重み更新部は、基準テーブルに含まれている評価曲重みを更新する。
また、基準テーブル格納部には、複数種類の基準テーブルが評価データとして格納されるとともに、各当該評価データについて評価データ重みが対応付けられていてもよい。このとき更新部は、印象量更新部と、写像関数更新部と、評価データ重み更新部とを含む。印象量更新部は、変更受付部によって変更入力が受け付けられた場合、各基準テーブルと評価データ重みに基づいて単一の基準テーブルを導出し、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との対応を当該単一の基準テーブルに加える。写像関数更新部は、印象量更新部によって印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する。評価データ重み更新部は、基準テーブル格納部に格納されている評価データ重みを更新する。
また、音楽検索装置は、楽曲データ格納部に格納されている楽曲のデータから1つを選択するための選択入力を受け付ける選択入力受付部と、選択入力受付部によって選択入力が受け付けられた場合、当該選択入力により示される楽曲を再生する再生部とをさらに備えていてもよい。このとき、変更受付部は、再生部によって再生されている楽曲に対する印象量の入力をユーザから受け付ける。
また、音楽検索装置は、印象量提示部をさらに備えていてもよい。印象量提示部は、選択入力受付部によって選択入力が受け付けられた場合、当該選択入力により示される楽曲について、楽曲データ格納部に格納されている特徴量から写像関数を用いて導出される印象量をユーザに対して提示する。
また、音楽検索装置は、プリセットテーブル格納部と、プリセット語提示部とをさらに備えていてもよい。プリセットテーブル格納部は、楽曲に対する聴者の印象を表すプリセット語と当該楽曲の印象量とを対応付けたプリセットテーブルを格納する。プリセット語提示部は、選択入力受付部によって選択入力が受け付けられた場合、プリセットテーブルに含まれているプリセット語の内、印象量提示部によって提示される印象量に最も近い印象量と対応付けられているプリセット語をユーザに対して提示する。
また、音楽検索装置は、プリセット語表示部と、プリセット語受付部と、印象量変換部とをさらに備えていてもよい。プリセット語表示部は、プリセットテーブルに格納されているプリセット語を少なくとも1つ表示する。プリセット語受付部は、プリセット語表示部によって表示されているプリセット語から1つを選択する入力をユーザから受け付ける。印象量変換部は、プリセット語受付部によって受け付けられたプリセット語をプリセットテーブルを用いて印象量に変換する。このとき、変更受付部は、印象量変換部によって変換された印象量を写像関数の変更入力として受け付ける。
また、プリセットテーブルに含まれる印象量の値はユーザによって変更可能であってもよい。
また、楽曲データ格納部に格納されている特徴量には、楽曲のテンポを示す数値が含まれていてもよい。このとき、音楽検索装置は、テンポ受付部と、テンポ変更部とをさらに備えている。テンポ受付部は、楽曲データ格納部に格納されている楽曲に関するテンポの値の入力をユーザから受け付ける。テンポ変更部は、変更受付部によって受け付けられたテンポの値に基づいて、楽曲データ格納部に格納されているテンポの値を変更する。
また、テンポ変更部は、変更前における楽曲データ格納部に格納されているテンポの値と、当該テンポの値の2倍の値と、当該テンポの値の半分の値とのうち、変更受付部によって受け付けられたテンポの値と最も近い値を変更後の値としてもよい。
また、本発明は、上述した音楽検索装置において行われる音楽検索方法として提供されてもよい。さらに、本発明は、当該音楽検索方法をコンピュータに実行させるためのプログラムまたは当該プログラムを記録した記録媒体として提供されてもよい。
本発明によれば、ユーザが楽曲に対する印象量を入力することによって、写像関数がユーザ自身のイメージが反映された写像関数に変更される。すなわち、印象量の入力前における写像関数導出データに含まれる印象量と特徴量との対応に加えて、ユーザ自身が入力した印象量とそれに対応する特徴量との対応に基づいて写像関数が新たに導出される。このように導出された写像関数は、よりユーザ自身の感性を反映した写像関数と言えるので、このような写像関数を用いて検索を行うことによって、音楽検索装置は、ユーザのイメージに合った検索結果を得ることができる。
また、印象量は、第1印象値または第2印象値として表現される場合には、次の効果を得ることができる。すなわち、写像関数は、特徴量と次数の低い第2印象値とを相互に変換するものであるので、このような写像関数の方が、特徴量と次数の高い第1印象値とを相互に変換する写像関数を導出するよりも容易に導出することができる。
また、検索部が検索用データ生成部と第2印象値受付部とを含んでいる場合には、ユーザは、相対的に次数の低い第2印象値を用いて変更入力を行うことができるので、変更入力を容易に行うことができる。
また、検索部が検索用データ生成部と第1印象値受付部とを含んでいる場合には、ユーザは、相対的に次数の高い第1印象値を用いて変更入力を行うことができるので、変更入力においてより細やかな設定を行うことができる。
また、基準テーブルには評価曲重みがさらに対応付けて記述されている場合には、次のような効果を得ることができる。すなわち、この場合、ユーザが印象量の入力を行うと、当該入力に対応する楽曲以外の楽曲(サンプル用楽曲を含む)に関する評価曲重みが変更される。そして、写像関数の導出には評価曲重みが考慮される。このように、評価曲重みを用いて写像関数を導出することによって、ユーザの感性をより正確に反映した写像関数となるように写像関数を更新することができる。例えば、ユーザが入力した印象量と近い印象量が設定されている楽曲の評価曲重みを小さくする(すなわち、写像関数を導出する際における影響を小さくする)ように評価曲重みを変更する。これによって、ユーザの感性とは異なる感性を表すデータ(印象量と特徴量の対応を示すデータ)が、写像関数の導出の際に与える影響を小さくすることができる。つまり、ユーザの感性をより正確に反映した写像関数となるように写像関数を更新することができる。
また、複数種類の基準テーブルが評価データとして基準テーブル格納部に格納されるとともに、各当該評価データについて評価データ重みが対応付けられている場合には、次のような効果を得ることができる。すなわち、この場合には、複数の評価用データおよびそれに対応付けられた評価データ重みが予め用意されており、これらに基づいて単一の基準テーブルが生成される。さらに、生成された単一の基準テーブルに基づいて写像関数が導出される。すなわち、単一の基準テーブルは評価データ重みに応じて変化するので、写像関数も評価データ重みに応じて変化する。従って、ユーザが印象量の入力を行った場合に評価データ重みを変更することによって、ユーザの感性をより正確に反映した写像関数となるように写像関数を更新することができる。例えば、ユーザが入力した印象量とそれに対応する特徴量との組と近い値の組が設定されている基準テーブルの評価データ重みを大きくする。これによって、単一の基準テーブルは、ユーザの感性に近い感性を表す基準テーブルとなる。従って、ユーザの感性をより正確に反映した写像関数となるように写像関数を更新することができる。
また、音楽検索装置が選択入力受付部と再生部とをさらに備えている場合には、ユーザが印象値を入力しようとする楽曲が再生されるので、ユーザは、当該楽曲を実際に聴きながら印象値を入力することができる。従って、ユーザは、自己の感性を正確に反映した印象値を入力することができる。
また、音楽検索装置が印象量提示部をさらに備えている場合には、更新前の写像関数を用いて、ユーザが印象値を入力しようとする楽曲の印象量がユーザに対して提示される。従って、ユーザは、提示された印象量を、印象値の入力における判断の基準とすることができるので、自己の感性を正確に反映した印象値を容易に入力することができる。
また、音楽検索装置がプリセットテーブル格納部とプリセット語提示部とをさらに備えている場合には、ユーザが印象値を入力しようとする楽曲の印象量がプリセット語としてユーザに対して提示される。従って、ユーザは、提示されたプリセット語を、印象値の入力における判断の基準とすることができるので、複数項目からなる印象値を入力する操作を容易に行うことができる。
