JP2005007144A - 生理用ナプキン - Google Patents

Abstract

【課題】 後方フラップ部を面積の広いものにでき、斜め後方への液洩れを防止しやすい生理用ナプキンを得る。
【解決手段】 下着のクロッチ部に巻き付ける折り返しフラップ部４１の後方に後方フラップ部４２が形成されている。後方フラップ部４２は縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙとほぼ平行な側縁４２ａを有しており、また後方フラップ部４２の前方に第１の後方感圧接着剤層５２が設けられ、この第１の後方感圧接着剤層５２は、防漏壁３の後端３０ｂおよび主吸収領域１０の後端部１０ａよりも前方に設けられている。前記第１の後方感圧接着剤層５２で後方フラップ部４２がしっかり固定されるため、防漏壁３０が動き難く、防漏壁３０およびその外側に位置する後方フラップ部４２で斜め後方へのもれを有効に防止できる。
【選択図】 図２

Description

本発明は、就寝時などの着用に適した生理用ナプキンに係り、特に股間部後方から臀部を広く覆う後方フラップ部が設けられた生理用ナプキンに関する。

生理中の女性が就寝時などに着用するのに適した生理用ナプキンとして、縦方向の寸法が長く、前方に横方向両側に突出する折り返しフラップ部が設けられているとともに、後方において横方向両側に突出する後方フラップ部が設けられたものが使用されている。

以下の特許文献１に記載の生理用ナプキンは、折り返しフラップ部の後方に幅寸法が最も狭くなる最狭幅部が形成され、その後方に後方フラップ部が設けられている。前記後方フラップ部は、前記最狭幅部を起点として後方へ向けて徐々に幅寸法が広くなって幅寸法が最も大きい最大幅部に至り、前記最大幅部からナプキンの後縁部に向けて幅寸法が徐々に狭くなる形状である。そして、前記後方フラップ部の縁部の形状は横方向外側に向く突曲線であり、前記最大幅部は、後方フラップ部の縦方向のほぼ中心に位置している。

特許文献１に記載の生理用ナプキンの肌側表面には、縦方向中心線を挟む両側に縦方向に延びるギャザーカフスが設けられている。このギャザーカフスは、縦方向に収縮する弾性収縮力を発揮し、この弾性収縮力により肌側表面から立ち上がり可能とされている。そして、前記ギャザーカフスは、前記折り返しフラップ部に対向する領域から、前記後方フラップ部の前方のほぼ半分に対向する領域まで延びており、ギャザーカフスの後端は、前記最大幅部とほぼ一致した位置にある。

前記特許文献１に記載の生理用ナプキンは、後方フラップ部を設けることで、後方への液洩れの不安を解消するとともに、着用者の肌と生理用ナプキンの肌側表面との隙間に前記ギャザーカフスを位置させることで、さらに液洩れの不安を解消しようとするものである。

次に、以下の特許文献２に記載の生理用ナプキンは、本体部の前方部分に、横方向の両側方へ突出する前方ウイング部が設けられ、その後方には、横方向へ突出する広い面積の後方寄りウイング部が設けられている。前記後方寄りウイング部には、前方ウイング部の側方に並ぶ位置まで延びる折り返し用部が設けられている。

特許文献２に記載の生理用ナプキンを着用するときには、前方ウイング部を、下着のクロッチ部の外面に向けて折り畳んで、この前方ウイング部を下着のクロッチ部の外面に接着する。そして、前記後方寄りウイング部を下着の後身頃の下部に設置するとともに、前記折り返し用部を下着の脚開口部から突出させて下着の外面に向けて折畳み、折り返し用部を下着の後身頃の外面に接着して固定する。そして、下着とともに前記生理用ナプキンを着用できるようにしている。
特開２００１−９５８４２号 特開２００２−３３０９９２号

特許文献１に記載のような縦寸法の長い生理用ナプキンを身体に着用した状態では、前方ウイングの縦方向の中心部分で肌側表面が経血の排出部である膣口に当てられ、前方ウイングの後方部分から最狭幅部付近が肛門に対向する。また、後方フラップ部が下着の後身頃の下部にて広がった状態となり、身体の臀部の表面形状に応じて湾曲させられる。そして、後方ウイング部が肛門に対向する部分よりもさらに後方に設けられることによって、後方ウイング部の縁が、下着の脚開口部から突出しないようになっている。

しかし、前記特許文献１に記載の生理用ナプキンの後方フラップ部は、その全体にわたって縁の形状が突曲線であり、後方フラップ部の最大幅部は後方フラップ部の縦方向のほぼ中心であって、折り返しフラップ部から後方へかなり離れた位置にある。そして、後方フラップ部の幅寸法は、折り返しフラップ部の後方の最狭幅部から前記最大幅部に向けて徐々に大きくなる形状である。

そのため、後方フラップ部の前方部分の面積が小さくなり、この前方部分に下着に接着するための感圧接着剤層を配置することができず、また配置したとしても十分に固定力を発揮できるように感圧接着剤層の面積を確保することが困難である。このような事情から、従来の生理用ナプキンでは、感圧接着剤層を、後方フラップ部の縦方向の中央部分にしか配置できていないのが現状であった。

ところが生理用ナプキンを身体に着用したときには、下着の緊迫力により、生理用ナプキンの中央部分から後方部分が身体の肛門から臀部の溝内に入り込もうとするため、このときの液吸収層の変形により後方フラップ部の前方部分が下着から浮き上がりやすく、さらには液吸収層の変形に伴って、後方フラップ部の前方部分が臀部の溝に向けて引き付けられやすくなる。

このように後方フラップの前方部分が自由に動いてしまうと、その内側に位置するギャザーカフスが縦方向中心線に向けて接近しやすくなり、両側のギャザーカフスで挟まれた部分での肌側表面の面積が実質的に狭くなる。さらに、ギャザーカフスが内側に倒れ込んだ場合には、肌側表面の露出面積がさらに狭くなってしまう。そのために、身体の肛門から臀部へ向けて流れようとする経血が肌側表面のみで受け止められずにギャザーカフスに直接に接触し、さらにギャザーカフスを越えた経血が、非常に小さい面積である後方フラップ部の前方部分に移行しやすくなるため、経血はこの前方部分を越えて下着に直接に接触しやすくなる。

また、就寝時に身体が仰向けになると、生理用ナプキンの後方部分が臀部により押し付けられて平坦な状態となり、後方フラップ部の前記前方部分で挟まれた箇所に折り曲げ力が集中してこの部分が身体から離れやすくなる。よって、この部分ではギャザーカフスの立ち上がり寸法を大きくすることが必要になる。しかし、前述のようにこの部分は、両側に位置している後方フラップの前方部分が自由に動きやすくなっているため、ギャザーカフスが中央に寄りやすく、さらには立ち上がり寸法の大きいギャザーカフスが肌側表面を覆うように倒れやすくなる。その結果、前記のように、経血が後方フラップ部の前方部分を越えて下着に到達しやすくなる。

次に、特許文献２に記載の生理用ナプキンは、前方ウイング部を下着のクロッチ部の外面に固定するとともに、後方寄りウイング部の前方部分である折り返し用部を下着の後身頃の外面に固定するものである。そのため、この生理用ナプキンを身体に着用するときには、４つの部分をそれぞれ下着の外面に接着剤層を介して固定するというきわめて複雑な手順は必要となり、トイレットなどにおいて装着するのに手間がかかりすぎる。

また、一対の前方ウイング部と、一対の折り返し用の合計４つの部分を下着の外へ出して下着の外面に固定するものであるため、この生理用ナプキンを下着の股間部に正確に位置合わせさせて固定するのは難しく、また、一度固定してしまうと、その位置を動かして着用位置を変更するためには、４つの部分を下着から剥がして再度固定するというきわめて手間がかかる操作が必要となる。

本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、後方ウイング部の前方部分を下着にしっかり固定できるようにし、また防漏壁に液が接触した場合に、この液が外方へ洩れ出るのを防止できるようにした生理用ナプキンを提供することを目的としている。

