JP2005010146A - 計時装置およびその自動停止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 最大計測時間である45分過後に分CG針15を自動停止させる際、最大計測時間に対応した目盛3Daよりも進んだ領域にある超過表示部3Eで停止させる。これによれば、分CG針15が超過表示部3Eにあれば自動停止したと判別でき、回動途中位置のいずれかの目盛3D上で停止していれば、ストップ操作により停止したと判別できる。しかも、零位置に停止している状態は帰零状態以外にないから、零位置に停止していれば、帰零操作された後の状態であると判別できる。このように、分CG針15の停止位置により、分CG針15がいずれの停止状態にあるのかをより確実に判別できるという効果がある。
【選択図】 図6
Description
前記指針の運針開始から運針終了に至るまでの運針軌跡が扇形となり、前記指針が最大計測時間以上経過したときに、自動的に停止できるよう設けられた自動停止部と、を有していることを特徴とする。
このような本発明においては、最大計測時間経過後に指針が自動停止するのであるが、この指針の回動軌跡は扇形であり、従来とは異なって指針が全周回転することはないので、自動停止する位置が零位置ではないうえ、零位置から僅かに経過した位置でもない。
従って、指針が回動軌跡に沿って目一杯回動した位置で停止しているのであれば、その位置がすなわち自動停止した位置であるし、回動途中位置で停止しているのであれば、その位置がストップ操作により停止した位置であり、しかも零位置に停止している状態は帰零状態以外にないから、指針が停止している場合、その停止位置によっていずれの停止状態にあるのかがより確実に判別されるようになる。
最大計測時間以上経過して指針を停止させる場合、その最大計測時間を表す計測目盛に達した位置で停止させることも考えられる。しかし、時間計測にあたってストップ操作を行った結果、そのような計測目盛上で指針が停止した場合には、本当にストップ操作によって停止したのか、最大計測時間を経過したことで自動的に停止したのかが判別できず、最大計測時間を正確に計測できない。
これに対して本発明では、最大計測時間に対応する計測目盛を超過した位置で指針が自動停止するから、ストップ操作した結果、指針がそのような計測目盛上で停止しているのであれば、計測結果は丁度最大計測時間に等しいといえ、最大計測時間が正確に計測されるようになる。
このような本発明によれば、最大計測時間に対応する位置を超過した領域に計測目盛とは違った超過表示部を設けることにより、指針の自動停止位置での停止状態が一層見易くなり、判読性がさらに向上して使い勝手が良好になる。
このような本発明によれば、最大計測時間を超えた場合に指針の位置が通常の計測目盛上にないことがより明確に判読されるようになるから、判読性が一層向上するうえ、外観上の意匠性も向上する。
なお、超過表示部の目盛幅は、計時装置を構成する歯車などのバックラッシや軸がた等により発生する指針の回転方向のふらつき角よりも大きいことが望ましい。
複数の指針全ての回動軌跡を扇形とすることも可能であるが、小さい単位の情報を指示する指針までも扇形の回転軌跡で運針させると、この回転軌跡内で最大計測時間を計測できるようにするには、回転軌跡内で付される目盛が過度に細かく密になるため、かえって判読性が阻害される。
しかし、本発明のように、最大単位の情報を指示する指針の回動軌跡を扇形とすれば、回転軌跡内に付される目盛もさほど細かくならずにすみ、判読性が損なわれる心配がない。ここで、通常時刻以外の情報としては、例えばストップウオッチ、タイマー等があげられる。
このような本発明においては、最大計測時間以上に経過した際に、最大単位以外の情報を指示する指針が全て帰零位置で自動停止するので、この停止位置から自動停止状態にあることがより容易に判別されるとともに、円形の回動軌跡の中の半端な位置で停止する場合と異なって見栄えがよく、自動停止状態での意匠性が向上する。
ステップモータ等を利用した電気的な帰零手段よりも、機械的な帰零機構を用いる方が帰零を瞬時に実施できるため、指針の瞬間的な帰零動作によりダイナミック感が味わえる。
