JP2005009565A - 振動減衰装置 - Google Patents

振動減衰装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005009565A
JP2005009565A JP2003173842A JP2003173842A JP2005009565A JP 2005009565 A JP2005009565 A JP 2005009565A JP 2003173842 A JP2003173842 A JP 2003173842A JP 2003173842 A JP2003173842 A JP 2003173842A JP 2005009565 A JP2005009565 A JP 2005009565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
vibration damping
rotating shaft
damping device
ball screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003173842A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hora
宏 一 洞
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokkyokiki Corp
Original Assignee
Tokkyokiki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokkyokiki Corp filed Critical Tokkyokiki Corp
Priority to JP2003173842A priority Critical patent/JP2005009565A/ja
Publication of JP2005009565A publication Critical patent/JP2005009565A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】高速かつ長ストロークの振動をも効果的に減衰できるように改良された振動減衰装置を提供する。
【解決手段】第1および第2の構造部分1,2間に生じた相対変位により回転軸12を回転させる回転軸駆動機構10と、回転軸12と一体に回転するブレーキシューに作用する遠心力によってブレーキシューを摺動面に押圧し摩擦抵抗を生じさせるブレーキ機構50とを備える。第1および第2の構造部分1,2間に生じた相対変位の速度が高くなっても、確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。また、回転軸駆動機構10を構成するラックギヤは、任意の長さに設定することができるから、相対変位のストロークがどれだけ長くなったとしても確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビルや家屋等の建築構造物および機械構造物の免震・制振に用いる振動減衰装置に関し、より詳しくは、高速度かつ長ストロークの振動をも効果的に減衰できるように改良された振動減衰装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビルや家屋等の建築構造物および機械構造物の免震・制振を行うために摩擦抵抗を用いるものや、流体の流動抵抗を用いるもの、粘性剪断抵抗を用いるもの、塑性変形を用いるもの等、様々な振動減衰要素が提案されている(例えば下記特許文献1を参照)。
【0003】
また、建築構造物や機械構造物の免震・制振に用いる振動減衰装置のなかには、構造物の2つの部分間の直線方向の相対変位を円盤の回転運動に変換するとともに、この円盤の回転を制動することによって免震・制振を行うものもある(下記特許文献2〜6を参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開平1−230834号公報
【特許文献2】
特開平6−58006号公報
【特許文献3】
特開平10−184786号公報
【特許文献4】
特開2002−5233号公報
【特許文献5】
特開2002−168001号公報
【特許文献6】
特開2002−174291号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に記載されている種々の振動減衰要素のうち最も広汎に用いられているものはシリンダ・ピストン型のオイルダンパであるが、この種のオイルダンパのストロークは最大でも数10センチメートル程度であり、それを超える長ストロークの振動の減衰に対応することは困難である。また、この種のオイルダンパは対応可能な振動速度の限界値が低いため、高速度の振動の減衰に用いることができない。
【0006】
また、上記特許文献2に記載されているように回転円盤をディスクブレーキによって制動するものにおいては、ディスクブレーキに供給する油圧の高低を制御する機構を必要とし、その構造が複雑なものとなる。
【0007】
また、上記特許文献2乃至4に記載されているように高粘性流体の剪断抵抗を用いて振動を減衰させるものにおいては、高粘性流体の温度変化に伴って減衰性能そのものが大きく変化してしまう。
【0008】
また、上記特許文献2乃至4に記載されているように円盤の回転を生じさせるものにおいては、円盤を高速回転させると円盤の表面から高粘度流体が剥離して剪断抵抗が得られなくなるため、高速度の振動の減衰には不向きである。
【0009】
また、上記特許文献5および6に記載されているものは、高速度で長いストロークの振動を減衰させるためには不向きである。加えて、大きさが一定な摩擦抵抗を用いるので、ある速度において最適な減衰作用が生じるようにその諸元を設定すると、設定速度より低い速度の振動に対しては減衰が過剰となってしまう。
【0010】
さらに、摩擦抵抗を用いて振動を減衰させるものに付加質量体を併用する場合には、摩擦抵抗が過大になると付加質量体の運動が阻害されて振動減衰効果が低下してしまう。加えて、免震装置の場合には、摩擦抵抗を大きく設定すると振動部分を原点位置に復帰させることが困難となってしまう。
【0011】
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、高速度かつ長ストロークの振動をも効果的に減衰できるように改良された振動減衰装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1に記載した手段は、構造物の第1および第2の構造部分間の直線方向の振動を減衰させるための装置であって、
前記第1の構造部分に固設されて前記直線方向に延びる長尺駆動部材と、前記第2の構造部分に支持された回転軸を回転させるための、前記長尺駆動部材により駆動されて回転する被駆動部材とを有する、前記第1および第2の構造部分間に生じた前記直線方向の往復相対変位によって前記回転軸の往復回転運動を生じさせる回転軸駆動機構と、