本発明は、肌側表面と着衣側表面を有し、前記肌側表面に与えられた液を吸収する液吸収層と、前記着衣側表面に現れる裏面シートとを備えた縦長の本体部を有する生理用ナプキンにおいて、
前記本体部には、縦方向の所定長さの範囲で横方向の両側に突出する折り返しフラップ部と、前記折り返しフラップ部の着衣側表面に設けられて前記折り返しフラップ部の着衣側表面を下着のクロッチ布の外面に接着する前方感圧接着剤層と、前記折り返しフラップ部よりも後方に位置して横方向の両側に突出しその着衣側表面が広げられた状態で下着の内面に設置される後方フラップ部と、前記後方フラップ部の着衣側表面に設けられて前記後方フラップ部の着衣側表面を下着の内面に接着する後方感圧接着剤層とが設けられ、
前記後方フラップ部は、縦方向の長さ寸法が、前記折り返しフラップ部よりも大きく、
前記本体部の肌側表面には、縦方向中心線から横方向の両側に間隔を開けた位置で縦方向に延びる防漏壁が設けられ、それぞれの前記防漏壁は、その前端と後端が前記肌側表面に固定されているとともに、前記前端と前記後端を互いに接近させる弾性収縮力を発揮して前記肌側表面から立ち上がり可能とされており、
前記後方感圧接着剤層が、前記防漏壁の後端よりも前方の領域に設けられていることを特徴とするものである。

本発明の生理用ナプキンは、後方フラップ部の縦方向の長さ寸法（さらに好ましくは縦方向中心線からの半幅寸法）が折り返しフラップ部よりも大きく広い面積を有するものとなっている。そして、広い面積を有する後方フラップ部のうちの前記防漏壁の後端部よりも前方に位置している領域が、後方感圧接着剤層により下着の内面にしっかり固定される。よって、肌側表面が臀部の溝内に入り込むなどして液吸収層が変形しても、後方フラップ部の前方領域が下着から浮き上がることなく、両側の防漏壁の間隔が狭められることがない。よって、身体を後方へ伝わる経血を肌側表面で受け止めやすくなり、また防漏壁に経血が直接に接触しても、その両側に広い面積の後方フラップ部が存在しているため、経血の斜め後方への液洩れなどが生じにくくなる。

そのために、本発明では、前記後方感圧接着剤層の前端部が、前記防漏壁の後端よりも１０ｍｍ以上前方に位置していることが好ましい。

後方感圧接着剤層の前端部が防漏壁の後端よりも十分前方に位置することにより、後方フラップ部の前方部分が下着の内面にしっかり固定された状態で、防漏壁がその間隔を保てるようになる。

また、本発明は、前記折り返しフラップ部よりも後方には、縦方向中心線から縁部までの横方向の半幅寸法が極小となる部分から後方へ向けて大きくなり始める起点が設けられ、前記後方フラップ部は、前記起点から後方に向かうにしたがって前記半幅寸法が徐々に広くなる前方拡開部と、前記縦方向中心線と平行な縁あるいは縦方向中心線と平行な仮想平行線に対して横方向に±５ｍｍの範囲で変動する縁を有する中間部と、前記半幅寸法が本体部の後縁部に向けて徐々に小さくなる後方収束部とを有しており、前記前方拡開部と前記中間部との境界である前方境界点が、前記防漏壁の後端よりも前方に位置しているものである。

また、前記前方境界点が、前記防漏壁の後端よりも３０ｍｍ以上前方に位置していることが好ましい。

その結果、後方フラップ部の中間部の縁が、防漏壁の後端よりも前方まで延びることになり、防漏壁の後方部分の側方に、幅の広い前記中間部が位置することになる。よって、防漏壁の両側に位置する後方フラップ部を広い面積の接着剤層を介して下着の内面に確実に固定できる。また防漏壁に直接に接触した経血などが後方フラップ部に至ったとしても、この経血の外部へのもれを十分に阻止できるようになる。

また、本発明は、前記起点から本体部の後縁部までの縦方向の長さ寸法をＬ０とし、前記前方境界点から前記中間部と前記後方収束部との境界である後方境界点までの縦方向の長さ寸法をＬ１としたときに、Ｌ１／Ｌ０が１／３以上であることが好ましい。
この場合に、前記Ｌ１が、６０ｍｍ以上で２００ｍｍ以下であることが好ましい。

後方フラップ部の中間部での縦方向中心線と平行な縁、または仮想平行線から±５ｍｍの位置にある縁が前記Ｌ１の長さを有することにより、横方向への突出面積が大きい後方フラップ部を形成でき、後方フラップによる横漏れ防止効果を高めることができる。

また、本発明は、前記起点を通り且つ後方フラップ部の縁の接線となる線を仮想接線Ｌｆとしたときに、縦方向に対する前記仮想接線Ｌｆの角度は３０度以上で４５度以下である。

前記角度θが、３０度以上で４５度以下であると、後方フラップ部の前方拡開部の縁が身体の大腿部の表面に沿いやすく、また前記縁が下着の脚開口部から突出し難くなる。しかも、中間部の前記縁の長さＬ１を長く設定しやすくなる。

また、本発明では、前記防漏壁の立ち上がり基端から前記前方境界点までの横方向の幅寸法、および前記立ち上がり基端から前記後方境界点までの横方向の幅寸法Ｗ０が、共に３０ｍｍ以上で７０ｍｍ以下である。

Ｗ０が前記範囲であると、横方向へ突出する後方フラップ部の中間部の面積を十分に広くできるようになる。

また、折り返しフラップを縦方向に二分する横方向基準線から前記前方境界点までの縦方向の長さ寸法が８０ｍｍ以上で１５０ｍｍ以下であることが好ましい。

また本発明は、本体部の肌側表面には、防漏壁で挟まれている領域に、圧縮溝で囲まれた縦長の主吸収領域が設けられており、前記前方境界点は、前記主吸収領域の後端部よりも３０ｍｍ以上前方に位置しているものである。

後方フラップ部の平行なまたはほぼ平行な縁を有する中間部が、主吸収領域の後端部よりも前方に延びていることにより、主吸収領域から側方へ洩れようとする液があっても前記後方フラップで横漏れを防止しやすくなる。

また、本発明は、前記後方フラップ部の着衣側表面には、前記後方感圧接着剤層と、この後方感圧接着剤層よりも後方に離れて位置する第２の後方感圧接着剤層とが設けられ、前記後方感圧接着剤層の前端部は、前記前方境界点よりも前方に位置し、第２の後方感圧接着剤層の後端部は、前記後方境界点よりも後方に位置しているものである。

この構成により、後方フラップは、前後において下着の内面にしっかり固定されるようになる。

さらに、本発明は、それぞれの後方フラップ部を本体部の肌側表面に重なるように折り曲げ、さらに前記前方境界点と後方境界点の中点を通り横方向に延びる折り曲げ境界線を介して本体部を肌側表面が内側に向くように折り曲げたときに、前記折り曲げ境界線上には感圧接着剤層が設けられておらず、且つ折り曲げたときに前記後方感圧接着剤層と第２の後方感圧接着剤層とが対面することが好ましい。

このように構成すると、使用後の廃棄時に、後方感圧接着剤層と第２の後方感圧接着剤層とを接着させて折畳み状態を維持できるようになり、コンパクトに折り畳んだ状態で、容易に折畳み状態が開くことなく、廃棄できる。

また、本発明は、前記後方フラップ部は、縦方向中心線から縁部までの横方向の半幅寸法が前方よりも後方において大きく、後方フラップ部を縦方向に二分する位置よりも後方において前記半幅寸法が最大となるものであってもよい。

この場合に、前記半幅寸法が最大となる位置からナプキン後縁部までの縦方向の長さ寸法をＬｅ、後方フラップ部の縦方向の長さ寸法をＬ０としたときに、Ｌｅ／Ｌ０が１／５以下であることが好ましい。

さらに、前記後方フラップ部の着衣側表面には、前記後方感圧接着剤層と、この後方感圧接着剤層よりも後方に離れて位置する第２の後方感圧接着剤層とが設けられており、縦方向中心線から前記後方感圧接着剤層までの距離よりも、縦方向中心線から前記第２の後方感圧接着剤層までの距離が長いものとして構成できる。

このように、後方フラップ部の最大幅部がナプキンの後縁部の近傍に位置していると、着用時にナプキンの後縁部をそれぞれ斜め上方へ引き上げることにより、後方フラップ部が下着の後身頃に広く展開した状態で、位置ずれすることなく設置することができる。

以上のように本発明では、後方フラップ部を広い面積にして下着の内面にしっかり固定できるようになり、防漏壁が接近するような液吸収層の変形を防止でき、液の横漏れ防止効果を高くできるようになる。

図１は本発明の第１の実施の形態の生理用ナプキンを、前縁部を手前側に向けて示した斜視図、図２は前記生理用ナプキンを、前縁部を紙面にて上方に向けて示した平面図、図３は図２のＩＩＩ矢視の横断面図、図４は図２のＩＶ矢視の横断面図、図５は、前記生理用ナプキンの後方フラップ部の形状を示す部分拡大平面図である。

