JP2005008415A - 可動式牽引手段による負荷輸送用の昇降機 - Google Patents

可動式牽引手段による負荷輸送用の昇降機 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷を輸送するため移動される牽引手段ができる限り緩やかなやり方で案内される、負荷を輸送する昇降機を作る。
【解決手段】負荷を輸送する装置は、負荷に連結された可動式牽引手段50を含む。牽引手段50の一部分は、牽引手段を案内するため少なくとも一つのローラ40と接触させられる。ローラは、コーティング42と、コーティングのキャリア41とを含み、牽引手段50は、コーティング42と接触させることが可能である。牽引手段50とコーティング42との間の接触の摩擦係数は、牽引手段50とキャリア41との間の接触の対応した摩擦係数よりも小さい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、請求項1のプリアンブルに記載されている、少なくとも一つの可動式牽引手段を用いて少なくとも一つの負荷を輸送する昇降機と、請求項3のプリアンブルに記載されている、昇降機とに関する。
この種の昇降機の知られている例として、特に、負荷、例えば昇降かご、または複数個の負荷、例えば昇降かごおよび昇降かごの重量の補償用の釣り合いおもりが少なくとも一つの支持手段で吊り下げられる、従来の昇降設備を考慮することができる。1本以上のケーブル、および/または1本以上のベルトが、通常支持手段としての役目を果たす。それぞれの支持手段は、その例では、支持手段が移動する場合に、対応した負荷が、例えば建物の異なる階の間で輸送されるように、対応した負荷と連結される。この場合、支持手段は、牽引手段の機能を兼ねる。
以下では、特に断らない限り、用語「牽引手段」は、負荷用の支持および牽引手段として構成された、牽引手段を指定するためにも使用される。
従来、負荷の輸送用の牽引手段として多数の構成が提案され、そこでは、各牽引手段は、牽引手段を案内するため少なくとも一つの本体と接触させられる。それぞれの本体との接触は、牽引手段の移動の遊びを制限し、牽引手段の案内を行う。牽引手段と本体との間の境界面は、それぞれの構成の効率に大きな重大性を及ぼす。境界面の形状は、例えば、牽引手段と本体との間の摩擦に影響を与え、牽引手段と本体との間の接触によって生じ得る摩耗現象に影響を与える。牽引手段が本体と接触して配置されている場所に、コーティングを有する本体を使用することができる。本体と牽引手段との間の接触は、コーティングを適切に選ぶことによって最適化することができる。
従来の昇降設備において、昇降かごまたは釣り合いおもり用の牽引手段は、例えば、通常少なくとも一つのローラおよび/または少なくとも一つのスライド要素と接触させられる。この場合のローラまたはスライド要素は、牽引手段の瞬間の物理構成に影響を与え、特に、長手方向だけではなく、長手部分の横断方向でも牽引手段の長手部分の運動に影響を与える。
従来の昇降設備において、ローラは、通常種々の目的のため使用され、例えば、それぞれの牽引手段のための駆動ローラとして、または、偏向ローラとしても使用される。
駆動ローラは、駆動装置によって回転させることができ、通常、牽引手段を移動する役目を担う。この目的のため、牽引手段が、駆動ローラの回転中に移動する駆動ローラの表面に牽引手段が接触し、その表面が移動した場合に牽引力が牽引手段へ伝達されるように、支持ローラが牽引手段に対して配置される。駆動ローラは、通常、牽引手段の長手部分が、表面の移動可能な方向と実質的に平行に並ぶように向けられる。この状況下で、牽引手段の長手方向における駆動ローラと牽引手段との間の力伝達は、最適である。この構造は、特に、牽引手段のその長手方向に沿った動きを実現するために好適であることが明らかである。高レベルの牽引を実現するため、牽引手段は、原則として、牽引手段が、駆動ローラの回転軸の周りの円周線に沿って駆動ローラの周りに、部分的に、完全に、または2回以上巻き付くように配置される。この形の牽引手段の案内の場合、牽引手段の長さ方向は、駆動ローラでそれ相応に変化する。
駆動ローラと対照的に、偏向ローラは、駆動装置が設けられていないので、牽引手段を駆動するために適さない。それどころか、トルクは、偏向ローラの回転軸の周りで円周線に沿って偏向ローラと接触させられた牽引手段によって、偏向ローラへ伝達することがあり、偏向ローラは、牽引手段が移動されるときに回転させられることができる。偏向ローラは、通常、牽引手段が、偏向ローラの回転軸の周りの円周線に沿って偏向ローラの周りに、部分的または完全に巻き付くように、牽引手段と接触させられる。
偏向ローラは、様々な目的の昇降設備に使用される。典型的な用途の場合、偏向ローラは、牽引手段の種々の長さ部分を様々な方向へ偏向させるため、昇降設備の静止支持構造体に対して固定した位置に取り付けられる。牽引手段での係合力は、その場合、偏向ローラの回転軸のベアリングを介して、少なくとも部分的に、昇降設備の支持構造体へ導かれる。別の典型的な用途の場合、一つ以上の偏向ローラが、偏向ローラの周りで、牽引手段の長手部分によって形成されたルーピングに負荷を吊すため利用される。この場合、偏向ローラと牽引手段との間の相対運動、すなわち負荷の輸送は、牽引手段のその長手方向に沿った移動によって実現される。
牽引手段とローラとの間の境界面の最適化を対象としている多数の提案が知られている。この最適化は、通常、牽引手段とローラとの間の牽引の増大を目的とする。
一例として、US3838752によって知られる昇降設備では、昇降かごを釣り合いおもりに連結するケーブルは、駆動ローラの溝によって案内される。潤滑剤が、ケーブルと駆動ローラとの間の境界面に塗布され、ケーブルのうちの1本と駆動ローラとの間の接触の摩擦係数を、潤滑剤の無い接触に対応した摩擦係数よりも増大させる。この場合、潤滑剤は、駆動ローラとケーブルとの間の牽引力を確実に増大させる。
特許出願WO02/074677には、ケーブル用の駆動ローラを具備した昇降設備が開示されている。この駆動ローラは、ケーブルの案内用の数本の溝が円周線に沿って刻まれたローラ本体と、例えば、ローラ本体を覆うゴムまたはポリウレタンであるコーティングとを含む。このコーティングは、ローラ本体と比べると、駆動ローラとケーブルとの間の摩擦を増大させ、これにより、駆動ローラとケーブルとの間の牽引力を補強する。
特許出願EP1096176A1には、合成繊維ケーブルを駆動する駆動ローラ、好ましくは、昇降設備のケーブル駆動装置用の駆動ローラが開示されている。この駆動ローラは、ケーブルを案内するために用いられる溝を有する。ケーブルと接触する溝の表面は、機械的処理によって、または適切なコーティングの塗布によって、確定した表面粗さを有するように準備される。この表面粗さは、処理されていない駆動ローラまたはコーティングされていない駆動ローラよりも、ケーブルと駆動プーリーとの間の接触の摩擦係数を増大させる。このようにして、駆動ローラとケーブルとの間で伝達可能な牽引力は、増大させられる。
ローラと、ローラを押迫する牽引手段、例えば、ケーブルまたはベルトとの間に大きい牽引力を実現するため、以下の複数の可能性が当業者に利用可能である。すなわち、(i)互いに接触させて配置された牽引手段の部品およびローラの部品のそれぞれの材料は、実現可能な最大の摩擦を得るため適切に選択することができるという可能性と、(ii)牽引手段とローラとの間の加圧力はできるだけ大きくなるように選択することができるという可能性とである。
可能性(i)および(ii)は、最適化のためのある範囲内で毎回使用することができる。
例えば、ローラが鋼製であり、牽引手段がケーブルであり、ケーブルの外面が鋼線で形成されている場合、ケーブルとローラとの間の接触に与えられる摩擦係数はかなり小さい。しかし、鋼線は、その長手方向に対して横断方向に非常に大きい荷重を加えることができるので、ケーブルとローラとの間の加圧力が特に大きくなるような選択の可能性を利用することができる。この目的のため、例えば、ケーブルは、ケーブルが横断方向で所定の位置に押し付けられるように寸法が定められた溝内のローラの表面で案内されることができる。代替的に、または付加的に、この溝は、溝の底におけるケーブルが、できる限り小さい、鋭いエッジ状の支持面に当接するように形成される。
