JP2005007538A - インクジェット記録シートの断裁方法 - Google Patents

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康雄 杉下
Yukako Tada
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Abstract

【課題】インクジェット記録シートの断裁時に発生するインク受容層及び支持体の断裁粉の発生を防止し、プリンタ搬送性を安定させ、長期的な使用に伴うプリンタ搬送系への負荷の生じないインクジェット記録シート断裁方法を提供する。
【解決手段】支持体1の片面に無機微粒子等の顔料とバインダからなる層を含むインク受容層2、他の片面に背面層3を設けたインクジェット記録シートSの断裁方法において、シートSを重ねることなく背面層3側からギロチン方式或いはロータリーカッター方式等の断裁機の刃先5を進入させることにより断裁されるインクジェット記録シートの断裁方法を提供する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体の一方面にインク受容層、他方面に背面層を設けたプリンタ搬送性に優れたインクジェット記録シートの断裁方法に関し、更に詳しくは、インクジェット記録シートの断裁時に発生するインク受容層および支持体の断裁粉の発生を防止し、プリンタ搬送性を安定させるインクジェット記録シートの断裁方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラおよびコンピュータの普及と共に、それらの画像を紙やフィルムや布といったシート上に記録するためのハードコピー技術が急速に発展しており、ハードコピーとしては、旧来からの銀塩写真記録方式をはじめ、静電転写記録方式、昇華型熱転写記録方式、インクジェット記録方式など多種多様である。
【0003】
このうち、インクジェット記録方式は、装置が比較的小型であり、ランニングコストも低いなどの利点を有し、昇華型熱転写記録方式などと共にハードコピー方式の主流とみられている。インクジェット記録方式はインクジェットプリンタのヘッドから微小液滴を吐出させて、紙やフィルムや布といったシート上に画像を形成するものであり、その画像形成機構の単純さに加え、吐出される液滴の微小化、ドットの高解像度化をはじめ、記録される画像や文字の鮮明性、高速化、低騒音、ドット濃度が高いこと、また再現できる色範囲が拡がっていることなどから様々な用途に急速に普及している。
【0004】
一般家庭において、年賀状など葉書の文面や画像を記録するのにインクジェットプリンタを用いたり、デジタルカメラで記録された画像をインクジェットプリンタで出力するのはその一例である。また、街中にある商業用看板がインクジェットプリンタから出力されたものであるなど、その用途はパーソナルユースのみならず、業務用途にも拡大しつつある。
【0005】
インクジェット記録方式の用途が拡大すると共に、インクジェットプリンタはさらなる高精細化、高速化が進み、使用される環境も拡大されてきている。そこで、インクジェット記録シートに対しても、インク吸収性、得られる画像の鮮明性、色再現範囲などの本来的特性に加えて、高速でのプリンタ搬送性、プリンタ搬送系への負荷低減、広環境化でのカール抑制といった特性も要求されるようになった。なおプリンタ搬送性とは、プリンタ内における給紙から排紙に至る記録シート搬送全般の性能を指すものであり、記録シートが給紙されない給紙不良、記録シートが重なって搬送されてしまう重送、記録シートがプリンタ内で搬送不可能になる紙詰まり、等の不具合から判断されるものであり、プリンタ搬送系への負荷とは、前記プリンタ搬送性が使用と共に低下していくことである。
【0006】
特に、プリンタ搬送系への負荷低減は、近年のインクジェットプリンタ高速化ならび用途拡大の大きな課題となっているものであり、インク受容層の反対面に背面層として、ある特定物質から成る層を設ける例が、数多く開示されている(例えば、特許文献1参照)が、それらの多くはカールを防止し、搬送性の阻害を防止するという報告であり、根本的な改善がなされていないのが現状である。
【0007】
また、断裁方式としてギロチン方式を用いた例も開示されている(例えば、特許文献2参照)が、具体的な断裁方法の開示がなく、通常の複数枚重ねて断裁する方法では、長期的な効果が不十分である。さらに、関連開示例として、断裁時のシートあるいは刃への負荷を減らし、安定的なシートを断裁するという例も開示されている(例えば、特許文献3あるいは特許文献4参照)が、この方法でも効果が不十分というのが現状である。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−96901号公報
【特許文献2】
特開2003−25711号公報
【特許文献3】
特開平5−330228号公報
【特許文献4】
特開2003−11485号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インクジェット記録シートの断裁時に発生するインク受容層および支持体の断裁粉の発生を防止し、プリンタ搬送性を安定させ、長期的な使用に伴うプリンタ搬送系への負荷の生じないインクジェット記録シートの断裁方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記に鑑み鋭意研究した結果、支持体の一面に、少なくとも無機微粒子等の顔料とバインダからなる層を含むインク受容層、他面に背面層を設けたインクジェット記録シートにおいて、断裁時のシート数を特定し、さらに断裁時の刃の進入方向を特定して断裁することで、断裁により得られるインクジェット記録シートが、インク吸収性、得られる画像の鮮明性、色再現範囲などの本来的特性に加えて、プリンタ搬送系への負荷低減に優れた特性を持つことができるインクジェット記録シートの断裁方法を発明するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、支持体1の片面に、少なくとも顔料とバインダからなる層を含むインク受容層2、他の片面に背面層3を設けたインクジェット記録シートSを、そのシートSを重ねることなく又は重ね合わせ枚数を2乃至3枚程度に制限して同じ向きに重ね合わせ、該背面層3側から断裁機の刃を進入させて断裁することを特徴とするインクジェット記録シートの断裁方法である。