この実施の形態の生理用ナプキン１は、肌側表面２ａおよび着衣側表面２ｂを有する縦長の本体部２と、この本体部２の肌側表面２ａから立ち上がり可能な一対の防漏壁３０，３０を有している。

図２は図１に示す生理用ナプキン１を湾曲させずに平坦となるように展開した平面図である。図２に示す縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙは、生理用ナプキン１の前縁部１ａと後縁部１ｂの中心を横切る線であり、この生理用ナプキン１は、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに対して左右対称形状である。図２に示す横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘは、前記縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと直交する。この生理用ナプキン１は、肌側表面２ａが女性の股間部に向けられ、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘとが交叉する部分およびその周辺が、女性の膣口に対向するように着用される。

図３と図４に示すように、前記本体部２の肌側表面２ａでは、前記防漏壁３０と防漏壁３０とで挟まれた領域に液透過性の表面シート３が現れ、それぞれの防漏壁３０の外側には側方シート４が現れている。この実施の形態では、前記側方シート４によって前記防漏壁３０が形成されている。また本体部２の着衣側表面２ｂには液遮断性の裏面シート５が現れている。

本体部２の前記防漏壁３０と防漏壁３０とで挟まれた領域では、前記表面シート３と裏面シート５との間に、液吸収層６が介在している。図２に示すように、液吸収層６はほぼ長方形状である。液吸収層６の前縁部６ａは、生理用ナプキン１の前縁部１ａよりもやや内側に位置し、液吸収層６の後縁部６ｂは、生理用ナプキン１の後縁部１ｂよりもやや内側に位置している。図３に示すように、液吸収層６の左右の両側縁部６ｃ，６ｃは、それぞれの防漏壁３０の立ち上がり基端３１よりも内側に位置している。

肌側表面２ａでは、防漏壁３０と防漏壁３０とで挟まれた領域に、表面シート３および液吸収層６が圧縮されて形成された圧縮溝が設けられている。図２に示すように、前記圧縮溝は、縦方向に湾曲しながら延びる縦圧縮溝１１，１１と、前方において前記縦圧縮溝１１と１１との間に位置する前方横圧縮溝１２と、後方において縦圧縮溝１１と１１とを繋ぐ後方横圧縮溝１３を有している。

そして、前記縦圧縮溝１１，１１と前方横圧縮溝１２および後方横圧縮溝１３とで囲まれた領域が、縦長の主吸収領域１０となっている。この主吸収領域１０は、前方主吸収領域１０Ａと中間主吸収領域１０Ｂと後方主吸収領域１０Ｄに区分できる。

前方主吸収領域１０Ａでは、左右の縦圧縮溝１１，１１が縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに凸側が向けられる曲線形状であり、前記横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘにおいて縦圧縮溝１１と１１との間隔が最も狭くなっている。中間主吸収領域１０Ｂでは、縦圧縮溝１１と１１が縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙから離れる方向へ凸側が向けられる曲線形状であり、中間主吸収領域１０Ｂは横方向両側へ広がる形状である。また後方主吸収領域１０Ｄでは、縦圧縮溝１１と１１との間隔が、前記中間主吸収領域１０Ｂよりも狭く縦方向へ細長く形成されている。

図３に示すように、前記主吸収領域１０では、表面シート３と液吸収層６との間に、嵩高で液吸収層６よりも低密度の液透過層（クッション層）７が介在している。その結果、図１に示すように、前記主吸収領域１０の表面は、その周辺領域に比べて隆起した盛り上がり部を形成している。

図２に示すように、前方横圧縮溝１２の前方には、前方外側圧縮溝１４が形成されており、この前方外側圧縮溝１４は、左右の前記縦圧縮溝１１，１１と連続し、前方に凸側が向けられる曲線形状となっている。前記前方横圧縮溝１２と前方外側圧縮溝１４と囲まれた部分が前方補助吸収領域１５である。

前記後方横圧縮溝１３の後方には、後方外側圧縮溝１６が形成されている。縦圧縮溝１１，１１と前記後方横圧縮溝１３および後方外側圧縮溝１６は繋がっており、後方横圧縮溝１３と後方外側圧縮溝１６は、共に後方に凸側が向けられる曲線形状である。そして、前記後方横圧縮溝１３と後方外側圧縮溝１６とで囲まれた部分が後方補助吸収領域１７となっている。

前記前方主吸収領域１０Ａの左右両側では、縦圧縮溝１１，１１の外側に間隔を空けて第１の側方外側圧縮溝２１，２１が形成されている。この第１の側方外側圧縮溝２１，２１も、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに凸側が向けられる曲線形状であり、横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘにおいてその間隔が最短となっている。

さらに、後方主吸収領域１０Ｄの左右両外側では、前記縦圧縮溝１１，１１に横方向へ間隔を空けて、第２の側方外側圧縮溝２２，２２が形成されている。この第２の側方外側圧縮溝２２，２２は縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙとほぼ平行で縦方向に向けて延びており、また、中間主吸収領域１０Ｂと後方主吸収領域１０Ｄとの境界部から後方に向けて延び、その後端は、後方外側圧縮溝１６よりもさらに後方に位置している。

前記各圧縮溝は、表面シート３側から、この表面シート３と液吸収層６とを一緒に加熱して加圧することにより形成されている。各圧縮部の底部では、高密度に圧縮された高密度圧縮部とこれよりもやや密度が低い中密度圧縮部とが、圧縮部の線パターンに沿って交互に形成され、全体が窪んだ溝形状となっている。ただし前記それぞれの圧縮溝は、所定の密度に圧縮されたドット状のものが前記各圧縮溝の線パターンに沿って所定の間隔で形成されていてもよい。

図３と図４に示すように、前記側方シート４の一方の縁部４ａは、裏面シート５の外縁に一致している。この側方シート４は前記裏面シート５の表面に接着されて縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに向かって延び、さらに折畳み頂部４ｂを介して２枚重ねに折り曲げられている。そして側方シート４の他方の縁部４ｃは、前記表面シート３の表面に重ねられ、立ち上がり基端３１と前記縁部４ｃとの間で、側方シート４が表面シート３に接着されている。

側方シート４が２枚重ねされた部分はホットメルト型接着剤により対向面どうしが接着されており、また前記対向面の間には複数の弾性部材３２と、同じく複数の弾性部材３３が挟まれて接着されている。それぞれの弾性部材３２と３３は、肌側表面２ａから立ち上がる防漏壁３０の長さ以上の範囲において縦方向に延びて設けられている。前記弾性部材３２と３３は、縦方向に所定の倍率で伸ばされた状態で前記側方シート４に接着されている。

図２に示すように、後方接合端部３６から後縁部１ｂまでの範囲Ｌｂでは、前記側方シート４の２枚重ねの部分が、さらに図４に示すように３重に折り畳まれて、互いに接着され、さらに表面シート３上に接着固定されて、重ね固定部３７が形成されている。また前方接合端部３５から前縁部１ａの範囲Ｌｃにおいても、同様に側方シート４が重ねられて肌側表面２ａにおいて表面シート３上に接着固定されて、図４と同様の重ね固定部３７が形成されている。

前記前方接合端部３５と後方接合端部３６は、縦方向と横方向の双方に対して斜めに延びており、この前方接合端部３５と後方接合端部３６との間において、２枚重ねとされた前記側方シート４が図３に示すように肌側表面２ａから立ち上がり可能な防漏壁３０を形成している。そして、前方接合端部３５の前縁部１ａに近い側の端が防漏壁３０の前端３０ａであり、後方接合端部３６の後縁部１ｂに近い側の端が防漏壁３０の後端３０ｂとなっている。この防漏壁３０の縦方向の長さは、前記前端３００ａから後端３０ｂまでの寸法Ｌａである。

すなわち、前記前端３０ａと後端３０ｂとの間には、前記弾性部材３２，３３による弾性収縮力が作用し、その結果、前端３０ａと後端３０ｂを互いに接近させる弾性力が作用して、本体部２が図１に示すように湾曲形状となり、前端３０ａと後端３０ｂとの間において防漏壁３０が肌側表面２ａから立ち上がる。