また、音楽検索装置がプリセット語表示部とプリセット語受付部と印象量変換部とをさらに備えている場合には、ユーザは、プリセット語を選択することによって印象量を入力することができる。すなわち、ユーザは、印象量の各項目を各々設定する必要はなく、印象量を簡単な操作で容易に入力することができる。
また、プリセットテーブルに含まれる印象量の値がユーザによって変更可能である場合には、ユーザは、プリセット語に対する印象量を自由に設定できる。従って、ユーザは、自己の感性を反映したプリセット語をプリセットテーブルにおいて設定することができる。
また、音楽検索装置がテンポ受付部とテンポ変更部とをさらに備えている場合には、以下のような効果を得ることができる。ここで、テンポの値は、予め算出されているが、実際の楽曲のテンポとは異なる値(つまり、誤ったテンポの値)が算出されることがある。従って、上記の場合には、ユーザは、楽曲データ格納部に格納されている楽曲のテンポを示す値を変更することによって、テンポの値を正しい値に修正することができる。このように特徴量を正しい値に修正することによって、楽曲の検索をより正確に行うことができる。
また、テンポ変更部は、変更前における楽曲データ格納部に格納されているテンポの値と、当該テンポの値の2倍の値と、当該テンポの値の半分の値とのうち、変更受付部によって受け付けられたテンポの値と最も近い値を変更後の値とする場合には、次のような効果を得ることができる。すなわち、テンポの値は、ユーザの入力したテンポに基づいて、元のテンポの半分の値、元のテンポの値(そのまま)、または元のテンポの倍の値に修正される。ここで、テンポの値が誤って検出される場合、誤った値は、実際のテンポの値の倍の値や半分の値となる。また、人間は、音楽を聴いたとき、その楽曲のテンポが正確に分からなくても、テンポが「速い」か、「普通」か、「遅い」かといった大まかな判断については容易に行うことができる。従って、上記によれば、ユーザに大まかなテンポを入力させることで、誤って検出されたテンポの値を正確に修正することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る音楽検索装置の機能的な構成を示すブロック図である。図1において、音楽検索装置は、楽曲データベース1と、写像関数格納部2と、基準テーブル格納部3と、検索処理部4と、更新処理部5と、音楽再生部6と、入力部7と、表示部8とを備える。本音楽検索装置では、印象量を用いて楽曲の検索を行う。ここで、印象量とは、楽曲に対する聴者の印象を数量化したものである。
楽曲データベース1には、楽曲のデータ、楽曲に関連する情報、および特徴量等が含まれる。特徴量とは、楽曲の特徴を数量化したものである。特徴量は、例えば曲のテンポやビート等、楽曲の音楽的な特徴を表す量であり、通常複数項目の組み合わせになる。つまり、特徴量は、通常は複数次元のベクトルであるが、1次元であってもかまわない。なお、楽曲データベース1の詳細は、図4に示されている。
基準テーブル格納部3は、特徴量と印象量との組が記述された基準テーブルを格納する。基準テーブルは、音楽検索装置の製作者側で予め用意される。つまり、基準テーブルは、デフォルトの状態で音楽検索装置において用意されている。基準テーブルにおける特徴量と印象量との組は、製作者側で複数の楽曲について評価を行うことによって求められる。
写像関数格納部2は、写像関数を格納する。写像関数は、特徴量と印象量とを相互に変換するものであり、楽曲データベース1に格納されている楽曲を検索するために用いられる。写像関数は、上記基準テーブルおよび補正テーブルに基づいて導出される。補正テーブルとは、楽曲データベース1に格納されている楽曲に関して特徴量と印象量との組が記述されるテーブルである。補正テーブルは、ユーザによる写像関数の変更入力(後述する)によって作成され、デフォルトの状態では、補正テーブルは存在しない。本発明は、写像関数の変更入力があると、基準テーブルに加えて補正テーブルを用いて写像関数を新たに導出することによって、写像関数を更新する。本発明は、このような写像関数の更新によって、ユーザの感性に合った写像関数を生成するものである。なお、実施の形態1においては、補正テーブルは楽曲データベース1の一部として実現される。また、デフォルトの写像関数は、基準テーブルのみに基づいて導出される。
更新処理部5は、写像関数の更新等の処理を行う。具体的には、更新処理部5は、ユーザから写像関数の変更入力として、楽曲データベース1に格納されている楽曲に対する印象量の入力を受け付ける。更新処理部5は、受け付けた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との組を補正テーブルに加える。この補正テーブルと上記基準テーブルを用いて新たな写像関数が導出されることによって、写像関数格納部2の写像関数は、ユーザの感性を反映した写像関数に更新されたことになる。
検索処理部4は、楽曲データベース1に格納されている楽曲の検索処理を行う。具体的には、楽曲データの検索命令として印象量の入力をユーザから受け付ける。そして、受け付けた印象量と検索用データとを用いて、楽曲データベース1に格納されている楽曲データの検索を行う。ここで、検索用データとは、楽曲データベース1に格納されているすべての楽曲について印象値を計算したデータである。検索用データの詳細は、図6に示されている。
音楽再生部6は、楽曲データベース1に格納されている楽曲のデータを読み込み、楽曲を再生する。入力部7は、上述した写像関数の変更入力や、楽曲データの検索命令の入力をユーザから受け付ける。表示部8は、写像関数の変更入力や楽曲データの検索命令の入力を容易にするために、各種情報を表示する(図7および図8参照。)。
以下、音楽検索装置の動作を説明する。なお、実施の形態1では、印象量として、第1印象値および第2印象値の2種類が用いられる。具体的には、第1印象値は、5次元のベクトル値であり、「激しさ」、「爽快さ」等の5つの項目について聴者の楽曲に対する印象を数値化したものである。一方、第2印象値は、2次元のベクトル値であり、後述する主成分分析によって第1印象値を低次元化したものである。
図2は、実施の形態1に係る音楽検索装置の処理の流れを示すフローチャートである。まず、ステップS1において、検索準備処理が行われる。検索準備処理は、ステップS2およびS3で行われる楽曲の検索処理に必要となる準備を行う処理である。検索準備処理においては、楽曲データベース1に格納されているデータおよび基準テーブルから、楽曲の検索処理に必要となるデータが作成される。そこで、検索準備処理を説明する前に、楽曲データベース1に格納されているデータおよび基準テーブルの具体的な構成を説明する。
図3は、基準テーブル格納部3に格納されている基準テーブルの構成の一例を示す図である。実施の形態1では、基準テーブルには、評価曲番号定義テーブルと、第1印象値定義テーブルとが含まれる。図3(a)は、評価曲番号定義テーブルの構成の一例を示す図である。図3(a)に示すように、評価曲番号定義テーブルには、各評価曲番号について、その特徴量と評価曲重みが対応付けて記述されている。評価曲番号は、楽曲を識別するための番号であり、ある特定の楽曲を示す番号である。つまり、評価曲番号定義テーブルは、評価曲番号により示される楽曲と当該楽曲の特徴量(予め導出されている)とを対応付ける。また、評価曲重みとは、評価曲番号により示される楽曲に関する評価(特徴量と第1印象値との対応)を、写像関数の作成においてどの程度反映させるかを表す値である。この値は、初期値として1.0が与えられ、更新処理部5によって更新される。
なお、基準テーブルの内容は、音楽検索装置の制作者側で予め設定されるものである。評価曲番号は特定の楽曲を示しているが、評価曲番号により示される楽曲の音楽データや当該楽曲に関連するデータが音楽検索装置に格納されている必要はない。つまり、基準テーブルは、評価曲番号により示される楽曲に関する特徴量と印象量との対応を表すものであればよく、評価曲番号により示される楽曲の音楽データを含んでいる必要はない。ここでは、評価曲番号により示される楽曲(楽曲の音楽データが音楽検索装置に格納されていない)と楽曲データベース1に格納されている楽曲(楽曲の音楽データが音楽検索装置に格納されている)とを区別する目的で、評価曲番号により示される楽曲をサンプル用楽曲と呼ぶ。
