JP2005009457A - 内燃機関の燃焼診断、燃焼制御方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】ガスエンジンを含む内燃機関における燃焼診断方法において、燃焼室内における筒内圧力検出値及びエンジンのクランク角検出値に基づきクランク角の上死点における圧縮圧力P0と圧縮行程中の基準筒内圧力P1との圧縮圧力比P0/P1及び筒内圧力Pのクランク角θに対する筒内圧力変化率ΔP/Δθを算出し、前記圧縮圧力比P0/P1及び筒内圧力変化率ΔP/Δθを用いて過早着火及びノッキングの発生の有無を判定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガスを空気と混合しエンジンの燃焼室内にて燃焼せしめるように構成されたガスエンジンを含む内燃機関における燃焼診断、燃焼制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関、特に都市ガス等の清浄ガスを主燃料とするガスエンジンにおいては、燃焼室内における高温部分または推積未燃カーボン、剥離カーボン等の表面着火による過早着火及び混合気濃度の不均一等による端ガスの自発火、ノッキングの発生を確実に検知して速やかに対応処置を行うとともに、燃焼室内の最高圧力即ち筒内最高圧力の過大な上昇や異常な低下を確実に検知してエンジンの耐久性、性能の安定性を維持することが要求される。
【0003】
かかる内燃機関の燃焼室内における燃焼状態を検知、診断する燃焼診断システムとして、特開平2000−110652号、特開平11−183330号、特許第2712332号等の発明が提供されている。
特開平2000−110652号の発明においては、筒内圧力検出器からの筒内圧力検出信号中の抽出周波数帯域を内燃機関の運転パラメータの現在値に応じて設定し、前記筒内圧力検出信号中から設定した抽出周波数帯域の信号成分をフイルタ手段によって抽出し、該抽出成分がしきい値以上であるときノッキング発生の判定を行っている。
また特開平11−183330号の発明においては、筒内圧力検出器からの筒内圧力検出信号中の圧力値が最大つまり筒内最高圧力になるときの角度が所定のクランク角範囲内に含まれかつ前記筒内圧力検出信号から算出される平均有効圧力が所定値よりも小さいときに失火発生の判定を行っている。
また特許第2712332号においては、エンジンの回転数を検出して該エンジン回転数の変化を監視し、該エンジン回転数が設定値よりも低下したとき失火発生の判定を行っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2000−110652号公報
【特許文献2】
特開平11−183330号公報
【特許文献3】
特許第2712332号公報
【0005】
【発明が解決するための課題】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術は、筒内圧力検出器からの筒内圧力検出信号中から設定した抽出周波数帯域の信号成分をフイルタ手段によって抽出し該抽出成分がしきい値以上であるときノッキング発生の判定を行うものであり、
また特許文献2に記載の技術は筒内圧力検出器からの筒内圧力検出信号中の圧力値が筒内最高圧力になるときの角度が所定のクランク角範囲内に含まれかつ前記筒内圧力検出値による平均有効圧力が所定値よりも小さいときに失火発生の判定を行うものであり、さらに特許文献3に記載の技術はエンジンの回転数を検出して該エンジン回転数の変化を監視し、該エンジン回転数が設定値よりも低下したとき失火発生の判定を行うものであって、かかる特許文献1ないし3にはエンジン燃焼室内における高温部分または推積未燃カーボン、剥離カーボン等の表面着火による過早着火及び混合気濃度の不均一等による端ガスの自発火、ノッキングの発生を相関連させて検知し、また燃焼室内における筒内最高圧力の過大な上昇や異常な低下を検知する手段は開示されていない。
【0006】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、燃焼室内における高温部分または推積未燃カーボン、剥離カーボン等の表面着火による過早着火及び混合気濃度の不均一等による端ガスの自発火、ノッキングの発生を相関連させて確実かつ迅速に検知し、また燃焼室内における筒内最高圧力の過大な上昇や異常な低下を確実かつ迅速に検知して、エンジンの燃焼状態をかかる異常状態から回避すべく調整してエンジンの安定運転を実現し得る内燃機関の燃焼診断方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明はかかる目的を達成するため、燃料ガスを空気と混合しエンジンの燃焼室内にて燃焼せしめるように構成されたガスエンジンを含む内燃機関(エンジン)における燃焼診断、燃焼制御方法において、前記燃焼室内における筒内圧力検出値及びエンジンのクランク角検出値に基づき前記クランク角の上死点における圧縮圧力(PT)と圧縮行程中の基準筒内圧力(P0)との圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力(P)のクランク角(θ)に対する筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を算出し、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を用いて過早着火及びノッキングの発生の有無を判定することを特徴とする。
【0008】
また、かかる方法発明を実施する装置として、燃料ガスを空気と混合しエンジンの燃焼室内にて燃焼せしめるように構成されたガスエンジンを含む内燃機関(エンジン)における燃焼診断、燃焼制御装置であって、前記燃焼室内の筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、エンジンのクランク角を検出するクランク角検出器とを設けるとともに、前記筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値及び前記クランク角検出器から入力されるクランク角の検出値に基づき前記クランク角の上死点における圧縮圧力と圧縮行程中の基準筒内圧力との圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力(P)のクランク角(θ)に対する筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を算出する算出手段と、前記算出手段にて算出された前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を用いて過早着火及びノッキングの発生の有無を判定する判定手段とを備えてなることを特徴とする内燃機関の燃焼診断、燃焼制御装置を提案する。
