JP2005006598A - 貝育成用人工砂およびその製造方法 - Google Patents

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安幸 山口
Korehito Honda
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Abstract

【課題】ごみ固形燃料の活用の場を新たに開拓する。
【解決手段】高炉水砕スラグを主成分とし、この高炉水砕スラグに、乾留して得られる炭化物、酸化鉄源およびバインダーを混合する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二枚貝等の貝を育成するのに適した人工砂およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物、いわゆるごみから可燃ごみを選別して回収したのち、このごみを破砕、乾燥そして成形して固形燃料とする、ごみの処理および利用技術が、種々開発されている。例えば、このような技術として、特許文献1、特許文献2および特許文献3などを挙げることができる。
【0003】
すなわち、都市ごみ、家庭ごみ、産業廃棄物および一般廃棄物などのごみを、破砕した後、ごみ中の水分を減少するために乾燥を行い、金属、ガラスおよび陶器類等を除去する選別を経て、所定の形状、例えばクレヨン形状などに成形し、固形燃料とするものである。
【0004】
このごみ固形燃料は、各種施設の冷暖房用の熱源として、また発電用の燃料として、利用されているが、その利用に当っては、ごみ固形燃料に適した設備の新設や、既存設備の改修などの、設備投資が必要となる.一方で、日々発生するごみの量は増加の一途を辿っており、これに比例して、ごみ固形燃料を増産することが、環境保全の観点から望まれている。
【0005】
しかしながら、上記のように、ごみ固形燃料を活用するための設備が十分に用意されているとはいえない現状にあって、ごみ固形燃料を単に増産しても無意味である。
【0006】
そこで、発明者らは、ごみ固形燃料の活用の場を新たに開拓して、その消費を促進する手段について模索した結果、特に環境保全の立場から、ごみ固形燃料から作製した人工砂について提案するに到った(特許文献4参照)。これは、ごみ固形燃料を炭素質材とし、さらに適当な形状を与えるとともに、嵩比重を調整することによって、汚水の浄化材として機能させ得ることの知見に基づく技術である。
【0007】
【特許文献1】
特許第2865541号公報
【特許文献2】
特許第2981399号公報
【特許文献3】
特開平8−86569号公報
【特許文献4】
特開2002−96084号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の技術的背景の下、特許文献4での提案と同様の観点、すなわちごみ固形燃料の活用の場を新たに開拓することが、この発明の課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、前記した人工砂の開発に当って、特定の材料とごみ固形燃料の炭素質材との組み合わせについて種々の検討を行った。そして、ここで検討されたごみ固形燃料の炭素質材と特定の材料との組み合わせに基づいて、各々の適用用途を模索したところ、ある組み合わせから成る材料が二枚貝等の貝の育成に適していることを見出し、この発明を完成するに到った。すなわち、貝の育成および貝の浮遊幼生の着地が可能である、二枚貝等の貝育成用人工砂およびその製造方法を提供するに到ったのである。
【0010】
この発明の要旨は、次の通りである。
(1)高炉水砕スラグを主成分とし、この高炉水砕スラグに、乾留して得られる炭化物、酸化鉄源およびバインダーを混合して成ることを特徴とする貝育成用人工砂。
ここで、上記酸化鉄源とは、酸化鉄、水酸化鉄、鉄鉱石および砂鉄等の鉄化合物を指す。また、バインダーとしては、消石灰もしくは軽焼マグネシウムと溶性りん酸肥料とを混合したものを用いることができる。
【0011】
(2)上記(1)において、炭化物の含有量が10〜30mass%であることを特徴とする貝育成用人工砂。
【0012】
(3)上記(1)または(2)において、高炉水砕スラグは、破砕による針状部分を摩滅処理にて除去したものであることを特徴とする貝育成用人工砂。
【0013】
(4)上記(1)、(2)または(3)において、乾留して得られる炭化物は、ごみの破砕、乾燥および成形を経て所定の形状に加工された、ごみ固形燃料を、乾留して得られる炭素質粉末であることを特徴とする貝育成用人工砂。
【0014】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、径が0.5〜10mmの粒状もしくは塊状であることを特徴とする貝育成用人工砂。
