JP2005005605A - 半導体装置 - Google Patents

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英幸 菊地
Masashige Sato
雅重 佐藤
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Abstract

【課題】本発明は、磁界を発生する必要がある配線とその外側を覆う磁気シールド材料層との間におけるエレクトロマイグレーションの発生を抑制した半導体装置を提供する。
【解決手段】MRAMは、トンネル磁気抵抗(TMR)素子とMOS−FETをメモリ素子とし、ワード線とビット線が、TMR素子を挟んで交差して配線される。各線に流れる電流が発生する磁界により、TMR素子がプログラムされる。ワード線とビット線の配線層外面は、TMR素子側の面を除いて磁気シールド材料層で覆われる。該配線層と磁気シールド材料層との間に高融点材料層が挿入され、或いは、磁気シールド材料層の外側にも更に高融点材料層が設けられて、配線層のマイグレーション耐性が向上される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロマイグレーション耐性を有する配線を備えた半導体装置に関するものであり、特に、強磁性トンネル接合素子をメモリ装置に適用された場合であって、メモリ装置のワード線及びビット線にエレクトロマイグレーション耐性を向上した配線を備えた半導体装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置に組み込まれる集積回路(IC)は、超SLI(VLSI)へと、その回路の集積度を指数関数的に増加してきた。その集積度を増加するためには、半導体チップ内の各回路要素自体の小型化ばかりでなく、回路要素間を接続する配線についても、微細化することが必要である。
【0003】
ICチップ上には、回路要素として、多数のトランジスタ、ダイオード、抵抗などの素子が組み込まれ、それぞれの素子を薄膜状導電性パターンからなる配線によって接続する場合、その配線幅を非常に狭い微細なものにする必要がある。従来、半導体装置の配線には、その配線材料として、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金が使用されるが、ICなどの半導体装置には、ほとんどアルミニウムあるいはアルミニウム合金が用いられ、蒸着あるいはスパッタリングにより形成されていた。
【0004】
しかしながら、微細なアルミニウム配線に電流を流すと、配線幅が小さいため配線内の電流密度が高くなり、電子の運動エネルギーによって、アルミニウム金属原子が金属内部あるいは異種金属接触部を正極側に移動するエレクトロマイグレーションが生じやすくなる。このエレクトロマイグレーションによる金属原子の移動は、配線に間隙や断線を生じさせるとともに、配線に沿って小丘状あるいはボール状のヒロックを発生させ、配線間のショートを生じさせる等、配線の信頼性を著しく低下させるものであった。
【0005】
そこで、この様なエレクトロマイグレーションの発生を防止する種々の対策が採用されてきた(例えば、特許文献1乃至4を参照)。特許文献1に開示された半導体装置では、絶縁層の上面に形成された配線を4層構造としている。この配線においては、アルミニウムと高融点シリサイドを交互に積層させれ、配線に流れる電流量が夫々のアルミニウムに分配されることにより、電流密度が減少され、高集積化に伴う配線の幅寸法が狭くなっても、配線のエレクトロマイグレーション耐圧を向上できるというものである。
【0006】
また、特許文献2に開示された半導体記憶装置では、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)におけるビット線及びワード線のうち、配線ピッチが狭い方について、その線を高融点シリサイド系材料で形成し、そのピッチが広い方については、アルミニウム系材料で形成している。この様な配線の仕方により、DRAMの配線全体として、導電性が良好であり、耐熱性が高くなるので、エレクトロマイグレーションに対する耐性を向上するというものである。
【0007】
また、特許文献3や、特許文献4などに開示された半導体装置では、集積回路の高密度化による配線の微細化に伴って発生し易くなる配線間のエレクトロマイグレーションを抑制するために、配線を形成する金属膜の夫々において、その膜の上面と側面を高融点金属膜で覆っている。
【0008】
この様に、ICやDRAMを組み込んだ半導体装置における配線に関するエレクトロマイグレーション耐性は、当該配線を、高融点材料膜を積層し、或いは、高融点材料膜で覆うことによって、向上された。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−226944号公報