前記回転軸と同軸な円筒状内側摺動面を有するハウジングと、前記回転軸と一体に回転可能にかつ前記回転軸の軸線に対して半径方向に変位自在に前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸の回転に伴って生じる遠心力により前記内側摺動面に押圧されつつ摺動可能なブレーキシューと、を有するブレーキ機構と、
を備えることを特徴としている。
【0013】
すなわち、請求項1に記載した振動減衰装置は、第1および第2の構造部分間に生じた所定の直線方向の相対変位によって回転軸を回転させるとともに、この回転軸と一体に回転するブレーキシューに作用する遠心力によってブレーキシューを摺動面に押圧して摩擦抵抗を生じさせ、この摩擦抵抗により振動を減衰させる構造である。
このとき、ブレーキシューと摺動面との間に生じる摩擦抵抗は回転軸の回転角速度の2乗に比例するので、第1および第2の構造部分間に生じた相対変位の速度が高くなればなるほど高い減衰力を発生させることができる。
これにより、第1および第2の構造部分間に生じた相対変位の速度が高くなっても、確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
【0014】
さらに、請求項1に記載した振動減衰装置における回転軸駆動機構においては、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位のストロークに合わせて長尺駆動部材の長さを自在に設定することができるから、第1および第2の構造部分間の相対変位のストロークがどれだけ長くなったとしても確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
【0015】
一方、回転軸駆動機構は、請求項2に記載したように、その長尺駆動部材を第1および第2の構造部分が相対変位する所定の直線方向に延びるように第1の構造部分に固設されたラックギヤとするとともに、その被駆動回転部材を回転軸に取り付けられてラックギヤと噛み合うピニオンギヤとすることができる。
また、請求項4に記載したように、長尺駆動部材を直線方向に延びるように第1の構造部分に張設されたチェーンとするとともに、その被駆動回転部材を回転軸に取り付けられてチェーンと噛み合うスプロケットとすることができる。
また、請求項5に記載したように、長尺駆動部材を直線方向に延びるように前記第1の構造部分に張設されたケーブルとするとともに、その被駆動回転部材を回転軸に取り付けられてケーブルが巻回されるシーブとすることができる。
さらに、請求項6に記載したように、長尺駆動部材を直線方向に延びるように第1の構造部分に固設されたボールねじとするとともに、被駆動回転部材をボールねじに螺合しつつボールねじにより駆動されて回転するボールねじナットとし、かつボールねじナットの回転を回転軸に伝達する回転伝達手段をさらに設けることができる。
【0016】
このとき、第1の構造部分に設ける長尺駆動部材としてのラックギヤ、チェーン、ケーブルおよびボールねじの長さは、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位のストロークに合わせて自在に設定することができる。
これにより、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位のストロークがどれだけ長くなったとしても、確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
なお、長尺駆動部材としてラックギヤ、チェーン、ケーブルを用いる場合には、これらの長尺駆動部材が延びる方向に対して回転軸が延びる方向が垂直となるようにして、直線方向の振動を効率良く回転軸の回転に変換することができる。
しかしながら、たとえば長尺駆動部材としてはす歯ラックギヤを用いるとともに被駆動回転部材としてはす歯ピニオンギヤを用いることにより、はす歯ラックギヤが延びる方向に対して回転軸が延びる方向を傾斜させ、回転軸駆動機構やブレーキ機構の配置の自由度を高めることもできる。
【0017】
また、請求項3に記載したように、ラックギヤがピニオンギヤの円周方向に湾曲するように構成することもできる。
この場合、第2の構造部分は例えば第1の構造物に固定された円弧状に湾曲するレールによって第1の構造部分上に支持されており、第2の構造部分が第1の構造部分に対して左右方向に往復相対変位する際に、往復相対変位のストロークの両端側に近づく毎に第2の構造部分は第1の構造部分に対し、往復相対変位の方向に対して垂直な方向に変位する。
あるいは、第2の構造部分は例えば第1の構造物に固定された上下軸に軸支されて水平揺動するリンクを介して第1の構造物に接続されており、第2の構造部分が第1の構造部分に対して左右方向に往復相対変位する際に、往復相対変位のストロークの両端側に近づく毎に第2の構造部分は第1の構造部分に対し、往復相対変位の方向に対して垂直な方向に変位する。
そして、ラックギヤの湾曲の曲率半径は、上述した湾曲レールの曲率半径および上述したリンクの揺動半径に等しい。
このような構成とすることにより、第2の構造部分が第1の構造部分に対して直線方向に往復相対変位する際にこの直線方向に対して垂直な方向に変位する成分が含まれる場合であっても、本発明の振動減衰装置を適用して第1および第2の構造部分間の振動を減衰させることができる。
【0018】
また、請求項6に記載したように長尺駆動部材をボールねじとする場合には、ボールねじを第1の構造部分に不動に固定するとともに、ボールねじナットがボールねじ上において回転するようにする。このとき、ボールねじナットの回転慣性質量は小さいから、第1および第2の構造部分間の高速振動にも追従することができる。
なお、ボールねじナットの回転を回転軸に伝達する回転伝達手段として、互いに噛み合う平歯車、はす歯歯車、傘歯車等を用いることができる。
【0019】
他方、上記の課題を解決するための請求項7に記載した手段は、
構造物の第1および第2の構造部分間の直線方向の振動を減衰させるための装置であって、
前記直線方向に延びつつその軸線回りに回転自在に前記第1の構造部分に支持されたボールねじと、前記第2の構造部分の前記第1の構造部分に対する前記直線方向の往復相対変位に伴って前記ホールねじを往復回転させる、前記ホールねじに螺合しつつ前記第2の構造部分に固定されたボールねじナットと、を有する、前記第1の構造部分に回転自在に支持された回転軸を前記ボールねじの回転によって回転させるための回転軸駆動機構と、
前記回転軸と同軸な円筒状内側摺動面を有するハウジングと、前記回転軸と一体に回転可能にかつ前記回転軸の軸線に対して半径方向に変位自在に前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸の回転に伴って生じる遠心力により前記内側摺動面に押圧されつつ摺動可能なブレーキシューと、を有するブレーキ機構と、
を備えることを特徴としている。
【0020】
すなわち、請求項7に記載した振動減衰装置は、第1および第2の構造部分間に生じた所定の直線方向の相対変位によってボールねじをその軸線の回りに回転させるとともに、このボールねじの回転に伴って回転軸を回転させる。
この場合、ボールねじと回転軸とを同軸かつ一体に接続することもできるし、歯車機構を介して両者を接続することにより、ボールねじの軸線と回転軸の軸線とがなす角度を例えば垂直とすることもできる。
