JP5756697B2 - 振動吸収継手及びそれを備えた刈払機 - Google Patents

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本発明は、原動機側の出力軸と負荷側の伝導軸との間に設けられ、伝導軸のねじり振動を吸収させるための振動吸収継手及びそれを備えた刈払機に関する。
原動機の駆動力で細長い軸を回転させて使用する機械、装置等においては、ねじり振動が問題となる。ねじり振動は、原動機の回転の加速・減速時や負荷の変動等により、駆動される軸の一方の端部が他方の端部に比べ回転が遅れることにより生じる。
例えば刈払機では、原動機により伝導軸を回転させ、この回転に伴って刈刃が回転する。伝導軸は、細長い軸であり先端に質量の大きい刈刃が接続されている。このため、原動機の回転は伝導軸の先端側には直ぐには伝達されず、伝導軸の先端側に回転の遅れが生じ、伝導軸にねじり振動が生じる。ねじり振動は、刈刃の負荷が変動した場合や、原動機の回転を加速・減速させた場合にも生じる。
刈払機におけるねじり振動は、操作性悪化や疲労増大を引き起こすだけでなく、振動障害の原因になる可能性もある。このため、防振機構を備えた刈払機が望まれる。特許文献1には、伝導軸のねじり振動を圧縮コイルばねの伸縮運動に変換して吸収する振動吸収継手が開示されている。
特開2007−61031号公報
特許文献1の振動吸収継手においては、回転運動を直線運動に変換する変換手段が必要になる。特許文献1には変換手段として、三角形状の窓にピンを摺接させる摺接機構や凹部に凸部を嵌合当接させるカム機構が挙げられている。摺接機構では三角形状の窓に沿ってピンが摺動することにより、カム機構では凹部と凸部の嵌合当接状態をずらすことにより、それぞれ回転運動が直線運動に変換される。
しかし、前記の各機構では、変換動作の全体に亘り、窓とピンとの係合、凹部と凸部との係合のそれぞれを滑らかに保つことは困難であり、円滑な動作の実現には不利であった。また前記の摺接機構では、窓とピンとの係合部分の接触面積が小さく、前記のカム機構では可動中に凹部と凸部との係合部分の接触面積が小さくなる。このため、前記の各機構では、係合部分に力が集中し耐久性の面でも不利であった。
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、ねじり振動を吸収するとともに、円滑な動作及び耐久性の確保に有利な振動吸収継手及びそれを備えた刈払機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の振動吸収継手は、ねじり振動を吸収するための振動吸収継手であって、外周面に雄ねじが形成された回転軸と、内周面に雌ねじが形成された本体と、圧縮コイルばねとを備え、前記回転軸は、前記雄ねじと前記雌ねじとが螺合した状態で前記本体に取り付けられており、前記圧縮コイルばねは、前記回転軸の軸方向の移動により、長さが変化するように、前記本体に取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、回転軸に形成された雄ねじと本体の内周面に形成された雄ねじとが螺合しているので、回転軸の回転により回転軸は軸方向に移動する。一方、圧縮コイルばねは、回転軸の軸方向の移動により長さが変化する。このため、回転軸の回転運動が直線運動に変換されるとともに、圧縮コイルばねが伸縮して、ねじり振動が吸収される。本発明では、回転運動の直線運動への変換を雄ねじと雌ねじとの螺合により実現しているので、回転運動が直接的に直線運動に変換され、動作が円滑になる。また、雄ねじ及び雌ねじは全周が螺合部分になるので、螺合部分に加わる力は分散され耐久性の確保にも有利になる。
前記本発明の振動吸収継手においては、前記圧縮コイルばねと前記雄ねじとの間にフリクションリングが介在しており、前記フリクションリングは、前記雄ねじの端部側に傾斜面が形成されていることが好ましい。この構成によれば、圧縮コイルばねの伸縮時に、雄ねじの端部にフリクションリングの傾斜面からの摩擦力が作用するので、ねじり振動吸収により有利になる。
フリクションリングを備えた構成は、特に圧縮コイルばねが伸びる際のねじり振動吸収に役立つ。圧縮コイルばねが伸びる際は、圧縮コイルばねが伸びる方向と回転軸が移動する方向が同じになるので、圧縮コイルばねによる抵抗力は得られにくい。しかし、圧縮コイルばねが伸びている間においても、前記の通りフリクションリングの傾斜面からの摩擦力が作用し、この摩擦力がねじり振動吸収に寄与する。
