JP2005007924A - 4輪駆動車の駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車輪速又はスロットル開度である車両状態メイン情報を検出するメインセンサ31,32と、操舵角又はヨーレート又は左右Gである車両状態サブ情報を検出するサブセンサ33〜35と、サブセンサ33〜35の異常を検出するサブセンサ異常検出部45と、サブセンサ33〜35の正常時にはサブセンサ33〜35をも考慮して行う可変制御(第1可変制御)とサブセンサ33〜35の異常時にサブセンサ33〜35の出力信号を考慮することなく行う可変制御(第2可変制御)とを切り換える異常時処理部46とを備えたことを特徴とする。これにより、サブセンサ33〜35が異常の場合であっても、メインセンサ31,32のみにより、4輪駆動制御を行うことができる。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4輪駆動車の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、4輪駆動車の駆動制御装置は、例えば、車輪速信号及びスロットル開度信号に基づき、原動機による駆動力を前輪と後輪に配分される駆動力配分率を可変制御していた(例えば、特許文献1参照)。そして、車輪速センサやスロットル開度センサ等が異常となった場合には、4輪駆動制御の誤動作を防止するために4輪駆動状態から2輪駆動状態へ切換えていた。
【0003】
ところで、近年における4輪駆動車の駆動制御装置として、車輪速信号及びスロットル開度信号のみに基づき配分率の可変制御を行うのではなく、さらにステアリングホイールの操舵角信号等に応じて配分率の可変制御を行うものがある。これにより、より適切に4輪駆動制御が行うことができるようになる。
【0004】
そして、このような操舵角信号等にも応じて配分率の可変制御を行う4輪駆動車の駆動制御装置は、車輪速センサやスロットル開度センサや操舵角センサ等が異常となった場合に、4輪駆動制御の誤動作を防止するために4輪駆動状態から2輪駆動状態へ切換えていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−136989号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、車輪速センサ及びスロットル開度センサが異常となっていない場合であっても、例えば操舵角センサが異常の場合にも、4輪駆動制御を行わないようにしていた。
【0007】
しかし、例えば操舵角センサのみが異常の場合には、少なくとも車輪速信号及びスロットル開度信号のみに基づき4輪駆動制御を行うことができる。すなわち、従来は、4輪駆動の性能を十分に発揮させることができなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、4輪駆動の性能を十分に発揮することができる4輪駆動車の駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1に記載の4輪駆動車の駆動制御装置は、駆動力発生手段と、駆動力伝達手段と、車両状態メイン情報検出手段と、配分率可変制御手段とを備える。ここで、駆動力発生手段は、駆動力を発生する手段であって、例えば、原動機や電動機等である。駆動力伝達手段は、前記駆動力を前輪と後輪とに配分して伝達する手段である。この駆動力伝達手段は、例えば、プロペラシャフトとドライブシャフトとの間に配設されたカップリング等であって、このカップリングの摩擦係合力により駆動力を伝達する。車両状態メイン情報検出手段は、少なくとも車輪速又はスロットルバルブのスロットル開度である車両状態メイン情報を検出する手段である。例えば、車輪速を検出する車輪速検出手段や、スロットルバルブのスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段である。なお、車輪速とは、例えば、左側の前輪、右側の前輪、左側の後輪及び右側の前輪等における回転速度である。配分率可変制御手段は、前記車両状態メイン情報に基づき、前記前輪と前記後輪に配分される前記駆動力の駆動力配分率の可変制御を行う手段である。例えば、上述したカップリングに供給する電流を可変制御することによりカップリングの摩擦係合力を可変にする。