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るインクジェット記録シートの断裁方法において、前記支持体1が、パルプを主成分とする紙であることを特徴とするインクジェット記録シートの断裁方法である。
【0013】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係るインクジェット記録シートの断裁方法において、前記顔料とバインダからなる層が、シート最表層であることを特徴とするインクジェット記録シートの断裁方法である。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に係るインクジェット記録シートの断裁方法において、前記顔料が、無機微粒子であることを特徴とするインクジェット記録シートの断裁方法である。
【0015】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係るインクジェット記録シートの断裁方法において、前記断裁機が、ギロチン方式であることを特徴とするインクジェット記録シートの断裁方法である。
【0016】
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係るインクジェット記録シートの断裁方法において、前記断裁機が、ロータリーカッター方式であることを特徴とするインクジェット記録シートの断裁方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録シートの断裁方法を詳細に説明すれば、インクジェット記録シートSは、その一例として、図1の側断面図に示すようなものであり、例えば、支持体1の片面に、少なくとも無機微粒子等の顔料とバインダからなる層を含むインク受容層2を備え、他の片面に、背面層3を設けたものである。なお、インクジェット記録シートSの最表層は、図示するような前記インク受容層2であってもよいし、そのインク受容層2の上層に積層された他の層であってもよい。
【0018】
本発明に用いる支持体1としては、特に限定なく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セロハン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム類、LBKP、LBSP、LDP、NBKP、NBSP、NDPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどのパルプを主成分とする紙類、綿、麻、絹或いは化学繊維などからなる布類、さらにそれらを貼り合わせたもの、を使用することができる。その中でも、パルプを主成分とする紙を支持体として使用するような、断裁時に支持体自身の断裁粉が発生しやすい場合にも、本発明は非常に有効である。
【0019】
支持体1の厚さは、加工性、インクジェット記録シートとしてインクジェットプリンタの搬送性に問題を生じない範囲であれば特に制限されるものではなく、50〜300μmが一般的である。
【0020】
インク受容層2は、少なくとも無機微粒子等の顔料とバインダからなる層であり、例えば、市販のインクジェットプリンタに使用される色素成分を含むインクに対して、高吸収性、高精細性及び色再現性などの特性を満足させる層であれば、特に限定される必要はないが、前記特性を満足させるために、無機微粒子等上記のような顔料とバインダからなる層を含むことが好適であり、その場合インク受容層2は、単層に限らず、必要に応じて複数の層で形成しても何ら問題はない。なお、断裁粉が発生し易いとされるインク受容層2の最表層が顔料とバインダから成る層で形成されている場合にも、本発明は非常に有効である。
【0021】
インク受容層2に使用する顔料としては、特に限定されるものではなく、公知の顔料を使用することができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン系プラスチックピグメント、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂など有機顔料が挙げられる。その中でも無機顔料類が好ましく、湿式シリカ、乾式シリカ、炭酸マグネシウム、アルミナなどが挙げられ、特に、材料コスト、得られるインクジェット記録シートとしての外観、記録特性といった点から湿式シリカ、乾式シリカが好ましい。
【0022】
インク受容層2に使用するバインダについては、顔料を含む層を含めて、特に限定されるものではなく、公知のバインダを一種類以上使用することができる。例えば、合成品としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル及びポリビニルイソブチルエーテルなどの変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸塩及びポリアクリルアマイドなどのポリアクリル酸誘導体及びポリメタクリル酸誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、スチレンアクリル酸エステル共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンクロトン酸共重合体、塩化ビニル含有共重合体、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂などが挙げられる。天然物としては、ゼラチンなどのタンパク質類、馬鈴薯などの澱粉類、寒天などの藻類、マンナンなどの植物性粘質物、グルカンなどの微生物粘質物などが挙げられる。
