JP2005005486A - 炭化けい素半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】n+型の第1の半導体層1と、この主面上に形成されたn型の第2の半導体層2とからなる半導体装置において、この半導体装置の周辺に沿ってn型の第2の半導体層2からn+型の第1の半導体層1に達する溝が形成されており、この溝表面と溝により区画されたn型の第2の半導体層2の表面部に絶縁膜5が形成されており、この絶縁膜5は第2の半導体層2表面部において溝より内側に窓開け部を有し、窓開け部底部に露出するn型の第2の半導体層2とショットキー接合を形成する第1の電極6が形成された半導体装置である。
本発明のチャネルストッパーの効果によりイオンの汚染による特性不良の少なく歩留りのよいしかも経時変化が少なく信頼性のよい半導体装置が得られた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩留りのよい信頼性に優れたショットキー接合半導体装置やpn接合半導体装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
ショットキー接合あるいはpn接合を有する半導体装置は外部のイオンの影響により半導体表面に蓄積層やチャネルによる反転層を形成しやすい。このため、耐圧が下がったり、チャネル電流が流れてしまうことがある。酸化けい素やガラス等の絶縁膜による接合の保護膜による対策の他、拡散層によるチャネルストッパー等による対策が考えられている(例えば特許文献1、非特許文献1参照。)。
【0003】
これらの対策が不十分であるとウェーハ工程中のイオン汚染で特性が悪くなり歩留りが低下したり、ウェーハからチップ(上記半導体装置)に切断するときの汚れや歪により歩留りが低下したり、ジャンクションコーティング樹脂やモールド樹脂のイオンによる影響により歩留りが低下することもあった。また、市場における使用中に、外部雰囲気から入ってくる水分やナトリウムイオン汚染により経時変化がおこるという信頼性の問題があった。
【0004】
特にけい素以外の半導体では、表面処理や拡散のプロセスが確立しておらず、保護用の絶縁膜と半導体界面に準位が多く、安定した特性が得られない。更にチャネルストッパーとして高濃度層を形成しようと思っても十分な不純物を十分な深さまで添加できず、半導体表面の蓄積層や反転層による歩留り低下また経時変化の信頼性の問題は解決できない。
【0005】
図4は従来の半導体装置の第1の例を説明するための図である。本構造はガードリング付プレーナ型のショットキーダイオードで半導体装置周辺には高濃度のチャネルストッパーが形成されている(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
半導体基板はn+型の第1の半導体層1にエピタキシャル法でn型の第2の半導体層2が形成されている。n型の第2の半導体層2の表面中央部にはp型の第1の半導体領域3が環状に形成されており、半導体装置の周辺部におけるn型の第2の半導体層2の表面にはn+型の第2の半導体領域4が環状に形成されいる。
【0007】
環状のp型の第1の半導体領域3の内側周辺部上面とp型の第1の半導体領域3の内側にあるn型の第2の半導体層2の表面にはこのn型の第2の半導体層2とショットキー接合を形成する第1の電極6が堆積されている。n+型の第1の半導体層1の下面には第2の電極7がオーミック接続されている。
【0008】
環状のp型の第1の半導体領域3と環状のn+型の第2の半導体領域4の間にあるn型の第2の半導体層2の表面は絶縁膜5に覆われている。更に絶縁膜5は第1の電極6が堆積されていない環状のp型の第1の半導体領域3の表面と、少なくとも環状のn+型の第2の半導体領域4の内側n/n+接合部分をまたがって形成されている。
【0009】
半導体装置周辺において、n+型の第2の半導体領域4の表面から、n型の第2の半導体層2を通り、n+型の第1の半導体層1下面の第2の電極7まで、砥石によりあるいはダイヤモンドの針により切断されウェーハ状態より分離される。