この例とは別に、牽引手段が、合成材料、例えばアラミドからなる耐荷重ケーブルを含む場合に、重要な他の状況が存在する。この種のケーブルは、軽量であり、その長手方向に非常に大きい荷重を加えることが可能であるが、その横断方向における荷重能力は鋼線よりも著しく小さく、いわゆる横断方向の力、すなわち長手方向に対して横断方向に作用する力によって破損する可能性が高い。ローラと接触している場合の牽引手段、および牽引手段とローラとの間で牽引力を伝達する場合の牽引手段は、大きい横断方向の力にさらされる可能性があるので、牽引手段が合成材料製の耐荷重繊維を具備しているとき、その繊維がシージング(sheathing)によって保護されている牽引手段は成功している。一例として、アラミド製繊維の数本の素線を撚ることにより形成されたコアケーブルと、コアケーブルを完全に取り囲むケーブルケーシングとを含むアラミド製のケーブルは知られている。弾性材料、例えば、特にポリウレタンまたはゴムのようなエラストマーは、ケーブルケーシングの材料としての価値が認められている。この種のケーブルの代替として、合成繊維から形成された数本の素線を撚ることにより製作されるケーブルが知られており、ここでは、素線は、それぞれが個別に、例えば、ポリウレタンまたはゴムのようなエラストマー製の保護シージングを有する。この代替例でも、同様に、素線は、個別の素線のシージングの寸法が適切に定められている場合に、横断方向の力による破損から効果的に保護される。
シージングを具備した上記の合成繊維ケーブルは、通常シージングに適した材料が、通常ローラのため使用される材料(例えば、鋼または鋳鉄)との接触のためかなり大きい摩擦係数を有するという特徴がある。これは、種々の観点で有利であると考えられる。例えば、これらのケーブルのうちの一つと従来型の駆動ローラとの接触の場合に、ケーブルとローラとの間に作用する加圧力がかなり小さいときでも、かなり大きい牽引力が伝達され得る。したがって、一般的に、ケーブルとローラとの間の加圧力を増加させる補助的な手段(例えば、小さい、鋭いエッジ状の支持面上のケーブルの支持体、または、狭い溝内の所定の位置へのケーブルの押し付け)をなしで済ませることが可能である。シージングと従来型の駆動ローラとの間の接触の摩擦係数が大きいため、ケーブルは、十分に大きい牽引力を伝達するために、比較的短い経路に沿ってだけ従来型の駆動ローラの周りに巻き付けるだけでよい。この結果として、かなり小径の駆動ローラを用いて、十分に大きい牽引力が得られる。したがって、この種のローラの駆動のために加えるべきトルクはかなり小さくてもよい。その結果として、かなり小型のモーターが、このようなローラの駆動装置として十分に足りる。この利点は、合成繊維ケーブルを利用する場合に大いに活用することができる。なぜならば、合成繊維ケーブルは、通常、非常に可撓性があり、比較的小さい曲率半径の軌道に沿って案内することができるからである。
近年、昇降設備の牽引手段としてベルトも使用されている。これらのベルトは、通常、ベルトの長手方向に配置された数個の耐荷重要素、例えば、ワイヤの要素または合成繊維の素線の要素を含む。耐荷重要素は、次に、一般的に弾性材料製のケーシングに埋め込まれる。ポリウレタンまたはゴムは、原則として、ケーシングの材料としての用途がある。この種のベルトは、ベルトが、長手方向に対して横断方向に最小の広がりをもつ方向で可撓性の度合いが高い、という点で有利である。この高い可撓性は、小径のローラを駆動ローラとして使用することを可能にさせる。しかし、駆動ローラとベルトとの間で十分に大きい牽引力を伝達するためには、ベルトと駆動ローラとの間に十分に広い接触領域が存在しなければならないという理由から、駆動ローラの小型化に制限が課される。この接触領域は、ベルトと駆動ローラとの間の接触の摩擦係数が大きくなるのに伴って、より小さくなるように選択することができる。接触面積が非常に小さい場合、および/または、摩擦係数が非常に小さい場合、駆動ローラの回転時に、ベルトがその接触面で滑る危険性がある。駆動ローラおよび駆動ローラ用駆動装置の小型化に関して、ベルトのケーシングが非常に大きい摩擦係数を保証するならば、有利である。
利用される部品の小型化の要望は、昇降設備、および負荷輸送用のその他の装置の開発における重要な原動力である。なぜならば、特に、個別の部品の小型化は、空間の要件が削減されたより効率的な装置の開発を可能にさせ、これにより、コスト削減の基盤を作り出すからである。
しかし、小型化の傾向によって、近年、問題の多い副効果を示す極端な動作条件が具現化されている。
負荷の輸送のために移動する牽引手段の配置は、しばしば、牽引手段の長手範囲の方向に対して横断方向の牽引手段の移動と関連した不安定性を示す。
牽引手段として従来型の合成繊維ケーブルを具備した昇降機の場合、例えば、これらのケーブルの斜め張力(diagonal tension)は高感度であることが認められる。長手方向へ移動させられた合成繊維ケーブルが、例えば、回転中のローラと接触し、ケーブルが、ローラの回転軸に垂直な平面内にないローラの表面で移動するように案内され、しかもこの平面に対してある角度で案内され、これにより、「斜め張力」を受けて移動する場合、動作中にケーブルの長手方向の周りにケーブルの撚りが生ずる。このような連続動作中の撚りは、しばしば、不可逆的である。ケーブルの撚りは、連続動作中に増加し、ケーブルの素線が破損する可能性がある。この影響で、ケーブルの寿命は大幅に減少し、昇降機の早期破損が生じる。
この影響は、しばしば、合成繊維ケーブルの場合に、特に厄介である。なぜならば、合成繊維ケーブルは、通常の合成繊維の機械特性のため、捩れに対する高い剛性をもたないからである。
しかし、斜め張力に対する過剰な感度は限定的である。一方で、斜め張力の完全な回避は、引張手段の案内と引張手段が接触する表面の配置とに関する、許容範囲の維持に高い要求を前定とする。他方で、例えば、昇降機構造において、牽引手段の案内部の特殊な幾何学的形状によって、昇降機シャフト内の空間の利用度を高めるために、牽引手段の斜め張力を選択的に考慮することが試みられている。この種の設計概念の採用は、設置された牽引手段が、斜め張力に対して高い感度を示す場合には制限される。
昇降かごおよび釣り合いおもりが、駆動ローラおよび/または一つ以上の偏向ローラ上を走行するベルトによって移動させられる昇降設備の場合、ある状況において、ベルトは、それぞれのローラの表面上でやや制御されていない状態で、横断方向に動き回り、すなわち、それぞれのローラの回転軸の方向に動き回り、したがって、ベルトの走行方向、すなわち、ベルトの長さ方向に対して横断方向に移動する、という影響が観察される。この場合、ベルトは、ベルトがかかるローラ表面の部分だけによって安定した状態で案内されるわけではない。ベルトを横断方向により良く案内するため、ベルトの支持面が、それぞれ溝の底によって形成されている溝付きのローラを使用してもよい。この場合、溝の側面はそれぞれ、ベルトの横運動を制限するため、ベルトの側方境界として機能する。しかし、実際上、溝側面によるベルトの側方案内は、新たな問題を伴うことがわかった。ベルトは、実際には、様々な形で溝側面と相互作用し得る。例えば、ベルトは、特に、連続動作中に溝側面と接触するようになる場所で摩耗現象を示し得る。ベルトの変形は、溝側面との接触によって生じ得る。これらの変形は、ベルトの不安定な走行を引き起こす可能性がある。例えば、溝の中を走行しているときに、ベルトが突然に溝側面から外れ、溝から出ることが起こり得る。この種のベルトの挙動は、動作上の安全性が保証されないので、昇降設備では許容できないであろう。
米国特許第3838752号明細書 国際公開第02/074677号パンフレット 欧州特許出願第1096176号明細書 欧州特許第1061172号明細書
上記の問題から進めて、本発明は、負荷を輸送するため移動される牽引手段が、できる限り緩やかなやり方で案内される、負荷を輸送する昇降機を作ることを目的とする。
本発明によれば、この目的は、独立請求項1に記載された特徴の組み合わせによる昇降機と、独立請求項3に記載された特徴の組み合わせによる昇降機とによって実現される。
本発明による昇降機は、負荷と連結された少なくとも一つの可動式牽引手段を含み、牽引手段の少なくとも一部分は、牽引手段を案内するため少なくとも一つのローラと接触させられる。ローラは、コーティングと、回転自在に取り付けられたローラ本体とを含み、ローラ本体は、コーティングのキャリアとしての役割を果たし、牽引手段を、コーティングと接触させることができる。本発明によれば、コーティングは、牽引手段とコーティングとの間の接触の摩擦係数が、牽引手段とキャリアとの間の接触の対応した摩擦係数よりも小さくなるように選択される。
適当なコーティングを用いることにより、牽引手段とローラとの間の接触の摩擦係数を特に小さくすることができる。実際に、コーティングとして適切な材料の選択の際に、考慮すべき制約事項は、コーティングのキャリアの選択の場合よりも少ない。例えば、コーティングのキャリアは、ローラの機械的強度、したがって、牽引手段との接触のためにローラによって許容され得る最大力の大きさを実質的に決定する。それに反して、コーティングは、ローラの機械的剛性に実質的に寄与する必要はなく、第1の例では、牽引手段とコーティングとの間の接触の摩擦係数に関して最適化され得る。したがって、キャリアのための適切な材料から始めて、覆われてないキャリアと比べて摩擦減少効果を保証するキャリアのための適切なコーティングが、通常見つけられる。
