JP2005008552A - 金属炭化水素類の精製方法 - Google Patents

金属炭化水素類の精製方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】(a)式(1)
M (1)
(R、R、Rは炭素数1〜6の一価炭化水素基、MはIII族金属元素。)
で示されるIII族金属炭化水素より沸点が30℃以上高く、沸点が200℃以下の溶媒中に式(2)
(RM)L (2)
(Lはルイス塩基、xはルイス塩基中のドナー原子の数に等しい整数。)
で示される金属炭化水素付加物を存在させ、(b)前記付加物を熱解離させ、III族金属炭化水素を遊離させることを特徴とする金属炭化水素類の精製方法。
【効果】本発明によれば、簡単な操作で高純度のIII族金属炭化水素を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体材料の製造に有用な金属炭化水素類の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
III族化合物半導体材料、例えばヒ素ガリウム、窒化ガリウムなどの化合物半導体デバイスは、携帯電話などの高速・簡易電話分野の急速な発展により、その需要が急増している。また、化合物半導体ダイオードの実用化も進み、その高効率発光性ゆえに今後需要は更に増加していく。
このような材料は、従来、アルキル基を構成要素に有するIII族金属アルキル(トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウム、トリエチルガリウムなど)を原料とした、有機金属化合物気相成長法によって製造される。
化合物半導体の特性は、原料であるIII族金属アルキルの純度に大きく影響され、微量の不純物でも、その光学的特性・電気的特性等は著しく低下する。このため、高純度のIII族金属アルキルの製造方法が求められてきた。
【0003】
高純度のIII族金属アルキルの製造方法としては、一般的に蒸留工程を含むが、III族金属アルキルと沸点の近い不純物の除去は困難になり、蒸留工程の複雑化につながる。III族金属アルキルと近沸点の不純物の除去には、例えば、特公平5−35154号公報(特許文献1)に記載されている方法が有効である。これは、III族金属アルキルとV族ドナーリガントの付加物を溶媒中で生成し、溶媒と共に付加物を生成しない不純物を除去した後に熱解離によりIII族金属アルキルを回収する方法である。
【0004】
しかしながら、この製造方法では、溶媒としてベンゼン、ペンタン、ヘキサンを使用しており、使用した溶媒の除去も必要になってくる。この方法では、溶媒を減圧蒸発させて除去しているが、固体中から溶媒を減圧蒸発で完全に除去するには多くの時間が必要になり、工業化の上で不利になる。もし溶媒が少量残存した時は、熱解離後のIII族金属アルキルには微量の溶媒が含まれ、III族金属アルキルと溶媒の分離工程が必要となる。
【0005】
トリメチルガリウムの製造では、トリメチルガリウムの沸点とベンゼン、ペンタン、ヘキサンなどの溶媒の沸点が近く、残存した溶媒除去のためのプロセスの負担が大きくなる。
また、トリエチルガリウム、トリメチルアルミニウム等の製造では、III族金属アルキルの沸点よりも溶媒の沸点が低くなる。このため、残存した溶媒の除去を蒸留で行う場合、溶媒が留出したのちにIII族金属アルキルの留出があるため、ラインのコンタミ防止のための配慮が必要となる。
【0006】
また、同様の精製方法としては、特開昭62−185090号公報(特許文献2)に記載の精製方法がある。これはアルキルガリウムとルイス塩基の配位化合物と不純物成分を分離した後に、配位化合物を解離蒸留することにより、アルキルガリウムを回収する精製方法である。この方法では、配位化合物と不純物成分の分離に沸点差を利用した蒸留・蒸発が挙げられており、不純物成分との同伴分離ガスとして、不活性ガスを吹き込む方法、未配位のアルキルガリウムを利用する方法、低級炭化水素が記載されている。
【0007】
しかしながら、不活性ガスを吹き込む方法では、配位化合物が固体のときに、固体内部の不純分成分を完全に分離することが困難になる。また、未配位のアルキルガリウムを利用する方法では、アルキルガリウムのロスが問題になり、低級炭化水素では低級炭化水素が残存した時に分離が困難になる。
【0008】
また、上記特開昭62−185090号公報(特許文献2)には、不純物成分の分離に再結晶を行うことも記載してあるが、III族金属アルキルは不活性ガスを封入した装置内で扱う必要があり、スケールアップした際に、結晶の洗浄などの操作が複雑になるうえ、低級炭化水素を溶媒として使用すると、溶媒の分離が困難になることから、実用化は難しい。
【0009】
【特許文献1】
特公平5−35154号公報
【特許文献2】