【特許文献2】
特開平1−129444号公報
【特許文献3】
特開平5−21435号公報
【特許文献4】
特開平5−129297号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一方、最近において、強磁性トンネル接合(MTJ:Magnetic tunnel junction)効果を利用したトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto−Resistive)素子が開発されている。このTMR素子は、磁気コアの代わりに使用でき、コアメモリとしてIC化することができる。このTMR素子を電界効果トランジスタ(FET)と組み合わせて、メモリ素子を構成し、マグネティック・ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)とすることが提案されている。このMRAMは、DRAMと同等な集積度及び高速性を有し、しかも、不揮発性で、無制限に書き換えが可能な記憶装置となる。そのため、MRAMは、DRAMに取って代わる記憶装置として期待されている。
【0011】
ここで、MRAMを記憶装置として動作させるには、MRAMに書き込みを行う場合、スイッチング磁界を発生させる必要がある。このスイッチング磁界は、TMR素子の上下で交差し、該素子に接近して配設された配線に通電された電流によって発生される。この配線には、主に、メッキで作成した銅が用いられている。
【0012】
MRAMを微細化するためには、TMR素子自体も縮小しなければならない。TMR素子が小さくなると、スイッチング磁界を大きくしなければならない。スイッチング磁界を大きくするということは、配線に流す電流が増大することを意味する。したがって、TMR素子への書き込みに必要な電流が増え、書き込みのための消費電力も増大する。これに伴い、配線の発熱による、エレクトロマイグレーションの発生問題が生ずることになる。
【0013】
このエレクトロマイグレーション発生問題を解決するためには、できる限り小電流で書き込めるようにする必要がある。そこで、銅による配線層の表面を、TMR素子に面する側を残して、ニッケル鉄(NiFe)などの磁気シールド用磁性薄膜で覆うことが提案されている。この磁性薄膜の存在により、少ない書き込み電流でも、効率よく、磁界をTMR素子に供給できるようになる。
【0014】
しかし、TMR素子を用いたMRAMの一層の高密度化を図る必要があり、そのためには、配線幅を、さらに細くすることになる。この細線化は、配線の電流密度を高める結果となり、発熱によるマイグレーションが発生することになる。したがって、磁性薄膜と配線層間で、拡散が起こり、磁性層の磁気特性が劣化し、それに伴って発生の磁界の効率が下がるという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は、磁界を発生する必要がある配線を備えた半導体装置において、該配線とその外側を覆う磁気シールド材料層との間におけるエレクトロマイグレーションの発生を抑制し、高密度化を図ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明では、信号が印加される複数の配線を備えた半導体装置において、該配線の表面に、高融点材料層を介して磁気シールド材料層を形成するようにした。
【0017】
前記配線は、強磁性トンネル接合素子に磁界を印加することができるものであり、該配線の側面と、該配線の前記強磁性トンネル接合素子と反対側の面とに、高融点材料層を介して磁気シールド材料層が形成され、或いは、さらに該磁気シールド材料層の面上に、高融点材料層が形成される。
【0018】
この様に、本発明の半導体装置によれば、強磁性トンネル接合素子と電界効果トランジスタとでメモリ素子とし、複数のメモリ素子を含むメモリ装置を形成する場合に、前記強磁性トンネル接合素子を挟んで交差するワード線とビット線の配線に関して、該配線に施される磁気シールド材料層と、配線層との間に高融点材料層を挿入することによって、この高融点材料層により、磁性シールド材料層と配線層間でのマイグレーションによる拡散を防ぐことができ、磁気シールドが破壊されることを抑制できる。そして、配線層のより一層の微細化が図られても、配線全体の耐マイグレーション性が向上される。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の半導体装置の実施形態について、図を参照しながら説明するが、本発明によりもたらされる効果を明確にするために、先ず、本発明の基礎となるTMR素子によるMRAMの半導体装置について説明する。