摩擦減少効果は、特に、牽引手段がコーティングと接触する場合に、牽引手段が、牽引手段の指向性のある運動に対して横断方向に移動するときに作用するそのような力が、牽引手段とキャリアとの間の接触の場合よりも減少されるという結果を生じ得る。運動の方向に対して横断方向に作用する力が減少するため、牽引手段は、コーティングが存在しない場合よりも緩やかにローラで案内される。この減少の量は、摩擦手段とコーティングとの間の接触の摩擦係数が小さくなるほど大きくなる。
牽引手段とコーティングとの間の接触の摩擦係数は、好ましくは、牽引手段がローラに対して移動する場合に、牽引手段の長手方向の周りで、牽引手段の破損に関する所定の限界値基準を超える牽引手段のねじりモーメントが発生しないように大きさが定められる。この基準は、特に、円形の断面を有するケーブルが、牽引手段として利用される場合に使用可能である。円形の断面を有するケーブルは、その形状のゆえに、ケーブルの長手方向の周りで特に容易に捩れるので、破損する可能性がある。円形の断面を有するケーブルは、通常、機械的に確実な結合を用いてローラで案内されない。円形の断面を有するケーブルが、斜め張力によってローラの表面、例えば、溝で案内される場合、ケーブルは、ケーブルの長手方向に対して横断方向にローラの表面で回転し、すなわち、長手方向の周りで回転運動を実行し得る。通常、昇降設備には、ローラの近傍でケーブルの運動の自由を制限するため、別の装置、例えば、ケーブル固定点またはケーブルの運動を所定の経路に維持する別の案内要素が存在する。ケーブルは、その長手方向に運動する場合、必然的に所定の境界条件を満たす必要があるので、ローラの表面の上記回転運動は、ケーブルの長手方向の周りにケーブルの捻れを生じさせる。ケーブルの捻れは、ケーブルが、ケーブルの長手方向に対して横断方向にローラの表面で回転し得る限り、ケーブルがその長手方向に運動する場合に、斜め張力のもとで、絶えず増加する。ローラが本発明にしたがって被覆され、ケーブルがコーティングと接触させられるならば、この種の捻れは、阻止されるか、または、少なくとも最小値に制限され、この最小値は、ケーブルとローラとの間の接触の摩擦係数が小さくなるほどに低下する。ケーブルとローラとの間の小さい摩擦は、ケーブルの長手方向に対して横断方向の斜め張力を受けて、ケーブルが、回転ではなく、滑る可能性を高める。これは、ケーブルの捻れを制限し、過剰な捻れに起因するケーブルの破損を妨げる。
このようにして、牽引手段がローラ上を斜めに走行し、コーティングと接触させられるとき、牽引手段の長手方向に関して、ねじりモーメントが牽引手段に全く作用しないこと、または、比較的小さいねじりモーメントが牽引手段に作用することが達成される。この構造は、斜め張力に対して高感度を有し、それにより、その長さ方向に大きいねじりモーメントによって負荷を加えることができないケーブルを使用する場合に、特に有利である。
牽引手段とコーティングとの間の接触の摩擦係数は、好ましくは、牽引手段がローラに対して移動する場合に、牽引手段の移動方向に対して横断方向で、牽引手段の破損に関する所定の限界値基準を超える牽引手段の変形が発生しないよう、小さくなるように定められる。摩擦手段とコーティングとの間の接触の摩擦係数を小さくすることは、ローラと牽引手段との間に接触がある場合に、特に小さい力が、牽引手段の運動方向に対して横断方向で牽引手段に作用し得るための必須条件を与える。牽引手段の運動方向に対して横断方向の牽引手段の変形は、その結果として制限される。これは、特に、ローラが、牽引手段を側方で案内するための溝を有するならば、牽引手段に緩やかな影響を与える。この場合に、牽引手段の運動方向に対して横断方向に作用する力が、本発明による適切なコーティングによって低減されるならば、溝の側面と牽引手段との間の接触で上昇する加圧力も低減される。溝の側面と牽引手段との間の相互作用に起因する摩耗現象は、その結果として軽減されるか、または、回避されることもある。溝の側面と牽引手段との間の機械的相互作用は、溝の側面に、摩擦減少コーティングが施されているならば、それ自体で軽減され得る。この基準は、特に、ベルトまたはツインケーブルが牽引手段として利用される場合にも、使用可能である。
ベルトまたはツインケーブルは、通常、円形の断面を備えていないので、ローラ周りの回転中に、例えば、溝の底における溝の形状が、ベルトまたはツインケーブルの断面の形状に適合しているとき、ローラの表面に形成された溝に機械的に確実な結合で案内され得る。牽引手段、例えば、ベルトまたはツインケーブルが斜め張力を受けてローラの表面で溝に機械的に確実な結合で案内されるならば、牽引手段は、無制限に牽引手段の長手方向に対して横断方向にローラの表面で回転し得ない。この前提条件のもとで、斜め張力を受ける牽引手段は、捻れによって加えられる負荷が減少する。それどころか、斜め張力を受ける牽引手段は、牽引手段の長手方向に対して横断方向に溝の側面を滑るように拘束される。その場合、牽引手段は変形され得る。溝の側面と接触させられる牽引手段の領域は、特に、機械的に負荷を加えられ、一定の場合に摩耗する。本発明による溝側面の摩擦減少コーティングは、この種の負荷を加えることを実現し、牽引手段の摩耗を減少または防止する。
上記の概念は、牽引手段用の偏向ローラの場合、特に有利に解釈できる。偏向ローラの場合、ローラと牽引手段との間で大きい牽引力を伝達する必要がない。牽引手段とローラとの間の接触の摩擦係数は、したがって、できる限り小さくなるように選択可能である。本発明による装置の一実施形態は、これに応じて、牽引手段用の一つ以上の偏向ローラを含み、偏向ローラは、動作中に牽引手段が接触している、または、接触させられ得るローラの全領域に本発明によるコーティングを具備する。このような偏向ローラは、特に緩やかな牽引手段の案内を実現する。これは、ケーブルだけではなく、ベルトにも当てはまる。これは、特に、ローラ表面で溝に案内される牽引手段に当てはまる。その上、コーティングは、牽引手段の側方案内を安定化する。例えば、牽引手段が溝の外へ逸れることは回避される。これは、特に、ローラの表面で溝内を走行するベルトの案内に関係する。
本発明によれば、原則として、牽引手段が、動作中にローラと接触させられるローラの全領域に摩擦減少コーティングを配置しなくてもよい。それぞれの用途に応じて、ローラ本体の一部分の領域だけを、本発明による摩擦減少コーティングで覆う方が有利になり得る。瞬間的な構成に応じて、牽引手段は、一定の場合に、コーティングまたはローラ本体と接触させられ得る。或いは、牽引手段のある部分(または複数の部分)を、ローラ本体と接触させ、別の部分(または複数の別の部分)をコーティングと接触させることも可能である。このようにして、牽引手段とローラの相対的な配置に応じて、牽引手段とローラとの間の摩擦を選択的に変えることが可能である。
牽引手段の案内用の溝を有するローラの場合、本発明による摩擦減少コーティングは、例えば、ローラ本体に形成された溝の側面だけに配置可能である。この場合、牽引手段とローラとの間の接触の摩擦係数は、牽引手段が、溝の底でローラ本体だけと接触させられた場合に最大限である。逆に、牽引手段とローラとの間の接触の摩擦係数は、少なくとも牽引手段の一部分が、ローラ本体と接触しているのではなく、溝側面で摩擦減少コーティングと接触させられた場合に減少する。この「選択的コーティング」の概念は、特に、駆動ローラの構造に関して有利に使用可能である。これに基づいて、一方で大きい牽引力を牽引手段へ伝達可能であるが、他方で、牽引手段がローラ上を斜めに走行するとき、ねじりモーメントを牽引手段へ伝達しないか、または、小さいねじりモーメントだけを牽引手段へ伝達する駆動ローラを構成することが可能である。この概念は、牽引手段の長手方向周りの捻れに対して高い感度を有する牽引手段と共に、特に有利に使用可能である。
本発明によるコーティングは様々な方法で実現可能である。一方で適当なキャリアに塗布可能であり、さらに、牽引手段とコーティングとの間の摩擦係数を、牽引手段とキャリアとの間の対応した摩擦係数よりも確実に小さくするコーティングは、例えば、潤滑剤を含む。潤滑剤としては、例えば、種々の乾式潤滑剤、若しくは、種々の湿式潤滑剤、または、これらの潤滑剤の混合物も使用可能である。これらの潤滑剤は、適当な結合剤に組み込んでもよい。後者の場合、潤滑剤および結合剤は、結合剤がコーティングの十分な安定性を保証するように目標とされた方法で選択可能であるのに対し、潤滑剤は、コーティングと牽引手段との間の接触の摩擦係数が特に小さくなるように選択可能である。