また、回動軌跡が扇形であるから、指針の帰零をモータで行うには、指針の駆動方向を変えて帰零させる必要があり、モータとして正転と逆転とを実現できるものに限られる。しかし、このようなモータは、電圧変動が少ない一次電池等を電源として用いなければならず、回転錘の回転を発電機で電気エネルギーに変換して二次電池に蓄えたり、ソーラー発電によって電気エネルギーを二次電池に蓄え、よってこの二次電池を電源として用いようとしても、電圧変動があってそのようなモータを駆動することができず、時計の仕様に制限が生じる。一方、機械的な帰零機構を備えることで、指針の駆動源としてのモータは、正転(一方向)のみが行えるものでよいから、電圧変動に対して強く、一次電池および二次電池のいずれを用いても確実に駆動されるようになり、時計を設計する上での制限がなくなる。
さらに、正転のみ可能であるモータが電圧変動に対して強いことにより、二次電池での充電状態が極めて低い状態であっても、モータが確実に駆動されるようになり、例えば充電切れによって停止した状態からも、僅かに充電されただけで指針による計測が即座に行える。
そして、扇形としては、角度が180度の範囲内であれば、帰零時間や帰零方向等の制約を殆ど受けず、輪列構成(減速比・増速比)を変形するだけで任意の角度の扇形で運針させることが可能であり、計時装置として意匠性に富んだ幅広い商品展開が行える。
このような本発明によれば、前述したように、指針の停止位置によっていずれの停止状態にあるのかがより確実に判別されるようになり、特に指針が超過表示部上で停止した際には、最大計測時間の超過により停止したことがより確実に認識されるようになる。
図1には、本発明の多機能時計の実施形態であるクロノグラフ付時計1の表外観が示されている。
このクロノグラフ付時計1は、図1のA−A線からD−D線までの各断面線に沿った断面図である図2〜4にも示すように、透光性のガラス2を通して視認可能な文字板3部分からなる時間表示部4を備えている。すなわち、時間表示部4は、文字板3の周囲に配置されるガラス保持リング5の内周面(見切り面)5Aの内側に区画形成されている。このため、本実施形態では、時間表示部4は正面略円形に区画形成され、前記ガラス保持リング5により時間表示部4を区画形成する見切部が構成されている。
図1に示すように、クロノグラフ付時計1は、時間表示部4に配置された通常時刻表示用の時針11、分針12、秒針13と、通常時刻以外の他の情報であるクロノグラフ時間を示す秒クロノグラフ針(秒CG針)14、分クロノグラフ針(分CG針)15とを備えている。
また、時計1の3時方向の側面には通常時刻を修正するための外部操作部材であるりゅうず17が配置され、2時方向には、秒CG針14、分CG針15をスタート、ストップ操作をするためのスタート・ストップボタン18が配置され、4時方向には秒CG針14、分CG針15を帰零するためのリセットボタン19が配置されている。
また、分クロノグラフ時間を表示する分CG針15は、中心4Aに対してその回転軸15Aが略2時方向に離れた位置に配置されている。
ここで、分針12の長さ寸法L1および回転軸12Aの位置は、上記条件の他、分針12が回転軸12Aを中心に回転した際に、分針12の先端が見切部であるガラス保持リング5にも当接しないように設計される。すなわち、回転軸12Aは、ガラス保持リング5における6時方向側内面5Aおよび回転軸14A間の略中間位置に配置され、その配置位置に応じて前記分針12の長さ寸法L1が設定されている。
なお、秒針13は、時間表示部4において略10時方向に配置されており、時分針11,12が配置された6時方向に比べて配置可能なスペースが小さいため、秒針13の長さ寸法L2は、分針12の長さ寸法L1よりも小さくされている。この秒針13の長さ寸法L2や回転軸13Aの配置位置は、分針12と同様に、回転軸14Aや時間表示部4外周のガラス保持リング5に衝突しないように設定されている。
このため、分CG針15を1周回転させると、針15は回転軸14Aにぶつかってしまう。そこで、本実施形態では、分CG針15は、前述のように、他の針11〜14のように1周回転するのではなく、一定角度範囲内のみで回動駆動可能つまりその駆動軌跡が扇形となるように構成されている。
そして、各針11〜13,15と、秒CG針14との高さ位置が異なることから、各目盛3A〜3Dが形成される文字板3も、各針11〜15の高さ位置に合わせて設けられている。
また、文字板3の4時から5時方向の略中間部分(略4時半方向)には、日車を露出させて日付を表示するための窓16が各文字板31,32を貫通して形成されている。