【0020】
強磁性トンネル接合膜については、後述するとして、ここでは、MRAMについて簡単に説明する。MRAMは、DRAM並みの集積度及び高速性を持ち、不揮発で無制限に書き換え可能なメモリである。
【0021】
MRAMのメモリセルは、TMR素子とMOS電界効果トランジスタ(MOS−FET)を組み合わせて可能にしている。図4に、MRAMにおける代表的なメモリセルの概略構成について示した。図4(a)は、メモリセル部分の回路を表している。メモリセルは、基本的には、TMR素子1とMOS−FET2とで構成される。TMR素子1は、ビット線3とMOS−FET2のドレイン(又はソース)電極との間に接続される。MOS−FET2のソース(又はドレイン)電極は、プレート線4に接続されている。
【0022】
以上のような回路構成を有するメモリセルについて、実際に半導体装置に組み込まれた状態における具体的構造が、図4(b)に示されている。同図では、メモリセルのビット線3に平行する縦断面について、その概略が模式的に表されている。したがって、メモリセルの構造に係る寸法は、実際の大きさに対応していない。
【0023】
ビット線3とワード線5が、TMR素子1を挟んで、直交するように交差しており、それらの下側において、ゲート電極6、ドレイン(又はソース)領域7及びソース(又はドレイン)領域8からなるMOS−FET2が形成されている。TMR素子1とワード線5との間であり、TMR素子1のビット線3の反対面には、ドレイン(又はソース)領域7から延びるドレイン電極9が配設され、ソース(又はドレイン)領域8からは、センス線10が配設される。
【0024】
この様なMRAMのメモリセルの書き込み及び読み出しについては、以下の手順で行われる。
(1)書き込み
図5に、MRAMのTMR素子1への書き込みの様子を示した。同図では、図4(b)の構成のうちのTMR素子1、ビット線3、ワード線5のみが示されている。TMR素子1の上下で直交する二本の配線、即ち、ビット線3とワード線5とに同時に電流を流し、生成した合成磁界によって選択及び書き込みが行われる。図5では、ビット線3には、電流Ixが、そして、ワード線5には、電流Iyが流れている。電流Ixによって、磁界Hxが、そして、電流Iyによって、磁界Hyが生成される。
【0025】
この場合、ビット線3とワード線5のうちの一本のみに電流が流されても、TMR素子1には、書き込みは行われない。
【0026】
メモリ素子として使用されるTMR素子1の書き込み層(フリー層)は、磁気的異方性(異方性磁界:Hk)が生じるように、長方形になっている。フリー層の磁化方向は、異方性により長方形の長手方向(easy方向)が安定となる。このため、easy方向に向いた磁化は、磁化方向の反転に必要な磁界(スイッチング磁界)がかからない限り安定である。この磁化方向の向きで「0」又は「1」をプログラムする。
【0027】
メモリ素子の磁化方向を選択し反転させる方法として、長方形の短手方向(hard方向)に磁界を掛けながらeasy方向に記録用磁界を掛ける方法がある。
【0028】
書き込み電流Iyによりhard方向に磁界Hyを掛けることにより、磁化方向の回転に必要なエネルギー障壁が下げられる。このときに、同時に書き込み電流Ixにより、easy方向に磁界Hxを印加すると、選択された素子のみの磁化方向がeasy方向(Hx)に向く。
【0029】
このときの書き込みの磁界Hx及びHyの閾値は、次の式で書き表せられるアステロイド曲線となる。
Hx2/3+Hy2/3=Hk2/3
TMR素子へのプログラムは、閾値を超える組み合わせで行われる。アステロイド曲線で示される閾値の内側にある磁界Hx及びHyの組み合わせによると、TMR素子へはプログラムされず、外側の磁化の組み合わせでプログラムが行われる。
【0030】
(2)読み出し
MRAMのメモリセルを選択し、当該メモリセルのMOS−FETをオンにすると、電流パスが形成され、TMR素子1の抵抗を読みとることができる。このとき、強磁性トンネル効果により、TMR素子のフリー層の磁化方向による抵抗差は、約30〜60%であるので、電流パスの電圧(出力電圧)によって、TMR素子がプログラムされているかどうかを判定し、「0」又は「1」を読み出す。
【0031】
次に、TMR素子における強磁性トンネル効果について説明する。「金属/絶縁層/金属」の3層構造を持つ接合において、この両側の金属間に電圧を印加すると、絶縁層が充分薄い場合、わずかに電流が流れる現象がある。
【0032】
通常、絶縁層は、電流を通さないが、充分薄い場合、例えば、数オングストローム〜数十オングストロームでは、量子力学的効果によって、該絶縁層を極わずかに電子が透過する確率を持っているため、この場合には、トンネル接合が形成され、トンネル電流が流れる。