また、前記本体内に潤滑材が充填された密閉空間が形成されており、前記密閉空間に前記雄ねじと前記雌ねじとの螺合部分が配置されていることが好ましい。雄ねじと雌ねじとの螺合部分には、全体に亘り潤滑剤を行き渡らせることができ、螺合部分に被覆された潤滑剤は他の部分に飛散しにくい。このため、本発明のように、雄ねじと雌ねじとの螺合により回転運動を直線運動へ変換させる構成は、潤滑剤の使用に適しており、円滑な動作及び耐久性の確保に一層有利になる。
本発明の刈払機は、前記各振動吸収継手を備えているので、円滑な動作及び耐久性が確保された刈払機を実現できる。
本発明によれば、回転軸の回転運動が直線運動に変換されるとともに、圧縮コイルばねが伸縮して、ねじり振動が吸収される。本発明では、回転運動の直線運動への変換を雄ねじと雌ねじとの螺合により実現しているので、動作が円滑になる。また、雄ねじと雌ねじとの螺合部分に加わる力は分散されるので、耐久性の確保にも有利になる。
本発明の一実施形態に係る刈払機の斜視図。 図1のA部の内部構造を示す拡大断面図。 本発明の一実施形態に係る振動吸収継手の軸方向における断面図。 本発明の一実施形態に係る振動吸収継手の分解斜視図。 本発明の一実施形態に係る振動吸収継手の無負荷時を示す拡大断面図。 本発明の一実施形態に係る振動吸収継手の負荷時を示す拡大断面図。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る刈払機1の斜視図を示している。図2は、図1のA部の内部構造を示す拡大断面図である。図1において、操作棹2の先端に円板状の刈刃3が取り付けられ、後端に原動機であるエンジン5が取り付けられている。刈刃3の後側には防護カバー4が取り付けられている。操作棹2には、両側にグリップ7を備えたハンドル6が取り付けられている。
図2において、エンジン5の出力軸10の回転は、振動吸収継手20を介して伝導軸50に伝達される。伝導軸50の回転に伴い、図1の刈刃3が回転し、操作者は一対のグリップ7を掴んだ状態で雑草等の刈払作業を行う。本実施形態に係る刈払機1は、図2に示した振動吸収継手20を備えたことにより、刈払作業時の振動を抑えて操作性を向上させている。以下、振動吸収継手20について具体的に説明する。
図2において、出力軸10の先端側に接続された機構を2点鎖線で簡略化して図示している。出力軸10の回転は、遠心クラッチ機構により振動吸収継手20に伝達される。出力軸10が回転すると、これと一体に冷却ファン11及びアーム12が回転する。この回転に伴って、アーム12の先端のクラッチシュー13がクラッチドラム14の内周面に当接する。このことにより、クラッチドラム14が回転する。
クラッチドラム14には、ベアリング15に嵌め込まれた連結筒16が固定されている。連結筒16には、振動吸収継手20の構成部品である回転軸21が取り付けられている。このことにより、振動吸収継手20の一端が、遠心クラッチ機構を介して出力軸10側に接続されている。振動吸収継手20の他端には伝導軸50が接続されている。したがって、振動吸収継手20を介して、出力軸10側の連結筒16と伝導軸50とが接続されている。
振動吸収継手20の構成部品及び内部構造について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は振動吸収継手20の軸方向における断面図である。図4は振動吸収継手20の分解斜視図である。キャップ27、ホルダ28及び接続筒29により、本体30を形成している。キャップ27とホルダ28はねじ部31で連結され、図4に示した雄ねじ32と雌ねじ33とが螺合している。ホルダ28と接続筒29は、ねじ部34で連結され、図4に示した雄ねじ35と雌ねじ36とが螺合している。
本体30には、回転軸21が組み込まれている。回転軸21のうち本体30から延出する部分を延出部22と呼び、本体30内に埋設した部分を埋設部23と呼ぶ。延出部22には、スプライン外歯25が形成されている。スプライン外歯25は、後に説明するように、回転軸21を図2に示した連結筒16に取り付けるための歯部である。
回転軸21は、軸方向の中間部に雄ねじ24が形成されている。雄ねじ24は、図3に示したように、ホルダ28の内周面に形成された雌ねじ37と螺合している。図3では雄ねじ24は、右ねじでの例を示している。この構成では、本体20が軸方向に固定された状態で、回転軸21を矢印a方向に回転させると、回転軸21は矢印b方向に前進する。