【0010】
半導体表面が正電荷を示すイオンで汚染されるとn型の第2の半導体層2の表面付近に負の電荷が誘起されn型の第2の半導体層2が更にn型化され、逆耐圧はこのn+化されたn型の第2の半導体層2と環状のp型の第1の半導体領域3との円筒pn接合で決まる。従って、イオン汚染により耐圧が低下してしまう。
【0011】
第1の電極6を環状のp型の第1の半導体領域3の外側pn接合端を越える長さまで絶縁膜5上に延在させる(フィールドプレート構造)と、この第1の電極6に逆電界が印加されたときn型の第2の半導体層2中の空乏層の電界集中を和らげることができる(例えば非特許文献1参照。)。
【0012】
また、ウェーハプロセス中に汚染させなければ、外気雰囲気、モールド樹脂などからの汚染は第1の電極6の延在させた部分、フィールドプレート構造部分で防止できる。このため、正電荷の汚染は大きな問題とならない。
【0013】
絶縁膜5とn型の第2の半導体層2の界面が負電荷に汚染されたときはn型の第2の半導体層2の表面に正の電荷が誘起されn型の第2の半導体層2の表面がp型に反転してしまう。
【0014】
まず第1に、n+型の第2の半導体領域4がない場合を考える。絶縁膜5が堆積されていない周辺のn型の第2の半導体層2の表面は負電荷によるp型反転層あるいは負電荷等の汚染により、n型の第2の半導体層2とn+型の第1の半導体層1の側面は切断による歪あるいは負電荷によるイオン伝導又はp型反転層により、電流が流れやすくなっているので、環状のp型の第1の半導体領域3から第2の電極7まで大きな逆電流が流れてしまう。
【0015】
絶縁膜5下のp型のチャネルが短いときは逆電圧に比例した逆電流が流れてしまう。絶縁膜5下のp型のチャネルが長いときはチャネルの抵抗分とチャネルを流れる電流による電圧がチャネルをピンチオフするため逆電圧依存性の少ない一定の大きさチャネル電流である逆電流が流れる。
【0016】
次に、n+型の第2の半導体領域4がある場合を考える。十分な濃度と深さがあれば絶縁膜5下に形成されたp型のチャネルは、n+型の第2の半導体領域4によりストップしチャネル電流は流れにくくなり、良好な逆特性が得られる。
【0017】
しかしながら、n+型の第2の半導体領域4に対し十分な濃度と深さを確保することは容易ではない。n+型の第2の半導体領域4に金属膜を堆積し、この金属膜を絶縁膜5上にn+型の第2の半導体領域4(チャネルストッパー)の内側の境界n+/n接合を越える位置まで延在させる対策(アニユラーリング)を取ることもあるが(例えば、非特許文献1参照。)必ずしも十分でない。
【0018】
十分にクリーンな工程が使えない場合、絶縁膜と半導体の界面の準位を十分小さくできない場合、十分高濃度で、拡散深さの深いn+型の第2の半導体領域4を作製できない場合あるいはジャンクションコーティング樹脂やモールド樹脂の不純物が多い場合、外部から水分などが侵入しやすい場合などは n+型の第2の半導体領域4のチャネルストッパーとしての効果は十分でない。
【0019】
特に、炭化けい素など化合物半導体の工程は、けい素半導体と異なり、ほとんどの工程が、十分にクリーンな工程とはいえず、絶縁膜と半導体の界面の準位を十分小さくできない絶縁膜形成工程であり、または、十分高濃度で、接合深さの深いn+型の第2の半導体領域4を作製できない不純物導入工程である。
【0020】
図5は従来の半導体装置の第2の例を説明するための図である。本構造はガードリング付のショットキーダイオードでガードリング部からn+型の第1の半導体層1部分に到達する溝が形成されており、溝部が絶縁膜5で保護されているメサ型半導体装置である(例えば特許文献2。)。
【0021】
半導体基板はn+型の第1の半導体層1にエピタキシャル法でn型の第2の半導体層2が形成されている。n型の第2の半導体層2の表面にはp型の第1の半導体領域3が形成されいる。p型の第1の半導体領域3の中央部分がエッチングにより窓開けされこの底面にn型の第2の半導体層2が露出している。この露出した面に第1の電極6が堆積されショットキー接合を形成している。
【0022】