【0009】
かかる発明において、具体的には次の手段による。
即ち第1の手段は、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が予め設定された該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が予め設定された変化率のしきい値(IK)以下(ΔP/Δθ≦IK)のとき過早着火のみが発生し、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該変化率のしきい値(IK)を超える(ΔP/Δθ>IK)とき過早着火及びノッキングが発生しているものと判定する。
そしてかかる判定結果において、前記過早着火のみが発生しているときエンジンの空燃比を増大し、前記過早着火及びノッキングが発生しているとき前記空燃比を増大するとともに燃料噴射始め時期を遅延せしめる。
【0010】
そして、かかる方法を行うための装置として、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)の算出値と予め設定された該圧縮圧力比のしきい値(PpR)とを比較する比較手段と、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)と予め設定された筒内圧力変化率のしきい値(Ik)とを比較する比較手段とを備え、前記判定手段は、前記両比較手段による比較結果において前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)の算出値が前記しきい値(PpR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PpR)前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)の算出値が前記しきい値(Ik)以下(ΔP/Δθ≦Ik)のとき過早着火の発生を判定し、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該変化率のしきい値(IK)を超える(ΔP/Δθ>IK)とき過早着火及びノッキングの発生を判定するように構成された燃焼診断、燃焼制御装置とするのが好ましい。
そして好ましくは、かかる構成に加えて、前記判定手段から過早着火及びノッキングの判定結果が入力され、該判定結果において前記過早着火のみが発生しているときエンジンの空燃比を増大せしめ、前記過早着火及びノッキングが発生しているとき前記空燃比を増大するとともに燃料噴射始め時期を遅延せしめるコントローラを備える。
【0011】
また第2の手段は、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PpR)よりも小さいとき(ΔPT/ΔP0<PpR)において、筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)がノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)以上(ΔP/Δθ≧Ik)のときにはノッキングのみが発生しているものと判定し、前記筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)が前記ノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)よりも小さい(ΔP/Δθ<Ik)ときにはトレースノックCTK(ノッキングの一歩手前の状態)が発生しているものと判定する。
【0012】
過早着火は、燃焼室内における高温部分及び推積未燃カーボン、剥離カーボン等を熱源として、パイロット着火式ガスエンジンにおいてはパイロット着火前に発生する表面着火による異常燃焼であり、パイロット着火後の燃焼過程において発生する端ガスの自発火、ノッキングとは発生過程も燃焼制御による対処方法も異なるものであるが、燃焼状態から該過早着火とノッキングとを区別して検知するのは困難を伴うことから、前記のように、従来かかる検知手段は提供されていなかった。
【0013】
然るにかかる発明によれば、筒内圧力検出値及びクランク角検出値に基づき算出された上死点における圧縮圧力(PT)と圧縮行程中の基準筒内圧力(P0)との圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力(P)のクランク角(θ)に対する筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を算出し、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)、及び筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)を用いて過早着火及びノッキングの発生の有無を判定するようにし、
具体的には、次の2つの方法あるいは装置によって前記過早着火及びノッキングの発生を検知する。
【0014】
(1)前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が予め設定された該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が予め設定された変化率のしきい値(IK)以下(ΔP/Δθ≦IK)のとき過早着火のみが発生し,前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該変化率のしきい値(IK)を超える(ΔP/Δθ>IK)とき過早着火及びノッキングが発生しているものと判定する。
(2)前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PpR)よりも小さいとき(ΔPT/ΔP0<PpR)において、筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)がノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)以上(ΔP/Δθ≧Ik)のときにはノッキングのみが発生しているものと判定し、
