JP2005007440A - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下地の金属層への損傷を抑えながら、スミアを残さずに除去できるレーザ加工方法、レーザ加工装置を提供する。
【解決手段】XYテーブル2には、金属層上の絶縁層にビアホールが形成された被加工基板1が保持される。第1のレーザ光源31は、被加工基板1のビアホールへ複数ショットのパルスレーザ光を照射する。コントローラ4は、それら複数ショットのパルスレーザ光のうち、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように、第1のレーザ光源31へトリガパルス信号Sを送出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属層上に積層された絶縁層にビアホールを形成するレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板等の多層基板は、金属層と絶縁層とが交互に積層された構造を有する。金属層は、銅層等を選択的にエッチングした配線パターンを含む。絶縁層は、エポキシ層等の樹脂層中にガラス繊維等を混入したコア層も含む。多層基板の製造において、絶縁層の裏面に形成された金属層と電気的に接続される金属層を、その絶縁層の表面に形成する工程がある。この工程では、まず絶縁層に、その裏面側の金属層に達するビアホールと呼ばれる穴を形成する。そして、そのビアホールの内部及び絶縁層の表面に金属層を形成する。
【0003】
ビアホールの形成には、例えばレーザ光が用いられる。しかし、特にレーザ光を用いると、ビアホールの底面に残渣(スミア)が残ることがある。スミアが残った場合、金属層どうしの電気的な接続の信頼性が低下する。そこで、デスミアと呼ばれる後処理において、スミアの除去が行なわれる。特許文献1に、パルスレーザ光を用いてスミアを除去する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−197987号公報(第1−3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、1ショットのパルスレーザ光でスミアを除去しようとする場合、そのパルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度が大きすぎると、スミアは除去できても下地の金属層に損傷を与えてしまったり、あるいはビアホールの側壁等が溶出して新たなスミアを残してしまうことが考えられる。逆に、そのパルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度が小さすぎると、下地の金属層に損傷を与えなくてもスミアが残ってしまうことが考えられる。
【0006】
本発明の目的は、下地層への損傷を抑えながら、スミアを残さずに除去する技術を提供することにある。本発明の他の目的は、複数ショットのパルスレーザ光を用いながら、効率的にスミアを除去する技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、(a)金属層上に積層された絶縁層に、該絶縁層を貫通するビアホールを形成する工程と、(b)前記工程(a)で形成されたビアホールへ、複数ショットのパルスレーザ光を、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように照射する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【0008】
本発明の他の観点によれば、金属層上に積層された絶縁層に形成されたビアホールへ、複数ショットのパルスレーザ光を照射するパルスレーザ光照射手段と、前記パルスレーザ光照射手段によって前記ビアホールへ複数ショットのパルスレーザ光が照射されるときに、それら複数ショットのパルスレーザ光のうち、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように、当該レーザ照射手段を制御する制御手段とを有するレーザ加工装置が提供される。
【0009】
本発明では、ビアホールへ複数ショットのパルスレーザ光を、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように照射するから、その最初の1ショット目のパルスレーザ光によってスミアの大部分を除去できる。これにより、その後に照射するパルスレーザ光のショット数を少なくできる。従って、スミアを効率的に除去できる。
【0010】
最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度は、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも小さいから、ビアホールへ過剰にパルスレーザ光を照射してしまうのを防止できる。即ち、ビアホールへ過不足なくパルスレーザ光を照射できる。これにより、金属層への損傷を抑えながら、スミアを残さずに除去できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図4は、実施例によるレーザ加工方法の対象となる被加工基板1の断面図である。コア層10の表面の一部に、銅配線パターン12が形成されている。さらに、コア層10上には、銅配線パターン12を覆うように、絶縁層11が積層されている。なお、銅配線パターン12の表面12aには、アンカー処理が施されている。アンカー処理とは、絶縁層11との密着性を上げるために、銅配線パターン12の表面12aに微細な凹凸を形成する処理をいう。
【0012】
図1は、実施例によるレーザ加工方法を説明するための被加工基板1の断面図である。まず図1(A)に示すように、被加工基板1に、絶縁層11を貫通するビアホール13を形成する。ビアホール13の開口径は、例えば75μmである。