半導体装置周辺部にはガードリングであるp型の第1の半導体領域3からn+型の第1の半導体層1部分に到達する溝が形成されており、p型の第1の半導体領域3と溝部表面が絶縁膜5で保護されている。n型の第2の半導体層2は溝によりメサ構造になっている。
【0023】
半導体装置周辺の溝部中央からn+型の第1の半導体層の裏面まで、砥石によりあるいはダイヤモンドの針により切断され各半導体装置に分離される。
【0024】
絶縁膜5と溝部の界面が非常によい状態ならば、p型の第1の半導体領域3とn+型の第1の半導体層1の間にあるn型の第2の半導体層2表面において逆電圧による電界が第1の例のプレーナ型のように電界が集中しないメサ型の利点がある。
【0025】
負電荷によって汚染された場合、溝側面のn型の第2の半導体層2の表面にp反転層ができチャネル層が形成されてしまう。このチャネル層はn型の第2の半導体層2の厚さより短くチャネル層がピンチオフする効果がきかず、耐圧が低くなってしまったり、抵抗性の大きな漏れ電流が出てしまう。
【0026】
また、この構造ではp型の第1の半導体領域3とn型の第2の半導体層2によるpn接合の上に存在する絶縁膜5の部分を覆う金属膜を形成することは困難であり、フィールドプレートの効果を得ることができない。
【0027】
図5の従来の半導体装置において溝をショットキー接合面に接する部分まで広げることも考えられる(例えば、特許文献3参照。)がショットキー接合部分をエッチングすることになるので、安定した特性を得ることが困難であった。
【0028】
この構造において、上記第2の例同様、負電荷によって汚染された場合、溝側面のn型の第2の半導体層2の表面にp型反転層ができてしまいチャネルが形成されることになる。このチャネルはn型の第2の半導体層2の厚さより短くチャネルがピンチオフする前に降伏してしまうため、耐圧が出なくなってしまったり、抵抗性の大きな漏れ電流が出てしまう。
【0029】
このように、従来の炭化けい素などの半導体装置では、半導体表面のイオンによる汚染により耐圧が低下し、漏れ電流が増加し、十分信頼性を確保することが困難であった。
【0030】
【特許文献1】
米国特許出願公開第2002/0042862号明細書
【特許文献2】
米国特許出願公開第2001/0054715号明細書
【特許文献3】
米国特許3,541,403号公報(第3図)
【非特許文献1】
DEMIR S. ZOROGLU et al., IEEE Trans. Electron Devices, Vol.ED−19, No.1, pp.4−8(1972)
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を解決しようとするものであり、イオンの汚染による特性不良の少ない、しかも経時変化が少なく信頼性のよい半導体装置を提供するものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、絶縁膜を保護膜とするプレーナ構造のショットキー接合半導体装置やpn接合半導体装置において、高濃度半導体基板をチャネルストッパーとして利用する手段を提供する。
請求項1記載の発明は、第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の主面上に形成された前記第1の半導体層よりも低濃度の不純物を有する第1導電型の第2の半導体層とからなる半導体装置において、前記半導体装置の周辺に沿って前記第2の半導体層の表面から前記第1の半導体層に達する溝が形成されており、前記溝表面と前記溝により区画された前記第2の半導体の表面に絶縁膜が形成されており、前記絶縁膜は前記第2の半導体の表面において前記溝より内側に窓開け部を有し、前記窓開け部の底部に露出する前記第2の半導体層とショットキー接合を形成する第1の電極が形成された炭化けい素半導体装置である。
請求項2記載の発明は前記第2の半導体層の表面に接し前記ショットキー接合周辺部に環状の第2導電型の半導体領域を形成したことを特徴とする請求項1記載の炭化けい素半導体装置である。
