JP2005009502A - ダイアフラム式バルブ - Google Patents

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Kaoru Inagaki
薫 稲垣
Hirokazu Tashimo
広和 田下
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Abstract

【課題】高圧側室から低圧側室への流れを制御するダイアフラム式バルブにおいて、制御される気体中の物質がダイアフラムを透過する材質である場合に、その透過した物質を大気へ放出しないようにする。また、開弁時における流量を増大させる。
【解決手段】ダイアフラム4の一方の面側に高圧側室3と低圧側室9を設け、他方の面側に背圧室6を設け、ダイアフラム4に設けた弁部12により前記高圧側室3と低圧側室9とを連通したり遮断したりする。前記背圧室6内の圧力を前記低圧側室9へ逃がす圧力逃がし穴16を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイアフラム式バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車に搭載されたガソリン燃料タンクからの蒸発燃料を、蒸発燃料捕集用のキャニスタに導入するとともに、該キャニスタにおいて、浄化された空気を大気へ放出し、捕集された蒸発燃料をエンジンの吸気筒へパージさせる蒸発燃料系に、ガソリン燃料タンク内の正圧により開弁するダイアフラム式バルブが使用されている。
【0003】
このようなダイアフラム式バルブとして、例えば図21に示すようなダイアフラム式バルブが知られている(例えば特許文献1)。
【0004】
この図21に示すダイアフラム式バルブは、ゴム製のダイアフラム101の一方の面側に、高圧側室102と低圧側室103を設け、他方の面側に背圧室104を設け、ダイアフラム101の動きにより、その弁部105によって前記高圧側室102と低圧側室103とを連通したり遮断したりするようになっている。更に、前記背圧室104には、該背圧室104内の圧力を大気へ逃がす圧力逃がしポート106を設けるとともにダイアフラム制御スプリング107を設けている。
【0005】
そして、例えば高圧側室102のポート108を燃料タンクに連通し、低圧側室103のポート109をキャニスタを通じてエンジンの吸気筒へ連通した状態において、燃料タンク内の蒸発燃料による正圧が所定以上に高くなるとその正圧が高圧側室102内に作用し、ダイアフラム制御スプリング107の付勢荷重に抗してダイアフラム101が、その弁部105がシート面110から離間するように開弁作動し、蒸発燃料が高圧側室102から低圧側室103内へ流れ、ポート109からキャニスタに捕集され、浄化された空気が大気へ出るようになっている。
【0006】
【特許文献1】
実開昭58−66157号公報(第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のように、ダイアフラム101をゴム材で形成し、背圧室104を圧力逃がしポート107で大気に開放したものにおいては、このダイアフラム式バルブを前記のようなガソリンの蒸発燃料系に用い、かつ、そのダイアフラム101がHC(炭化水素)を透過するゴム材であると、ガソリンに含有する微小なHCがゴム材のダイアフラム101を透過して背圧室104から圧力逃がポート107を通じて大気へ放出される問題がある。
【0008】
更に、前記従来のダイアフラム式バルブにおいては、背圧室104内が常時大気圧であるとともにダイアフラム101がダイアフラム制御スプリング107で押圧されているため、ダイアフラム101の弁部105は、高圧側室102内の正圧の作用のみにより開弁し、シート面110と弁部105との間を流れる気体の流量に対する通気抵抗が図23の特性Eとなり、開弁後の流量を多く稼ぐことが困難な問題もある。
【0009】
