JP2009522186A - エレベータシステムで使用されるシーブ - Google Patents

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Abstract

エレベータシステム20は、アイドラシーブ32,34,36を備える。アイドラシーブにおける荷重支持部材接触面40上のコーティングは、荷重支持部材26と接触面40との間の摩擦を減少させる。開示された例では、フルオロポリマを含む少なくとも部分的に金属化したコーティングが含まれる。1つの開示された例では、無電解ニッケル‐ポリテトラフルオロエチレンのコーティングが含まれる。

Description

本発明は、一般に、エレベータシステムに関する。特に、本発明は、エレベータシステムで使用されるシーブに関する。
エレベータシステムは、様々な形態から成る。ある牽引式エレベータシステムは、エレベータかごおよびカウンタウエイトの重量を支持するロープまたはベルトのような荷重支持部材を備える。駆動シーブは、荷重支持部材を推進させ、エレベータかごの所望の移動を生じさせる。従来の構成は、駆動シーブと荷重支持部材との間の十分な牽引力に基づいており、所望の移動を達成させるとともに、例えば、駆動シーブにブレーキを作用させることによって、エレベータかごを固定した位置に保持することができる。
また、多くのエレベータシステムは、荷重支持部材を所望の方向へ案内するための1つ以上のアイドラシーブ即ちデフレクタシーブを備える。従来のシーブは、金属で形成されてきた。ごく最近では、ポリマ性のシーブが導入された。様々な材料が、アイドラシーブ上の所望の特性を達成させるコーティングとして使用されてきた。例えば、無電解ニッケルめっきが、所望の硬さを達成させるとともに、シーブの形状即ち外形を制御するように使用されてきた。
あるエレベータシステムでは、シーブと荷重支持部材との間の接触が、望ましくない騒音を生じさせる。このような構成の1つは、平坦なベルト荷重支持部材を備える。このような騒音を減少させる、または排除するための多くの試みが提案されてきた。これらの試みの多くは、ベルトの修正に注目してきた。
ある例では、荷重支持アッセンブリとして使用されるベルト群内のベルト間の相対的な速度差から騒音が生じる。この速度差は、対応するベルトを案内するシーブ間における直径の差がある場合に生じる。さらに、多くのシーブは、荷重支持部材が接している溝即ち面にわたって径が変化するクラウニング面を備える。これらの径の差によって、ベルト間、または、ある場合はシーブ面に追従するベルトの部分間でベルト速度が変化する。
エレベータシーブと荷重支持部材との間の接触による騒音を減少させることが可能な改良された構成が必要とされている。本発明は、この必要性に対処する。
エレベータシステムで使用される例示のシーブは、エレベータの荷重支持部材に接触するように適合された面を備える。この面は、摩擦減少特性を有する成分を含む少なくとも部分的に金属化したコーティングを備える。1つの例では、成分はフルオロポリマを含む。フルオロポリマがあることによって、荷重支持部材とシーブ面との間の摩擦を減少させる。
1つの例では、コーティングは、無電解ニッケルおよびポリテトラフルオロエチレンを含む。
1つの例では、コーティングは、約0.025mm(0.001inch)〜0.038mm(0.0015inch)の厚さを有する。
ある例示の方法では、シーブと荷重支持部材との間に所望の摩擦係数を与えるように選択された少なくとも部分的に金属化したコーティングを用いてシーブをコーティングするステップが含まれる。
図1には、エレベータかご22およびカウンタウエイト24を備えたエレベータシステム20が概略的に示されている。荷重支持部材26は、かご22およびカウンタウエイト24の重量を周知のように支持する。ある例では、荷重支持部材26は、複数の平坦なベルトを備える。本発明は、特定のローピング構成および特定の荷重支持部材形状に必ずしも限定されない。
駆動シーブ28は、荷重支持部材26を推進させ、周知のように、マシン30の動作に応じてエレベータかご22およびカウンタウエイト24の所望な移動を生じさせる。
図示された例には、エレベータかご22に対応する複数のデフレクタシーブ即ちアイドラシーブ32が含まれる。他のアイドラシーブ36は、カウンタウエイト24に対応する。周知のように、荷重支持部材26が駆動シーブ28の動きに応じて移動する際に、アイドラシーブは選択された向き即ち方向へ荷重支持部材26を案内即ち誘導する。
開示された例の1つの特徴は、駆動シーブ28と荷重支持部材26との間の必要な摩擦即ち牽引力を損なうことなく、アイドラシーブ上に摩擦の小さな面を設けることである。アイドラシーブ32,34,36は、エレベータシステムにおける所望の動作を達成するために、これらのシーブと荷重支持部材との間の牽引力を必要とせずに、荷重支持部材26を本質的に案内即ち誘導する。
図2には、複数の荷重支持部材接触面40を備えた例示のアイドラシーブ36が示されており、これらの接触面は、1つの荷重支持部材にそれぞれ対応している。この例では、荷重支持部材接触面40は、概ねシーブ36上の溝からなる。ある例では、荷重支持部材接触面40は、クラウニングされており、各溝内の面にわたる直径が変化し、溝の中央付近にピークを有している。
例示のアイドラシーブ36は、荷重支持部材接触面40上にコーティングを備える。コーティングの材料組成を選択することによって、接触面40と対応する荷重支持部材26との間に所望の摩擦係数を与えることができる。1つの例示のコーティングは、少なくとも部分的に金属質であるとともに、フルオロポリマを含む。ある例では、コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン(即ち、テフロン(登録商標))を含む。ポリジフルオロビニリデンまたは過フルオロアルコキシのような他のフルオロポリマは、他の例で使用される。フルオロポリマがあることによって、ある例における荷重支持部材26とシーブ36上の面40との間の摩擦が減少される。摩擦を小さくすることによって、個々の荷重支持部材26(例えば、ベルト)間の相対的な速度差を減少する、または無くし、これにより、エレベータシステム20の騒音を減少するという利点が得られる。
荷重支持部材接触面40がクラウン状であるとともに、荷重支持部材が平坦なベルトを備えた状況では、面40上のコーティングによって、荷重支持部材に接する面40の部分にわたるシーブの直径の差により生じるベルトの部分間の相対的な速度差を減少させることができる。
アイドラシーブの荷重支持部材接触面40と荷重支持部材26との間の摩擦を減少させることによって、荷重支持部材がアイドラシーブ面にわたってスライドすることがさらに可能となる。いくつかの例では、これにより、シーブに接する荷重支持部材間の相対的な速度差、またはベルト部分間の相対的な速度差により生じる騒音を減少させる。
1つの特定の例示的なコーティングは、商業的に入手可能な無電解ニッケル‐テフロンめっきを含む。周知の無電解めっき技術は、ある例の面40の各々にコーティングを施すように使用される。従来では、無電解ニッケルめっきは、シーブの形状を制御するためだけに使用されてきた。本発明では、材料の選択は、アイドラシーブと荷重支持部材との間に所望の摩擦係数を与える(または、これを与えるという要望に基づく)。1つの例では、金属製コーティングを選択することが含まれる。他の例では、摩擦減少特性を有する少なくとも1つの成分を含むコーティングを選択することが含まれる。この形式の例示的な成分は、フルオロポリマを含む。
1つの例には、約0.020〜0.050mmの範囲の厚さを有したコーティングが含まれる。1つの例には、約0.025mm(0.001inch)〜0.038mm(0.0015inch)の範囲の厚さを有したコーティングが含まれる。コーティングの厚さを制御することによって、騒音が発生しないように、シーブの荷重支持部材接触面40における外側形状を制御することができる。言い換えると、1つの例では、シーブの接触面40が意図された設計から外れて歪まないようにコーティングの厚さを制御することが含まれる。
上記の説明は、例示的なものであって限定的なものではない。開示された例の変更および修正が、本発明の真意から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明に与えられる法的保護の範囲は、添付の請求項を参照することによってのみ決定される。
本発明の実施例により設計された少なくとも1つのアイドラシーブを備えたエレベータシステムの選択された部分を概略的に示す図である。 例示的なアイドラシーブの概略的な斜視図である。

