JP2007210796A - エレベータ装置 - Google Patents

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太一 前田
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律 寺本
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Abstract

【課題】異物の影響による摩擦係数の低下を防止しつつ、ロープ寿命を向上させることができるエレベータ装置を提供する。
【解決手段】樹脂被覆されたロープ1の一端に接続した乗りかご2と、ロープ1の他端に接続したカウンタウェイト3と、ロープ1がロープ溝に巻き回されたシーブ4と、シーブ4を回転駆動する電動機5とを備えたエレベータ装置において、シーブ4は金属製とされ、ロープ溝の表面がショットピーニング処理されており、ロープ溝に油を供給する油供給装置12を備える。
【選択図】図13

Description

本発明は、鋼線を撚り合わせ樹脂で被覆したロープによって乗りかごを駆動させるロープ式のエレベータ装置に関する。
エレベータ装置は、主要形態であるロープ式のものとして、ロープの一端に接続した乗りかごと、ロープの他端に接続され、乗りかごとのバランスを図るためのカウンタウェイト(錘)と、このロープが巻き回されたシーブと、このシーブを回転駆動する電動機(巻上機)とを備えたものが知られている。このエレベータ装置を適正に運転するためには、ロープとシーブとの摩擦係数がエレベータの駆動に十分であり、かつ安定している必要がある。詳しくは、乗りかごとカウンタウェイトとの質量差をロープとシーブ間の摩擦力で支えなければならないし、かつシーブのトルクをロープに伝達しなければならない。
ここで例えば鋼線を撚りあわせ樹脂で被覆したロープや合成繊維ロープ等を採用した場合、樹脂は金属に比べて柔らかく変形しやすいことからシーブに対するロープの面圧が小さくなり、昇降路内に存在する異物(例えば油や水等)がロープとシーブの間に侵入しやくなる。通常、エレベータ装置は、異物が付着していない状態でロープ及びシーブを駆動するが、万一大量の異物が付着した場合、この異物の影響によりロープとシーブとの摩擦係数が低下する可能性があった。
そこでこれに対応するため、例えば合成繊維ロープを採用する場合、シーブのロープ溝の表面をプラズマ被覆し、その表面粗さを粗さ等級N7〜N12(この範囲は算術平均粗さRa=1.6〜50μmに対応)とするものが提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−139267号公報
しかしながら、上記従来技術には以下のような課題が存在する。
すなわち、上記従来技術においては、シーブのロープ溝の表面粗さを算術平均粗さRa=1.6〜50μmとすることにより、異物が存在することになっても摩擦係数の低下を抑制するようになっている。ところが、算術平均粗さRaが大きすぎると、ロープ及びシーブの摩耗量も増加してしまう。特に、例えばシーブのロープ溝の表面を硬質化処理した場合、ロープの摩耗量が増加し、ロープ寿命が短くなる可能性があった。
本発明の目的は、異物の影響による摩擦係数の低下を防止しつつ、ロープ寿命を向上させることができるエレベータ装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、樹脂被覆されたロープの一端に接続した乗りかごと、前記ロープの他端に接続したカウンタウェイトと、前記ロープがロープ溝に巻き回されたシーブと、前記シーブを回転駆動する電動機とを備えたエレベータ装置において、前記シーブは金属製とされ、前記ロープ溝の表面がショットピーニング処理されており、前記ロープ溝に油を供給する油供給装置を備える。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記ロープ溝の表面はロープ長手方向及び径方向の粗さが算術平均粗さRa=3〜6μmである。
(3)上記(1)において、好ましくは、前記ロープ溝の表面はロープ長手方向及び径方向の粗さが最大高さRzと算術平均粗さRaとの比Rz/Ra=4〜8である。
(4)上記(1)において、好ましくは、前記ロープ溝の表面はシーブ周方向及び幅方向の粗さが最大高さRzと算術平均粗さRaとの比Rz/Ra=4〜8である。
(5)上記(1)において、好ましくは、前記油供給装置は、油をしみこませた樹脂を回転中の前記ロープ溝に押し付ける機構を有する。
(6)上記(1)において、好ましくは、前記ロープ溝の表面は低摩擦樹脂を含浸した金属メッキ処理が施されてメッキ層が形成される。
(7)上記(1)において、好ましくは、前記ロープ溝の表面は四フッ化エチレン樹脂を含浸した金属メッキ処理が施されてメッキ層が形成される。