図3(b)は、第1印象値定義テーブルの構成の一例を示す図である。第1印象値定義テーブルには、評価者人数(n人:nは自然数)分の評価データが格納されている。各評価データには、評価者を識別するための評価者番号と、各評価者の評価データ重みと、各評価曲番号に対応する第1印象値とが対応付けて格納されている。評価データは、各評価曲番号により示される楽曲に対して評価者が設定した第1印象値を示すものである。例えば、図3(b)において上側に示される評価データは、評価者番号が1である評価者は、評価曲番号が1である楽曲について、激しさを“4”、爽快さを“3”と設定したことを示す。評価データ重みは、写像関数の作成において評価者の第1印象値をどの程度反映させるかを示す値である。この値は、初期値として1.0が与えられ、更新処理部5によって更新される。
また、実施の形態1では、第1印象値は、各項目について最大値7、最小値1をとるものとする。例えば、第1印象値に「激しさ」という項目がある場合、最も激しいことを示す数値が“7”であり、逆に最も穏やかであることを示す数値が“1”である。また、第1印象値に「爽快さ」という項目がある場合、最も爽快であることを示す数値が“7”であり、逆に全く爽快でないことを示す数値が“1”である。このように、第1印象値は、「激しい」および「穏やかな」や、「爽快な」および「爽快でない」といった、対称となる評価語の組み合わせによって表される。評価曲番号により示される各楽曲の第1印象値は、例えば「激しさ=4.5、爽快さ=2.7」のように表現され、実施の形態1では5つの項目の組み合わせによって表される。
なお、基準テーブルの内容は、適宜追加、削除が可能であり、評価する曲数または評価者数を追加、削除するようにしてもよい。
図4は、楽曲データベース1の構成の一例を示す図である。楽曲データベース1には、楽曲番号により示される各楽曲について、楽曲の音楽データ、関連情報、特徴量、評価フラグ、第1印象値、および評価曲重みが対応付けられて格納されている。音楽データは、楽曲のデータであり、例えば、楽曲のリニアPCMによる波形データやAACなどの圧縮されたデータである。関連情報とは、曲のタイトル、アーティスト名、アルバムタイトル、作詞者、作曲者、編曲者、およびジャンル等を示す情報である。評価フラグとは、ユーザがその楽曲に対する第1印象値を過去に入力したことがあるかどうかを判定するフラグである。すなわち、評価フラグが起きている(フラグが“1”に設定されている)ことは、ユーザによって入力された第1印象値が既に楽曲データベース1に格納されていることを示す。一方、評価フラグが寝ている(フラグが“0”に設定されている)ことは、第1印象値がブランクであり、さらに評価重みが0であることを示す。また、上述した補正テーブルは、楽曲データベース1に含まれているデータのうち、特徴量と第1印象値との組の部分を指す。
なお、楽曲データベース1の内容は適宜追加、削除が可能である。実施の形態1においては、音楽検索装置に楽曲が追加される場合、曲番号が自動的に割り当てられ、楽曲の特徴量は音楽データを登録することによって自動的に計算される。この場合、第1印象値は空白とされ、評価フラグは寝た状態に設定され、評価曲重みは初期値“0”に設定される。
以下、検索準備処理について説明する。図5は、図2のステップS1の詳細な処理を示すフローチャートである。まず、ステップS11において、更新処理部5は、写像関数を生成するための写像関数生成データを作成する。ここで、写像関数生成データとは、上述した基準テーブルおよび補正テーブルに含まれる、特徴量と第1印象値との組を示すデータである。
ステップS11において、まず、更新処理部5は、基準テーブルの第1印象値定義テーブルに含まれるn個の各評価データに記述されている第1印象値を1つのベクトル値にまとめる。具体的には、同じ評価曲番号に対応付けられているn個の第1印象値が1つにまとめられる。実施の形態1においては、評価データ重みに従って重みをかけて各項目の値を計算するが、各項目について単純に平均をとってもかまわない。評価曲番号毎に第1印象値を1つのベクトル値にまとめる処理は、すべての評価曲番号について行われる。この処理によって、各評価曲番号についての第1印象値(まとめられたベクトル値)が得られる。このようにして得られた第1印象値は、対応する特徴量および評価曲重み(評価曲番号定義テーブルに記述されている)とともに、写像関数生成データとして登録される。次に、楽曲データベース1中の楽曲のうち、評価フラグが起きている楽曲、すなわち、ユーザが既に評価を行った楽曲についての第1印象値、特徴量および評価重みを写像関数生成データに追加して登録する。つまり、楽曲データベース1の内容のうち、補正テーブルに該当する部分が写像関数生成データに追加される。
図6は、写像関数生成データの構成の一例を示す図である。図6のように、写像関数生成データは、特徴量と第1印象値と評価曲重みとを対応付けて格納する。なお、このとき、写像関数生成データには、楽曲毎に写像関数データ番号が付与される。
ステップS12において、更新処理部5は、写像関数生成データの第1印象値について主成分分析を行う。つまり、主成分分析を用いた第1印象値から第2印象値への変換が行われる。主成分分析を行う最適な次元数は、第1印象値の項目の種類、数等によって変動するが、ここでは2次元とする。つまり、ステップS12では、主成分分析を行うことによって、第1印象値を第2印象値に変換する関数(印象値変換関数)が求まる。さらに、写像関数生成データに含まれる5次元の第1印象値が印象値変換関数によって2次元の第2印象値に変換される。ここで、ステップS12において算出される第2印象値を写像用印象値と呼ぶ。主成分分析によって、楽曲のイメージを示す印象量が低次元のベクトル値に集約され、検索するための計算を簡略化することができる。なお、ステップS12において、写像関数生成データのデータ数が大きい場合、評価重みが大きいものから順に所定数のデータを抽出する等してデータ数を抑えてもよい。
ステップS13において、更新処理部5は、写像関数格納部2に格納される写像関数を更新する。具体的には、写像関数生成データの特徴量と、ステップS12において計算された写像用印象値(第2印象値)とに基づいて写像関数を作成する。新たに作成された写像関数は、写像関数格納部2に格納される。なお、写像関数を作成する手法としては、重回帰分析やニューラルネットワーク等がある。このとき、ニューラルネットワークのバックプロパゲーションにおいて各楽曲の誤差を計算する際に楽曲の評価曲重みを係数として乗算することによって、より重要なデータに即したネットワークを作成することも可能である。
ステップS14において、更新処理部5は、楽曲データベース1に登録されているすべての曲について、ステップS13で求めた写像関数に特徴量を代入することによって各楽曲の第2印象値を計算する。続くステップS15において、更新処理部5は、楽曲データベース1に登録されている楽曲のうちの評価フラグが寝ている楽曲について第1印象値を推定する。つまり、楽曲データベース1に登録されている楽曲のうちの第1印象値が設定されていない楽曲について、ステップS14において計算された第2印象値から第1印象値が算出される。具体的には、第1印象値を推定すべき楽曲の第2印象値との距離が近い第2印象値を有する楽曲を1つないし複数選択する。そして、選択された楽曲の第1印象値の平均値を、第1印象値を推定すべき楽曲の第1印象値とする。このとき、第2印象値の距離に応じて重みをかけて第1印象値を計算してもよい。ここで、推定された第1印象値を推定第1印象値と呼ぶ。なお、ステップS15において、更新処理部5は、推定第1印象値を楽曲データベース1に登録する。このとき、推定第1印象値が登録される楽曲の評価フラグは寝かせたままにしておく。以上のステップS14およびS15によって、楽曲データベース1に格納されているすべての楽曲について、第2印象値が算出される。なお、楽曲データベース1に格納されている楽曲とその第2印象値とを含むデータを検索用データと呼ぶ。ステップS14およびS15によって作成された検索用データを用いて、ステップS2および3の検索処理が行われる。以上のステップS11〜S15によって、検索準備処理が終了する。