【0013】
ビアホール13の形成には、COパルスレーザ光を用いる。この場合、1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度は20J/cmとすることができる。絶縁層11の厚さが40〜60μmの場合、2〜3ショット程度で一つのビアホール13を形成できる。なお、COレーザ発振器は、エキシマレーザ発振器等の他のレーザ発振器に比べると、装置価格及びランニングコストが安価であるという利点がある。
【0014】
また、ビアホール13の形成には、例えばNd:YAGレーザ発振器から出射されたパルスレーザ光の第3高調波を用いることもできる。この場合、1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度は0.8〜1J/cmとすることができる。絶縁層11の厚さが40〜60μmの場合、50〜80ショット程度で一つのビアホール13を形成できる。
【0015】
図1(A)に示すように、ビアホール13の形成を行なうと、その底面にスミア14が残る。特に、COパルスレーザ光を用いてビアホール13を形成した場合には、高い加工効率が得られる反面、スミア14の量が多くなりやすい。COパルスレーザ光を用いて、厚さ40〜60μmのポリイミドよりなる絶縁層11にビアホール13を形成すると、その底面に例えば2〜4μmの厚さで膜状にスミア14が残る。
【0016】
次いで、スミア14を除去するために、ビアホール13へ複数ショットのパルスレーザ光を、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように照射する。パルスレーザ光としては、UVパルスレーザ光を用いる。UVパルスレーザ光としては、固体レーザの高調波を用いる。詳細には、UVパルスレーザ光としては、Nd:YAGレーザ発振器から出射されたパルスレーザ光の第3高調波を用いる。
【0017】
なお、パルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度は、スミア14を除去するのに充分な大きさとする。また、パルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度は、銅配線パターン12を溶融させるしきい値(3J/cm程度)未満とする。
【0018】
一つの具体例では、Nd:YAGレーザの第3高調波であるUVパルスレーザ光を、ビアホール13へ4ショット照射する。最初の1ショット目の照射面におけるエネルギ密度は1.5J/cmとする。2ショット目〜4ショット目のパルスレーザ光の照射面におけるエネルギ密度は、それよりも小さな0.8J/cmとする。この具体例の場合、スミア14の平均エッチレートは、1μm/ショット程度である。
【0019】
他の具体例では、Nd:YAGレーザの第3高調波であるUVパルスレーザ光を、ビアホール13へ5ショット照射する。最初及び2ショット目のパルスレーザ光の照射面におけるエネルギ密度は1.5J/cmとする。3ショット目〜5ショット目のパルスレーザ光の照射面におけるエネルギ密度は0.8J/cmとする。
【0020】
さらに他の具体例では、Nd:YAGレーザの第3高調波であるUVパルスレーザ光を、ビアホール13へ5ショット照射する。最初の1ショット目〜3ショット目のパルスレーザ光の照射面におけるエネルギ密度は2J/cmとする。4ショット目〜5ショット目のパルスレーザ光の照射面におけるエネルギ密度は0.4J/cmとする。
【0021】
以上により、図1(B)に示すように、ビアホール13の底面からスミア14を除去できる。次いで、図1(C)に示すように、スミア14の除去されたビアホール13の底面及び内壁並びに樹脂層11の表面に、金属層15を形成する。これにより、樹脂層11の表面に、内層の銅配線パターン12と電気的に接続された金属層15を形成できる。
【0022】
以上説明したレーザ加工方法によれば、次のような効果が得られる。スミア14を除去する際には、ビアホール13へ複数ショットのパルスレーザ光を、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように照射するから、その最初の1ショット目のパルスレーザ光によってスミア14の大部分を除去できる。これにより、その後に照射するパルスレーザ光のショット数を少なくできる。従って、スミア14を効率的に除去できる。
【0023】
最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度は、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも小さくするから、ビアホール13へ過剰にパルスレーザ光を照射してしまうのを防止できる。即ち、ビアホール13へ過不足なくパルスレーザ光を照射できる。これにより、銅配線パターン12の損傷を抑えながら、スミア14を残さずに除去できる。
【0024】
アンカー処理された銅の光吸収率は、Nd:YAGレーザの基本波の波長域において10%であるのに対し、その第3高調波の波長域においては75%に向上する。しかも、スミア14の除去において、2ショット目以降のパルスレーザ光をビアホール13に照射するときには、既に前に照射されたパルスレーザ光により銅配線パターン12の温度が上昇している。そこで、Nd:YAGレーザの第3高調波を用いる本実施例では、少なくとも最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度を、最初の1ショット目の照射面におけるエネルギ密度よりも小さな値とすることにより、銅配線パターン12の損傷を抑えることができる。
【0025】