さらには、この歯車機構を増速機構として構成し、ボールねじの回転数に対して回転軸の回転数の方が大きくなるようにすることもできる。
また、回転軸が高速で回転すると、回転軸と共に一体に回転するブレーキシューに作用する遠心力がブレーキシューを摺動面に押圧して摩擦抵抗を生じさせ、この摩擦抵抗により振動を減衰させる。
このとき、ブレーキシューと摺動面との間に生じる摩擦抵抗は回転軸の回転角速度の2乗に比例するので、第1および第2の構造部分間に生じた相対変位の速度が高くなればなるほど高い減衰力を発生させることができる。
これにより、第1および第2の構造部分間に生じた相対変位の速度が高くなっても、確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
さらに、請求項7に記載した振動減衰装置においては、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位のストロークに合わせてボールねじの長さを自在に設定することができるから、第1および第2の構造部分間の相対変位のストロークがどれだけ長くなったとしても確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
【0021】
また、請求項8に記載したように、回転軸を回転軸駆動機構側の第1の軸部分とブレーキシュー側の第2の軸部分とに分割するとともに、第1の軸部分の回転を変速して第2の軸部分に伝達する変速機構を第1の軸部分と第2の軸部分との間に介装することができる。
変速機構には、大小の平歯車や遊星歯車等を用いることができる。
また、変速機構にはす歯歯車等を用いることにより、第1の軸部分の軸線に対して第2の軸部分の軸線を傾斜させ若しくは直交するように配置することができる。
なお、この変速機構を請求項6に記載した回転伝達手段に置き換えることもできる。
【0022】
このとき、変速機構を増速機構として第1の軸部分の回転数よりも第2の軸部分の回転数の方が高くなるようにすれば、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位の速度が低い場合でも、ブレーキシューに作用する遠心力を増加させて必要な減衰力を確保することができる。
これに対して、変速機構を減速機構として第1の軸部分の回転数よりも第2の軸部分の回転数の方が低くなるようにすれば、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位の速度が高い場合でも、ブレーキシューに作用する遠心力を低減させて減衰力の大きさを所望の範囲に設定することができる。
【0023】
また、請求項9に記載したように、回転軸を回転軸駆動機構側の第3の軸部分とブレーキシュー側の第4の軸部分とに分割するとともに、第3の軸部分と第4の軸部分とを断接自在に接続する継手を第3の軸部分と第4の軸部分の間に介装することができる。
継手は、ボルトを用いて締結するフランジ継手や、ドッグクラッチ、多板クラッチ等のあらゆる種類のクラッチを用いることができる。
また、継手の断接は手動で行うこともできるし、油空圧若しくは電磁気的に作動するアクチュエータ等を用いて機械的に行うこともできる。
【0024】
すなわち、第3の軸部分と第4の軸部分との間に断接自在な継手を介装し、かつこの継手を切り離すことにより、第1および第2の構造部分間に相対変位が生じても減衰力が作用しないようにすることができる。
また、継手を切り離すことによって、本発明の振動減衰装置を介した第1の構造部分と第2の構造部分との接続を切り離すことができるから、例えば本発明の振動減衰装置を免震装置として用いる場合に、第1の構造部分と第2の構造部分との相対位置を容易に原点位置に復帰させることができる。
【0025】
また、請求項10に記載したように、回転軸を回転軸駆動機構側の第5の軸部分とブレーキシュー側の第6の軸部分とに分割するとともに、第5の軸部分と第6の軸部分との間で伝達されるトルクが所定値を超えないように制限するための伝達トルク制限手段を、第5の軸部分と第6の軸部分との間に介装することができる。
なお、伝達トルク制限手段として、ばね式、ボール/ポケット式、磁石式、多板クラッチ式等のあらゆる種類のトルクリミッタを用いることができる。
【0026】
すなわち、第5の軸部分と第6の軸部分との間に伝達トルク制限手段を介装することにより、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位の速度が所定の値を超える範囲において、作用する減衰力を一定の値に維持することができる。
また、第1および第2の構造部分間に生じる相対変位の速度が過大となった場合に、過大な減衰力が回転軸駆動機構および変速機構に作用することを防止することもできる。
【0027】
また、請求項11に記載したように、ブレーキ機構には、ブレーキシューを半径方向外側に付勢して円筒状内側摺動面に押圧する押圧手段を設けることができる。
これにより、回転軸の回転角速度が小さいときにも摩擦抵抗力を発生させて振動減衰力が作用するように構成することができる。
なお、押圧手段は回転軸とブレーキシューとの間に若しくは半径方向に対向配置された一対のブレーキシュー間に介装されるコイルばねとすることができる。
【0028】
また、請求項12に記載したように、ブレーキ機構には、所定の大きさの遠心力がブレーキシューに作用するまではブレーキシューが内側摺動面から離間しているようにブレーキシューを半径方向内側に付勢する付勢手段を設けることができる。
これにより、付勢手段によって負荷される半径方向内側の付勢力を上回る大きさの遠心力がブレーキシューに作用してはじめてブレーキシューが内側摺動面に接触するから、回転軸の回転角速度が所定の大きさに達したときから振動減衰力が作用するように構成することができる。
なお、付勢手段は回転軸とブレーキシューとの間に若しくは半径方向に対向配置された一対のブレーキシュー間に介装されるコイルばねとすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図10を参照し、本発明に係る振動減衰装置の各実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略するとともに、第1および第2の構造部分が相対変位する方向を左右方向と、第1および第2の構造部分が相対変位する方向に対して垂直かつ水平な方向を前後方向と、鉛直方向を上下方向と言う。
【0030】
第1実施形態
まず最初に図1乃至図4を参照し、第1実施形態の振動減衰装置について詳細に説明する。
【0031】
図1乃至図3に示した第1実施形態の振動減衰装置100は、建築構造物や機械構造物に生じる振動のうち、第1の構造部分1と第2の構造部分2との間の矢印Aで示す水平方向の振動を減衰させるために設けられている。
なお、両構造部分1,2の各側面1a,2aは互いに平行であり、かつ第1の構造部分1の稜線1bが延びる方向は両構造部分1,2が相対変位する方向Aに平行となっている。
【0032】