前記筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)が前記ノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)よりも小さい(ΔP/Δθ<Ik)ときにはトレースノックCTK(ノッキングの一歩手前の状態)が発生しているものと判定する。
【0015】
従ってかかる発明によれば、クランク角に対する筒内圧力変化を検出して該筒内圧力変化を解析し、過早着火及びノッキングの発生判定因子として、
・上死点における圧縮圧力と圧縮行程中の基準筒内圧力との圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)
・筒内圧力(P)のクランク角(θ)に対する筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)
・筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)
の3つの因子を算出して、前記(1)、(2)のように、前記3つの因子と、過去の運転データあるいはシミュレーション計算によって設定した前記3つの因子のしきい値PPR、IK、Pkとを比較し、その大小によって、過早着火の発生とノッキングの発生とを正確に区別して検知することが可能となるとともに、さらにはトレースノック(ノッキングの一歩手前の状態)の発生を正確に検知することが可能となる。
ここで、前記3つの因子のしきい値PPR、IK、Pkは、エンジン負荷、エンジン回転数等のエンジン運転条件によって決まるもので、エンジン運転による実験データ、シミュレーション計算等によって設定する。
【0016】
以上により、1つの燃焼診断システムで以って過早着火の発生とノッキングの発生を検知し得る燃焼診断を行うことができ、簡単な構成かつ低コストの装置で以って、過早着火及びトレースノックを含むノッキングの発生を常時検知して燃焼診断を行うことができる。
【0017】
また筒内圧力の検出値をベースとした圧力比及び筒内圧力変化率ΔP/Δθを用いて過早着火及びノッキングの発生の検知を行うので、筒内圧力の絶対値は不要となり、筒内圧力検出器の劣化、温度ドリフト、較正不良等により該筒内圧力検出器からの出力レベルが全体的に低下した場合においても、過早着火及びノッキングの発生検知の精度を低下させることなく正常な診断を維持できる。これにより、燃焼診断システムの使用寿命を延長できる。
【0018】
また、かかる発明によれば、全シリンダの筒内圧検出と燃焼診断装置による燃焼診断により、ノッキングまたは初期ノッキングと判定される場合には、該当シリンダの噴射タイミングを若干遅角制御することにより、ノッキングの発生無しにまたはノッキングの発生頻度の低い状態で、効率の良い運転の実施が可能となる。
また、ノッキングから進行して過早着火の状態になった場合でも、上記燃焼診断装置により、ノッキングと過早着火とを識別認識し、かつノッキングからの過早着火とを、該過早着火が発生し始める以前のノッキング発生状況を記録しておく事より判定することが可能となる。
【0019】
また、かかる発明によれば、燃焼室内の灰分やカーボンの堆積、殊に該堆積量が異常に多くなった場合、実圧縮比増加又は高温点現出による過早着火が発生して機関の信頼性、耐久性に影響を及ぼす前に、該過早着火を検知することにより、該過早着火を早期に抑制または防止して、機関を停止あるいは機関負荷を低下することなく、効率の良い運転を継続する事が可能となる。
【0020】
また、剥離カーボン等による散発的な過早着火が発生して、ノッキングを伴わない場合には、該当シリンダの燃料噴射タイミングを遅角せずに、該当シリンダの実空燃比を過早着火の発生頻度に応じて増加させることにより、該過早着火を抑制またはは防止することが可能となる。
また、散発的な過早着火が多数シリンダで発生している場合には、全体の空燃比を優先制御することにより、機関を高効率で安定運転できる。
【0021】
また、かかる発明によれば、従来技術のようなノックセンサを機関に装着することなく、筒内圧センサと燃焼診断装置とにより燃焼状態を把握しながら、燃料噴射タイミングの制御によりノッキングを回避するとともに、必ずしも燃料噴射タイミングのみで制御できない過早着火を、空燃比等を制御して機関の出力低下を来たすことなく、かつ機関の耐久性を維持しながら運転を継続できる。
これによりノッキング及び過早着火の発生を迅速かつ確実に回避できるとともに、燃焼状態のばらつきを抑えることができ、結果として常時エンジン性能をノッキングの発生手前の高性能域で最適制御できる。
【0022】
また、かかる発明によれば、トレースノックつまり燃焼状態がノッキングに到達する前に、該ノッキングの状態になるのを検知して該当シリンダの燃料噴射時期を遅角させることにより、該ノッキングの発生を事前に回避できる。
【0023】
従って、かかる発明によれば、簡単な設備でかつ簡易な手法で以って過早着火及びノッキングの発生というエンジンに必要とする燃焼診断を行うことができ、エンジンの燃焼性能の低下を迅速かつ高精度で検知し、エンジンの安定運転を実現できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0025】
図1は、本発明の第1実施例に係るガスエンジンの燃焼診断システムの制御フローチャート、図2は第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断システムの制御フローチャートである。図3は前記実施例に係るガスエンジンの燃焼診断、燃焼制御ステムの全体構成図である。図4はガスエンジンの筒内圧力を示す線図である。図5は空燃比制御の目標値設定フロー図である。
【0026】
本発明の実施例に係るガスエンジンの燃焼診断システムの全体構成を示す図3において、20はガスエンジンのエンジン本体、45はピストン、46はクランク軸、44は燃焼室、41は給気弁、42は排気弁、43は排気管である。56は過給機、57は空気冷却器である。
9は前記給気弁41に通ずる給気管、63は給気溜りであり、該給気管9の給気溜り63下流部位に該給気管路9内を通流する空気(給気)中に燃料ガスを噴射するガス噴射装置10が設けられている。8は燃料ガスを収容する燃料ガスタンク(図示省略)と前記ガス噴射装置10とを接続するガス供給管である。30はガスエンジン20に駆動される発電機である。