一方、分クロノグラフ時間を示す目盛3Dは、扇形での円弧状部分沿って例えば黒色で付されている。この目盛3Dは、分を示す単位であるから、本実施形態ではクロノグラフ時間を示す単位のうちの最大の単位である。また、扇形の中心部分の角度は、本実施形態では135度とされており、このことから45分計である本実施形態では、秒から分への減速比は1/120に設定され、各目盛3Dが3度刻みに付されていることになる。
そして、この時計1では、クロノグラフ時間の計測を開始してから最大計測時間である45分を経過すると、秒CG針14は円形に付された目盛3Cのうちの0秒位置(帰零位置)にある目盛3Ca上で自動的に停止するが、分CG針15は最大計測時間を示す目盛3Da上ではなく、図6に示すように、この目盛3Daを超過した位置すなわち、超過表示部3Eの端(運針方向の先端)まで進んで自動的に停止する。
これらのケース20、ガラス2、裏蓋30で囲まれた内部空間に、各針11〜15を駆動するムーブメント100が配置されている。
次に、クロノグラフ付時計1のムーブメント100の構成について説明する。本実施形態のムーブメント100は、大きく分けて二層構造とされている。一層目には、通常時刻を表示するための基本時計輪列と、クロノグラフを表示するためのCG(クロノグラフ)輪列と、通常時刻を修正するための時刻修正機構が配置されている。
また、二層目には、発電用のコイルブロック、ステーター、発電用輪列、発電エネルギーを充電するための二次電源、クロノグラフの帰零機構が配置されている。
そして、一層目と二層目の間には、通常時刻表示やクロノグラフ表示の電気的な制御、発電機の制御を行う回路基板501が配置されている。
なお、本実施形態において、一層目とは時計1の上方側つまりガラス2に近い側を意味し、二層目とは時計1の下方側つまり裏蓋30に近い側を意味する。
時計1のムーブメント100の一層目には、図7にも示すように、基本時計輪列やクロノグラフ輪列、時刻修正機構が配置されている。なお、図7の斜視図においては、裏蓋30側を上方に、ガラス2側を下方にして記載されている。これは、ムーブメント100を組み立てる際に、通常は、地板400上に各部品を組み付けていくからである。なお、この上下位置関係は、ムーブメント100の組立の過程を示す図8〜14の各斜視図においても同様である。
図7に示すように、地板400の上面(裏蓋側)には合成樹脂製の回路受け座700が配置されており、各輪列の歯車等はこの回路受け座700上に配置されている。
通常時刻を示すための基本時計輪列の概略構造を説明する。基本時計は、基本時計用モータ101、基本時計輪列を備えて構成される。
基本時計用の駆動源である基本時計用モータ101は、基本時計用コイル102、基本時計用ステーター103、基本時計用ローター104から構成されている。そして、電子回路からの駆動信号により1秒に1ステップのタイミングで基本時計用ローター104が回動し、五番車105を経て小秒車106に駆動が減速伝達される。従って、前記小秒車106に保持された基本時計秒針(小秒針)13によって通常時刻の秒表示がされる。
すなわち、基本時計用モータ101は、小秒針13を保持する小秒車106の近傍に配置されている。これにより、小秒針13の運針時の指示ムラを抑えることができる。
ここで、時間表示部4の中心4Aから略10時方向に配置された秒針13と、6時方向に配置された時針11、分針12との距離は非常に長くなる。このため、本実施形態では、基本時計用モータ101の回転をローター104から離れた二番車111に伝えるために、増減速しない3つの中間車107〜109を配置している。なお、各中間車107〜109は、増減速しない歯車であるため、同一の歯車で構成されている。これにより、歯車の数が増えてもコストが大幅に向上しないようにしている。
そして、各歯車105〜111により基本時計輪列が構成されている。
時針11、分針12の時刻を修正するための時刻修正機構は、りゅうず17が固着された巻真130と、この巻真130を通常形態位置、時刻修正位置、カレンダー修正位置の各状態に位置規正するおしどり131、かんぬき132、規正レバー139,つづみ車133等で構成される切換部とを備えている。ここで、巻真130は時計1の3時方向に配置されており、切換部は3時から5時方向に配置されている。
そして、3時方向に配置された巻真130と、6時方向に配置された時針11、分針12とが離れているため、本実施形態の時刻修正機構は、3つの中間車135〜137を備えている。
ここで、りゅうず17と時分針11,12が離れているために設けられた中間車134〜137は、増減速しない歯車であるため、日の裏車138と同一の歯車で構成されている。これにより、歯車の数が増えてもコストが大幅に向上しないようにしている。