【0010】
そして、請求項1に記載の4輪駆動車の駆動制御装置の特徴的な構成は、さらに、車両状態サブ情報検出手段を備え、前記配分率可変制御手段は、切換手段と、サブ情報異常検出手段と、異常時処理手段とを備えたことである。ここで、車両状態サブ情報検出手段は、前記車輪速及び前記スロットル開度の他の車両状態サブ情報を検出する手段である。この車両状態サブ情報検出手段は、例えば、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段、車両に作用するヨーレートを検出するヨーレート検出手段、車両の左右方向に作用する加速度である左右Gを検出する左右G検出手段等である。切換手段は、前記車両状態メイン情報及び前記車両状態サブ情報に基づき行われる前記可変制御である第1可変制御と、前記車両状態メイン情報に基づき行われると共に前記車両状態サブ信号に基づかないで行われる前記可変制御である第2可変制御と、の切換えを行う手段である。サブ情報異常検出手段は、前記車両状態サブ情報検出手段の異常を検出する手段である。異常時処理手段は、前記車両状態サブ情報検出手段の異常を検出した場合に、前記切換手段により前記第1可変制御から前記第2可変制御に切換える切換処理を行う手段である。なお、第1可変制御は、例えば、操舵角信号及び車輪速信号及びスロットル開度信号に基づき行われる可変制御である。そして、この第1可変制御は、例えば、低μ路走行時やスポーツ走行時に適用される可変制御である。
【0011】
つまり、車両状態サブ情報検出手段が異常の場合に、車両状態サブ情報検出手段により検出される異常な車両状態サブ情報を考慮することなく、正常な情報である車輪速及びスロットル開度等からなる車両状態メイン情報のみに基づき4輪駆動制御を行うことができる。すなわち、車両状態サブ情報検出手段が異常の場合であっても、4輪駆動状態から単なる2輪駆動状態に切り換えることなく、4輪駆動状態を維持することになる。これにより、4輪駆動車両の性能を大きく損なうことなく4輪駆動走行を続行できる。換言すれば、車両状態サブ情報検出手段により検出される車両状態サブ情報は、より適切に4輪駆動制御を行うために用いているので、車輪速信号及びスロットル開度信号等の車両状態メイン情報のみに基づき4輪駆動制御を行った場合であっても、基本的な4輪駆動制御は十分に行うことができる。
【0012】
また、請求項2に記載したように、前記車両状態サブ情報はステアリングホイールの操舵角としてもよい。この場合、切換手段は、前記車両状態メイン情報及び操舵角に基づき行われる前記可変制御である第1可変制御と、前記車両状態メイン情報に基づき行われると共に前記操舵角に基づかないで行われる前記可変制御である第2可変制御との切換えを行う手段である。なお、操舵角は、例えば、スポーツ走行時及び低μ路走行時に、より適切に4輪駆動制御を行うことができる情報となる。
【0013】
また、請求項3に記載したように、前記車両状態サブ情報は車両に作用するヨーレートとしてもよい。この場合、切換手段は、前記車両状態メイン情報及びヨーレートに基づき行われる前記可変制御である第1可変制御と、前記車両状態メイン情報に基づき行われると共に前記ヨーレートに基づかないで行われる前記可変制御である第2可変制御との切換えを行う手段である。なお、ヨーレートは、例えば、低μ路走行時に、より適切に4輪駆動制御を行うことができる情報となる。
【0014】
また、請求項4に記載したように、前記車両状態サブ情報は車両の左右方向に作用する加速度である左右Gとしてもよい。この場合、切換手段は、前記車両状態メイン情報及び左右Gに基づき行われる前記可変制御である第1可変制御と、前記車両状態メイン情報に基づき行われると共に前記左右Gに基づかないで行われる前記可変制御である第2可変制御との切換えを行う手段である。なお、左右Gは、例えば、低μ路走行時に、より適切に4輪駆動制御を行うことができる情報となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0016】
(4輪駆動車の構成)