図1に示したように、この振動減衰装置100は、第1および第2の構造部分1,2間に直線方向の往復相対変位が生じたときに後述する回転軸12の往復回転運動を生じさせる回転軸駆動機構10と、回転軸12の回転を変速して伝達するための変速機構20と、回転運動の伝達を断接するための継手30と、回転軸に伝達される回転トルクの大きさを制限するための伝達トルク制限手段40と、制動用のブレーキシューを有したブレーキ機構50とを備えている。
【0033】
回転軸駆動機構10は、第1の構造部分1の稜線1bに沿って左右方向に水平に延びるように第1の構造部分1に固定されたラックギヤ11と、上下方向に延びるように第2の構造部分2側に支持されている回転軸12の下端に固定された、ラックギヤ11と噛み合うピニオンギヤ13とを有している。
これにより、第1および第2の構造部分1,2間に矢印A方向の往復相対変位が生じると回転軸12は往復回転運動する。
【0034】
回転軸駆動機構10の上方には、回転軸(第1の軸部分)12の回転を変速するための変速機構20が設けられている。
この変速機構20は、第2の構造部分2に固定されたハウジング21と、このハウジング21内に収納された遊星歯車機構22と、この遊星歯車機構22によって変速された回転運動を出力する第1中間軸(第2の軸部分)23とを有している。
これにより、第1中間軸23の回転数は、回転軸12の回転数に遊星歯車機構22のギヤ比を乗じた値に高められる。
【0035】
変速機構20の上方には、上述した第1中間軸(第3の軸部分)23とブレーキシュー側の第2中間軸(第4の軸部分)33との間の回転運動の伝達を断接するための継手30が配設されている。
この継手30は、図示されないボルトによって相互に接続される上下一対のフランジ31,32を有している。
これにより、ボルトを取り外すことによって、上下一対のフランジ31,32の接続を切り離して第1中間軸23と第2中間軸33との間の回転運動の伝達を遮断することができる。
【0036】
継手30の上方には、第2中間軸(第5の軸部分)33とブレーキ軸(第6の軸部分)43との間で伝達される回転トルクの大きさを制限するための伝達トルク制限手段40が配設されている。
この伝達トルク制限手段40は、ボール/ポケット式のトルクリミッタであり、第2中間軸33とブレーキ軸43との間に所定値を上回る大きさの回転トルクが付加されると、上下一対のフランジ41,42が相対回転しつつ設定された最大伝達トルクを伝達する構造となっている。
【0037】
伝達トルク制限手段40の上方には、ブレーキ軸43の回転を制動するためのブレーキ機構50が配設されている。
このブレーキ機構50は、図3に示したように、ブレーキ軸43と同軸に配設された円筒状の内側摺動面51aを有する、第2の構造部分2に固定されたハウジング51を備えている。
また、ブレーキ軸43と一体に回転するロータ52には、半径方向に対向配置された一対のブレーキシュー53,53の各ブラケット54,54が、それぞれブレーキ軸43の軸線に対して半径方向に変位自在に取り付けられている。
また、互いに対向する一対のブラケット54,54の間には、ブレーキシュー53,53をそれぞれ内側摺動面51aに向かって押圧する一対の圧縮コイルばね(押圧手段)55,55が介装されている。
【0038】
次に、上述した構造を有する本第1実施形態の振動減衰装置100の作用効果について説明する。
【0039】
本第1実施形態の振動減衰装置100は、第1および第2の構造部分1,2間に生じた矢印A方向の相対変位によってブレーキ軸(回転軸)43を回転(矢印B)させるとともに、このブレーキ軸43と一体に回転するブレーキシュー53,53に作用する遠心力(矢印C)によってこれらのブレーキシュー53,53をハウジング51の内側摺動面51aに押圧して摩擦抵抗を生じさせ、この摩擦抵抗によって第1および第2の構造部分1,2間に生じた振動を減衰させる構造である。
このとき、ブレーキシュー53,53と内側摺動面51aとの間に生じる摩擦抵抗はブレーキ軸43の回転角速度の2乗に比例するので、第1および第2の構造部分1,2間に生じた相対変位の速度が高くなればなるほど高い減衰力を発生させることができる。
これにより、第1および第2の構造部分間に生じた相対変位の速度が高くなっても、確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
【0040】
なお、一対のブレーキシュー53,53の間に介装されている一対の圧縮コイルばね55,55による半径方向外向きの付勢力を高めることにより、ブレーキ軸43の回転数が低い状態においてもある程度の大きさの摩擦抵抗を生じさせることが可能である。
【0041】
これに対して、一対のブレーキシュー53,53の間に介装するコイルばねを引張りコイルばね(付勢手段)とするとともに、所定の大きさの遠心力が一対のブレーキシュー53,53に作用するまではこれらのブレーキシュー53,53が内側摺動面51aから離間しているようにその半径方向内向きの付勢力の大きさを定めれば、ブレーキ軸(回転軸)43の回転角速度が所定の大きさに達して初めて振動減衰力が作用するように構成することもできる。
【0042】
また、本第1実施形態の振動減衰装置100においては、第1および第2の構造部分1,2が相対変位する方向(矢印A)に延びるように第1の構造部分1に固定したラックギヤ11と、第2の構造部分2に支持された回転軸12の先端に固定されてラックギヤ11と噛み合うピニオンギヤ13とによって回転軸駆動機構10を構成している。
このとき、第1の構造部分1に取り付けるラックギヤ11の長さは、第1および第2の構造部分1,2間に生じる相対変位のストロークに合わせて自在に設定することができる。
これにより、第1および第2の構造部分1,2間に生じる相対変位のストロークがどれだけ長くなっても、確実にブレーキ機構50において摩擦抵抗を発生させて第1および第2の構造部分1,2間の振動を減衰させることができる。
また、第1および第2の構造部分1,2が相対変位する方向と回転軸12が延びる方向とが垂直であるため、第1および第2の構造部分1,2の直線方向の相対変位を効率良くブレーキ軸43の回転に変換することができる。
【0043】
また、本第1実施形態の振動減衰装置100においては、回転軸12の回転数を変速機構20を用いて増速することにより第1中間軸23の回転数を高めるようになっている。
これにより、第1および第2の構造部分1,2間に生じる相対変位の速度が低い場合でもブレーキ軸43の回転数を高めることができるから、ブレーキシュー53,53に作用する遠心力を増加させて発生させる減衰力を高めることができる。
さらに、ブレーキ機構50が発生する制動力は、第1中間軸23から変速機構20を介して回転軸12に伝達されるときに減速されて増加するから、発生した制動力が小さい場合にも第1および第2の構造部分1,2間における相対変位を確実に減衰させることができる。
【0044】
また、本第1実施形態の振動減衰装置100は、第1中間軸23と第2中間軸33との間に介装した継手30によって、第1中間軸23と第2中間軸33との間の回転トルクの伝達を断接可能としている。
これにより、継手30を切り離すことによって、第1および第2の構造部分1,2間に相対変位が生じても振動減衰装置100が減衰力を発生させないようにすることができる。