クロノグラフ時計は、駆動源であるクロノグラフモータ201、クロノグラフ輪列を備えて構成されている。
クロノグラフ輪列の駆動源であるクロノグラフモータ201は、コイル202、ステーター203、ローター204から構成され、時計1の略12時位置に配置されている。このモータ201は、電子回路からの駆動信号によりローター204が回転駆動する。
このローター204の回転は、秒CG第三中間車205、秒CG第二中間車206、秒CG第一中間車207を経て秒CG車208に伝達され、秒CG車208に保持された秒CG針14にてクロノグラフ秒が表示される。
なお、秒CG車208および分CG車220には、帰零のためのハートカム210,224がそれぞれ備えられている。また、秒CG車208および分CG車220を構成する真および歯車のうち、真は各車208,220で同一のものが使用され、歯車のみが異なるものとされている。これらの秒CG車208および分CG車220は、図7に示すように、針高さが異なるため、断面的にずらして配置されている。
前記輪列受け401の上(裏蓋側)には、図9に示すように、回路基板501が配置されている。回路基板501は、時計1の略2時位置に配置されたスタート・ストップボタン18部分からリセットボタン19、6時位置、各モータが配置された10時位置まで、時計1のケース内周に沿って平面略C字状に形成されている。
この回路基板501に設けられたIC等の電子回路によって各モータ101,201の駆動制御と、各ボタン18,19の操作状態を検出できるようにされている。
さらに、回路基板501には、二層目の回路との導通を行うための4つの導通端子を有する導通端子部502が設けられている。
ムーブメント100の二層目には、発電用のコイルブロック、ステーター、発電用輪列、発電エネルギーを充電するための二次電源、クロノグラフの帰零機構が配置される。
すなわち、図11,12に示すように、回路押さえ600の略4時方向には、発電用コイルブロック611、発電用ステーター612、発電用ローター613を備えた発電機610が配置されている。
また、略8時方向には二次電源640を配置するための略円筒状の凹部620が形成されており、その外周に沿って導通基板630が配置されている。4つの導通コイル631を回路押さえ600に形成された4つの貫通孔内にそれぞれ配置することで、その端部が前記回路基板501と前記導通基板630の各端子にそれぞれ接触する。これにより、導通コイル631を介して、ムーブメント100の一層目のモータ101,201等に電気的に接続されている回路基板501と、二層目の発電機610や二次電源640に電気的に接続される導通基板630とが、電気的に接続できるように構成されている。
また、回路押さえ600は、秒CG車208、秒CG第一中間車207の各回転軸の上ほぞを回動自在に支持している。
そして、これらの帰零機構を構成するレバー類は、発電機610や二次電源640とは平面的に重ならないように配置されている。
また、図12に示すように、帰零押さえ360には、リセットボタン19が当接するばね部363が形成されている。このため、リセットボタン19を押すと、ばね部363を介して伝達レバー310が押されて回動される。また、ばね部363は、帰零押さえの対向する側から形成されている入力端子部364を弾性的に保持しており、リセットボタン19が押されると、ばね部363は、帰零押さえ360に形成された入力端子部364を開放し、入力端子部364が回路基板501に設けられるリセット端子に当接される。これにより、リセットボタン19の押し操作を検出できるようになっている。
さらに、帰零押さえ360の上には、図13に示すように、回転錘受460が配置される。この回転錘受460により、前記発電用ローター613、ローター伝え車614、分CG車220、分CG第一中間車221の各回転軸の各上ほぞが回転自在に支持されている。
また、前記凹部620には、二次電源640が配置されている。この二次電源640は、二次電池とマイナス端子とを溶接することで一体化された二次電源ユニットで構成されている。この二次電源640は、金属部材である二次電池押さえ641により絶縁板を介して2本のねじでムーブメント100に固定されており、ムーブメント部品の最後に組み立てられるようになっている。なお、二次電源640には、二次電池のマイナスリード板642も取り付けられている。