図2の説明に戻り、ステップS2およびS3において、楽曲の検索および再生が行われる。ここで検索の対象となるのは、楽曲データベース1に格納されている楽曲である。なお、ステップS2で行われる検索は、ユーザが写像関数の変更入力(後述するステップS4)を行うための検索である。つまり、ステップS2において、ユーザは、写像関数の変更入力を行いたい楽曲を検索するために要件を入力する。この入力に応じて音楽検索装置は楽曲の検索を行う。そして、ステップS3において、検索結果として得られた楽曲に関する情報(印象量等)がユーザに提示される。なお、ユーザが再生したい楽曲を検索する場合もステップS2と同様の検索処理を行えばよい。以下、ステップS2およびS3の詳細を説明する。
ステップS2において、検索処理部4は、楽曲の検索処理を行う。すなわち、検索処理部4は、ユーザが印象量を入力したい楽曲を選択するための入力を受け付ける。具体的には、まず、検索処理部4は、表示部8に検索用画面を表示させる。
図7は、検索用画面の一例を示す図である。図7に示すように、実施の形態1では、検索用画面には、第1印象値表示81と、テキスト表示82と、第2印象値表示83と、検索結果表示84とが含まれる。ユーザは、第1印象値表示81、テキスト表示82、および第2印象値表示83のいずれかを用いて検索の要件を入力する。
第1印象値表示81では、第1印象値の5項目のそれぞれについて、ゲージ811と数値設定用つまみ812と検索ボタン813とが表示される。数値設定用つまみ812は、図面の上側に位置するほど値が大きいことを示す。つまり、数値設定用つまみ812がゲージ811の最も上に位置する場合、数値は最大の“7”であり、数値設定用つまみ812がゲージ811の最も下に位置する場合、数値は最小の“1”である。ユーザは、第1印象値の5項目のそれぞれについて、ゲージ811上の数値設定用つまみ812を動かすことによって、第1印象値を入力する。例えば「激しさ」が“5”、「爽快さ」が“2”であるような楽曲を検索したい場合、ユーザは、各項目の数値設定用つまみ812を希望の数値となるように動かす。例えば、数値設定用つまみ812は、入力部7の一例であるマウスで当該数値設定用つまみ812をドラッグすることで動かすことができる。ユーザは、数値設定用つまみ812を動かすことによって、検索したい楽曲の第1印象値を設定する。検索したい楽曲の第1印象値がユーザによって設定された後、ユーザが検索ボタン813を押すことによって、設定された第1印象値を用いて検索が行われる。なお、ここでは、画面に表示されているボタンを押す操作は、例えばマウスのカーソルで当該ボタンを指定する操作をいう。
検索の際には、検索処理部4は、設定された第1印象値を、ステップS12において求めた変換関数によって第2印象値に変換する。ここで得られる第2印象値を検索用印象値と呼ぶ。さらに、検索処理部4は、ステップS14およびS15において作成された検索用データ(楽曲データベース1に格納されている楽曲と第2印象値との組を示す)を用いて検索を行う。具体的には、検索用印象値に近い第2印象値を持つ楽曲が検索結果として得られる。検索結果は、検索結果表示84に表示される。具体的には、検索結果の楽曲の関連情報(楽曲データベース1に格納されている)の一部または全部が検索結果表示84に表示される。なお、検索結果としては、検索用印象値に最も近い第2印象値を持つ楽曲のみが表示されてもよいし、検索用印象値に第2印象値が近いもの順に複数の楽曲が表示されてもよい。
テキスト表示82では、楽曲のタイトルやアーティスト名が表示される。ユーザは、変更入力を行いたい楽曲を、表示されたタイトルやアーティスト名によって指定し、検索ボタン821を押す。これによって、所望のタイトルやアーティスト名の楽曲が指定される。検索結果は、検索結果表示84に表示される。なお、他の実施形態においては、指定された楽曲に加えて、当該楽曲に印象量の近い楽曲を表示してもよい。これによって、ユーザが指定した楽曲とよく似たイメージの類似楽曲を検索することができる。
第2印象値表示83では、ステップS14で計算された各楽曲の第2印象値が表示される。実施の形態1では、第2印象値は2次元データであるので、各楽曲は平面上の1点として表示される。ユーザは、第2印象値表示83において表示されている点を指定して検索ボタン831を押すことによって、指定した点により示される楽曲を指定することができる。指定された楽曲の関連情報は、検索結果表示84に表示される。なお、他の実施形態においては、指定された楽曲に加えて、当該楽曲と印象量の近い楽曲を表示してもよい。
検索結果表示84では、第1印象値表示81、テキスト表示82、または第2印象値表示83を用いて得られた1つないし複数の楽曲の関連情報が表示される。
ステップS2において、検索結果表示84に楽曲の関連情報が表示された後、検索処理部4は、検索結果表示84に表示される楽曲の中から1つを選択する入力をユーザから入力部7を介して受け付ける。つまり、ユーザは、検索結果表示84に表示される楽曲の中から所望の楽曲を選択し、再生ボタン841を押すことによって再生する楽曲(変更入力を行う楽曲)を決定する。
なお、PCに接続されたマウスやタッチパネルディスプレイ等で入力部7が実現されている場合、図7に示す検索用画面において、マウスやタッチパネルを利用して、シングルクリックで選択・視聴、ダブルクリックで選曲という処理を行わせてもよい。
以上のように、実施の形態1では、印象量を用いた楽曲検索や、楽曲の関連情報を用いた楽曲の指定によって、印象量を変更する楽曲が指定された。音楽検索装置は、さらに、楽曲の関連情報(曲名やアーティスト名)を用いた楽曲検索によって、印象量を変更する楽曲を指定できるようにしてもよい。また、ここでは、印象量を変更する楽曲を指定するために、印象値を用いた楽曲の検索を行ったが、再生する楽曲を指定するために行う楽曲検索についても、上記と同様の方法で検索処理を行えばよい。
次に、ステップS3において、更新処理部5は、ステップS2における検索の結果得られた楽曲を音楽再生部6で再生させる。具体的には、音楽再生部6は、当該楽曲のデータを楽曲データベース1から獲得して再生する。続くステップS4において、更新処理部5は、変更入力用画面を表示するとともに、変更入力を受け付ける。具体的には、更新処理部5は、まず、表示部8に表示される画面を、検索用画面から変更入力用画面に変更させる。
図8は、変更入力用画面の一例を示す図である。図8に示すように、変更入力用画面には、第1印象値変更用表示85およびテンポ変更用表示86が表示される。第1印象値変更用表示85は、検索ボタン813がない点を除いて、上述の第1印象値表示81と同様の表示である。ユーザが変更入力を行う前の時点では、第1印象値の各項目の数値設定用つまみ852は、その時点で楽曲データベース1に格納されている第1印象値を示す位置に表示される。このような表示状態において、ユーザは、表示されている第1印象値を修正する入力を変更入力として行う。具体的には、ユーザは、現在再生中の楽曲を聴いた自分のイメージに合った値に修正されるように、第1印象値を入力する。なお、図8において第1印象値を入力する方法は、上述の第1印象値表示81の場合と同様である。ユーザによる変更入力は、更新処理部5によって受け付けられる。すなわち、更新処理部5は、第1印象値の入力を入力部7を介して受け付ける。ユーザは、初めに表示された位置を基準として変更入力を行えばよいので、入力する数値の大きさの判断を容易に行うことができる。
テンポ変更用表示86では、再生されている楽曲のテンポが表示される。なお、実施の形態1では、特徴量の1項目としてテンポが含まれているものとする。テンポを示す数値は、ゲージ861上における数値設定用つまみ862の位置によって示される。より具体的には、テンポは、ゲージ861上における数値設定用つまみ862の位置によって示される。また、ゲージ861には、遅い(BPM(Beat Per Minute):60)、普通(BPM:120)、および速い(BPM:180)という目盛りが表示されている。つまり、数値設定用つまみ862の位置が左に行くほどテンポの値が小さく、右に行くほどテンポの値が大きいことを示す。なお、現時点(修正前)のBPMの値が60より小さい場合は60の位置に、180より大きい場合は180の位置に補正して表示することにする。