【0023】
また、インク受容層2には必要に応じて、染料定着剤、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、流動性改良剤、サイズ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防カビ剤、耐水化剤、pH調整剤、硬膜剤、蛍光増白剤等の添加剤を本発明の目的を妨げない範囲で任意に選択し含有させることもできる。また、色調を調整する目的で着色染料または顔料を添加することもできる。
【0024】
インク受容層2を形成する顔料成分とバインダ成分の配合比率は、特に限定されるものではないが、9.5:0.5〜4:6の範囲が好ましく、より好ましくは8.5:1.5〜6:4である。この範囲より顔料成分の質量比率が高くなると成膜時にバインダ成分のバインド力が不足し、乾燥時にひび割れが発生したり、膜が著しく脆くなったりする可能性があるからであり、バインダ成分の質量比率が高くなると、インクジェットプリンタから吐出されたインクの吸収速度が低下する可能性があり、滲みや乾燥不良といった問題が生じる可能性があるからである。
【0025】
インク受容層2全体の乾燥塗布量は、十分なインク吸収能力を確保できれば問題なく、5〜50g/m(dry)が一般的である。
【0026】
背面層3は、市販のインクジェットプリンタ実用温度範囲内でのインクジェット記録シートS同士の融着および搬送に問題を生じるようなカールを防止できるものであれば、特に限定される必要はないが、前記特性を満足させるために、顔料、バインダから成ることが一般的であり、その場合、単層に限らず、必要に応じて複数の層で形成しても何ら問題はない。
【0027】
背面層3に使用する顔料としては、特に限定されるものではなく公知の顔料を使用することができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、シリコンパウダー、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン系プラスチックピグメント、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂など有機顔料が挙げられる。その中でも無機顔料類が好ましく、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリコンパウダーなどが材料コストから好ましい。
【0028】
背面層3に使用するバインダについては、特に限定されるものではなく、公知のバインダを一種類以上使用することができる。例えば、合成品としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル及びポリビニルイソブチルエーテルなどの変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸塩及びポリアクリルアマイドなどのポリアクリル酸誘導体及びポリメタクリル酸誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、スチレンアクリル酸エステル共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンクロトン酸共重合体、塩化ビニル含有共重合体、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、などが挙げられる。天然物としては、ゼラチンなどのタンパク質類、馬鈴薯などの澱粉類、寒天などの藻類、マンナンなどの植物性粘質物、グルカンなどの微生物粘質物などが挙げられる。
【0029】
また、背面層3には、必要に応じて帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料定着剤、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、流動性改良剤、サイズ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防カビ剤、耐水化剤、pH調整剤、硬膜剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料等を本発明の目的を妨げない範囲で任意に選択し、含有させることもできる。
【0030】
背面層3を形成する顔料成分とバインダ成分の配合比率は、特に限定されるものではないが、8:2〜0:10の範囲が好ましく、より好ましくは5:5〜0.2:9.8である。
【0031】
背面層3の乾燥塗布量は、特に限定されるものでがないが、カール防止という点から、1〜20g/mが一般的である。
【0032】
さらに必要に応じて、インクジェット記録シートの表裏を明確にするために、背面層3の上下何れでも、裏マーク等の印刷処理を実施することも可能である。
【0033】
なお、本発明におけるインク受容層2、背面層3を塗工する方法としては、従来公知のエアーナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、コンマコーター、リップコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、ロールコーター、エクストルーダーなどの各種装置を用いることができる。