【0033】
絶縁層には、金属の酸化膜を絶縁障壁として用いるのが、通常である。例えば、アルミニウムの表面層を、自然酸化やプラズマ酸化、熱酸化などで酸化させることにより、酸化アルミニウムを生成することができる。酸化条件を調節することで、表面に生成される厚さを、数オングストロームから数十オングストロームの酸化層とすることができる。酸化アルミニウムは、絶縁体であるために、トンネル接合の障壁層として用いることができる。
【0034】
このような絶縁層による接合の特徴としては、印加電圧に対する電流が、通常の抵抗と異なり、非線形特性を持つことから、非線形の素子として用いられたりしてきた。
【0035】
このトンネル接合形成を利用した強磁性トンネル接合素子とするには、絶縁層の両側の金属を強磁性金属に置き換える。強磁性トンネル接合においては、トンネル確率(トンネル抵抗)が、両側の磁性層の磁化状態に依存することが知られている。つまり、磁場によってトンネル抵抗をコントロールすることができる。磁化の相対角度をθとすると、トンネル抵抗Rは、
R=Rs+0.5・△R(1−COSθ) (1)
と表される。すなわち、両磁性層の磁化の角度が揃っているとき、つまり、θ=0である場合には、トンネル抵抗が小さなり、R=Rsとなる。また、両磁性層の磁化が反対向き、つまり、θ=180である場合には、トンネル抵抗が大きくなり、R=Rs+△Rとなる。
【0036】
これは、強磁性体内部の電子が分極していることに起因する。電子は、通常、上向きのスピン状態のもの(up電子)と下向きのスピン状態のもの(down電子)が存在するが、通常の非磁性金属内部の電子は、両電子が同数だけ存在するため、全体として磁性を持たない。一方、強磁性体内部の電子は、up電子の数Nupとdown電子の数Ndownが異なるために、全体としてupもしくはdownの磁性を持つ。電子が絶縁層を透過する場合、これらの電子は、それぞれのスピン状態を保ったままトンネルすることが知られている。したがって、トンネル先の電子状態に空きがあれば、トンネルが可能であるが、トンネル先の電子状態に空きがなければ、電子はトンネル出来ない。
【0037】
トンネル抵抗の変化率は、電子源の偏極率と、トンネル先の偏極率の積で表される。
ΔR/Rs=2×P1×P2/(1−P1×P2) (2)
ここで、P1、P2は両磁性層の分極率であり、
P=2(Nup−Ndown)/(Nup+Ndown) (3)
で表される。分極率Pについては、強磁性金属の種類に依存する。例えば、NiFe、Co、CoFeの分極率は、それぞれ0.3、0.34、0.46であり、その場合、理論的には、それぞれ約20%、26%、54%の磁気抵抗変化率を得ることができる。
【0038】
また、トンネル抵抗(R)は、次式より、絶縁層の絶縁障壁高さ(φ)と幅(W)に依存する。
R∝Exp(Wx(φ)1/2) (4)
したがって、トンネル抵抗は、絶縁障壁高さが低い場合、或いは、障壁幅が狭い場合に、小さくなる。
【0039】
このスピンバルブ構造を持つ強磁性トンネル接合は、「反強磁性層(ピン層)/磁性層(ピンド層)/絶縁層/磁性層(フリー層)」の4層構造にすると、ピンド層であるCoFe層がピン層であるPt−Mn層と交換結合し、ピンド層の磁化方向が固定される。したがって、外部から磁場を印加すると、フリー層(NiFe層)のみが磁化回転する。すると、フリー層とピンド層の磁化の相対角度が変化するために、式(1)で示したように、磁場に依存してトンネル抵抗が変化する。
【0040】
以上に説明したようなTMR素子を利用したメモリセルを有する MRAMにおいて、書き込みを行う場合には、スイッチング磁界を発生させる電流を、配線、即ち、ビット線3及びワード線5に流すことが必要である。図6(a)に示されるように、これらの配線には、主に、メッキで作成した銅(Cu)を用いている。図6では、配線の縦断面を示す。
【0041】
MRAMの微細化によるTMR素子の縮小化に伴うスイッチング磁界が増大し、書き込みに必要な電流が増える。その結果、配線の発熱によるエレクトロマイグレーションの問題が発生する。この対策として、図6(b)に示されるように、Cu配線3、5を、NiFeなどによる磁気シールド用磁性薄膜11で覆うことにより、できるだけ少ない書き込み電流となるようにし、効率よく磁界をTMR素子に供給できるようにしている。
【0042】
しかし、MRAMの高密度化の要求により、配線幅は、さらに細くなる。そうすると、配線の発熱によるマイグレーションが発生することとなり、磁性層と配線層間で、拡散が起こり、磁性層の磁気特性が劣化し、それに伴って発生の磁界の効率が下がる問題が生じてくる。
【0043】