したがって、振動減衰装置100を免震装置として用いる場合には、第1および第2の構造部分1,2間の相対位置を容易に原点位置に復帰させることができる。
【0045】
また、本第1実施形態の振動減衰装置100は、第2中間軸33とブレーキ軸43との間に介装した伝達トルク制限手段40により、図4に示したように、第1および第2の構造部分1,2間に生じる相対変位の速度が所定の値を超える範囲において両構造部分間に作用する減衰力を一定の値に維持することができる。
これにより、第1および第2の構造部分1,2間に生じる相対変位の速度が過大となった場合においても、過大な減衰力が回転軸駆動機構10および変速機構20に作用することを防止できる。
【0046】
第2実施形態
次に図5を参照し、第2実施形態の振動減衰装置について詳細に説明する。
【0047】
図5に示した第2実施形態の振動減衰装置200は、上述した第1実施形態の振動減衰装置100におけるラックギヤ11をピニオンギヤ13の円周方向に湾曲するラックギヤ16に置き換えたものであり、それ以外の構成は第1実施形態の振動減衰装置100と同一になっている。
【0048】
すなわち、上述した第1実施形態における第2の構造部分2は第1の構造部分1に対して一直線上を矢印A方向に往復相対変位するようになっていた。
これに対して、本第2実施形態における第2の構造部分2は、例えば第1の構造部分1に固定された円弧状に湾曲するレール(図示せず)によって第1の構造部分1上に支持されており、第2の構造部分2が第1の構造部分1に対して左右方向(矢印A方向)に往復相対変位する際に往復相対変位のストロークの両端側に近づく毎に、言い換えるとピニオンギヤ13が湾曲したラック16の両端部16a,16bに近づく毎に、第2の構造部分2は第1の構造部分に対して矢印D方向に前進する。
あるいは、第2の構造部分2は第1の構造物1に固定された上下軸に軸支されて水平揺動するリンク(図示せず)を介して第1の構造物1に接続されており、第2の構造部分2が第1の構造部分1に対して左右方向(矢印A方向)に往復相対変位する際に往復相対変位のストロークの両端側に近づく毎に、言い換えるとピニオンギヤ13が湾曲したラック16の両端部16a,16bに近づく毎に、第2の構造部分2は第1の構造部分1に対して矢印D方向に前進する。
そして、ラックギヤ16の湾曲の曲率半径は、上述した湾曲レールの曲率半径および上述したリンクの揺動半径に等しい。
【0049】
したがって、本第2実施形態のように第2の構造部分2が第1の構造部分1に対して直線方向(矢印A方向)に往復相対変位する際にこの直線方向に対して垂直な方向(矢印D方向)に変位する成分が含まれる場合であっても、本第2実施形態の振動減衰装置200を適用し、第1および第2の構造部分間の振動を減衰することができる。
【0050】
第3実施形態
次に図6を参照し、第3実施形態の振動減衰装置について詳細に説明する。
【0051】
図6に示した第3実施形態の振動減衰装置300は、上述した第1実施形態の振動減衰装置100における回転軸駆動機構10を別個の回転軸駆動機構60に置き換えるとともに、回転軸12およびブレーキ軸43が水平に延びるように全体の配置を変更したものである。
【0052】
本第3実施形態における回転軸駆動機構60は、第1の構造部分1の稜線1bに沿って左右方向に水平に延びるように第1の構造部分1に張設されたチェーン61と、このチェーン61が延びる方向に対して垂直にかつ水平に延びる回転軸62の先端に固定されてチェーン61に噛み合うスプロケット63とを有している。
これにより、第1および第2の構造部分1,2間に矢印A方向の往復相対変位が生じると、回転軸62は往復回転運動することになる。
【0053】
このとき、第1および第2の構造部分1,2間の相対変位にわずかながら上下方向の成分が含まれていたとしても、チェーン61自身のたわみおよび重量によってスプロケット63との係合が外れることがないから、第1および第2の構造部分1,2間の矢印A方向の振動を確実に減衰させることができる。
【0054】
第4実施形態
次に図7を参照し、第4実施形態の振動減衰装置について詳細に説明する。
【0055】
図7に示した第4実施形態の振動減衰装置300は、上述した第2実施形態の振動減衰装置200における回転軸駆動機構60を別個の回転軸駆動機構70に置き換えたものである。
【0056】
本第4実施形態における回転軸駆動機構70は、第1の構造部分1の稜線1bに沿って左右方向に水平に延びるように第1の構造部分1に張設されたケーブル71と、このケーブル71が延びる方向に対して垂直にかつ水平に延びる回転軸72の先端に固定されるとともにその外周面にケーブル71が巻装されるシーブ73とを有している。
これにより、第1および第2の構造部分1,2間に矢印A方向の往復相対変位が生じると、回転軸62は往復回転運動することになる。
【0057】
このとき、第1および第2の構造部分1,2間の相対変位に比較的大きな上下方向の成分および前後方向の成分が含まれていたとしても、ケーブル71のたわみによってシーブ73から脱落することはないから、第1および第2の構造部分1,2間の矢印A方向の振動を確実に減衰させることができる。
【0058】
第5実施形態
次に図8および図9を参照し、第5実施形態の振動減衰装置について詳細に説明する。
【0059】
図8に示した第5実施形態の振動減衰装置500は、上述した第1実施形態の振動減衰装置100における回転軸駆動機構10を別個の回転軸駆動機構80に置き換えるとともに、回転軸12およびブレーキ軸43が水平に延びるように全体の配置を変更したものである。
【0060】
本第5実施形態における回転軸駆動機構80は、第1の構造部分1の稜線1bに沿って左右方向に水平に延びるように第1の構造部分1に固定されたリードの大きい多条ボールねじ81と、このボールねじ81に螺合しつつこのボールねじ81によって駆動されて回転するボールねじナット82とを有している。
また、図9に示したように、ボールねじナット82に同軸に外嵌しているリングギヤ83は第1中間軸23に外嵌しているピニオンギヤ84と噛み合い、ボールねじナット82の回転を第1中間軸23に伝達するための回転伝達手段を構成すると同時に、第1中間軸23の回転数を高めるための増速機構を兼ねている。
また、ボールねじナット82およびリングギヤ83は、そのフランジ85によって第2の構造部分2に固定されているハウジング86の内側において回転自在に支持されている。
【0061】
これにより、第1および第2の構造部分1,2間に矢印A方向の往復相対変位が生じると、ボールねじナット82はボールねじ81上をその軸線方向に変位しつつ往復回転運動する。そして、ボールねじナット82の回転は、リングギヤ83、ピニオンギヤ84、第1中間軸23、継手30、伝達トルク制限手段40、ブレーキ軸43を介してブレーキ機構50に伝達されて摺動摩擦による減衰力が発生する。
このとき、本第5実施形態の振動減衰装置500は、回転慣性質量の大きいボールねじ81が回転せずに回転慣性質量の小さなボールねじナット82が回転する構造であるから、第1および第2の構造部分1,2間の高速度な振動をも効果的に減衰させることができる。
【0062】
第6実施形態
次に図10を参照し、第6実施形態の振動減衰装置について詳細に説明する。