特開昭62−185090号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
これらの問題点から、アルキル付加物の熱解離プロセスを伴うIII族金属アルキルの製造では、使用する溶媒が容易に除去できる精製方法が切望されていた。
本発明は上記要望に応えるためになされたもので、III族金属炭化水素付加物の熱解離を行い、高純度のIII族金属炭化水素を製造する際に、混入する溶媒を後の工程で容易に分離することができる金属炭化水素類の精製方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(2)
(RM)L (2)
(式中、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜6の一価炭化水素基を表し、MはIII族金属元素を表す。Lはルイス塩基を表し、xはルイス塩基中のドナー原子の数に等しい整数を表す。)
で示される金属アルキル付加物等の金属炭化水素付加物を生成する際に、下記一般式(1)
M (1)
(式中、R、R、R、Mは上記の通り。)
で示されるIII族金属アルキル等のIII族金属炭化水素より沸点が30℃以上高く、かつ沸点が200℃以下の溶媒を使用することで、III族金属炭化水素中に混入した溶媒を容易に除去できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
従って、本発明は、(a)下記一般式(1)
M (1)
(式中、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜6の一価炭化水素基を表し、MはIII族金属元素を表す。)
で示されるIII族金属炭化水素より沸点が30℃以上高く、かつ沸点が200℃以下の溶媒中に下記一般式(2)
(RM)L (2)
(式中、R、R、R、Mは上記の通り、Lはルイス塩基を表し、xはルイス塩基中のドナー原子の数に等しい整数を表す。)
で示される金属炭化水素付加物を存在させ、
(b)前記付加物を熱解離させ、III族金属アルキルを遊離させることからなる金属炭化水素類の精製方法を提供するものである。
【0013】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に用いる金属炭化水素付加物は、下記一般式(2)
(RM)L (2)
で示される。R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の一価炭化水素基を表す。これらは直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、飽和、不飽和のいずれでもよい。また、R、R、Rは同一であっても、異なってもよいが、R、R、Rとしては、アルキル基が好ましい。
【0014】
、R、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
MはIII族金属元素を表し、具体的にはアルミニウム、ガリウム、インジウム等を表す。
Lはルイス塩基を表し、アミン化合物、ホスフィン化合物、エーテル化合物などが挙げられる。Lで表されるルイス塩基は室温で、固体であっても液体であってもよいが、下記一般式(1)
M (1)
(式中、R、R、R、Mは上記の通り。)
で示されるIII族金属炭化水素より高い沸点を持つことが必要となる。ルイス塩基の沸点が低いと、熱解離の際にルイス塩基がIII族金属炭化水素に混入してしまい、かえってIII族金属炭化水素の純度を低下させるからである。
【0015】
ルイス塩基の具体例を挙げると、アミン化合物としては、トリペンチルアミン、ジオクチルアミン、N−メチルオクタデシルアミン、トリヘキシルアミン、トリフェニルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチルドデシルアミン等が挙げられる。
【0016】
ホスフィン化合物としては、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、DIPHOS(PhPCHCHPPh)、TRIPHOS(PhPCHCHP(Ph)CHCHPPh)(Ph=フェニル)などが挙げられる。
エーテル化合物としては、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、2−メトキエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテルなどが挙げられる。
特に、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィンは、蒸気圧をほとんど持たないため、熱解離の際にIII族金属炭化水素に混入しにくく、利用に適している。
【0017】