そこで本発明は、ガソリンの蒸発燃料系に用いられ、かつ、そのダイアフラムがHCを透過するゴム材で形成されている場合には、前記のような、ダイアフラムを透過したHCが大気へ放出されないようにするとともに、開弁後の流量を多く稼ぐことができるダイアフラム式バルブを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ダイアフラムの一方の面側に高圧側室と低圧側室を設け、他方の面側に背圧室を設け、ダイアフラムに設けた弁部により前記高圧側室と低圧側室とを連通したり遮断したりするダイアフラム式バルブであって、
前記背圧室内の圧力を前記低圧側室へ逃がす圧力逃がし穴を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明において、高圧側室内に高圧気体が流入すると、ダイアフラムに設けた弁部が開弁して高圧側室と低圧側室が連通し、高圧側室内の気体が低圧側室内へ流れる。
【0012】
このとき、ダイアフラムが背圧室側へ移動して背圧室内が昇圧されると、この圧力は圧力逃がし穴から低圧側室へ排出される。
【0013】
また、前記高圧側室内へ流入する気体が、ガソリン燃料の蒸発燃料であり、ダイアフラムがHCを透過するゴム材であると、前記蒸発燃料中に含有するHCがダイアフラムを透過して背圧室内に侵入するが、この侵入したHCは圧力逃がし穴から低圧側室へ排出される。
【0014】
したがって、前記背圧室に、前記従来のような大気に開放した圧力逃がし穴を設けることなくダイアフラムを支障なく作動させることができるとともに、背圧室に侵入したHCを大気へ放出させない。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記圧力逃がし穴における低圧室側開口端を、高圧側室から低圧側室へ流れる気流により、圧力逃がし穴内の気体が吸い出される位置に設けたものである。
【0016】
本発明においては、前記の作用、効果に更に高圧側室から低圧側室へ流れる気流により圧力逃がし穴内の気体が吸い出され、背圧室内の圧力が低下する。そのため、高圧側室内の圧力と背圧室内の圧力との差圧が大きくなり、ダイアフラムの弁部の開弁作用が促進されて、高圧側室内の圧力と低圧側室内の圧力との差圧に対する流量を増大させることができる。
【0017】
請求項3記載の発明は、ダイアフラムの一方の面側に高圧側室を設けるとともに該高圧側室の略中央部に位置して低圧側室を設け、ダイアフラムの他方の面側に背圧室を設け、ダイアフラムの中央部に設けた弁部を前記低圧側室のシール面に接離して高圧側室と低圧側室を連通、遮断するダイアフラム式バルブであって、
前記ダイアフラムの弁部の位置に、前記背圧室と低圧側室とを連通する圧力逃がし穴を形成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項4記載の発明は、ダイアフラムの一方の面側に低圧側室を設けるとともに該低圧側室の略中央部に位置して高圧側室を設け、ダイアフラムの他方の面側に背圧室を設け、ダイアフラムの中央部に設けた弁部を前記高圧側室のシール面に接離して高圧側室と低圧側室を連通、遮断するダイアフラム式バルブであって、
前記ダイアフラムの弁部の位置に、前記背圧室と高圧側室とを連通する圧力逃がし穴を形成したことを特徴とするものである。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記請求項3又は4記載の発明において、前記圧力逃がし穴を前記ダイアフラムの弁部に形成したものである。
【0020】
これら請求項3〜5の発明においても前記請求項1記載の発明と同様の作用、効果を発揮する。
【0021】
請求項6記載の発明は、前記請求項3記載の発明において、前記ダイアフラムの弁部の位置に、前記低圧側室内へ突出する筒部を形成し、該筒部に前記圧力逃がし穴を形成し、該圧力逃がし穴の低圧側開口端を低圧側室内に位置させたものである。
【0022】
本発明においても前記請求項2と同様の作用、効果を発揮する。
請求項7記載の発明は、前記請求項6記載の発明において、前記筒部に形成した圧力逃がし穴の低圧室側開口端を、低圧側室内の気流に対して略直交する方向に指向させたものである。