【0063】
上述した第5実施形態の振動減衰装置500においては、ボールねじ81が回転せずに駆動部材としての役割を果たすとともに、ボールねじナット82が回転して被駆動部材としての役割を果たしていた。
これに対して本第6実施形態の振動減衰装置600においては、ボールねじが回転して被駆動部材としての役割を果たすとともに、ボールねじナットが回転せずに駆動部材としての役割を果たしている。
【0064】
すなわち、図9に示したように、第1の構造部分1の上面1aからわずかに上方に離間した位置には、リードの大きい多条ボールねじ91が図示左右方向に水平に延びるように配設されている。
このボールねじ91は、その図示左端側が第1の構造部分1の上面1aに固設されたブラケット92の軸受93によって、またその図示右端側が第1の構造部分1の上面1aに固設されたブレーキ機構50の内部の図示されない軸受によって、その軸線の回りに回転自在に支持されている。
さらに、ボールねじ91の図示右端側は、ブレーキ機構50の図示されない回転軸(ブレーキ軸)と一体に回転するように接続されている。
【0065】
また、第1の構造部分1の上方に配設されて図示左右方向(矢印A方向)に往復相対変位する第2の構造部分2の下面2aには、ボールねじ91に螺合するボールねじナット94が下面2aに固設されたブラケット95によって回転不能に固定されている。
これにより、第2の構造部分2が第1の構造部分1に対して図示左右方向(矢印A方向)に往復相対変位すると、固定されているボールねじナット94によってボールねじナット91がその軸線の回りに往復回転させられる。
【0066】
ボールねじ91の回転によってブレーキ機構50のブレーキ軸(回転軸)が回転すると、このブレーキ軸と一体に回転するブレーキシューが遠心力によってハウジング51の内側摺動面に押圧されて摩擦抵抗を生じさせ、第1および第2の構造部分1,2間に生じた振動を減衰させる。
このとき、第1および第2の構造部分1,2間に生じる相対変位のストロークに合わせてボールねじ91の長さを自在に設定することができるから、第1および第2の構造部分1,2間の相対変位のストロークが長くなったとしても確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
なお、ブレーキ機構50の内部に複数の歯車からなる増速機構を配設し、ボールねじ91の回転数に対してブレーキ機構50の回転軸(ブレーキ軸)の回転数を高めることもできる。
また、前述した第5実施形態の振動減衰装置500と同様に、ボールねじ91とブレーキ機構50の回転軸(ブレーキ軸)との間に継手30および伝達トルク制限手段40を介装することもできる。
【0067】
以上、本発明に係る振動減衰装置の各実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第1実施形態においては回転軸駆動機構10、変速機構20、継手30、伝達トルク制限手段40、ブレーキ機構50の全てを組み合わせて用いている。これに対して、回転軸駆動機構10およびブレーキ機構50だけを用いることもできるし、変速機構20、継手30、伝達トルク制限手段40うちのいずれか一つ若しくはいずれか2つを選んで組み合わせることもできる。
また、変速機構20にはす歯歯車等を用いることにより、回転軸12に対して第1中間軸23を傾斜させ若しくは直交するようにして、ラックギヤ11が延びる方向とブレーキ軸43が延びる方向とが平行となるように配設することもできる。
また、各中間軸は、軸受を用いて第2の構造部分に回転自在に支持することができる。
さらに、第1および第2の構造部分1,2間に上述した各実施形態の振動減衰装置をそれぞれ複数個配置することにより、減衰力の大きさを適宜設定することもできる。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の振動減衰装置は、第1および第2の構造部分間に生じた直線方向の相対変位によって回転軸を回転させるとともに、この回転軸と一体に回転するブレーキシューに作用する遠心力によってブレーキシューを摺動面に押圧して摩擦抵抗を生じさせ、この摩擦抵抗により振動を減衰させる構造である。これにより、第1および第2の構造部分間に生じた相対変位の速度が高くなっても、確実に摩擦抵抗を発生させて振動を減衰させることができる。
また、本発明の振動減衰装置における回転軸駆動機構は、第1および第2の構造部分が往復相対変位する方向に延びる長尺部材によって回転軸を回転させる構造であるから、第1および第2の構造部分間に生じる往復相対変位のストロークがどれだけ長くなったとしても長尺部材の全長を長く取ることによって、第1および第2の構造部分間の振動を減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の振動減衰装置を示す斜視図。
【図2】図1中に示した振動減衰装置の正面図。
【図3】図1中に示したブレーキ機構の水平断面図。
【図4】トルクリミッタの作用を説明するグラフ。
【図5】第2実施形態の振動減衰装置を示す要部破断斜視図。
【図6】第3実施形態の振動減衰装置を示す斜視図。
【図7】第4実施形態の振動減衰装置を示す斜視図。
【図8】第5実施形態の振動減衰装置を示す斜視図。
【図9】図8に示した振動減衰装置の要部断面図。
【図10】第6実施形態の振動減衰装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1 第1の構造部分
2 第2の構造部分
10 第1実施形態の回転軸駆動機構
11 ラックギヤ
12 回転軸
13 ピニオンギヤ
15 第2実施形態の回転軸駆動機構
16 ラックギヤ
17 軸受
20 変速機構
21 ハウジング
22 遊星歯車機構
23 第1中間軸
30 継手
31,32 フランジ
33 第2中間軸
40 伝達トルク制限手段(トルクリミッタ)
41,42 フランジ
43 ブレーキ軸
50 ブレーキ機構
51 ハウジング
51a 内側摺動面
52 ロータ
53 ブレーキシュー
54 ブラケット
55 コイルばね
60 第3実施形態の回転軸駆動機構
61 チェーン
62 回転軸
63 スプロケット
70 第4実施形態の回転軸駆動機構
71 ケーブル
72 回転軸
73 シーブ
80 第5実施形態の回転軸駆動機構
81 ボールねじ
82 ボールねじナット
83 リングギヤ
84 ピニオンギヤ
90 第6実施形態の回転軸駆動機構
91 ボールねじ
94 ボールねじナット
100 第1実施形態の振動減衰装置
200 第2実施形態の振動減衰装置
300 第3実施形態の振動減衰装置
400 第4実施形態の振動減衰装置
500 第5実施形態の振動減衰装置
600 第6実施形態の振動減衰装置

Claims (12)

  1. 構造物の第1および第2の構造部分間の直線方向の振動を減衰させるための装置であって、
    前記第1の構造部分に固設されて前記直線方向に延びる長尺駆動部材と、前記第2の構造部分に支持された回転軸を回転させるための、前記長尺駆動部材によって駆動されて回転する被駆動部材と、を有する、前記第1および第2の構造部分間に生じる前記直線方向の往復相対変位によって前記回転軸の往復回転運動を生じさせる回転軸駆動機構と、