回転軸21の延出部22は、ワッシャ40及びシールリング(Oリング)41を挿通している。回転軸21の埋設部23は、雄ねじ24側から順に、フリクションリング42、圧縮コイルばね43、ワッシャ44及びシールリング(Oリング)45を挿通している。
ワッシャ40は雄ねじ24の当接面を構成し、ワッシャ44は圧縮コイルばね43の当接面48及び接続筒29の当接面49を構成している。シールリング41とシールリング45との間には、密閉空間が形成されている。この密閉空間には、雄ねじ24と雌ねじ37との螺合部分を潤滑させるための潤滑剤が充填される。
フリクションリング42及び圧縮コイルばね43は、ねじり振動吸収作用を発揮させるための構成部品である。フリクションリング42には傾斜面46及び圧縮コイルばね43の当接面47が形成されている。傾斜面46は回転軸21の雄ねじ24の端部に当接して、この当接部に摩擦力を付与してねじり振動吸収に寄与する。フリクションリング42の傾斜角度αは30〜90度の範囲内が好ましい。この範囲内であれば、回転軸21の回転を過度に妨げることなく、摩擦力を付与できる。
この摩擦力は、前記の密閉空間に充填された潤滑剤の性質により変化する。一方、摩擦力の付与作用は、傾斜角度αを小さくすると強まり、傾斜角度αを大きくすると弱まる。したがって、最適な摩擦力を得るためには、潤滑剤による摩擦力の変化を考慮して傾斜角度αを設定しておけばよい。
圧縮コイルばね43は、無負荷時が最大長さとなり、伸縮によりねじり振動吸収に寄与する。
以下、図5及び図6を参照しながら、振動吸収継手20についてさらに具体的に説明するとともに、振動吸収継手20によるねじり振動の吸収作用について説明する。図5は、無負荷時の振動吸収継手20を示す拡大断面図である。伝導軸50は、接続筒29の内側に伝導軸50の一部が挿入された状態で、接続筒29に例えばねじ締め付けにより固定されている。回転軸21は、回転軸21に形成されたスプライン外歯25と連結筒16の内周面に形成されたスプライン内歯17とがスプライン係合して、連結筒16に取り付けられている。
スプライン外歯25は、回転軸21の軸方向に伸びた凸状の歯が回転軸21の外周面に沿って複数形成された歯部である。スプライン内歯25は、連結筒16の軸方向に伸びた凸状の歯が連結筒16の内周面に沿って複数形成された歯部である。スプライン外歯25とスプライン内歯17とがスプライン係合した状態では、連結筒16の回転と一体に回転軸21は回転する。スプライン係合は軸方向の移動には規制がなく、回転軸21は連結筒16から引き出される方向(矢印b方向)に移動可能である。
クラッチドラム14が回転すると、クラッチドラム14に固定されベアリング15に嵌め込まれた連結筒16が回転する。連結筒16が回転すると、連結筒16に取り付けられた回転軸21が回転する。回転軸21の先端側の一部は、接続筒29の内部に入り込んでいるが、回転軸21は接続筒29には固定されていない。したがって、回転軸21の回転は、直接的には接続筒29には伝達されず、接続筒29に固定された伝導軸50にも伝達されない。
これに対し、振動吸収継手20を介さず、連結筒16と伝導軸50とが直結している場合には、連結筒16の回転が直接的に伝導軸50に伝達される。伝導軸50の先端には質量の大きい刈刃3(図1)が接続されている。このため、伝導軸50のねじりたわみにより、伝導軸50の先端側は連結筒16の回転に直ぐには追従できず、伝導軸50の先端側は後端側に対し回転の遅れが生じる。
このことにより、伝導軸50にねじり振動が生じる。ねじり振動は、刈刃3の負荷が変動した場合や、エンジン5の回転を加速・減速させた場合にも生じる。本実施形態では、図5に示したように、連結筒16と伝導軸50とが振動吸収継手20を介して接続されていることにより、ねじり振動を防止している。
以下、ねじり振動防止について具体的に説明する。最初に、無負荷時から負荷時に移行する際のねじり振動防止について説明する。図5において、前記の通り伝導軸50は本体30の構成部品である接続筒29に固定されている。伝導軸50は伸縮しないので、本体30は軸方向には移動しない。
本体30内では、回転軸21と一体の雄ねじ24とホルダ28の内周面に形成された雌ねじ37とが螺合している。本体30が軸方向には移動しない状態では、回転軸21が矢印a方向に回転すると、これと一体に右ねじである雄ねじ24が回転しながら、回転軸21は本体30内を前進(矢印b方向)する。前記の通り回転軸21は連結筒16にスプライン係合しているので、回転軸21は軸方向に移動可能である。