重ね固定部３７において側方シート４が図４に示すように３重に重ねられて接着固定されている結果、前記防漏壁３０の断面形状は、図３に示すように、立ち上がり基端３１から横方向外側に向けて上方に斜めに延びる下部傾斜部３０Ａと、前記下部傾斜部３０Ａの上端から縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに向けて上方へ斜めに延びる中間傾斜部３０Ｂ、およびこの中間傾斜部３０Ｂから横方向外側に向けて上方へ斜めに延びる肌当接部３０Ｄが形成されている。

生理用ナプキン１の両側縁部の形状について説明する。
前記横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘを中心として縦方向に所定寸法の範囲では、横方向外側へ突出する折り返しフラップ部４１が形成されている。この折り返しフラップ部４１よりも後方には、同じく横方向外側へ突出する後方フラップ部４２が形成されており、前記折り返しフラップ部４１の前方には、横方向外側へ突出する前方フラップ部４３が形成されている。この生理用ナプキン１は縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに対して左右対称形状であり、左右のフラップ部の形状も対称である。

図５は、各フラップ部の形状を拡大して示している。
ここでは、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙから生理用ナプキン１の縁部までの横方向の距離を半幅寸法と呼ぶ。

縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙから折り返しフラップ部４１の側縁４１ａまでの半幅寸法は、横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘの位置で最も大きくなり、最大の半幅寸法をＷａで示している。前記側縁４１ａは縦方向の所定の範囲において、前記半幅寸法がほぼ一定であり、前記側縁４１ａは前記縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙとほぼ平行である。折り返しフラップ部４１と前方フラップ部４３との間には、半幅寸法が極小値Ｗｂとなる第１の最狭幅部が設けられている。この第１の最狭幅部での縁が第１の起点４４となり、折り返しフラップ部４１の前方縁４１ｂは、前記第１の起点４４から後方に向けて半幅寸法が徐々に大きくなるように曲線を描いて、前記側縁４１ａに連続している。

また、生理用ナプキン１の縁は、前記第１の起点４４から前方へ向けて前記半幅寸法が徐々に大きくなって、その縁の形状が横方向外側へ向けて突曲線となって前記前方フラップ部４３が形成されている。

折り返しフラップ部４１と後方フラップ部４２との間には、半幅寸法が極小値Ｗｃとなる第２の最狭幅部が設けられ、この第２の最狭幅部での縁が第２の起点４５となっている。前記折り返しフラップ部４１の後方縁４１ｃは、その半幅寸法が、前記側縁４１ａから後方に向かうにしたがって徐々に狭くなる形状である。

前記後方フラップ部４２は、前記第２の起点４５から生理用ナプキンの後縁部１ｂまでの範囲で形成されている。この後方フラップ部４２は、中間部４２Ａと前方拡開部４２Ｂおよび後方収束部４２Ｄとに区分できる。

前記中間部４１Ａでは、縦方向の寸法がＬ１の範囲で前記半幅寸法がほぼ一定であり、この範囲で中間部４１Ａの側縁４２ａは縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに対して平行あるいはほぼ平行である。

ここで、本明細書においては、側縁４２ａが次のような形状であっても、側縁４２ａは縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに対してほぼ平行である。すなわち、前記長さＬ１の範囲において、前記半幅寸法が一定で縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと平行な仮想平行線Ｌｈを設定したときに、前記側縁４２ａが前記仮想平行線Ｌｈに対して横方向に±５ｍｍ（さらに好ましくは±３ｍｍ）の範囲で変動している場合も前記の「ほぼ平行」に該当する。

図５に示す実施の形態のように、前記側縁４２ａが外側に向けて突曲線形状である場合には、側縁４２ａは前記仮想平行線Ｌｈよりも外側にプラス５ｍｍの範囲に位置しているものとなる。また、側縁４２ａの形状が、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙから離れる方向への突曲線と縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに向かう凹曲線とを有して側縁４２ａが波形状である場合や、側縁４２ａがジグザク形状である場合などでは、側縁４２ａは前記仮想平行線Ｌｈに対して外側へプラス５ｍｍ（好ましくは３ｍｍ）の範囲内で、内側へマイナス５ｍｍ（好ましくは３ｍｍ）の範囲内に位置しているものとなる。

後方フラップ部４２は、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと平行に延びる側縁４２ａの前端が前方境界点４６であり、後端が後方境界点４７である。側縁４２ａが前記仮想平行線Ｌｈと一致していない場合には、前記仮想平行線Ｌｈと縁部との前方の交点が前方境界点４６であり、後方の交点が後方境界点４７である。

前記第２の起点４５から前記前方境界点４６までの範囲が前記前方拡開部４２Ｂであり、この前方拡開部４２Ｂの縁４２ｂは、前記第２の起点４５から半幅寸法が徐々に大きくなって前記前方境界点４６に至る湾曲線形状である。

また、後方フラップ部４２の後方収束部４２Ｄの縁４２ｃは、前記半幅寸法が前記後方境界点４７から後縁部１ｂにかけて徐々に小さくなっており、前記縁４２ｃは、斜め後方外側に凸側が向けられた突曲線形状である。この後方収束部４２Ｄの縁４２ｃの曲率半径は、前方拡開部４２Ｂの縁４２ｂの曲率半径よりも小さい。

この実施の形態の後方フラップ部４２は、側縁４２ａが縦方向の長さＬ１の範囲で、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと平行またはほぼ平行であるため、半幅寸法を過剰に大きくすることなく、しかも面積を広く確保できるようになっている。以下、各部の好ましい寸法および各部の寸法の関係を説明する。

折り返しフラップ部４１の前方に位置する第１の起点４４での半幅寸法Ｗｂと、折り返しフラップ部４１の後方に位置する第２の起点４５での半幅寸法Ｗｃはほぼ一致している。

前記第２の起点４５を通り、且つ後方フラップ部４２の縁の接線となる線を仮想接線Ｌｆとしたときに、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと前記仮想接線Ｌｆとの成す角度θは３０度以上で４５度以下が好ましい。また、前方に位置する第１の起点４４を通り、且つ前方フラップ部４３の縁の接線となる仮想接線を同様に設定したときも、この仮想接線と縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙの成す角度は３０度以上で４５度以下の範囲が好ましい。前記仮想接線の角度が前記範囲であると、横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘを下着のクロッチ部の前後の中心で、前記横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘが膣の中心に一致するように生理用ナプキン１を着用したときに、後方フラップ部４２の前方拡開部４２Ｂの縁４２ｂおよび、前方フラップ部４３の側縁４３ａが下着の脚開口部に沿うようになり、前記縁４２ｂおよび側縁４３ａが脚開口部から大きくはみ出すのを防止できる。

また、横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘから前方境界点４６までの縦方向の距離Ｌ２は、８０ｍｍ以上で１５０ｍｍ以下が好ましい。このように距離Ｌ２を設定し、且つ前記角度θを前記範囲に設定することにより、後方フラップ部４２が下着の前記脚開口部から突出しにくく、しかも側縁４２ａの縦方向の長さ寸法Ｌ１を可能な限り長くできる。

後方フラップ部４２は、第２の起点４５から後縁部１ｃまでの縦方向の長さ寸法Ｌｏを有しているが、この長さ寸法Ｌ０は、折り返しフラップ部４１の縦方向の長さ寸法すなわち第１の起点４４から第２の起点４５までの縦方向の長さ寸法Ｌ３の２倍以上である。また、後方フラップ部４２の半幅寸法の最大値Ｗｄは、折り返しフラップ部４１の半幅寸法の最大値Ｗａと同じかまたはそれよりも大きい。

また、防漏壁３０の立ち上がり基端３１から、前方境界点４６および後方境界点４７までの間隔、すなわち立ち上がり基端３１から前記仮想平行線Ｌｈまでの横方向の間隔Ｗ０は、３０ｍｍ以上で７０ｍｍ以下である。ここで、一方の防漏壁３０の立ち上がり基端３１と他方の防漏壁３０の立ち上がり基端３１との距離は６０ｍｍ以上で１２０ｍｍ以下が好ましい。前記範囲よりも短いと、経血を受ける面積が狭くなりすぎ、前記範囲を越えると、生理用ナプキン１の幅寸法が広くなりすぎる。よって、前方境界点４６および後方境界点４７での半幅寸法、すなわち前記仮想平行線Ｌｈでの半幅寸法は、６０ｍｍ以上で１３０ｍｍ以下である。