なお、スミア14を除去する工程では、照射するパルスレーザ光のスポット径を、ビアホール13の開口径よりも大きくするのが好ましい。詳細には、各パルスレーザ光のスポット径は、ビアホール13の開口径75μmよりも大きな100μmとする。パルスレーザ光のビームスポットが、ビアホール13の開口を内包する。これにより、ビアホール13の底面のみならず、ビアホール13の開口の周辺部等におけるカーボンその他の残渣も除去できる。但し、この場合は、パルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度は、絶縁層11をアブレーションさせるしきい値未満とする。
【0026】
図2は、実施例によるレーザ加工装置を示す。このレーザ加工装置は、第1のレーザ光源31と第2のレーザ光源36と有する。
【0027】
第1のレーザ光源31は、トリガパルス信号Sに同期して、紫外域の波長を有するパルスレーザ光を出射する。第1のレーザ光源31は、Nd:YAGレーザ発振器等の固体レーザと、非線形光学結晶等の高調波発生器とを含む。第1のレーザ光源31から出射されるパルスレーザ光は、Nd:YAGレーザの第3高調波(波長λ=355nm)である。第1のレーザ光源31から出射するパルスレーザ光がスミアの除去に用いられる。
【0028】
一方、第2のレーザ光源36は、赤外域の波長を有するパルスレーザ光を出射する。第2のレーザ光源36は、COレーザ発振器を用いて構成されている。第2のレーザ光源36から出射するパルスレーザ光がビアホールの形成に用いられる。赤外域の波長を有するパルスレーザ光を用いると、紫外域の波長を有するレーザ光を用いる場合に比べて、ビアホールを効率的に形成できる。
【0029】
第1のレーザ光源31又は第2のレーザ光源36から出射されたパルスレーザ光は、いずれもダイクロイックミラー37に入射する。ダイクロイックミラー37は、第1のレーザ光源31から出射されたパルスレーザ光を透過させ、第2のレーザ光源36から出射されたパルスレーザ光を全反射する。これにより、ダイクロイックミラー37を透過するパルスレーザ光と、ダイクロイックミラー37で全反射されるパルスレーザ光とが同一の光路上を進む。その光路上には、コリメータ32、開口33aを有するマスク33、ガルバノスキャナ34、及びfθレンズ35がこの順に配置されている。
【0030】
コリメータ32は、入射したパルスレーザ光をコリメートする。マスク33は、コリメートされたパルスレーザ光のビーム径を制限する。ガルバノスキャナ34は、ビーム径の制限されたパルスレーザ光を2次元平面内で走査する。fθレンズ35は、走査されたパルスレーザ光を被加工基板1へ集束する。被加工基板1は、XYテーブル2に保持されている。
【0031】
第1のレーザ光源31又は第2のレーザ光源36から出射されたパルスレーザ光は、マスク投影法により、被加工基板1に照射される。即ち、パルスレーザ光Lの照射面には、マスク33の開口33aが結像される。
【0032】
コントローラ4が、第1のレーザ光源31へトリガパルス信号Sを送出する。またコントローラ4は、ガルバノドライバ41を介してガルバノスキャナ34によるパルスレーザ光の走査を制御する。またコントローラ4は、ステージドライバ42を介してXYテーブル2による被加工基板1の保持位置を制御する。
【0033】
図3は、第1のレーザ光源31の出力特性を示す。横軸は、パルスの繰り返し周波数fを[kHz]の単位で表す。縦軸は、パルスレーザ光の1パルス周期内における平均パワーPを表す。平均パワーPがパルス周波数fに依存して変化する。従って、第1のレーザ光源31から出射されるパルスレーザ光の平均パワーPは、そのパルス周波数fを制御することにより、間接的に制御できる。パルス周波数fは、トリガパルス信号Sの周波数に同調する。従って、トリガパルス信号Sの周波数(=f)に基づいて、第1のレーザ光源31から出射されるパルスレーザ光の平均パワーPを制御できる。
【0034】
パルスレーザ光の1パルスあたりのエネルギは、P/fで与えられる。パルスレーザ光の照射面におけるビームスポットの面積はほぼ一定とみなせる。従って、第1のレーザ光源31から出射されるパルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度は、トリガパルス信号Sの周波数(=f)に基づいて制御できる。即ち、コントローラ4では、トリガパルス信号Sの周波数(=f)を変更するだけで、第1の光源31から出射されたパルスレーザ光がビアホール13へ複数ショット照射される際に、それら複数ショットのパルスレーザ光のうち、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度を、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくする制御を容易に行える。
【0035】
以下、具体的に説明する。図3に示すように、パルス周波数fがほぼ5kHzのときに平均パワーPが最大値を示す。パルス周波数fが5kHz以上の範囲では、fが小さい程、平均パワーPが大きくなる。即ち、この範囲では、fが小さい程、パルスレーザ光の1ショットあたりの照射面におけるエネルギ密度が大きくなる。そこで、この範囲では、最初の1ショットのパルスレーザ光を照射する時のトリガパルス信号Sの周波数を、最後の1ショットのパルスレーザ光を照射する時よりも小さくする。これにより、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度を、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくできる。
【0036】
より具体的には、最初の1ショットのパルスレーザ光を照射する時には、コントローラ4がトリガパルス信号Sの周波数を30kHzとすることにより、パルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度を1.5J/cmに設定できる。または、トリガパルス信号Sの周波数を20kHzとすることにより、パルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度を2J/cmに設定できる。