    前記回転軸と同軸な円筒状内側摺動面を有するハウジングと、前記回転軸と一体に回転可能にかつ前記回転軸の軸線に対して半径方向に変位自在に前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸の回転に伴って生じる遠心力により前記内側摺動面に押圧されつつ摺動可能なブレーキシューと、を有するブレーキ機構と、
    を備えることを特徴とする振動減衰装置。
  2. 前記長尺駆動部材は、前記直線方向に延びるように前記第1の構造部分に固設されたラックギヤであり、
    かつ前記被駆動回転部材は、前記回転軸に取り付けられて前記ラックギヤと噛み合うピニオンギヤである、
    ことを特徴とする請求項1に記載した振動減衰装置。
  3. 前記ラックギヤは、前記ピニオンギヤの円周方向に湾曲していることを特徴とする請求項2に記載した振動減衰装置。
  4. 前記長尺駆動部材は、前記直線方向に延びるように前記第1の構造部分に張設されたチェーンであり、
    かつ前記被駆動回転部材は、前記回転軸に取り付けられて前記チェーンと噛み合うスプロケットである、
    ことを特徴とする請求項1に記載した振動減衰装置。
  5. 前記長尺駆動部材は、前記直線方向に延びるように前記第1の構造部分に張設されたケーブルであり、
    かつ前記被駆動回転部材は、前記回転軸に取り付けられてその上に前記ケーブルが巻回されるシーブである、
    ことを特徴とする請求項1に記載した振動減衰装置。
  6. 前記長尺駆動部材は、前記直線方向に延びるように前記第1の構造部分に固設されたボールねじであり、
    前記被駆動回転部材は、前記ボールねじに螺合しつつ前記ボールねじにより駆動されて回転するボールねじナットであり、
    かつ前記回転軸駆動機構は、前記ボールねじナットの回転を前記回転軸に伝達する回転伝達手段をさらに有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載した振動減衰装置。
  7. 構造物の第1および第2の構造部分間の直線方向の振動を減衰させるための装置であって、
    前記直線方向に延びつつその軸線回りに回転自在に前記第1の構造部分に支持されたボールねじと、前記第2の構造部分の前記第1の構造部分に対する前記直線方向の往復相対変位に伴って前記ホールねじを往復回転させる、前記ホールねじに螺合しつつ前記第2の構造部分に固定されたボールねじナットと、を有する、前記第1の構造部分に回転自在に支持された回転軸を前記ボールねじの回転によって回転させるための回転軸駆動機構と、
    前記回転軸と同軸な円筒状内側摺動面を有するハウジングと、前記回転軸と一体に回転可能にかつ前記回転軸の軸線に対して半径方向に変位自在に前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸の回転に伴って生じる遠心力により前記内側摺動面に押圧されつつ摺動可能なブレーキシューと、を有するブレーキ機構と、
    を備えることを特徴とする振動減衰装置。
  8. 前記回転軸は、前記回転軸駆動機構側の第1の軸部分と前記ブレーキシュー側の第2の軸部分とに分割されており、
    かつ前記第1の軸部分の回転を変速して前記第2の軸部分に伝達する変速機構が前記第1の軸部分と前記第2の軸部分との間に介装されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載した振動減衰装置。
  9. 前記回転軸は、前記回転軸駆動機構側の第3の軸部分と前記ブレーキシュー側の第4の軸部分とに分割されており、
    かつ前記第3の軸部分と前記第4の軸部分とを断接可能な継手が前記第3の軸部分と前記第4の軸部分との間に介装されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載した振動減衰装置。
  10. 前記回転軸は、前記回転軸駆動機構側の第5の軸部分と前記ブレーキシュー側の第6の軸部分とに分割されており、
    かつ前記第5の軸部分と前記第6の軸部分との間で伝達されるトルクが所定値を超えないように制限するための伝達トルク制限手段が、前記第5の軸部分と前記第6の軸部分との間に介装されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載した振動減衰装置。
  11. 前記ブレーキ機構は、前記ブレーキシューを半径方向外側に付勢して前記円筒状内側摺動面に押圧する押圧手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載した振動減衰装置。
  12. 前記ブレーキ機構は、所定の大きさの遠心力が前記ブレーキシューに作用するまでは前記ブレーキシューが前記内側摺動面から離間しているように前記ブレーキシューを半径方向内側に付勢する付勢手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載した振動減衰装置。
JP2003173842A 2003-06-18 2003-06-18 振動減衰装置 Pending JP2005009565A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003173842A JP2005009565A (ja) 2003-06-18 2003-06-18 振動減衰装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003173842A JP2005009565A (ja) 2003-06-18 2003-06-18 振動減衰装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005009565A true JP2005009565A (ja) 2005-01-13

Family

ID=34097553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003173842A Pending JP2005009565A (ja) 2003-06-18 2003-06-18 振動減衰装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005009565A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019347A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Shimizu Corp 慣性質量ダンパー
JP2010265987A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Ohbayashi Corp 摩擦ダンパー
JP2011106515A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Aseismic Devices Co Ltd 免制震機構
JP2011220430A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Ohbayashi Corp 接合部の制振構造