前記後方フラップ部４２の中間部４２Ａの、前方境界点４６から後方境界点４７までの縦方向の長さ寸法Ｌ１は、前記第２の起点４５から後縁部１ｂまでの長さ寸法Ｌ０の１／３以上であり、好ましくは１／２以上である。前記Ｌ１は６０ｍｍ以上で２００ｍｍ以下であることが好ましい。前記間隔Ｗ０および前記前記Ｌ１が前記の範囲内であると、幅寸法がほぼ一定である中間部４２Ａが縦方向に長く延びる形状となり、後方フラップ部４２の突出幅寸法を過大にしなくても、後方フラップ部４２の面積を広くできる。

前記前方境界点４６は、前記防漏壁３０の後端３０ｂよりも前方に位置し、好ましくは前記前方境界点４６から前記後端３０ｂまでの縦方向の距離が３０ｍｍ以上となっている。さらに、前記防漏壁３０の後端３０ｂは、前記主吸収領域１０の後端部１０ａに対して縦方向において±１０ｍｍの範囲に位置していることが好ましく、防漏壁３０の後端３０ｂが、主吸収領域１０の後端部１０ａと縦方向において同じ位置にあるか、または後方に位置していることがさらに好ましい。そして、前記前方境界点４６は、主吸収領域１０の後端部１０ａよりも３０ｍｍ以上前方に位置していることが好ましい。

また、前記防漏壁３０を横方向の外側へ最大限広げて肌側表面に重ねたときに、この防漏壁３０が、前記前方境界点４６を越えて横方向の外方へ突出しないように、防漏壁３０の幅寸法が決められている。

前記構成により、後方主吸収領域１０Ｄへ拡散した経血は、第１に縦圧縮溝１１の高密度部分に吸収されて、側方への拡散が阻止され、第２に後方主吸収領域１０Ｄの側方に位置する防漏壁３０により横方向外方への洩れが防止される。第３に、後方主吸収領域１０Ｄの側方に位置する防漏壁３０に直接に経血が付着し、この防漏壁３０が横方向外側に向けて倒れることがあっても、後方フラップ部４２の幅寸法の広い中間部４２Ａが存在しているため、この経血が下着に付着するのを防止しやすい。

生理用ナプキン１の着衣側表面２ｂでは、折り返しフラップ部４１に延びる裏面シート５の表面に、前方感圧接着剤層５１が設けられている。この前方感圧接着剤層５１は、矩形状のパターンであり、横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘを中心として縦方向の前後に所定の長さの範囲で設けられている。

また着衣側表面２ｂでは、後方フラップ部４２に延びる裏面シート５の表面に、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３が設けられている。第１の後方感圧接着剤層５２は、前方拡開部４２Ｂから中間部４２Ａにかけて設けられている。第２の後方感圧接着剤層５３は、中間部４２Ａから後方収束部４２Ｄにかけて設けられ、第２の後方感圧接着剤層５３の後端部５３ａは、後方境界点４７よりも後方に位置している。あるいは第２の後方感圧接着剤層５３が、後方収束部４２Ｄのみに設けられてもよい。

そして、第１の後方感圧接着剤層５２の面積は、第２の後方感圧接着剤層５３よりも大きく、面積比が１．２倍以上である。

第１の後方感圧接着剤層５２の面積が広いことにより、防漏壁３０の外側において、後方フラップ部４２の前方部分を下着の内面にしっかり固定することができる。また第２の後方感圧接着剤層５３は、防漏壁３０の後端部３５ｂよりも後方において後方フラップ部４２を下着の内面に軽く止めるだけの接着力を発揮できる大きさであれば十分である。

第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３とを前後に分離しているため、後方フラップ部４２を下着の内面に接着する際に後方フラップ４２の前後を押さえればよくなり、生理用ナプキン１の下着への取り付けが容易になる。また、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３との合計の面積が過大にならないため、後方フラップ部４２が下着の内面に必要以上に強く接着されるのを防止でき取り外しも容易になる。

第１の後方感圧接着剤層５２は、少なくとも一部が、防漏壁３０の後端３０ｂよりも前方に設けられ、好ましくは、第１の後方感圧接着剤層５２の前端部５２ａが、前記後端３０ｂよりも１０ｍｍ以上前方に位置し、さらに好ましくは２０ｍｍ以上前方に位置している。図５に示すのが最も好ましい態様であり、第１の後方感圧接着剤層５２は、その全体が前記後端３０ｂよりも前方に位置している。また、第１の後方感圧接着剤層５２は主吸収領域１０の後端部１０ａよりも縦方向の前方に位置している。

そして、図６に示すように、両側の後方フラップ部４２，４２を肌側表面に重なるように折り曲げ、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３とが肌側に向いた状態で、中間部４２Ａの長さＬ１を前後に二等分する横方向に延びる折曲線で折り曲げたときに、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３とが対面できるようになっている。

さらに、図２に示すように、生理用ナプキン１の着衣側表面２ｂでは、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙを挟んで左右両側に、縦方向に延びる中央感圧接着剤層５４，５４が設けられている。この中央感圧接着剤層５４，５４は、防漏壁３０の立ち上がり基端３１よりも内側で、且つ液吸収層６が設けられている領域に形成されている。また中央感圧接着剤層５４，５４は、主吸収領域１０の縦方向の全長に位置し、主吸収領域１０の前端部１０ｂよりも前方まで延び、且つ主吸収領域１０の後端部１０ａよりも後方まで延びている。

図２および図３と図４に示すように、折り返しフラップ部４１では、前記裏面シート５と側方シート４との間に補強シート５６が介在されて裏面シート５および側方シート４に接着固定されている。同様に、後方フラップ部４２においても、裏面シート５と側方シート４との間に補強シート５７が介在して、裏面シート５および側方シート４に接着固定されている。

折り返しフラップ部４１が補強シート５６で補強されていることにより、下着のクロッチ部の外側に折り返された状態で、縒れることなく確実にクロッチ部の外面に接着固定される。また、後方フラップ部４２が展開された状態で縒れることなく、下着の内面に固定されるようになる。

前記補強シート５６と５７は同じ材質で同じ厚さであってもよいし、異なる材質で異なる厚さに形成してもよい。特に、後方フラップ部４２に位置する補強シート５７を液吸収保持能力のあるシートで形成すると、側方シート４と裏面シート５との間を滲み出ようとする経血を前記補強シート５７で保持できる。

この生理用ナプキン１の裏面シート５と補強シート５６あるいは補強シート５７および側方シート４と同じ素材を重ねて同じ接着剤で接着固定したものを６５×６５ｍｍのサンプルとし、カトーテック株式会社製の「自動化純曲げ試験機：ＫＥＳＦＢ２」で２つの面のそれぞれの方向へ最大が±２．５ｃｍ^-1の曲率となるように曲げたときの、幅１ｃｍ当たりの曲げ剛性は０．１〜１．５ｍＮ・ｃｍ²／ｃｍの範囲が好ましく、曲げ回復性は０．０３〜１．５ｍＮ・ｃｍ／ｃｍの範囲であることが好ましい。

前記曲げ剛性は、サンプルの１ｃｍ幅当たりの曲げモーメントを前記最大曲率で微分した値であり、曲げ回復性は、一方の面に向けて前記最大曲率となるように曲げたときの曲げモーメントと、他方の面に向けて同じく最大曲率となるように曲げたときの曲げモーメントとのヒステリシス曲線での前記曲げモーメントの差で求められる。

前記範囲であると、折り返しフラップ部４１と後方フラップ部４２が縒れることがなく、また硬すぎることがないため、身体に違和感を与えることがない。

次に生理用ナプキン１を形成する各素材の好ましい例を説明する。
表面シート３は液透過性であり、エアースルー不織布、スパンレース不織布、あるいは多数の液透過孔が形成された樹脂フィルムなどで形成される。裏面シート５は液遮断性の樹脂フィルムであり、通気性のものなどを使用できる。

液吸収層６はパルプの積層体や、パルプと高吸収性ポリマーとの積層体、あるいはパルプのみまたはパルプとレーヨンなどをエアーレイド法で積層し、接着剤で繊維間を固定したエアーレイド不織布などで形成される。液透過層７は三次元骨格を有し、嵩高な不織布であり、例えばエアースルー不織布や、パルプと合成繊維をエアーレイド法で積層して接着剤で固定したエアースルー不織布などで形成される。

次に、側方シート４は液遮断性であり、撥水処理されているものが好ましく使用される。側方シート４は、メルトブローン不織布やスパンボンド不織布、あるいはスパンボンド不織布／メルトブローン不織布／スパンボンド不織布の積層不織布などを使用できる。