そこで、本発明では、この問題を解決する方法として、配線に施される磁気シールド材料層と、配線層との間に高融点材料層を挿入することとした。この高融点材料層により、磁性シールド材料層と配線層間でのマイグレーションによる拡散を防ぐことが可能になり、配線層のより一層の微細化が図られても、配線全体の耐マイグレーション性が向上され、磁気シールドが破壊されることを抑制できる。
【0044】
本発明による半導体装置に適用される配線層の実施形態を、図1に示した。図1では、図6と同様に、MRAMにおける一配線層の縦断面を示しており、配線層であるビット線3又はワード線5に対応して、その概略を表している。
【0045】
図1(a)では、配線層であるビット線3又はワード線5において、タングステン又はタングステン合金、チタン又はチタン化合物、シリコン化合物などによる高融点材料層12が挿入された本実施形態の配線層構造が示されている。元々、配線層であるビット線3又はワード線5には、図1では図示が省略されているTMR素子に面した側、即ち、下側の面を除いて、その上面と両側面を覆うようにした磁気シールド材料層11が形成されている。そこで、さらに、ビット線3又はワード線5の配線層と、磁気シールド材料層11との間に、高融点材料層12が形成されている。
【0046】
図1(b)では、図1(a)に示された本実施形態の配線層構造に、さらに、もう一層の高融点材料層で覆うようにした場合を示している。この配線層構造では、磁気シールド材料層11の外側にも、もう一層の高融点材料層13が配設されている。この2重の高融点材料層の配置によって、MRAMの微細化に伴う配線全体の耐マイグレーション性が一層向上される。
【0047】
次に、図1(a)に示される本実施形態の配線層構造による場合について、その配線層の作成手順を説明する。ここでは、配線層の材料として、銅(Cu)を、磁気シールド材料として、NiFeを用いている。また、高融点材料としては、TiNを用いた。一般に、図4(b)からも分かるように、MRAMにおけるワード線及びビット線は、TMR素子を挟んで、交差しているために、それらの作成方法が異なっている。
【0048】
図2は、ワード線5に係る作成手順を示している。同図の(a)から(f)は、その作成手順の各工程を表しており、各工程での縦断面である。なお、ここでは、ワード線5のみの作成手順を説明する都合上、明確化するため、図4(b)に記載されたドレイン(又はソース)電極9の作成工程が省略されている。
【0049】
TMR素子1の下側にワード線5を形成するため、MOS−FET2の上に、酸化シリコンなどの絶縁材料の堆積法、或いは、金属の熱酸化法などにより、絶縁層101を作成する(図2(a)を参照)。
【0050】
次いで、絶縁層101に溝を開けて、該溝内に配線層を形成するために、リソグラフィ法などによって、フォトレジスト102を配線パターンに従って露光現像し、溝に当たる部分の絶縁層101の表面を露出させる(図2(b)を参照)。
【0051】
そこで、フォトレジスト102で覆われていない露出した絶縁層101をRIE装置などで除去する。絶縁層101の表面に形成されているフォトレジスト102を除去すると、配線パターンに応じた開口を有する溝が形成される(図2(c)を参照)。
【0052】
溝が形成された絶縁層101の全面に、NiFeの磁気シールド材料、窒化チタン(TiN)の高融点材料をメッキ法又はスパッタ法により成膜する。このとき、絶縁層101に形成された溝の両側壁にも、これらの材料で成膜されるようにする。さらに、Cuの配線材料を、メッキ法又はスパッタ法により、溝部分が埋まるように、全面に成膜する(図2(d)を参照)。ここで、絶縁層101上の全面に、磁気シールド材料層103、高融点材料層104及び配線材料層105の3層が成膜されたことになる。
【0053】
次いで、絶縁層101上の3層に膜については、絶縁層101に形成された溝の部分以外は、不要であるので、ケミカル・メカニカル・ポリッシング(CMP)法により、その不要な3層を除去し、絶縁層101と配線用溝部分とを平坦化する(図2(e)を参照)。
【0054】
絶縁層101の全表面が平坦化された後に、Alなどの絶縁層106を成膜する。その成膜された上に、TMR素子を形成するものとして、磁性層(フリー層)、絶縁層、磁性層(ピンド層)及び反強磁性層(ピン層)の4層を順次成膜する。そして、この4層の膜を矩形にパターニングすることによって、MTR素子107を作成する(図2(f)を参照)
【0055】
以上の各工程が処理されることにより、MOS−FET上の絶縁層101にワード線5を形成することができ、そのワード線5上であり、ビット線3と交差する位置にTMR素子1が形成できた。
【0056】