本実施形態における4輪駆動車の概略構成を図1に示す。図1に示すように、4輪駆動車は、内燃機関であるエンジン(駆動力発生手段)2と、駆動力伝達機構(駆動力伝達手段)7と、前輪5と、後輪11と、制御装置(配分率可変制御手段)(ECU)21と、各種センサ31〜35とから構成されている。そして、駆動力伝達機構は、トランスアクスル3と、フロントアスクル4と、プロペラシャフト6と、駆動力伝達装置7と、ドライブピニオンシャフト8と、リアディファレンシャル9と、リアアクスル10とから構成されている。
【0017】
トランスアスクル3は、エンジン2に連結されているトランスミッション3aと、フロントディファレンシャル3bと、トランスファ3c等から構成されている。そして、フロントアスクル4は、左側フロントアスクル4aと、右側フロントアスクル4bとから構成されている。左側フロントアスクル4aの一端側及び右側フロントアスクル4bの一端側が、フロントディファレンシャル3bの左右側にそれぞれ連結されている。また、左側フロントアスクル4aの他端側には、左側前輪5aが連結され、右側フロントアスクル4bの他端側には、右側前輪5bが連結されている。このように、前輪5には、エンジン2の駆動力が、トランスミッション3a、フロントディファレンシャル3b、及びフロントアスクル4を介して伝達される。
【0018】
プロペラシャフト6は、一端側がトランスファ3cに連結され、他端側が駆動力伝達装置7に連結されている。駆動力伝達装置7は、ドライブピニオンシャフト8を介して、リアディファレンシャル9に連結されている。そして、リアアスクル10は、左側リアアスクル10aと右側リアアスクル10bとから構成されている。左側リアアスクル10aの一端側及び右側リアアスクル10bの一端側が、リアディファレンシャル9の左右側にそれぞれ連結されている。また、左側リアアスクル10aの他端側には左側後輪11aが連結され、右側リアアスクル10bの他端側には右側後輪11bが連結されている。このように、後輪11には、エンジン2の駆動力が、トランスアスクル3、プロペラシャフト6、駆動力伝達装置7、ドライブピニオンシャフト8、リアディファレンシャル9、及びリアアスクル10を介して伝達される。
【0019】
ここで、駆動力伝達装置7について詳述する。駆動力伝達装置7は、湿式多板式の電磁クラッチ機構(図示せず)を備えている。この電磁クラッチ機構は、カップリングコイル7a(図2に示す)と、互いに接離可能な複数のクラッチ板(図示せず)とを有している。そして、カップリングコイル7aには、制御装置(ECU)21からの制御信号に基づいて算出された電流が供給されて、その結果各クラッチ板が互いに摩擦係合する。このクラッチ板の摩擦係合力により、プロペラシャフト6の駆動力がドライブピニオンシャフト8にトルク伝達される。具体的には、カップリングコイル7aに供給される電流値が大きいほど、クラッチ板の摩擦係合力は大きくなり、その結果ドライブピニオンシャフト8に伝達される駆動力が大きくなる。一方、カップリングコイル7aに供給される電流値が小さいほど、クラッチ板の摩擦係合力は小さくなり、その結果ドライブピニオンシャフト8に伝達される駆動力が小さくなる。
【0020】
制御装置(ECU)21は、次に説明する各種センサ31〜35の出力信号に基づき、カップリングコイル7aに供給する電流値を算出する。すなわち、制御装置21は、4輪駆動状態と2輪駆動状態とを選択すると共に、4輪駆動状態が選択されている場合にはさらに前輪5と後輪11とに配分される駆動力配分率の可変制御を行っている。なお、制御装置21の詳細については後述する。
【0021】
各種センサ31〜35は、車輪速センサ(車両状態メイン情報検出手段)31と、スロットル開度センサ(車両状態メイン情報検出手段)32と、操舵角センサ(車両状態サブ情報検出手段)33と、ヨーレートセンサ(車両状態サブ情報検出手段)34と、左右Gセンサ(車両状態サブ情報検出手段)35等からなる。車輪速センサ31は、各車輪の車輪速(車両状態メイン情報)を検出するセンサである。具体的には、車輪速センサ31は、左側前輪の車輪速を検出する左側前輪速センサ31aと、右側前輪の車輪速を検出する右側前輪速センサ31bと、左側後輪の車輪速を検出する左側後輪速センサ31cと、右側後輪の車輪速を検出する右側後輪速センサ31dとからなる。スロットル開度センサ32は、スロットルバルブのスロットル開度(車両状態メイン情報)を検出するセンサである。操舵角センサ33は、ステアリングホイールの操舵角(車両状態サブ情報)を検出するセンサである。ヨーレートセンサ34は、車両に作用するヨーレート(車両状態サブ情報)を検出するセンサである。左右Gセンサ35は、車両の左右方向に作用する加速度である左右G(車両状態サブ情報)を検出するセンサである。