このような本実施形態では、時計1を腕に装着するなどして動かすと、回転錘480が回転する。回転錘480の回転に伴い、回転錘車470、ローター伝え車614を介して発電用ローター613が回転され、発電されるようになる。
発電機610で発電された電力は、導通基板630や導通コイル631を介して電気的に接続された整流回路で整流された後、二次電源640に供給されて充電される。
二次電源640に充電された電力は、前記導通基板630、導通コイル631を介して回路基板501に供給される。これにより、回路基板501に配置された水晶発振器やICなどの制御装置が駆動され、この制御装置から出力される駆動パルスによって基本時計用モータ101が駆動される。
同時に、ローター104の回転は、五番車105、各中間車107〜109、三番車110、二番車111、日の裏車等の基本時計輪列を介して伝達され、時針11および分針12も作動される。
一方、クロノグラフ時計機能を利用する場合には、まず、スタート・ストップボタン18を押す。すると、作動レバー340を介して復針レバー330が動かされ、復針レバー330がハートカム210,224から離れて秒CG車208、分CG車220の規正が解除される。
同時に、スタート・ストップボタン18の押し操作により、スイッチ入力端子341が回路基板501に接触してスイッチが入力され、制御回路からCGモータ201に駆動パルスが送られてモータ201が駆動する。
CGモータ201のローター204の回転は、前記CG輪列を介して秒CG車208および分CG車220に伝達され、秒CG針14、分CG針15がそれぞれ作動される。
その後、再度、スタート・ストップボタン18を押せば、CGモータ201の駆動が再開され、秒CG針14、分CG針15の作動も再開する。以降、スタート・ストップボタン18を押すたびに、CGモータ201の停止、駆動が交互に繰り返されて、クロノグラフ時間の積算計測が行われる。
なお、本実施形態では、リセットボタン19を押した際に、秒CG第二中間車206に圧接して規正するクロノグラフ規正レバーが設けられており、秒CG車208、分CG車220の帰零動作に伴いCGモータ201のローター204が回転しないようにしている。さらに、リセットボタン19の押し操作で、ばね部363が入力端子部364を開放することにより入力端子部364がリセット端子に当接し、リセットスイッチが入力されると、CGモータ201を制御する電子回路はリセットされる。
なお、自動停止した際の電気的な状態は、ストップ入力がONの状態と同じであるが、機械的にはクロノグラフ規制レバー350が秒CG第二中間車206を圧接していない状態であり、自動停止後にストップ操作を行うことで、クロノグラフ輪列がクロノグラフ規制レバー350で規制される。また、各CG針14,15の自動停止は、クロノグラフモータ201に出力するモータパルスをスタート操作後からカウントし、所定パルス数出力したことを判断して行われる。
この後、帰零操作を行えば、秒CG針14はそのままの位置を維持することで帰零状態となり、分CG針15が運針方向とは逆方向に回動して瞬時に帰零する。
クロノグラフ付時計1のクロノグラフ制御回路としては、図15のブロック図に示すように、スイッチ1710、モード制御回路1824、クロノグラフ基準信号発生回路1825、および自動停止カウンタ1829を備えている。
クロノグラフ制御部の一部としてのモード制御回路1824は、図16に示すように、スタート・ストップ制御回路1735、リセット制御回路1736、自動停止状態ラッチ回路1731、オア回路173、および二つのアンド回路1733,1734を備えている。
リセット状態において、スタート・ストップボタン18が操作されると、スタート・ストップスイッチ1821がオンとなる。すると、スタート信号SSTは、モード制御回路1824に入力される。スタート・ストップ制御回路1735は、スタート・ストップスイッチ1821がオンであることをサンプリングする。従って、モード制御回路1824は、アンド回路1733の出力がHレベルとなって、アンド回路1734から例えば128Hzのパルス信号であるスタート・ストップ制御信号SMCをクロノグラフ基準信号発生回路1825に対して出力し、クロノグラフ基準信号発生回路1825が例えば1/5Hzのパルス信号であるクロノグラフ基準信号SCBを出力する。このようにして、モータパルス発生回路1826は、このクロノグラフ基準信号SCBに基づいて、クロノグラフモータ201を駆動制御するためのモータパルスSPCを出力し、クロノグラフ部分の運針を開始する。