【0015】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかにおいて、貝育成用人工砂は、その使用環境に応じた嵩比重を有することを特徴とする貝育成用人工砂。
【0016】
(7)破砕処理した高炉水砕スラグと、乾留して得られる炭化物と、酸化鉄源とを混合処理した後、バインダーおよび造粒水を添加して造粒成形を行った後、乾燥固化することを特徴とする貝育成用人工砂の製造方法。
【0017】
(8)上記(7)において、貝育成用人工砂の使用環境に応じて、酸化鉄源の混合量を変化させて嵩比重を調整することを特徴とする貝育成用人工砂の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を詳細に説明する。
この発明の貝育成用人工砂は、例えば高炉セメントコンクリート用砂として利用されていた、高炉水砕スラグを主成分とし、これに乾留して得られる炭化物、酸化鉄源およびバインダーを混合して成る。
【0019】
まず、主成分となる高炉水砕スラグは、溶融高炉滓に重量比で5〜20倍の高圧水で冷却を加え、破砕と急冷を施して製造した、SiO主体の成分であり、天然の砂と構成上は大差がない。一方、乾留して得られる炭化物は、生物親和性に富み、その表面に生物膜を形成し易く、また汚水の浄化にも有効である、特質を有する。従って、高炉水砕スラグを主成分として、ここに乾留して得られる炭化物を混合することによって、人工砂(高炉水砕スラグ)に、生物親和性に富み、その表面に生物膜を形成し易く、また汚水の浄化にも有効である、という特性を付与することができる。
【0020】
かような特性を付与された人工砂は、貝の育成および貝の浮遊幼生の着地に極めて有利なものとなる。すなわち、この発明に従う人工砂表面には多数の微生物が生息するようになり、この微生物を捕食する為に、浮遊幼生が集まって着地するようになる。又、高炉水砕スラグは、ヘドロから発生するHSを吸着する機能を有することから、幼貝の成長にも良い環境を形成する。
【0021】
以上の炭化物による効果を得るには、人工砂に10mass%以上の炭化物が含まれていることが好ましい。しかし、炭化物量が30mass%を超えると、簡単に造粒ができないため、バインダー量を増やす必要があり、その結果人工砂は高アルカリ性となり、微生物の生息数が減少することから、30mass%以下とすることが好ましい。
【0022】
さらに、高炉水砕スラグおよび炭化物に、酸化鉄源およびバインダーを混合して、所望の嵩比重、そしてある程度の大きさおよび重量を付与して、粒状または塊状に成形した人工砂とする。酸化鉄源およびバインダーの添加量は、貝養殖を行う自然環境に応じた粒度や比重とするために、適宜に調整すればよい。上記した炭化物とともに酸化鉄源およびバインダーを添加した残部は、勿論、高炉水砕スラグである。
【0023】
なお、主成分となる高炉水砕スラグは、溶融状態の高炉滓を水で急冷して得られるものであり、かような製造履歴を持つ高炉水砕スラグは、針状のものが混在している。従って、これを砂の代替品として使用する場合は、針状の部分が皮膚に刺さり皮膚に刺激を与える。しかし、これを一旦粉砕処理にかけると、高炉水砕スラグが磨滅される結果、この刺激はなくなり、天然砂と同等に扱うことができる。すなわち、粉砕処理を施すと、針状の部分は高炉水砕スラグから破砕除去されるのである。一方、高炉水砕スラグにおいて、この破砕部分は微粉となって混在するため、風などで発塵を生じる不利をまねく。
【0024】
発明者等は、この微粉の混在する高炉水砕スラグに、乾留して得られる炭化物を添加、混合したとき、針状の部分は炭化物とともに造粒され、発塵発生がなくなることに着目して、この高炉水砕スラグと炭化物の組み合わせからなる人工砂の開発に成功したものである。
【0025】
次に、この発明の人工砂の製造方法を、以下に述べる。
まず、高炉水砕スラグ、炭化物および酸化鉄源を造粒器に投入する。これを混合し、3者の混合が終了した段階にて、造粒水およびバインダーを添加して造粒を行う。この造粒は0.5 mmから10mmの範囲であれば、貝の養殖上の問題はない。この粒度範囲は、天然海砂の粒度構成に模したものである。
【0026】
さらに、前記高炉水砕スラグ、炭化物、酸化鉄源の配合量は、炭化物を10〜30mass%の含有で貝養殖を行う自然環境に応じて比重調整を行うものであり、周囲の環境中の自然砂、小石などと比重を同じにして、流出、偏在などを避けるようにすれば、本発明になる貝育成用人工砂は周囲に馴染んだ状態で使用することができる。高炉水砕スラグは嵩比重:2.3〜2.6および比重約3であり、酸化鉄源は嵩比重:4〜5および比重約5〜7である。
【0027】
ここで、使用するバインダーは、炭素質粉末の粒子相互間に介在して粒子を結合させる働きを有するものであり、粒子相互間の空隙を埋めることによって結合を果たす種類が好ましい。すなわち、この種バインダーを用いると、該バインダーを介して結合された炭素質粉末の集合体、つまり人工砂は、空孔率が高くなる結果、露出面積が増加するため、生物親和性が損なわれず、また高い浄化能力が得られる。