側方シート４は、防漏壁３０を形成し、しかも肌側表面２ａにおいて、左右の防漏壁３０の外側に現れるものであるため、肌との間である程度の摩擦力を発揮するものが好ましい。摩擦力を発揮することにより、後方フラップ部４２が肌との間で滑りにくく、後方主吸収領域１０Ｄが臀部の溝に入るように変形したときに、後方フラップ部４２が縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙに向かって接近するような変形が起こりにくくなる。

防漏壁３０および後方フラップ部４２と肌との密着性が良く、また肌に違和感を与えないためには、カトーテック株式会社製の「自動化表面試験機：ＫＥＳＳＢ４」で測定した平均表面摩擦係数が０．２〜０．７の範囲であることが好ましい。

このような表面摩擦係数を有する側方シートとして、エチレンαオレフィン共重合体樹脂で形成されたメルトブローン不織布を側方シート４として使用し、あるいは、側方シート４の表面に、タッキファイヤー成分を野座置いたゴム系ホットメルト粘着剤を塗布してもよい。

次に、補強シート５６，５７は、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、紙材などで形成される。特に、後方フラップ部４２に位置する補強シート５７に液の吸収保持能力を発揮させるためには、この補強シート５７は、パルプシート、湿式抄紙されてクレープ加工された吸収性紙、パルプをエアレイド方式で積層して接着剤でパルプを接着したエアレイドパルプ、あるいは、パルプと熱可塑性合成繊維をエアレイド方式で積層し接着剤で繊維間を接着したエアレイド不織布などで形成される。

また感圧接着剤層５１，５２，５３，５４はゴム系のホットメルト型接着剤などで形成される。

この生理用ナプキン１は、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと横方向基準線Ｏｘ−Ｏｘとの交点付近が女性の膣の中心に一致するように着用される。その状態で、折り返しフラップ部４１を下着の脚開口部からクロッチ部の外側に折り返し、折り返しフラップ部４１，４１に設けられた前方感圧接着剤層５１，５１を下着のクロッチ部の外面に接着する。また、中央感圧接着剤層５４により生理用ナプキン１の着衣側表面２ｂの中央部分が、下着のクロッチ部から後身頃の下部までの内面に接着される。

さらに、後方フラップ部４２は、下着の後身頃の下部内面において展開された状態で、その着衣側表面が、第１の後方感圧接着剤層５２および第２の後方感圧接着剤層５３によって下着の内面に接着固定される。

この生理用ナプキン１は、防漏壁３０の縦方向の弾性収縮力によって、図１に示すように、肌側表面２ａが窪むように変形し、防漏壁３０が肌側表面２ａから立ち上がるように変形する。

着用状態では、前方主吸収領域１０Ａの縦方向での中央部分、すなわち縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙと横方向中心線Ｏｘ−Ｏｘとの交叉部分およびその周辺が女性の膣口に当接し、前方主吸収領域１０Ａと中間主吸収領域１０Ｂとの中間部分が会陰部に対向し、中間主吸収領域１０Ｂの前方部分が肛門に対向する。そして中間主吸収領域１０Ｂから後方主吸収領域１０Ｄにかけて、肛門から臀部の溝に沿うようになり、後方主吸収領域１０Ｄの後方部分、すなわち主吸収領域１０の後端部１０ａよりも前方に５〜２０ｍｍ程度の範囲が尾てい骨に対向する。

この生理用ナプキン１は、後方フラップ部４２の中間部４２Ａが、ほぼ一定の幅寸法で前後にＬ１の長さで延びているため、後方主吸収領域１０Ｄの縦方向長さの５０％以上の範囲で、その側方に前記中間部４２Ａが配置されていることになる。すなわち、後方主吸収領域１０Ｄの側方には防漏壁３０が存在していると共にその外側に前記中間部４２Ａが存在しているため、肌側表面２ａに沿って後方へ流れ、あるいは身体の肌を伝わって後方へ流れようとする経血を、前記防漏壁３０と中間部４２Ａとで確実に防御でき、経血が後方フラップ部４２から外方へ洩れて下着を汚す確率を低減できる。

また、後方主吸収領域１０Ｄの側方において、後方フラップ部４２には中間部４２Ａから前方拡開部４２Ｂにかけて第１の後方感圧接着剤層５２が設けられている。この第１の後方感圧接着剤層５２は、好ましくは４００〜１０００ｃｍ²の面積を有して下着の内面に接着されるため、後方フラップ部４２は、中間部４２Ａから前方拡開部４２Ｂにかけて下着の内面にしっかり固定される。しかも、防漏壁３０の後端３０ｂよりも前方において、前記後方フラップ部４２がしっかり固定されることになる。

中間主吸収領域１０Ｂから後方主吸収領域１０Ｄは肛門から臀部の溝に対向し、下着の緊迫力により前記領域は臀部の溝内に入り込むように変形しようとする。よって前記領域において液吸収層６は身体に向けて凸状に変形し、液吸収層６には、その幅寸法が縮ませようとする力が作用する。しかし、後方フラップ部４２の前方部分が第１の後方感圧接着剤層５２により下着にしっかり固定されているため、液吸収層６の幅寸法が過剰に収縮する変形が生じ難くなる。そして、第１の後方感圧接着剤層５２の内側に位置して立体状態となっている防漏壁３０の立ち上がり基端３１が臀部の溝に向けて接近するような変形が起こりにくく、また液吸収層３０が横方向へ収縮して防漏壁３０が後方主吸収領域１０Ｄの表面に広い面積を覆うように倒れるのを防止できる。

膣口から排出される経血は主に前方主吸収領域１０Ａにおいて、表面シート３を透過し液透過層７を透過して液吸収層６に吸収される。しかし、表面シート３の表面を流れるなどして後方へ移動する経血が存在したとしても、後方主吸収領域１０Ｄが十分な面積を有してこの経血を捉えることができる。また就寝時などに身体を後方に伝わった経血が直接に防漏壁３０に接触しても、その外側には幅寸法の広い後方フラップ部４２の中間部４２Ａが存在しているため、この経血が後方フラップ部４２から外側へ洩れ出て下着を汚すのを防止しやすくなる。

また、仰向けの姿勢で就寝しているときは、中間主吸収領域１０Ｂよりも後方部分が臀部で押されて、この部分が平坦になり、股間部に密着している前方主吸収領域１０Ａと前記平坦な部分との境界である中間主吸収領域１０Ｂまたはそれよりも前方部分で、生理用ナプキン１が折れ曲がり、その折れ曲がり境界部分で身体との間に隙間が形成されやすくなる。しかし、前記のように防漏壁３０は中央部へ寄りにくく立体形状を維持しやすくなっているため、立体形状を維持する防漏壁３０によって前記隙間を塞ぐことができるようになる。

この場合、身体を伝わって後方へ流れようとする経血が、立体状態の防漏壁３０に直接に接触することがあるが、もし防漏壁３０を越えて図５に示す矢印（ｉ）に沿って斜め後方へ流れようとする経血が存在していても、その流れ方向には幅広の後方フラップ部４２の中間部４２Ａが存在しているため、この経血が下着の内面までに到達しにくくなる。以上から、図５において矢印（ｉ）で示す方向、すなわち斜め後方への経血の洩れを防止しにくくなる。

図６は、前記生理用ナプキン１を個別に包装する包装体を形成する一例を示している。
生理用ナプキン１は、着衣側表面２ｂが包装シート６１に対面するように設置される。このとき、着衣側表面２ｂに設けられている中央感圧接着剤層５４，５４は離型シートに覆われ、この離型シートが包装シート６１に固着されている。あるいは、包装シート６１の表面が離型処理されており、中央感圧接着剤層５４，５４が直接に包装シート６１に接着されていてもよい。

生理用ナプキン１は、それぞれの折り返しフラップ部４１が肌側表面２ａに重なるように折り返されて前方感圧接着剤層５１が外面に露出し、またそれぞれの後方フラップ部４２も肌側表面２ａに重なるように折り返されて、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３が外面に露出している。

そして、長方形の１枚の離型シート６２によって、前記前方感圧接着剤層５１、第１の後方感圧接着剤層５２および第２の後方感圧接着剤層５３が覆われている。この離型シート６２は包装シート６１と接着されていることなく分離している。

さらに、生理用ナプキン１と包装シート６１が、折り境界線Ｌｘ１によって肌側表面２ａが内側に向くように折り畳まれ、次に折り境界線Ｌｘ２で肌側表面２ａが内側に向くように折り畳まれ、さらに折り境界線Ｌｘ３によって折り畳まれる。そして包装シート６１の前端から延びるリードテープ６３が包装シート６１の外面に接着される。また包装シート６１に両側縁部６１ａ，６１ａに沿って熱シールなどが行われて、包装シート６１どうしが接合されて個別包装体が形成される。