【0027】
7は該ガス供給管8の前記ガス噴射装置10入口に設けられたガス供給電磁弁で、ガス供給弁コントローラ52からの制御信号により開閉せしめられて前記ガス供給管路8の流路面積を調整するものである。
11は該ガスエンジンの起動時に、不図示の副室内にパイロット燃料噴射弁0011からパイロット燃料を噴射しトーチ着火させて燃焼室44内の希薄混合ガスの燃焼を促進するための着火装置である。53は前記パイロット燃料噴射弁0011の噴射時期及び噴射量を制御するパイロット弁コントローラである。
【0028】
100は後述する燃焼診断動作を行う燃焼診断装置、6は該燃焼診断装置による診断結果を表示する表示装置、50は主コントローラ、51は電子ガバナ、54は空燃比コントローラである。尚、前記燃焼診断装置100に燃焼診断結果に基づく警報を発信する警報装置を接続してもよい。
前記主コントローラ50は、従来のガスエンジンと同様に、図示しない回転検出器から入力されるエンジン回転数、負荷検出器36から入力されるエンジン負荷等のエンジン運転条件に従い前記電子ガバナ51を介して前記ガス供給弁コントローラ52を制御してガス供給弁の開度を調整するとともに、前記パイロット弁コントローラ53を制御して前記パイロット燃料噴射弁0011の噴射時期及び噴射量を調整するようになっている。
本発明においては、前記主コントローラ50は、前記機能に加えて、前記燃焼診断装置100による燃焼診断結果を受けて、前記空燃比コントローラ54及び必要に応じてパイロット弁コントローラ53を制御する機能を有する。
【0029】
1は前記燃焼室44内のガス圧力即ち筒内圧力を検出する筒内圧力検出器、2は前記クランク軸46のクランク角を検出するクランク角検出器、36は前記ガスエンジン20の負荷(発電機30の負荷)を検出する負荷検出器である。これらの検出器からの検出信号は燃焼診断装置100に入力される。
また、60は前記給気管9内の圧力即ち給気圧力を検出する給気圧力検出器、61は給気温度を検出する給気温度検出器である。
【0030】
100は後述する制御動作を行う燃焼診断装置で、前記筒内圧力検出器1から入力される筒内圧力検出信号のノイズを除去するノイズ除去フイルタ、該ノイズ除去フイルタを経た筒内圧力検出信号を増幅する増幅器及び燃焼診断部等により構成されている。
前記燃焼診断部は前記増幅器にて増幅された筒内圧力検出信号に基づき前記クランク角検出器2からのクランク角検出信号を補助的に用いて前記燃焼室44内における燃焼状態の診断を行うものである。
【0031】
かかる構成からなるガスエンジンの運転時において、前記着火装置11においてトーチ着火がなされるとともに、ガスバルブ(図示省略)が開かれると燃料ガスタンク(図示省略)内の燃料ガスがガス圧力調整装置(図示省略)にて圧力を調整されて前記ガス噴射装置10に供給され、前記ガス供給電磁弁7の開弁により前記給気管9内の空気中に噴出され該空気と混合される。そして該ガス噴射装置10からの混合気は前記給気弁41の開弁とともに燃焼室44内に導入されて次に圧縮工程の終わり、燃焼行程の直前に前記着火装置11からの噴出火炎によって予混合がなされている希薄混合気が燃焼し、所定の燃焼サイクルがなされる。
【0032】
次に、かかる実施例における燃焼診断装置100の動作を説明する。
前記筒内圧力検出器1により検出された前記燃焼室44内のガス圧力即ち筒内圧力は燃焼診断装置100に入力され、ノイズ除去フイルタにおいて高周波のノイズを除去されて該筒内圧力信号が電圧変動のない平均化された筒内圧力検出信号となって増幅器にて増幅された後、前記燃焼診断部に入力される。
一方、前記燃焼診断装置100の燃焼診断部には前記クランク角検出器2からのエンジンクランク角の検出信号、前記負荷検出器36からエンジン負荷の検出信号も入力されている。
【0033】
次に第1実施例を示す図1に基づき前記燃焼診断装置100の燃焼診断動作につき説明する。
前記燃焼診断装置100の燃焼診断部においては、前記筒内圧力検出器1から入力される筒内圧力検出値と前記クランク角検出器2から入力されるクランク角検出値とにより、図4に示されるような筒内圧力P−クランク角θ関係線図が求められる。
図4に示される筒内圧力線図において、Aは正常燃焼時、Bはノッキング発生時、Cは過早着火発生時、Dは過早着火とノッキングの併発時、Eは失火等の不燃焼発生時、Fは圧縮圧力異常、Gは消炎を夫々示す。
【0034】
次に、前記燃焼診断装置100においては、図4に示すような、前記筒内圧力検出器1からの筒内圧力検出データを次のように処理する。尚、図4において、PPは筒内最高圧力を示す。
前記筒内圧力検出データに基づき、給気弁41及び排気弁42が開き給気圧力とほぼ同一の圧縮始め以前の筒内圧力を基準圧力Pbに採り、筒内圧力の検出値Pと前記基準圧力Pbとの差圧ΔP(ΔP=P−Pb)を前記クランク角検出器2から入力されるクランク角θに対応させて算出する。
そして、圧縮行程における任意点の差圧ΔP0を基準差圧として、各クランク角θにおける差圧ΔPと前記基準差圧ΔP0との比、即ち筒内圧力比ΔP/ΔP0を算出し、該筒内圧力比ΔP/ΔP0を用いて以下の燃焼診断を行う。
本発明の実施例においては、エンジン運転中において大気状態等の外部条件による変動が小さい給気圧力を含む圧縮始め以前の基準圧力(Pb)との差圧(ΔP=P−Pb)をベースとして筒内圧力比ΔP/ΔP0を算出し、該筒内圧力比ΔP/ΔP0を用いて燃焼診断を行うので、筒内圧力の絶対値は不要となる。
【0035】
次に、図1に示される制御フローチャートに基づき前記燃焼診断装置100の燃焼診断動作につき説明する。
図1において、前記燃焼診断装置100においては筒内圧力が上がらない若しくは変化しない等の理由により、前記筒内圧力検出器(センサ)1の異常の有無を判断し、センサ異常Cxであれば前記筒内圧力検出器1を交換する等の異常判定後の動作に移り、正常であれば次の筒内圧力診断ステップに移る(ステップS01)。
【0036】
次いで、前記のように、前記筒内圧力の検出値Pと前記基準圧力Pbとの差圧ΔP(ΔP=P−Pb)を前記クランク角検出器2から入力されるクランク角に対応させて算出し、圧縮行程における任意点の差圧ΔP0を基準差圧として各クランク角における差圧ΔPと前記基準差圧ΔP0との比、即ち筒内圧力比ΔP/ΔP0を算出する。
【0037】