スタート・ストップボタン18が操作されると、スタート信号SSTが
モード制御回路1824に入力される。これにより、モード制御回路1824は、スタート・ストップ制御信号SMCをクロノグラフ基準信号発生回路1825に出力する。
自動停止カウンタ値が自動停止位置に対応するカウント値+1である場合には(ステップST4)、自動停止カウンタ1829は自動停止信号SASをモード制御回路1824に対して出力する。これにより、モード制御回路1824は、その自動停止状態ラッチ回路1731の出力信号がHレベルとなり、オア回路1732からHレベルのリセット制御信号SRCが、クロノグラフ基準信号発生回路1825、モータパルス発生回路1826、および自動停止カウンタ1829に出力される(ステップST5)。これにより、クロノグラフ基準信号発生回路1825、モータパルス発生回路1826、および自動停止カウンタ1829がそれぞれリセットされ、モータパルス発生回路1826からクロノグラフモータ201へのモータパルスSPCの出力が中止され、自動停止カウンタ1829のカウント値が「0(ゼロ)」になる(ステップST6)。これにより、各CG針14,15は、それぞれ予め設定された自動停止位置にて自動的に停止する。そして、自動停止状態ラッチ回路1731および自動停止カウンタ1829を含んで本発明に係る自動停止部が構成されている。
基本時計の指示時刻を修正するには、りゅうず17を時刻修正位置まで引き出して巻真130を引き出す。これにより、おしどり131とかんぬき132が連動し、つづみ車133が小鉄車134と噛み合うため、巻真130を回転させると、小鉄車134、各中間車135〜137、日の裏車138を介して二番車111に回転が伝達され、通常の時刻修正が行われる。この際、巻真130の引き出しに連動して規正レバー139が作動し、四番第一中間車109を規正するため、巻真130の回転は、基本時計用モータ101側には伝達されることはない。
(1)すなわち、クロノグラフ付時計1では、クロノグラフ機能をスタートさせてから最大計測時間である45分過後に各CG針14,15が自動停止するのであるが、分CG針15の回動軌跡は扇形であり、従来や秒CG針14とは異なって分CG針15が全周回転することはないため、分CG針15の自動停止する位置は零位置ではなく、零位置から僅かに経過した位置でもない。
従って、分CG針15が回動軌跡に沿って付された目盛3Daを越えて停止しているのであれば、その位置がすなわち自動停止した位置であると判別できる。また、分CG針15が回動途中位置のいずれかの目盛3D上で停止しているのであれば、その位置がストップ操作により停止した位置であると判別できる。しかも、零位置に停止している状態は帰零状態以外にないから、零位置に停止していれば、帰零操作された後の状態であり、電子回路がリセットされた状態であると判別できる。このように、分CG針15の停止位置により、分CG針15がいずれの停止状態にあるのかをより確実に判別できるという効果がある。
つまり、分CG針15が自動停止時においても目盛3Da上で停止するのであれば、例えばランナーのゴールに合わせてストップ操作を行う場合でいうと、ストップ操作を行った後、時計1をのぞき込んで計測結果を確認した際に、分CG針15が丁度目盛3Da上で停止していたのでは、果たしてその停止状態が自動停止によるものか、あるいはストップ操作によるものかを判別できないといった事態に陥り、最大計測時間を正確に計測できないのであるが、時計1ではそのような事態が生じる心配がないのである。
この際、目盛3Dは線状で目盛幅が小さく、黒色であるのに対し、超過表示部3Eは3分ぶんの目盛幅を有して大きいうえ、色も目盛3Dとは異なって赤色であるから、分CG針15が最大計測時間を超えて超過表示部3E上にある場合に、通常の目盛3D上にないことをより明確に判読でき、この点からも判読性を一層向上させることができ、また、外観上の意匠性も向上させることができる。
また、時分針11,12以外は、各針11〜15がそれぞれ独立して配置されているので、各針11〜15を駆動するための輪列も互いに離して配置することができ、断面的な針の重なりや、各輪列の重なりも最小限に抑えることができる。従って、多くの指針を備える多機能時計1であっても、時計1を薄型化することができる。
さらに、秒CG針14は、回転軸14Aを時間表示部4の中心4Aから若干偏心させて配置し、他の針11〜13,15に比べても最も長い寸法に設定しているので、この点でもメカ帰零時の針14のダイナミックな動作を表現でき、かつ視認性も向上できる。