【0028】
この種のバインダーとしては、セメント、石膏、粘土および土壌硬化剤等の消石灰がある。とりわけ、貝育成用人工砂のバインダーとして好適なものは、消石灰、および軽焼マグネシウムと溶性りん酸肥料とを混合したもの(農業工業研究所製商品名マグホワイト)を利用できる。この土壌改良剤は、弱アルカリ性であり、りん酸肥料としての作用も兼備するため、植物の繁殖に好都合である。また、高炉水砕スラグ微粉末はそれ自体自硬性を有しており、バインダー使用量の削減にもつながり、安価な製造に好適である。
【0029】
逆に、バインダーとして働く際に、炭素質粉末の粒子を膜状に包む如く作用する種類は不適である。すなわち、人工砂としては、炭素質粉末が表面に産出している必要があるが、炭素質粉末がバインダーで覆われてしまうと、炭素質粉末の産出面積が減少し、本来の機能が発揮されなくなる。この種のバインダーとしては、水ガラスや樹脂があり、その使用を避けることが好ましい。
【0030】
一方、酸化鉄源は、上記バインダーを介して粒状または塊状に成形される人工砂における、嵩比重の調整に用いるものである。すなわち、人工砂における酸化鉄源は、浄化しようとする海域(水域)の沈殿物あるいは堆積物の嵩比重に近似させるための嵩比重調整材としての役割りを担う。人工砂は主に海辺や川辺に散布して使用されるが、この場合、海岸における潮の干満および川における水の流れなどの影響を受けて、散布した人工砂が偏在する結果、その機能が所望の範囲に及ばないことがある。このように人工砂が散布後に偏在することがないように、嵩比重の調整を行う必要がある。例えば、海岸に散布する場合は、海岸の砂と同等程度の嵩比重に調整すれば、砂等と同じ挙動を示すことから偏在を防止できる。従って、人工砂の散布環境に応じて、酸化鉄源の混合量を変化させて嵩比重の調整を行うことによって、人工砂の機能が所望の範囲に広く及ぶことになる。
【0031】
なお、上記用途に鑑み、鉄源を用いるか否かに関わらず、この発明の人工砂の嵩比重を1.2〜2.0、より好ましくは1.4〜1.7とするのがよい。一方、鉄分の多い細かな砂に適用する場合などには、嵩比重を高く、例えば2.0相当まで高めてもよい。ここで、この発明の人工砂は多孔質の方が環境浄化に好都合であるから、比重は嵩比重で規定することとした。
【0032】
また、人工砂の嵩比重の調整を酸化鉄源にて行うのは、この酸化鉄源から溶出する鉄イオンの働きによって、藻が生育しかつ微小生物が生息し易い環境が創出されるためであり、炭化物の働きと相まって、水質浄化に優れた機能を発揮するものとなるからである。さらに、酸化鉄源は、製鉄所や製鋼所などにおける集塵ダスト、鉄鉱石の破砕粉、または粉末冶金に使用される鉄粉及び砂鉄などを使用でき、いずれも嵩比重が高いため嵩比重調整材に好適であり、また安価であるため、ごみを原料とする安価な炭素質粉末と組み合わせるのに適した材料である。
【0033】
ちなみに、鉄スクラップは漁礁としての使用実績があり、鉄分はもともと自然界に多く存在する元素でもあるから、人工砂に酸化鉄源を含ませても環境を悪化する、おそれはない。
【0034】
【実施例】
まず、以下の工程によって、ごみ固形燃料、そして廃木材から、図1に示す工程に従って炭化物を製造した。
まず、家庭用ごみや都市ごみ、さらには産業用廃棄物の中から、まず大きな鉄や石の塊りを検出して除去する。得られたごみ可燃物を、以下の工程に供した。
【0035】
(イ)磁選工程
磁選機やアルミニウム選別機を用いて、ごみ可燃物から鉄やアルミニウムを除去した。
(ロ)一次破砕
家庭用ごみ、都市ごみ、産業用廃棄物などのごみの大きさに差があり過ぎると、次工程の乾燥工程において一定の水分以下に乾燥できないため、一旦所定粒径以下(例えば50mm〜100mm)に破砕した。
(ハ)乾燥工程
次工程の風力選別機において、含水量が多いと充分な分別ができないため、ごみの水分を20%以下まで乾燥した。
(ニ)風力選別(可燃物分離)工程
磁選工程で分離できなかった不燃物(ガラス、石、非鉄くずなど)を風力により選別し、可燃物を取り出した。
(ホ)二次破砕工程
選別した可燃物を、次工程の成形に適する粒度まで破砕するため、二次破砕機(例えばスクリュー式カッタ)に送って20〜30mmの径に破砕した。
(ヘ)成形工程
二次破砕された可燃物を混合して成形機に供給し、クレヨン状に固めて、ごみ固形燃料とした。
また、流木や廃木材はチップ状に破砕処理し、乾留工程に供給した。
【0036】
そして、ごみ固形燃料および流木や廃木材を別々にあるいは混在させて、炭化炉に供給し、酸素濃度1%以下の雰囲気にて500℃以上で乾留した。得られた炭化物の組成および物性は、表1に示す通りである。
【0037】
【表1】
Figure 2005006598