【0037】
一方、最後の1ショットのパルスレーザ光を照射する時には、コントローラ4がトリガパルス信号Sの周波数を70kHzとすることにより、パルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度を0.4J/cmに設定できる。または、トリガパルス信号Sの周波数を50kHzとすることにより、パルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度を0.8J/cmに設定できる。なお、最初の1ショットと最後の1ショットの間では、トリガパルス信号Sの周波数を段階的に変化させることもできる。
【0038】
なお、UVパルスレーザ光を発振するものとしては、気体レーザであるエキシマレーザ等もあるが、本実施例のようにUVパルスレーザ光として固体レーザの2次以上の高調波を用いることにより、その照射面におけるエネルギ密度を、パルス周波数に基づいてより容易に調整できる。
【0039】
また、エキシマレーザでは、1パルスあたりのエネルギがスミア14を除去するには大きすぎる。これに対して、一般に固体レーザの2次以上の高調波は、エキシマレーザよりも、パルスレーザ光Lの1パルスあたりのエネルギが小さいから、スミア14を除去するにあたり、銅配線パターン12への損傷を抑えることができる。
【0040】
また、走査手段としてのガルバノスキャナ34及びfθレンズ35を備える場合には、パルスレーザ光のパルス周波数が、ガルバノスキャナ34の応答よりも高いことが望まれる。固体レーザの2次以上の高調波を用いる場合には、エキシマレーザを用いる場合よりも、パルスレーザ光Lのパルス周波数を高くできる。
【0041】
以上、実施例に沿って説明したが、本発明はこれに限られない。ビアホールの形成及びデスミアの双方にNd:YAGレーザの第3高調波を用いてもよい。その場合には、図2に示されるレーザ加工装置に、第2のレーザ光源36及びダイクロイックミラー37を設けなくてよい。また、ビアホールの形成及びデスミアの双方にNd:YAGレーザの第3高調波であるパルスレーザ光を用いる場合には、ビアホールの形成用に設定するショット数分のパルスレーザ光の1パルスあたりの照射面におけるエネルギ密度が、デスミア用に照射するパルスレーザ光の少なくとも最初の1ショット目の照射面におけるエネルギ密度より小さくなるようにするのが好ましい。これにより、例えばビアホールの形成用に予め設定したショット数未満のショット数で樹脂層が貫通して下地の金属層が露出した場合にも、金属層が露出した後、予め設定したショット数に達するまでの間に照射されるパルスレーザ光によってその金属層がダメージをうけてしまうことを防止できる。
【0042】
また、パルスレーザ光の照射面におけるエネルギ密度の調節は、そのパルス周波数によらずにバリアブルアッテネータ等を用いて行なうこともできる。本発明は、機械加工や露光等の方法により形成されたビアホールのクリーニングにも適用できる。この他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、下地層への損傷を抑えながら、スミアを残さずに除去できる。複数ショットのパルスレーザ光を用いながら、スミアを効率的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例によるレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例によるレーザ加工方法を説明するための被加工基板の断面図である。
【図3】被加工基板の断面図である。
【図4】Nd:YAGレーザの第3高調波の出力特性を例示したグラフである。
【符号の説明】
4 コントローラ(制御手段)
11 樹脂層(絶縁層)
12 銅配線パターン(金属層)
13 ビアホール
14 スミア
31 第1のレーザ光源(パルスレーザ光照射手段)
36 第2のレーザ光源(赤外域レーザ光照射手段)

Claims (6)

  1. (a)金属層上に積層された絶縁層に、該絶縁層を貫通するビアホールを形成する工程と、
    (b)前記工程(a)で形成されたビアホールへ、複数ショットのパルスレーザ光を、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように照射する工程と
    を有するレーザ加工方法。
  2. 前記工程(b)で用いるパルスレーザ光が、固体レーザの2次以上の高次の高調波である請求項1記載のレーザ加工方法。
  3. 前記工程(a)では、赤外域の波長を有するレーザ光を用いて、前記ビアホールを形成する請求項1又は2記載のレーザ加工方法。
  4. 前記工程(b)では、前記工程(a)で形成されたビアホールの開口サイズよりも大きなスポットサイズになる条件で、前記パルスレーザ光を照射する請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  5. 金属層上に積層された絶縁層に形成されたビアホールへ、複数ショットのパルスレーザ光を照射するパルスレーザ光照射手段と、
    前記パルスレーザ光照射手段によって前記ビアホールへ複数ショットのパルスレーザ光が照射されるときに、それら複数ショットのパルスレーザ光のうち、最初の1ショットの照射面におけるエネルギ密度が、最後の1ショットの照射面におけるエネルギ密度よりも大きくなるように、当該レーザ照射手段を制御する制御手段と
    を有するレーザ加工装置。
  6. さらに、前記ビアホールを形成するために前記絶縁層に赤外域の波長を有するレーザ光を照射する赤外域レーザ光照射手段を備える請求項5記載のレーザ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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