請求項3記載の発明は前記第1の電極を前記ショットキー接合周辺部の前記絶縁膜上まで延在した請求項1または請求項2記載の炭化けい素半導体装置である。
請求項4記載の発明は第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の主面上に形成された前記第1の半導体層よりも低濃度の不純物を有する第1導電型の第2の半導体層とからなる半導体装置において、前記半導体装置の周辺に沿って前記第2の半導体層の表面から前記第1の半導体層に達する溝が形成されており、前記溝表面と前記溝により区画された前記第2の半導体の表面に絶縁膜が形成されており、前記絶縁膜は前記第2の半導体の表面において前記溝より内側に窓開け部を有し、前記窓開け部の底部に露出する前記第2の半導体層の表面には第2導電型の半導体領域が形成され、前記第2導電型の半導体領域と接する第1の電極が形成された炭化けい素半導体装置である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例の構造を説明するための図である。
【0034】
本構造はプレーナ型のショットキーダイオードでこの半導体装置の周辺にn+型の第1の半導体層1に達する溝を形成し、n+型の第1の半導体層1をチャネルストッパーとして利用するものである。
【0035】
以下、製造工程を述べる。n+型の第1の半導体層1にエピタキシャル法でn型の第2の半導体層2が形成され炭化けい素の半導体基板を構成している。次にn型の第2の半導体層2の表面からn+型の第1の半導体層1に達する溝がメッシュ状に形成される。後にこの溝の中央を砥石によりあるいはダイヤモンドの針により切断し各矩形部を分離することにより各半導体装置が得られる。
【0036】
次に溝表面とn型の第2の半導体層2の表面に熱酸化又はCVD法により絶縁膜5を形成する。溝によって区画されたn型の第2の半導体層2の中央部の絶縁膜を除去しn型の第2の半導体層2表面を露出させる。
【0037】
次にTiを半導体基板表面に蒸着し、この蒸着膜と露出したn型の第2の半導体層2表面との界面でショットキー接合を形成する。Ti層の上には半田接続できるようにNiもしくはAl/Niを蒸着し、その上に、Niの酸化を防止し半田接続しやすいようにAgを薄く蒸着する。
【0038】
次に写真工程とエッチング工程を利用して、ショットキー接合面上の金属層とその周辺に延在する絶縁膜上の金属(フィールドプレート相当部)を残して、溝方面とその周辺の絶縁膜5上の金属膜を取り除き、第1の電極6を形成する。ショットキー接合面上の金属層の周辺に延在する絶縁膜上の金属(フィールドプレーと相当部)まで取り除きフィールドプレート相当部を形成しない構造とすることもできる。
【0039】
次に半導体基板の裏面であるn+型の第1の半導体層1表面にTi、Ni、Agの3層の金属を順次蒸着し、第2の電極7を形成する。ここでTiはn+型の第1の半導体層1とオーミックを形成するための層であり、Niは半田接続するための層であり、AgはNiの酸化を防止し半田との濡れをよくするための層である。
【0040】
溝の中央を砥石によりあるいはダイヤモンドの針により切断し各矩形部を分離することにより各半導体装置が得られる。溝表面を絶縁膜5で覆い、溝の中央に歪を入れるため、本発明ではチャネルができるn型の第2の半導体層2の表面及びこれに接する付近は絶縁物5で保護されており、歪による欠陥や表面準位もなく経時変化に強い。
【0041】
また、チャネルの幅はショットキー接合から溝までと溝状部からn+型の第1の半導体層1表面までの十分長い距離がとれるのでピンチオフの効果が得られ、工程中あるいは使用中にイオンに汚染されて、n型の第2の半導体層2の表面にチャネルができてもn+型の第1の半導体層1がチャネルストッパーの役目を十分するので歩留りもよく経時変化も少なく信頼性がよい、
【0042】
図2は本発明の第2の実施例の構造を説明するための図である。本構造はガードリング付プレーナ型のショットキーダイオードでチップ周辺にn+型の第1の半導体層1に達する溝を形成し、n+型の第1の半導体層1をチャネルストッパーとして利用するものである。即ち、ショットキー接合の周りに第1の実施例にガードリングである環状のp型の第1の半導体領域3を加えた構造である。