本発明は、例えば、ポリウレタンまたはゴムのようなエラストマーのシージングを有する、耐荷重要素を具備した牽引手段の場合に著しく有利である。この種のシージングは、一方で、例えば、ポリウレタンの場合には押出によって、或いは、ゴムの場合には硬化によって経済的に生産可能である。この種のシージングを含む牽引手段は、しかし、昇降機用の牽引手段の従来のローラを製作するための材料、例えば、鋼、鋳鉄、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたは「テフロン(登録商標)」)などとの接触に対して非常に大きい摩擦係数を有する。ポリウレタンまたはゴムのケーシングを備えた牽引手段は、例えば、鋼、鋳鉄、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたは「テフロン(登録商標)」)のローラとの接触に対して、0.4から0.9の範囲の摩擦係数を有する。ローラが、本発明によるコーティングを施されているならば、対応した摩擦係数は、0.2未満に減少させることができる。これは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたは「テフロン(登録商標)」)に基づくコーティングを用いて実現される。この種の摩擦係数の減少は、斜め張力が牽引手段に与える影響を著しく軽減する。これは、特に斜め張力の影響を受けやすく、斜め張力を受けて特に容易に破損し得る牽引手段の場合に、例えば、アラミドのような合成繊維から作られた耐荷重要素を含む牽引手段の場合に、特に有効である。
本発明のさらなる詳細、および、本発明の実施形態の特に有利な例は、概略図に基づいて以下で説明される。
図1は、負荷に連結された少なくとも一つの可動式牽引手段を用いて、少なくとも一つの負荷を輸送する装置の一例として、昇降機1を示す。昇降機1は、牽引手段7によって輸送可能な二つの負荷、すなわち、昇降かご3および釣り合いおもり5を含む。牽引手段7の両端7’、7’’は、天井構造物2に固定される。牽引手段7は、回転自在に取り付けられた駆動ローラ20で案内され、この駆動ローラは、駆動ローラ20用の駆動装置(図示せず)と共に、天井構造物2に設置される。本例の場合、牽引手段7のそれぞれの長さ部分は、駆動ローラ20と、牽引手段7の両端7’および7’’のそれぞれとの間に画定され、二つの長さ部分の一方は、昇降かご3と連結され、これらの長さ部分のもう一方は、釣り合いおもり5と連結される。その場合、昇降かご3は、いわゆる2:1の吊り下げを構成するため、昇降かご3に回転自在に配置された二つの偏向ローラ11を用いて牽引手段7と連結され、これに対して、釣り合いおもり5は、同様に2:1の吊り下げを構成するため、釣り合いおもり5に回転自在に配置された偏向ローラ11と連結される。牽引手段7は、牽引手段の異なる部分のそれぞれが、駆動ローラ20の一部および偏向ローラ11のそれぞれの一部の周りに巻き付くように、駆動ローラ20および偏向ローラ11と接触させられる。駆動ローラ20が、その回転軸の周りに回転させられる限り、牽引力は牽引手段7へ伝達可能であり、牽引手段7は、駆動ローラ7の両側に形成された牽引手段7の長さ部分の長さが変更可能であるように、長手方向に移動可能である。昇降かご3および釣り合いおもり5は、偏向ローラ11を用いて牽引手段7に吊り下げられるので、駆動ローラ20の回転は、昇降かご3および釣り合いおもり7が、それぞれの駆動ローラ11の回転方向に応じて、図1に両矢印で示されているように上方と下方に、反対方向へ移動される作用を生じる。
牽引手段7は、移動中に駆動ローラ20および偏向ローラ11によって案内される。牽引手段7は、例えば、ケーブルまたはベルトとして実現される。或いは、昇降かご3および釣り合いおもり5は、駆動ローラ20および偏向ローラ11を越えてそれぞれ案内される複数の牽引手段7で吊り下げてもよい。
駆動ローラ20付近における牽引手段7の進路は、図2Aおよび図2Bに詳細に例示されている。この場合に、図2Aは、図1の矢印2Aの方向、すなわち、水平方向の図を示し、一方、図2Bは、図2Aにおける矢印2Bの方向、すなわち、垂直方向で下から上の図を示す。牽引手段7は、円形断面を有するケーブルとして構成され、駆動ローラ20はその表面に溝21を有する場合を想定する。溝は、駆動ローラ20の回転軸25に対して垂直向きに並べられた平面27に関して対称に配置される。溝21の底の位置は、平面27と駆動ローラ20との間の切断線によって定められる。
図2Aおよび図2Bは、軸25の周りで回転状態の駆動ローラを示している。矢印26は、駆動ローラ20の、図面の表側の、それぞれの面の移動方向を示している。さらに、牽引手段7は溝21によって案内される場合を想定する。駆動ローラ20の回転によって、牽引手段7は、その長手方向に、すなわち、矢印31の方向に動かされ、溝21によって駆動ローラ20の表面に沿って案内される。その上、牽引手段7は、昇降かご3および釣り合いおもり5における偏向ローラ11に対する駆動ローラ20または溝21の相対的な配置が原因となって、平面27に対して正確に平行には案内されない場合が想定される。この前提条件で、牽引手段7に作用する張力による影響を受ける牽引手段7は、平面27に対して斜めに走る曲線に沿って駆動ローラ20と接触している。換言すると、この構成では、牽引手段7は斜め張力を受けて配置される。図2Aおよび図2Bに示された状況において、牽引手段7は、溝の底で、すなわち溝の境界側面間の中心で、牽引手段の経路の最高点を通り、そこで、平面27と交差する(図2Aを参照のこと)。図2Aおよび図2Bからさらに推測できるように、天井構造物2へ向かう方向(上向き)に走行する牽引手段7の一部分は、駆動ローラ20の表面上の溝21のエッジ21’に衝突し、矢印34で示されるように、溝21の一方の側面で平面27に接近する。天井構造物2から遠ざかる向き(下向き)に走行する牽引手段7の部分は、平面27から離れ、矢印35によって示されるように溝21の別のエッジ21’’で溝のもう一方の側面に接近する。
図2Aおよび図2Bに示された駆動ローラの周りで回転する場合に、牽引手段7は、駆動ローラ20の周りを走行する間に、その長さ方向に移動するだけではなく、牽引手段7の案内が原因となって、回転軸25の方向に、すなわち、牽引手段7の長さ方向に対して横断方向に必ず移動するので、牽引手段7はある種の状況で変形され得る。牽引手段7があるケースで変形するかどうか、もしくは、変形する程度は、牽引手段7自体の具体的な特性、例えば、牽引手段7の形状および弾性特徴の他に、特に、牽引手段7と、牽引手段7が接触している表面との間の摩擦に応じる。例えば、この摩擦が小さいならば、牽引手段7は、回転軸25周りの方向への移動中に、牽引手段7がその長さに対して横断方向に著しく変形されることなく、滑る可能性がある。この摩擦が非常に大きい場合、牽引手段7は、一部分に沿って、駆動ローラ20の表面に付着し、牽引手段の長さに対して横断方向の変形のために現れる斜め張力に対処することが可能である。この変形は、通常、牽引手段7における過剰な弾性応力が、駆動ローラ20の表面に対する牽引手段7の一部分の運動によって、例えば、対応した一部分の滑り運動によって、または、それぞれの長手方向に関するこれらの部分の回転運動によって、低減され得るという点で制限される。
図2Aおよび図2Bによる例では、牽引手段7と駆動ローラ20との間の接触の摩擦係数は、牽引手段7が、回転軸25の方向、または、矢印34および35の方向に抵抗無しに滑ることができないような大きさであると仮定される。この仮定は、大きい牽引力が、駆動ローラ20によって、昇降機1内でのその機能と対応して、牽引手段7へ伝達されなければならないという要件と両立し得る。この場合、矢印34および35の長手方向に沿った牽引手段7の運動は、牽引手段7と駆動ローラ20との間の接触の摩擦係数のそれぞれの大きさに応じて、回転運動、または回転運動と滑り運動の重ね合わせと関連付けられる。回転運動は、本例では、摩擦手段7の断面の円形状によって促進される。さらに、回転運動は、牽引手段7が、機械的に確実な結合を用いることなく、溝21の底で案内されるという事実によって促進される。回転運動に起因して、牽引手段7は、その長手方向に関して回転させられる。この回転の方向は、図2Aに矢印32によって示されている。
