JP4738426B2 - ガスエンジンの制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
エンジンの最適な燃焼状態と出力効率を得るためには、燃焼室に供給される燃料流量、給気流量が適正に制御されるとともに、ノッキングや失火を回避した安定運転が可能な空燃比に制御されることが必要となる。従来これらの制御においては、図5に示されるように、発電等に必要とされる所望のエンジン出力が予め設定されており、この設定出力が得られるように燃料流量が設定されるとともに、所要の空燃比となるように前記燃料流量に基づいて必要空気量が算出され、該必要空気量と実際の空気量との偏差に基づいて空気量調整値が算出され、該調整値に対応した給気流量制御弁の開度制御が行われていた。
さらに、他の方法として、過給機で空気のみを圧縮し、その圧縮空気を供給する吸気管に、各気筒の吸気弁の手前で燃料ガスを供給している。このようなガスエンジンの場合、過給機の吐出側と吸気側とをバイパス配管で接続するとともにバイパス配管に1個のスロットル弁を設け、そのスロットル弁によって吸気側に戻す給気流量を制御し、負荷変動に対する制御を行っている。
の過給機 回転数が変動し、該過給機 回転数の変動によってエンジンへの給気の圧力変動が発生し、この給気圧力変動およびこれに伴う給気量変動によって、エンジンの安定燃焼が行われなくなるという事態が発生し易くなる。
そこで過給機を大型化することにより目標出力に到達するまでの時間の短縮が図れるが、コストが大幅に増大してしまう。一方、出力変化率を大きくすると、過給機の時間遅れにより給気が追従できず、ノッキングが発生してしまうという問題があった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、エンジンの始動時や出力変動時における過給機の応答遅れを解消でき、短時間で所望の出力が得られるガスエンジンの制御方法及び装置を提供することを目的とする。
始動時若しくはエンジン出力変動時にて、予め所望の出力が得られる出力変化率が設定されており、
前記出力変化率に応じた燃料供給量に制御するとともに、現時点tから時間αだけ先行した時間t+αにおける燃料供給量に対して所要の空燃比となる理論空気量を算出し、該算出した理論空気量と、現時点における実際の空気量の偏差に基づいて前記給気流量を制御し、更に前記エンジンの適正な燃焼状態における筒内圧が適正筒内圧領域として予め設定されており、前記エンジンの筒内圧を検出し、該検出した筒内圧が前記適正筒内圧領域を超える場合には、空気量不足と判断して前記設定出力変化率を低減することを特徴とする。
前記制御装置には、始動時若しくはエンジン出力変動時にて、予め所望の出力が得られる出力変化率が設定されており、
該制御装置は、前記出力変化率に応じた燃料供給量に制御する燃料供給量制御手段を備えるとともに、現時点tから時間αだけ先行した時間t+αにおける燃料供給量に対して所要の空燃比となる理論空気量を算出し、該算出した理論空気量と、現時点における実際の空気量の偏差に基づいて前記給気流量の調整値を算出する算出手段を備え、該算出された調整値に基づいて前記給気流量制御弁を制御し、
更に前記エンジンの筒内圧を検出する筒内圧センサを備えるとともに、前記制御装置が前記エンジンの燃焼状態を診断する燃焼診断手段を備えており、
前記燃焼診断手段には前記エンジンの適正な燃焼状態における筒内圧が適正筒内圧領域として予め設定されており、該燃焼診断手段は、前記筒内圧センサにより前記エンジンの筒内圧を検出し、該検出した筒内圧が前記適正筒内圧領域を超える場合には、空気量不足と判断して前記出力変化率を低減することを特徴とする。
前記燃焼診断手段には前記エンジンの適正な燃焼状態における筒内圧が適正筒内圧領域として予め設定されており、該燃焼診断手段は、前記筒内圧センサにより前記エンジンの筒内圧を検出し、該検出した筒内圧が前記適正筒内圧領域を下回り且つ前記出力変化率が正の値である場合には、燃料希薄と判断して前記先行時間αを小さくすることを特徴とする。
また、エンジンの筒内圧を検出して該筒内圧に基づいて燃焼診断を行うことにより、空気量を適正に先行制御することが可能となる。即ち、筒内圧が、適正な燃焼状態を示す適正筒内圧領域を超える場合には、空気量不足と判断してエンジンの出力変化率を低く補正することにより給気不足を解消することが可能となる。筒内圧が適正筒内圧領域を下回る場合には、給気量が燃料供給量に比べて多すぎると判断し、先行時間αを小さくするように補正することにより給気量過多を解消することが可能となる。
図1は本発明の実施例に係る多気筒ガスエンジンの全体構成図、図2は本実施例に係るガスエンジンの燃焼空気量制御を説明する図、図3は本実施例に係る燃焼診断処理を示すフローチャート、図4は設定出力と燃焼空気量の関係を示すグラフである。
制御装置100には、所望の発電出力を得るためのエンジン出力(負荷)が予め設定されている。この設定出力は、始動時の場合、例えば図2のグラフに示されるように、時間に対して出力の増加率が設定されている。尚、本実施例では、過給機4の能力等を考慮した上で、2段階の増加率を有するように設定される。