次いで、前記圧縮行程における任意点の差圧つまり基準差圧ΔP0と前記基準差圧ΔP0の許容される最小値即ち許容圧縮差圧Pc0とを比較し、前記許容圧縮差圧Pc0以下のとき即ちΔP0≦Pc0のときには、ガス漏れ等の機械的トラブルによって圧縮圧力Pcが正常値から異常に低下しているもの(圧縮圧力異常Ce)と判定する(ステップS1)。図4のFが、圧縮圧力Pcが異常に低下している時の筒内圧力線図である。
【0038】
次いで、圧縮圧力比算出手段において、クランク角の上死点における圧縮圧力PTと前記基準圧力Pbとの差圧ΔPT(=PT−Pb)と、圧縮行程中のクランク角θで上死点前15°程度(図4におけるクランク角θ0)における基準筒内差圧ΔP0(前記基準筒内圧力P0−Pb)との比である圧縮圧力比ΔPT/ΔP0を算出する。
さらに、筒内圧力変化率算出手段において筒内圧力Pのクランク角θに対する変化率(微分)である筒内圧力変化率ΔP/Δθを算出する。
【0039】
次いで比較手段において前記圧縮圧力比ΔPT/ΔP0の算出値が予め設定された該圧縮圧力比のしきい値PpR以上であるか否かを比較する(ステップS2)。
そして該比較結果において前記圧縮圧力比ΔPT/ΔP0の算出値が前記しきい値PpR以上(ΔPT/ΔP0≧PpR)であるときは、比較手段において前記筒内圧力変化率ΔP/Δθの算出値が予め設定された該変化率のしきい値Ik以下(ΔP/Δθ≦Ik)であるか否かを比較する(ステップS02)。
【0040】
かかる2つの比較結果において、前記圧縮圧力比ΔPT/ΔP0が該圧縮圧力比のしきい値PpR以上であって(ΔPT/ΔP0≧PpR)、前記筒内圧力変化率ΔP/Δθが該筒内圧力変化率のしきい値Ik以下(ΔP/Δθ≦Ik)のとき過早着火CPRのみが発生しているものと判定する。図4のCが過早着火CPR発生時の筒内圧力線図である。
【0041】
前記過早着火CPRのみが発生しているものと判定された際には、該燃焼診断装置100はかかる判定結果を図3に示される前記主コントローラ50に入力する。
そして、該主コントローラ50は前記空燃比コントローラ54に空燃比増大の制御信号を出力する。
前記過早着火CPRが、ノッキングから進行して該過早着火に到ったと判定された場合には、該主コントローラ50は、前記パイロット弁コントローラ53を介して該当シリンダ゛の燃料噴射時期を遅角させるとともに、前記空燃比コントローラ54に空燃比増大の制御信号を出力する。
該空燃比コントローラ54は該制御信号を受けると前記給気放出調整弁58の開度を減少せしめて給気放出管59からの放出空気量を減少せしめる。これにより、ガス噴射装置10から燃焼室44内に供給される空気量が増大し空燃比が増大して、過早着火CPRが制止せしめられる。
【0042】
空燃比コントローラ54における空燃比制御の目標値は次のようにして設定する。
前記過早着火の発生頻度αに応じて空燃比増加制御量を変化させることが必要であり、図5示す空燃比制御の目標値設定フロー図において、
n:直近Nサイクル中の過早着火回数
α:過早着火発生率
AFm:空燃比(=空気/燃料)の目標値
AFs:空燃比(=空気/燃料)の設定値
k:過早着火発生率に対する感度係数 (k>0)
とすると、
AFm=AFs(1+kα) ・・・・・・・・▲1▼
【0043】
▲1▼式より、過早着火CPRが発生しなければ、(空燃比の目標値AFm=空燃比の設定値Afs)となる。
過早着火CPRが頻発すると空燃比の目標値AFmは、▲1▼式より、空燃比の初期設定値AFsより大きくなるため、空燃比コントローラ54は、前記空燃比の目標値AFmに近づくように空燃比制御を行うことによってリーン状態(空気に対する燃料が希薄な状態)となり、結果として過早着火CPRの発生を抑制でき、これによって、空燃比制御を実現できる。
【0044】
前記過早着火CPRが、剥離カーボン等によると思われる散発的な(サイクル連続でない)過早着火である場合には、該主コントローラ50は、ノッキングを伴わない限り燃料噴射タイミング゛は変化させず、前記空燃比コントローラ54に該当シリンダの実空燃比を過早着火の発生頻度に応じて増大するように変化させる制御信号を出力する。
【0045】
前記散発的な過早着火CPRが少数シリンダ゛(2〜3シリンダ以下)のみで発生している場合には、機関全体の空燃比を変化させるのは必要最少量とし、主に該当シリンダの実空燃比を増加させるのに、当該シリンダの燃料ガスの供給量を抑え、その分残りのシリンダへの燃料ガスの供給量を増加させ、機関出力を維持する。機関全体の空燃比は燃料ガスを増加させたシリンダの空燃比が調整前と同レベルになるように調整を行う。
また、前記散発的な過早着火CPRが多数(4cyl.以上)で発生している場合には、主に機関全体の空燃比を増加させる事を優先して対応する。
【0046】
次に、前記圧縮圧力比ΔPT/ΔP0が該圧縮圧力比のしきい値PpR以上であって(ΔPT/ΔP0≧PpR)、前記筒内圧力変化率の算出値ΔP/Δθが該筒内圧力変化率のしきい値cp2超える(ΔP/Δθ>Ik)ときは、過早着火CPRとノッキングCkの双方が発生しているものと判定する。図4のDが過早着火CPRとノッキングCkの双方が発生している時の筒内圧力線図である。
【0047】
過早着火CPRとノッキングCkの双方が発生しているものと判定された場合には、前記主コントローラ50は、前記過早着火CPR発生時と同様に、前記空燃比コントローラ54を介して空燃比を増大させるとともに、前記パイロット弁コントローラ53を介して該当シリンダ゛の燃料噴射時期を遅角させる。
【0048】
次いで、前記筒内圧力比ΔP/ΔP0における筒内最高圧力比ΔPp/ΔP0とノッキング発生限界として予め設定されたノッキング許容圧力比Pkとを比較し、該筒内最高圧力比ΔPp/ΔP0が前記ノッキング許容圧力比Pk以上のとき(ΔPp/ΔP0≧Pk)には、前記燃焼室44内においてノッキングCkのみが発生しているものと判定する(ステップS5)。図4のBがノッキングCk発生時の筒内圧力線図である。
ノッキングCkのみが発生している場合には、主コントローラ50は、前記パイロット弁コントローラ53を介して該当シリンダ゛の燃料噴射時期を遅角させる。
【0049】