この例では、駆動ローラ20の回転中に駆動ローラ20で生じた牽引手段7の回転は、牽引手段7の全長に亘って均一に広がることはない。牽引手段7は、特に、全長に亘って自由に回転できない。なぜならば、牽引手段7のその長手軸周りの回転は、牽引手段7を天井構造物2に固定しているため、または、牽引端7と偏向ローラ11との間の摩擦のために偏向ローラ11に固定しているので、数カ所で、例えば、牽引手段7の端7’、7’’で、制限または阻止されるからである。その結果として、駆動ローラ20の回転は、牽引手段の長手方向に関して牽引手段7に捩れを生じさせる。
図2Aおよび図2Bに示された状況の例では、矢印23の向きにおける牽引手段7の回転は、図2Aおよび図2Bのそれぞれにおいて矢印で向きが示されている、ねじりモーメントTによって特徴付けられる。
図2Aおよび図2Bの例において、牽引手段7での斜め張力の影響は、一例として、駆動ローラ20に基づいて示されている。図示された技術的な相互関係は、同様のやり方で、偏向ローラ11における牽引手段7の運動に変換可能であることに注意すべきである。さらに、溝21の存在は、捩れ32の発生のための本質的な必須条件ではないことに注意すべきである。牽引手段7の捩れの発生のための十分条件は、斜め張力の存在である。一般的に、牽引手段7は、牽引手段7が昇降機1内で案内されるとき、斜め張力を受け、ローラ11および20と接触して長手方向に移動中の牽引手段は、ローラ11の回転軸とローラ20の回転軸の一方の方向に沿って少なくとも一部分で動かされるようになる。
牽引手段7のローラ11および20との相互作用に起因した牽引手段7の捩れは、以下の複数の要因a)からc)に定量的に応じる。すなわち、
a)牽引手段7とローラ11および22との接触のそれぞれの摩擦係数、
b)牽引手段7のねじり剛性、
c)例えば、ローラの表面に沿った、牽引手段7の長手方向におけるそれぞれのローラの回転軸間の角度によって特徴付けられる、各個のローラにおける斜め張力の「程度」(牽引手段7がローラと接触させられる全ての点で、この角度が90°に一致するならば、斜め張力は存在せず、すなわち、牽引手段7は、ローラの回転軸に垂直な平面内でローラの表面を移動し、この角度が、ローラの表面における牽引手段7の選択された長さ部分で90°から外れる量が大きくなると共に、より強い斜め張力が加えられる。)。
上記の要因b)は、(例えば、材料、構造、機械的特徴および熱特徴などの選択に関して)牽引手段自体へ向けられた必要条件によってしばしば設定される。上記の要因c)は、昇降機1の設計に関係したパラメータによって(例えば、牽引手段7の案内のために作用する昇降機の部品の物理的配置によって、および、これらの部品が製作および/または取り付けられる精度によって)しばしばに設定される。
本発明は、上記の要因a)に関係し、本発明によれば、牽引手段を案内するために牽引手段が接触させられるローラは、摩擦減少コーティングを設けることができる。図1、図2A、および図2Bによる例に適用することにより、本発明は、牽引手段7のローラ11および20との接触の摩擦係数を減少させることが可能である。これにより、斜め張力によって生じるねじりモーメントを減少または最小化することが可能である。最良の例では、牽引手段の捩れは回避することができる。
図3および図4には、本発明によるコーティングを有するローラの例が、どちらの場合も、それぞれのローラの表面で案内される牽引手段50と共に示されている。図示されたローラは、それぞれ、ローラ11および20の代わりとして、昇降機1で使用するために適している。
本例における牽引手段50は、円形断面を有するケーブルである。牽引手段は、一体的に捩れ、ケーシング52の形をしたシージングによって取り囲まれた、複数の耐荷重要素51を含む。耐荷重要素51は、様々な方法で実現され得る。耐荷重要素51は、例えば、天然繊維、および/または合成材料製繊維、例えば、アラミド製繊維、および/または少なくとも1本の金属ワイヤを含み得る。ケーシング52は、例えば、ポリウレタン、または、天然ゴムもしくは合成ゴム(EPR)、またはシリコーンゴムのようなエラストマーから形成され得る。しかし、ここに示されている牽引手段50の構造は、本発明の実施のための限定を表すものではないことに注意する必要がある。牽引手段50は、その他の種類のケーブルまたはベルトによって置き換えても構わない。
図3は、ローラ40の回転軸(図示せず)に沿ったローラ40の長手方向断面を、牽引手段50を通る断面と共に示す図である。ローラ40は、コーティング42のためのキャリアとしての機能を果たすローラ本体41を含む。コーティング42は、ローラ40の表面を形成する。溝43は、ローラ40の表面に形成される。溝43は、ローラ40の回転軸と垂直に配置された平面に沿って広がり、溝の底44で丸みが付いた断面を有する。本例では、コーティング42は、溝43の領域内でローラ本体41の閉じた被膜を形成し、すなわち、ローラ40の表面は、溝43の底44だけでなく、溝43の側面においてもコーティング42によって形成される。図3において、牽引手段50は、溝43によって案内される。本例では、溝43内の牽引手段50は、コーティング42だけと接触させることができる。ローラ本体41との接触は起こりえない。
図4は、ローラ60の回転軸(図示せず)に沿ったローラ60の長手方向断面を、牽引手段50を通る断面と共に示す図である。ローラ60は、コーティング62のためのキャリアとしての機能を果たすローラ本体61を含む。溝65は、ローラ60の表面に形成される。溝65は、ローラ60の回転軸と垂直に配置された平面に沿って広がり、溝の底66で丸みが付いた断面を有する。コーティング62は、溝65の側面67でローラ60の表面を形成する。ローラ60の表面は、溝の底66において、ローラ本体61によって形成される。図4では、牽引手段50は、溝65によって案内される。本例では、牽引手段50は、底66でローラ本体62と接触させ、側面67でコーティング62と接触させることができる。
ローラ本体41および61は、例えば、鋼、鋳鉄、ポリアミド、テフロン(登録商標)、アルミニウム、マグネシウム、非鉄金属類、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作られることができる。これらの材料は、それらの強度の点で、昇降設備または負荷輸送用のその他の装置で使用するため設けられるローラ用の材料として適切である。
コーティング42またはコーティング62は、本発明によれば、牽引手段50とコーティング42またはコーティング62との間の接触の摩擦係数が、牽引手段50とローラ本体51またはローラ本体61との間の対応した接触の摩擦係数よりも小さいという基準を満たす。
上記基準は種々の方法で満たされる。コーティング42またはコーティング62は、適当な潤滑剤から形成可能であり、この潤滑剤を成分として含有し得る。本例では、多様な乾式潤滑剤、湿式潤滑剤、またはこれらの潤滑剤の混合物が、潤滑剤として適している。コーティング42および62は、例えば、滑石、グラファイト粉末、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、鉛(Pb)、金(Au)、銀(Ag)、三酸化ホウ素(BO)、酸化鉛(PbO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)、三酸化モリブデン(MoO)、二酸化チタン(TiO)、またはこれらの物質の混合物のような乾式潤滑剤から形成可能である。これらの材料は、知られている方法、例えば、スパッタリング、蒸着、機械プレス法、または化学的方法によって、ローラ本体41および61のそれぞれに付けることが可能である。
コーティング42および62は、例えば、動物、植物、石油化学および/または合成油またはグリース、グリセロール、ポリブテン、ポリマエステル類、ポリオレフィン類、ポリグリコール類、シリコーン、石けん、天然ワックスまたは合成ワックス、例えば、有機ポリマのような有機若しくは無機増粘剤の添加された樹脂および/またはタール類、ポリカルバミド、金属石けん類、珪酸塩類、金属酸化物類、珪酸、有機親和性ベントナイト類、またはこれらの物質の混合物のような湿式潤滑剤から形成することも可能である。また、粒子の形の乾式潤滑剤、および/または湿式潤滑剤を硬化結合剤と混合し、このような混合物からコーティング42および62を形成することが可能である。後者の場合、コーティングの耐久性は、それぞれの結合剤を適切に選定することによって最適化可能であり、一方、希望の摩擦減少作用は、それぞれの潤滑剤の適切な選定によって選択的な形で生じさせることができる。様々な知られている物質、例えば、合成樹脂、アクリル、ポリエステル、ビニルエステル、ポリウレタン、エポキシドなどに基づくラッカーが結合剤として適切である。