【0023】
本発明においては更に、前記圧力逃がし穴内の気体の吸い出し効果が高くなり、前記のような高圧側室内の圧力と低圧側室内の圧力との差圧に対する流量を一層増大させることができる。
【0024】
請求項8記載の発明は、前記請求項7記載の発明において、前記筒部に形成した圧力逃がし穴の低圧室側開口端を、筒部の外周面より突出した位置に設けたものである。
【0025】
本発明によれば、前記の流量を更に一層増大させることができる。
請求項9記載の発明は、前記請求項6記載の発明において、前記筒部を、ダイアフラムの弁部に形成したものである。
【0026】
請求項10記載の発明は、前記請求項6乃至8のいずれかに記載の発明において、前記筒部を、ダイアフラムのディッシュに形成したものである。
【0027】
本発明によれば、更に、請求項6乃至8記載の圧力逃がし穴の形成が容易である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態について図1乃至図20に示す実施例に基づいて説明する。
【0029】
図1乃至図3は第1実施例を示す。
本第1実施例のダイアフラム式バルブ1を構成する外筒2は一端側である上端側が開口した有底筒状に形成され、該外筒2内に高圧側室3が形成されている。前記外筒2の開口側にはダイアフラム4が配置されているとともに、該ダイアフラム4における前記外筒2と反対側には背圧室カバー5が設けられ、該背圧室カバー5と外筒2とでダイアフラム4の外周部を挟持している。そして、該ダイアフラム4により、その一方の面側に高圧側室3を、他方の面側に背圧室6を区画形成している。
【0030】
前記ダイアフラム4はゴム材等により形成され、前記高圧側室3には高圧側ポート7が設けられ、前記背圧室カバー5には前記従来のような大気への圧力逃がし穴は形成されておらず、背圧室6は大気に開放されていない。
【0031】
前記高圧側室3が位置するダイアフラム4の一方の面側には、高圧側室3の略中央に位置して内筒8が配置され、該内筒8内が低圧側室9になっている。該低圧側室9の上端は開口され、該開口部10が、前記ダイアフラム4側へ指向している。また、前記低圧側室9の他端側には低圧側ポート11が設けられている。
【0032】
前記ダイアフラム4の中央部には、ダイアフラム4と一体に形成された弁部12が設けられており、該弁部2が、前記低圧側室9を形成する内筒8の開口側端のシート面13に接離するように配置され、該弁部12がシート面13に接することにより、高圧側室3と低圧側室9とを遮断し、弁部12がシート面13から離れることにより、高圧側室3と低圧側室9を連通するようになっている。
【0033】
前記ダイアフラム4における背圧室6側の面にはディッシュ14が設けられており、背圧室6内に配置した付勢手段であるダイアフラム制御スプリング15が、ディッシュ14と背圧室カバー5間に圧縮介在されている。したがって、弁部12が、ダイアフラム制御スプリング15の付勢力による所定圧によって内筒8のシート面13側へ付勢されている。
【0034】
前記弁部12には、その中央部、すなわち低圧側室9の開口部10に位置して圧力逃がし穴16が貫通して形成されており、背圧室6と低圧側室9との間を連通するようになっている。
【0035】
次に、前記第1実施例におけるダイアフラム式バルブ1を、前記のようなガソリン燃料タンクからエンジンの吸気筒に至る蒸発燃料系に使用した場合についての作用について説明する。
【0036】
この場合には、例えば前記の高圧側ポート7を燃料タンク側に接続し、前記低圧側ポート11をキャニスタ側へ接続する。
【0037】
燃料タンク内の蒸発燃料の圧力、すなわち、高圧側室3内の圧力が、ダイアフラム制御スプリング15の付勢力よりも低い状態においては、図1及び図2に示すように、ダイアフラム4の弁部12がシート面13に圧接されて高圧側室3と低圧側室9の間が遮断されている。
【0038】