【0034】
このようにして得られたインクジェット記録シートS(例えば図1参照)に関して、これら記録シートSを重ね合わせることなく(又は記録シートSを重ね合わせ枚数を2乃至3枚程度に制限して同じ向きにして重ね合わせ)、図2(a)に示すように、例えばカミソリカッター方式、シャーカッター方式、ギロチン方式の断裁手段Cの刃先5を、前記背面層3側からインキ受容層2に向けて進入させることにより、あるいはロータリーカッター方式の断裁手段Cの丸刃5、又はレーザーカッター方式の断裁手段Cのレーザービーム照射光5を、前記背面層3側に配置し、背面層3側からインキ受容層2に向けて矢印方向に進入させることにより、図2(b)に示すように、記録シートSを断裁することが、本発明方法に欠かすことができない必須の要件である。
【0035】
前記記録シートSを重ねることなく、背面層3側から断裁機Cの刃先5を進入させる理由は、断裁時にインク受容層2から発生する断裁粉の発生を防止し、インクジェットプリンタロールの汚れを防ぐことでプリンタ搬送性を安定させるためである。なお、断裁粉の発生を防止できる理由は明確ではないが、断裁機Cの刃先5の進入に伴うインクジェット記録シートS各層への応力が関係し、断裁端の状態が異なることによるものと考えられる。
【0036】
断裁方式に関しては特に限定されるものではなく、公知の方式を採用することができる。例えばカミソリカッター方式、シャーカッター方式、ギロチン方式、ロータリーカッター方式、レーザーカッター方式が挙げられる。その中でも加工性安定性に優れたギロチン方式、ロータリーカッター方式がより好ましい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の内容は、これらに限定されるものではない。また、実施例において示す「部」は、特に明示しない限り質量部を示す。
【0038】
まず、本発明のインクジェット記録シートSとして、シートサンプル1、シートサンプル2を下記の通り作製した。
【0039】
(シートサンプル1の作製)
下記組成1〜3に示す配合で塗液A〜塗液Cの調整を行った後、厚さ100μmの白色ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製 WR712)による合成樹脂フィルムを支持体1とし、その支持体1の一方面に、組成1に示した塗液Aをエアーナイフコーターを使用し、乾燥塗布量20g/mとなるように塗工、半乾燥した後、さらにその上に、組成2に示した塗液Bをダイコーターを使用し、乾燥塗布量5g/mとなるように塗工、乾燥した後、線圧140kg/cmでスーパーカレンダー処理を行い、インク受容層2を形成した。その後、前記支持体1の他方面に、組成3に示した塗液Cをリップコーターを使用し、乾燥塗布量8g/mとなるように塗工、乾燥して、背面層3を形成することで、インク受容層2の最表層が塗液Bによる顔料とバインダからなる本発明のインクジェット記録シートSを作製してサンプル1とした。
【0040】
(シートサンプル2の作製)
坪量81.4g/mのコート紙(ニューエイジ、王子製紙(株)製)による紙を支持体1とし、その支持体1の一方面に、下記組成1に示した塗液Aをエアーナイフコーターを使用し、乾燥塗布量20g/mとなるように塗工、乾燥した後、さらにその上に、組成2に示した塗液Bをダイコーターを使用し、乾燥塗布量5g/mとなるように塗工、乾燥した後、線圧160kg/cmでスーパーカレンダー処理を行い、インク受容層2を形成した。その後、前記支持体1の他方面に、組成3に示した塗液Cをリップコーターを使用し、乾燥塗布量8g/mとなるように塗工、乾燥して、背面層3を形成することで、パルプを主成分とする紙を支持体1とし、インク受容層2の最表層が塗液Bによる顔料とバインダからなるインクジェット記録シートを作製してサンプル1とした。
【0041】
Figure 2005007538
【0042】
<実施例1>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル1を重ねることなく、背面層3側からカミソリ刃先5を当てることにより、シートサンプル1をA4サイズに断裁した。
【0043】
<実施例2>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル1を重ねることなく、背面層3側からギロチン刃先5を当てることにより、シートサンプル1をA4サイズに断裁した。
【0044】
<実施例3>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル1を重ねることなく、背面層3側からロータリーカッター刃先5を当てることにより、シートサンプル1をA4サイズに断裁した。
【0045】
<実施例4>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル2を重ねることなく、背面層3側からロータリーカッター刃先5を当てることにより、シートサンプル2をA4サイズに断裁した。
【0046】
<比較例1>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル1を500枚重ね合わせて、背面層5側からギロチン刃先5を当てることにより、シートサンプル1をA4サイズに断裁した。
【0047】
<比較例2>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル1を重ねることなく、インク受容層2側からギロチン刃先5を当てることにより、シートサンプル1をA4サイズに断裁した。
【0048】
<比較例3>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル1を500枚重ね合わせて、インク受容層2側からギロチン刃先5を当てることにより、シートサンプル1をA4サイズに断裁した。