牽引手段50は、ポリウレタンまたはゴムのケーシングを備え、鋼、鋳鉄、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEすなわちテフロン(登録商標))のような通常の材料製のローラ本体との接触に関して、0.4から0.9の範囲に入る摩擦係数を有する。ローラの表面に本発明によるコーティングが設けられているならば、牽引手段50とローラとの間の接触に関する対応した摩擦係数は、0.2未満に減少させることが可能である。例えば、摩擦係数の0.19までの減少は、ポリテトラフルオロエチレン粒子に基づく乾式潤滑剤と、適切な結合剤とを含み、例えば、0.01ミリメートルから1ミリメートルの範囲に収まる膜厚を有するコーティングによって実現される。これは、それ自体がポリテトラフルオロエチレンから製作されたローラ本体にも当てはまる。摩擦係数の減少の程度は、例えば、粒子の製造のモードおよび方法によって影響される、ポリテトラフルオロエチレン粒子の材料パラメータ(粒子のサイズ、ポリマ鎖の長さなど)に基づいて変化する。
ローラ40(図3)の場合、コーティング42は、溝43内の牽引手段をローラ50と接触させることができる全ての場所で、牽引手段50と被覆されていないローラ本体51との対応した接触よりも、牽引手段50とローラ40との間の接触に対する摩擦係数を減少させる。コーティング42は、牽引手段50が溝43内で溝43の横断方向に滑る能力を高める。これにより、斜め張力の場合に、牽引手段が、滑り運動をするのではなく、溝43の側面の溝43の中に沿って回転する危険性は低減される。したがって、牽引手段50が、ローラ40に斜め張力が存在する場合に捩れによって変形する危険性も低減される。牽引手段50の捩れもまた、牽引手段50とローラ40との間の摩擦係数が非常に小さいという前提条件のもとで回避されることができる。しかし、コーティング42は、牽引手段50が溝43の中を案内されるとき、牽引手段50とローラ40との間の牽引力も減少させる。ローラ40は、したがって、好ましくは、偏向ローラとして使用可能である。
ローラ60の場合、溝65内の牽引手段50とローラ60との間の接触に対する摩擦係数は、溝65の横断方向で変化する。摩擦係数は、牽引手段50が、溝65の底66でローラ本体61と接触させられたときに最大値をとる。コーティング62は、牽引手段50が溝65内で溝65の横断方向に滑る能力を高める。斜め張力がある場合に、牽引手段が、溝65の側面67で溝65の中を滑るのではなく回転する危険性は、これにより低減される。したがって、牽引手段50が、ローラ60の斜め張力が存在する場合に捩れによって変形する危険性も低減される。牽引手段50の捩れは、例えば、牽引手段50とローラ60との間の接触の摩擦係数の大きさが非常に小さく、牽引手段50が側面67だけで滑るならば、回避される。牽引手段50とローラ60との間の接触の摩擦係数は、牽引手段50が溝65の底66に沿って案内されるとき、牽引手段50とローラ本体61との間の接触の摩擦係数と一致するので、ローラ60によって、ローラ60と牽引手段50との間の大きい牽引力を伝達することが可能である。ローラ60は、したがって、偏向ローラとしてのみならず、駆動ローラとしても使用可能である。
図5から図7には、ベルトの形をした牽引手段の案内のため特別に構成されているので、それぞれがベルトの外形に適合した形状を有する、種々のローラ70、85、および95が示されている。ローラは、それぞれに本発明によるコーティングを有する。以下では、コーティングと接触し、対応したローラの表面で案内される、種々のベルトに対するこれらのコーティングの作用を説明する。
図5から図7は、それぞれ断面図によって、ローラ70、85、および95のうちの一つの周りを動くベルト80および105を示す。ローラ70、85、および95のそれぞれは、この例では、ローラの回転軸(各例で図示されていない)に沿った長手方向断面図で示されている。各例において、対応したローラおよびベルトは、上記のベルトを用いて負荷を輸送する本発明による装置の部品であることが仮定されているが、この装置の残りの部品は図示されていない。
ベルト80および105は、それぞれ、実質的に断面形状によって牽引手段50と異なり、牽引手段50と対比して、ベルト80および105は矩形状断面を有する。ベルト80および105は、それぞれ、幅の広い辺が対応したローラの上に置かれるように案内される。
ベルト80は、その長手方向に延びる複数の耐荷重要素81と、耐荷重要素81を取り囲むケーシング82とを含む。ベルト105は同様の構造を有し、その長手方向に延びる複数の耐荷重要素106と、耐荷重要素106を囲むケーシング107とを含む。材料に関して、ベルト80および105は、牽引手段50と比べて特別な特徴を備えていないので、耐荷重要素51について示された検討事項は、耐荷重要素81および106にも該当し、このためケーシング52について規定された仕様は、ケーシング82および107に使用可能である。
ローラ70、85、および95は、それぞれ、その表面にベルト80および105の一方を案内するための溝75、90、または100を有する。溝75、90、および100は、実質的に(それぞれのローラの回転軸方向の平面断面における)形状と、本発明によるコーティング72、87、および97の異なる構成との点で相違する。
図5によれば、ローラ70は、ローラ本体71とコーティング72を含む。ローラ70の表面に形成された溝75は、底76を有し、この底76は、ローラ70の回転軸の向きに曲率をもたないので、図5では直線によって表されている。溝75は、ローラ70の回転軸に対して垂直に形成された側面77および78を有する。コーティング70は、溝75の底76だけでローラ本体71を被覆する。ベルト80は、その幅の広い方の一辺が、溝の底76の上に置かれるように溝75を案内される。ベルト80は、したがって、側面77および78で、ローラ本体71とではなく、コーティング72だけと接触させることができる。
図6によれば、ローラ85は、ローラ本体86とコーティング87を含む。ローラ85の表面に形成された溝90は底91を有し、この底91は、ローラ85の回転軸の向きに曲率をもたないので、図6では直線によって表されている。溝90は側面92および93を有し、それらは、円錐台の形をなし、図6では、ローラ85の回転軸に対して垂直に向けられた平面に対して傾斜角αを有する線によって示されている。コーティング87は、溝90の底91と側面92および93でローラ本体86を被覆する。ベルト80は、その幅の広い方の一辺が溝の底91の上に置かれるように溝90を案内される。ベルト80は、したがって、溝90の底91と側面92および93で、コーティング87だけと接触させられるが、ローラ本体86とは接触させられない。
図7によれば、ローラ95は、ローラ本体96とコーティング97を含む。ローラ95の表面に形成された溝100は底101を有し、この底101は、ローラ95の回転軸に沿った平面における断面で考察され、凸曲線によって表されている。このような底101は、ローラ95の回転軸の方向に湾曲しているので、ローラ95の回転軸に対して垂直方向のローラ95の断面は、底101の領域内に長さの異なる円周線を有する。溝100の範囲内で円周線が最長になる断面の位置は、図7において線102によってマークされている。溝100は、側面103および104を有し、それらは、円錐台の形をなし、図7ではローラ95の回転軸に対して垂直に向けられた平面に対して傾斜角βを有する線によって示されている。コーティング97は、溝100の底101と側面103および104でローラ本体96を被覆し、さらに溝100の外側を被覆する。ベルト105は、その幅の広い方の一辺が溝の底101の上に置かれるように溝100を案内される。ベルト105は、したがって、溝100の底101と側面103および104で、かつ、溝100の直ぐ近傍でコーティング97だけと接触させられるが、ローラ本体96とは接触させられない。
ローラ71、86、および96を製作するための材料に関して、ローラ本体41および61に関して指摘された検討事項を当てはめることができる。コーティング72、87、および97の材料に関して、コーティング42および62について示された仕様を、同じような態様で使用可能である。
溝75および80の(ローラ75および85の回転軸の方向に測定された)幅は、何れの場合もベルト80の幅よりも広くなるように選択される。これに対応して、溝100の(ローラ95の回転軸の方向に測定された)幅は、ベルト105の幅よりも広くなるように選択される。