前記折り境界線Ｌｘ１は、第１の後方感圧接着剤層５２を通過しないように、それよりも前方に位置していることが好ましく、同様に前記折り境界線Ｌｘ１も、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３との間で、且つ両後方感圧接着剤層５２と５３のいずれをも通過しない位置に形成されていることが好ましい。また前記折り境界線Ｌｘ３も、前方感圧接着剤層５１を通過しないように、それよりも前方に位置していることが好ましい。感圧接着剤層に折り境界線が形成されないようにすると、包装状態で感圧接着剤層の部分に折り癖が付くのを防止でき、開封した後に、感圧接着剤層を有する部分が折り癖部分で折れて貼り付きやすくなるのを防止できる。

また、前記折り境界線Ｌｘ２は、第２の起点４５と前方境界点４６との間、すなわち前方拡開部４２Ｂを通過しないように、第２の起点４５よりも前方に位置することが好ましい。もし前記折り境界線Ｌｘ２が、第２の起点４５と前方境界点４６との間に位置する場合には、前記折り境界線Ｌｘ２は、第２の起点４５と前方境界点４６との中点よりも第２の起点４５に寄った側に配置されていることが好ましい。

前記のように構成することで、包装状態で前方拡開部４２Ｂに極端な折り癖が形成されず、開封時に前方拡開部４２Ｂを平坦な状態に展開しやすくなる。よって、後方フラップ部４２を、下着の内側で折れ曲がったり皺が形成されないように展開して設置しやすくなる。

この生理用ナプキン１を使用するときには、包装シート６１および生理用ナプキン１を図６に示すように展開する。そして包装シート６１を生理用ナプキン１の着衣側表面２ｂから剥がすと、生理用ナプキン１は折り返しフラップ部４１と後方フラップ部４２が折り曲げられて離型シート６２でその折り曲げ状態が維持された状態となる。そのまま中央感圧接着剤層５４，５４により下着のクロッチ部から後身頃にかけての内面に接着し、その後に離型シート６２を剥がして、折り返しフラップ部４１を下着のクロッチ部の外面に折り返して接着する。また後方フラップ部４２は平面状態に展開した後に、前方と後方を押さえつけるだけで、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３とで下着の後身頃の内面に確実に接着できるようになる。

次に、使用後の生理用ナプキンを廃棄するときには、まず後方フラップ部４２，４２を着衣側表面２ａに向けて折り返し、その後に前方境界点４６と後方境界点４７の中点（長さＬ１の平行部分の中点）を目安にして折り返すと、第１の後方感圧接着剤層５２と第２の後方感圧接着剤層５３とが対面してお互いに接着され、その状態を維持できるようになる。さらに折り返しフラップ部４１を肌側表面２ａに向けて折り返し、図６に示す折り境界線Ｌｘ２の付近で折り畳むと、前方感圧接着剤層５１が裏面シート５に接着される。よって使用後の生理用ナプキン１をコンパクトに畳むことができ、しかも畳んだ状態を維持できるため、廃棄が容易である。

図７は本発明の第２の実施の形態の生理用ナプキン１Ａを示す平面図である。
この生理用ナプキン１Ａは、図２に示す生理用ナプキン１とほとんどの構造が同じであり、相違しているのは肌側表面２ａに設けられた圧縮溝の形状の一部のみである。

相違部分のみを説明すると、図７では、後方横圧縮溝１３の後方に位置している後方外側圧縮溝１６Ａが、その両側に位置している第２の外側縦圧縮溝２２Ａ，２２Ａとを繋ぐように形成されているだけである。その他の構造および寸法のこの好ましい範囲、ならびに寸法の好ましい関係等は、生理用ナプキン１と同じである。

図８は本発明の第３の実施の形態の生理用ナプキン１０１を示す平面図である。この生理用ナプキン１０１は、前記第１の実施の形態の生理用ナプキン１と後方フラップ部１４２の形状が相違している。以下では、生理用ナプキン１０１の構造および形状のうちの主に前記第１の実施の形態の生理用ナプキン１と相違する部分を説明する。以下において説明を省略する部分の構造および形状ならびに寸法関係等は、前記第１の実施の形態の生理用ナプキン１と同じである。よって生理用ナプキン１と同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。

この生理用ナプキン１０１の後方フラップ部１４２は、第２の起点１４５から、ナプキンの後縁部１ｂに向けて半幅寸法が徐々に大きくなり、後方フラップ部１４２の側縁１４２ａが、比較的大きな曲率半径で且つ外側に凸側が向けられる湾曲線形状となっている。

後方フラップ部１４２の後方には、曲率半径が小さくなる境界点１４７が設けられており、この境界点１４７に、半幅寸法が最大値Ｗｅとなる最大幅部が位置している。境界点１４７での半幅寸法Ｗｅは、折り返しフラップ部４１の半幅寸法の最大値Ｗａと同じかそれ以上である。

後方フラップ部１４２は、前記境界点１４７から後方に向けて半幅寸法が急激に減少する後縁１４２ｂを有している。図８に示す実施の形態では、前記後縁１４２ｂが、ナプキンの後縁部１ｂの延長線上にあり、後縁部１ｂと後縁１４２ｂはほぼ同じ曲率の突曲線形状となっている。

この生理用ナプキン１０１では、後方フラップ部１４２において最大幅部となる境界点１４７が後縁１ｂに近い位置にあり、境界点１４７からナプキンの後縁部１ｂまでの縦方向の長さ寸法Ｌｅが、後方フラップ部１４２の縦方向の長さ寸法Ｌ０の１／３以下であり、好ましくは１／５以下である。

後方フラップ部１４２の着衣側表面では、前方に第１の後方感圧接着剤層１５２が設けられ、この第１の後方感圧接着剤層１５２は、防漏壁３０の後端３０ｂよりも前方に位置している。後方フラップ部１４２の着衣側表面では、前記第１の後方感圧接着剤層１５２よりも後方に第２の後方感圧接着剤層１５３が設けられている。

第２の後方感圧接着剤層１５３は、境界点１４７に近い位置にあり、第２の後方感圧接着剤層１５３は、第１の後方感圧接着剤層１５２よりも縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙから離れた位置にある。すなわち、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙから第２の後方感圧接着剤層１５３の内縁１５３ａまでの距離は、縦方向中心線Ｏｙ−Ｏｙから第１の感圧接着剤層１５２の内面１５２ａまでの距離よりも長くなっている。

なお、この生理用ナプキン１０１では、縦圧縮溝１１，１１、前方横圧縮溝１２および後方横圧縮溝１３の形状が、図２に示す第１の実施の形態と少し相違しているが、その機能は同じである。

図９は、前記生理用ナプキン１０１が下着７１と共に身体７０に装着された状態を、身体７０の臀部側から示す説明図である。

この生理用ナプキン１０１は、後方フラップ部１４２の縁部の半幅寸法が後縁１ｂに向かうにしたがって徐々に大きくなり、後縁部１ｂの付近に最大幅部を有している。すなわち、後方フラップ部１４２は下着７１の後身頃の内面で広く展開し、境界点１４７が下着のウエスト部の近い位置にある。

生理用ナプキン１０１を下着７１に固定して下着７１を着用するときに、２つの前記境界点１４７が下着７１のウエスト部に近い位置にあるため、２つの境界点１４７をウエスト部に向けて且つ左右両側に向けて容易に引き上げることができる。この引き上げにより、後方フラップ部１４２が後身頃において十分に展開された状態で身体７０に装着することができる。

また、第２の後方感圧接着剤層１５３が、境界点１４７の近傍に位置しているので、後方フラップ部１４２の最大幅部の付近を下着７１にしっかり固定することができる。よって、生理用ナプキン１０１の後方フラップ部１４２は、下着７１の後身頃において、縒れたりめくれたりせずに安定して設置される。

後方フラップ部１４２の前方に位置する第１の感圧接着剤層１５２は、防漏壁３０の後端３０ｂよりも前方に位置しているため、防漏壁３０およびその内側に位置する後方主吸収領域１０Ｄを、臀部の溝に対向する位置で安定させることができる。また、仰向け姿勢の就寝時などにおいては、生理用ナプキン１０１の後方へ移行しようとする経血を幅広の後方フラップ部１４２によって受けることができ、外部への経血の洩れを防止しやすい。