次いで、失火の判定手段において、前記最高圧力比ΔPp/ΔP0が予め設定された前記最高圧力比の最小値(失火発生条件となる圧力比)即ち許容最小圧力比Pnよりも小さくなり(ΔPp/ΔP0≦Pn)(ステップS7)、かつ燃焼行程における任意点(図4のクランク角θ1)の差圧ΔP1と前記基準差圧ΔP0との燃焼圧力比ΔP1/ΔP0を算出して該燃焼圧力比ΔP1/ΔP0が予め設定された失火発生限界の圧力比即ち許容圧力比Pmよりも小さく(即ちΔP1/ΔP0≦Pm)(ステップS8)、かつ後述するように、燃焼行程における前記任意点の差圧ΔP1よりも低圧側(図4のクランク角θ2)の差圧ΔP2との比である低圧側の燃焼圧力比ΔP2/ΔP0が消炎発生限界の圧力比即ち消炎許容圧力比Pm1よりも小さいとき(ΔP2/ΔP0≦Pm1)(ステップS9)には、前記燃焼室44内において失火Cmが発生しているものと判定する。
【0050】
この場合、前記燃焼行程における任意点の差圧ΔP1のベースとなる圧力P1は、第16図(A)に示すように、上死点前における前記基準差圧ΔP0のベースとなる圧縮行程における圧力P0のクランク角(−θ1)と、上死点後における同一クランク角(θ1)における圧力とするのが好ましい。
また、燃焼行程における低圧側の差圧ΔP2のベースとなる前記圧力P1よりも低圧側の圧力P2は、上死点前における圧縮始め圧力Pbのクランク角(−θ2)と、上死点後における同一クランク角(θ2)における圧力とするのが好ましい。
図4のEが前記失火発生時の筒内圧力線図である。
【0051】
次に、消炎発生の判定手段においては、前記最高圧力比ΔPp/ΔP0が許容最小圧力比Pnよりも小さくなり(ΔPp/ΔP0≦Pn)(ステップS7)、かつ前記燃焼圧力比ΔP1/ΔP0が予め設定された失火発生限界の圧力比即ち失火許容圧力比Pmよりも小さく(即ちΔP1/ΔP0≦Pm)なる(ステップS8)状態で以って、燃焼行程における前記任意点の差圧ΔP1よりも低圧側の差圧ΔP2との比である低圧側の燃焼圧力比ΔP2/ΔP0が消炎発生限界の圧力比即ち消炎許容圧力比Pm1よりも大きいとき(ΔP2/ΔP0≧Pm1)(ステップS9)、前記燃焼室44内における消炎Cq発生の判定を行う。図4のGが消炎発生時の筒内圧力線図である。
【0052】
尚、前記のように、前記低圧側の燃焼圧力比ΔP2/ΔP0が消炎発生限界の圧力比即ち消炎許容圧力比Pm1よりも小さいときには(ステップS9)、前記燃焼室44内ga失火発生の状態にあるものと判定する。
従って、前記燃焼行程における差圧検出値を、高圧側ΔP1と低圧側ΔP2との2点を用いて燃焼圧力比ΔP1/ΔP0及びΔP2/ΔP0を算出し、失火許容圧力比Pm及び消炎許容圧力比Pm1と比較することにより、失火と消炎とを分類することができる。
【0053】
次いで、前記ステップ(S7)において、最高圧力比ΔPp/ΔP0が許容最小圧力比Pnよりも大きくなった(ΔPp/ΔP0>Pn)正常燃焼時において、前記筒内最高圧力比ΔPp/ΔP0が予め設定された基準最高圧力比の最大値Pshを以上となったとき(ΔPp/ΔP0≧Psh)(ステップS10)、筒内最高圧力Pmaxが基準値Clよりも高くなっているものと判定する。
また、前記筒内最高圧力比ΔPp/ΔP0が予め設定された基準最高圧力比の最小値Ps1以下のとき(ΔPp/ΔP0≦Ps1)(ステップS11)、筒内最高圧力Pmaxが基準値Clよりも低くなっているものと判定する。
尚、前記圧力のしきい値Pは、Pk>Psh>Pn>Pslのように設定するのがよい。
【0054】
かかる実施例によれば、全シリンダの筒内圧検出と燃焼診断装置による燃焼診断により、ノッキングCkまたは初期ノッキングと判定される場合には、該当シリンダの噴射タイミングを若干遅角制御することにより、ノッキングCkの発生無しにまたはノッキングCkの発生頻度の低い状態で、効率の良い運転の実施が可能となる。
また、ノッキングCkから進行して過早着火の状態になった場合でも、上記燃焼診断装置により、ノッキングCkと過早着火CPRとを識別認識し、かつノッキングCkからの過早着火CPRとは、該過早着火CPRが発生し始める以前のノッキング発生状況を記憶しておく事より判定することが可能となる。
【0055】
ノッキングCkから進行して過早着火CPRの発生が1シリンダのみの場合には、当該シリンダの噴射タイミングの遅角制御に加えて当該シリンダの実空燃比を制御する。即ち先ず当該シリンダのガス燃料を絞り、所定の空燃比になる様に制御量を決定する。次に残りシリンダで絞ったガスを分担する増量分を決定し、残りのシリンダの実空燃比が変化しない様に全体の空燃比の増加量を空気放出弁の開度調節にて制御決定する。ノッキングCkから進行して過早着火CPRが発生して、当該シリンダの実空燃比を所定の値に制御整定しても過早着火に改善(発生頻度の低下)の効果が見られない場合、更なる空燃比の大なる設定値にまで同様の制御をする。
【0056】
また、前記ノッキングCkから進行しての過早着火CPRが2シリンダ以上で発生している場合には、他シリンダの追加発生を抑制するため、まず全体の空燃比の増加制御を優先する。
以上の制御機能により、燃焼室44内の灰分やカーボンの堆積、殊に該堆積量が異常に多くなった場合、実圧縮比増加又は高温点現出による過早着火CPRが発生して機関の信頼性、耐久性に影響を及ぼす前に、該過早着火を検知することにより、該過早着火CPRを早期に抑制または防止して、機関を停止あるいは機関負荷を低下することなく、効率の良い運転を継続する事が可能となる。
【0057】
また、剥離カーボン等による散発的な過早着火CPRが発生して、ノッキングCkを伴わない場合には、該当シリンダの燃料噴射タイミングを遅角せずに、該当シリンダの実空燃比を過早着火CPRの発生頻度に応じて増加させることにより、該過早着火CPRを抑制またはは防止することが可能となる。
即ち、従来技術にあっては、ノッキングCkと過早着火CPRとを識別できず、前記のような散発的過早着火でもノッキングCkと診断して、燃料噴射タイミング「を遅角制御して効率の低い運転をしていたが、本発明にあっては、ノッキングCkと過早着火CPRとを明確に識別できて、前記のような空燃比制御等により過早着火CPRを回避し、かつ効率の良い運転が継続可能となる。
また、散発的な過早着火CPRが4シリンダ以上の多数シリンダで発生し始めた場合には、全体の空燃比を優先制御することにより、機関を安全・予防し、高効率で安定運転できる。
【0058】
また、かかる実施例によれば、従来技術のようなノックセンサを機関に装着することなく、該ノックセンサの代わりに、筒内圧センサ1と燃焼診断装置100とにより燃焼状態を把握しながら、燃料噴射タイミングの制御によりノッキングCkを回避するとともに、必ずしも燃料噴射タイミングのみで制御できない過早着火CPRを、空燃比等を制御して機関の出力低下を来たすことなく、かつ機関の耐久性を維持しながら運転を継続できる。