給油時のように、燃料タンク内の蒸発燃料の圧力が上昇して、高圧側ポート7から高圧側室3内に流入した蒸発燃料の圧力が所定圧以上になると、その圧力によりダイアフラム4が、ダイアフラム制御スプリング15の付勢力に抗して押し上げられ、ダイアフラム4の弁部12が図3に示すようにシート面13から離間して開弁し、高圧側室3と低圧側室9とを連通する。
【0039】
この開弁時におけるダイアフラム4の上動により背圧室6内が加圧されると、その背圧室6内の圧力は、圧力逃がし穴16から排出され、ダイアフラム4の上動は妨げられず、何等支障なく開弁作動が行われる。
【0040】
また、ダイアフラム4が、HCなどを透過するゴム材で形成されているものにおいて、高圧側室3内の蒸発燃料中の微小なHCがダイアフラム4を透過して背圧室6内に入った場合には、その背圧室6内のHCは圧力逃がし穴16から低圧側室9内へ排出され、低圧側ポート11を通じて、例えばキャニスタに捕獲される。したがって、HCの大気への放出を防止することができる。
【0041】
図4乃至図6は第2実施例を示す。
本第2実施例は、前記第1実施例におけるダイアフラム4の弁部12の中央部に位置して、低圧側室9内へ突出する筒部20を弁部12と一体に形成し、該筒部20内に、前記の圧力逃がし穴16と同様の圧力逃がし穴21を貫通形成したものである。
【0042】
また、前記筒部20の外径は、前記内筒8の内径よりも小径に設定されており、該筒部20の外周面と低圧側室9の周面間に流通空間22が形成されるようになっている。更に、該筒部20の突出長は所定量に設定するもので、例えば、弁部12が最大に開弁した状態においても図6に示すように、筒部20の先端(下端)が低圧側室9内に位置するように設定する。更に、圧力逃がし穴21は、低圧側室9の軸方向に沿って形成され、その低圧室側開口端21aは、下方に向かって開口されている。
【0043】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明は省略する。
【0044】
本第2実施例においても、前記第1実施例と同様の作用、効果を発揮する上に、本第2実施例においては、更に次のような作用、効果を発揮する。
【0045】
本第2実施例において、燃料タンク内の蒸発燃料の圧力が昇圧して高圧側ポート7から高圧側室3内に流入した蒸発燃料の圧力によりダイアフラム4がダイアフラム制御スプリング15の付勢力に抗して押し上げられると、ダイアフラム4の弁部12が図5に示すようにシート面13から離間して開弁する。この開弁初期において、図5に示すように、蒸発燃料が高圧側室3側から低圧側室9内へ、流通空間22を通じて矢印Aのように流入すると、その流れにより圧力逃がし穴21内の気体が矢印Bのように低圧側室9へ吸引され、背圧室6内の圧力が低下し、高圧側室3内の圧力と背圧室6内の圧力との差圧が増大し、ダイアフラム4のリフト量が増大し、弁部12の開弁量が増大する。
【0046】
すなわち、高圧側室3内の圧力と低圧側室9内との差圧の増大に対する開弁量が、前記図21に示す従来構造に比べて大きくなり、高圧側室3から低圧側室9内へ流れる流量が多くなる。
【0047】
この差圧の変動と流量との関係を図22に示す。この図22において、Cは従来構造の特性を示し、Dは本発明の第2実施例による特性を示す。
【0048】
また、流量と通気抵抗との関係を図23に示す。この図23においてEは従来構造の特性を示し、Fは本発明の第2実施例による特性を示す。
【0049】
以上のことから、本第2実施例においては、従来構造に比べて、開弁後の蒸発燃料の流量増大に対する通気抵抗の増大を抑制し、蒸発燃料を流れやすくすることができる。
【0050】
図7は第3実施例を示す。
本第3実施例は、前記第2実施例の筒部20を、前記ダイアフラム4のディッシュ14に形成したものである。
【0051】
すなわち、ディッシュ14における弁部12の位置であるディッシュ14の中央部に、弁部12を貫通して前記低圧側室9内に突出する筒部30を、ディッシュ14と一体形成し、該筒部30に、前記の圧力逃がし穴21と同様の圧力逃がし穴31を貫通形成したものである。この筒部30の外径と突出長及び低圧室側開口端31aは前記第2実施例と同様である。
【0052】