回転軸21が前進すると、雄ねじ24の端部に押されてフリクションリング42が前進し、圧縮コイルばね43が圧縮される。したがって、雄ねじ24の端部には、フリクションリング42を介して圧縮コイルばね43の反発力が抵抗力として作用する。また、雄ねじ24の端部は、フリクションリング42の傾斜面46により押圧された状態で、傾斜面46上を摺動しながら回転する。このため、雄ねじ24の端部には、傾斜面46からの摩擦力が作用する。
さらに、回転軸21の先端側の外周面には、接続筒29及びシールリング45の内周面からの摩擦力が加わるが、圧縮コイルばね43による抵抗力や傾斜面46からの摩擦力と比べると軽微な力である。
回転軸21が前進するにつれて、フリクションリング42を介して雄ねじ24の端部に作用する圧縮コイルばね43の抵抗力も大きくなる。回転軸21の回転による推進力と圧縮コイルばね43の抵抗力とが釣り合うと、回転軸21の前進は停止する。
この状態を示したのが図6である。図6は、負荷時の振動吸収継手20を示す拡大断面図である。図5では長さAであった圧縮コイルばね43は、図6では長さCまで圧縮されている。また、回転軸21の前進により、図5では長さBであった回転軸21の端面と作動軸50の端面との間隔は、図6では長さDまで縮まっている。
回転軸21の前進が停止した図6の状態では、雄ねじ24と雌ねじ37とが螺合している。また、本体30の回転は規制されていない。このため、回転軸21の前進が停止すると、回転軸21の回転は、雄ねじ24と雌ねじ37との螺合部分を介して本体30に伝達され、本体30の回転が開始する。本体30が回転すると、これと一体に伝導軸50が回転し、刈刃3(図1)が回転する。
以上のように無負荷時から負荷時に移行する過程において、圧縮コイルばね43が縮むとともに、回転軸21には圧縮コイルばね43から抵抗力及びフリクションリング42の傾斜面46からの摩擦力が作用する。このことにより、負荷時に、伝導軸50に生じるねじり振動が吸収されることになる。
前記の例は、刈払機1の起動時の例であるが、負荷が増大した場合やエンジン5の回転を加速させた場合も同様である。この場合は、図6において回転軸21がさらに前進し、圧縮コイルばね43の長さCがさらに短くなった状態で回転軸21が停止して、ねじり振動が吸収される。
ここで、フリクションリング42の傾斜面46からの摩擦力について、より具体的に説明する。フリクションリング42と圧縮コイルばね43の当接面47、圧縮コイルばね43とワッシャ44の当接面48及びワッシャ44と接続筒29との当接面49にも摩擦力が作用する。前記の通り、フリクションリング42の傾斜面46の傾斜角度α(図3)を調整することにより、傾斜面46における摩擦力の付与作用を調整できる。傾斜面46における摩擦力が当接面47〜49における摩擦力と同等又は小さくなるように、傾斜角度αを設定することにより、傾斜面46にすべり抵抗の摩擦力が発生する。この摩擦力は、前記の通りねじり振動吸収に寄与する。このことは、以下に説明する負荷時から無負荷時に移行する際においても同様である。
次に、負荷時から無負荷時に移行する際のねじり振動防止について説明する。図6の負荷時の状態から回転軸21の駆動を停止すると、回転軸21の回転は速やかに低下していく。一方、先端に質量の大きい刈刃3(図1)が接続されている伝導軸50は、慣性により回転の低下は回転軸21より遅れることになる。この場合、伝導軸50と回転軸21の回転方向(矢印c方向)は同じであるが、伝導軸50の回転数が回転軸21の回転数より高い状態になる。
この回転差は、回転軸21の雄ねじ24が緩む方向に作用する。この場合、回転軸21は後退し(矢印d方向)、回転軸21は本体20から押し出される方向に移動する。この移動に伴い長さCまで縮んでいた圧縮コイルばね43は、図5の無負荷時の長さAに復元するように伸びていく。
この場合、圧縮コイルばね43が伸びることにより、ねじり振動の吸収作用は得られる。しかし、圧縮コイルばね43は、回転軸21の後退方向と同じ方向に伸びるので、圧縮コイルばね43による抵抗力は得られにくい。一方、圧縮コイルばね43が伸びている間は、圧縮コイルばね43の反発力により、フリクションリング42が雄ねじ24の端部を押圧する。この状態では雄ねじ24の端部には、フリクションリング42の傾斜面46からの摩擦力が作用する。この摩擦力はねじり振動吸収に寄与する。