ベルト80および105は、いつでも、対応したベルトよりも幅の広い溝内で案内されるので、対応した溝に対して横断方向の運動の自由が、溝75および90内のベルト80と、溝100内のベルト105とに対して与えられる。この運動の自由は複数の理由から望ましい。一方で、このように、特に、ローラの位置決め精度に関してある(希望の)許容度が、ローラの取り付け中に保証され、これは取り付けを簡単化する。さらに、ベルト80および105は、一般的にベルトに関して通例とおり、使用される材料の特性およびベルトの製造方法の特徴の結果として均一ではなく、ベルトの機械特性は、通常、ベルトの長手方向だけではなく、横断方向でもある程度の許容度の範囲内で変化することが考慮されるべきである。このような不均一性の結果として、ベルトの長手方向の張力のもとでローラの周りを動くときの各ベルトは、ローラの表面上のベルトの横断方向の運動を行う傾向がある。これらの横断方向の運動は、張力の作用下で、ローラの周りを動くベルトに生じる弾性応力の補償に寄与する。ローラの表面でのベルトの横断方向の運動は、この例では、ベルトの長手方向に対して横断方向に作用する横断方向の力Fと関連して設定されるべきであり、ベルトの瞬間的な弾性応力に従って変化し得る。ベルトが、溝の二つの側面でそれぞれベルトの狭い方の辺と接触して溝によって案内される場合、一方で、ベルトの横断方向の運動は抑制されるが、他方で、ベルトは横断方向の力Fの作用下で溝の側面と相互作用するであろう。この相互作用は、ベルトの磨耗を促進する。その上、ベルトは、横断方向の力Fの作用下で溝の側面に押し付けられるとき、横断方向に弾性変形し得る。ある種の状況において、ベルトは、弾性応力を補償するため、横断方向の力Fの作用下で、溝の側面を越えて移動する可能性がある。これは、装置の動作の場合、予期できない動作の中断を引き起こす可能性がある。
ベルトの摩耗を最小限に抑えるため、溝75および90または溝100の側面の間隔が、ベルト80またはベルト105の幅よりも広くなるように選択することが結果的に望ましい。ベルトは、対応したローラの周りを動いている間に、特定の許容度の範囲内でベルトの横断方向の運動を実行し得るので、ベルトの狭い方の辺は、溝の側面の一方と常に接触することはない。その上、ベルトのその横断方向の運動は、通常、横断方向の力Fの減少と関連している。このように、ベルトの摩耗が軽減される。
ベルト80および105は、溝72、90、および100内で横断方向の運動を実行し得るので、ローラ70、85、および90の周りを動いている間のベルトは、斜め張力のもとで置かれる場所をとることが可能である。 本発明は、ローラ70、85、または96のうちの一つの周りを動く間に、ベルト80または105のうちの一つに作用する横断方向の力Fを最小限に抑え、その結果、ベルト80および105を、特に、緩やかにかつ安全に案内する可能性を利用できるようにする。ローラのうちの一つの周りを動くときに、ベルトのうちの一つに作用する横断方向の力Fは、ベルトと対応したローラとの間の摩擦が大きくなるほど、大きくなることがわかった。この摩擦は、対応したローラの表面に対して垂直方向でベルトに作用する対応した垂直方向の力Fと、ベルトと対応したローラとの間の接触の摩擦係数とに比例する。
図5から図7の例において、ベルト80とローラ70および85との間、ならびに、ベルト105とローラ95との間の垂直方向の力Fは、常に、ベルトに作用する対応した牽引力と、ベルトとローラの物理的な配置とによって予め決定される。本発明によれば、ベルト80および105に作用するそれぞれの横断方向の力Fは、ベルト80および105とコーティング72、87、および97のうちの一つとの間の接触の摩擦係数が、ベルト80および105とローラ本体71、86、および96との間の対応した接触の摩擦係数よりも小さいということにより、最小限に抑えられる。ローラ70および85の周りを動くベルト80は、常にコーティング76および87と接触させられるので、溝75および80内でベルト80に作用する横断方向の力Fは、ローラ70および85がコーティング76および87を具備しない場合よりも根本的に減少する。ローラ95の周りを動くときにベルト105は、常にコーティング97と接触させられるので、溝100内でベルト105に作用する横断方向の力Fは、コーティング97を具備しないローラ95の場合よりも根本的に減少する。
溝75、90、100は、それらの形状の点と、本発明によるコーティング72、87、および97のそれぞれの配置の点で異なる。溝75、90、および100は、したがって、ベルト80または105の案内に与える影響が異なる。
以下、(説明のため)図5から図7に示された状況におけるコーティング72、87、および97は、これらのコーティングと対応したベルトとの間の接触に対して同一の摩擦係数を保証することを仮定する。この仮定によれば、これらの摩擦係数は、ベルト80とローラ71および86のうちの一方との間の接触の摩擦係数よりも小さく、ベルト105とローラ本体96との間の接触の摩擦係数よりも小さい。
図5および図6に示された状況において、コーティング72および87は、それぞれ、横断方向の力Fを確実に最小化する。底76と底91は、それぞれ、同じ形状を有するので、ベルト80の案内に関して同じ効果を有する。溝90の構成は、溝75と比べると、コーティング87が溝90の側面92および93に配置され、一方、溝75の側面77および78が、本発明によるコーティングを具備しない点で有利である。このようにして、ベルト80は、側面92において側面77よりも小さい摩擦にさらされるので、ベルト80の狭い方の辺は、ローラ85においてローラ70よりも少ない量の摩耗の影響を受ける。
側面92および93は、ローラ85の回転軸に対して垂直に配置された平面に対して角度αだけ傾斜していることは、ベルト80が斜め張力のもとに置かれ、一方の側面と接触する場合に、特に有利である。側面の傾斜のため、ベルト80の狭い方の辺は、斜め張力の作用下で、α=0の場合よりも軽く、溝90に隣接したローラ85の領域と接触する。このように側面の傾斜は、ベルト80が斜め張力のもとで溝90から出る危険性を低減する。したがって、ベルトはより確実に、かつ、安全に案内される。
図7の場合の条件は、主として、溝100の底101が、ローラ95の回転軸の方向で凸面になっている点で、図6による状況とは異なる。ベルト105は、その長手方向の張力のもとで、この底105の曲率に倣い、これにより、ローラ95の周りを動くときに横断方向へ弾性変形する。この変形に起因して、ベルトは、ベルト90が平面102に関して対称的に位置する場所を優先的に占める傾向がある。横断方向の力Fは、その結果として、減少し、ベルト105は、特に安定した状態で案内される。側面103および104は、角度βで傾斜しているので、ローラ95は、斜め張力のもとで配置されたベルトの案内に関して、ローラ85と同じ利点がある。さらに、この角度βは、ベルト105が、ローラ95の周りを動くときにこれらの側面の一方と接触すべき場合に、ベルト105の狭い方の辺が、それぞれ側面103および104と平行に向けられるように選択される。これにより、ベルト95は、その辺が側面103および104と接触するとき、特に小さい力によってその辺に負荷がかけられる。ローラ95の場合、コーティング97の摩擦減少作用と、側面103および104の傾斜(0よりも大きいβ)と、溝100の底101の湾曲は、このように、ベルト105の特に緩やかな案内のための基礎となる。
ローラ70、85、および95は、摩擦減少コーティングが設けられているので、ローラに沿って案内されるベルトの牽引も減少する。ローラ70、85、および95は、従って、好ましくは、偏向ローラとして使用可能である。
上記の検討事項は、支持手段としてツインケーブルを備えた昇降機に同様に移すことができる。EP1061172から、一例として、平行に並べられ、回転方向の逆向きにねじられた2本の合成繊維ケーブルから製作されたツインケーブルが知られている。この2本の合成繊維ケーブルは、ねじれからの保護をする共通ケーブルケーシングによって、互いに一定間隔で固定される。ケーブルケーシングのそれぞれの形態に応じて、ツインケーブルの断面は、例えば、ダンベル形状にしてもよい。ケーブルケーシングは、2本の合成繊維ケーブルの間の領域に平坦な表面を形成することも可能である。このようにして成形されたツインケーブルは、機械的に確実な方法で、例えば、ケーブルケーシングの断面表面の外部形状に適合した溝において、ローラの表面で案内されることができる。ダンベル形状の断面表面を備えたツインケーブルは、例えば、2重溝において、機械的に確実な方法で案内してもよい(EP1096176によって知られている)。斜め張力が存在する場合に、ツインケーブルの緩やかな案内を実現するため、ローラは、溝の領域に、本発明による摩擦減少コーティングを設けてもよい。このコーティングは、例えば、溝の側面に配置できる。
図1から図7に示された例では、ローラが対応した牽引手段の案内のために限定的に使用されている。したがって、他の本体、例えば、牽引手段用の滑り面を備えた滑り要素が、牽引手段の案内用に使用可能であり、また、これらの本体が、本発明による摩擦減少コーティングを具備し得ることに注意すべきである。