その他の構造は、前記第2実施例と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
本第3実施例においても、前記第2実施例と同様の作用、効果を発揮することができる。
【0054】
図8乃至図12は第4実施例を示す。
本第4実施例は前記第3実施例における筒部30に形成した圧力逃がし穴31の低圧室側開口部31aの変形例で、前記圧力逃がし穴31の低圧室側開口端31aを、筒部30の周壁に開口して低圧室側開口端31bとしたものである。
【0055】
すなわち、圧力逃がし穴31を、その先端(下端)に底壁32を有する有底穴に形成し、圧力逃がし穴31の先部に、筒部30自体に貫通穴を形成して、該穴を低圧室側開口端31bとし、該低圧室側開口端31bを、低圧側室9の軸方向と略直交する方向に指向させたものである。該低圧室側開口端31bは、図10に示すように筒部30の周方向に複数個形成されており、図の実施例では90°間隔で4個形成されている。
【0056】
その他の構造は前記第3実施例と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
本第4実施例においても前記第3実施例と同様の作用、効果を発揮するが、本第4実施例においては前記第3実施例における蒸発燃料の流れやすさを一層高めることができる。
【0058】
すなわち、前記第2実施例の図5と同様に弁部12が開弁し、図11に示すように、蒸発燃料が高圧側室3側から、低圧側室9内へ流通空間22を通じて矢印Aのように流入すると、その流れにより低圧室側開口端31bから圧力逃がし穴31内の気体が低圧側室9内へ吸引される。このとき、低圧室側開口端31bが、低圧側室9の軸方向、すなわち、蒸発燃料の流れ方向Aに対して略直交する方向に開口しているため、該低圧室側開口端31bに負圧が発生し、圧力逃がし穴31内の気体を低圧側室9内へ吸引する吸引力が大きくなり、背圧室6内の圧力が、前記第2及び第3実施例に比べて大きく低下する。
【0059】
そのため、前記第2及び第3実施例に比べて、高圧側室3内と背圧室6内との差圧が大きくなり、ダイアフラム4のリフト量が増大し、高圧側室3内の圧力に対する開弁量が増大する。
【0060】
したがって、開弁後の蒸発燃料の流量増大に対する通気抵抗の増大が、前記第2及び第3実施例の特性Fに比べて一層抑制され、蒸発燃料が更に流れやすくなる。
【0061】
図13乃至図17は第5実施例を示す。
本第5実施例も前記第4実施例と同様に、圧力逃がし穴31の低圧室側開口端を低圧側室9の軸方向と略直交する方向に指向させて形成したものであるが、本第5実施例では、前記筒部30と別体に形成した開口部形成部材40を、筒部30の先端(下端)に接着剤等で固着し、該開口部形成部材40に低圧室側開口端41を形成したものである。
【0062】
すなわち、開口部形成部材40の中央上面に、前記圧力逃がし穴31に連通する連通口42を形成し、該連通口42から外側方へ、すなわち低圧側室9の軸方向と略直交する方向における外側方へ低圧室側開口端41を形成したものである。更に、該低圧室側開口端41は、筒部30の外周面よりも外側方へ突出したパイプ状の突部43を形成して該突部42内に形成されている。更に、該突部43、すなわち低圧室側開口端41は、図15に示すように、筒部30の周方向に複数個形成されており、図の実施例では90°間隔で4個形成されている。
【0063】
その他の構造は前記第4実施例と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明は省略する。
【0064】
本第5実施例においても前記第4実施例と同様の作用、効果を発揮するが、本第5実施例においては、前記第4実施例における蒸発燃料の流れやすさを、更に一層高めることができる。
【0065】
すなわち、本第5実施例のように、低圧室側開口端41を形成した突部43を突設することにより、該突部43以外の部分44での低圧側室9の流通面積を大きく確保して、低圧室側開口端41と内筒8の内周面との間の流通空間22を狭くし、該流通空間22での蒸発燃料の流速を、前記第4実施例よりも高めることができる。