本発明によれば、異物の影響による摩擦係数の低下を防止しつつ、ロープ寿命を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図7により説明する。
図1は、本発明のエレベータ装置の一実施形態の全体構成を表す概略図である。
この図1において、エレベータ装置は、鋼線を撚り合わせ樹脂で被覆したロープ1(例えば特開2001−262482号公報の図1、図4〜図7等参照)と、このロープ1の一端に連結され乗客を乗せる乗りかご2と、ロープ1の他端に連結されたカウンタウェイト(錘)3と、ロープ1が巻き回されたシーブ4と、このシーブ4を回転駆動する電動機(巻上機)5と、シーブ4とカウンタウェイト3との間に設けられ、ロープ1が巻き回されたそらせ車6とを備えている。また、昇降路内にはガイドレール7が設置されており、乗りかご4にはガイドレール7を挟み込むガイドシュー8が取り付けられている。そして、電動機5によってシーブ4を回転駆動すると、昇降路内のガイドレール7に沿って乗りかご2が上下移動するようになっている。
このように構成されたエレベータ装置において、ロープ1と接触する金属表面は、シーブ4及びそらせ車6にそれぞれ形成されたロープ溝である。そして、本実施形態は、シーブ4のロープ溝に本発明の大きな特徴を有するものであり、その詳細を以下説明する。
図2は、上記シーブ4の全体構造を表す側面図であり、図3は、図2中断面III−IIIによるシーブ4の幅方向断面図である。また、図4は、シーブ4のロープ溝の金属表面を表す拡大断面図である。
これら図2〜図4において、シーブ4の外周面には、ロープ1が巻き回される複数(図示では3つ)のロープ溝9が形成されている。このシーブ4のロープ溝9は、ロープ1との摩擦係数を考慮し、断面が半円状の丸溝として形成されている(なお、断面がV形状のV溝としたり、丸溝又はV溝の底部がロープ非接触領域となるようにアンダーカットした溝としてもよい)。
そして、シーブ4のロープ溝9の金属表面(本実施形態では、例えば鋳鉄製のシーブ母材10の表面)は、ショットピーニング処理(詳細には、例えば直径10〜500μmの砥粒等を高速で衝突させる加工方法)により、シーブ周方向及び幅方向(言い換えれば、ロープ1の長手方向及び径方向)の粗さが算術平均粗さRa=3〜6μmとなるように形成されている。なお、ショットピーニング処理は、表面のごく薄い層を加工硬化させることが可能な加工方法であり、シーブ4全体の靱性が損なわれないようになっている。
次に、本実施形態の作用効果を、本願発明者らの試験結果により説明する。
図5は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の算術平均粗さRaに対する摩擦係数測定試験の結果を表す特性図である。
この図5において、横軸は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の算術平均粗さRaをとって表し、縦軸は、油が付着しない状態での摩擦係数μaと油が付着した状態での摩擦係数μbとの比μa/μbをとって表している。算術平均粗さRa=0.5とした場合、摩擦係数比μa/μb≒10になっている(言い換えれば、油が付着しない状態に比べ、油が付着した状態での摩擦係数は1/10まで低下する)。そして、算術平均粗さRa<3μmの範囲では、算術平均粗さRaの増加に従って摩擦係数比μa/μbが急激に減少し、算術平均粗さRa≧3μmの範囲では、摩擦係数比μa/μb≒1でほぼ一定となっている(言い換えれば、油が付着した状態でも、摩擦係数はほぼ変動せず安定している)。
このような算術平均粗さRaと摩擦係数比μa/μbとの関係を説明するため、算術平均粗さRaを油膜パラメータに変換して表したものを図6に示す。図6は、ロープ1とシーブ4のロープ溝9との潤滑状態を表す、いわゆるストライベック線図である。
この図6において、横軸は、相対油膜パラメータ(=油膜厚さ/表面粗さ)をとって表し、縦軸は、算術平均粗さRa=0.5における油付着時の摩擦係数μbを基準とした油付着時の相対摩擦係数μb'をとって表している。算術平均粗さRa=6〜3μmの範囲(言い換えれば、相対油膜パラメータが0〜1.8の範囲)では、相対摩擦係数μb'≒5.0でほぼ一定であり、ロープ1とシーブ4のロープ溝9とは境界潤滑状態にある。また、算術平均粗さRa=3〜0.5μmの範囲(言い換えれば、相対油膜パラメータが1.8〜3.2の範囲)では、算術平均粗さRaの減少に従って相対摩擦係数μb'は急激に減少しており、ロープ1とシーブ4のロープ溝9とは混合潤滑状態にある。また、試験結果を図示していないものの、算術平均粗さRa<0.5μmの範囲(言い換えれば、相対油膜パラメータが3を越える範囲)では、ロープ1とシーブ4のロープ溝9とは流体潤滑状態(詳細には、ロープ1とシーブ4のロープ溝9の間の油膜が発達して浮いた状態)に移行すると推測される。