【0043】
n+型の第1の半導体層1にエピタキシャル法でn型の第2の半導体層2が形成され半導体基板が構成される。n型の第2の半導体層2の表面に拡散マスクとしてCVD法により絶縁膜5を形成する。写真工程、エッチング工程を用いて環状のガードリング形成を予定している部分の絶縁膜5を除去して窓開けし、n型の第2の半導体層2の表面を露出させる。
【0044】
この窓開け部より、イオン注入法を用いてほう素を注入し、環状のp型の第1の半導体領域3を形成する。更に、CVD法により半導体基板を絶縁膜5で覆う。
【0045】
次にこの一部重なり合った絶縁膜5をマスクに、写真工程とエッチング工程を用いて、環状のp型の第1の半導体領域3より周辺で半導体装置の周辺に、n型の第2の半導体層2の表面からn+型の第1の半導体層1に達する溝が形成される。ウェーハ全体でみると、隣合う半導体装置間にメッシュ状に溝が存在している。後にこの溝の中央を砥石によりあるいはダイヤモンドの針により切断し各矩形部を分離することにより各半導体装置が得られる。
【0046】
次に溝表面とn型の第2の半導体層2の表面に熱酸化又はCVD法により半導体基板を絶縁膜5で覆う。この環状のp型の第1の半導体領域3の位置から内側のn型の第2の半導体層2を覆う絶縁物5の中央部の絶縁膜5を写真工程、エッチング工程を用いて絶縁膜5を除去して窓開けし、この環状のp型の第1の半導体領域3の中央部側表面と、この内側のn型の第2の半導体層2の表面を露出させる。
【0047】
次に第1の実施例と同様、Tiを窓開けされた基板表面側に蒸着し、この蒸着膜とn型の第2の半導体層2表面を露出した表面との界面でショットキー接合を形成させる。Tiの上には半田接続できるようにNiもしくはAl/Niを蒸着し、その上に、Niの酸化を防止し、半田接続しやすいようにAgを薄く蒸着する。
【0048】
次に写真工程とエッチング工程を利用して、ショットキー接合面上の金属層とその周辺に延在する絶縁膜上の金属(フィールドプレート相当部)を残して、溝表面とその周辺の絶縁膜5上の金属膜を取り除き、第1の電極6を形成する。ショットキー接合面上の金属層の周辺に延在する絶縁膜上の金属(フィールドプレーと相当部)まで取り除きフィールドプレート相当部を形成しないくてもよい。
【0049】
次に半導体基板の裏面である、n+型の第1の半導体層1表面にTi、Ni、Agの3層の金属を順次蒸着し、第2の電極7を形成する。ここでTiはn+型の第1の半導体層1とオーミックを形成するための層であり、Niは半田接続するための層であり、AgはNiの酸化を防止し半田との濡れをよくするための層である。
【0050】
溝の中央を砥石によりあるいはダイヤモンドの針により切断し各矩形部を分離することにより各半導体装置が得られる。溝表面を絶縁膜5で覆い、溝の中央に歪を入れるため、本発明ではチャネルができるn型の第2の半導体層2の表面及びこれに接する付近は絶縁物5で保護されており、経時変化に強い。また、工程中あるいは、使用中にイオンに汚染されて、n型の第2の半導体層2の表面にチャネルができてもn+型の第1の半導体層1がチャネルストッパーの役目を十分するので歩留りもよい。
【0051】
図3は本発明の第3の実施例の構造を説明するための図である。本構造はプレーナ型のpn接合ダイオードでチップ周辺にn+型の第1の半導体層1に達する溝を形成し、n+型の第1の半導体層1をチャネルストッパーとして利用するものである。
【0052】
n+型の第1の半導体層1にエピタキシャル法でn型の第2の半導体層2が形成され半導体基板が構成される。n型の第2の半導体層2の表面に拡散マスクとしてCVD法により絶縁膜5を形成する。写真工程、エッチング工程を用いて矩形状に絶縁膜5を除去して窓開けし、n型の第2の半導体層2の表面を露出させる。
【0053】
この窓開け部より、イオン注入法を用いてほう素を注入し、矩形状のp型の第1の半導体領域3を形成する。更に、CVD法により半導体基板を絶縁膜5で覆う。
【0054】