これによりノッキングCk及び過早着火CPRの発生を迅速かつ確実に回避できるとともに、燃焼状態のばらつきを抑えることができ、結果として常時エンジン性能をノッキングの発生手前の高性能域で最適制御できる。
【0059】
図2に示す燃焼診断システムの第2実施例においては、前記圧縮圧力比ΔPT/ΔP0が該圧縮圧力比のしきい値PpRよりも小さいとき(ΔPT/ΔP0<PpR)、前記筒内最高圧力比ΔPp/ΔP0が前記ノッキング許容圧力比Pk以上であって前記筒内圧力変化率ΔP/Δθが該筒内圧力変化率のしきい値Ik以上(ΔP/Δθ≧Ik)のときにはノッキングCkのみが発生しているものと判定し、
前記筒内最高圧力比ΔPp/ΔP0が前記ノッキング許容圧力比Pk以上であって前記筒内圧力変化率ΔP/Δθが該筒内圧力変化率のしきい値Ik以上よりも小さい(ΔP/Δθ<Ik)ときにはトレースノックCTK(ノッキングの一歩手前の状態)が発生しているものと判定する。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であり、これと同一の要素は同一の符号で示す。
【0060】
かかる第2実施例においては、トレースノックCTKつまり燃焼状態がノッキングCkに到達する前に、該ノッキングCkの状態になるのを検知して該当シリンダの燃料噴射時期を遅角させることにより、該ノッキングCkの発生を事前に回避できる。
【0061】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、クランク角に対する筒内圧力変化を検出して該筒内圧力変化を解析し、過早着火及びノッキングの発生判定因子として、上死点における圧縮圧力と圧縮行程中の基準筒内圧力との圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)、筒内圧力(P)のクランク角(θ)に対する筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)及び筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)の3つの因子を算出して、前記3つの因子と、過去の運転データあるいはシミュレーション計算によって設定した前記3つの因子のしきい値(PPR)、(IK)、(Pk)とを比較し、その大小によって、過早着火の発生とノッキングの発生とを正確に区別して検知することが可能となるとともに、さらにはトレースノック(ノッキングの一歩手前の状態)の発生を正確に検知することが可能となる。
【0062】
また筒内圧力の検出値をベースとした圧力比及び筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を用いて過早着火及びノッキングの発生の検知を行うので、筒内圧力の絶対値は不要となり、筒内圧力検出器の劣化、温度ドリフト、較正不良等により該筒内圧力検出器からの出力レベルが全体的に低下した場合においても、過早着火及びノッキングの発生検知の精度を低下させることなく正常な診断を維持できる。これにより、燃焼診断システムの使用寿命を延長できる。
以上により、1つの燃焼診断システムで以って過早着火の発生とノッキングの発生を検知し得る燃焼診断を行うことができ、簡単な構成かつ低コストの装置で以って、過早着火及びトレースノックを含むノッキングの発生を常時検知して燃焼診断を行うことができる。
【0063】
また、本発明によれば、筒内圧センサと燃焼診断装置とにより燃焼状態を把握しながら、燃料噴射タイミングの制御によりノッキングを回避するとともに、必ずしも燃料噴射タイミングのみで制御できない過早着火を、空燃比等を制御して機関の出力低下を来たすことなく、かつ機関の耐久性を維持しながら運転を継続できる。
これによりノッキング及び過早着火の発生を迅速かつ確実に回避できるとともに、燃焼状態のばらつきを抑えることができ、結果として常時エンジン性能をノッキングの発生手前の高性能域で最適制御できる。
従って、本発明によれば、簡単な設備でかつ簡易な手法で以って過早着火及びノッキングの発生というエンジンに必要とする燃焼診断を行うことができ、エンジンの燃焼性能の低下を迅速かつ高精度で検知し、エンジンの安定運転を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るガスエンジンの燃焼診断システムの制御フローチャートである。
【図2】本発明の第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断システムの制御フローチャートである。
【図3】前記実施例に係るガスエンジンの燃焼診断、燃焼制御ステムの全体構成図である。
【図4】ガスエンジンの筒内圧力を示す線図である。
【図5】空燃比制御の目標値設定フロー図である。
【符号の説明】
1 筒内圧力検出器
2 クランク角検出器
6 表示装置
7 ガス供給電磁弁
8 ガス供給管
9 給気管
10 ガス噴射装置
11 着火装置
20 エンジン本体
36 負荷検出器
41 給気弁
42 排気弁
44 燃焼室
45 ピストン
46 クランク軸
100 燃焼診断装置
Claims (8)
- 燃料ガスを空気と混合しエンジンの燃焼室内にて燃焼せしめるように構成されたガスエンジンを含む内燃機関(エンジン)における燃焼診断、燃焼制御方法において、前記燃焼室内における筒内圧力検出値及びエンジンのクランク角検出値に基づき前記クランク角の上死点における圧縮圧力(PT)と圧縮行程中の基準筒内圧力(P0)との圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力(P)のクランク角(θ)に対する筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を算出し、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を用いて過早着火及びノッキングの発生の有無を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼診断、燃焼制御方法。