可動式牽引手段を用いて昇降かごおよび釣り合いおもりを輸送する昇降機を、牽引手段用の駆動ローラおよび複数の偏向ローラと共に示す図である。 図1における矢印2Aの方向から見た図1による駆動ローラを、牽引手段としてのケーブルと共に示す図であり、ケーブルは駆動ローラの上を斜めに走行している。 異なる方向(図2Aの矢印2Bに従う方向)から見た図2Aによる駆動ローラを示す図である。 本発明によるコーティングを具備したローラと、ローラの周りを走行するケーブルの長手方向断面図である。 本発明による別のコーティングの配置を具備した、図3に示されるようなローラの長手方向断面図である。 本発明によるコーティングを具備したローラと、ローラの周りを走行するケーブルの長手方向断面図である。 ローラの形とコーティングの配置が異なる、図5に示されるような本発明によるコーティングを具備したローラと、ローラの周りを走行するケーブルの長手方向断面図である。 ローラの形とコーティングの配置が異なる、図5または図6に示されるような本発明によるコーティングを具備したローラと、ローラの周りを走行するケーブルの長手方向断面図である。
符号の説明
1 昇降機
2 天井構造物
3、5 負荷
7、50、80、105 牽引手段
7’、7’’ 両端
11、20、40、60、70、85、95 ローラ
21、43、65、90、100 溝
21’、21’’ エッジ
25 回転軸
27 平面
41、61、86、96 キャリア
42、62、87、97 コーティング
44、66 底
51、81 天然繊維
52、82、107 シージング
67、77、78、92、93、103、104 側面
71 ローラ本体
2A、26、31、32、2B 矢印
T ねじりモーメント
横断方向の力
垂直方向の力

Claims (16)

  1. 負荷に連結された少なくとも一つの可動式牽引手段(7、50)を用いて少なくとも一つの負荷(3、5)を輸送する昇降機(1)であって、
    牽引手段の少なくとも一部分が、牽引手段(7、50)を案内するため少なくとも一つのローラ(11、20、40、60)と接触させられ、
    ローラ(11、20、40、60)が、コーティング(42、62)およびコーティング(42、62)のキャリア(41、61)を含み、
    牽引手段(7、50)が、円形の断面を有し、コーティングと接触させることが可能であり、
    牽引手段(7、50)とコーティング(42)との間の接触の摩擦係数が、牽引手段(7、50)とキャリア(41、61)との間の接触の対応した摩擦係数よりも小さいことを特徴とする、昇降機。
  2. キャリア(41、61)が、牽引手段(7、50)の案内用の溝(43、65)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の昇降機。
  3. 負荷に連結された少なくとも一つの可動式牽引手段(7、50、80、105)を用いて少なくとも一つの負荷(3、5)を輸送する昇降機(1)であって、
    牽引手段の少なくとも一部分が、牽引手段(7、50、80、105)を案内するため少なくとも一つのローラ(11、20、40、60、70、85、95)と接触させられ、
    ローラ(11、20、40、60、70、85、95)が、コーティング(42、62、87、97)およびコーティング(42、62、87、97)のキャリア(41、61、86、96)を含み、
    キャリア(41、61、86、96)が、牽引手段(7、50、80、105)の案内用の溝(43、65、90、100)を含み、
    牽引手段(7、50、80、105)を、溝の側面(67、92、93、103、104)と接触させることが可能であり、
    牽引手段(7、50、80、105)とコーティング(42、62、87、97)との間の接触の摩擦係数が、牽引手段(7、50、80、105)とキャリア(41、61、86、96)との間の接触の対応した摩擦係数よりも小さいことを特徴とする、昇降機。
  4. 牽引手段(7、50、80、105)は、牽引手段が斜め張力を受けるようにローラ(11、20、40、60、85、95)で案内されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の昇降機。
  5. コーティング(42、87、97)は、牽引手段(7、50、80、105)がコーティングを介してローラ(11、20、40、60、85、95)と接触するように配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の昇降機。
  6. コーティングは、牽引手段(50)が溝(65)内でコーティング(62)および/またはキャリア(61)と接触させ得るように配置されることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の昇降機。
  7. コーティング(42、62、87、97)の少なくとも一部分が、溝(65、90、100)の少なくとも一つの側面(67、92、93、103、104)に配置され、牽引手段(50、80、105)が、コーティングの該一部分と接触させることが可能であることを特徴とする、請求項2から6に記載の昇降機。
  8. 牽引手段(50)が、溝(65)の底(66)でキャリア(61)と接触していることを特徴とする、請求項6または7に記載の昇降機。
  9. ローラ(20、60)が、牽引手段(7、50)を搬送する駆動ローラとして構成され、駆動装置と連結されていることを特徴とする、請求項1から4または6から8のいずれか一項に記載の昇降機。
  10. コーティング(42、62)が、潤滑剤を含有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の昇降機。
  11. 潤滑剤が、例えば、滑石、グラファイト粉末、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、鉛(Pb)、金(Au)、銀(Ag)、三酸化ホウ素(BO)、酸化鉛(PbO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)、三酸化モリブデン(MoO)、二酸化チタン(TiO)、またはこれらの物質の混合物のような乾式潤滑剤を含むことを特徴とする、請求項10記載の昇降機。
  12. 潤滑剤が、例えば動物、植物、石油化学および/または合成油またはグリース、グリセロール、ポリブテン、ポリマエステル類、ポリオレフィン類、ポリグリコール類、シリコーン、石けん、天然ワックスまたは合成ワックス、例えば有機ポリマのような有機もしくは無機増粘剤の添加された樹脂および/またはタール類、ポリカルバミド、金属石けん類、珪酸塩類、金属酸化物類、珪酸、有機親和性ベントナイト類、またはこれらの物質の混合物のような湿式潤滑剤を含有することを特徴とする、請求項10記載の昇降機。
  13. 牽引手段(7、50、80、105)が、天然繊維(51、81)、および/または、例えばアラミド合成材料を含む繊維(51)、および/または少なくとも1本の金属ワイヤ(51、81)を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の昇降機。
  14. 牽引手段(7、50、80、105)の表面が、一つ以上の繊維(51、81)および/または一つ以上のワイヤ(51、81)を囲むシージング(52、82、107)によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする、請求項13記載の昇降機。
  15. シージング(52、82、107)が、例えば、ポリウレタン、または、天然ゴムもしくは合成ゴム(EPR)、またはシリコーンゴムのようなエラストマーから形成されることを特徴とする、請求項14記載の昇降機。
  16. キャリアは、鋼、鋳鉄、ポリアミド、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、アルミニウム、マグネシウム、非鉄金属類、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)、または、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作られることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の昇降機。
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