図8に示す表示状態において、ユーザは、表示されているテンポの値を、現在再生中の楽曲を聴いて感じた値に修正されるように入力する。例えば、数値設定用つまみ862は、入力部7の一例であるマウスで当該数値設定用つまみ862をドラッグすることで動かすことができる。更新処理部5は、テンポの変更入力を受け付ける。テンポの入力は、入力部7を用いて数値設定用つまみ862を動かすことによって行われる。第1印象値を入力する場合と同様、ユーザは、初めに表示された位置を基準として変更入力を行えばよいので、入力する数値の大きさの判断を容易に行うことができる。
以上のように、変更入力用画面が表示されている状態において、更新処理部5は、写像関数およびテンポの変更入力を受け付ける。ここで、第1印象値に加えてテンポの値を修正する理由を以下に説明する。
楽曲の特徴量の1項目であるテンポは、楽曲のイメージ検索を行う上で非常に重要な要因となっており、特に音楽の「激しさ」「躍動感」等の印象と相関が高い。ここで、楽曲のテンポをプログラムにより自動検出しようとすると、実際のテンポの倍または半分に誤検出してしまう可能性がある。このような誤検出の結果、実際はテンポが遅い曲が速いテンポと誤検出され、「激しい」曲と判断されてしまう場合や、またその逆の場合がある。さらに、テンポが誤検出された楽曲のデータが存在すると、その楽曲の検索にも影響する。さらに、誤検出されたテンポの値を特徴量として用いて作成される写像関数も誤ったものになるので、全検索結果に対して悪影響が及ぶ。従って、実施の形態1では、ユーザにテンポを修正する機会を与えることによって、正しいテンポの値を得るようにするのである。
ここで、プログラムによるテンポの自動抽出では誤検出がある一方で、人間は、楽曲を聴いたとき、その楽曲のテンポを大まかに判断することができる。つまり、人間は、その楽曲のテンポが正確に分からなくても、テンポが「速い」か、「普通」か、「遅い」かといった大まかな判断については間違いなく行うことができる。ここで、プログラムによってテンポが誤検出される場合、正しい値は、元のテンポの半分の値か、元のテンポの倍の値のいずれかである。従って、たとえユーザがテンポを大まかにしか判断できなくとも、音楽検索装置は、プログラムによって検出されたテンポが正しいか、速すぎるか、または遅すぎるかをユーザに選択させることによって、正しい値を得ることができるのである。
具体的には、図8において、ユーザは、実際に楽曲を聴いた場合に感じるテンポをゲージ861上で大まかに入力する。修正後のテンポの値は、元のテンポの値、元のテンポの値の半分の値、および元のテンポの値の倍の値のうち、ユーザが入力した値に最も近い値とする。これによって、ユーザが入力する大まかな値から正しい値を得ることができる。なお、テンポの入力は、ゲージ861上の数値設定用つまみ862を動かすだけでなく、画面に表示される、「遅い」「普通」「速い」を表すボタンを押すことによって行われてもよい。また、以上の説明ではテンポを遅い、普通、および速いという3段階に分ける数値を、BPM:60、120、180としたが、他の設定でも構わない。
図2の説明に戻り、ステップS5において、更新処理部5は、第1印象値およびテンポの修正が確定されたか否かを判定する。この判定は、変更入力用画面に表示されている確定ボタン87が所定時間以内に押されたか否かによって行われる。所定時間以内に確定ボタン87が押された場合は、ステップS6の更新処理が行われる。一方、所定時間以内に確定ボタン87が押されない場合、ステップS2の処理に戻る。なお、実施の形態1では、第1印象値およびテンポがともに修正されずに確定ボタンが押された場合であってもステップS6の処理が行われる。ここで、他の実施形態では、第1印象値およびテンポがともに修正されずに確定ボタンが押された場合、ステップS6の処理をスキップしてステップS1の処理を行うようにしてもよい。
図9は、図2に示すステップS6の詳細な処理を示すフローチャートである。ステップS6の更新処理は、更新処理部5によって実行され、ステップS5において行われた修正を楽曲データベース1および基準テーブルに反映させる。まず、ステップS61では、ステップS5において第1印象値が修正されたか否かを判定する。修正されていない場合、ステップS65の処理が行われ、修正された場合、ステップS62の処理が行われる。
ステップS62において、更新処理部5は、補正テーブルにおける第1印象値を更新する。具体的には、更新処理部5は、変更入力に係る楽曲について、楽曲データベース1に含まれる評価フラグを起こすとともに、当該楽曲について評価曲重みを初期化する。ここで、評価曲重みの初期値は、基準テーブルにおける評価曲重みの初期値と比べて大きい値である“2.0”が設定される。これは、基準テーブルのサンプル用楽曲に比べて、ユーザが自ら印象量を入力した楽曲に対する重要度は高いことが理由である。さらに、更新処理部5は、変更入力に係る楽曲について、ステップS5において入力された第1印象値を楽曲データベース1に書き込む。なお、当該楽曲について第1印象値が楽曲データベース1にすでに格納されている場合、更新処理部5は、格納されている第1印象値をステップS5において入力された第1印象値に更新する。これによって、補正テーブルに新たな組(特徴量と印象量との組)が追加されたこととなる。
ステップS63において、更新処理部5は、基準テーブルおよび補正テーブルの中から変更入力に係る楽曲と似ている楽曲を選択し、当該似ている楽曲の評価曲重みを変更する。具体的には、当該似ている楽曲の評価曲重みを減少させる。なお、「変更入力に係る楽曲と似ている」か否かの判断は、第1印象値の距離が近い楽曲を似ていると判断することによって行われる。なお、この判断は、第1印象値に代えて第2印象値によって行われてもよい。実施の形態1では、第1印象値の距離が近い5曲に対して、評価重みを0.2減算することにする。これによって、写像関数を作成する際に、ユーザが入力したデータ(ステップS5において入力した第1印象値とそれに対応する特徴量との組)と似ているデータは、以後の写像関数の作成において与える影響が小さくなる。また、写像関数生成データを作成する楽曲が評価曲重みが大きいものから順番に選択される場合には、写像関数を作成する際に第1印象値が似た曲についての学習の重複を回避することができる。
ステップS64において、更新処理部5は、基準テーブルの評価データ重みを更新する。具体的には、更新処理部5は、まず、変更入力に係る楽曲と似ている楽曲を基準テーブルの中から複数選択する。「変更入力に係る楽曲と似ている」か否かの判断は、上記ステップS63の場合と同様である。次に、更新処理部5は、図3(b)に示す評価データについて、選択された複数の楽曲における第1印象値の平均値(平均第1印象値)を計算する。例えば、評価曲番号が“1”である楽曲が選択されている場合、各評価者データに含まれている当該楽曲の第1印象値の平均値が算出される。さらに、更新処理部5は、各評価データについて、変更入力に係る楽曲の第1印象値(ステップS5で入力された値)と平均第1印象値との誤差を計算する。各評価データの評価データ重みは、この誤差に従って更新される。例えば、最も誤差が小さい評価データの評価データ重みは、0.05加算され、最も誤差が大きい評価データの評価データ重みが0.05減算されて更新される。また、誤差の小さい評価データの評価データ重みほど更新値(更新前と更新後の値の差)が大きくなるように、各評価データ重みが更新される。なお、ここでは、評価データ重みの最大値を2.0、最小値を0とする。
ステップS65において、更新処理部5は、ステップS5においてテンポが修正されたか否かを判定する。修正されていない場合、ステップS66の処理が行われ、修正された場合、更新処理を終了する。
ステップS66において、更新処理部5は、変更入力に係る楽曲のテンポ(TT)(楽曲データベース1に格納されている)から、TTの半分のテンポ(HTT)とTTの倍のテンポ(DTT)とを計算する。続くステップS67において、更新処理部5は、TT、HTT、およびDTTの中で、ステップS5において入力されたテンポ(FT)と一番近いものを選択し、正しいテンポ(CT)とする。最後に、ステップS68において、更新処理部5は、楽曲データベース1のテンポをCTに更新する。以上によって、更新処理が終了する。