次に、ワード線5とTMR素子1を挟む位置で交差するビット線3の形成手順について、図3を参照して説明する。同図の(a)から(f)は、その作成手順の各工程を表しており、各工程での縦断面である。
【0057】
なお、ビット線3の形成は、図2(f)の工程に引き続いて行われるが、ワード線5とビット線3とは、直交した関係にあることから、図3の処理工程で示される縦断面の方向は、図2に示された縦断面と直交している。また、ビット線3は、TMR素子1を挟んで、ワード線5と反対側にあるため、図3の各工程における縦断面図では、ワード線5が、TMR素子107の下方に存在するので、ビット線3の形成に関わる工程だけを示すため、ワード線5の表示を省略した。
【0058】
先ず、図2(f)の工程で、絶縁層106上に、TMR素子107が形成された後、全面に絶縁層を堆積し、絶縁層106と一体化し、絶縁層201を生成する。そして、TMR素子107の上面と面一となるように、平坦化処理を施す(図3(a)を参照)。
【0059】
次いで、フォトレジスト202を生成し、TMR素子107の上にビット線3が配置されるように、配線パターンを露光現像する。配線パターンに相当する部分のフォトレジストを除去した後、メッキ法又はスパッタ法により、配線材料であるCuが、成膜される(図3(b)を参照)。
【0060】
そこで、成膜されたCuの表面がフォトレジスト202の表面と同一になるように、CPM法により、Cuを研磨する。その後、フォトレジスト202を除去する。これで、ビット線3となる配線材料層203が形成される(図3(c)を参照)。
【0061】
次に、形成された配線材料層203の上面及び両側面を含めた全面に、スパッタ法又はCVD法により、高融点材料のTiN、磁気シールド材料のNiFeを順に成膜する(図3(d)を参照)。これで、配線材料層203の表面を覆う高融点材料層204と磁気シールド材料層205が生成されたことになる。
【0062】
そこで、絶縁層201の上に生成された高融点材料層204と磁気シールド材料層205は不要であるため、レジスト206を配線に従ってパターニングし、エッチングなどにより、配線材料層203の上面及び両側面を残して、高融点材料層204と磁気シールド材料層205を取り除く(図3(e)を参照)。
【0063】
最後に、配線パターン上のレジスト206を除去し、上面に保護層を成膜することにより、ビット線3の形成が完了する(図3(f)を参照)。
【0064】
以上により、ビット線3が、TMR素子1に対向して形成されるが、図2(a)乃至(f)の各工程に引き続いて、図3(a)乃至(f)の各工程を順次行うことにより、TMR素子1を挟んで交差するワード線5とビット線3とを形成することができる。
【0065】
なお、これまでに説明したワード線5とビット線3の配線層構造は、図1(a)に従った配線層と磁気シールド材料層11との間に高融点材料層12を挿入した場合であったが、図1(b)の場合のように、磁気シールド材料層11の外側にも高融点材料層13を設ける場合の処理工程を説明する。
【0066】
ワード線5を形成する手順は、全体的には、図2に示された(a)乃至(f)の各工程と同様であるが、図2(d)の工程において、NiFeの磁気シールド材料による成膜の前に、TiNの高融点材料による成膜を行う。この様にすると、当該工程において、高融点材料、磁気シールド材料及び高融点材料による3層を成膜できる。
【0067】
そして、図2(e)の工程において、配線パターンに相当する部分以外の絶縁層101の上の高融点材料、磁気シールド材料及び高融点材料による3層を除去することにより、配線層105の両側面及び下面を高融点材料、磁気シールド材料及び高融点材料による3層で覆われた配線層構造を得ることができる。
【0068】
また、ビット線5を形成する手順は、全体的には、図3に示された(a)乃至(f)の各工程と同様であるが、図3(d)の工程において、NiFeの磁気シールド材料による成膜の後に、TiNの高融点材料による成膜を行う。この様にすると、当該工程において、高融点材料、磁気シールド材料及び高融点材料による3層を成膜できる。
【0069】
そして、図3(e)の工程において、配線パターンに相当する部分以外における絶縁層201上の高融点材料、磁気シールド材料及び高融点材料による3層を除去することにより、配線層203の上面及び両側面を高融点材料、磁気シールド材料及び高融点材料による3層で覆われた配線層構造を得ることができる。
【0070】
以上により、配線層構造が、図1(b)のように、高融点材料、磁気シールド材料及び高融点材料による3層であっても、図2(a)乃至(f)と同様の各工程に引き続いて、図3(a)乃至(f)と同様の各工程を順次行うことにより、TMR素子1を挟んで交差するワード線5とビット線3とを形成することができる。
【0071】
以下に、本発明に係る半導体装置の実施態様について、記述する。