制御装置100により燃料流量検出器14により検出される燃料流量に基づいて燃料流量制御弁13を制御し、前記設定出力が得られるように燃料供給量を調整している。
従来の制御方法では図5に示すように、該算出された理論空気量と、実際の空気量との偏差に基づいて給気量の調整値が求められ、該調整値に対応して給気流量制御弁9を制御するようになっている。
図3に、燃焼診断の処理フローを示す。まず、上記したように、エンジンの設定出力に対して、時間t+αの時点に対応した給気制御を行う(S1)。
また、随時、シリンダの筒内圧を検出して該筒内圧に基づいて燃焼診断を行うことにより、空気量を適正に先行制御することが可能となる。即ち、筒内圧が、適正な燃焼状態を示す適正筒内圧領域を超える場合には、空気量不足と判断してエンジン2の設定出力を低く補正することにより空気量不足を解消することが可能となる。筒内圧が適正筒内圧領域を下回る場合には、空気量が燃料供給量に比べて多すぎると判断し、先行時間αを小さくするように補正することにより空気量過多を解消することが可能となる。
2 シリンダ
3 発電機
4 過給機
4a タービン
4b コンプレッサ
5 排気通路
6 排気出口管
7 給気通路
8 給気放出管
9 給気流量制御弁
10 燃料噴射装置
11 燃料供給主管
12 燃料供給管
13 燃料流量制御弁
14 燃料流量検出器
15 燃料圧力検出器
16 燃料温度検出器
17 給気圧力検出器
18 給気温度検出器
19 空気冷却器
21 筒内圧センサ
100 制御装置
Claims (4)
- 過給機を介して給気され給気流量制御弁により給気流量が制御された空気と、燃料流量制御弁により燃料供給量が制御された燃料ガスとを所要の空燃比にて混合して燃焼室内に供給し、エンジンを着火燃焼せしめるガスエンジンの制御方法において、
始動時若しくはエンジン出力変動時にて、予め所望の出力が得られる出力変化率が設定されており、
前記出力変化率に応じた燃料供給量に制御するとともに、現時点tから時間αだけ先行した時間t+αにおける燃料供給量に対して所要の空燃比となる理論空気量を算出し、該算出した理論空気量と、現時点における実際の空気量の偏差に基づいて前記給気流量を制御し、更に前記エンジンの適正な燃焼状態における筒内圧が適正筒内圧領域として予め設定されており、前記エンジンの筒内圧を検出し、該検出した筒内圧が前記適正筒内圧領域を超える場合には、空気量不足と判断して前記設定出力変化率を低減することを特徴とするガスエンジンの制御方法。 - 前記エンジンの適正な燃焼状態における筒内圧が適正筒内圧領域として予め設定されており、前記エンジンの筒内圧を検出し、該検出した筒内圧が前記適正筒内圧領域を下回り、且つ前記出力変化率が正の値である場合には、燃料希薄と判断して前記先行時間αを小さくすることを特徴とする請求項1記載のガスエンジンの制御方法。
- 過給機を介して給気された空気の燃焼室への供給量を制御する給気流量制御弁と、燃料供給量の該燃焼室への供給量を制御する燃料流量制御弁とを備えるとともに、前記空気と前記燃料ガスとを所要の空燃比にて混合して燃焼室内に供給する燃料噴射装置とを備えたガスエンジンの制御装置において、
前記制御装置には、始動時若しくはエンジン出力変動時にて、予め所望の出力が得られる出力変化率が設定されており、
該制御装置は、前記出力変化率に応じた燃料供給量に制御する燃料供給量制御手段を備えるとともに、現時点tから時間αだけ先行した時間t+αにおける燃料供給量に対して所要の空燃比となる理論空気量を算出し、該算出した理論空気量と、現時点における実際の空気量の偏差に基づいて前記給気流量の調整値を算出する算出手段を備え、該算出された調整値に基づいて前記給気流量制御弁を制御し、
更に前記エンジンの筒内圧を検出する筒内圧センサを備えるとともに、前記制御装置が前記エンジンの燃焼状態を診断する燃焼診断手段を備えており、
前記燃焼診断手段には前記エンジンの適正な燃焼状態における筒内圧が適正筒内圧領域として予め設定されており、該燃焼診断手段は、前記筒内圧センサにより前記エンジンの筒内圧を検出し、該検出した筒内圧が前記適正筒内圧領域を超える場合には、空気量不足と判断して前記出力変化率を低減することを特徴とするガスエンジンの制御装置。 - 前記エンジンの筒内圧を検出する筒内圧センサを備えるとともに、前記制御装置が前記エンジンの燃焼状態を診断する燃焼診断手段を備えており、
前記燃焼診断手段には前記エンジンの適正な燃焼状態における筒内圧が適正筒内圧領域として予め設定されており、該燃焼診断手段は、前記筒内圧センサにより前記エンジンの筒内圧を検出し、該検出した筒内圧が前記適正筒内圧領域を下回り且つ前記出力変化率が正の値である場合には、燃料希薄と判断して前記先行時間αを小さくすることを特徴とする請求項3記載のガスエンジンの制御装置。
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