したがって、算術平均粗さRa≧3μmの範囲では、シーブ4のロープ溝9の金属表面に形成された粗さの高低差による液溜り(凹部)の効果により、その金属表面とロープ1との間に異物が侵入しにくくなり、異物の影響による摩擦係数の低下を防止できるといえる。
図7は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の算術平均粗さRaに対するロープ1の摩耗量測定試験の結果を表す図である。すなわち、乗りかご2とカウンターウェイト3の質量差によってロープ1がシーブ4上で伸縮し被覆樹脂が摩耗するので、本願発明者らはその摩耗量を測定している。
この図7において、横軸は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の算術平均粗さRaをとって表し、縦軸は、相対摩耗量Wとって表している。算術平均粗さRa≦6μmの範囲では、算術平均粗さRaの増加に従って相対摩耗量Wが単調増加しており、凝着摩耗(詳細には、シーブ4のロープ溝9の金属表面に凝着したロープ1の被覆樹脂が剥がされる摩耗)が支配的となっている。また、算術平均粗さRa>6μmの範囲では、算術平均粗さRaの増加に従って相対摩耗量Wは急激に増加しており、アブレシブ摩耗(詳細には、シーブ4のロープ溝9の金属表面の粗さ突部がロープ1の被覆樹脂を削る摩耗)が支配的となっている。これにより、算術平均粗さRa≦6μmの範囲では、ロープ1の摩耗量を抑え、ロープ寿命を向上させることができるといえる。
なお、上述した図5〜図7に示す試験結果は、後述する最大高さRzと算術平均粗さRaの比Rz/Ra=4〜8の範囲において測定したものである。
以上のことから、本実施形態においては、シーブ4のロープ溝9の金属表面におけるシーブ周方向及び幅方向の粗さを算術平均粗さRa=3〜6μmとすることにより、異物の影響による摩擦係数の低下を防止しつつ、ロープ寿命を向上させることができる。また、異物の影響による摩擦係数の低下を防止することができるので、エレベータ装置を適正に運転することができる。また、ロープの交換頻度を低減することができ、コスト低減を図ることができる。
なお、上記第1の実施形態においては、砥粒を用いたショットピーニング処理によるシーブ4のロープ溝9の金属表面を一例として図4に示したが、これに限られない。すなわち、例えば砥粒の投射方向を変えたり砥粒から球状微粒子に変えてショットピーニング処理を複数回行うか、若しくは金属部材の押し付けによる塑性加工を行うことにより、図8に示すように、金属表面における粗さ突部の形状が丸みを帯びるようにしてもよい。この場合も、算術平均粗さRa=3〜6μmとすることにより、上記同様の効果を得ることができる。
本発明の第2の実施形態を図9及び図10により説明する。なお、上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態では、シーブ4のロープ溝9の金属表面は、シーブ周方向及び幅方向の粗さが、最大高さRzと算術平均粗さRaとの比Rz/Ra(以降、粗さ比と称す)=4〜8となるように形成されている。本実施形態の作用効果を、本願発明者らの試験結果により説明する。
図9は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の粗さ比Rz/Raに対する摩擦係数測定試験の結果を表す図である。
この図9において、横軸は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の粗さ比Rz/Raをとって表し、縦軸は、油が付着しない状態での摩擦係数μaと油が付着した状態での摩擦係数μbとの比μa/μbをとって表している。粗さ比Rz/Ra=3.2とした場合、摩擦係数比μa/μb≒5になっている(言い換えれば、油が付着しない状態に比べ、油が付着した状態での摩擦係数は1/5まで低下する)。そして、粗さ比Rz/Ra<4の範囲では、粗さ比Rz/Raの増加に従って摩擦係数比μa/μbが急激に減少し、粗さ比Rz/Ra≧4の範囲では、摩擦係数比μa/μb≒1でほぼ一定となっている(言い換えれば、油が付着した状態でも、摩擦係数はほぼ変動せず安定している)。これにより、粗さ比Rz/Ra≧4の範囲では、シーブ4のロープ溝9の金属表面に形成された粗さの高低差による液溜り(凹部)の効果により、その金属表面とロープ1との間に異物が侵入しにくくなり、異物の影響による摩擦係数の低下を防止できるといえる。
図10は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の粗さ比Rz/Raに対するロープ1の摩耗量測定試験の結果を表す図である。