【0022】
(制御装置の構成)
次に、制御装置(ECU)21について図2を参照して説明する。図2に示すように、制御装置21は、ΔN演算部41と、車速演算部42と、低μ路走行判定部43と、スポーツ走行判定部44と、センサ異常判定部45と、異常時処理部46と、プレトルク演算部47と、ΔNトルク演算部48と、トルク加算部49と、トルク電流変換部50と、電流制御部51と、低μ路走行用スイッチSW1と、スポーツ走行用スイッチSW2とから構成される。
【0023】
ΔN演算部41は、車輪速センサ31の出力信号に基づき、前輪5の車輪速と後輪11の車輪速との差ΔN[min−1]を算出する。具体的には、左側前輪速センサ31aによる出力値と右側前輪速センサ31bによる出力値との平均値である前輪5の車輪速V1を算出する。一方、左側後輪速センサ31cによる出力値と右側後輪速センサ31dによる出力値との平均値である後輪11の車輪速V2を算出する。そして、算出された前輪5の車輪速V1と後輪11の車輪速V2との差ΔN(=V1−V2)を算出する。
【0024】
車速演算部42は、車輪速センサ31の出力信号に基づき、車速V[km/h]を算出する。例えば、左側後輪速センサ31cと右側後輪速センサ31dとによる出力値の平均値を車速Vとして算出する。
【0025】
低μ路走行判定部43は、車輪速センサ31、操舵角センサ33、ヨーレートセンサ34、及び左右Gセンサ35の出力信号に基づき、車両が低μ路を走行しているか否かを判定する。スポーツ走行判定部44は、車輪速センサ31、スロットル開度センサ32、及び操舵角センサ33の出力信号に基づき、車両がスポーツ走行を行っているか否かを判定する。なお、スポーツ走行とは、例えば、カーブを高速で曲がる走行や、山岳路走行や、スラローム走行等である。
【0026】
センサ異常判定部(サブ情報異常検出手段)45は、操舵角センサ33、ヨーレートセンサ34、及び左右Gセンサ35の出力信号に基づき、操舵角センサ33、ヨーレートセンサ34、及び左右Gセンサ35が異常であるか否かを判定する。当該センサ33〜35が異常である場合とは、例えば、当該センサ33〜35そのものが故障等した場合や、当該センサ33〜35から出力される出力信号が例えばノイズ等により異常な出力信号となった場合等である。
【0027】
異常時処理部(異常時処理手段)46は、センサ異常判定部45の出力信号に基づき、低μ路走行用スイッチSW1及びスポーツ走行用スイッチSW2のON/OFFの切換を行う。なお、異常時処理部46による処理の詳細については、後述する。
【0028】
低μ路走行用スイッチ(切換手段)SW1は、低μ路走行判定部43の出力信号をプレトルク演算部47に出力させるか否かを切り換えるスイッチである。すなわち、低μ路走行用スイッチSW1は、低μ路走行判定部43の出力信号を考慮してプレトルクT1を演算させるか否かを切り換えるスイッチである。さらに、言い換えると、低μ路走行用スイッチSW1は、低μ路走行判定部43の出力信号を考慮して行う配分率の可変制御(第1可変制御)と、低μ路走行判定部43の出力信号を考慮することなく行う配分率の可変制御(第2可変制御)とを切り換えるスイッチである。また、この低μ路走行用スイッチSW1は、異常時処理部46によりON/OFFの切換が行われる。
【0029】
スポーツ走行用スイッチ(切換手段)SW2は、スポーツ走行判定部44の出力信号をプレトルク演算部47に出力させるか否かを切り換えるスイッチである。すなわち、スポーツ走行用スイッチSW2は、スポーツ走行判定部44の出力信号を考慮してプレトルクT1を演算させるか否かを切り換えるスイッチである。さらに、言い換えると、スポーツ走行用スイッチSW2は、スポーツ走行判定部44の出力信号を考慮して行う配分率の可変制御(第1可変制御)と、スポーツ走行判定部44の出力信号を考慮することなく行う配分率の可変制御(第2可変制御)とを切り換えるスイッチである。また、このスポーツ走行用スイッチSW2は、異常時処理部46によりON/OFFの切換が行われる。