再び図2の説明に戻り、ステップS6の次に、ステップS1の処理が行われる。ステップS1において、直前のステップS5におけるユーザの入力を考慮した、新たな写像関数が作成される。これによって、その後の検索処理では、ユーザの感性により近い検索が可能となる。
以上で説明した実施の形態1に係る音楽検索装置は、一般的なコンピュータに所定のプログラムを実行させることによって実現することができる。図10は、実施の形態1に係る音楽検索装置をコンピュータによって実現した場合の構成を示すブロック図である。図10において、音楽検索装置であるコンピュータは、CPU、メモリ等によって構成される演算処理部11と、ハードディスク等によって構成される記憶部12と、スピーカ等によって構成される音楽再生部6と、キーボード、マウス等によって構成される入力部7と、ディスプレイ等によって構成される表示部8と、ディスクドライブ装置13とを備える。演算処理部11は、図1に示す検索処理部4および更新処理部5の機能を果たす。また、記憶部12によって、図1に示す楽曲データベース1、写像関数格納部2および基準テーブル格納部3が実現される。ディスクドライブ装置13は、コンピュータを音楽検索装置として機能させるためのプログラムを格納する記録媒体14から、当該プログラムを読み出す。また、上記プログラムを記録する記録媒体としては、フレキシブルディスクや光ディスク等のコンピュータのよって読み取り可能な任意のタイプの記録媒体を使用することができる。当該プログラムを任意のコンピュータにインストールすることにより、そのコンピュータを音楽検索装置として機能させることができる。なお、プログラムは記録媒体によって供給されてもよいし、インターネット等によるデータ配信によって提供されてもよい。また、実施の形態1に係る音楽検索装置における処理(図2に示す処理)は、コンピュータに内蔵または接続されるハードウェアデバイスによって実行される形態であってもよいし、当該処理の少なくとも一部がコンピュータによってソフトウェア上で実行される形態であってもよい。
なお、実施の形態1においては、ユーザによる変更入力がある度に、更新処理(ステップS6)を行ったが、他の実施形態において、音楽検索装置の処理負担を軽減させたい場合、1回の変更入力に対して1回の更新処理を行う必要はない。例えば、数回の変更入力に対して1回の更新処理を行うようにしてもよいし、音楽検索装置の起動時のみに更新処理を行うようにしてもよい。
また、以上の説明においては音楽を検索する装置について説明したが、同じ構成を用いて他のコンテンツを検索することも可能である。例えば、画像データを検索する場合を考えると、特徴量として輝度、色相等を用い、印象量として「明るい⇔暗い」等を用い、音楽再生部6の代わりに画像を表示するディスプレイを用いることにより、ユーザの主観的な評価に応じて画像を検索することが可能である。
また、実施の形態1においては、印象量として2種類の印象値(第1印象値および第2印象値)を用いたが、必ずしも2種類の印象値を用いる必要はない。印象量として、第1印象値および第2印象値のいずれかのみを用いてもよいし、他の次数の印象値を用いてもよい。なお、1種類の印象値のみを用いる場合、上述の変換関数は不要である。
以上のように、本発明に係る音楽検索装置は、特徴量と印象量とを対にした基準テーブルを備え、これを利用して写像関数を導出するので、ユーザが多数の楽曲の評価を事前に行う必要がない。さらに、ユーザは任意のタイミングで楽曲の第1印象値を入力することができ、その入力を反映した写像関数を新たに導出することができる。従って、ユーザの主観的評価に応じた検索を行うことができる音楽検索装置を実現することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係る音楽検索装置について説明する。実施の形態2に係る音楽検索装置は、ユーザが上述の変更入力をより容易に行うためのものである。すなわち、実施の形態2は、変更入力用画面が図8に示すものと異なる。なお、実施の形態2は、変更入力用画面およびそれに関する処理が実施の形態1と異なり、他の構成および処理は実施の形態1と同様である。
図11は、実施の形態2に係る音楽検索装置の機能的な構成を示すブロック図である。図11において、音楽検索装置は、プリセットテーブル格納部9をさらに備える他は図1と同様の構成である。プリセットテーブル格納部9は、プリセットテーブルを格納している。プリセットテーブルは、変更入力用画面の表示処理(図2のステップS4)において更新処理部5によって用いられる。
図12は、実施の形態2において用いられるプリセットテーブルの一例を示す図である。図12のように、プリセットテーブルは、プリセット語と当該楽曲の印象量(第1印象値)とを対応付けたテーブルである。プリセット語とは、例えば「ウキウキ系」や「切ない感じ」といった、楽曲に対する聴者の印象を表す語句である。図12においては、「ウキウキ系」というプリセット語には、激しさが“5”であり、爽快さが“7”であるような第1印象値が対応付けられている。なお、第1印象値は実施の形態1と同様、5次元のベクトル値であるが、図12においては簡単のため、2つの項目(激しさ、および爽快さ)のみを示している。また、以下では、プリセットテーブルにおいて各プリセット語に対して定義されている第1印象値をプリセット印象値と呼ぶ。第2の実施形態においては、ユーザは、このプリセット語を用いて変更入力を行うことができる。
図13は、実施の形態2における変更入力用画面の一例を示す図である。実施の形態2においては、図2に示すステップS4の処理の際に、図8に示す変更入力用画面に代えて図13に示す変更入力用画面が表示される。図13に示す変更入力用画面には、第1印象値変更用表示85およびテンポ変更用表示86に加えて、プリセット語表示88が含まれている。
図13において、プリセット語表示88には、上記プリセットテーブルに含まれているプリセット語を示すプリセット設定用ボタン881が表示されている。図13の例においては、「ウキウキ系」、「切ない感じ」、「癒し系」、および「ポップ系」というプリセット語を示すプリセット設定用ボタン881が表示されている。また、ユーザが変更入力を行う前の時点では、ステップS3の処理によって再生中である楽曲のイメージに最も近いプリセット語のプリセット設定用ボタン881が強調して表示される。具体的には、変更入力用画面を表示する際、更新処理部5は、再生中である楽曲の第1印象値を楽曲データベース1から取得し、取得した第1印象値とプリセットテーブルに含まれている各プリセット印象値との距離を算出する。そして、更新処理部5は、プリセットテーブルに含まれているプリセット語の内、算出された距離が最も小さいプリセット印象値に対応するプリセット語を選択する。このように選択されたプリセット語のプリセット設定用ボタン881が変更入力用画面において強調して表示される。図13の例においては、「ウキウキ系」というプリセット語のプリセット設定用ボタン881が強調して表示されている。
また、図13において、第1印象値変更用表示85およびテンポ変更用表示86は、図8に示すものと同様の表示である。ただし、ユーザが変更入力を行う前の時点では、第1印象値変更用表示85の各数値設定用つまみは、強調して表示されているプリセット設定用ボタン881により示されるプリセット語のプリセット印象値を示すように表示されている。図13の例においては、第1印象値変更用表示85の各数値設定用つまみは、「ウキウキ系」というプリセット語のプリセット印象値を示している。
図13に示すような表示状態において、ユーザは、現在再生中の楽曲を聴き、自分のイメージに合ったプリセット語を選択する。プリセット語の選択は、選択すべきプリセット語を示すプリセット設定用ボタン881を入力部7を用いて押すことによって行われる。このとき、第1印象値変更用表示85の各数値設定用つまみの位置は、ユーザによって選択されたプリセット語のプリセット印象値を示すように変化する。さらに、ユーザは、選択したプリセット語が、再生中の楽曲のイメージに合致すると考えれば、確定ボタン87を押す。確定ボタン87が押されたことに応じて、更新処理部5は、ユーザによって選択されたプリセット語を入力部7を介して受け付ける。変更入力としてプリセット語を受け付けた後、更新処理部5は、受け付けたプリセット語をプリセットテーブルを用いてプリセット印象値に変換する。実施の形態2においては、更新処理部5は、変換されたプリセット印象値を、写像関数の変更入力とする。その結果、ステップS6において、選択されたプリセット語のプリセット印象値を変更入力として更新処理が行われる。以上より、実施の形態2においては、ユーザは、複数項目(ここでは、5項目)の第1印象値を入力する必要がなく、ユーザにとって楽曲の印象をよりイメージしやすいプリセット語を選択するだけで容易に変更入力を行うことができる。