【0066】
このように流速が高くなることは、前記第4実施例に比べて、圧力逃がし穴31内の気体を低圧側室9内へ吸引する吸引力が高くなり、高圧側室3内の圧力と背圧室6内の圧力との差圧が大きくなり、ダイアフラム4のリフト量が増大し、高圧側室3内の圧力に対する開弁量が増大する。
【0067】
したがって、開弁後の蒸発燃料の流量増大に対する通気抵抗が図23の特性Gのようになり、第4実施例に比べて蒸発燃料が更により一層流れやすくなる。
【0068】
図18乃至図20は第6実施例を示す。
前記第1乃至第5実施例においては、外筒2内を高圧側室3とし、内筒8内を低圧側室9としたが、本第6実施例は、外筒2内を低圧側室9Aとし、内筒8内を高圧側室3Aとした場合において、前記実施例と同様の作用、効果を発揮できるようにしたものである。
【0069】
すなわち、前記図1に示す第1実施例の構造において、その圧力逃がし穴16を、図18乃至図20に示すように、弁部12において、背圧室6と内筒8外の低圧側室9Aとを連通する穴からなる圧力逃がし穴50に変えたものである。
【0070】
該圧力逃がし穴50は、図18及び図19に示すように、弁部12がシート面13に接して閉弁した状態において、低圧室側開口端50aが内筒8を外れて低圧側室9A側に開口するように形成されている。また、該圧力逃がし穴50は、弁部12の周方向に複数個形成されており、図の実施例では、前記図10及び図15と同様に90°間隔で4個形成されている。
【0071】
なお、外筒2内を低圧側としたことにより、前記のポート7は低圧側ポート11aとし、前記ポート11は高圧側ポート7aとしている。
【0072】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明は省略する。
【0073】
本第6実施例において、蒸発燃料を高圧側ポート7aを通じて高圧側室3A内へ流入させると、その蒸発燃料の圧力により弁部12が図20に示すように開弁し、蒸発燃料は図20の矢印A´のように流れ、低圧側室9A内へ流入する。
【0074】
この開弁初期において蒸発燃料が圧力逃がし穴50の低圧側開口端50a近傍を流れると、背圧室6内の気体が圧力逃がし穴50を通じて低圧側室9A内へ吸引され、高圧側室3Aの圧力と背圧室6内の圧力との差圧が大きくなり、前記実施例と同様の作用によって蒸発燃料が流れやすくなる。
【0075】
また、ダイアフラム4を透過して背圧室6内に入ったHCは、圧力逃がし穴50から低圧側室9A内に排出されるため、前記実施例と同様に、HCを大気へ放出することが防止される。
【0076】
前記各実施例は、本発明のダイアフラム式バルブを蒸発燃料系に配置した場合の例であるが、本発明は、蒸発燃料中のHCの大気放出防止を目的とするもの以外に、気体の流量を稼ぐ目的のダイアフラム式バルブにも適用することができるもので、本発明は前記の蒸発燃料系に配置するダイアフラム式バルブに限定するものではない。
【0077】
【発明の効果】
以上のようであるから、本発明のダイアフラム式バルブを、例えばダイアフラムがHCを透過するゴム材であって、ガソリン燃料の蒸発燃料を制御するバルブに使用した場合に、バルブ機能を損なうことなくその蒸発燃料に含有するHCが大気に放出されることを防止することができる。
【0078】
更に、背圧室に連通させた圧力逃がし穴を、低圧側室内に突出させて設けることにより、高圧側室内の圧力と低圧側室内の圧力との差圧に対する流量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す側断面図。
【図2】図1における弁部の閉弁状態を示す拡大側断面図。
【図3】図2における開弁状態を示す拡大側断面図。
【図4】本発明の第2実施例を示す側断面図。
【図5】図4における弁部の開弁初期の状態を示す拡大側断面図。
【図6】図5の状態から更に開弁した状態を示す拡大側断面図。
【図7】本発明の第3実施例を示す側断面図。
【図8】本発明の第4実施例を示す側断面図。
【図9】図8における弁部の閉弁状態を示す拡大側断面図。