Claims (20)

  1. エレベータの荷重支持部材に接触するシーブ面を備え、このシーブ面に、摩擦減少特性を有する成分を含む少なくとも部分的に金属化したコーティングを備えることを特徴とするエレベータシーブ。
  2. 前記成分が、フルオロポリマを含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシーブ。
  3. 前記成分が、ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項2に記載のエレベータシーブ。
  4. 前記コーティングが、無電解ニッケル‐ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシーブ。
  5. 前記コーティングが、約0.020〜0.050mmの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータシーブ。
  6. 前記厚さが、約0.025mm(0.001inch)〜0.038mm(0.0015inch)の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載のエレベータシーブ。
  7. 少なくともエレベータかごに対応する荷重を支持するように適合された荷重支持部材と、
    前記荷重支持部材の所望の移動を生じさせるために、該荷重支持部材と摩擦係合する駆動シーブと、
    前記荷重支持部材の移動を案内するアイドラシーブと、
    を備え、
    前記アイドラシーブが、前記荷重支持部材に接する面に少なくとも部分的に金属化したコーティングを備えるとともに、該コーティングが、摩擦減少特性を有した成分を備えることを特徴とするエレベータシステム。
  8. 前記成分が、フルオロポリマを含むことを特徴とする請求項7に記載のエレベータシステム。
  9. 前記成分が、ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項7に記載のエレベータシステム。
  10. 前記コーティングが、無電解ニッケル‐ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項7に記載のエレベータシステム。
  11. 前記コーティングが、約0.020〜0.050mmの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項7に記載のエレベータシステム。
  12. 前記厚さが、約0.025mm(0.001inch)〜約0.038mm(0.0015inch)の範囲にあることを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステム。
  13. エレベータシステムで使用されるシーブを形成する方法であって、
    シーブの荷重支持部材接触面と対応する荷重支持部材との間に所望の摩擦係数を与えるように、前記接触面用のコーティングを選択するステップを含む方法。
  14. 摩擦減少特性を備えた成分を含む少なくとも部分的に金属化したコーティングを選択するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記成分が、フルオロポリマを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記成分が、ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記コーティングが、ニッケルを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 前記コーティングが、無電解ニッケル‐ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  19. 前記コーティングの厚さを約0.020〜0.050mmの範囲に与えるようにコーティングするステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  20. 前記厚さを約0.025(0.001inch)〜約0.038mm(0.0015inch)の範囲に与えるようにコーティングするステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
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