また、下記一般式(2)
(RM)L (2)
で示される金属炭化水素付加物を生成する際、上記したルイス塩基以外のルイス塩基とIII族金属炭化水素で金属炭化水素付加物を生成した後、この金属炭化水素付加物と上記アミン化合物、ホスフィン化合物、エーテル化合物から選ばれるルイス塩基を接触させ、ルイス塩基の交換により下記一般式(2)
(RM)L (2)
で示される金属炭化水素付加物を生成しても問題ない。
【0018】
また、III族金属炭化水素とルイス塩基をIII族金属炭化水素より沸点が30℃以上高く、かつ沸点が200℃以下の溶媒の存在下で接触させることで、金属炭化水素付加物を生成することが好ましいが、無溶媒又は他の溶媒の存在下で炭化水素付加物を生成し、その後、III族金属炭化水素より30℃以上沸点が高く、かつ沸点が200℃以下の溶媒と混合してもよい。
【0019】
使用する溶媒は、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、またこれらのハロゲン化物などが好ましいが、III族金属炭化水素と反応・分解しないものなら問題なく使用できる。ここで、ルイス塩基が固体のときは、芳香族炭化水素を溶媒とした場合にルイス塩基の溶解度が高くなり、操作が容易になる。
【0020】
溶媒の沸点はIII族金属炭化水素よりも沸点が30℃以上高いことが必要だが、これは精製後のIII族金属炭化水素に溶媒が混入したときに、蒸留又は蒸発など蒸気圧の差を利用して容易にIII族金属炭化水素と溶媒の分離を行うためである。例えば、III族金属炭化水素が沸点56℃のトリメチルガリウムでは、溶媒の沸点は86℃以上になり、沸点127℃のトリメチルアルミニウムでは溶媒の沸点は157℃以上になり、沸点136℃のトリメチルインジウムでは溶媒の沸点は166℃以上になり、沸点143℃のトリエチルガリウムでは溶媒の沸点は173℃以上になる。
【0021】
溶媒の具体例としては、n−ヘプタン、n−オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,3−トリエチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、p−シメン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、スチレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、α−ピネン、ジペンテン、デカリン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、ブロモホルム、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、ブロモベンゼン、ベンゾトリフルオリド、1−ブロモ−2−クロロエタン等が挙げられるが、これらの溶媒のうち、使用可能な溶媒はIII族金属炭化水素の沸点によって制限される。
【0022】
また、使用する溶媒は200℃以下の沸点を持つが、使用する溶媒の沸点が200℃を超えると、金属炭化水素付加物と溶媒の分離を蒸留又は蒸発で行う際、溶媒の蒸気圧が低く、留去しにくくなる。III族金属炭化水素中の不純物は、溶媒を留去する際に溶媒を同伴ガスとして除去することで除去されるため、溶媒の沸点が200℃を超えると不純物の除去が非効率的になり、好ましくない。
【0023】
金属炭化水素付加物の熱解離前に溶媒の除去を行うが、III族金属炭化水素と溶媒の沸点差が大きい時は溶媒の除去を完全にしなくても、III族金属炭化水素を熱解離した後に蒸留又は蒸発で溶媒の分離は容易にできる。溶媒の分離は通常減圧・加熱状態で蒸留又は蒸発により行うが、その他工業的に可能な方法で分離することも可能である。
【0024】
溶媒は単体でも混合物でもよい。混合物の場合はIII族金属炭化水素より30℃以上沸点の高い成分があれば、その他の成分がIII族金属炭化水素より沸点が30℃以上高くなくてもよい。金属炭化水素付加物から溶媒を減圧・加熱で分離することで低沸点の溶媒成分が先に除去され、その後に高沸点の溶媒成分が除去されるため、低沸点の溶媒成分は残存しないからである。
【0025】
また、溶媒が混合物の時に、溶媒成分の一部が200℃を超えた沸点を持ってもよい。III族金属炭化水素中の不純物は低沸点の溶媒とともに除去されるため、不純物の除去の効率には影響しないからである。また、熱解離の時にIII族金属炭化水素に沸点200℃を超えた溶媒成分が混入しても、沸点差を利用して容易に分離可能だからである。
【0026】
但し、III族金属炭化水素より30℃以上沸点が高く、かつ沸点が200℃以下である溶媒の割合は、全溶媒中、50質量%以上、特に70質量%以上であることが不純物の除去効率、溶媒の分離効率の点から好ましい。
【0027】