【0030】
プレトルク演算部47は、スロットル開度センサ32の出力信号、車速演算部42の出力信号、低μ路走行判定部の出力信号、スポーツ走行判定部の出力信号、及びプレトルクマップとに基づいて、プレトルクT1[N・m]を算出する。ここで、プレトルクマップとは、スロットル開度θ[%]と車輪速V[km/h]とプレトルクT1[N・m]との関係を示すマップであって、プレトルクマップ記憶部(図示せず)に記憶されている。さらに、プレトルクマップは、基本状態時と低μ路走行時とスポーツ走行時のそれぞれについて記憶されている。なお、プレトルク演算部47の処理の詳細については後述する。
【0031】
ΔNトルク演算部48は、ΔN演算部41の出力信号、車速演算部42の出力信号、及びΔNトルクマップとに基づいて、ΔNトルクT2[N・m]を算出する。ここで、ΔNトルクマップとは、ΔNの値[min−1]と車速V[km/h]とΔNトルクT2[N・m]との関係を示すマップであって、ΔNトルクマップ記憶部(図示せず)に記憶されている。
【0032】
トルク加算部49は、プレトルク演算部47により出力されるプレトルクT1[N・m]と、ΔNトルク演算部48により出力されるΔNトルクT2[N・m]とを加算して、指令トルクT[N・m]を算出する。トルク電流変換部50は、トルク加算部49により算出された指令トルクTとトルク電流マップとに基づいて、指令電流値I[A]を算出する。電流制御部51は、トルク電流変換部50により算出された指令電流値I[A]に基づき、カップリングコイル7aに電流を供給するように制御する。
【0033】
(異常時処理)
次に、異常時処理部46による異常時処理について図3のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まず、操舵角センサ33が異常であるか否かを判定する(ステップS1)。なお、操舵角センサ33が異常であるか否かは、上述したように、操舵角センサ33の出力信号に基づきセンサ異常判定部45により判定される。続いて、操舵角センサ33が異常でないと判定された場合には(ステップS1:NO)、ヨーレートセンサ34が異常であるか否かを判定する(ステップS2)。なお、ヨーレートセンサ34が異常であるか否かは、上述したように、ヨーレートセンサ34の出力信号に基づきセンサ異常判定部45により判定される。続いて、ヨーレートセンサ34が異常でないと判定された場合には(ステップS2:NO)、左右Gセンサ35が異常であるか否かを判定する(ステップS3)。なお、左右Gセンサ35が異常であるか否かは、上述したように、左右Gセンサ35の出力信号に基づきセンサ異常判定部45により判定される。
【0035】
続いて、左右Gセンサ35が異常でないと判定された場合には(ステップS3:NO)、スイッチON処理を行う(ステップS4)。スイッチON処理とは、低μ路走行用スイッチSW1及びスポーツ走行用スイッチSW2をONにする処理である。すなわち、スイッチON処理が行われた場合には、図2に示すように、低μ路走行判定部43の出力信号がプレトルク演算部47に出力されると共に、スポーツ走行判定部44の出力信号がプレトルク演算部47に出力されることになる。
【0036】
一方、操舵角センサ33が異常であると判定された場合には(ステップS1:YES)、スポーツ走行用スイッチSW2のOFF処理を行う(ステップS5)。さらに、低μ路走行用スイッチSW1のOFF処理を行い(ステップS6)、リターンする。すなわち、低μ路走行用スイッチSW1のOFF処理及びスポーツ走行用スイッチSW2のOFF処理が行われた場合には、図2に示すように、低μ路走行判定部43の出力信号及びスポーツ走行判定部44の出力信号がプレトルク演算部47に出力されないことになる。従って、操舵角センサ33が異常であることにより、低μ路走行判定部43及びスポーツ走行判定部44が誤判定を行ったとしても、低μ路走行判定部43及びスポーツ走行判定部44の出力信号がプレトルク演算部47に出力されない。
【0037】