以下製造工程は、本発明の第2の例と同様なので省略する。第2の例におけるショットキー接合に相当する部分もp型の第1の半導体領域3が形成されpn接合ダイオードが作製される。歩留り、経時変化の改善の効果も第1、第2の例同様に説明できる。
【0055】
本発明の実施例において、炭化けい素の単結晶の例を示したがGe、Si等の単結晶やGaAs、SiC等の化合物半導体であってもよい。特にSiCなどの化合物半導体は、高濃度の深い拡散が困難であり、絶縁物半導体界面も準位の少ない良好なものが得られないため、本発明による構造が特に有効である。
【0056】
各実施例において第1の電極6が絶縁物5上まで延在していなくてもよいし、溝の部分を覆う絶縁物5の上まで伸びていてもよい。第1の電極6は、Tiの他Mo、Ti、Co、Al、Pt、Au等の金属あるいはその他の金属間化合物を用いることもできる。Pt、Au、金属間化合物は絶縁膜に対する密着性が悪いので、この膜上には絶縁物5と密着性のよいTi、Crなどが用いることが望ましい。本発明はこれら電極材料に限定されるものではない。
【0057】
AlやAuによるボンディングによる接続が要望される場合はNi−Agのシステムに換えて、AlやAuを最上層(トップ)に蒸着するのが望ましく、これ他のショットキー障壁形成用の金属あるいは、ボンディング方法に対応した電極積層システムであっても本発明の範囲に入る。
【0058】
【発明の効果】
本発明によりイオンの汚染による特性不良の少なく歩留りのよい、しかも経時変化が少なく信頼性のよい半導体装置が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構造を説明するための図である。
【図2】本発明の第2の実施例の構造を説明するための図である。
【図3】本発明の第3の実施例の構造を説明するための図である。
【図4】従来の半導体装置の第1の例を説明するための図である。
【図5】従来の半導体装置の第2の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 n+型の第1の半導体層
2 n型の第2の半導体層
3 p型の第1の半導体領域
4 n+型の第2の半導体領域
5 絶縁膜
6 第1の電極
7 第2の電極
Claims (4)
- 第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の主面上に形成された前記第1の半導体層よりも低濃度の不純物を有する第1導電型の第2の半導体層とからなる半導体装置において、前記半導体装置の周辺に沿って前記第2の半導体層の表面から前記第1の半導体層に達する溝が形成されており、前記溝表面と前記溝により区画された前記第2の半導体の表面に絶縁膜が形成されており、前記絶縁膜は前記第2の半導体の表面において前記溝より内側に窓開け部を有し、前記窓開け部の底部に露出する前記第2の半導体層と前記ショットキー接合を形成する第1の電極が形成された炭化けい素半導体装置。
- 前記第2の半導体層の表面に接しショットキー接合周辺部に環状の第2導電型の半導体領域を形成したことを特徴とする請求項1記載の炭化けい素半導体装置。
- 前記第1の電極を前記ショットキー接合周辺部の前記絶縁膜上まで延在した請求項1または請求項2記載の炭化けい素半導体装置。
- 第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の主面上に形成された前記第1の半導体層よりも低濃度の不純物を有する第1導電型の第2の半導体層とからなる半導体装置において、前記半導体装置の周辺に沿って前記第2の半導体層の表面から前記第1の半導体層に達する溝が形成されており、前記溝表面と前記溝により区画された前記第2の半導体の表面に絶縁膜が形成されており、前記絶縁膜は前記第2の半導体の表面において前記溝より内側に窓開け部を有し、前記窓開け部の底部に露出する前記第2の半導体層の表面には第2導電型の半導体領域が形成され、前記第2導電型の半導体領域と接する第1の電極が形成された炭化けい素半導体装置。
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