(付記1) 信号が印加される複数の配線を備えた半導体装置において、
前記配線の表面に、高融点材料層を介して磁気シールド材料層が形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記2) 前記配線が、強磁性トンネル接合素子に磁界を印加することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記配線の側面と、該配線の前記強磁性トンネル接合素子と反対側の面とに、高融点材料層を介して磁気シールド材料層が形成されていることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記4) 前記磁気シールド材料層の面上に、高融点材料層が形成されていることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5) メモリ素子が、前記強磁性トンネル接合素子と電界効果トランジスタとで形成され、
前記配線が、前記強磁性トンネル素子のワード線及びビット線であり、該ワード線と該ビット線とが、前記強磁性トンネル接合素子を挟んで交差していることを特徴とする付記3又は4に記載の半導体装置。
(付記6) 前記配線は、銅又は銅合金、若しくは、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする付記2乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記7) 前記高融点材料が、非磁性材料であることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記8) 前記高融点材料は、タングステン及びタングステン化合物、チタン及びチタン化合物、シリコン化合物のうちの一つであることを特徴とする付記7に記載の半導体装置。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導体装置によれば、配線層と磁気シールド材料層との間に、高融点材料層を介在させ、或いは、磁気シールド材料層の外側にも、高融点材料層を配設するようにしたので、TMR素子をメモリセルに用いた場合に、耐マイグレーションに強い配線を提供することができ、メモリの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置における配線層の断面を示す図である。
【図2】MRAMのワード線に本実施形態を適用した場合における配線の形成手順を説明する図である。
【図3】MRAMのビット線に本実施形態を適用した場合における配線の形成手順を説明する図である。
【図4】従来技術によるMRAMの概略構成を説明するための図である。
【図5】MRAMへの書き込み方法を説明するための図である。
【図6】従来技術によるMRAMに用いられている配線層の断面を示す図である。
【符号の説明】
1、107…TMR素子
2…MOS−FET
3…ビット線
4…プレート線
5…ワード線
6…ゲート電極
9…ドレイン電極
10…センス線
11…磁性薄膜
12、13、104、204…高融点材料層
101、106、201…絶縁層
102、202、206…フォトレジスト
103、205…磁気シールド材料層
105、203…配線材料層

Claims (5)

  1. 信号が印加される複数の配線を備えた半導体装置において、
    前記配線の表面に、高融点材料層を介して磁気シールド材料層が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記配線が、強磁性トンネル接合素子に磁界を印加することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記配線の側面と、該配線の前記強磁性トンネル接合素子と反対側の面とに、高融点材料層を介して磁気シールド材料層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記磁気シールド材料層の面上に、高融点材料層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. メモリ素子が、前記強磁性トンネル接合素子と電界効果トランジスタとで形成され、
    前記配線が、前記強磁性トンネル素子のワード線及びビット線であり、該ワード線と該ビット線とが、前記強磁性トンネル接合素子を挟んで交差していることを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体装置。
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