なお、実施の形態2においては、上記プリセットテーブルの内容は、ユーザが変更することが可能である。これによって、ユーザは、プリセット語により示される楽曲のイメージを自分にあったイメージに変更することができる。以下、プリセットテーブルの変更方法の詳細を説明する。
図13に示す表示状態において、ユーザは、プリセット設定用ボタン881を押すことによって、変更したいプリセット語を選択する。これによって、第1印象値変更用表示85の各数値設定用つまみは、ユーザによって選択されたプリセット語のプリセット印象値を示すように表示される。そして、ユーザは、選択されているプリセット語に対するイメージに合った値になるように、第1印象値を修正する(第1印象値変更用表示85の各数値設定用つまみを移動させる)。第1印象値の修正後、ユーザは、プリセット語表示88内の印象値変更ボタン882を押す。更新処理部5は、印象値変更ボタン882が押された場合、選択されているプリセット語に対するプリセット印象値を修正後の第1印象値に修正する。すなわち、更新処理部5は、選択されているプリセット語と修正後の第1印象値とが対応付けられるようにプリセットテーブルの内容を書き換える。このようにプリセット語と第1印象値との組が再定義されることによって、プリセット語に対するユーザ毎のイメージの違いを反映することができる。
また、他の実施形態では、プリセットテーブルに登録されているプリセット語を追加および削除することができるようにしてもよい。新たなプリセット語を追加したり、ユーザにとって不要なプリセット語を削除したりすることによって、ユーザ個人のイメージをより反映した変更入力を行うことができるようになる。
なお、図13においては、変更入力用画面に第1印象値変更用表示85が常時表示されているものとしたが、他の実施の形態においては、第1印象値変更用表示85は常に表示されている必要はない。音楽検索装置は、例えば、変更入力用画面に呼び出しボタンを別途設け、呼び出しボタンが押されたときに第1印象値変更用表示85を表示させるようにしてもよい。
以上に説明した音楽検索装置は、例えばオーディオプレーヤーやジュークボックスソフトウェア等として利用することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る音楽検索装置を示すブロック図 実施の形態1に係る音楽検索装置の処理の流れを示すフローチャート 基準テーブル格納部3に格納されている基準テーブルの構成の一例を示す図 楽曲データベース1の構成の一例を示す図 図2のステップS1の詳細な処理を示すフローチャート 写像関数生成データの構成の一例を示す図 検索用画面の一例を示す図 変更入力用画面の一例を示す図 図2に示すステップS6の詳細な処理を示すフローチャート 実施の形態1に係る音楽検索装置をコンピュータによって実現した場合の構成を示すブロック図 実施の形態2に係る音楽検索装置の機能的な構成を示すブロック図 実施の形態2において用いられるプリセットテーブルの一例を示す図 実施の形態2における変更入力用画面の一例を示す図
符号の説明
1 楽曲データベース
2 写像関数格納部
3 基準テーブル格納部
4 検索処理部
5 更新処理部
6 音楽再生部
7 入力部
8 表示部

Claims (16)

  1. 楽曲に対する聴者の印象を数量化した印象量を用いて楽曲の検索を行う音楽検索装置であって、
    複数の楽曲のデータと、各楽曲の特徴を数量化した特徴量とを少なくとも格納する楽曲データ格納部と、
    複数のサンプル用楽曲に関して予め求めておいた特徴量と印象量との組を記述した基準テーブルを格納する基準テーブル格納部と、
    前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲に関する特徴量と印象量との組を記述した補正テーブルを格納するための補正テーブル格納部と、
    基準テーブルおよび補正テーブルに基づいて導出される写像関数を格納する写像関数格納部と、
    写像関数の変更入力として、前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲に対する印象量の入力をユーザから受け付ける変更受付部と、
    前記変更受付部によって変更入力が受け付けられた場合、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との組を補正テーブルに加え、当該印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する更新部と、
    楽曲データの検索命令として印象量の入力をユーザから受け付け、受け付けた印象量と前記更新部によって更新された写像関数とを用いて、前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲データの検索を行う検索部とを備える、音楽検索装置。
  2. 前記印象量は、複数次元のベクトルである第1印象値、または当該第1印象値よりも低い次元のベクトルである第2印象値として表現され、
    前記写像関数は、特徴量を第2印象値に変換し、
    前記基準テーブルおよび前記補正テーブルは、印象量として第2印象値を記述しており、
    前記変更受付部は、印象量として第1印象値の入力を受け付けるとともに、受け付けた第1印象値を第2印象値に変換し、
    前記更新部は、前記変更受付部によって変換された第2印象値と当該第2印象値に対応する楽曲の特徴量との対応を前記補正テーブルに加える、請求項1に記載の音楽検索装置。
  3. 前記検索部は、
    前記楽曲データ格納部に格納されている各楽曲について、前記更新部によって更新された写像関数を用いて第2印象値を算出し、当該各楽曲と算出された第2印象値とを対応付けた検索用データを生成する検索用データ生成部と、
    印象量として第2印象値の入力を受け付け、受け付けた第2印象値と検索用データとを用いて検索を行う第2印象値受付部とを含む、請求項2に記載の音楽検索装置。
  4. 前記検索部は、
    前記楽曲データ格納部に格納されている各楽曲について、前記更新部によって更新された写像関数を用いて第2印象値を算出するとともに、算出された第2印象値を第1印象値に変換し、当該各楽曲と変換された第1印象値とを対応付けた検索用データを生成する検索用データ生成部と、
    印象量として第1印象値の入力を受け付け、受け付けた第1印象値と検索用データとを用いて検索を行う第1印象値受付部とを含む、請求項2に記載の音楽検索装置。
  5. 前記基準テーブルには、複数のサンプル用楽曲に関して、特徴量と印象量とに加えて評価曲重みがさらに対応付けて記述されており、
    前記更新部は、
    前記変更受付部によって変更入力が受け付けられた場合、受け付けられた印象量と所定量の評価曲重みと当該印象量に対応する楽曲の特徴量との対応を前記補正テーブルに加える印象量更新部と、
    前記印象量更新部によって印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する写像関数更新部と、
    前記基準テーブルに含まれている評価曲重みを更新する評価曲重み更新部とを含む、請求項1に記載の音楽検索装置。
  6. 前記基準テーブル格納部には、複数種類の基準テーブルが評価データとして格納されるとともに、各当該評価データについて評価データ重みが対応付けられており、
    前記更新部は、
    前記変更受付部によって変更入力が受け付けられた場合、前記各評価データと前記評価データ重みに基づいて単一の基準テーブルを導出し、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との対応を当該単一の基準テーブルに加える印象量更新部と、