また、操舵角センサ33は異常でないと判定され(ステップS1:NO)、ヨーレートセンサ34が異常であると判定された場合には(ステップS2:YES)、低μ路走行用スイッチSW1のOFF処理を行い(ステップS6)、リターンする。すなわち、低μ路走行用スイッチSW1のOFF処理のみ行い、スポーツ走行用スイッチSW2のOFF処理は行わない。これにより、図2に示すように、低μ路走行判定部43の出力信号はプレトルク演算部47に出力されないが、スポーツ走行判定部44の出力信号はプレトルク演算部47に出力されることになる。従って、ヨーレートセンサ34が異常であることにより、低μ路走行判定部43が誤判定を行ったとしても、低μ路走行判定部43の出力信号がプレトルク演算部47に出力されない。
【0038】
また、操舵角センサ33及びヨーレートセンサ34が異常でないと判定され(ステップS1,S2:NO)、左右Gセンサ35が異常であると判定された場合には(ステップS3:YES)、低μ路走行用スイッチSW1のOFF処理を行い(ステップS6)、リターンする。すなわち、この場合も、低μ路走行用スイッチSW1のOFF処理のみ行い、スポーツ走行用スイッチSW2のOFF処理は行わない。これにより、図2に示すように、低μ路走行判定部43の出力信号はプレトルク演算部47に出力されないが、スポーツ走行判定部44の出力信号はプレトルク演算部47に出力されることになる。従って、左右Gセンサ35が異常であることにより、低μ路走行判定部43が誤判定を行ったとしても、低μ路走行判定部43の出力信号がプレトルク演算部47に出力されない。
【0039】
(プレトルク演算処理)
次に、プレトルク演算部47におけるプレトルク演算処理について図4のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
まず、スポーツ走行用スイッチSW2及び低μ路走行用スイッチSW1が共にONであるか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、低μ路走行判定部43による出力信号及びスポーツ走行判定部44による出力信号がプレトルク演算部47に入力される状態にある。続いて、スポーツ走行用スイッチSW2及び低μ路走行用スイッチSW1が共にONである場合には(ステップS11:YES)、低μ路走行中であるか否かを判定する(ステップS12)。すなわち、低μ路走行判定部43の出力信号に基づき、車両が低μ路を走行しているか否かを判定する。
【0041】
続いて、低μ路走行中であると判定された場合には(ステップS12:YES)、低μ路走行時演算処理を行う(ステップS13)。低μ路走行時演算処理とは、プレトルクマップ記憶部に記憶されている低μ路走行時用プレトルクマップと車速演算部42の出力信号とスロットル開度センサ32の出力信号とに基づき、プレトルクT1を算出する処理である。すなわち、低μ路走行時演算処理は、車輪速センサ31及びスロットル開度センサ32の出力信号のみならず、さらに、操舵角センサ33、ヨーレートセンサ34、及び左右Gセンサ35の出力信号をも考慮したプレトルクマップに基づきプレトルクT1を算出している。
【0042】
一方、スポーツ走行用スイッチSW2及び低μ路走行用スイッチSW1が共にONでない場合には(ステップS11:NO)、さらに、スポーツ走行用スイッチSW2がONであるか否かを判定する(ステップS14)。続いて、スポーツ走行用スイッチSW2がONである場合(ステップS14:YES)、及び、低μ路走行中でない場合には(ステップS12:NO)、スポーツ走行中であるか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、スポーツ走行判定部44の出力信号に基づき、車両がスポーツ走行、例えば高速カーブ走行や山岳走行等をしているか否かを判定する。
【0043】
続いて、スポーツ走行中である場合には(ステップS15:YES)、スポーツ走行時演算処理を行う(ステップS16)。スポーツ走行時演算処理とは、プレトルクマップ記憶部に記憶されているスポーツ走行時用プレトルクマップと車速演算部42の出力信号とスロットル開度センサ32の出力信号とに基づき、プレトルクT1を算出する処理である。すなわち、スポーツ走行時演算処理は、車輪速センサ31及びスロットル開度センサ32の出力信号のみならず、さらに、操舵角センサ33の出力信号をも考慮したプレトルクマップに基づきプレトルクT1を算出している。