図１０、図１１、図１２は、前記第２の実施の形態の変形例を示すものであり、着衣側表面から見た底面図である。ただし中央感圧接着剤層５４の図示は省略している。

図１０と図１１に示す生理用ナプキン１０１Ａと１０１Ｂは、共に後方フラップ部１４２Ａ，１４２Ｂの縁部が波打ち形状または段階的に幅寸法が大きくなる形状である。また後方フラップ部の最大幅部となる境界点１４７が後縁部１ｂに近い位置にある。

図１２に示す生理用ｓナプキン１０１Ｃでは、後方フラップ部１４２Ｃの最大幅部となる境界点１４７が後縁部１ｂよりもさらに後方に位置している。したがって、この生理用ナプキン１０１Ｃを下着の内側に設置したときに、境界点１４７をウエスト部に向けて斜め上方へ持上げやすくなる。

本発明の第１の実施の形態の生理用ナプキンを示す斜視図、 第１の実施の形態の生理用ナプキンの平面図、 図２のＩＩＩ線矢視の部分断面図、 図２のＩＶ線矢視の部分断面図、 フラップ部の形状を示す部分拡大平面図、 生理用ナプキンを個別包装する例を示す平面図、 本発明の第２の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、 本発明の第３の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、 前記第３の実施の形態の生理用ナプキンが身体に装着された状態を示す背面図、 第３の実施の形態の生理用ナプキンの変形例を示す底面図、 第３の実施の形態の生理用ナプキンの変形例を示す底面図、 第３の実施の形態の生理用ナプキンの変形例を示す底面図、

符号の説明

１，１Ａ，１０１，１０１Ａ，１０１Ｂ，１０１Ｃ 生理用ナプキン
２ 本体部
２ａ 肌側表面
２ｂ 着衣側表面
３ 表面シート
４ 側方シート
５ 裏面シート
６ 液吸収層
７ 液透過層
１０ 主吸収領域
１０Ａ 前方主吸収領域
１０Ｂ 中間主吸収領域
１０Ｄ 後方主吸収領域
１０ａ 主吸収領域の後端
３０ 防漏壁
３０ａ 防漏壁の前端
３０ｂ 防漏壁の後端
４１ 折り返しフラップ部
４５ 第２の境界点
４２，１４２，１４２Ａ，１４２Ｂ，１４２Ｃ 後方フラップ部
４２Ａ 中間部
４２Ｂ 前方拡開部
４２Ｄ 後方収束部
４２ａ 側縁
５１ 前方感圧接着剤層
５２，１５２ 第１の後方感圧接着剤層
５３，１５３ 第２の後方感圧接着剤層

Claims (15)

1. 肌側表面と着衣側表面を有し、前記肌側表面に与えられた液を吸収する液吸収層と、前記着衣側表面に現れる裏面シートとを備えた縦長の本体部を有する生理用ナプキンにおいて、
   前記本体部には、縦方向の所定長さの範囲で横方向の両側に突出する折り返しフラップ部と、前記折り返しフラップ部の着衣側表面に設けられて前記折り返しフラップ部の着衣側表面を下着のクロッチ布の外面に接着する前方感圧接着剤層と、前記折り返しフラップ部よりも後方に位置して横方向の両側に突出しその着衣側表面が広げられた状態で下着の内面に設置される後方フラップ部と、前記後方フラップ部の着衣側表面に設けられて前記後方フラップ部の着衣側表面を下着の内面に接着する後方感圧接着剤層とが設けられ、
   前記後方フラップ部は、縦方向の長さ寸法が、前記折り返しフラップ部よりも大きく、
   前記本体部の肌側表面には、縦方向中心線から横方向の両側に間隔を開けた位置で縦方向に延びる防漏壁が設けられ、それぞれの前記防漏壁は、その前端と後端が前記肌側表面に固定されているとともに、前記前端と前記後端を互いに接近させる弾性収縮力を発揮して前記肌側表面から立ち上がり可能とされており、
   前記後方感圧接着剤層が、前記防漏壁の後端よりも前方の領域に設けられていることを特徴とする生理用ナプキン。
2. 前記後方感圧接着剤層の前端部が、前記防漏壁の後端よりも１０ｍｍ以上前方に位置している請求項１記載の生理用ナプキン。
3. 前記折り返しフラップ部よりも後方には、縦方向中心線から縁部までの横方向の半幅寸法が極小となる部分から後方へ向けて大きくなり始める起点が設けられ、前記後方フラップ部は、前記起点から後方に向かうにしたがって前記半幅寸法が徐々に広くなる前方拡開部と、前記縦方向中心線と平行な縁あるいは縦方向中心線と平行な仮想平行線に対して横方向に±５ｍｍの範囲で変動する縁を有する中間部と、前記半幅寸法が本体部の後縁部に向けて徐々に小さくなる後方収束部とを有しており、前記前方拡開部と前記中間部との境界である前方境界点が、前記防漏壁の後端よりも前方に位置している請求項１または２記載の生理用ナプキン。
4. 前記前方境界点が、前記防漏壁の後端よりも３０ｍｍ以上前方に位置している請求項３記載の生理用ナプキン。
5. 前記起点から本体部の後縁部までの縦方向の長さ寸法をＬ０とし、前記前方境界点から前記中間部と前記後方収束部との境界である後方境界点までの縦方向の長さ寸法をＬ１としたときに、Ｌ１／Ｌ０が１／３以上である請求項３または４記載の生理用ナプキン。
6. 前記Ｌ１が、６０ｍｍ以上で２００ｍｍ以下である請求項５記載の生理用ナプキン。
7. 前記起点を通り且つ後方フラップ部の縁の接線となる線を仮想接線Ｌｆとしたときに、縦方向に対する前記仮想接線Ｌｆの角度は３０度以上で４５度以下である請求項３ないし６のいずれかに記載の生理用ナプキン。
8. 前記防漏壁の立ち上がり基端から前記前方境界点までの横方向の幅寸法、および前記立ち上がり基端から前記後方境界点までの横方向の幅寸法Ｗ０が、共に３０ｍｍ以上で７０ｍｍ以下である請求項３ないし７のいずれかに記載の生理用ナプキン。
9. 折り返しフラップを縦方向に二分する横方向基準線から前記前方境界点までの縦方向の長さ寸法が８０ｍｍ以上で１５０ｍｍ以下である請求項３ないし８のいずれかに記載の生理用ナプキン。
10. 本体部の肌側表面には、防漏壁で挟まれている領域に、圧縮溝で囲まれた縦長の主吸収領域が設けられており、前記前方境界点は、前記主吸収領域の後端部よりも３０ｍｍ以上前方に位置している請求項３ないし９のいずれかに記載の生理用ナプキン。
11. 前記後方フラップ部の着衣側表面には、前記後方感圧接着剤層と、この後方感圧接着剤層よりも後方に離れて位置する第２の後方感圧接着剤層とが設けられ、前記後方感圧接着剤層の前端部は、前記前方境界点よりも前方に位置し、第２の後方感圧接着剤層の後端部は、前記後方境界点よりも後方に位置している請求項３ないし１０のいずれかに記載の生理用ナプキン。
12. それぞれの後方フラップ部を本体部の肌側表面に重なるように折り曲げ、さらに前記前方境界点と後方境界点の中点を通り横方向に延びる折り曲げ境界線を介して本体部を肌側表面が内側に向くように折り曲げたときに、前記折り曲げ境界線上には感圧接着剤層が設けられておらず、且つ折り曲げたときに前記後方感圧接着剤層と第２の後方感圧接着剤層とが対面する請求項１１記載の生理用ナプキン。
13. 前記後方フラップ部は、縦方向中心線から縁部までの横方向の半幅寸法が前方よりも後方において大きく、後方フラップ部を縦方向に二分する位置よりも後方において前記半幅寸法が最大となる請求項１または２記載の生理用ナプキン。
14. 前記半幅寸法が最大となる位置からナプキン後縁部までの縦方向の長さ寸法をＬｅ、後方フラップ部の縦方向の長さ寸法をＬ０としたときに、Ｌｅ／Ｌ０が１／５以下である請求項１３記載の生理用ナプキン。
15. 前記後方フラップ部の着衣側表面には、前記後方感圧接着剤層と、この後方感圧接着剤層よりも後方に離れて位置する第２の後方感圧接着剤層とが設けられており、縦方向中心線から前記後方感圧接着剤層までの距離よりも、縦方向中心線から前記第２の後方感圧接着剤層までの距離が長い請求項１３または１４記載の生理用ナプキン。

Images