【図10】図9におけるX−X線拡大断面図。
【図11】図8における弁部の開弁初期の状態を示す拡大側断面図。
【図12】図11の状態から更に開弁した状態を示す拡大側断面図。
【図13】本発明の第5実施例を示す側断面図。
【図14】図13における弁部の閉弁状態を示す拡大側断面図。
【図15】図14におけるY−Y線拡大断面図。
【図16】図13における弁部の開弁初期の状態を示す拡大側断面図。
【図17】図16の状態から更に開弁した状態を示す拡大側断面図。
【図18】本発明の第6実施例を示す側断面図。
【図19】図18における弁部の閉弁状態を示す拡大側断面図。
【図20】図19の状態から開弁した状態を示す拡大側断面図。
【図21】従来構造を示す側断面図。
【図22】本発明と従来構造における高圧側室内の圧力と低圧側室内の圧力との差圧に対する流量を比較した図。
【図23】本発明と従来構造における流量に対する通気抵抗との関係を示す図。
【符号の説明】
3,3A 高圧側室
4 ダイアフラム
5 背圧室カバー
6 背圧室
9,9A 低圧側室
12 弁部
13 シート面
14 ディッシュ
15 付勢手段
16,21,31,50 圧力逃がし穴
20,30 筒部
21a,31a,31b,41,50a 開口端

Claims (10)

  1. ダイアフラムの一方の面側に高圧側室と低圧側室を設け、他方の面側に背圧室を設け、ダイアフラムに設けた弁部により前記高圧側室と低圧側室とを連通したり遮断したりするダイアフラム式バルブであって、
    前記背圧室内の圧力を前記低圧側室へ逃がす圧力逃がし穴を設けたことを特徴とするダイアフラム式バルブ。
  2. 前記圧力逃がし穴における低圧室側開口端を、高圧側室から低圧側室へ流れる気流により、圧力逃がし穴内の気体が吸い出される位置に設けた請求項1記載のダイアフラム式バルブ。
  3. ダイアフラムの一方の面側に高圧側室を設けるとともに該高圧側室の略中央部に位置して低圧側室を設け、ダイアフラムの他方の面側に背圧室を設け、ダイアフラムの中央部に設けた弁部を前記低圧側室のシール面に接離して高圧側室と低圧側室を連通、遮断するダイアフラム式バルブであって、
    前記ダイアフラムの弁部の位置に、前記背圧室と低圧側室とを連通する圧力逃がし穴を形成したことを特徴とするダイアフラム式バルブ。
  4. ダイアフラムの一方の面側に低圧側室を設けるとともに該低圧側室の略中央部に位置して高圧側室を設け、ダイアフラムの他方の面側に背圧室を設け、ダイアフラムの中央部に設けた弁部を前記高圧側室のシール面に接離して高圧側室と低圧側室を連通、遮断するダイアフラム式バルブであって、
    前記ダイアフラムの弁部の位置に、前記背圧室と高圧側室とを連通する圧力逃がし穴を形成したことを特徴とするダイアフラム式バルブ。
  5. 前記圧力逃がし穴を前記ダイアフラムの弁部に形成した請求項3又は4記載のダイアフラム式バルブ。
  6. 前記ダイアフラムの弁部の位置に、前記低圧側室内へ突出する筒部を形成し、該筒部に前記圧力逃がし穴を形成し、該圧力逃がし穴の低圧側開口端を低圧側室内に位置させた請求項3記載のダイアフラム式バルブ。
  7. 前記筒部に形成した圧力逃がし穴の低圧室側開口端を、低圧側室内の気流に対して略直交する方向に指向させた請求項6記載のダイアフラム式バルブ。
  8. 前記筒部に形成した圧力逃がし穴の低圧室側開口端を、筒部の外周面より突出した位置に設けた請求項7記載のダイアフラム式バルブ。
  9. 前記筒部を、ダイアフラムの弁部に形成した請求項6記載のダイアフラム式バルブ。
  10. 前記筒部を、ダイアフラムのディッシュに形成した請求項6乃至8のいずれかに記載のダイアフラム式バルブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200127031A (ko) * 2018-03-13 2020-11-09 신에츠 폴리머 가부시키가이샤 기판 수납 용기

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