【0044】
一方、スポーツ走行用スイッチSW2及び低μ路走行用スイッチSW1が共にONでない場合(ステップS14:NO)、及び、スポーツ走行中でない場合には(ステップS15:NO)、基本状態時演算処理を行う(ステップS17)。基本状態時演算処理とは、プレトルクマップ記憶部に記憶されている基本状態時用プレトルクマップと車速演算部42の出力信号とスロットル開度センサ32の出力信号とに基づき、プレトルクT1を算出する処理である。すなわち、基本状態時演算処理は、車輪速センサ31及びスロットル開度センサ32の出力信号のみにより、プレトルクT1を算出している。つまり、操舵角センサ33、ヨーレートセンサ34、及び左右Gセンサ35の出力信号は、全く考慮されずに算出される処理となる。
【0045】
なお、本実施形態では、車両状態サブ情報として「操舵角」,「ヨーレート」及び「左右G」を使用する場合の例について説明したが、この各情報のうち一つ又は二つのみを使用するものであってもよい。またさらに、これ以外の信号であって、その信号に基づいて4輪駆動制御をより適切に行い得る信号を車両状態サブ情報として採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車の構成を示す図である。
【図2】4輪駆動車の制御装置を示す図である。
【図3】異常時処理を示すフローチャートである。
【図4】プレトルク演算処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 ・・・ エンジン(駆動力発生手段)
7 ・・・ 駆動力伝達装置(駆動力伝達手段)
21 ・・・ 制御装置(配分率可変制御手段)
31 ・・・ 車輪速センサ(車両状態メイン情報検出手段)
32 ・・・ スロットル開度センサ(車両状態メイン情報検出手段)
33 ・・・ 操舵角センサ(車両状態サブ情報検出手段)
34 ・・・ ヨーレートセンサ(車両状態サブ情報検出手段)
35 ・・・ 左右Gセンサ(車両状態サブ情報検出手段)
45 ・・・ センサ異常判定部(サブ情報異常検出手段)
46 ・・・ 異常時処理部(異常時処理手段)
47 ・・・ プレトルク演算部
SW1 ・・・ 低μ路走行用スイッチ(切換手段)
SW2 ・・・ スポーツ走行用スイッチ(切換手段)
Claims (4)
- 駆動力を発生する駆動力発生手段と、
前記駆動力を前輪と後輪とに配分して伝達する駆動力伝達手段と、
少なくとも車輪速又はスロットルバルブのスロットル開度である車両状態メイン情報を検出する車両状態メイン情報検出手段と、
前記車両状態メイン情報に基づき前記前輪と前記後輪に配分される前記駆動力の駆動力配分率の可変制御を行う配分率可変制御手段と、
を備えた4輪駆動車の駆動制御装置において、
さらに、前記車輪速及び前記スロットル開度の他の車両状態サブ情報を検出する車両状態サブ情報検出手段を備え、
前記配分率可変制御手段は、
前記車両状態メイン情報及び前記車両状態サブ情報に基づき行われる前記可変制御である第1可変制御と前記車両状態メイン情報に基づき行われると共に前記車両状態サブ信号に基づかないで行われる前記可変制御である第2可変制御との切換えを行う切換手段と、
前記車両状態サブ情報検出手段の異常を検出するサブ情報異常検出手段と、
前記車両状態サブ情報検出手段の異常を検出した場合に前記切換手段により前記第1可変制御から前記第2可変制御に切換える切換処理を行う異常時処理手段と、
を備えた4輪駆動車の駆動制御装置。 - 前記車両状態サブ情報はステアリングホイールの操舵角であることを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車の駆動制御装置。
- 前記車両状態サブ情報は車両に作用するヨーレートであることを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車の駆動制御装置。
- 前記車両状態サブ情報は車両の左右方向に作用する加速度である左右Gであることを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車の駆動制御装置。
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