金属炭化水素付加物の熱解離は通常、減圧し、解離温度以上に加熱することで行うが、減圧しなくても解離が進む場合は減圧の必要はない。熱解離温度の上限は特に規定されないが、III族金属炭化水素の分解温度以上に加熱すると、不純物が現れる可能性があるので、通常はIII族金属炭化水素の分解温度より低い温度で操作を行う。
【0028】
熱解離したIII族金属炭化水素は通常、III族金属炭化水素の蒸気圧が十分低くなる温度に冷却された容器に回収される。また、熱解離の際に不活性ガスを流すことで、III族金属炭化水素の回収を効率化させてもよい。
【0029】
一連の操作は不活性雰囲気下で行うことが好ましく、通常大気圧、又は減圧下で行うことが好ましいが、場合によっては加圧状態で操作を行っても問題ない。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、III族金属炭化水素を精製する際に混入する溶媒の沸点がIII族金属炭化水素より30℃以上沸点が高くなるため、III族金属炭化水素と溶媒の分離が容易になり、簡単な操作で高純度のIII族金属炭化水素を得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
[実施例1]
ヘリウム雰囲気でキシレン250gとトリフェニルホスフィン350g(1.33mol)を混合した。そこに含珪素不純物が5400ppb混入しているトリメチルガリウム134g(1.17mol)を加え、金属アルキル付加物を生成した。
上記混合物を0.2kPaの減圧で70℃に加熱することでキシレン溶媒を蒸留分離した。その後、0.2kPaの減圧で200℃まで加熱することでトリメチルガリウムの熱解離を行った。熱解離したトリメチルガリウムはドライアイスで冷却した容器に回収したところ、回収率は95%になった。
NMR分析、GCマス分析を行うと、回収したトリメチルガリウムには1%程度のキシレンが含まれていることが確認された。
回収したトリメチルガリウムを内径12mm、高さ100mmのヘリパックNO.2(東京特殊金網(株)製)を充填した塔で蒸留した。蒸留は留分の最初から回収し、回収率は90%とした。
蒸留後のトリメチルガリウムのNMR分析、GCマス分析ではキシレンの検出はなかった。また、ICP分析でも含珪素化合物は確認されなかった。
以上のことから、トリメチルガリウム中の不純物の除去ができ、使用した溶媒も簡単な操作で分離できることが確認された。
【0033】
[比較例1]
使用する溶媒をベンゼンとする他は実施例1と同様の実験を行った。蒸留後の留分を分析すると含珪素化合物は確認されなかったが、ベンゼンが10ppm程度確認され、溶媒を完全に除去することができなかった。

Claims (8)

  1. (a)下記一般式(1)
    M (1)
    (式中、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜6の一価炭化水素基を表し、MはIII族金属元素を表す。)
    で示されるIII族金属炭化水素より沸点が30℃以上高く、かつ沸点が200℃以下の溶媒中に下記一般式(2)
    (RM)L (2)
    (式中、R、R、R、Mは上記の通り、Lはルイス塩基を表し、xはルイス塩基中のドナー原子の数に等しい整数を表す。)
    で示される金属炭化水素付加物を存在させ、
    (b)前記付加物を熱解離させ、III族金属炭化水素を遊離させることを特徴とする金属炭化水素類の精製方法。
  2. Lで表されるルイス塩基が有機ホスフィンである請求項1記載の金属炭化水素類の精製方法。
  3. III族金属炭化水素より沸点が30℃以上高く、かつ沸点が200℃以下の溶媒が芳香族炭化水素である請求項1又は2記載の金属炭化水素類の精製方法。
  4. 使用する溶媒がトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる1種又は2種以上の混合物である請求項3記載の金属炭化水素類の精製方法。
  5. III族金属炭化水素がトリメチルガリウムである請求項1乃至4のいずれか1項記載の金属炭化水素類の精製方法。
  6. 使用する溶媒を蒸留又は蒸発操作を行うことで分離した後に金属炭化水素付加物の熱解離を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の金属炭化水素類の精製方法。
  7. 精製した後の金属炭化水素を蒸留又は蒸発する工程を含む請求項1乃至6のいずれか1項記載の金属炭化水素類の精製方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の方法により精製された金属炭化水素類。
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