- 前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が予め設定された該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が予め設定された変化率のしきい値(IK)以下(ΔP/Δθ≦IK)のとき過早着火のみが発生し,前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該変化率のしきい値(IK)を超える(ΔP/Δθ>IK)とき過早着火及びノッキングが発生しているものと判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼診断、燃焼制御方法。
- 前記過早着火のみが発生しているときエンジンの空燃比を増大し、前記過早着火及びノッキングが発生しているとき前記空燃比を増大するとともに燃料噴射始め時期を遅延せしめることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼診断、燃焼制御方法。
- 前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PpR)よりも小さいとき(ΔPT/ΔP0<PpR)において、筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)がノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)以上(ΔP/Δθ≧Ik)のときにはノッキングのみが発生しているものと判定し、
前記筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)が前記ノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)よりも小さい(ΔP/Δθ<Ik)ときにはトレースノックCTK(ノッキングの一歩手前の状態)が発生しているものと判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼診断、燃焼制御方法。 - 燃料ガスを空気と混合しエンジンの燃焼室内にて燃焼せしめるように構成されたガスエンジンを含む内燃機関(エンジン)における燃焼診断、燃焼制御装置において、前記燃焼室内の筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、エンジンのクランク角を検出するクランク角検出器とを設けるとともに、前記筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値及び前記クランク角検出器から入力されるクランク角の検出値に基づき前記クランク角の上死点における圧縮圧力と圧縮行程中の基準筒内圧力との圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力(P)のクランク角(θ)に対する筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を算出する算出手段と、前記算出手段にて算出された前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)及び筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)を用いて過早着火及びノッキングの発生の有無を判定する判定手段とを備えてなることを特徴とする内燃機関の燃焼診断、燃焼制御装置。
- 前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)の算出値と予め設定された該圧縮圧力比のしきい値(PpR)とを比較する比較手段と、前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)と予め設定された筒内圧力変化率のしきい値(Ik)とを比較する比較手段とを備え、前記判定手段は、前記両比較手段による比較結果において前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)の算出値が前記しきい値(PpR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PpR)前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)の算出値が前記しきい値(Ik)以下(ΔP/Δθ≦Ik)のとき過早着火のみの発生を判定し、前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PPR)以上であって(ΔPT/ΔP0≧PPR)前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該変化率のしきい値(IK)を超える(ΔP/Δθ>IK)とき過早着火及びノッキングの発生を判定するように構成されたことを特徴とする請求項5記載の内燃機関の燃焼診断、燃焼制御装置。
- 前記判定手段から過早着火及びノッキングの判定結果が入力され、該判定結果において前記過早着火のみが発生しているときエンジンの空燃比を増大せしめ、前記過早着火及びノッキングが発生しているとき前記空燃比を増大するとともに燃料噴射始め時期を遅延せしめるコントローラを備えてなることを特徴とする請求項6記載の内燃機関の燃焼診断、燃焼制御装置。
- 前記判定手段から過早着火及びノッキングの判定結果が入力され、該判定結果において前記圧縮圧力比(ΔPT/ΔP0)が該圧縮圧力比のしきい値(PpR)よりも小さいとき(ΔPT/ΔP0<PpR)筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)がノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)以上(ΔP/Δθ≧Ik)のときにはノッキングのみの発生を判定し、前記筒内最高圧力比(ΔPp/ΔP0)が前記ノッキング許容圧力比(Pk)以上(ΔPp/ΔP0≧Pk)であって前記筒内圧力変化率(ΔP/Δθ)が該筒内圧力変化率のしきい値(Ik)よりも小さい(ΔP/Δθ<Ik)ときトレースノックCTK(ノッキングの一歩手前の状態)の発生を判定するとともに燃料噴射始め時期を遅延せしめるコントローラを備えてなることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の燃焼診断、燃焼制御装置。
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