また、各クロノグラフ針14,15をメカ帰零方式で帰零する際に、各軸14A,15Aが近接しているため、各軸のハートカム210,224に当接する復針レバー330の各カム当接部も近接することができ、各ハートカム210,224に当接する復針レバー330を容易に一体化でき、かつ小型化することができる。
これに対し、本実施形態では、二次電源640を裏蓋30側の二層目(上層)に配置しているので、ムーブメント100の組立工程において二次電源640を最後に組み込むことが可能となり、組立工程内で回路の電気的な検査を容易に行うことができる。このため、組立施工性や生産性を向上できる。
その上、扇運針を行う分CG針15を略2時方向に配置したので、分CG針15も帰零位置から時計回りに、つまり他の針と同方向に回動できるので、各針の作動が違和感無く把握できる。
例えば、前記実施形態では、分クロノグラフ時間の最大計測時間が45分であったが、この最大計測時間は任意であってよく、45分に限定されない。
また、分クロノグラフ時間の目盛3Dは135度の角度で開いた扇形での円弧状部分に沿って付されていたが、扇形の角度も135度に限定されるものではなく、秒CG車208および分CG車220間の減速比や、最大計測時間等を勘案して任意に決められてよ。例えば、同じ45分計の場合でも、減速比を1/60として270度の扇形で表示させてもよく、減速比を1/90にして180度の扇形で表示させてもよい。また、減速比を1/120を維持したまま60分計にすることで180度の扇形で表示させたりしてもよい。
前記実施形態では、下位の単位の秒クロノグラフ時間を指示する秒CG針14が円運針するが、このような下位の単位の指針も扇運針させた場合でも本発明に含まれる。
本発明の計時装置としては、前期実施形態でのクロノグラフ付時計1に限定されず、例えば指針式のストップウオッチやタイマー等、時間情報を計時可能な任意の装置であってもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (8)
- 時間情報を計時するための計時装置であって、
前記時間情報を表示する時間表示部と、
前記時間情報を指示する指針と、
前記指針を駆動させる駆動源と、
前記指針の運針開始から運針終了に至るまでの運針軌跡が扇形となり、前記指針が最大計測時間以上経過したときに、自動的に停止できるよう設けられた自動停止部と、を有していることを
特徴とする計時装置。 - 請求項1に記載の計時装置において、前記指針は前記最大計測時間に対応する計測目盛を超過した領域で停止することを特徴とする計時装置。
- 請求項1または請求項2に記載の計時装置において、前記時間表示部には、前記最大計測時間を超過したことを示す超過表示部が設けられ、この超過表示部の範囲内で前記指針が停止することを特徴とする計時装置。
- 請求項3に記載の計時装置において、前記超過表示部の色および/または目盛幅は、前記時間表示部の目盛とは異なることを特徴とする計時装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の計時装置において、前記時間情報は通常時刻以外の情報であるとともに、前記指針は当該情報に応じて複数設けられ、これら複数の指針のうち、最大単位の情報を指示する指針の運針回動軌跡は、扇形であることを特徴とする計時装置。
- 請求項5に記載の計時装置において、前記複数の指針のうち、前記最大単位以外の時間情報を指示する指針の回動軌跡は円形であり、前記最大単位の時間情報を指示する指針が前記自動停止部によって停止されるとき、前記最大単位以外の情報を指示する指針は運針開始位置で停止することを特徴とする計時装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の計時装置において、前記指針を機械的に帰零させる帰零機構を備えていることを特徴とする計時装置。
- 時間情報を計時するための計時装置に採用される計時装置の自動停止方法であって、前記時間情報指示用の指針を最大計測時間以上経過したときに自動停止可能に設けるとともに、当該指針の回動軌跡を扇形にしておき、前記最大計測時間に対応する計測目盛を超過した領域に設けられた超過表示部上で前記指針を自動停止させることを特徴とする計時装置の自動停止方法。
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