この図10において、横軸は、シーブ4のロープ溝9の金属表面の粗さ比Rz/Raをとって表し、縦軸は、相対摩耗量Wとって表している。粗さ比Rz/Ra≦8の範囲では、粗さ比Rz/Raの増加に従って相対摩耗量Wが単調増加しており、凝着摩耗が支配的となっている。また、粗さ比Rz/Ra>8の範囲では、粗さ比Rz/Raの増加に従って相対摩耗量Wは急激に増加しており、アブレシブ摩耗が支配的となっている。これにより、粗さ比Rz/Ra≦8の範囲では、ロープ1の摩耗量を抑え、ロープ寿命を向上させることができるといえる。
なお、上述した図9及び図10に示す試験結果は、算術平均粗さRa=3〜6μmの範囲において測定したものである。
以上のことから、本実施形態においては、シーブ4のロープ溝9の金属表面におけるシーブ周方向及び幅方向の粗さを粗さ比Rz/Ra=4〜8とすることにより、異物の影響による摩擦係数の低下を防止しつつ、ロープ寿命を向上させることができる。また、異物の影響による摩擦係数の低下を防止することができるので、エレベータ装置を適正に運転することができる。また、ロープの交換頻度を低減することができ、コスト低減を図ることができる。
なお、上記第1の実施形態においては、シーブ4のロープ溝9の金属表面におけるシーブ周方向及び幅方向の粗さを算術平均粗さRa=3〜6μmとすることについて説明し、上記第2の実施形態においては、粗さ比Rz/Ra=4〜8とすることについて説明したが、これら条件を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
本発明の第3の実施形態を図11により説明する。本実施形態は、シーブ4のロープ溝9の金属表面に金属メッキ処理を施した実施形態である。
図11は、本実施形態によるシーブ4のロープ溝9の金属面を表す拡大断面図である。この図11において、上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態では、シーブ4のロープ溝の金属表面は、シーブ母材10表面がショットピーニング処理された後、低摩擦樹脂(例えば潤滑性を有する四フッ化エチレン樹脂等)を含浸した金属メッキ処理(例えばニッケルメッキ処理等)が施されて、メッキ層11が形成されている。このメッキ層11は、ロープ1との摩擦による摩耗を考慮し、例えば厚さ1μm以上、ビッカース硬度250以上であることが望ましい。また、例えば四フッ化エチレン樹脂の含有量が多いと硬度が低下するため、四フッ化エチレン樹脂の含有量は40Vol%以下とすることが望ましい。このようなシーブ4のロープ溝9の金属表面においても、上記実施形態同様、シーブ周方向及び幅方向の粗さを算術平均粗さRa=3〜6μmとしたり、粗さ比Rz/Ra=4〜8としている。
以上のような本実施形態においても、上記実施形態同様、異物の影響による摩擦係数の低下を防止しつつ、ロープ寿命を向上させることができる。また本実施形態においては、低摩擦樹脂を含有した金属メッキ処理を施すことにより、シーブ4のロープ溝9の耐摩耗性を向上させることができる。また、錆の発生を防止することができ、錆が研磨剤として働きシーブ4のロープ溝9の表面粗さが低下するのを防止することができる。
なお、上記第3の実施形態においては、シーブ4のロープ溝の金属表面は、シーブ母材10表面をショットピーニング処理した後、低摩擦樹脂を含浸した金属メッキ処理を施してメッキ層11を形成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば図12に示すように、シーブ母材10表面に低摩擦樹脂を含浸した金属メッキ処理を施してメッキ層11を形成した後、ショットピーニング処理を施してもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
本発明の第4の実施形態を図13及び図14により説明する。本実施形態は、シーブ4のロープ溝9に油を供給する油供給手段を設けた実施形態である。
図13は、本実施形態によるエレベータ装置の全体構成を表す概略図である。また、図14は上記第1の実施形態の図4に相当するシーブ4のロープ溝9の金属表面に油が供給された状態を一例として表す拡大断面図であり、図15は上記第3の実施形態の図11に相当するシーブ4のロープ溝9の金属表面に油が供給された状態を他の例として表す拡大断面図である。これら図13〜図15において、上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態では、シーブ4のロープ溝9に適量な油13を供給する油供給装置12(油供給手段)を設ける。この油供給装置12は、詳細を図示しないが、例えば油をしみこませた樹脂を回転中のシーブ4のロープ溝9に押し付けるような機構を有する。また、シーブ4のロープ溝9の金属表面は、上記実施形態同様、シーブ周方向及び幅方向の粗さを算術平均粗さRa=3〜6μmとしたり、粗さ比Rz/Ra=4〜8としている。