以上のように負荷時から無負荷時に移行する過程において、圧縮コイルばね43が伸びるとともに、回転軸21にはフリクションリング42の傾斜面46からの摩擦力が作用する。このことにより、負荷時から無負荷時に変化する際に、伝導軸50に生じるねじり振動が吸収されることになる。
前記の例は、回転軸21の駆動を停止させたときの例であるが、負荷が減少した場合やエンジン5の回転を減速させた場合も同様である。この場合は、圧縮コイルばね43が長さCと長さAの中間の長さに伸びた状態で回転軸21が停止して、ねじり振動が吸収される。
以上のように、振動吸収継手20は、ねじり振動の吸収作用を発揮する際には、回転軸21の軸方向の移動を伴う。この移動は、本実施形態では、回転軸21に形成した雄ねじ24に本体30の内周面に形成した雌ねじ37を螺合させて実現している。この構成では、回転軸21の回転運動が直接的に直線運動に変換され、動作が円滑になる。また、雄ねじ24及び雌ねじ37は全周が螺合部分になるので、螺合部分に加わる力は分散され耐久性の確保にも有利になる。
また、図3を用いて説明したように、本実施形態では、シールリング41とシールリング45との間に密閉空間を形成し、この密閉空間には潤滑剤が充填されている。雄ねじ24と雌ねじ37との螺合部分には、全体に亘り潤滑剤を行き渡らせることができ、螺合部分に被覆された潤滑剤は他の部分に飛散しにくい。このため、本実施形態は潤滑剤の使用に適しており、このことは円滑な動作及び耐久性の確保に一層有利になる。
前記実施形態において、回転軸21に形成した雄ねじ24と本体30の内周面に形成した雌ねじ37とが螺合したねじ部は、1条ねじでもよいが2条以上の多状ねじとしてもよい。多状ねじにすることにより、少量の回転運動でも直線運動に変換される運動量が大きくなる。このことにより、回転軸21の回転運動は圧縮コイルばね43に鋭敏に作用し、ねじり振動の吸収作用がより高まることになる。
前記実施形態では、本体30は軸方向に移動せず回転軸21が軸方向に移動してねじり吸収作用を発揮する例で説明した。これとは逆に、回転軸21は軸方向に移動せず本体30が軸方向に移動するようにしてもよい。図5において、連結筒16と回転軸21とを固定し、伝導軸50と接続筒29とをスプライン係合とすれば、負荷時には本体30が軸方向に移動し、圧縮コイルばね43が圧縮されていく。この場合、本体30内部の動きは前記実施形態と同じなる。すなわち、ねじり吸収作用の際は、回転軸21と本体30とが相対的に移動すればよい。
前記実施形態では、フリクションリング42を備えた構成を説明したが、フリクションリング42の無い構成であってもよい。フリクションリング42の無い構成であっても、圧縮コイルばね43の伸縮によるねじり振動の吸収作用は得られる。フリクションリング42を備えたことにより、ねじり振動吸収作用はより高まることになる。
前記実施形態では振動吸収継手20を刈払機1に用いた例で説明したが、本発明に係る振動吸収継手は、ねじり振動を吸収できるとともに、前記の通り円滑な動作及び耐久性の確保に有利になる。このため刈払機に限らず、ねじり振動が問題となる機械、装置等に用いてもよい。
1 刈払機
2 操作棹
3 刈刃
5 エンジン(原動機)
20 振動吸収継手
21 回転軸
24 雄ねじ
30 本体
37 雌ねじ
41,45 シールリング
42 フリクションリング
43 圧縮コイルばね
46 傾斜面

Claims (3)

  1. ねじり振動を吸収するための振動吸収継手であって、
    外周面に雄ねじが形成された回転軸と、
    内周面に雌ねじが形成された本体と、
    圧縮コイルばねとを備え、
    前記回転軸は、前記雄ねじと前記雌ねじとが螺合した状態で前記本体に取り付けられており、
    前記圧縮コイルばねは、前記回転軸の軸方向の移動により、長さが変化するように、前記本体に取り付けられており、
    前記圧縮コイルばねと前記雄ねじとの間にフリクションリングが介在しており、前記フリクションリングは、前記雄ねじの端部側に傾斜面が形成されていることを特徴とする振動吸収継手。
  2. 前記本体内に潤滑材が充填された密閉空間が形成されており、前記密閉空間に前記雄ねじと前記雌ねじとの螺合部分が配置されている請求項1に記載の振動吸収継手。
  3. 請求項1又は2に記載された振動吸収継手を備えた刈払機。
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