JP2012167805A (ja) * 2011-02-17 2012-09-06 Dai Ichi Kasei Kk クラッチ付き駆動装置
JP2013204655A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Kurimoto Ltd 回転制動装置
WO2017073420A1 (ja) * 2015-10-29 2017-05-04 Thk株式会社 回転慣性質量ダンパ
CN108004909A (zh) * 2017-12-08 2018-05-08 广州大学 一种齿轮与曲柄连杆组合机构隔震限位装置
CN113803386A (zh) * 2021-08-26 2021-12-17 郭士强 一种用于升降装置中的电机抱闸机构
WO2021257268A3 (en) * 2020-05-28 2022-02-10 ActiBioMotion, LLC Vibration dampening system
CN114961015A (zh) * 2022-07-14 2022-08-30 同济大学 抗扭转阻尼器
US11713795B2 (en) 2020-05-29 2023-08-01 ActiBioMotion, LLC Vibration dampening system

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019347A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Shimizu Corp 慣性質量ダンパー
JP2010265987A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Ohbayashi Corp 摩擦ダンパー
JP2011106515A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Aseismic Devices Co Ltd 免制震機構
JP2011220430A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Ohbayashi Corp 接合部の制振構造
JP2012167805A (ja) * 2011-02-17 2012-09-06 Dai Ichi Kasei Kk クラッチ付き駆動装置
JP2013204655A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Kurimoto Ltd 回転制動装置
WO2017073420A1 (ja) * 2015-10-29 2017-05-04 Thk株式会社 回転慣性質量ダンパ
CN108138894A (zh) * 2015-10-29 2018-06-08 Thk株式会社 旋转惯性质量减震器
US10508439B2 (en) 2015-10-29 2019-12-17 Thk Co., Ltd. Rotary inertia mass damper
CN108004909A (zh) * 2017-12-08 2018-05-08 广州大学 一种齿轮与曲柄连杆组合机构隔震限位装置
CN108004909B (zh) * 2017-12-08 2023-10-03 广州大学 一种齿轮与曲柄连杆组合机构隔震限位装置
WO2021257268A3 (en) * 2020-05-28 2022-02-10 ActiBioMotion, LLC Vibration dampening system
US11713795B2 (en) 2020-05-29 2023-08-01 ActiBioMotion, LLC Vibration dampening system
CN113803386A (zh) * 2021-08-26 2021-12-17 郭士强 一种用于升降装置中的电机抱闸机构
CN114961015A (zh) * 2022-07-14 2022-08-30 同济大学 抗扭转阻尼器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5850912B2 (ja) プーリダンパ
JP2005009565A (ja) 振動減衰装置
CA2907579C (en) Torque limiting clutch for orthotic and prosthetic devices
JP5096536B2 (ja) 減衰装置
EP2740959A2 (en) Clutch Actuated by Inertia Mass and Friction Damping
WO2013057797A1 (ja) 減衰装置
WO2010016582A1 (ja) ダンパスプリング装置、フライホイール、クラッチディスク、ロックアップ機構用クラッチディスク
AU2011292515A1 (en) Method for accumulating kinetic energy and rotor device for accumulating and dissipating kinetic energy
US7699731B2 (en) Mechanism of motor reduction with variable regidity and rapidly controllable
US20220034370A1 (en) Power take off including a torsional vibration damping assembly
JP5756697B2 (ja) 振動吸収継手及びそれを備えた刈払機
DE2539424A1 (de) Ausgleichsvorrichtung fuer das reaktionsmoment an antriebsmaschinen
JP2009115262A (ja) フライホイール
RU2313014C1 (ru) Амортизатор
JP6498467B2 (ja) 回転慣性制振装置、及び構造物の振動抑制装置
KR101472435B1 (ko) 듀얼 매스 댐퍼 플라이휠
JP5351493B2 (ja) リミッタ付きダンパ
JP6297454B2 (ja) 免震用ダンパ
EP2626591B1 (en) Torsional vibration attenuation apparatus
JP7444150B2 (ja) 振動抑制装置
US20150018970A1 (en) Torque limiting clutch for orthotic and prosthetic devices
SU1054113A1 (ru) Ведущий мост транспортной машины
WO2021117218A1 (ja) 変速機
JP2015194205A (ja) トルク制限装置
JP2021076237A (ja) 制動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080814

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081205