    前記印象量更新部によって印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する写像関数更新部と、
    前記基準テーブル格納部に格納されている評価データ重みを更新する評価データ重み更新部とを含む、請求項1に記載の音楽検索装置。
  7. 前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲のデータから1つを選択するための選択入力を受け付ける選択入力受付部と、
    前記選択入力受付部によって選択入力が受け付けられた場合、当該選択入力により示される楽曲を再生する再生部とをさらに備え、
    前記変更受付部は、前記再生部によって再生されている楽曲に対する印象量の入力をユーザから受け付ける、請求項1に記載の音楽検索装置。
  8. 前記選択入力受付部によって選択入力が受け付けられた場合、当該選択入力により示される楽曲について、前記楽曲データ格納部に格納されている特徴量から前記写像関数を用いて導出される印象量をユーザに対して提示する印象量提示部をさらに備える、請求項7に記載の音楽検索装置。
  9. 楽曲に対する聴者の印象を表すプリセット語と当該楽曲の印象量とを対応付けたプリセットテーブルを格納するプリセットテーブル格納部と、
    前記選択入力受付部によって選択入力が受け付けられた場合、前記プリセットテーブルに含まれているプリセット語の内、前記印象量提示部によって提示される印象量に最も近い印象量と対応付けられているプリセット語をユーザに対して提示するプリセット語提示部とをさらに備える、請求項8に記載の音楽検索装置。
  10. 前記プリセットテーブルに格納されているプリセット語を少なくとも1つ表示するプリセット語表示部と、
    前記プリセット語表示部によって表示されているプリセット語から1つを選択する入力をユーザから受け付けるプリセット語受付部と、
    前記プリセット語受付部によって受け付けられたプリセット語を前記プリセットテーブルを用いて印象量に変換する印象量変換部とをさらに備え、
    前記変更受付部は、前記印象量変換部によって変換された印象量を前記写像関数の変更入力として受け付ける、請求項9に記載の音楽検索装置。
  11. 前記プリセットテーブルに含まれる印象量の値はユーザによって変更可能である、請求項10に記載の音楽検索装置。
  12. 前記楽曲データ格納部に格納されている特徴量には、楽曲のテンポを示す数値が含まれており、
    前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲に関するテンポの値の入力をユーザから受け付けるテンポ受付部と、
    前記変更受付部によって受け付けられたテンポの値に基づいて、前記楽曲データ格納部に格納されているテンポの値を変更するテンポ変更部とをさらに備える、請求項1に記載の音楽検索装置。
  13. 前記テンポ変更部は、変更前における前記楽曲データ格納部に格納されているテンポの値と、当該テンポの値の2倍の値と、当該テンポの値の半分の値とのうち、前記変更受付部によって受け付けられたテンポの値と最も近い値を変更後の値とする、請求項12に記載の音楽検索装置。
  14. 楽曲に対する聴者の印象を数量化した印象量を用いて楽曲の検索を行う音楽検索方法であって、
    複数の楽曲のデータと、各楽曲の特徴を数量化した特徴量とを少なくとも格納しておくとともに、複数のサンプル用楽曲に関して予め求めておいた特徴量と印象量との組を記述した基準テーブルと、前記格納されている楽曲に関する特徴量と印象量との組を記述するための補正テーブルとを用意しておき、
    基準テーブルおよび補正テーブルに基づいて導出される写像関数を格納し、
    写像関数の変更入力として、前記格納されている楽曲に対する印象量の入力をユーザから受け付け、
    前記変更入力が受け付けられた場合、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との組を補正テーブルに加え、当該印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新し、
    前記格納されている各楽曲について、前記更新された写像関数を用いて印象量を算出し、当該各楽曲と算出された印象量とを対応付けた検索用データを生成し、
    楽曲データの検索命令として印象量の入力をユーザから受け付け、受け付けた印象量と前記更新された写像関数とを用いて、前記格納されている楽曲データの検索を行う、音楽検索方法。
  15. 楽曲に対する聴者の印象を数量化した印象量を用いて楽曲の検索を行う音楽検索方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータには、
    複数の楽曲のデータと、各楽曲の特徴を数量化した特徴量とを少なくとも格納する楽曲データ格納部、
    複数のサンプル用楽曲に関して予め求めておいた特徴量と印象量との組を記述した基準テーブルを格納する基準テーブル格納部、
    前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲に関する特徴量と印象量との組を記述した補正テーブルを格納するための補正テーブル格納部、および
    基準テーブルおよび補正テーブルに基づいて導出される写像関数を格納する写像関数格納部が用意されており、
    写像関数の変更入力として、前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲に対する印象量の入力をユーザから受け付ける変更受付ステップと、
    前記変更受付ステップにおいて変更入力が受け付けられた場合、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との組を補正テーブルに加え、当該印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する更新ステップと、
    楽曲データの検索命令として印象量の入力をユーザから受け付け、受け付けた印象量と前記更新ステップにおいて更新された写像関数とを用いて、前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲データの検索を行う検索ステップとを、前記コンピュータに実行させるプログラム。
  16. 楽曲に対する聴者の印象を数量化した印象量を用いて楽曲の検索を行う音楽検索方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記コンピュータには、
    複数の楽曲のデータと、各楽曲の特徴を数量化した特徴量とを少なくとも格納する楽曲データ格納部、
    複数のサンプル用楽曲に関して予め求めておいた特徴量と印象量との組を記述した基準テーブルを格納する基準テーブル格納部、
    前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲に関する特徴量と印象量との組を記述した補正テーブルを格納するための補正テーブル格納部、および
    基準テーブルおよび補正テーブルに基づいて導出される写像関数を格納する写像関数格納部が用意されており、
    写像関数の変更入力として、前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲に対する印象量の入力をユーザから受け付ける変更受付ステップと、
    前記変更受付ステップにおいて変更入力が受け付けられた場合、受け付けられた印象量と当該印象量に対応する楽曲の特徴量との組を補正テーブルに加え、当該印象量と特徴量との組が追加された補正テーブルおよび基準テーブルに基づいて写像関数を更新する更新ステップと、
    楽曲データの検索命令として印象量の入力をユーザから受け付け、受け付けた印象量と前記更新ステップにおいて更新された写像関数とを用いて、前記楽曲データ格納部に格納されている楽曲データの検索を行う検索ステップとを、前記コンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
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