【0049】
<比較例4>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル1を重ねることなく、インク受容層2側からロータリーカッター刃先5を当てることにより、シートサンプル1をA4サイズに断裁した。
【0050】
<比較例5>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル2を500枚重ね合わせて、背面層3側からギロチン刃先5を当てることにより、シートサンプル2をA4サイズに断裁した。
【0051】
<比較例6>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル2を重ねることなく、インク受容層2側からギロチン刃先5を当てることにより、シートサンプル2をA4サイズに断裁した。
【0052】
<比較例7>
得られたインクジェット記録シートSの上記シートサンプル2を500枚重ね合わせて、インク受容層2側からギロチン刃先5を当てることにより、シートサンプル2をA4サイズに断裁した。
【0053】
<プリンタ搬送性負荷評価>
上記実施例1〜4及び比較例1〜7により得られたA4サイズに断裁された各インクジェット記録シートに関し、23℃、50%環境下で、24時間放置後、同条件下で、インクジェットプリンタとしてW−2200(キヤノン(株)製)を用い、カセット給紙により200枚毎供給で、高速モードにて5000枚の連続印画を行い、カセット直後の搬送ロールの汚れを目視により観察した。その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 2005007538
【0055】
表1から解るように、実施例1〜4の方法で断裁されたインクジェット記録シートSは、実施例1、4において僅かに汚れの発生があるものの、はっきりとした汚れの発生は全くなく、シートサンプル1、2ともに何れも搬送ロールを汚すことなく、つまりはプリンタ搬送系へ負荷を与えることのないプリンタ搬送性に優れたインクジェット記録シートSであることが判った。
【0056】
また、実施例2、3においては全く汚れの発生はなく、断裁機Cがギロチン方式とロータリーカッター方式の何れであっても良好な断裁が得られることが判った。さらに、実施例4のように、断裁時に断裁粉が発生し易いパルプを主成分とする紙を支持体1としたシートサンプル2を使用するような場合にも、僅かに汚れの発生があるものの、はっきりとした汚れの発生は全くなく、実施例1〜4の断裁方法により得られたインクジェット記録シートは非常に有効であることが判った。
【0057】
一方、比較例1〜7の方法で断裁されたインクジェット記録シートSは、何れも搬送ロールに汚れの発生があり、プリンタ搬送系へ負荷を与えるばかりではなく、その汚れの一部が、後のインクジェット記録シートSのインク受容層2面に付着して印画欠陥まで起こしていたため、これら比較例1〜7の断裁方法により得られるインクジェット記録シートを長期的に使用することは、非常に問題が多い。
【0058】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録シートの断裁方法は、インクジェット記録シートの断裁時に発生するインク受容層及び支持体の断裁粉の発生を防止でき、プリンタ搬送性を安定させ、長期的な使用に伴うプリンタ搬送系への負荷の生じないインクジェット記録シートの断裁方法として効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録シートの断裁方法に用いるインクジェット記録シートの一例を説明する側断面図。
【図2】(a)は本発明のインクジェット記録シートの断裁方法を説明するインクジェット記録シートの側断面図、(b)は本発明のインクジェット記録シートを断裁した後のインクジェット記録シートの側断面図。
【符号の説明】
S…インクジェット記録シート C…断裁手段
1…支持体 2…インク受容層 3…背面層 5…断裁刃先

Claims (6)

  1. 支持体1の片面に、少なくとも顔料とバインダからなる層を含むインク受容層2、他の片面に背面層3を設けたインクジェット記録シートSを、そのシートSを重ねることなく又は重ね合わせ枚数を2乃至3枚程度に制限して同じ向きに重ね合わせ、該背面層3側から断裁機の刃を進入させて断裁することを特徴とするインクジェット記録シートの断裁方法。
  2. 前記支持体1が、パルプを主成分とする紙であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シートの断裁方法。
  3. 前記顔料とバインダからなる層が、シート最表層であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録シートの断裁方法。
  4. 前記顔料が、無機微粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のインクジェット記録シートの断裁方法。
  5. 前記断裁機が、ギロチン方式であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のインクジェット記録シートの断裁方法。
  6. 前記断裁機が、ロータリーカッター方式であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のインクジェット記録シートの断裁方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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