以上のような本実施形態においても、上記実施形態同様、異物の影響による摩擦係数の低下を防止しつつ、ロープ寿命を向上させることができる。また本実施形態においては、油の影響による摩擦係数の低下を防止することができるので、シーブ4のロープ溝9に適量な油13を供給する。これにより、例えば油を供給しない場合に比べ、ロープ1の摩耗量を低減することができる。また、錆の発生を防止することができ、錆が研磨剤として働きシーブ4のロープ溝9の表面粗さが低下するのを防止することができる。
なお、上記第4の実施形態においては、油供給手段として、油供給装置12を設けた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えばロープ1の内部又は被覆樹脂に油を含ませ、シーブ4のロープ溝9との面圧によってしみ出させることにより、シーブ4のロープ溝9に適量な油を供給してもよい。このような場合も上記同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、ロープ1と接触する金属表面としてシーブ4のロープ溝9を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えばそらせ車6等に適用してもよいことは言うまでもない。
本発明のエレベータ装置の第1の実施形態の全体構成を表す概略図である。 本発明のエレベータ装置の第1の実施形態を構成するシーブの全体構造を表す側面図である。 図2中断面III−IIIによるシーブの幅方向断面図である。 本発明のエレベータ装置の第1の実施形態を構成するシーブのロープ溝の金属表面を一例として表す拡大断面図である。 シーブのロープ溝の金属表面の算術平均粗さRaに対する摩擦係数測定試験の結果を表す図である。 図5に示す試験結果に基づいたストライベック線図である。 シーブのロープ溝の金属表面の算術平均粗さRaに対するロープ摩耗量測定試験の結果を表す図である。 本発明のエレベータ装置の第1実施形態を構成するシーブのロープ溝の金属表面を他の例として表す拡大断面図である。 シーブのロープ溝の金属表面における最大高さRzと算術平均粗さRaとの比Rz/Raに対する摩擦係数測定試験の結果を表す図である。 シーブのロープ溝の金属表面における最大高さRzと算術平均粗さRaとの比Rz/Raに対するロープ摩耗量測定試験の結果を表す図である。 本発明のエレベータ装置の第3の実施形態を構成するシーブのロープ溝の金属表面を一例として表す拡大断面図である。 本発明のエレベータ装置の第3の実施形態を構成するシーブのロープ溝の金属表面を他の例として表す拡大断面図である。 本発明のエレベータ装置の第4の実施形態の全体構成を表す概略図である。 本発明のエレベータ装置の第4の実施形態を構成するシーブのロープ溝の金属表面を一例として表す拡大断面図である。 本発明のエレベータ装置の第4の実施形態を構成するシーブのロープ溝の金属表面を他の例として表す拡大断面図である。
符号の説明
1 ロープ
2 乗りかご
3 カウンターウェイト
4 シーブ
5 電動機
6 そらせ車
7 ガイドレール
8 ガイドシュー
9 ロープ溝
10 シーブ母材
11 メッキ層
12 油供給装置(油供給手段)
13 油

Claims (7)

  1. 樹脂被覆されたロープの一端に接続した乗りかごと、前記ロープの他端に接続したカウンタウェイトと、前記ロープがロープ溝に巻き回されたシーブと、前記シーブを回転駆動する電動機とを備えたエレベータ装置において、
    前記シーブは金属製とされ、前記ロープ溝の表面がショットピーニング処理されており、前記ロープ溝に油を供給する油供給装置を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、前記ロープ溝の表面はロープ長手方向及び径方向の粗さが算術平均粗さRa=3〜6μmであることを特徴とするエレベータ装置。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、前記ロープ溝の表面はロープ長手方向及び径方向の粗さが最大高さRzと算術平均粗さRaとの比Rz/Ra=4〜8であることを特徴とするエレベータ装置。
  4. 請求項1に記載のものにおいて、前記ロープ溝の表面はシーブ周方向及び幅方向の粗さが最大高さRzと算術平均粗さRaとの比Rz/Ra=4〜8であることを特徴とするエレベータ装置。
  5. 請求項1に記載のものにおいて、前記油供給装置は、油をしみこませた樹脂を回転中の前記ロープ溝に押し付ける機構を有することを特徴とするエレベータ装置。
  6. 請求項1に記載のものにおいて、前記ロープ溝の表面は低摩擦樹脂を含浸した金属メッキ処理が施されてメッキ層が形成されたことを特徴とするエレベータ装置。
  7. 請求項1に記載のものにおいて、前記ロープ溝の表面は四フッ化エチレン樹脂を含浸した金属メッキ処理が施されてメッキ層が形成されたことを特徴とするエレベータ装置。
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