【0038】
次に、得られた炭化物:10mass%、酸化鉄源として微粉鉄鉱石を15mass%、バインダーとして焼成リン酸マグネシウムを2mass%で含み、残部が高炉水砕スラグからなる混合比の下に、まず、高炉水砕スラグ、炭化物および酸化鉄源を造粒器に投入して混合し、3者の混合が終了した段階にて、造粒水およびバインダーを添加して造粒を行って、粒径が0.5〜10mmおよび嵩比重が1.3〜1.5の人工砂を作製した。
かくして得られた人工砂を、以下の実施例1〜3に示す用途に適用した。
【0039】
実施例1
海岸から採取した海砂を敷きつめた水槽と、上記の人工砂を敷きつめた水槽とを準備し、これら水槽中でアサリを水槽中で1ケ月にわたり育成した。なお、砂以外の育成環境は、両水槽で同じにした。
その結果、海砂と、この発明の貝育成用人工砂とのいずれの水槽においても、アサリの育成状況および死亡率などに差はなかった。
【0040】
実施例2
貝育成において最も重要なことは、浮遊幼生が着地するかどうかである。天然の海砂においては、貝の産卵後の浮遊幼生が海水中に浮遊し、着地した後、アサリの段階まで大きく生育するのである。
そこで、海水を導入する導水路に、海砂堆積個所と、この発明の貝育成用人工砂堆積個所とをそれぞれ交互に設け、アサリ浮遊幼生の着地の有無を観察した。ここで、浮遊幼生自体は判定が困難なため、稚貝の数で判定を行った。
海砂堆積個所を1とした時、貝育成用人工砂堆積個所では10〜30倍の稚貝の数がみられ、貝育成用人工砂として最適なことが判明した。
【0041】
実施例3
シジミの育成用人工砂として使用した。シジミは淡水系のため、乾留して得られる炭化物の出発原料からくる塩分の影響が心配されたが、育成において悪影響はなく順調な生育であった。これは、炭化物の出発材料として生活ごみなどを利用したときの、塩や醤油などに由来する塩分は高々2%程度であり、その10〜30%までが混在するのみであること、また淡水によって人工砂中の塩分が薄められること、およびシジミ生育系には満潮時など海水が混合する汽水領域でも生育するため元々問題がないこと、によるものと推察される。
【0042】
【発明の効果】
この発明による貝育成用人工砂は、貝の育成は勿論、その浮遊幼生の着地にも優れた特性を示すことから、貝類に対して、自然砂をも越える最も育成に適した貝育成用人工砂となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ごみからの炭化物の製造手順を示す図である。

Claims (8)

  1. 高炉水砕スラグを主成分とし、この高炉水砕スラグに、乾留して得られる炭化物、酸化鉄源およびバインダーを混合して成ることを特徴とする貝育成用人工砂。
  2. 請求項1において、炭化物の含有量が10〜30mass%であることを特徴とする貝育成用人工砂。
  3. 請求項1または2において、高炉水砕スラグは、破砕による針状部分を摩滅処理にて除去したものであることを特徴とする貝育成用人工砂。
  4. 請求項1、2または3において、乾留して得られる炭化物は、ごみの破砕、乾燥および成形を経て所定の形状に加工された、ごみ固形燃料を、乾留して得られる炭素質粉末であることを特徴とする貝育成用人工砂。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、径が0.5〜10mmの粒状もしくは塊状であることを特徴とする貝育成用人工砂。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、貝育成用人工砂は、その使用環境に応じた嵩比重を有することを特徴とする貝育成用人工砂。
  7. 破砕処理した高炉水砕スラグと、乾留して得られる炭化物と、酸化鉄源とを混合処理した後、バインダーおよび造粒水を添加して造粒成形を行った後、乾燥固化することを特徴とする貝育成用人工砂の製造方法。
  8. 請求項7において、貝育成用人工砂の使用環境に応じて、酸化鉄源の混合量を変化させて嵩比重を調整することを特徴とする貝育成用人工砂の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006068732A (ja) * 2004-08-06 2006-03-16 Hiroshima Univ 水域環境改善材およびそれを用いる水域環境改善方法
JP2008110330A (ja) * 2006-10-07 2008-05-15 Takehiko Oki 浄化材及びそれを用いた土木方法
JP2014001539A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Penta Ocean Construction Co Ltd 人工干潟構造および人工干潟の補修方法

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